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ベルクス(ダイの大冒険)

登録日:2025/12/03 Wed 01:23:35
更新日:2026/08/01 Sat 15:35:30
所要時間:約 23 分で読めます






……魔の武器とは……まさか…あの……

そのまさかよ

奴らの名は……ベルクス!


ベルクスとは、『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』のスピンオフ作品『勇者アバンと獄炎の魔王』に登場した武装集団。



【概要】

代々魔界最高の名工と歌われたベルク一族*1が作成した武具の使い手たちの集団であり、共通して何らかの動物を模した仮面を付けている
大魔王バーンをして、「厄介な連中」と言うほどの実力を持つ。
尚、ベルク一族の末裔は現在は一人しか残っていないという。ミストバーンには心当たりがある様だが……。
彼との関連性及び武器の作成者に関しては今のところ不明。


魔界にて活動していたものの、ハドラーが倒された後、地上にて活動を開始している。
その目的はベルクス最強を決めること。
ベルクス同士では武器の材質が同じ*2ため戦っても勝負が付かず不毛なため、ハドラーを倒した勇者アバンを打ち負かしたものが最強という事でつけ狙う。
他に目的もなく、「戦うことそのもの」が目的という戦闘狂ばかり。
とはいえ目的の性質上それぞれがライバル関係にある上、各自の我が強いあまり、メンバー間の足並みは悪い。


【ネタバレ】









ベルクス達の正体は自我を有する武器そのもの

ベルク一族の作成した武器には元々魂が宿っており、ある程度自分の意思で所有者を選ぶ。
そしてそれらの武器の中には、意思が誇大化し進化したことで固有の人格を得て、更に主を失った*3「はぐれ武器」と呼ばれるものが存在する。

とはいえ進化はしてもあくまで武器であり、自力では動けない故に使い手が必要。
そこで彼らは発想を変え、生物の肉体を支配し操るようになった。
ようは呪われた装備が意思を持ったようなもの。

そうした「はぐれ武器」が集まったのがベルクスである。

強者との戦いに存在意義を見出す彼らは、現在の使い手を使い潰してはより優れた使い手を見出して次の「持ち主」として操るといったことを繰り返している。
魔族の肉体とは相性が悪いらしく、主に人間や獣人を依代にしている。ハドラーとの戦いに参戦しなかったのもこれが理由であり、例えハドラーを倒しても「肉体」というトロフィーを得られず、何の得もなかったため、ハドラーを倒せるような人間・獣人の強者を待ち望んでいた。

肉体を乗っ取られた生物は生きてはいるものの、操られる内に精神も死に絶え、生きる屍と化す。*4
顔を覆う動物の仮面は生気のない表情を隠す役割に加え、武器の意思を肉体に伝えるという重要な役割を持っている。

使い手に対する配慮は一切なく、操る肉体が傷ついても怯まず攻撃してくる。
一方で武器自体も少々の傷は自己修復するが、大きく破損すればそれが致命傷となり死亡する。

仮面の邪気を削がれると肉体との連動が途切れるため、アバン流殺法の「空の技」で本体を攻撃すれば動きを止める事はできるが、「空の技」は光の闘気で弱点を射抜く事に特化していて物理破壊力に乏しいため、頑丈な実体を持つ本体を破壊する事はできない。
ただし、光の闘気に加えて矢という物体を伴って攻撃できる弓殺法の「天空射」なら破壊が可能である。

強者を倒して最強を決めるという目的だが、その強者が対応する武器の使い手ならベルクスのメンバーにとっては新しい肉体を得る機会にもなる。
アバンが武芸百般であることが知れたのもあって多くのメンバーがその肉体を奪おうと考えて襲撃を繰り返し、魔王軍に続く新たな脅威となる。

ベルク流の鍛冶たちの手で生まれたが、誰にも望まれずに強い自我を持ってしまった存在であり、
  • 技を磨くことこそできるが、自分の肉体を持つことができない寄生虫にすぎないコンプレックス
  • ベルク流の鍛冶はもうほぼ断絶したため、苦しみを共有できる同族・仲間が増えることはない孤独
  • 壊されない限りは不老不死の煉獄
  • 十二分に自分を使えた相棒が過去いたとしても不老不死ゆえに死に別れている
  • 生みの親であるベルク流鍛冶師達からも死(破壊)を望まれていた
など哀れな生態と化している。
一方で人間が武器を使い捨てるように、ベルクスも人間を“使い捨てる”ため、アバンをはじめとする人間にとっては相容れない存在である。

なお、前述のとおり、「あくまで武器であり、自力では動けない」上に乗っ取りに依り代の実質的な殺害が必要であるため、この手の呪われた武器としては珍しく普通に手に持って使う分には使い手に何のデメリットもない
なんなら、ベルクス側からすれば逆に自分の意思を無視して無理矢理操られるという皮肉な状況になる。


【メンバー】


魔剣(まけん)のライゼRAIZE THE DARK SWORD

使い手にはヒョウの仮面を被らせている、ベルクスのリーダー的存在。*5
刃の部分がのこぎり波になっている長剣で、鍔部分にはヒョウの意匠が施されている。
最初にアバンと接触したが、その時点では戦わず去っていった。
初登場シーンでは使い手より先に剣の鍔の顔部分とアバンの目線が合い、また剣から殺気のようなものが発散されているという、この時点からベルクスの正体に関する伏線が張られていた。
常に挑発的な態度をとるが、アバンに対して「丸腰と言えど遊び半分で戦ってはいけない相手」と瞬時に判断できる冷静さも持っており、アバンには皮肉混じりではあるが「アバン先生」と敬意をもって呼んでいる。
仲間内で仕切りたがる癖があることからスイグンやテンペストからは疎ましがられているが、そういった気質を皮肉られても怒らない寛容さや決して褒められたものではないタークスの本性を知っても個人的には好ましいと評するなど鷹揚なところを見せたり、いざという時には体を張って仲間を止めるなど、同族であるベルクスへの思い入れや協調性は彼なりにある様子。
必殺技は刀身を二つに分り、双刀剣にした状態で繰り出される連撃の魔剣奥義「双牙乱舞(そうがらんぶ)」。

なお、シルエットだけならロン・ベルクに激似
このためシルエットだけが明かされた初登場時は「アバンとロン・ベルクが対決するのか!?」とファンを沸かせ、翌月シルエットが取り払われると「誰だお前!?」と困惑された。
作者である三条陸も「「うんうん、みんな微塵も疑ってないぞ、よしよし」って思ってましたけど(笑)。」「直前にジャンクを出しておく事によってミスリードの罠を増やしているんですよね(笑)。」と、ライゼがロン・ベルクだと誤認されることを狙っていたと2024年11月『三条陸先生×芝田優作先生 獄炎対談②「現在」編』で語っている。



魔斧(まふ)のグロイサンGROYSAN THE DARK AX

サイの仮面を被った巨漢を操っている、グレイトアックスに匹敵するほどの巨大な両手斧
刃の部分を横から見るとサイの顔のようでもある。
シルエット的には本家ドラクエシリーズのサイおとこ系列そのまま。



魔槍(まそう)のフーガFOOGA THE DARK SPEAR

鳥の意匠が施された十文字槍。使い手は鳥の仮面をつけており、ベルクスの中では最初にアバンと戦っている。
ライゼ達がヒヒに占って貰っている所を盗み見、先回りして(ライゼが狙っている使い手である)アバンをライゼへの嫌がらせ目的で殺そうとしたが失敗した。
彼の戦いによってアバンはどの武器にも十全に対応できる逸材だと判明し、ベルクスによる争奪戦が一層激化した。
お喋りで慇懃無礼な性格とその態度に見合った強さの持ち主だが、アバンに正体を見破られた上にただの槍で破損させられたことに激昂する等どこか小物臭も漂う。*7
まあ、おそらく攻撃力85(強化後は90)の鎧の魔槍と同材質かつロンと同じように魔界の名工ベルク一族に作られた身で、(闘気込みとはいえ)攻撃力28の鉄の槍未満だと思われるそこらに落ちてたような鉄屑に後れを取ったのでは武器として面目丸潰れで受け入れ難いと嘆くのは無理もないかもしれない。
内心、槍術をいくら磨けはしても寄生虫にすぎないとベルクスの在り方に強いコンプレックスを持っており、その反動ゆえに他の魔物などを「低俗」と見下している。
何もない空間に穂先を突き刺し槍を固定できるという特殊能力を持ち、それによる立体的かつ変幻自在の攻撃が得意としている。
必殺技は空中で槍を軸に回転し、鳥型のオーラを纏って突撃する「風陣花散(ふうじんかざん)」。威力は高いのだろうが放つまでに時間がかかるという欠点があり、アバンには虚空閃とアバンストラッシュの合わせ技で破られてしまった。名称の元ネタは風林火山か。



魔重剣(まじゅうけん)のスイグンSUIGUN THE HEAVY DARK SWORD

ライゼよりも遥かに巨大な大剣であり、持ち手は水牛の仮面を被った筋骨隆々の大男。剣の鍔部分には水牛の意匠が施されている。
一人称は「吾輩」。プライドの高い性格で、何かと仕切りたがるライゼのことを嫌っている。
勝負は決したにもかかわらず醜くあがくフーガを回収するためテンペストと共に登場した。
激昂しやすくライゼに挑発され私闘に発展することもあるほか、タークスの抜け駆けに対しても激しく憤っていた。
鞘部分の装飾は鋼の眷属「ネガロン」という(奇しくも鎧の魔剣を彷彿とさせる)さそりのような使い魔であるらしく、分離してアバン捜索に放たれた。



魔妖剣(まようけん)のテンペストTENPEST THE WITCHING DARK SWORD

のように自在にしなる能力を備えたレイピアで、の仮面を被った女性を操っている。やはり鍔部分に狼の意匠が施されている。
胸がでかいお尻もでかい
口調からすると女性の人格を持っている様子。だから女性の戦士を操っているのだろうか。
アバンの肉体を奪った場合どんな振る舞いをするのか気になる
こちらも仕切りたがるライゼやタークスをよく思っていないようで度々嫌味を言う。
なお、彼女がベルクスに肉体を奪われた被害者が助かる術がない事を口走った事により、アバンは手段を選ばずに全力でベルクスを始末する事を決めた大戦犯疑惑*8
必殺技は刃先に込めた魔力で対象に呪紋を記すことで相手を強制封印状態に落とし込む魔妖奥義「千年夜曲(せんねんやきょく)」。
かけられた相手は『凍れる時間の秘法』と同じように意識もなくなり身動き一つとれなくなるが、あちらと違って皆既日食という条件を必要としないし解除も簡単ときてる。大魔王様が知ったならさぞ重要視しただろう。



魔甲(まこう)のベアーチェBEARCHE THE DARK GAUNTLET

パンダ(ないしクマ)の意匠が施されている手甲鉤で、パンダの仮面を被った巨大な男性(実際には熊系の獣人)を操っている。*9
左右一対の武器だが、よく見ると右手側に「目」があり意思が宿るのはこちら側であろう。*10
また、肉体に由来するのかあるいは真空の斧のバギのような武器そのものに備わった機能なのか、回復呪文も使用できるようで、傷ついた他のベルクスの肉体の治療も担当している。
回復能力だけでなく攻撃能力にも優れており、体格はグロイサンに次ぐサイズだが膂力は彼以上と思われ、作中では地下深くから地面を錐揉み回転で掘り抜いて飛び出してくるなどの、フェンブレンもかくやと思わせるような芸当を披露している。
ライゼも、彼の奥義こそがベルクスで最大の破壊力をもつ技だと認めていた(後述)。

一人称は「ぼく」で、温厚な雰囲気だが怒らせると怖いタイプ。
メンバーが仲良くできないことを快く思っていない。
そして和を乱すと判断したものには容赦なく死体蹴りをし、ライゼからも「こいつだけは怒らせないようにしている。」と恐れられている。
必殺技は甲から爪型のオーラを発し引き裂く魔甲奥義「殺死熊(デッドシグマ)」。



魔鎖(まさ)のタークスTURKS THE DARK CHAIN

レイヨウの角同士を鎖でつなげたようなフレイルで、レイヨウの仮面を被った長身の男性を操っている。小さいが持ち手部分にレイヨウの意匠が施されている。
一人称は「(ボク)」で、口調は穏やかで理知的。
必殺技は鎖の先端から魔力で円輪を発生させ相手を切り裂く「凱輪(がいりん)」。魔力で刃を形成するという点で、光魔の杖と同質の能力である(威力上限の有無については不明)。
さすがにオリハルコンの剣さえへし折ったバーンの光魔の杖ほどとはいかないものの、地上の武具としてはかなり高性能な部類のバスタードソードや魔法の盾を簡単に削り取り、海波斬も弾き返す攻防一体の技。アバンが闘気を込めたモーニングスターさえも、激しい猛攻の末に打ち砕いた。
しかし、カールの剣を手にしたアバンには通じず、最終的にはアバンストラッシュで円輪ごと本体とボディを切り裂かれて大ダメージを負い、逃走を余儀なくされた。



魔弓(まきゅう)のヒヒHIHI THE DARK BOW

狒々の顔や手足の意匠が施されたで、狒々の仮面をかぶった小柄な男性を操っている。
一人称は「ワシ」で、口調から老齢男性の人格を持つ様子。
乗っ取った肉体由来で占術が使えるようで、これでアバンの居場所を探り当て、秘かに結託していたタークスと共に襲撃した。
なお、矢はグリップ部分に何らかの魔力で生成する仕組みがあるようで、この手の武器にありがちな「弾切れ」の心配がない(加えて矢筒といった荷物を持つ必要もない)安心・親切設計。
また、弦もない*12ため非力な者でも簡単に引けるのかもしれない。そもそも登場時に操っていたのはすでに限界が近いとされている老齢男性、次に狙ったヒュンケルもすさまじい戦闘能力を持つとはいえ体格的には子供である。こうして見ると弓というより誰が使っても効果があるに近い性質にも思える。
必殺技は複数の矢を一斉に放ち、雨のように降り注がせる「矢降雨(ヤブサメ)」。
タークスがアバンの、ヒヒがヒュンケルの肉体を奪う約束だった*13が、シュプレとグノータの助太刀もあり失敗、逃走を余儀なくされる。
タークスは上述の通り粛清されたが、彼と手を組んでいたヒヒも裏切り者であることに変わりないため、その後は「同罪」として使い手と離されて監禁されてしまった。*14



【備考】

  • ベルク一族の作成した武器には魂が宿り意思を持つ点は、ダイ大本編でもダイの剣などで描写されている。

  • 武器そのものがモンスター化した存在はドラクエシリーズにも存在しており、ひとくいサーベルなどが該当する。
    ただし、あちらは武器自体で動けるが。

  • ダイ大本編におけるアバンとヒュンケルの別離の直後にベルクスが襲撃したため、アバンはヒュンケルの捜索ができなかった(本編でヒュンケルの捜索を諦めたように見えた場面は実際には捜索を諦めていなかった)という理由が後付けされたのだが、アニメ版では平成版・令和版共にアバンはそのような襲撃を受ける事無くヒュンケルの捜索のために川に飛び込んでいるため、アニメ版の時空ではベルクスは存在しない可能性も考えられる*15





味わわせてやろうじゃないか アニヲタの連中に

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最終更新:2026年08月01日 15:35

*1 『獄炎の魔王』執筆前の時点で「ベルク」とは魔界の武具作成の流派名であり、それを修めた者が姓のようにベルクと名乗るという設定が公表されていた。

*2 オリハルコンを除けば最も強固な金属。本編に登場する鎧の魔剣、魔槍と同様の材質と推測される

*3 戦いで持ち主が死亡したり、持ち主に失望し見限って殺害するなど

*4 ベルクスの乗っ取りには肉体に致命傷を与える工程が必要なのだが、傷つけば血は流れ、回復呪文で傷が癒える

*5 テンペストから「古参のリーダー気取り」と言われているので、古くからいるようである。

*6 とはいえ素材に関しては不明だが、もし仮に同じ素材だったとしても、作りの簡素さなどから見て魔界の名工の手による作品であるベルクスからすればはるかに格下の武器であることはまず間違いないだろう

*7 さらにこの時は粗野な口調になっており、ライゼから「いつもの気取った口調はどうした」と皮肉られていた。

*8 尤も、彼女がアバンの質問に答え出した時点で止めようとしなかった他の3人も同罪と言えるのだが。仮にテンペストが教えなかった場合でも、ヒヒが教えるだろうし

*9 本家シリーズだとごうけつぐまがいるが、この系列はクマそのものである。獣人のような見た目で近いのだとリカオン系列や鉄の爪を装備したかくとうパンサー系列だろうか。

*10 最終戦で致命傷を受けたのも右側。

*11 そのグリニデとて自分がキレやすいことも理解してたし仲間に対しても寛容でできるだけ理性的に振舞おうとしていたが、当のベアーチェは思い通りにいかなければ構わず周囲に当たり散らすなど、気質は駄々っ子のそれである。

*12 全員集合時のシルエットでは弦があるが、ヒヒに限らず他のメンバーもデザインに差異があるため、この時点ではきちんと決まっていなかったのだろう。

*13 占術の能力があることもあって今の肉体に不満はないが限界が近く、早く乗り換えるためにタークスと手を組み、特に弓に関する技能などは披露していないものの十分な身体能力や将来性があるヒュンケルの肉体で妥協したものと思われる。

*14 その際の回想には、ライゼ・テンペスト・ベアーチェの3人しか出ておらず、彼が監禁されたのは、アバンの捕縛後だと思われる

*15 もちろん単に襲撃のタイミングが違った可能性もあるが。

*16 その後、彼自身が作った特定個人の専用武器である「ダイの剣」には主であるダイが死ねば共に自壊する仕掛けが施されており、二度とベルクスのような存在を生み出さないように気を配っていることがわかる。