機械軍曹(遊戯王)

登録日:2020/05/16 Sat 17:13:31
更新日:2025/07/13 Sun 11:38:19NEW!
所要時間:約 22 分で読めます





《機械軍曹》とは遊戯王OCGのカードである。

通常モンスター
星4/炎属性/機械族/攻1600/守1800
機械王に仕える機械族の司令塔。
機械の兵隊を統率する攻撃的な用兵で有名。

第2期第8弾「Mythological Age -蘇りし魂-」で登場した下級バニラ
軍服を着込んだロボットといったデザインだが、帽子と剣のデザインからちょっと海賊っぽくも見える。
なお「機械族の司令塔」とあるものの、軍曹は軍隊の階級ではむしろ下から数えた方が早いくらいの地位だったりする。

攻守のバランスが良い能力だが、遊戯王ではどちらかに特化した方が強いので通常利点とは言い難い。
機械王の配下としては《メカ・ハンター》(/攻1850/守800)の方がアタッカー・壁役の両面で有能である。
とはいえ、攻撃力のみが高いあちらと比較すると、
  • 攻<守なので、戦闘破壊された場合に《ブロークン・ブロッカー》で同名モンスターを2体リクルート可能。
  • 表示形式変更効果に比較的強い。
  • コンセントレイト》で強化すれば攻撃力3400となり大抵のモンスターに戦闘で勝てる。
といった点で差別化は可能。

また炎属性・機械族のモンスターの中では比較的優秀なステータスである。
機械族の下級通常モンスター共通の特徴として《レスキューラビット》で2体リクルートし、フィールド魔法や《一族の結束》等で全体強化した上で《リミッター解除》を発動すれば1ターンキルが可能。
中でもマイナーな炎属性であるコイツは《バーニングブラッド》を相手に殆ど逆利用されず気軽に攻撃力を強化でき、リミッター解除した上でLPを削り切れなかった時も《火霊術-「紅」》でトドメを刺せる。

……まぁ、機械族・炎属性モンスターの層の薄さが最大の問題なのだが。
機械の兵隊をデッキ・手札から特殊召喚する専用サポート等があれば面白かったかもしれない。
ただし珍しい組み合わせなのは間違いないため、機械族で炎属性なデッキが流行った場合には【原石】での採用も考えられる。

実はOCGに先んじて『遊☆戯☆王 真デュエルモンスターズⅡ 継承されし記憶』で初登場したカード。
このゲームではレベル5であり、守備表示でいる時に機械族モンスターの攻撃力・守備力を300ポイント強化する能力を持っていた。

以下、主な関連カード

  • 《機械王》
効果モンスター
星6/地属性/機械族/攻2200/守2000
フィールド上に表側表示で存在する機械族モンスター1体につき、
このカードの攻撃力は100ポイントアップする。

第1期のBOOSTER5で登場した軍曹の主君。
後に様々なバリエーションが登場したが、カテゴリ化はされていない。

機械族の数に応じて攻撃力が上がるが、上昇効率は劣悪。
それでも実質攻撃力は2300あり、登場時は《デーモンの召喚》に次ぐ数値ということで王の名に恥じない存在感を示していた。
現在は上級でありながら大したメリット効果がなく、単体での攻撃力が標準ラインの2400にも届かないので空気に等しい存在。
ロマン目的にしても後述のパーフェクト機械王がいる。

  • 《機械の兵隊》
通常モンスター
星5/闇属性/機械族/攻1500/守1700
機械王を警護する兵隊。丸い身体でゴロゴロ転がってくる。

第1期のVol.7で軍曹に先んじて登場した部下。
巨大な球体に手足と顔がついたデザインだが、ゴツイ割に攻守とも軍曹より100ずつ劣る。
その癖レベルは軍曹より1つ上でリリースを要求する、どうにもこうにも使えない奴。

キラー・トマト》でリクルートできる上級という点に目を向けようにも、守備力が100上で他の能力は同じである《ゲート・キーパー》がいるのでどうしようもない。

  • 《エレクトロ軍曹》
効果モンスター
星4/炎属性/機械族/攻1600/守1300
(1):1ターンに1度、相手の魔法&罠ゾーンにセットされたカード1枚を対象として発動できる。
このカードは以下の効果を得る。
●このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
対象のセットされたカードは発動できない。

2010年のVジャンプ(2009年5月号開始)年間定期購読特典として登場。
名前と守備以外のステータスに《機械軍曹》の面影がある。
しかし見た目が近代的なロボットという感じで、リメイクなのかどうか判断に困るカード。

相手の伏せカードを封じる効果を持つが、ルールの穴によりフリーチェーンのものは止められない。
何?エレクトロ軍曹がいる限り、伏せカードは発動できないのではないのか!?
しかし仮に封じられたとしても、特に耐性がなく攻守も低いので、そこまで強い拘束力は望めないだろう。

一応効果の発動にコストは必要なく、気軽に使用できる。
《バーニングブラッド》や《一族の結束》があれば攻撃を通しやすいアタッカーになるので、軍曹デッキなら使えるかもしれない。


このようにマイナーもいいところな軍曹達だが、アニメではBIG5の一人、大田宗一郎が機械軍曹の姿を取り、電脳世界で暗躍した。


【アニメでの活躍】



ワシはあの忌々しい海馬瀬人が社長に就任するまでは、
海馬コーポレーションの軍事工場を任されていたのだよ。
人呼んで、「工場の鬼軍曹」!


海馬コーポレーションが軍需産業を手掛けていた頃、剛三郎の下で軍事工場の工場長として辣腕を振るっていた大田。
しかし瀬人が実権を握ってからは軍需産業部門の廃止が決定したため…


海馬「大田、お前の忠誠心を見せてもらおう」

大田「はっ」

海馬「アルカトラズの工場を、破壊しろ。」

大田「なんですと!? 工場を? これまで私が心血を注いで築き上げてきた…私の工場を破壊しろと!?」

海馬「ククッ、違うな…俺の工場だ」


誇りである工場を自らの手で爆破させられた大田*1
このことから海馬と敵対するBIG5の中でも一際その恨みは強い。素直に辞表を出せ、とは言ってはいけない
海馬としても剛三郎の下で兵器製造に勤しんでいた大田のことは嫌っていたのかもしれないが。

海馬を陥れようとした結果肉体を失い電脳世界をさまよっていたBIG5だが、乃亜に復活のチャンスを与えられ、復讐と肉体を奪う目的で再び立ちはだかる。

大田はBIG4として本田静香御伽との3対1のデュエルを行う。
かなり大きなハンデだが、相手がデュエル初心者達なので勝つ自信があったことと他の仲間が負け続けて肉体を確保できなかったことによる提案のようだ。*2
初心者と言っても御伽はある程度デュエルのセオリーを理解しているし、互いにその場で開けたパックのカードで組んだ即席のデッキ同士によるデュエルではあるものの城之内に勝ったこともあるのだが。

有利な状況ながら全くの素人で表示形式など基礎的な知識すらない静香、何度かデュエルを見ている割にイマイチ役に立たない本田が足を引っ張り苦戦する一行。
さらにピンチの静香を攻撃から守るために本田がデッキマスターを犠牲にし、遊戯らの側で初の脱落者となってしまう。

それでも御伽のフォローや《ゴッドオーガス》の活躍、駆け付けた城之内の激励を受けての静香の覚醒などもあり、本田の遺したアドバイスや伏せカードのおかげでもあり《聖女ジャンヌ》で大田のデッキマスター《パーフェクト機械王》と相討ちに持ち込むことに成功*3

これにより静香達の勝利が確定した…が、既に脱落した本田の体が返ってくることはなく、大田は他のBIG5に先んじて念願の肉体を手に入れることに成功した。
おかげで本田はサルロボットになってしまった。
まぁ電脳世界に本物の肉体は存在しないので、結局見た目が変わっただけなのだが

その後は憎き海馬にデュエル…ではなく木刀で襲撃
剣道五段の腕前を披露し、リアルファイトでも高い実力を誇る海馬の鉄パイプを薙ぎ払った。
モクバの誘拐にも成功し、後の展開を考えるとBIG5の中では一番役に立ったとも言える。

BIG5が全員デュエルに敗れ乃亜に説教される場面では、一人だけ肉体の奪取に成功したことから良い気になっていた。
だがBIG5総がかりで戦果は本田一人という結果に乃亜が満足するはずもなく、結局本田の体を5人全員で共有してのリベンジに赴くことになる。

相手は遊戯と城之内の2人のため、BIG5側はLPが倍かつ毎ターン自由にデッキマスターを交換可能というハンデを貰うことに。
しかしBIG5は全員仲が悪いので効果的な連携など取れるはずもなく、相手の策に嵌められて退場するか、あるいは横から強引に出番を奪うなど酷い有様。
有能な大下が最初の1ターンで退場してしまったのも痛い。

特に大田はこのデュエルでは完全にBIG5側の戦犯になってしまっている。
大岡が機械王の特殊召喚に成功し優位に立ったのだが、そのことに気を良くした大田が強引に交代。
聖なるバリア −ミラーフォース−》を《大嵐》で破壊し意気揚々と攻撃するも、魔法カードを使ったことで攻撃力の上がった《デス・ヴォルストガルフ》に返り討ちにされてしまった。
おかげで場ががら空きになり、遊戯にも「(トラップ)は二重に仕掛けられていたのさ!」とドヤ顔されてしまうことに。
一応フォローしておくと、この罠に気づいていた様子なのは大門ぐらいだったが*4


このように初心者とのデュエルでしか活躍できず、遊戯達との決戦ではまるで見せ場がなかったことから実力には疑問符が付く。
それでもBIG5の中では同情できる背景描写や初心者相手とはいえハンデを受け入れた上で正々堂々と戦ったことから比較的まともな人物と見られやすい。

本田達3人と一斉に戦ったのも、体を3人分手に入れる、つまり他のBIG5の分の体を手に入れるためであり、他のBIG5への仲間意識もあったと思われる。*5

言動が説教臭く感じることもあるが、それも「初心者と言えどもルールには従ってもらう」「互いに相談するのは禁止」という、内容自体はごく真っ当なもの。
静香を最初にターゲットにしたり、デュエル中に攻撃を集中したことから、若い女の体を欲しがるスケベオヤジではないかと疑惑をかけられることも。
尤も目的を考えれば弱い相手から優先して狙うのは合理的であるし、大瀧や大門のようにスケベ目的で狙っているという描写はない。
というか静香の体だとモクバ誘拐は失敗していたかもしれない。

【デッキマスター能力】


手札の機械族モンスター1枚を捨てて発動できる。
相手ライフに500ポイントのダメージを与える。
能力名は「支援砲撃」
機械族モンスターを手札コストとしてバーン効果を発動する。
機械軍曹が部下に下す特攻命令といったところか。
バーンというのも機械軍曹の属性である炎のイメージに合っている。

デッキマスターとしてはシンプルかつ控えめな能力。
しかし1発が小さくとも発動制限のないバーン効果をフル活用すればどうなるかはOCGで《キャノン・ソルジャー》が示した通りである。
本編でも《補充要員》で一度に3発分を回収するといった方法で4500分のダメージを与えており、仮に1対1でデュエルしていた場合はかなり厄介な能力だった。
しかし、3人に分散させて均等にダメージを与える使い方をしており、使い方が悪かったのではと言われることも。*6

フレーバーの設定では機械王の「部下」なのに、デッキマスターという立場上アニメでは機械王に命令している側なのは御愛嬌。


【使用カード】

軍事工場の工場長らしくモンスターは機械族で統一されている。

【OCG化済み】


《機械軍曹》と《機械王》は上記に掲載したので省略。

  • 《ギガテック・ウルフ》
通常モンスター
星4/炎属性/機械族/攻1200/守1400
全身が鋼鉄でできたオオカミ。
鋭くとがったキバでかみついてくる。

第1期のVol.6で登場した、攻撃力が低めのバニラ。
《迷宮の魔戦車》の融合素材に指定されており、融合素材に関連する各種サポートを受けられる。
もう一方の融合素材である《キャノン・ソルジャー》は2018年に禁止カードに指定されており、《迷宮の魔戦車》を融合召喚するには、このカードと融合素材代用モンスターが必須。
機械族・バニラ・融合のサポートカードを併用するデッキなら採用できるかもしれないが、機械族の融合素材代用モンスターは存在しないことに注意。

本編では静香の《デーモン・テイマー》を撃破した後、《機械王》の生け贄召喚に使われた。
その後は墓地からサルベージされ、支援砲撃の弾になった。
大田が使ったモンスターの中ではかなり働いている部類。

  • 《メカファルコン》
通常モンスター
星4/風属性/機械族/攻1400/守1200
ジェットエンジンを装備した鷹。
音の速度で飛ぶ事ができる。
第2期第3弾「Curse of Anubis -アヌビスの呪い-」で登場したバニラ。
実は星4・風属性・機械族の通常モンスターはこのカードのみ。
幻獣機】で《レスキューラビット》等のバニラサポートを採用するなら使えるかもしれない。

本編では支援砲撃の弾にされただけだが、遊戯王ラッシュデュエルにもそのままのステータスで登場。
それに加えて、《メカファルコン》2体を素材とするフュージョンモンスター《マッハメガファルコン》も存在している。

  • 《陸戦型 バグロス》
通常モンスター
星4/地属性/機械族/攻1500/守1000
陸上戦闘ロボット。
今はダメだが、海でも使えたらしい。

第1期のVol.7で登場したバニラ。
《巨大ネズミ》でリクルートできる範囲での最大攻撃力を持つ。
後にBOOSTER6で、このカードを融合素材に指定する《水陸両用バグロス》が登場。機械族と融合のサポートを使うデッキでは活躍できるかもしれない。

それ以外の関連カードとして、第3期および第11期には、《》とのシナジーを持つ《水陸両用バグロス Mk-3》《水陸両用バグロス Mk-11》が登場している。
更にはラッシュデュエルにも進出しており、攻撃力の水準が低めのあちらの環境では、機械族の下級通常モンスターの中ではトップタイの攻撃力を持つ。

本編では支援砲撃の弾にされただけなのだが、後年の扱いはかなり恵まれていると言える。

  • 《鬼タンクT-34》
通常モンスター
星4/地属性/機械族/攻1400/守1700
鬼の魂が乗り移った戦車。意志を持ち敵をどこまでも追いつめる。

第2期第4弾「Thousand Eyes Bible -千眼の魔術書-」で登場したバニラ。
奈落の落とし穴》に落ちない範囲内では高めの攻撃力だが、一般的なリクルーターレベルでしかない。

工場の鬼軍曹の配下らしい雰囲気だが、結局コイツも弾にされただけで戦ってない。
なお、御伽が初登場時の城ノ内とのデュエルでこのカードを使ったことがあったりする。

このカード自身よりも、このカードと、同パック出身でステータスも似ている《ガトリングバギー》の姿が描かれた2枚のカードの方が圧倒的に有名。
片や容易に無限ループを起こせるポールポジション、もう片方はドローソースとして【マジエク帝】などで活躍した《チキンレース》である。

  • 《超時空戦闘機ビック・バイパー》
通常モンスター
星4/光属性/機械族/攻1200/守800
パワーカプセルにより、様々な能力を発揮する超高性能戦闘機。

  • 《オプション》
特殊召喚・効果モンスター
星1/光属性/機械族/攻?/守?
このカードは通常召喚できない。
自分フィールド上に「超時空戦闘機ビック・バイパー」が
表側表示で存在する場合に特殊召喚する事ができる。
このカードを特殊召喚する場合、自分フィールド上に表側表示で存在する
「超時空戦闘機ビック・バイパー」1体を選択しなければならない。
このカードの攻撃力・守備力は常に選択したモンスターと同じになる。
選択したモンスターがフィールド上に表側表示で存在しなくなった時、
このカードを破壊する。

第2期においてそれぞれ「Thousand Eyes Bible -千眼の魔術書-」「Mythological Age -蘇りし魂-」で登場。
セットで使うことで真価を発揮するが、コイツらも連携も糞もなく弾にされただけである。
まともな活躍は乃亜のデュエルまで待つことになる。

なお、OCGでは《パワーカプセル》に対応するのはリメイク版の《ビクトリー・バイパー XX03》 の方である。

効果モンスター
星4/闇属性/機械族/攻1400/守1300
自分フィールド上に存在するモンスター1体をリリースする事で、
相手ライフに500ポイントダメージを与える。

第1期のVol.6で登場。2018年7月1日以降禁止カードとなっているモンスター。
本編では効果の発動も《ギガテック・ウルフ》との融合もせず、例によって弾にされただけ。
《キャノン・ソルジャー》の効果も支援砲撃とダメージ効率は変わらないのに……
レベッカの方が使いこなしている。

  • 《パーフェクト機械王》
効果モンスター
星8/地属性/機械族/攻2700/守1500
フィールド上に存在するこのカード以外の機械族モンスター1体につき、
このカードの攻撃力は500ポイントアップする。

第4期第2弾「RISE OF DESTINY」で登場した《機械王》の最上級版。
最上級らしく高い攻撃力を誇るが、《機械王》と違って単体では攻撃力が上がらず、2700のまま。
当時は《青眼の白龍》への忖度があったためだろうか。
専用召喚サポのない脳筋なのでかなり使いづらいが、機械王シリーズの中では爆発力がある。

アニメでは《機械王》と《機械軍曹》の融合形態であり、単体でも自己強化が可能だった。

通常魔法
(1):自分の手札・フィールドのカードを全て除外して発動できる。
自分は手札が2枚になるようにデッキからドローする。

原作出身で、第4期第4弾「THE LOST MILLENNIUM」でOCG化。
除外コンボを軸にするデッキならもしかしたら使えなくもないかもしれない程度。
本編ではお馴染み「互いに手札が6枚になるようにドローする」というチート効果。
支援砲撃はとにかく手札を消耗するため、それを補うために使われた。

  • 《機械仕掛けの夜-クロック・ワーク・ナイト-》
永続魔法
このカード名のカードは1ターンに1度しか発動できず、
このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):フィールドの表側表示モンスターは機械族になる。
(2):自分フィールドの機械族モンスターの攻撃力・守備力は500アップし、
相手フィールドの機械族モンスターの攻撃力・守備力は500ダウンする。
(3):墓地のこのカードを除外し、手札を1枚捨てて発動できる。
デッキから機械族・地属性モンスター1体を手札に加える。

種族変更効果と攻撃力の増減効果を併せ持つ永続魔法。
本編ではこのカード自体の攻撃力の増減効果に加え、フィールド上の機械族を増やしたことで《パーフェクト機械王》の攻撃力を爆発的に引き上げた。

ANIMATION CHRONICLE 2022においてまさかのOCG化を果たし、墓地除外によるサーチ効果が追加された。

種族変更は一見局所的に見える効果だが、相手モンスターを全て除去しながら《キメラテック・フォートレス・ドラゴン》を降臨させる事が可能となる。
《DNA改造手術》を引けない時のコンボ成功率が格段に上がり、あちらと違い魔法カードなのでドローして即座に発動できるのも大きい。
また、特定の種族を素材指定する各種召喚法を阻害する事も可能なので、刺さる相手にはトコトン刺さる。

攻撃力増減効果も合計で1000ポイントの差が生まれるため、青眼ラインの相手モンスターも攻撃力2000のモンスターで相打ちを取れるなど、戦闘をかなり有利に進められる。

墓地除外によるサーチ先は地属性・機械族と幅広く、手札コストはかかるものの、この効果だけを目当てに採用する事も検討できるレベル。

  • 《補充要員》
通常罠
自分の墓地にモンスターが5体以上存在する場合に発動する事ができる。
自分の墓地に存在する効果モンスター以外の攻撃力1500以下の
モンスターを3体まで選択して手札に加える。

「Curse of Anubis -アヌビスの呪い-」で登場。
攻撃力の制限と罠ゆえの遅さはあるが、《闇の量産工場》よりも1枚多くサルベージできるカード。
融合等にも使えるが、【エクゾディア】や【おジャマ】での採用が主か。

こちらも支援砲撃の弾を補充するために使用した。
しかし一人にダメージを集中した方が頭数を減らせてより効果的だったのだが、相手は所詮素人と慢心していたためか分散して撃ってしまっている。

  • 《フォースフィールド》
カウンター罠
フィールド上のモンスター1体を対象にした魔法カードの発動を無効にし、
そのカードを破壊する。

第2期第6弾「Labyrinth of Nightmare -悪夢の迷宮-」で登場。
対象に取る魔法なら自分のモンスターと相手モンスター、どちらに対するものでも無効にできる。
しかし第3期に、これと同じ効果に加え、手札の魔法カード1枚をコストとして墓地へ送ることで魔法カードの発動を無効にして破壊する《八式対魔法多重結界》が登場。
現状ではそちらの下位互換となっている。
その《八式対魔法多重結界》も、サーチが難しくほぼ素引き前提で、魔法カードにしか対処できないうえに手札コストも限定的という使い勝手の悪さが目立ち、苦しい立場にあるという有様である。

本編では初心者の静香が《慈悲深き修道女》(星4/光/天使/攻850/守2000)を攻撃表示で召喚してしまい、本田がそれを《『攻撃』封じ》で守備表示にしようとしたのを大田がこのカードで無効化した。

【未OCG化】


  • 《屑鉄再生工場》
通常魔法
自分の墓地に存在する機械族モンスター1体選択して発動する。
選択したモンスターを自分フィールド上に特殊召喚する。
この効果で特殊召喚に成功した場合、以下の効果を使う事ができる。
手札・フィールド上から、融合モンスターによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、
機械族の融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚扱いとして特殊召喚する。

蘇生と融合を一度に行えるカードであり、《パーフェクト機械王》召喚に使用された。

融合サポートとしては当時OCG化されていたものに比べて遥かに優秀だが、その後のシリーズで《オーバーロード・フュージョン》等の墓地融合できるカードが登場するとは誰も想像しなかっただろう。
しかし、どうやらテキストを見ると蘇生した後に融合を行うか否かは任意のようなので、もしOCG化されれば【機械族】の強力な蘇生カードとして重宝され、融合効果の方はオマケ扱いされそうである。

  • 《ショート》
速攻魔法
発動ターンのエンドフェイズまで、
相手フィールド上の全ての表側表示の機械族モンスターを攻撃表示に変更し、
効果モンスターの効果を無効化される。

機械族へのメタカード。
上記の《機械仕掛けの夜-クロック・ワーク・ナイト-》で相手モンスターを機械族にした後、それを守備表示にしてダメージを防ぐという逃げ道を封じた。

自分のターンで機械族へのメタを行うなら、サーチやサポート手段が乏しいこのカードを使うより、《サイバー・ドラゴン》を出し、《キメラテック・フォートレス・ドラゴン》の融合素材として吸収した方がよほど手っ取り早い。
そのため、有効な使いどころは相手ターン中のみに限られそうである。

【OCGオリジナル】


  • 機械仕掛けの騎士(クロック・ワーク・ナイト)
リンク・効果モンスター
◤ ▲ ◥
  ▶
◣▼ ◢
リンク1/地属性/機械族/攻 500
【リンクマーカー:左】
Lモンスター以外の元々の攻撃力が1000以下の機械族モンスター1体
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがL召喚した場合、自分フィールドの表側表示の永続魔法カード1枚を墓地へ送って発動できる。
デッキから「機械仕掛けの夜-クロック・ワーク・ナイト-」1枚を手札に加える。
(2):自分の墓地の攻撃力1000以下の機械族モンスター1体を対象として発動できる。
自分フィールドの他の機械族モンスター1体をリリースし、対象のモンスターを守備表示で特殊召喚する。

第12期第7弾「SUPREME DARKNESS」で登場したまさかの《機械仕掛けの夜-クロック・ワーク・ナイト-》のOCGオリジナルサポートカード。
正確にはタクティカルトライデッキ連動カードであり、《機械仕掛けの夜-クロック・ワーク・ナイト-》を採用した「終撃竜サイバー・ドラゴン」を意識したサポートカード。
その証拠に素材指定が「Lモンスター以外の元々の攻撃力が1000以下の機械族モンスター」とあるが、大田の使用モンスターではこのカードをリンク召喚出来ない。
しかしモンスターの外見は《機械軍曹》に似ている辺り、全く大田を意識していないわけでない模様。

リンク召喚時に表側の永続魔法をコストに《機械仕掛けの夜-クロック・ワーク・ナイト-》をサーチする効果と、機械族モンスターをリリースして墓地の攻撃力1000以下のモンスターを守備表示で蘇生させる効果を持つリンク1。

「終撃竜サイバー・ドラゴン」連動カードだけあって【サイバー流】とは非常に相性が良く、サーチ効果を使い終わった《サイバー・ドラゴン・コア》を素材にし、《サイバー・ダーク・キメラ》を出して用が済んだ《サイバーダーク・ワールド》をコストに《機械仕掛けの夜ークロック・ワーク・ナイト》を持って来れるのは非常にありがたい。
そのまま発動して《サイバー・ダーク・キメラ》をリリースして蘇生させた《サイバー・ドラゴン・コア》を使用して《キメラテック・フォートレス・ドラゴン》に繋げるのもよし、発動せず《サイバー・ダーク・キメラ》のコストにして墓地効果で《セリオンズ“キング”レギュラス》をサーチするのもよし、と状況に応じた立ち回りができる。
それ以外にも【無限起動】や【マシンナーズ】、【古代の機械】辺りの永続魔法を擁する地属性・機械族テーマでも《機械仕掛けの夜-クロック・ワーク・ナイト-》のアクセス要員として採用できる。
なんなら既に張られた《機械仕掛けの夜-クロック・ワーク・ナイト-》をコストに2枚目をサーチして張り直しつつ、1枚目の墓地効果でサーチに繋げることもできるので、永続魔法が《機械仕掛けの夜-クロック・ワーク・ナイト-》1種のみの機械族デッキでも運用できる。
他にも《原石の皇脈》からサーチした《原石の鳴獰》で攻撃力1000以下の機械族をリクルートする事でこのカードをリンク召喚して《原石の皇脈》をコストに《機械仕掛けの夜-クロック・ワーク・ナイト-》にアクセス出来る。

余談だが、《原石の鳴獰》でリクルート可能かつこのカードのリンク素材になれるモンスターの内、《機械仕掛けの夜ークロック・ワーク・ナイト》のサーチに対応する地属性・機械族で最もステータスが高いのは大田に身体を奪われてロボット猿になった本田をモデルにしたと思わしき《アクロバットモンキー》だったりする。
流石に偶然だろうがどこか因縁を感じる組み合わせである。

また、後半の効果も《緊急ダイヤ》などでリクルートして効果が無効になったモンスターを素材にしつつ蘇生させて効果を使用したり、《スクラップ・リサイクラー》の効果の使い回しなどにも使えるため、前半の効果を無視した運用も可能。


追記・修正は工場を爆破してからお願いします。

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最終更新:2025年07月13日 11:38

*1 以後はデュエルタワーの資材調達に回されることになったとか。

*2 正確には、最初に自分の前に出てきた静香を相手にしようとする→本田が自分が戦うと言い出す→御伽が一緒に戦おうと本田に提案する→そこになって、太田が3人まとめて相手すると宣言する→静香が戦うことを宣言し3対1でのデュエルが成立するという流れ

*3 機械軍曹を融合素材としたパーフェクト機械王はデッキマスターの役割を引き継ぐため、デッキマスターを失った大田はこの時点で敗北が確定した。

*4 ジャッジ・マンのままモンスターを除去するなり、代わるにしてもその大門に代わってサイコ・ショッカーで罠カードを封じるなりすれば遊戯の作戦は(城之内を庇うという目的は微妙なところだが)封じられたのだが……

*5 先述の様に、自分が取った本田の体を共有して遊戯達と戦う羽目になった際には不満タラタラだったが、まあ気持ちは分かる。

*6 一番強い御伽に集中させて倒していれば、有利に戦えていたはずである。