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Vine Linux

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Vine Linux

Vine Linuxは、Red Hat系の日本製Linuxディストリビューション。
Red Hat系ではあるが、Linux Standard Baseには準拠していない。

2021年5月4日、公式サイトとメーリングリストにてVine Linuxの全てのリリース版の終了が宣言された。
VineSeedの開発は継続される。*1*2

▲デスクトップ画面
各種データ
開発者 Project Vine
系統 Red Hat系
開発状況 VineSeedのみ開発中(リリース版は終了)
初版 1999年3月28日
最新版 6.5 / 2017年4月3日
アップデート方式 APT-RPM
パッケージ管理 RPM
カーネル Linux
デスクトップ環境 GNOME 2(VineSeedはGNOME 40)
ウェブサイト https://vinelinux.org/

概要

1998年にProject-JEのメンバーを主体として開発が始まった。
以前はRed Hat Linuxの派生であったが、バージョン3.0からはProject Vineのメンバーを中心に独自に開発が進められている。

Linuxを常用OSとして使用したい個人や教育機関をメインターゲットとして開発されており、使いやすい日本語環境、日本語利用に程よい標準環境や設定、パッケージの厳選、使い勝手を犠牲にしない軽量・高速化などを掲げている。

1990年代後半、海外製のLinuxディストリビューションがまだ日本語にまともに対応していなかった時代に登場したVine Linuxは、日本語をそのままで扱うことができるようになった日本語対応のLinuxディストリビューションの先駆けの一つである。
その為、2000年代初頭までは日本語環境を必要とするユーザに人気があった。

2021年5月4日、公式サイトとメーリングリストにてVine Linuxの全てのリリース版の終了が宣言された。
開発版であったVineSeedの開発は継続されており、2021年5月時点では以下のようなバージョンで開発されている。*3
  • kernel-5.4
  • gcc-10.3
  • rpm-4.16
  • gnome-40

各バージョンのコードネームはワインの名称から採られている。*4
開発版はVineSeedという名称になっている。

他のメジャーなディストリビューションに比べセキュリティー上の問題の修正が遅い場合がある。
VineSeedを元にローリングリリースとする意見などもあるとしているが、2021年5月時点では未定である。*5

パッケージ管理システムにAPT-RPMを採用しており、 Debian系 同様APTが利用出来る。

アプリケーション

Vine LinuxはArch LinuxFedoraのように最新のパッケージを導入せず、少々枯れたパッケージで構成されている。

初期状態では厳選されたパッケージだけがインストールされており、オフィス系ソフトからグラフィック、マルチメディアまで一通りのものは揃っている一方で無駄は少ない。

修正パッケージはソフトウェアのバージョンアップではなく、Red Hat Enterprise Linux Debian のように、不具合箇所の修正のみを行う。
これは、セキュリティ上の修正のためにソフトウェアの挙動が変更されてしまう問題を起こさないためである。

他には、Emacs、LaTeXの日本語環境などのデフォルト設定、プログラミング環境(GCCなど)、JM Projectの日本語マニュアルの採用という特徴がある。
また、Project Vineメンバーが開発しているVLゴシックフォントファミリが標準で採用されている。

VinePlus

Vine Linuxには、VinePlusというVine Linux対応のRPMパッケージ群が存在する。
VinePlusについてもProject Vineが管理するサーバで配布されているが、Vine Linuxをアップグレードした場合に動作しなくなる可能性があるなど、利用者の自己責任で利用する必要がある。

過去には、VinePlusにあるRPMパッケージのインストールに必要なパッケージがサーバに置かれていないという事例も存在した。

バージョン3.0からは、VinePlusは細分化された。
過去にあったVinePlusのうちメンテナが不在でメンテナンス頻度が極度に低いパッケージはextrasやorphanedというリポジトリに分離された。
これらのパッケージもapt-getを使ってインストールすることもできるが、そのためには利用者がaptの設定ファイルを書き換える必要がある。

VinePlusは原則としてFHS 2.3には準拠しておらず、FSSTND1.2に準拠している。

特許が取得されている機能を実装しているソフトウェアのように、使用に制限があるソフトウェアをVine Linuxで利用するためには利用者自身がインストールする必要がある。
VinePlusでは、それらのソフトウェアのRPMパッケージを作成するためのSRPMパッケージをnonfreeリポジトリに用意している。

リリース

Vine Linuxの主要なバージョンにはコードネームがつけられており、VinePlusなどのパッケージやサポート期限もそれに応じて用意される。

修正プログラムは原則としてそのバージョンの次のメジャーバージョンリリースから1年後まで提供される。

バージョン6.xよりppc(PowerPC搭載のMacintosh)は対応アーキテクチャから外された。

主なバージョン リリース日 サポート期限
1.0 Nahe 1999年3月28日 2000年1月11日(サポート終了)
1.1 Rheingau 1999年6月4日 2000年1月11日(サポート終了)
2.0 Sociando-Mallet 2000年4月14日 2003年4月7日(サポート終了)
2.1 Cissac 2000年11月4日 2003年4月7日(サポート終了)
2.1.5 Calon-Segur 2001年3月24日 2003年4月7日(サポート終了)
2.5 Domaine de Chevalier 2002年4月15日 2006年2月28日(サポート終了)
2.6 La Fleur de Bouard 2002年10月25日 2006年2月28日(サポート終了)
3.0 Valandraud 2004年8月2日 2007年11月22日(サポート終了)
3.1 Pichon Lalande 2004年11月26日 2007年11月22日(サポート終了)
3.2 Ducru Baucaillou 2005年9月18日 2007年11月22日(サポート終了)
4.0 Latour 2006年11月22日 2010年8月23日(サポート終了)
4.1 Cos d'Estournel 2007年2月22日 2010年8月23日(サポート終了)
4.2 Lynch Bages 2007年12月25日 2010年8月23日(サポート終了)
5.0 Lafite 2009年8月24日 2012年8月6日(サポート終了)
5.1 Cheval Blanc 2010年2月26日 2012年8月6日(サポート終了)
5.2 Palmer 2010年11月30日 2012年8月6日(サポート終了)
6.0 Haut Brion 2011年8月6日 サポート終了
6.1 Pape Clement 2012年7月30日 サポート終了
6.2 Haut Bailly 2013年10月16日 サポート終了
6.3 Malartic Lagraviere 2015年2月26日 サポート終了
6.5 Poupille 2017年4月3日 サポート終了

外部リンク


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  • コメントログ作成 - 名無しさん (2020-05-18 21:10:05)

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注釈

*1 出典︰Vine Linux News - VineSeed 以外の Vine Linux リリースを終了します

*2 出典︰[vine-users:082989] Vine Linux リリース版の終了について

*3 出典︰Vine Linux News - VineSeed 以外の Vine Linux リリースを終了します

*4 2.0以降。1.0と1.1はワインの産地から採られている。

*5 出典︰[vine-users:082989] Vine Linux リリース版の終了について