チリ(ポケモン)

登録日:2022/12/05 Mon 20:35:00
更新日:2025/06/12 Thu 09:33:04
所要時間:約 11 分で読めます






まいど! チリちゃんやで。

美人さんやけど、怖がらんといてな。


出典:ポケットモンスター、55話『対決!パルデア四天王』、
2023年4月14日から放送中。
OLM、テレビ東京、MEDIANET、ShoPro、
©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon


チリ』とは、ゲーム『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』の登場人物である。


概要

パルデア地方における四天王の1人で、じめんタイプの使い手。
四天王では一番手を務めているが、同時にポケモンリーグ一次試験『面接テスト』の面接官も担当。
この面接テストでは、アカデミーの校名などいくつかの質問に答える事になるが、間違った回答を選んでしまえば8個のバッジが揃っていてもバトルすらさせてもらえず容赦なく不合格を言い渡されるという結構ガチなもの。バッジが揃っていなくても一応ちゃんと対応してくれるが、当然その後落とされる。
なお、ポケモンに特殊な名前(漢字や英語など)を付けるためなどで言語設定を変えていると冗談抜きで全シナリオ中最難関と化す。

劇中では『チャンピオンロード』シナリオで会うことになる。
ジムチャレンジを4か所目まで進めると、アカデミーの美術教師にして同じく四天王であるハッサクと共に初登場。以後、同僚のポピーと一緒に主人公の顔を見に訪れてくれる。

なおポピー共々四天王であること以外の経歴は一切不明で、他のジムリーダーや同僚のアオキハッサクのように兼業しているかどうか、コガネ弁を話すとはいえそもそもジョウト地方コガネシティ出身かさえも謎。DLCでバックグラウンドについての掘り下げがなされることを期待する向きもあったが、結局全く無いまま終わった。
ただ、アオキの設定からして、今作のポケモンリーグには少なくとも営業部が存在するなど現実の会社組織のような体制であるらしきことが判っている。また、面接の試験官を務めていることや、DLC『藍の円盤』では上司のオモダカと仕事でブルーベリー学園に訪問している*1辺りから見ると、もしかしたらポケモンリーグの職員(オモダカの秘書のような役回り?)なのかもしれない。


容姿

長身痩躯で身長は主人公より高い。「まだ肩こる歳ちゃうよ」という発言から、成人は迎えている様子。

ビジュアルは
  • 鮮やかな緑色の髪をツーブロックと一つ結びでまとめた独特な髪型
  • タレ目でツリ眉
  • ピアスが無数に付けられた耳
  • 白いシンプルなメンズワイシャツを着たラフな服装。ボトムは黒いズボンに革靴だが、股下が何mだと言いたくなるほど足が長く、スタイルも抜群。
が特徴の端正な顔立ちをしたイケメン青年。

……に見せかけて実際の性別は女性である。


実際の性別は女性である。
※とっても大事な事なので2回言いました。

歩く際は男らしいハンドポケットなのも含めて初見では性別を見抜けず、初登場時のハッサクの「"彼女"の名は〜」という紹介に面食らった人も少なくないはず。

なお似合いすぎる出で立ちゆえか、非常に体つきはスレンダーで胸に関してはほぼ絶壁
明確な起伏が見られない完全な真っ平*2であるため男性っぽさに拍車をかけている。誰がだいちのプレートや!
所謂男装の麗人だが、チリ本人は自身が好きな服装をしているだけでその意図は無い模様。
また今作の四天王の共通アイテムとして、手の甲にポケモンリーグのマークが刻まれた黒い手袋を身に着けている。


人物

正統派な男装の麗人といった見た目のクールさとは裏腹に一人称は「チリちゃん」
二人称は、オモダカには「トップ」、同僚のうち男性陣には名前に「さん」、ポピーには「ちゃん」付け。その他の目下には基本的に「自分」「あんた」または呼び捨て。
ただし面接の際にのみ、目下が相手であっても名前に「さん」付けとなる。

性格はかなり気さくで大らかな笑みを崩さずにこやか。「美人さんやけど」と自称する(なお実際何も間違っていない)茶目っ気もある。
普段は関西弁(コガネ弁)で喋るためフレンドリーさがより強調されている。
また笑い声は「ナッハッハ」であることが多い。

主人公と初対面を果たした際は、穏やかな言動で場を和ませてから「ジムめぐるんは半分超えてからがキッツイねん」「……でも自分は違うやろ?」と激励の言葉を贈り、
その後も会う度に主人公を気遣う丁寧な振る舞いを見せるなど、総じて善良な大人というイメージも強い。

「少しふざけた女性」などと同僚のハッサクは語るが、チリ本人としては真面目に接しているつもりらしく、その言を否定する際には真顔になっている。
もとい、他の四天王3人が
  • かつて歴代四天王最年少だった『SM』『USUM』のアセロラも下回るため言動・振る舞いが完全に幼女のそれであるポピー
  • かなりマイペースで淡々としていて長考に入れると動かなくなるアオキ
  • 人格者だが、ふとした拍子に人目も憚らず号泣しまくるほど涙脆く感激屋なハッサク
といった感じでアクが強すぎるのもあってか、基本他3人のフォローに回ることが多く、四天王のツッコミ・まとめ役な存在に落ち着いている。
同僚で同性同士ゆえかポピーとは非常に仲が良く、まるで姉妹や親戚のお姉ちゃんと姪っ子のような雰囲気を見せていた。

だが、フレンドリーで緩い雰囲気なのはプライベートだけ。
いざポケモンバトルになれば緩い雰囲気は引き締まり、表情は見た目に沿ったクールなものに変化。
主人公と戦えることを内心待ち遠しく思っていたのか「ようやっと戦えるなあ!すぐ終わったら承知せんでー!」と発破をかけたり、
「いてこましたる!」「足もと気ィつけや」といった荒々しい発言をしたりと、かなり好戦的で熱血な面が露になる。
ボールを投げるモーションは右手からのサイドスロー。左手はハンドポケットのままぶっきらぼうに放り投げ、その勢いで片足を軸に体を一回転させるのが特徴。
負けた際は拍手して主人公を讃えながらも若干スネた表情をしており(かわいい)、根は負けず嫌いなようだ。


試験官として


本日は お越しくださり ありがとうございます
どうぞ おかけください

面接官のチリです
これより チャンピオンテストの 第一次試験……
面接テストを おこないます



出典:ポケットモンスター スカーレット・バイオレット、ゲームフリーク、任天堂、2022年11月18日発売、
©2022 Pokémon. ©1995-2022 Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc.

そんなチリだが、一次試験の面接官として現れる際は表情・口調・対応もガラリと変わって極めて事務的なものになっており、普段のコガネ弁は一切使わなければ軽口も試験終了まで一切叩かないなど、公私をハッキリと使い分けられる非常に社会人らしい一面を披露してくる。
このときは黒縁の眼鏡をかけており*3、どこか不安になるBGMやこれまで見せていた本来の性格との落差も相まってかなり圧が強い印象を受ける。

それでも無事試験を突破すれば最後には「お疲れさん」と笑顔と共に口調を崩して労ってくれる。
だが、選択肢をミスした場合は主人公を退出させたあとに「……なんでやねん」と一人頭を抱えたり、その後改めて合格すると「あんたが面接やらかした時はホンマどうしよかと思たわ…」と、主人公への期待を覗かせつつ愚痴る姿も見せてくれたりする。
なお、一発合格すると「面接を一発でパスしたのはネモ以来だ」といったことを話す。


手持ちポケモン


四天王の 露払いは この チリちゃん!

うんと かわいがったるから せいぜい…… きばりやぁ!


じめんタイプ使い故、みずタイプくさタイプこおりタイプが弱点。
だが当然きっチリと対策してあり、みずタイプはナマズンをトップバッターにすることでダメージを軽減させてくるほか、全てのポケモンが高火力のじめん技である「じしん」「だいちのちから」を主力技としている。
そして、くさ・こおりタイプメタとして
  • 「ふぶき」を習得したナマズン
  • 「あくび」と「だいもんじ」を覚え、そもそもくさ・こおり技の通りが悪いバクーダ
  • 「ストーンエッジ」「どくづき」を覚えた『がんじょう』持ちドンファン
  • 「いわなだれ」「すなあらし」を覚え、特性で回避率を上げてくるダグトリオ
を揃えているためこちらもきっちり対策済み。余波としてじめん技を無効にできるひこうタイプも油断すると大ダメージを食らいがちになる。

いてこましたる!

ドオー! 隆起せえ!

切り札はドオーで、しれっと『ちょすい』持ちなので安易にみずタイプのポケモンだけで無双できないようになっており、このタイプだけに頼っていると思わぬ障害になりがち。
テラスタルボーナスにより強化された「じしん」の大火力に加えて、「どくどく」と「まもる」を駆使した持久戦にも対応してくる。*4

総じてみずタイプだけではなく、くさタイプやこおりタイプといった複数の弱点を効率的に突くことが求められる構成だと言える。

また特徴として、チリの手持ちは歴代四天王と比較すると平均種族値が低く、テラスタルするドオーの攻撃種族値は75と全体的に決定力不足であるため、こちらの高種族値のポケモンでゴリ押しするのも悪くない手段ではある。



アニポケにおいて



出典:ポケットモンスター、56話『リコVSチリ!バトルの先に』、
2023年4月14日から放送中。
OLM、テレビ東京、MEDIANET、ShoPro、
©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon

第46話で初登場。
オレンジアカデミーを訪れており、リコに激励の言葉をかける。ちなみに去り際にはリコに肩ポンをしていた。ちょっと代わってもらっていい?

第55話では、研修生と基礎テスト先のジムリーダーが二人一組で四天王とバトルをする「交流戦」においてオニキス&リップのペアと対戦し、ドオーとダグトリオを出す。
結果はオニキスのキョジオーンを戦闘不能にしたことで勝利するが、この時オニキスが研修生のポケモンが倒れたら負けというルールを無視してリップのクエスパトラを守ることを優先していたため、そのことにツッコミをいれていた。

続けて連戦という形でリコ&カエデのペアと対戦する。


他媒体において

  • 漫画『ポケモンカードゲームやろうぜ~っ! スカーレット&バイオレット編』
チリをモデルにした「リッチなお姉さん」が登場する。
チリとは異なり一人称は言わなくなり、喋り方は標準語になる。他にもワイシャツの部分がチリーン*7になり、靴は革靴ではなくドオー模様の長靴になる。

  • ポケモンカードゲーム
2023年9月22日発売の強化拡張パック「レイジングサーフ」でトレーナーズとして初登場。通常版ではメガネをかけているが、SR、SAR版ではメガネをかけていない。

  • Webアニメ『放課後のブレス』
最終回に一瞬だけ登場。セリフは無し。
アカデミーの生徒たちが制作した動画にオモダカやポピーともに顔を出す。

  • スマホゲーム『ポケモンマスターズEX』
2024年4月26日実装。パートナーは当然ドオー。
実装直後から「試験」と称してプレゼント&ミッションイベントがあったり、いきなりサロンに呼べたりとリアル人気も相まってかとても優遇されている。
そしてサロンで貰えるカードとX(旧Twitter)の公式漫画で数多くの夢女が悶死したのは言うまでもない。

初登場のイベントではパシオの銘菓のイメージキャラのポケモン選抜に立候補。
同じ(?)コガネシティの出身であるアカネとアピール合戦をする事に。
限界オタクが如く超絶のドオー推しをする彼女の姿と、カスミのヌオーとのポケマス史上に残るであろうゆる〜いバトルは必見である。
…なお、その結果はオモダカさんに優勝を横からかっさらわれるという某こち亀みたいなオチになりましたとさ。チャンチャン
「……なんでやねん」


性能面はコッテコテのサポータータイプ。
自身が敵の攻撃を一回受ける事で使えるシンクロわざ「怒涛のどろかけ」は全体ダメージと共に「だいちゾーン」を展開。更にどく状態を付与し、味方全員の次回物理技威力ブーストと次回特殊技威力ブーストを2段階上げる事が出来るというスグレモノ。
スキルわざの「きばりやぁ!」では味方のわざゲージのブースト状態+物理特殊の攻撃力を二段階上げられる。
そしてパッシブスキルの効果で、技で攻撃を受けた時に味方全員のHPを回復することもできるという、サポーターとしては至れり尽くせりの性能。

弱点は「怒涛のどろかけ」は強力だが、たった一回だけしか使えない事。
耐久性は高いものの、デフォルトでできる攻撃技「どくばり」の威力が非常にショボく、攻撃手段が非常に乏しい為、もし味方がやられて自分一人になってしまった場合、ジワジワコツコツと毒で攻めてバディーズわざを叩き込む以外に無い。

パートナーとしてはやはり強力な攻撃手段を持つじめんタイプバディーズが良い。
特にシロナ&ガブリアスは通常・アルコス共に全てが噛み合うベストパートナーである。
同じ顔面600族なのも相まってポケマスのイベントでも絡みが見てみたいという声も多い。


サロンで親愛度100で貰えるナマズンは、バランスタイプの特殊テクニカル。さてはゆるキャラ好きだなオメー
相手の命中率が低いほど自身の攻撃力が上がるというパッシブスキルを持ち、攻撃技もなかなかの水準である為、バフ・デバフ要員としても火力要員としても活躍できる。



余談

  • 名前の由来はおそらく英語唐辛子を意味する「チリペッパー」。
    花言葉は「旧友」「嫉妬」「雅味*8」「生命力」「悪夢がさめた」。

  • 英語名はRika。こちらの由来は同じく唐辛子の仲間である「パプリカ」だろうか。
    「Chili」という名前は実は既にポッドの英語名として使われているのがなんともややこしい。


  • 「ポケモンスケールワールド」によると身長は165cm。同じ高身長顔面600族女性トレーナーのシロナ(168cm)より少し低い。女性としては高身長だが、そんなに際立って長身というわけでもなく、リアリティのある数値である。そして実はネモの方が背が高い(172cm)。




  • 上述したように『面接テスト』の受け応えにはいくつかパターンがあり、そのパターンを見るため敢えて失敗の選択肢を選んで遊ぶプレイヤーもいる。
    ただし、一発合格したらしたで専用の台詞があるので、一発合格を狙うかわざと失敗するか悩みどころである。カンニングして一発合格した人は正直に手を挙げなさい。


  • 面接の後にはいよいよチリと戦うわけだが、前の扉から出てくると思ったら後ろの扉から出て来た事に驚いたプレイヤーも少なからずいるはず。


  • 眼鏡をかけた女性四天王としては、『X・Y』のパキラ以来3世代9年ぶり3人目。また、じめんタイプ使いの女性四天王としては『ダイヤモンド・パール』のキクノ以来5世代16年ぶり2人目。
    さらに、四天王に挑戦する順番が固定されている作品の中では、女性の一番手としては第一世代のカンナ以来実に8世代26年ぶりとなる。


  • 『ポケモン』シリーズでは希少なメンズライク女子なことに加えて、
    • 今作屈指のイケメン顔
    • 普段の大らかな笑顔と軽いノリかつフレンドリーな言動
    • 隠しきれない生真面目さ
    • 〆る時はキッチリ〆るクールながらも熱血漢っぽさも感じられる言動
    • 男前な風貌に反して切り札が見た目ゆるキャラなドオーというギャップ感
……といった様々な要素を持っており、それらが相互し合った結果、事前情報が無かったことのサプライズも併せて、本編での登場回数の少なさにもかかわらず男女問わずかなりの人気を得ている。男装メガネイケメン方言お姉さんという性癖破壊兵器だからしかたないね。
特に夢女限界オタクが大量発生しており、有志がtwitter上で集計した「夢女子が選ぶ2022年の100人」というアンケートにて他の男性キャラたちを差し置いて同企画で女性キャラとして史上初の1位に輝く*9といった反響があったほか、男性陣からも「夢女の気持ちがわかった気がする」「チリちゃんに女にされた」という意見がちらほら。お、お前は何を言っているんだと(ry
更に翌2023年にも同企画で首位を獲得し史上初の連覇も果たした。
そして翌2024年もその人気は衰えを知らず、これまた前人未踏の3連覇を達成した。

  • アニポケでの担当声優の斎賀氏は、『ポケモン』関連では『アドバンスジェネレーション』においてシュウ、『ポケマス』においてヨウを演じている。
    一方ポケマスでの担当声優の白石氏は、同じくアドバンスジェネレーションでハルカのアゲハントを演じている。


追記・修正は、面接テストに合格した人がお願いします。


この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2025年06月12日 09:33

*1 リップの言動から察するにちょくちょくオモダカと一緒に外回りしているようである。

*2 一応よく見ればギリギリ起伏“らしきもの”は確認できる。それでもハッキリと判るものではない。

*3 『藍の円盤』での会話によると度は入っていない伊達眼鏡。

*4 ちなみにこのドオーはどくタイプの攻撃技を覚えていないので、くさタイプで戦っても大丈夫。しかもタイプ相性で「じしん」を半減できる。

*5 ただし、他に招待可能なキャラ5人とポケモン交換を行うという条件を満たす必要がある。

*6 変更点はナマズンの「ふぶき」「みらいよち」→「れいとうビーム」「ステルスロック」とバクーダの「だいもんじ」→「ふんえん」と命中安定重視となっている。

*7 「チリ」と「チリーン」いうダジャレだからだろうか。

*8 がみ、と読む。風流な味わい、上品な趣の事。

*9 支持者およびコメント数によるランキング。『ポケモンSV』の発売は11月半ばであったため、世に出て1ヶ月半という短期間でここまで支持を拡げたことになる。