この村昔岩田村という。何の頃にか今の名に改むという。
府城の北に当り行程4里13町余。
家数41軒、東西3町47間余・南北1町25間。
四方田圃なり。
東7町
柴城村の界に至る。その村まで13町。
西3町32間
慶徳組能力村の界に至る。その村は申（西南西）に当り8町30間余。
南5町30間
慶徳組萬力村の界に至る。その村まで8町。
北2町20間
慶徳組綾金村の界に至る。その村まで7町50間余。
また
丑寅（北東）の方2町38間
荒分村の界に至る。その村まで6町30間。
丑（北北東）の方3町50間
高吉村の界に至る。その村まで12町余。
申酉（西南西～西の間）の方10町
慶徳組新宮村の界に至る。その村まで25町10間。
山川
式部川
村東4町20間余にあり。
荒分村の方より来り、南に流るること3町余
慶徳組大沢村の界に入る。
清水
村南5町40間余にあり。
周5間余、姥清水と称す。
神社
若宮八幡宮
| 祭神 |
若宮八幡？ |
| 相殿 |
白山神 |
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山王神 |
| |
稲荷神 2座 |
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伊勢宮 3座 |
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湯殿神 |
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諏訪神 |
| 鎮座 |
不明 |
村西4町20間余にあり。
慶徳組新宮村熊野宮繁栄の時この辺みなその社地なりといい伝う。
鳥居拝殿あり。上三宮村高村能登これを司る。
寺院
長善寺
村中にあり。
八幡山と號す。曹洞宗
会津郡南青木組天寧村天寧寺の末山なり。
天正9年（1581年）天寧寺開山傑堂が末流天空という僧草創すという。
本尊地蔵客殿に安ず。
観音堂
客殿の右にあり。
長福寺
村中にあり。
相模国藤沢清浄光寺の末山なり。
天正17年（1589年）火災に罹て旧記を詳にせず。
什物涅槃の掛幅、裏書に『為勢佛房十三回追膳（善の字の誤なるべし）天将（長帳にも天正を天将に作るものあり）五季丁丑五月三日奥州會津黒川湯川端長明寺常住相阿彌陀佛』とあり。また山號を湯川山と称すれば、当寺もと今の湯川の辺りに在て長明寺といいしにや。
寛永15年（1638年）相阿彌という僧住してより時宗となる。
本尊弥陀客殿に安ず。
観音堂
村中にあり。
馬頭観音を安ず。木像、長1尺。古物なり。
村民の持なり。
古蹟
舘内
村西より東につづき5尺計、高き所をいう。
その中に西谷地・厩尻という字あり。
何人の居館なることを伝えず。小荒井村岩田儀兵衛が祖新宮五郎左衛門宗連というもの館を築き、村名により岩田を以て家名とすというはこの地のことにや。
最終更新：2020年08月03日 19:13
