マシェード

登録日:2017/03/04 Sat 09:32:00
更新日:2025/07/03 Thu 10:22:16
所要時間:約 5 分で読めます





点滅する 胞子を 吹き出し 眠りに 誘う。 眠った 獲物の 精気を 吸い取る。

マシェードとは、『ポケットモンスター』シリーズのポケモンの一種である。

■もくじ


■データ


全国図鑑No.756
アローラ図鑑No.146
アーカラ図鑑No.073
ウラウラ図鑑No.065
分類:はっこうポケモン
英語名:Shiinotic
高さ:1.0m
重さ:11.5kg
タマゴグループ:植物
性別比率:♂50♀50

タイプ:くさ/フェアリー

特性:はっこう(手持ちの先頭にすると野生のポケモンの出現率が2倍になる)
  /ほうし(接触技を受けた際に各10%の確率で相手をどくまひねむり状態のどれかにする)

隠れ特性:あめうけざら(雨の時に毎ターンHPが1/16回復する)

HP:60
攻撃:45
防御:80
特攻:90
特防:100
素早さ:30
合計:405

努力値:特防+2

進化:ネマシュ⇒マシェード(Lv.24)


■概要


サン・ムーン』から登場したポケモン。名前の由来はmashroom(茸)+shade(陰)と思われる。キノコがモチーフのポケモンは今作で4匹目となる。
ネマシュに手足が生え少し怪しげな雰囲気を持つポケモンへと進化した。
フェアリータイプのはずなのだが張り付いた笑顔が結構怖く、ハイライトのない目が不気味さを加速させている。
マシェードの笑顔が見たければポケリフレをしてみよう。もっと恐ろしいものが見られる。


ニコォ・・・
(●◡●)


見た目のみならず図鑑説明までホラーであり「マシェードのすむ森に行くと怪しい光に惑わされ二度と帰れなくなる」と書かれていたり、
自身の胞子で眠らせた獲物の生気を吸い取るなど下手なゴーストタイプより危険生物である。
しかしこれでもフェアリータイプ。同タイプのエルフーンカプ・ブルルとはどこで差がついてしまったのか…。

進化前のネマシュは危険を感じた時に発光する胞子をばらまくという習性がある。
集団で胞子をばらまいた際は上空を偶然通りかかった飛行機が大事故を起こしかけたのだとか。


■ゲームでのマシェード


マシェード自体は野生で出現しないが、進化前のネマシュはアローラ地方では「せせらぎのおか」や「シェードジャングル」で捕まえることができる。
時間帯が夜でないと出てこない為注意する事。
後述の戦闘面での問題から通常特性よりも隠れ特性を好むプレイヤーもいるが、いざ野生の夢ネマシュを捕まえようとなると、仲間を呼び出す度に行う特性確認に加えて「ねむりごな」「メガドレイン」「フラッシュ」「つきのひかり」と異常に嫌らしい技のラインナップでこちらをイライラさせてくること請け合いなので、これらの技への対策無しでの捕獲は御法度。できるだけGTSを使おう。

種族値は特攻・特防が高い反面、HP・攻撃・素早さは低め。
合計種族値はパラセクトと同じく控えめではあるが耐久面にそこそこ優れているポケモンである。
当時専用技だった「ちからをすいとる」は相手の攻撃実数値の分自分の体力を回復し、相手の攻撃を下げるというもの。
物理アタッカーに対してこの技を出せば少なくとも100以上の回復が望めるという事になる。
「すいとる」と書かれているが相手の体力が減ることはない。
キノコポケお家芸の「キノコのほうし」を覚えることも可能。

マオの試練にて「ちいさなキノコ」を取ろうとするとマシェードとの戦闘になる(ムーンのみ)。
サンでは対としてパラセクトが登場する。

使用トレーナーはマオとマツリカ。どちらもこちらを「ねむり」状態にさせる技を使ってくるため厄介。
どくが4倍弱点のため、エンニュートを連れていると楽に倒せる。
マオはバトルツリーでもマシェードを使うのかと思われたが唯一手持ちから外されている。
しかもフェアリー枠がキュワワーに取って代わられてしまった。くさタイプですらないのに…

ちなみに『ムーン』だと早い時点でマシェードと戦闘が出来るが、『サン』ではストーリー終盤まで戦闘する機会がないポケモンである。

剣盾にも登場。
パラセクト・キノガッサはガラル地方には連れて行けず、モロバレル『鎧の孤島』までお預けにされていたため、初期はガラル地方で唯一無二の「キノコのほうし」使いだった。
一方で「ちからをすいとる」は、実質ガラルサニーゴ系統の代名詞のようになってしまったのは悲しいところ。
野生では、主にルミナスメイズの森に出現。光るキノコが自生する迷いの森にぴったりのポケモンともいえる。
ところで、キャンプでマシェードに美味しくないカレーを食べさせた時の顔は……


■対戦でのマシェード


基本的には耐久型での運用となる。同じタイプにエルフーンとカプ・ブルルがいるが役割はきれいに分かれた。
「キノコのほうし」で相手を確実に眠らせてから「ちからをすいとる」で回復する戦法が一般的である。
しかし当然特殊アタッカー相手に繰り出すと上手く回復できないことは留意しておこう。
読まれやすい戦法のため「ちょうはつ」を食らわないように。
まけんき」や「あまのじゃく」持ちに使ってしまうと逆に起点にされかねないため、その点にも注意。
特にラランテスは「キノコのほうし」「やどりぎのタネ」無効とあまのじゃく所持のため危険。

タイプ一致の特殊技は「ムーンフォース」「ギガドレイン」「エナジーボール」など。
自身の弱点でもあるほのお・どく・はがねは一致技を両方半減するため、サブウェポンか変化技での対策が重要となる。
基本的には「めざめるパワー(炎oror)」が有効打となるが、眠らせたどくタイプに対しては「ゆめくい」もある。
また、自身の4倍弱点であり、同タイプ対決に有効な「ヘドロばくだん」も使用可能。
変化技は前述の技以外に「つきのひかり」や「やどりぎのタネ」という選択肢もあり回復手段には困らない。
「ひかりのかべ」で後続へのサポートも可能。

特性は戦闘時に効果を発揮しない「はっこう」を除くと「ほうし」か「あめうけざら」との選択となる。
「ほうし」は優秀な特性ではあるが希望の状態異常が運頼りになってしまうことが悩み。
また「まひ」や「どく」が発動してしまうと「キノコのほうし」を使うことが出来なくなってしまう。

「キノコのほうし」前提であれば邪魔にならない「あめうけざら」の選択もアリ。
ただマシェードは「あまごい」など雨を降らす手段を持っていないので雨パでの運用となるだろう。
ただし、「ソーラービーム」や「つきのひかり」は弱体化してしまう。

USUMでは、「ちからをすいとる」がポケモン数匹に与えられ、個性を1つ失ってしまった……ように見えたが、「キノコのほうし」で眠らせる戦法は健在。でも差別化は意識したい。

剣盾の環境では「めざめるパワー」が無いため、苦手な相手への対策がより難しくなった。
回復戦法は未だ健在だが、現環境でははがね技の高火力搭載のポケモンが多く、ほとんどのポケモンがダイマックスで高火力技を出せるようになったため、呆気なく押し切られてしまうことも。ちなみに「フラッシュ」も技自体が廃止された。

エキスパンションパス第一弾の『鎧の孤島』でモロバレルが登場し、キノコのほうしは唯一無二の個性ではなくなった。
耐久型のキノコのほうし使いとしては、耐久に優れるモロバレルにやや押されがち。
しかし、マシェードも得意の「ちからをすいとる」や、「つきのひかり」「やどりぎのタネ」「ギガドレイン」などの回復合わせ技を用いたしぶとさではまだまだ引けを取らない。
(見た目的な意味も含めて)安定感ではモロバレルに一歩及ばないものの、他ポケモンとの連携を活かせば、場に居座り相手を粛々と眠らせる恐怖のキノコとして活躍してくれる。

Pokémon Trading Card Game Pocketでのマシェード


幻のいる島版

カードパック第二弾「幻のいる島」から参戦。
草タイプ、HP90、逃げるは2エネ、弱点は炎タイプ、レアは♢♢。ネマシュから進化。
ネマシュは特に特徴のないたねポケモンのため説明は省略。

ゆれるほうし

草エネ2でダメージ50、追加効果で相手のバトルポケモンを眠らせる。コイントス不要で確実に眠らせることが可能。
眠り使いの中ではかなりシンプルな性能を持ち、戦陣に立って相手をひたすらに眠らせ続けて時間を稼ぐことができる壁役として役に立つ。

ダメージ50と1撃にそこそこ期待できる上、眠らせることに成功すれば実質は100ダメージを叩き出せることになる。もし眠らせることに失敗したり、1枚抜きからの反撃に備える場合でも、HP90あれば1撃に何とか耐えられるケースが多いので案外頼もしい。
エリカでHP50を補填できるのも強みである。

ただ、残念ながら環境ではいまいち活躍の場を得られていないのが実情である。
まず、眠り使いといえば、特性「ねむりのふりこ」でベンチから延々と嫌がらせできるスリーパーや、眠り+80ダメの「スリーピーソング」で相手を暴力で永眠させるプクリンexなど凶悪な性能のポケモンが多く、その中で眠り+50はexでないことを加味してもかなり地味な性能であると言わざるを得ない

加えて、草デッキはジャローダたまなげたまねぎの高速ハイパーブーストデッキが主流であるため、草タイプの壁役という役目があまり脚光を浴びることが出来ないのも逆風である。
(実はマシェードはセレビィexのレンタルデッキに組み込まれているのだが、環境で使われるメジャーデッキでは案の定抜かれている……)

大器晩成型の草デッキであればフシギバナexデッキなどが挙げられるが、フシギバナexはエリカやきずぐすりを費やす前提のタフさが売りであるため、マシェードのためにエリカを切れるかというとかなり悩み所。

ついでに、壁役が必要なデッキの場合でも、草タイプの壁としては超優秀なナッシーexが強大なライバルになる。あちらは草エネ1で起動できる上にHPの頼もしさも段違い。相手がexだから仕方がないとはいえ、やはり「ナッシーよりマシェードを選ぶ理由」がなかなか見つかりづらい。

マシェード自身、草2エネでないと動けないこともあるので混色デッキに組み込みにくいのも歯がゆいところである。

総括すると、決して役に立たないわけではないのだが、どうしても既存のメジャーとの噛み合いの悪さやライバルに押されがちで肩身が狭いのがマシェードの現状といえる。マシェードは肩幅より頭の傘の方がでかいけど。
使っていくには愛が必要になる。それと同時に、今後のアップデートで噛み合いの良い大器晩成型の草ポケモンが現れることに期待したいところである。

双天の守護者版

「双天の守護者」で新カードとして性能新たにリリースされた。ルナアーラパックから引ける。
草タイプ、HP100、逃げる2エネ、弱点は炎タイプ、レアは♢♢。ネマシュから進化。ちなみにネマシュはレア版あり。
幻のいる島版に比べて単純にHPが10伸びている他、全体的にやや柔軟になり、環境に適応するようアップグレードを貰えている。

またたくひかり

技のまたたくひかりは、草エネ1無色エネ1でダメージ50、追加効果でコイントス1回で次ターン相手が技を使えなくなる。
ちょうどオムスターの「こだいのうずしお」の威力を下げてコイントスを加えた、エネを節約したような性能である。

この効果は一見ねむりやマヒの下位互換風だが、双天の守護者リリース時点では「ポケモンセンターのおねえさん」や「おおきいマサラダ」など状態異常を回復する手段が増えてきているため、それら対策のすり抜けを期待できる。ただし、この効果はにげるで無効化されてしまうという点は気をつけたい。
また、幻のいる島版のゆれるほうしとは違いエネの1つは無色で足りるというのも地味に便利な点である。ちなみに進化前のネマシュもわざ威力は下がったが無色1で動ける新版が出ている。

と、環境に合わせて微妙に調整が入った新版に仕上がっている。双天の守護者版がやや優勢だが、一長一短な部分はあるので選択の余地はあり。
しかし、双天の守護者版のマシェードは、これに加えたある強力なアドバンテージを獲得している。

マオ

サン・ムーンをテーマにした双天の守護者パックでは、マツリカ以外のアローラのキャプテンたちのトレーナーズが実装されている。
その中のマオのカードの効果が、なんとマシェードとアマージョをご指名での発動効果になっている。

具体的な効果の内容は「自分の「マシェード」か「アマージョ」1匹のHP全回復、エネルギー全トラッシュ」。対象はベンチでもOK。
アマージョのオマケなんていう不届き者はキノコのほうしで永遠の眠りにつくがよい。

HPの最大値関わらず全回復というのは前例がない強力な回復効果だが、エネルギー全トラッシュという重いディスアドバンテージつき。
エリカと違い考えなしには使えないのが難しいところである。
アマージョは草エネ1で動けるのでエネルギー全トラッシュ後にもすぐに動けるのが強いが、マシェードの場合は素のままではどうしても1ターン身動きが取れなくなるので1ターン耐えるかなんとかエネルギーを供給する1工夫をしなければならない。
幸いHP100(または90)マントを着せればHP120(110)とかなり耐えるので、常にエネ繰の先を読んで使って行くべし。
リリース直後から人気が高いのは先述のジャローダの草エネ倍とのコンボ。ジャローダが控えにいれば、エネ1をつけるだけで再起動できる。ここにきてまさかのジャローダ&セレビィexの盾役としてのポジション舞い戻りに成功した。
もちろん先述したエリカと併用も可能。マオ・エリカ・ポケモンセンターのおねえさん・大きなマント・キズぐすりなどを用意しておけば凄まじい耐久力の壁役となり、「またたくひかり」か「ゆれるほうし」で出来る限りの尺稼ぎを図ることもできる。

ちなみにマオのカードはソルガレオパックからしか出ないのにマシェードのパックはルナアーラパックからしか出ないというなんだか地味に紛らわしいパック構成になっている点には注意したい。

異次元クライシス版

まさかの3種目がリリースされた。
こちらは超タイプ。HP90、逃げる2エネ、弱点は鋼タイプ、レアは♢♢♢。従来の2種とはほぼ別物と化している。
ちなみに超タイプネマシュもリリースされたが、こちらは超エネが必要なので無エネで動ける双天の守護者版のほうが融通が効いたりする。お好みで。

技は無エネ2で40ダメのひっぱたくと平均以下だが、特筆すべきは特性「はっこう」。
これは自分の番に1回、山札からランダムにポケモンを引くというシンプルながら強力なドローソースになっている。山札の一番上でなければならないなどの縛りはないため、マシェードが場にいて山札にポケモンがいるかぎりひたすらにドローのアドバンテージをとることができる。超タイプと相性が抜群だが、技が無色なのでどの色のデッキに入れても機能停止はしないのが地味に嬉しい。
ちなみにこのカードも正真正銘マシェードなのでマオの対象になる。



追記・修正はマシェードを育ててからお願いします。

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最終更新:2025年07月03日 10:22