ゴウカザル

登録日:2009/11/14 (土) 19:07:09
更新日:2021/04/28 Wed 19:32:22
所要時間:約 12 分で読めます




頭で燃える炎のように激しい性格のポケモン。素早さではだれにも負けない。




出典:ポケットモンスター ダイヤモンド&パール、188話『決着ライバルバトル!サトシ対シンジ!!』、
2006年9月28日~2010年9月9日まで放送。OLM、テレビ東京、MEDIANET、ShoPro、
©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon



■データ


全国図鑑No.392
分類:かえんポケモン
英語名:Infernape
高さ:1.2m
重さ:55.0kg
タマゴグループ:陸上/人型
性別比率:♂87.5♀12.5
タイプ:ほのお/かくとう


特性:もうか(HPが1/3以下になると炎技の威力が1.5倍になる)
隠れ特性:てつのこぶし(パンチ技の威力が1.2倍になる)

HP:76
攻撃:104
防御:71
特攻:104
特防:71
素早さ:108
合計:534

努力値:攻撃+1、特攻+1、素早さ+1

Lv.14でヒコザルからモウカザル
Lv.36でモウカザルから進化


■概要


てあしに ほのおを まとった どくとくの かくとうわざを つかい どんな あいてにも たちむかう。

シンオウ御三家の炎タイプ。
モウカザルの進化形。
西遊記に登場する孫悟空のような姿をしており、胴には緊箍児(きんこじ、孫悟空の頭に嵌められた金の輪)のような意匠が見られる。

頭部には炎が燃え盛っており、その炎のような激しい性格を持つ。また、その炎は一生消える事がないという。
俊敏さに優れ、両手両足を駆使した変わった格闘戦を得意とする。

何気に分類はリザードンと一緒。

■ゲームでのゴウカザル


御三家なのでゲーム序盤から使用できる。
種族値の優秀さやタイプの相性的に有利なジムリーダーが多いことからストーリー攻略に使いやすい。
ダイヤモンド・パールでは他にシンオウ地方で捕獲できる炎ポケモンがポニータぐらいしかいないのも大きい。
ライバルのエンペルトにも弱点を突けるので、ポケモンにおける「ライバルの出してくる有利御三家に苦戦する」要素が薄いのも嬉しいところ。
もちろんプラチナでもその実力は健在だ。もうこいつひとりでいいんじゃないかな。


■対戦でのゴウカザル


第四世代のトップメタの一角。
曰く「役割破壊の申し子」「ダイパが産んだ狂気の産物」
最初は第二・第三世代で強かったハピナスエアームド*1をバシャーモより確実に殺せることから、厨ポケキラーと目されていた。
その評価はすぐに「こいつ自身が厨ポケ」に変わっていった。

耐久はやや低めで攻撃特攻も高め程度と、種族値自体は平凡。
しかし素早さの「105族」超え、炎・格闘共に物理・特殊のタイプ一致120技を覚えられる上にサブウェポンや補助技も非常に豊富で、まさに「器用万能」を地で行く。
「全ての型のこいつを完全に止められるポケモンなんて居ない」
とまで言われる始末。

新アイテムいのちのたまときあいのタスキとの相性はもちろんのこと、突ける弱点の多さやタスキの影をにおわせ続けられることから「たつじんのおび」、
高い素早さを上回られることを嫌い相手のスカーフ型に致命傷を与える「こだわりスカーフ」、麻痺や混乱で機能不全に陥ることを嫌う「ラムのみ」など
相性の良いアイテムは非常に多く、いずれも相手の読み違いを大きなアドバンテージにつなげられる。

しかしポケモンはポケモン。
技を4つしか覚えられないので、技や型がバレてしまうとあっさり止められてしまう。
交代から狩れる奴は微々たるものだが、鉢合わせなら狩れる奴はそれなりにいるので、死に出しに弱い。
自分より素早い奴にも弱い。意表を突いたスカーフ辺りでコロッと逝く。
戦術が素早さにかなり依存するため、まひにもかなり弱い。

逆に言えば初見では型が分からないという情報アドバンテージこそがゴウカザルの最大の利点。
しかも当時はポケモンの持ち物やワザをパーセンテージで表示する機能なんてないのでなおのこと分からない。
たった一手読み違えただけで致命傷が確定することがやたら多いという、「役割破壊」が形になったようなポケモン。
その上アタッカーだという先入観を利用した地雷型もあった。全盛期である第四世代では「すごいやつは何をやってもすごい」を地で行くポケモンだった。

技はやたら豊富で、たとえばコイツが覚えられない技は「水」「氷」「超」「」「」のみ。
「とんぼがえり」「がむしゃら」「めざめるパワー」あたりは常に厄介。
「ちょうはつ」や「アンコール」「ねこだまし」等の強力な補助技、
「わるだくみ」「つるぎのまい」等の積み技も完備。
タスキ「カウンター」なんて時も。
かなり変わったところでは「ねこのて」なんてのもあった。メジャー型、奇襲型、本物の地雷ポケモンまで本当に何でもできる。

最もスタンダードな型は物理型・特殊型共に「インファイト」「だいもんじ」「くさむすび」を覚えさせ、残りの1つを豊富なレパートリーから好みで選ぶ型。
この所謂基本型でも汎用性が充分。
ちなみに第4世代では多くの炎ポケモンがソーラービームを覚えれるようになったのだが、溜めを必要としないくさむすびを習得できるのは非常に貴重だった。
この他のポケモンが喉から手が出うるほど欲しい有用な汎用型を切って別の技にすることも考えられ、しかもそれがメリットにつながるという贅沢なポケモンである。
第四世代末期の対戦考察wikiの基本型には、選択技の欄に
「マッハパンチorねこだましorしんくうは/じしん/ストーンエッジ/とんぼがえり/くさむすび/カウンター/アンコール/がむしゃら/めざめるパワー(氷)」
なんて書かれている。適当に強い技並べただけじゃねーか。

「インファイト」「フレアドライブ」や使われる性格のせいで紙耐久な印象をもちがちだが、素の耐久自体は並程度ある。
タイプの関係で当時よく使われていた炎タイプや氷タイプの技の通りが悪いので、それを読んで出てくることもある。
意外な事に進化前に習得できる「なまける」に加え、「おにび」「めいそう」「ビルドアップ」を活かせば耐久型もいけたりする。
弱点は多めだが、戦えないわけじゃないのがたちが悪い。


一方で火力が高い印象が強いものの、それはタイプ一致かつリスクが低めな威力120技があるから。この2つの技を抑え込めるポケモンが相手になるとやりづらい。
ボーマンダギャラドスドククラゲダグトリオブーピッグ辺りなら割と安定して猿を狩れる。
しかし数は少ないが、それぞれ「ストーンエッジ」「急所めざパ氷」「雷P襷カウンター」「じしん」「シャドークロー」を持ってたらキツい。
特にボーマンダやダグトリオはガチ環境では遭遇する機会が多かったため、対面した彼らに致命傷を与える技が採用されていることもまったく珍しくない。これで裏目引いたときの不快感よ……
なんなら間違えて遺伝技を忘れさせてしまったのでとりあえず急場しのぎという感覚で覚えさせた「じしん」が勝利をもぎ取ったりもする。ほんとになんなんだこいつ。

同じタイプの鳥人はダイパ時代は毎夜涙で枕を濡らす羽目になった。さすがに相手が悪すぎる。
そしてこいつの存在そのものが、第四世代の対戦考察で好んで用いられた「何より意表を突ける!」を正当化するものだった。何をしてきてもおかしくないゴウカザルで意表をついて勝てるなら、ゴウカザルより数値が優秀な他のポケモンでもそうに違いない!あと俺も対戦考察に参加したい!ってわけ。
役割論理の下地である「火力で押し切れるなら反動やリスクなんて気にしなくていい」という思考を体現する技をやたら揃えており(だいもんじ、きあいだま、オーバーヒート、インファイト、フレアドライブ、きあいパンチ、ブラストバーンなど)、第四世代で役割論理が大成したことにはゴウカザルの存在も関係しているだろう。

とにかく受けることが難しいので相手にしたときは相手が圧倒的に有利な情報戦に付き合わされてうんざり、意表を突かれた時は青筋がヒクヒクすること請け合いだったが、
逆に言うとこの「役割破壊」という役割をしっかり見据えた上で使いこなせないと小学生が作ったフルアタ程度にしか活躍できない。
つまり使うことだけなら誰でもできるのだが「使いこなす」となると非常に奥深く、そして一度相手を翻弄しつくして勝てば以降病みつきになる強さを持つ。
当時の孵化の仕様から「孵化余り」を別の型として運用することもできたことで人気が高いポケモンで、めざパ氷70の孵化余りを知人からもらい受けて運用する人も多かった。
リアルで顔を合わせる友人とプレイするときは、ニックネームや性別で搭載されている遺伝技*2を覚えておくという対人メタもあったほど。
つまり第四世代の面白い部分を全部凝縮した欲張りセットみたいなポケモンと言ってもまったく過言にならない。


登場以来、オコリザルエテボース三猿ナゲツケサルといった他の猿ポケモンを上回る使用率を維持している。
そのため、プレイヤーの間で単に「猿」という言葉が使われる場合は今でもゴウカザルを指していると見て良い。

しかし第四世代の終わり頃にはその強さにも陰りが見え始める。
第六世代では必ず先制飛行技を繰り出すファイアローが登場。
さらにライバルであったバシャーモメガシンカを習得とやや逆風が吹いている。
またAC104と言ういまいちな(それでも低くは無いがぶっ飛んで高くも無い)攻撃面のせいで、この超火力環境に乗り切れていない面が見られてきた。
特殊技もメインの炎技の威力が低下したため、弱点を突けないとなかなか相手を落とせない。
器用万能からやや器用貧乏寄りになってきたと言えるか。

第七世代ではファイアローは特性の仕様変更で影を潜めたが、スカーフ持ちが急増しており、素早さインフレも厳しくなった。

ただし、一致技を両方半減する水/フェアリー複合組に有効な「ダストシュート」、何かと便利な「とんぼがえり」
補助技では妨害技の「ちょうはつ」と「アンコール」、サイクル戦で発揮する「ステルスロック

上記のゴウカザルしか覚えない技でバシャーモと差別化は可能。

第六世代のダブルではサーナイトと組んだりして戦ってもいたが、第七世代ではガオガエンにその役割を完全に奪われてしまった。哀れ…
更に第八世代では出ないどころか炎御三家最速の座をエースバーンに奪われる事に。

ちなみに隠れ特性は「てつのこぶし」。
ゴウカザルはパンチ系の技は少なくない為、少なくとも特性が腐る事はないだろう。
「もうか」の発動機会はそうそう多いものではない為、この辺も上手く差別化できている。
インファイトに乗らないのが欠点だが。


■アニメでのゴウカザル


廃人シンジの過酷な特訓についていけず、見放されたヒコザルをサトシが育ててゴウカザルまで進化させた。
元々他人のポケモンで弱いという理由で捨てられ、サトシにゲットされる。という出会いからゲットまでの流れがどことなくヒトカゲの時を彷彿とさせる。
いわゆるDP編における(捨てられた矢先にサトシに拾われたのをきっかけに強くなったと言う意味での)リザードン的なエースポジションで、
先にゲットされた御三家であるドダイトスより見せ場が多い。

普段は気弱だがトレーナーに尽くす健気な性格でバトルに勝った時は無邪気に喜んだりもする(シンジのもとにいた時は育成方針としてこうした面を抑え込まれていた)。
当初はあまりの環境の変化に戸惑うこともあったが徐々に打ち解けていった。こうした経緯からロケット団からも贔屓にされている。

その後もヒコザル時代からシンジが目を付けていた特殊な「もうか」が発動してしまい、度々暴走することもあったが、
遂にはゴウカザルに進化して、完全に制御できるように


…なってなかった。
かと思いきやデンジ戦で暴走してナギサジム破壊しつくしそうとするが、直後にあっさり冷静さを取り戻す。
しかし後にシンオウリーグ準々決勝でシンジのポケモン達と激闘を繰り広げ、
最終的にそのもうかを駆使しお互いにラス1として対面したエレキブルを撃破、成長した姿を見せ付け、見事勝利を掴み取った。
この回はアニポケ史の中でも屈指の名バトルとして名高いので是非皆一度は観て貰いたい。
サトシを演じる松本梨香も初代からXYまでの歴代シリーズにおける一番の名バトルとしてこの戦いを挙げている。

サトシのポケモンの中では異常なほど勝率が高く、ゴウカザルに進化してからは負けたのは下記のオーバのゴウカザルだけと1回しか負けてない。
ただし、勝率1位ではない(1位はワルビアルで進化後は全勝、通算でもワルビアルが上回っている)。

ダイヤモンド・パールにおいて、シンジは初登場ですでにサトシと同じような戦績・経歴を持ち、そしてサトシとまったく違う思想の持ち主として描かれていた。
ストイックに勝ちだけを狙い、勝ちにつながらない要素を徹底的に排除するシンジと、落ちこぼれでも決して見捨てずにきずなを深め、じっくりと理解しあうことで勝利を得るサトシ。
その2人の決して相容れない差を象徴するのがこのヒコザル(ゴウカザル)であり、シンジとの対決では多くの見せ場が描かれている。
シンジが捨てたもの、サトシが拾ったものという互いのトレーナーとしての思想の差と負けられない意地、それがこのヒコザル(ゴウカザル)。
つまりシンジをめぐるエピソードにおけるキーパーソンだったのである。
DP編の最終決戦が現在もなおベストバウト扱いされるのは、3話まるまる用いた熱い試合運びだけではなく、
ここまで数年間しっかりと積み重ねてきた2人とポケモンたちの像がしっかりしていたことにもある。

ちなみにこの時期からサトシの手持ちの「ガチ化」が著しくなってくる。
ゴウカザル、ムクホーク、フカマル(ガブリアス)はいずれも第四世代の代表的な強ポケモンだ。


他には別個体としてオーバのゴウカザルが登場。
四天王のパートナーと言う名は伊達では無く、ナギサジムでのサトシ戦では、ノーダメージで、3連勝する等桁外れの実力を見せる。
最初は攻撃せずに、相手の攻撃を受け流したり、回避する等の戦法を取る。
ピカチュウのでんこうせっかを、わざと喰らったりもした(…M?)。

使う技もぶっとんでいる。
反動無しのフレアドライブ、どう見てもきあいパンチにしか見えないマッハパンチ。

余談だが、このときのピカチュウはタフ過ぎた。
他のブイゼルとゴウカザルが一撃で倒されたのに対し、フレアドライブ、インファイトを何回も喰らったのに倒れなかった。

主人公の相棒が、簡単に倒れる訳無いが、ピカチュウのくせに体力あり過ぎだろ…


サトシ「ゴウカザル!追記・修正でシンジに強くなったお前を見せてやれ!」

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最終更新:2021年04月28日 19:32

*1 第三世代の対戦環境は非常に複雑怪奇で、「地域によってルールやメタが違う」みたいなことが平然と起きていたので、ハピムドについては印象論に近い。

*2 当時は一度忘れると二度と覚えられなかった。