力持ちの土地神は、両親を殺された少年に怪力を授けた。人智を超えたその力で、下手人を捻り殺して復讐を果たせと。そればかりか土地神は、天涯孤独となった少年がきちんと復讐を果たせるよう、懇切丁寧に下手人の居所まで教えた。
少年は土地神に感謝したが、授けられた力で復讐をしようとはしなかった。その怪力を農業や荷運びなど、人々の役に立てる為に使ったのだ。老人や怪我人のみならず働き盛りの男衆も、少年の働きに大いに助けられた。
周囲の人々は少年の怪力を頼り、お礼にと身寄りのなくなった少年の生活を助ける。そうして互いに支え合って暮らす内に、いつしか人々は神頼みをすることを忘れ、信仰を失った土地神の力もまた、みるみると失われていった。
土地神は悔しそうに顔を歪めた。実は、少年の両親を殺すように下手人を唆しており、少年に復讐をさせ、その様を愉しむ心積もりだったのだ。しかし目論見は外れ、力も失った土地神は、人々に囲まれて幸せそうな少年を尻目に、静かに消え入ったのだった。
武器種 | 杖 | レアリティ | ★★★★ |
属性 | 風 | シリーズ | 豪傑 |
追加日 | 2022年5月31日 | ||
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