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Vivaldi

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Vivaldi

▲Vivaldiのロゴ

Vivaldiは、Vivaldi Technologies社によって開発されている、軽量設計の ウェブブラウザ である。
Google Chromeの拡張機能や、旧Operaのようなマウスジェスチャーに対応するなど、両者の特徴を併せ持っている。

▲Linux上で動作するVivaldi 3.2(1967.47)のスクリーンショット
各種データ
開発者 Vivaldi Technologies
開発状況 開発中
初版 2016年4月6日
最新版 6.1(3035.111)/ 2023年6月28日 *1
最新評価版 3077.3 / 2023年7月16日
プログラミング言語 C++
対応OS Windows , macOS , Linux , Android
使用エンジン HTMLレンダリング:Blink
JavaScript:V8
対応言語 52言語
ソース https://vivaldi.com/ja/source/
ライセンス プロプライエタリ
ウェブサイト https://vivaldi.com/ja/

概要

Vivaldi Technologiesは、オペラ・ソフトウェアの創設者の1人でありCEOであった、ヨン・スティーブンソン・フォン・テッツナーによって設立された。
オペラ・ソフトウェアの元COO、冨田龍起も創業者として加わっている。

"A new browser for our friends"(私たちの友人のための新しいブラウザ)をスローガンとしており、技術者、インターネットのヘビーユーザー、OperaのレンダリングエンジンがPrestoからBlinkへと変更されたことに伴って多くの機能が削除されてしまったことに不満を抱くかつてのOperaユーザーを主な対象としている。
開発は主にノルウェー・オスロ、アイスランド・レイキャビーク、アメリカ・グロスターにて行われている。

レンダリングエンジンは、現行のOperaと同じくBlinkを使用している。
オペラ・ソフトウェアにPrestoの使用を交渉したが、許可を得られなかった為で、開発側はVivaldiが軌道に乗れば、自社で改めてレンダリングエンジンを開発する可能性も視野に入れたいとしている。

Vivaldiは自身のベースであるChromiumや、同じくChromiumをベースとするGoogle Chromeよりも軽量で高速に動作する。

植林検索エンジンEcosiaの他、ユーザーのプライバシーを重視し、同様の路線を歩む検索エンジンDuckDuckGo、Startpage.comやQwantがデフォルト検索エンジンに入っている。

名称は近世ヨーロッパの作曲家、アントニオ・ヴィヴァルディに由来する。
「覚えやすくて、世界中で知られていて、革新的な名前」であり、「ヴィヴァルディの音楽が当時とても革新的だとされていた」ことから、「革新的なブラウザを作っていきたいという思いを込めて」この名称が採用された。

Net Applicationsのデータによると、2019年の世界全体でのシェアは0.1%程度、2021年は0.01%程度とされる。*2*3
これは2019年12月のVivaldi 2.10以降、デフォルトのユーザーエージェントをGoogle Chromeと同一のものとしており、実際のシェアよりも小さく報告されている為である。*4

公式サイトの記載によると、Vivaldiのアクティブユーザーは増加を続けており、2021年2月時点でデスクトップ版・モバイル版を合わせて220万人以上となっている。
その為、実際のシェアも増加傾向にあると考えられる。

なお、Vivaldi利用者のうち15%は日本人であり、その占める割合は利用者の中で1番多い。*5

歴史

2013年4月にオペラ・ソフトウェアはブラウザのレンダリングエンジンを、従来開発していたPrestoからGoogle Chromeでも利用されているWebKitに切り替えると発表し、ChromeがレンダリングエンジンをBlinkに切り替えると、その後追いをした。

しかし、多くの機能が削除されてしまった新生Operaブラウザは、多くのユーザーに不満を抱かせる出来だった。
また、2014年3月には、オペラ・ソフトウェアは自社ウェブブラウザであるOperaのユーザー向けに提供していたソーシャル・ネットワーキング・サービス、My Operaを閉鎖した。

ヨン・スティーブンソン・フォン・テッツナーはオペラ社を2010年に去っていた。

2014年3月に閉鎖されたMy Operaに代わるバーチャルコミュニティサイトとして、フォン・テッツナーはvivaldi.netを開設した。
彼は、My OperaのコミュニティこそがOperaのありようを決定する助けになると信じており、オペラ・ソフトウェアによるコミュニティ閉鎖の決定を快く思っていなかった。

フォン・テッツナーは、vivaldi.netが新しい会社を興す道に繋がるものでもあると発言し、2015年にVivaldi Technologiesを創設、2016年には新たなブラウザであるVivaldi 1.0を公開して、旧Operaの精神を復活させた。

2018年9月には同期機能を搭載したバージョン2が公開され、2020年4月にはトラッカー・広告ブロック機能を搭載したバージョン3が公開された。

2019年9月にAndroid版のベータ版が公開されており、2020年4月のバージョン3と合わせて正式リリースされている。

2021年6月にウェブページ翻訳機能やベータ版のメール、カレンダー、フィードリーダーを搭載したバージョン4が公開された。
同年12月には、ブラウザのテーマを共有する機能を新しく搭載したバージョン5が公開された。

2022年6月、Vivaldi メールが正式版の1.0になった。これはブラウザ内蔵のメールクライアント・カレンダー・フィードリーダーである。

2023年4月、ワークスペース機能を新しく搭載したバージョン6が公開された。*6
同年5月23日、iOS版Vivaldiのプレビュー版が公開された。*7なお、日本においては5月16日に先行で初公開されていた。*8

iOS版Vivaldi(プレビュー版)

特徴

Chromiumをベースに、パワーユーザー向けの機能やカスタマイズ性を重視した機能が搭載されている。
ある程度の機能は 機能 | Vivaldi Browser にて解説されているが、説明のない機能も多い。

Google Chrome / Chromiumとの主な相違点としては、以下が挙げられる。

多くのカスタマイズ項目

Vivaldiではタブバーやメニューバーの位置など、細部に至るまで多くの設定項目が存在する。

▲LinuxJapanWikiにアクセスした際のカメレオンカラー

またサイトのテーマ色に合わせてウィンドウの色を変えるカメレオンカラーという機能もある。

充実したタブ強化

複数のタブをまとめるタブスタックや、タブの読み込みを中止してリソースの消費を減らすタブの休止、同一ウィンドウ内で複数ページを開くタブタイリング、タブが横幅を使い切った場合に自動的に2段目・3段目と展開する多段タブ、ワークスペースなど、大量のタブを同時に開くようなユーザー向けの機能が搭載されている。

ワークスペース

タブとタブスタックをカテゴリ毎に異なるワークスペースにグループ化することができる機能。*9
クリックするだけで、ウィンドウ内のビューをすぐに切り替えることができる。

タブスタックと同様に、ワークスペースではタブをさまざまなカテゴリに整理することができるが、ワークスペースでは表示するワークスペースを選択すると、ウィンドウにそのカテゴリのタブのみが表示される。

ワークスペースを切り替える様子

スピードダイアル

登録したWEBサイトに素早くアクセス出来るブックマークに似た機能。
サイトを画像で表示するので管理がしやすい。

マウスジェスチャー

Operaの流れを汲み拡張機能無しでマウスジェスチャーを使用することができる。
殆どの機能にマウスジェスチャーを割り当てられる他、F2キーから開けるクイックコマンドを利用することでキーボードのみでも殆どの操作が可能。

パネル

サイドバーにWEBサイトのモバイル版を表示できる機能。
パネルの非表示は手動のほか、非アクティブ時に自動で行わせることもできるため邪魔になりにくい。

WEBサイトのほかに「メモ」「ブックマーク」「ダウンロード」「閲覧履歴」ページなども表示できる。

プライバシー

プライバシーを守るために、Chromiumの同期機能は使わず独自に実装された同期機能が存在する。
その為、Vivaldi独自の設定や機能についても同期することができる。

またプライベートウィンドウとそうでないウィンドウで検索エンジンを切り替えることができる。

拡張機能

Chromiumベースであることの利点として、Google Chrome向けの拡張機能を利用することができる。

動画ポップアウト機能

動画をスクリーンの任意の場所で再生し続けられる、ピクチャー・イン・ピクチャー(PiP)機能に早くから対応している。

広告・トラッカーブロック

DuckDuckGoのトラッカーブロックリストやEasyListの広告ブロックリストが内蔵され、ブラウジング中に使用できる。
また、Cookieの同意ポップアップ除去のリストも内蔵されており、オプションで有効にすることができる。
これらのソースリストは、設定からユーザー自身で管理することができる。

内蔵された広告ブロッカーは、サードパーティの拡張機能の広告ブロッカーと比較してメモリ消費が軽く互換性の問題が起きない利点がある、としている。

QRコードでのURLシェア

表示ページのURLをQRコードで生成し、他のデバイスで読み取ることでそのページに行くことができる。
同期機能でもURLは送れるが、同期していないデバイスにも共有できるのが利点。

メール・カレンダー・RSS

Snapshot版 2115.4からプレビュー段階の機能としてメール、カレンダー、RSSリーダーが搭載された。
Snapshot版 2312.3より、ベータ版に移行した。

ウェブページ翻訳

デスクトップ版はSnapshot版 2238.3より、Android版はSnapshot版 2278.3より、プレビュー段階の機能としてウェブページの翻訳機能が搭載された。
Chromeとは異なり、Google 翻訳ではなくVivaldiのサーバー上でホストできるLingvanexの翻訳エンジンを使用している。
安定版4.0より正式搭載された。

外部リンク


脚注に記載されているウェブサイトへのリンク


関連項目


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  • コメントログ作成 - 名無しさん (2020-08-22 13:23:13)

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注釈

*1 出典:デスクトップブラウザ | Vivaldiブログ

*2 ブラウザシェア調査には大きく誤差がある為、参考程度にしかならない。

*3 出典:Browser market share - Net Applications

*4 出典:「Chromeのシェアが○○%伸びた」って本当? ブラウザシェアの数字をそのまま信じてはいけない理由|Vivaldiブラウザ トニーと愉快な仲間たち|note

*5 出典:「ユーザー数日本が一番」――新興ブラウザ「Vivaldi」 「Opera」創業者語る「ユーザーは友人」とは - ITmedia PC USER

*6 デスクトップ版 Vivaldi 6.0:新機能「ワークスペース」で目的別にタブまとめ&カスタムアイコンで自分らしさをちょい足し | Vivaldi Browser

*7 出典:iOS 版 Vivaldi:プレビュー版が公開! | Vivaldi Browser

*8 出典:iOS版「Vivaldi」が日本先行プレビュー公開! 改めてその優位性をアピール - 窓の杜

*9 出典:ワークスペース | Vivaldi Browser