ハッサク(ポケモン)

登録日:2024/11/02 Sat 06:08:43
更新日:2025/02/18 Tue 22:00:52
所要時間:約 13 分で読めます






小生は ハッサク

ポケモンリーグ 四天王が 一人

アカデミーでは 美術を 担当していますね


出典:ポケットモンスター、55話『対決!パルデア四天王』、
2023年4月14日から放送中。
OLM、テレビ東京、MEDIANET、ShoPro、
©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon


「ハッサク」とは、ポケットモンスターシリーズの登場人物。
初登場は「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット」。

CV:置鮎龍太郎(アニポケ)


人物

パルデア地方のオレンジ/グレープアカデミーに勤務する教師にして、本作の四天王の一人

マントのような飾り布が付いた緑色の背広を着用する釣り眉・長身のナイスミドル。
後頭部で一部を縛り毛先が横に跳ねた肩まで届く金髪とハイライトのないこれまた金色の瞳が特徴的。また歩くときはガニ股の形*1

一人称「小生」
二人称は、「あなた」または名前に「くん」付け、同僚の教師たちには名前に「先生」、四天王たちのことはポピーを除き呼び捨て。
丁寧語をベースに、時折語尾「~~しますです(よ/ね)」と付ける風変わりな言葉遣いで話す他、気が昂ると「ドラゴーン!!」と叫び、更に感極まれば手で目を覆いながら「うぼぉおおい おいおいおい!!」と物凄い大声で泣く癖がある
特に泣くことはポピーから時に慰められ時に「ほっさ」と呼ばれるあたり日常茶飯事な様子。実際劇中でもしばしば号泣する姿を見ることが出来る。
四天王としての職務中、及び後述する絆イベントで登場する学校外の者に対しては威圧感たっぷりに振る舞うが、平時ではそれを感じさせることなく熱くも丁寧に教師として学生たちと接する、厳格さと親しみやすさを兼ね備えた人物。

過去作でもしばしば存在が言及されている"竜の一族"の一つをルーツに持つ。
その跡取り息子として生まれ育てられたが思春期の頃に一念発起して「音楽で食っていく!」と出奔、紆余曲折を経て教師及び四天王に収まったという中々にロックな経歴の持ち主。
そんな「幼少期より多大な責任を周りから押し付けられた経験」からか、子供を「無責任に遊び惚けることが許される存在」でもあるとし、転じて"必要以上に責任を背負うべきではない"と考えている*2
しかし反発する部分があるブルーベリー学園の教育方針*3を見た際は「挑戦的で いらっしゃいますね」「小生個人としては 少々 思うところが あります」と寧ろ理解を示した上で所感を語るに留めており、その考えに固執してはいない。
自らを特別講師として招聘した主人公に対しても「重圧に押し潰されないか」と心配する一方、そのような責任ある立場を務められるほどに成長した事自体は裏表無く素直に喜んでいる。
良い意味で子供を子供と見なし大人として見守らんとするハッサクもまた、本作でよく描かれる「未熟な年少者が頼れる成熟した年長者」の一人と言えよう。


人間(交友)関係

ボウルタウンのジムリーダーであるコルサとは互いに「コルさん」「ハッさん」と呼び合う気心の知れた仲。
なんでもかつてコルサがスランプに陥った時に出会い、そこからの脱出の助けになったらしい。後述する授業ではコルサを講師として招く回もある。

ポケモンリーグ関係者については、チリから「ハッサクさん」、改まる必要が無い場面では「大将」と呼ばれお互いフランクに接しているが、彼女のことを「少し ふざけた女性」と紹介する*4などデリカシーに欠けるといえる部分も。まあぶっちゃけ間違ってはいない。そんなこと言ったらハッサクも大概だし。
例に漏れずアオキのやる気の無さには頭を悩ませており、ちょくちょく彼に説教をしている*5他、上司のオモダカとアオキの件でため息をつきあう事も。
ポピーのことは主人公に対する態度とほぼ同様に暖かく見守っていて、特別講師の役目に意気込みを語るポピーの健気さにまたしても感涙してしまうのだった。
ちなみに、ほかの四天王と異なりオモダカからは「さん」付けで呼ばれる。年齢的にはハッサクが年上と思われるが、社会人としてはウケが悪すぎるとはいえ同じく年上の可能性があるアオキ*6は普通に呼び捨てにしているため、「年上だから」というのは理由として弱い。
過去はどうあれ、現在の職務を真っ当にこなしている面から純粋に敬意を持たれており、それが呼び方に表れているのだろう。

肉親は直接登場しない父親が健在であること以外不明。
しかし前述の経歴に加え、その父の命を受けてやってきた親戚に対してもけんもほろろに接しているあたり父子仲は良くなさそうだ。
ただ、そんな事実上竜の一族の立場を捨てた身ながら他の一族とのコネクションはどういう訳か持っているようで、イッシュソウリュウシティのジムリーダーシャガとその孫カキツバタとは面識と交流がある。
特にシャガからはカキツバタが留年を繰り返しているという外聞の悪いことを聞かされている辺り相当親しい間柄と思われる。
そのカキツバタとブルーベリー学園でたまたま再会した時*7には、「周囲からの 期待に こたえろとは 言いません」「ご自身が あとで 後悔なきよう 学園生活に 臨んでくださいね」と彼なりに抱えているのだろう事情を察しつつ教師としてのスタンスを(そして恐らく自身の過去の経験も)踏まえたアドバイスを送っている。
弟子については一切言及はしないが、孫のあれこれを明かされているくらいなら知っていてもおかしくはない*8

なお、意外なことにゲーム内では他の教師陣との絡みは一切描写されない。
一応サワロが授業でハッサクの発言を参考にした"受け売り"を語るほか、ハッサクはハッサクでしばしば様々な形で同僚について言及しているが、直接やり取りをする光景となると、他の教員の絆イベントにも顔を出さない上、ブルーベリー学園での特殊会話を含めても皆無。
その為教員としての詳しい人間関係は不明のまま終わっている。


作中での活躍

四天王ということもあり、教師陣の中では『スターダスト☆ストリート』でメインを張るクラベルや事実上ポケモン博士ポジションのジニアに次いでシナリオでの露出が多い*9

「宝探し」出発のムービーが初顔見せ*10だが、本格的な登場は『チャンピオンロード』でジムを2つクリアしてから。
項目冒頭のセリフで主人公に自己紹介をし、ネモと同じ可能性を秘めているかもと素質を見出すとともに、いずれ訪れるであろう自身との戦いに備えるよう忠告をする。
この会話の後からアカデミーでハッサクの授業を受けることができるようになるほか、以降も特定のタイミングで姿を見せ、チリを紹介したり主人公の健闘を称えたりする。

バッジを集め終わればいよいよ四天王として相対。
無論ここでは教師ではなく挑戦者に立ちはだかる壁として容赦なく立ち向かってくる。
そして勝てば主人公の努力に感激して滅茶苦茶泣く。オモダカに勝った時も滅茶苦茶泣く
その後はテーブルシティで主人公とネモの勝負を見届けた。

絆イベントでは遣わされた一族の者に、体調が芳しくないらしい現当主(つまり父親)の跡を継ぐよう迫られる。そして主人公との交流を経てハッサクが出す結論とは……。


授業

受け持つ科目は美術「音楽で食っていく」んじゃなかったんですか……実は芸術分野全般にある程度の才覚があった可能性もなくはないが。
また時々助手として「フカマル先輩」が登場し授業を補佐する。

本人自ら「学んだことを多くの人は忘れてしまうだろう」と語るように、それ自体は必ずしも生きる上では必要のない技術、知識。
ではやる気ゼロで進んでいくかというとそんなわけはなく、1回目の授業では蓄えた知識を以て物事をより深く理解したり、何かを考えることその物の大切さを説く。普通に現実に生きる画面の前の我々にも染みる教訓である。
その後に続く「美術とは! 人生に なくていいもの ですが あったほうが より楽しいもの!」のセリフは、子供のみならず大人にも刺さるかもしれない。

一方、別の意味で印象に残るのは4回目の授業か。
ここでは特別ゲストとしてコルサが呼ばれる*11……が、授業そっちのけで彼と思い出話で盛り上がってしまい、最終的にはハッサクが号泣して締めくくりという濃い展開が繰り広げられる。そしてやり取りの中に並々ならぬ雰囲気を感じ取った腐ったお姉様方がそこそこいるとかいないとか。
一応コルサはタメになる話自体はしてくれるが、いろいろと面食らったプレイヤーも多いのではないだろうか。ちなみに号泣するハッサクを最速で見れるタイミングはここである。
そして次の講義までの間にタイムからお説教を食らい反省するというオチが付くのだった*12

他にはフカマル先輩が頭上に抱くテラスタル結晶のタイプを問われたり、パルデア十景の名称というマニアックな知識も学べる。
とくにパルデア十景はコラムとして聞く分には面白いが、ちゃんと期末テストの問題にも出てくるので侮れない。
「小生の授業では あまり 合格や 不合格を 決めたくは ないのですが 一応 テストですからね……」と言っている割に、美術の期末テストが最難関だったという声を上げるプレイヤーすらいるという。

その他授業とは関係の無い話にはなるが、美術という存在は純粋に好きで、ハッサク本人も知らないところで巡り巡ってメロコに影響を与えることに。ちなみにそのメロコからは「ドラゴン先公」と呼ばれている*13


手持ちポケモン


本気で かかってきなさい

全力で 迎え撃ちましょう


四天王の中では4番手、つまり最強の存在。
エキスパートタイプはドラゴン。自身の血統に思うことはあれど、ドラゴンポケモンそのものに対する愛着と強さへの誇りは持っているのだろう。

600族もいるパーティーで、高種族値のフィジカルエリートたちがガンガン攻めてくるのが特徴。
最大のメタとなるフェアリータイプのポケモンを使おうにも、ドラミドロはどくタイプ複合で等倍に抑えられると同時に一致弱点を突かれ、オノノクスも「アイアンヘッド」*14を覚えているなど油断ならない。上を取って叩き潰せるポケモンやわざを用意したいところ。
一方、誰もほのお技とじめん技を覚えておらず、はがねタイプに対する有効打が乏しいという穴がある。
その為弱点を突き返されやすいこおりタイプやフェアリータイプよりも安定して戦える。中でもフェアリー/はがね複合のデカヌチャンであれば弱点を突かれることもなく、攻守ともに非常に有利であるためオススメ。

切り札はセグレイブ。
攻撃種族値145から放たれる一致テラス+「きょけんとつげき」は凄まじい火力を誇る。当然ドラゴン耐性のないポケモンは一撃で沈められる危険性が高い。攻撃後は被ダメージ2倍+必中で受けるデメリットがあるのでその隙を狙ってこちらも高威力の技で一気に沈めたいところ。
ちなみにこのセグレイブ、何故かわざを3つしか覚えていない。道中のジムリーダーも大半はわざを3つまでしか覚えさせていない*15*16が四天王はきっちり4つ覚えさせており、その中で最強のハッサクのエースがなぜそうなっているかは不明である。

セグレイブがテラスタルでドラゴン単タイプになる都合、全員こおりタイプが弱点かつ2体に対して4倍弱点を突けるので、御三家の中ではウェーニバルが「アイススピナー」で有利に戦えるか。ただしオンバーン相手には先手を取られる可能性が高い。






ポケットモンスター(アニメ第8シリーズ)』において

登場エピソードは以下の通り。

  • 第46話
チリ、ポピーともども初登場*17
リコと彼女が通うセキエイ学園でのルームメイトであるアンのバトルを観戦する。

  • 第55話
アカデミーのテラスタル研修生とジムリーダーが二人一組で四天王に挑む「交流戦」において、コルサ&ロイのペアの相手を務める。
そしてバトルのあとにはやはり感激で号泣するのだった。


余談

  • 名前の由来は柑橘類「八朔(ハッサク)」。外見のモチーフとしてはおそらくこれもあるだろう。ちなみに柑橘類の果実が由来のキャラクターは、他にも過去作にはミカン、同じ『SV』にはライムがいる。

  • ドラゴンタイプ使いの四天王としては『X・Y』のドラセナ以来3世代9年ぶりの歴代通算4人目で、男性かつ(挑戦の順番が固定されている作品での)4番手としては『RSE』及び『ORAS』のゲンジ以来6世代20年ぶり3人目。

  • 歴代ネームドキャラの中では数少ない左利きで、モンスターボールの投球フォームはサイドスロー。推定元ネタは永射保。

  • 学校最強大会、及び特別講師でのハッサクはあくまで教師として振る舞う。その為「四天王としてのハッサク」と戦えるのは一度きりということになる。DLC配信前は(肩書こそ四天王ではないが)四天王で唯一再戦が可能だった。


  • 設定資料集には本編では見られないピアノを弾く様子のカットがある。「音楽で〜」云々のセリフの名残だろうか。また、これも資料集の書き込みによれば指が長いらしい。

  • アニポケでの担当声優である置鮎氏の名前には、ハッサクのエキスパートタイプである「龍(=ドラゴン)」の字が含まれているという偶然の一致が発生している*18。なお置鮎氏は『ポケモン』関連作品では『New ポケモンスナップ』にカガミ博士役で出演している。

  • 一部ではその髪型から「老けたマイキー」などとも呼ばれている。また、同じ任天堂作品出身のこの子も、髪型が似ているとしてよく引き合いに出される。


追記・修正は、感極まってからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ドラゴーン!!/

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  • 濁点付き
  • ガニ股
最終更新:2025年02月18日 22:00
添付ファイル

*1 関節の問題で歩き方が一見おかしくなってしまう場合もあるので、現実で見かけても笑わないように。

*2 同時に「責務を投げ出してしまった者」という自嘲の念も少なからずあるのかもしれない。一応教職自体は「天職」と言い切る程に満足しやりがいを感じている。

*3 生徒が率先して委員会や学校運営に携わっている=進んで責任を背負っていくスタイル。

*4 この時チリは直前までにこやかだった表情から一転真顔になって「いや ふざけてへんけど……?」と否定し、DLCでもそのことを今度は文字通り声を大にして強調しているので、その評価に納得がいっていない模様。

*5 当のアオキは「……ハッサクさんの説教 長いんですよね」と図太く愚痴り、挙句DLCにて説教されている最中に寝るなど、改善する気は毛頭無い。それでいいのか社会人。

*6ポケモンマスターズEX』ではカブさんと一緒におじさん枠扱いです。

*7 「こちらに 通われていたのですね」という物言いから、通っている学校までは聞かされてなかったらしいことが分かる。

*8 シャガとの繋がりを抜きにしても、件の弟子はチャンピオンにまで登り詰めている実力者なので、知名度はそこそこないとおかしい。ましてハッサクはポケモンリーグ関係者なのだからなおさらそのことを耳にする機会はあるはず。

*9 ついでに、アカデミーの教師で公式絵があるのは彼ら3人のみ。

*10 映るだけでセリフは無し。

*11 本編中で外部の人物が講師として招聘されるのはこの時だけ。

*12 既に述べたように画面外の出来事で直接描写は無いが。

*13 本人がいない時の三人称での呼び方。実際に顔を合わせた際の呼び方は明かされてない。

*14 何気に「アイアンテール」を覚えられなくなった代わりに今作で新規習得した技だったりする。

*15 序盤で戦うことを想定しているカエデやコルサに至っては2つのみ。

*16 例外はグルーシャの切り札チルタリス。

*17 四天王のうち、アオキは既に第18話でセリフ無しの先行登場を果たしている。

*18 ひこうタイプ(≒鳥)使いのアオキ役を担当する鳥海浩輔氏にも同じことが言える。