使っているソフトウェアのライセンスは、必ず確認しておきましょう。
ライセンスとは
ご自身のソフトウェアのライセンスの決定は原文を読んだ上で判断してください。
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目次
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ライセンスとは
主要なライセンス
あくまでも簡易な説明なので、実際に利用する際はライセンスの原文を読んでください。
GNU General Public License(GPL)
- 利用は自己責任
- 著作権の表示は消さないこと
- 複製・改変・再配布・販売等は自由
- 配布する場合ソースコードの公開を要求されたら必ず公開する
- 改変したものを配布する場合は、変更点を書いておくこと
- 改変するかしないかに関係なく、再配布する物もGPLにする(コピーレフト)
- GPLでライセンスされたソースコードを複製したり、改造したり、一部をコピーしたりして利用する場合
- GPLでライセンスされたライブラリを静的リンクする場合
- GPLでライセンスされた共有ライブラリを動的にリンクして、メモリ空間を共有して動作する場合
ただし、GPLでライセンスされたソフトウェアを修正して、プロセス間通信を行えるようにした場合は通信相手もGPLにする必要があります。
- GPLフォント例外 … GPLの下頒布されるデジタル・フォントを電子文書ファイルに埋め込む際に、ファイル自体へのコピーレフト制約を例外回避させるGPLの追加的条項。
- GPLリンク例外 … ライブラリコードを提供するソフトウェアのプロジェクトにGPLの全ての条項を適用せずに、他のプログラムがリンクすることを可能にするもの。
GNU Lesser General Public License(LGPL)
かつての名前の通り、他のプログラムにリンクされることを前提とした、ライブラリの為のライセンスとして作られました。
BSD License
古いライセンスを使っているソフトウェアもまれにある為、それぞれ簡単にまとめておきます。
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四条項BSDライセンス
三条項BSDライセンス
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- ソースコードを再配布する時は、著作権表示と修正BSDライセンスを残しておくこと
- バイナリ形式で再配布する時は、著作権表示と修正BSDライセンスをドキュメントまたは他の資料で配布すること
MIT License(X11 License、X License)
MIT Licenseも、GPLとは違いコピーレフトではありません。
また、GitHubで最も使われているオープンソースライセンス(*4)でもあります。
- 誰でも無償で無制限に使える
- 再配布する時は、著作権表示とMIT Licenseを全てもしくは重要な部分に書いておくこと
- 利用は自己責任
Apache License
ASFが提供する全てのソフトウェア(*5)はApache Licenseでライセンスされています。
バージョン1.1まではApache Software Licenseという名称でした。
- 複製・改変・再配布・実行・商用利用・サブライセンス等は自由
- 含まれている特許技術の利用も自由(ただし特許訴訟を起こすと取り消し)
- 利用は自己責任
- 商標を使うことは出来ない
- 再配布する時は、著作権・特許・商標の表示、Apache Licenseのコピーを提供すること
- 改変したものを配布する場合は、変更点を書いておくこと
Mozilla Public License(MPL)
MPLは修正BSDライセンスとGPLのハイブリッドと言えるライセンスで、プロプライエタリとオープンソースの間のバランスを模索したものになっています。
- 利用は自己責任
- 著作権の表示は消さないこと
- 複製・再配布・販売等は自由
- 配布する場合ソースコードも必ず取得できるようにする
- 改変は特許を含まない場合のみ可能
- 商標を使うことは出来ない
- 改変するかしないかに関係なく、再配布する物もMPLで入手可能にする(準コピーレフト)
また、必ずMPLで入手可能にしなければなりませんが、GPLやLGPLなどでも利用することができます。
Do What The Fuck You Want To Public License(WTFPL)
- どうとでも勝手にしやがれクソッタレ
それは日本でも例外ではなく、パブリックドメインとすることは様々な手続きを踏む必要があり容易ではありません。
CC0はWTFPLより法的に熟慮されたものになっているため、あなたがもし自分のソフトウェアをパブリックドメインに置きたい場合は、CC0を利用する方が良いかもしれません。
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
ソフトウェア向けのライセンスではなく、著作物全般に対するライセンスですが、ソフトウェアも著作物である以上、このライセンスが適用されている場合があります。

- NC - 非営利目的での利用に限定
- ND - 改変禁止
- SA - ライセンスが付与された著作物を改変して出来た著作物についても、元になった著作物と同じライセンスを継承させる(コピーレフト)
- CC BY - 著作物を複製、頒布、展示、実演を行う場合は著作権者の表示が必要(以降「著作権者の表示が必要」と記載)
- CC BY-NC - 著作権者の表示が必要、非営利目的での利用に限定
- CC BY-ND - 著作権者の表示が必要、改変禁止
- CC BY-NC-ND - 著作権者の表示が必要、非営利目的での利用に限定、改変禁止
- CC BY-SA - 著作権者の表示が必要、改変して出来た著作物はCC BY-SAなどになる
- CC BY-NC-SA - 著作権者の表示が必要、非営利目的での利用に限定、改変して出来た著作物はCC BY-NC-SAになる
PDMは、作品が既にパブリックドメインになっていることを示すツールです。


主要なフォントライセンス
しかし、それらのライセンスはフォントの事情には対応出来ない為、フォント専用のライセンスが存在します。
あくまでも簡易な説明なので、実際に利用する際はライセンスの原文を読んでください。
IPAフォントライセンス
Open Source Initiativeからオープンソースの定義に合致していると認定されています。
- 埋め込み・同梱・複製・改変・再配布・商用利用等は自由
- 改変せず再配布する際は、IPAフォントの名称の変更は禁止
- 改変せず再配布する際は、IPAフォントライセンスを同梱する必要がある
- 改変したフォントを配布する際は、「IPA」を含む名称の使用は禁止
- 改変したフォントを配布する際は、利用者がオリジナルのIPAフォントに戻せる方法を提供する必要がある
- 改変したフォントを配布する際は、誰もが自由に入手できるように一般公開する必要がある
- 改変したフォントを配布する際は、改変に必要なフォント以外のファイルや改変内容についての説明も一般公開する必要がある
- 改変したフォントを配布する際は、IPAフォントライセンスにする(コピーレフト)
SIL Open Font License(OFL)
フォント用のライセンスですが、FSFからフリーソフトウェアライセンスの認定を受けています。
- 著作権の表示は消さないこと
- 埋め込み・同梱・複製・改変・再配布・商用利用等は自由
- 配布する際はライセンスの明示が必要
- 改変した場合、フォント名に元のフォント名を含むことは出来ない
- 改変した場合は、そのことを書いておくこと
- 改変するかしないかに関係なく、再配布する物もOFLにする(コピーレフト)
M+ FONT LICENSE
- あらゆる改変の有無に関わらず、また商業的な利用であっても、自由に利用、複製、再配布することが出来る
- 全て無保証
まとめ
ライセンスを守らなければ、それは著作権法違反になります。
外部リンク
関連するウェブサイトへのリンク
- クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは | クリエイティブ・コモンズ・ジャパン
- GNU GPL v3 解説書:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
- OSSライセンスの比較、利用動向および係争に関する調査:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
- OSSライセンス関連情報:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
このページで紹介しているライセンスの原文
※リンク先のウェブサイトはリンクの後ろの()内に記載
- GPL
- LGPL
- Version 2.1 (GNUプロジェクト)
- Version 3 (GNUプロジェクト)
- BSD License
- MIT License (Open Source Initiative)
- Apache License(Apache Software License)
- Apache License, Version 2.0 (Open Source Initiative)
- Apache Software License, version 1.1 (Open Source Initiative)
- Mozilla Public License
- Version 1.1 (Mozilla)
- Version 2.0 (Mozilla)
- WTFPL (Wikipedia)
- IPAフォントライセンス (一般社団法人 文字情報技術促進協議会)
- SIL Open Font License(OFL)
- version 1.1 (SIL International)
- M+ FONT LICENSE (自家製フォント工房)
参考にしたウェブサイトへのリンク
- たくさんあるオープンソースライセンスのそれぞれの特徴のまとめ - Qiita
- GPL【ライセンス】とは|「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるIT用語辞典
- GPL採用のOSSを商用利用するときの注意点について | 技術系管理職の基礎知識
- いまさら人に聞けないGPLの基礎 (1/2) - ITmedia エンタープライズ
- LGPL【ライセンス】とは|「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるIT用語辞典
- BSD【ライセンス】とは|「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるIT用語辞典
- オープンソースのフォント ライセンスを利用するときに知っておきたい規約まとめ | tracpath:Works (*9)
- 素材やフォントのラインセンスを要約してみた | nakoのITノート (*10)
- よくある質問とその答え(FAQ) | IPAexフォント/IPAフォント
脚注に記載されているウェブサイトへのリンク
- 訴訟が増えている!? OSSライセンス違反:企業技術者のためのOSSライセンス入門(1) - @IT
- GitHubで最も使われているオープンソースライセンスは「MITライセンス」:MarkeZine(マーケジン)
- CC BY-SA (表示-継承) 4.0からGPL v3への一方向の互換が実現–ゲーム、ハードウェア・デザインなど、コモンズにおける相互運用性が向上 | クリエイティブ・コモンズ・ジャパン
- M+ Fonts
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