せんせいのツメ(ポケモン)

登録日:2014/11/07(金) 03:55:28
更新日:2025/02/11 Tue 00:18:22
所要時間:約 10 分で読めます





カビゴンはせんせいのツメでこうどうがはやくなった!▽

説明文:かるくて するどい ツメ。 
    もたせると あいてより さきに こうどう できることが ある。

「せんせいのツメ」とは、ポケットモンスターに登場する持ち物である。初出は金銀
ポケモンに持たせると、相手のポケモンより素早さが低い場合でも20%の確率で先制攻撃ができる。

まず、こちらと相手の技、どちらが先に出るかはポケモンの素早さと技の優先度というものが関係する。
いわゆる「先制技」は、優先度は高いほど技が先に出やすくなるもので、素早さは関係ない。
たとえば優先度が+2の「しんそく」は素早さに関係なく、常に優先度+1の「でんこうせっか」より先に発動する

技の優先度が同じであれば、ポケモンの素早さが速い方が先に行動する、相手と自分のポケモンが同速の場合はどちらが行動するかが本来は50%で半々。
確率上はせんせいのツメを持っていれば同速時に60%の確率で先制攻撃が可能。

このアイテムによる先制攻撃は優先度を変更するものではなく、同じ優先度の技を使うときに素早さに関係なく優先的に行動できるようにするものである。
例えばこちらが優先度+0の技を使用し、せんせいのツメが発動していても優先度+1の「でんこうせっか」を抜くことができない。
敢えて優先度で表現するなら優先度+0.5と言ったところか。
そのため、相手が自分の使う技よりも優先度の高い技をつかっている場合は、たとえ効果が発動しても先制攻撃ができない
逆に言えば、優先度を高くしているわけでもないので、効果が発動しても「サイコフィールド」や「ファストガード」に無効化されることはない。


ストーリーでは先生キャラから貰えることが多い。
どうやら「先生」と「先制」をかけたシャレのようである。

初出の金銀では「しぜんこうえん」に居る女性の先生から貰える。リメイク版のHGSSではそれに加えて野生のサンドが5%の確率で所持している。
RS及びリメイク版のORASではカナズミシティのトレーナーズスクールで貰えるほか、野生のサンドやニューラが持っている。
FRLGではセキチクシティのサファリゾーンで拾えるほか、同じく野生のニューラから手に入る。
DPではコトブキシティ北東部のマンション1階でパチリスの隣に居る女性から貰えるほか、これまた野生のニューラから手に入る。
BWでは「ヤグルマのもり」を抜けて「スカイアローブリッジ」に向かう途中のゲートでやまおとこから貰える。
BW2ではヒウンシティから「スカイアローブリッジ」に向かうゲートで女性から貰える。
XYではミアレシティにあるカフェ・フォーカスの向かい側のビルで貰える。
SMUSUMではハイオリシティのトレーナーズスクール1階の女性の先生に勝つと貰えるほか、野生のニャースが所持し、ロイヤルアベニューでは48BPの景品。
剣盾では野生のニューラが所持するほか、ラテラルタウンのほりだしもの市で3000円で売っていることがある。
SVではボウルタウンで拾うか、テーブルシティのデリバードポーチにて8000円で購入できる。

●本編における位置付け


ゲーム本編では持たせておけばどんなポケモンでもとりあえず機能し、非消費アイテム故に扱いやすいため、シナリオクリアまで旅パで愛用しているプレイヤーも多い。
特に、初期から使っているポケモンに経験値が偏るというのもよくある話なので、
そういう場合は交代しない限り同じ技しか使えないこだわり系アイテムよりもこちらの方が心強く感じることもあるであろう。

しかし、多くのガチプレイヤーにとっては、自分が世話になった場面よりも敵トレーナーに苦しめられた記憶の方が多いはずである。

いわゆる「タワークオリティ」や「フロンティアクオリティ」と呼ばれるものである。
どれだけバランスの良いパーティや技構成で臨んだつもりでも、これを持った相手に先手を取られ高火力技やましてや一撃必殺技を食らわされるとひとたまりもない。
「20%のはずなのに「異様に高確率で発動する気がする」という証言は後を絶たない。
特にバトルフロンティアでのトドゼルガの「ぜったいれいど」は多くのプレイヤーのトラウマとなった。

特性がんじょう」持ちのポケモンなら残りHPに関係無く一撃必殺の餌食になることはない。
しかし、いかんせん重火力型のポケモンが多いため、多様な戦術に対応するために「先手必勝」が要求される連戦には向かない場合が多い。


●対人戦における位置付け


一方、対人戦における「せんせいのツメ」であるが、残念ながら現在では使用率は非常に低い
特にレート戦では運に頼る要素をできるだけ減らし安定した勝ち筋を目指すのが基本とされるため、
20%という低確率でしか恩恵に預かれないこのアイテムはどうしても影が薄くなってしまうのだろう。
(後述するが一応このアイテムにもメジャーだった時代はある)

相手のポケモンに先制したい場合は自身の素早さを1.5倍にする代わりに技が固定されてしまう「こだわりスカーフ」が優先される。
というか、こちらはデメリットこそあるが安定性があり、素早さが1.5倍と計算もしやすいでの戦術に組み込みやすくメジャーなアイテムである。


こだわりスカーフのような安定感がないことも問題だが、それ以上に問題なのはせっかく20%の幸運に恵まれたとしても、
冒頭で説明したように優先度で負けてしまうために先制攻撃ができないというケースが少なくないことも大きな問題である。

「はやてのつばさ」+「ブレイブバード」のファイアローや「しんそく」「ふいうち」等の先制技には全くの無力な上、
使用する変化技の優先度を+1する「いたずらごころ」のヤミラミ等に先に変化技を撃たれてしまうのである。

「せんせいのツメ」について嫌な思い出が幾つも浮かんでも、自分が対戦で使うなどという発想すら浮かばない人も多いだろう。
敵に回すと嫌らしいが味方にすると頼りない、という所だろうか。


それでも、使い道がないというわけではなく、先攻後攻が安定しなくなる点こそ強みになる場合がある。

例えばグライオンというポケモンが居るのだが、特性と持ち物を活用することで延々とHPが回復し続ける。
そのため、「みがわり」と「まもる」を繰り返すだけで技の使用回数が切れるまで遅延行為を行うことができる。

上から「みがわり」を貼り続けることで、スリップダメージなどと組みあわせて自分より遅いポケモンをほぼ完封してしまうのだが
「みがわり」を貼ろうとしたタイミングで「せんせいのツメ」が発動すればグライオンを上から崩す事ができる。

その他、相手の方が速い状況で「はねやすめ」などの回復技を連打して粘ってくる相手に対して運よく発動すれば
回復する前に相手を攻撃することができ落とすこともできる。

具体的にはSVシーズン22ではグライオンを崩すための「せんせいのツメ」もちサーフゴーが上位帯にて結果を出している。
せんせいのツメの採用率自体は1%前後であり、メジャーな持ち物と言えるレベルではないことに留意したい。

まとめると、タイミングが不安定なことで運次第だが相手の勝ちパターンを崩すことができるのが強みである。
もちろん、相手に攻撃されて負けるといったタイミングで20%で先制できるといった勝ち筋が残るといった強みもあるが。

以下「せんせいのツメ」と相性の良いポケモンを紹介する。

メタモン

メタモンは隠れ特性「かわりもの」により、場に出た瞬間に相手のポケモンのHPとPP以外の能力をコピーできる。
当然、元のポケモンと同速の状態となるため、冒頭で説明したように60%の確率で相手のポケモンに先制できる。

普通は「こだわりスカーフ」とセットで運用されることの方が多いのだが、
こちらはこだわりシリーズの制約によって特定の技しか使えなくなり、次のポケモンの起点にされることを避けられる。
コピーした相手との先制合戦に勝って1匹を処理した場合、次のポケモンとの戦いで4つの技の選択権を維持できるのだ。
コピー元次第では相手の戦線を一気に切り崩すこともできる。
また、「こだわりスカーフ」は他のポケモンに持たせつつ、メタモンの素早さも確保したいという場合は候補になるか。

現状「せんせいのツメ」を最も有効に活用できるポケモンであり、採用率はなんと3位をキープしている。

ヤドラン(ガラルのすがた)

攻撃技を選択すると3割ほどの確率で先制できる専用特性「クイックドロウ」を持つ。
「せんせいのツメ」と似ている効果だがなんと当のツメと効果が重複するため、両方採用すれば4割ほどの確率で先手を取れるという恐ろしい運用が可能。
これによって素早さを捨てて火力と耐久を底上げする事ができるのだ。

トゲキッス

特性「てんのめぐみ」により、技の追加効果の発生率が2倍になるのがポイント。
「エアスラッシュ」による怯みは勿論、副次的だが「だいもんじ」によるやけどの発生率も高まる。
先手を取って攻撃し、追加効果が発生すれば相手の反撃を封じられる。
スカーフ持ちに比べると、エアスラッシュを受けに出てきたはがねタイプ等をそのまま迎撃できたり、
相手のスカーフ持ちに対しても有効打を与えられる点で勝る。
もっとも剣盾環境では「ダイジェット」によりSを自発的に上げられたため、採用されることはまずなかったが・・・

・重火力型アタッカー

攻撃力は高いがすばやさが低いために先制しづらいポケモンとは相性が良い。
特に、元々のすばやさが低すぎてスカーフでも先制攻撃を狙うのが難しいポケモンの場合、
他のアタッカーよりもこのアイテムを利用するメリットは大きくなる。

素早さで勝る相手のポケモンに高火力で先制攻撃を食らわせ一撃で倒せば、こちらはノーダメージなので後続との戦闘で非常に有利。
特にカビゴンバンギラスドサイドンローブシンといった攻撃範囲の広いポケモンなら、相手の弱点を突いて一撃で倒しやすい。

「がんじょうあご」+「エラがみ」を武器とするウオノラゴンに持たせるのも手。
「ちょすい」や「かんそうはだ」持ちのいるパーティ相手にも柔軟に対処できるのはスカーフにはない利点。

その他SVシーズン20にて「せんせいのツメ」を持たせたカイオーガ入りの構築が最終2位を記録している。

・状態異常使い

相手の攻撃を受ける前に状態異常にしてしまえば、その後の戦闘は非常に有利になる。
スカーフキノガッサや、「いたずらごころ」持ちが強いのもそのためである。

スカーフ持ちと比較した場合、こちらは状態異常にした後そのまま攻撃に移ることができるのがメリット。
パラセクトのように状態異常技を持つがスカーフでも補えないほど素早さが低いポケモンとも相性が良い。
上記の「重火力型アタッカー」にも含まれるが、
特性「ノーガード」持ちで「ばくれつパンチ」を撃てるカイリキーゴルーグも候補に挙がる。
ただ、カイリキーに関しては上述のファイアローにとってモロにカモなので要注意。


このように扱いづらく不安定な部分はあるが、
ポケモンとの相性次第では他の持ち物以上に戦局を有利に導くこともある‥‥かもしれない。

また、現在ほど持ち物が豊富ではなかった第二世代・第三世代ではそもそも対戦に使えるアイテムが少なかったのもあって使用率は高かった。
特に持たせるアイテムが少なかった第二世代ではカビゴンが持っているかどうかで対面の結果がどうなるかが変わるなど読みあいが必要なぐらい重要であり、現代では考えられないほどメジャーなアイテムだった。


追記・修正は先制攻撃に成功してからお願いします。

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最終更新:2025年02月11日 00:18