登録日:2025/12/03 Wed 01:23:35
更新日:2026/08/01 Sat 15:35:30
所要時間:約 23 分で読めます
【概要】
代々魔界最高の名工と歌われたベルク一族が作成した武具の使い手たちの集団であり、共通して何らかの動物を模した
仮面を付けている。
大魔王バーンをして、「厄介な連中」と言うほどの実力を持つ。
尚、ベルク一族の末裔は現在は一人しか残っていないという。
ミストバーンには心当たりがある様だが……。
彼との関連性及び武器の作成者に関しては今のところ不明。
魔界にて活動していたものの、
ハドラーが倒された後、地上にて活動を開始している。
その目的はベルクス
最強を決めること。
ベルクス同士では武器の材質が同じため戦っても勝負が付かず不毛なため、ハドラーを倒した
勇者アバンを打ち負かしたものが最強という事でつけ狙う。
他に目的もなく、「戦うことそのもの」が目的という
戦闘狂ばかり。
とはいえ目的の性質上それぞれが
ライバル関係にある上、各自の我が強いあまり、メンバー間の足並みは悪い。
【ネタバレ】
ベルク一族の作成した武器には元々魂が宿っており、ある程度自分の意思で所有者を選ぶ。
そしてそれらの武器の中には、意思が誇大化し進化したことで固有の人格を得て、更に主を失った「はぐれ武器」と呼ばれるものが存在する。
とはいえ進化はしてもあくまで武器であり、自力では動けない故に使い手が必要。
そこで彼らは発想を変え、
生物の肉体を支配し操るようになった。
ようは呪われた装備が意思を持ったようなもの。
そうした「はぐれ武器」が集まったのがベルクスである。
強者との戦いに存在意義を見出す彼らは、現在の使い手を使い潰してはより優れた使い手を見出して次の「持ち主」として操るといったことを繰り返している。
魔族の肉体とは相性が悪いらしく、主に人間や獣人を依代にしている。ハドラーとの戦いに参戦しなかったのもこれが理由であり、例えハドラーを倒しても「肉体」というトロフィーを得られず、何の得もなかったため、ハドラーを倒せるような人間・獣人の強者を待ち望んでいた。
肉体を乗っ取られた生物は生きてはいるものの、操られる内に精神も死に絶え、
生きる屍と化す。
顔を覆う動物の仮面は生気のない表情を隠す役割に加え、武器の意思を肉体に伝えるという重要な役割を持っている。
使い手に対する配慮は一切なく、操る肉体が傷ついても怯まず攻撃してくる。
一方で武器自体も少々の傷は自己修復するが、大きく破損すればそれが致命傷となり死亡する。
仮面の邪気を削がれると肉体との連動が途切れるため、アバン流殺法の「空の技」で本体を攻撃すれば動きを止める事はできるが、「空の技」は光の闘気で弱点を射抜く事に特化していて物理破壊力に乏しいため、頑丈な実体を持つ本体を破壊する事はできない。
ただし、光の闘気に加えて矢という物体を伴って攻撃できる弓殺法の「天空射」なら破壊が可能である。
強者を倒して最強を決めるという目的だが、その強者が対応する武器の使い手ならベルクスのメンバーにとっては新しい肉体を得る機会にもなる。
アバンが武芸百般であることが知れたのもあって多くのメンバーがその肉体を奪おうと考えて襲撃を繰り返し、
魔王軍に続く新たな脅威となる。
ベルク流の鍛冶たちの手で生まれたが、誰にも望まれずに強い自我を持ってしまった存在であり、
- 「技を磨くことこそできるが、自分の肉体を持つことができない寄生虫にすぎないコンプレックス」
- 「ベルク流の鍛冶はもうほぼ断絶したため、苦しみを共有できる同族・仲間が増えることはない孤独」
- 「壊されない限りは不老不死の煉獄」
- 「十二分に自分を使えた相棒が過去いたとしても不老不死ゆえに死に別れている」
- 「生みの親であるベルク流鍛冶師達からも死(破壊)を望まれていた」
など哀れな生態と化している。
一方で人間が武器を使い捨てるように、ベルクスも人間を“使い捨てる”ため、アバンをはじめとする人間にとっては相容れない存在である。
なお、前述のとおり、「あくまで武器であり、自力では動けない」上に乗っ取りに依り代の実質的な殺害が必要であるため、この手の呪われた武器としては珍しく普通に手に持って使う分には使い手に何のデメリットもない。
なんなら、ベルクス側からすれば逆に自分の意思を無視して無理矢理操られるという皮肉な状況になる。
【メンバー】
魔剣のライゼ[RAIZE THE DARK SWORD]
使い手には
ヒョウの仮面を被らせている、ベルクスのリーダー的存在。
刃の部分がのこぎり波になっている
長剣で、鍔部分にはヒョウの意匠が施されている。
最初にアバンと接触したが、その時点では戦わず去っていった。
初登場シーンでは使い手より先に剣の鍔の顔部分とアバンの目線が合い、また剣から殺気のようなものが発散されているという、この時点からベルクスの正体に関する
伏線が張られていた。
常に挑発的な態度をとるが、アバンに対して「丸腰と言えど遊び半分で戦ってはいけない相手」と瞬時に判断できる冷静さも持っており、アバンには皮肉混じりではあるが「アバン先生」と敬意をもって呼んでいる。
仲間内で仕切りたがる癖があることからスイグンやテンペストからは疎ましがられているが、そういった気質を皮肉られても怒らない寛容さや決して褒められたものではないタークスの本性を知っても個人的には好ましいと評するなど鷹揚なところを見せたり、いざという時には体を張って仲間を止めるなど、同族であるベルクスへの思い入れや協調性は彼なりにある様子。
必殺技は刀身を二つに分り、
双刀剣にした状態で繰り出される連撃の魔剣奥義「
双牙乱舞」。
なお、
シルエットだけならロン・ベルクに激似。
このためシルエットだけが明かされた初登場時は「アバンとロン・ベルクが対決するのか!?」とファンを沸かせ、翌月シルエットが取り払われると「誰だお前!?」と困惑された。
作者である
三条陸も「
「うんうん、みんな微塵も疑ってないぞ、よしよし」って思ってましたけど(笑)。」「
直前にジャンクを出しておく事によってミスリードの罠を増やしているんですよね(笑)。」と、ライゼがロン・ベルクだと誤認されることを狙っていたと2024年11月『三条陸先生×芝田優作先生 獄炎対談②「現在」編』で語っている。
テンペストも破壊され残りはベアーチェと自身だけになったことで、アバンを
獲物ではなく天敵と認め倒すことを決意する。
双牙乱舞でアバン達を防戦一方に追い込むが、ヒヒの力を借りたアバンが放った弓のアバンストラッシュを受けて地表まで吹き飛ばされてしまった。
すると、破壊こそ免れたものの重傷を負って動けないライゼの前に、フードを被った人物が現れ……
魔斧のグロイサン[GROYSAN THE DARK AX]
サイの仮面を被った巨漢を操っている、グレイトアックスに匹敵するほどの巨大な
両手斧。
刃の部分を横から見るとサイの顔のようでもある。
シルエット的には本家ドラクエシリーズのサイおとこ系列そのまま。
新たな使い手として
クロコダインに目を付けるが、手製の手斧と相討ちになるような形で砕かれてしまう。
その正体を知りようもないクロコダイン目線では「今まで戦った相手の中では最上級」「相手は斧の切先が砕けたのみ(※対して自分は武器を壊され満身創痍)」と負けよりの引き分けだと思っていたが、実際には武器の性能差を覆して相手の武器(本体)を破壊するという完全勝利であった。
この戦闘はクロコダインを軍団長にスカウトしに来たハドラーに語る形で短く
回想されたのみで、斧を打ち合う場面以外の詳細は不明。本編で特殊能力や必殺技を披露できなかったのは不遇といえるか。
自己紹介以外のセリフがないので性格や
一人称すら不明。
唯一アバンとの因縁がないまま退場したベルクスとなった。
ベルクスは互いに手合わせしても決着がつかないほど実力が拮抗しているらしいので、グロイサンが他のベルクスと比べて弱いのではなく、クロコダインが強かったのであろう。
グロイサン自身、クロコダインと対等に激しく打ち合い斬り結べるだけの並外れた膂力の持ち主ではあるが、ベルクス同士は「素材が同じであるがゆえに」互いに戦ってもほぼ決着がつかないほど実力が拮抗しているとされている中、クロコダインはそのベルクスをかなりの傷を負いながらもただの手斧で破壊しており、闘気などを含めた総合的なレベルが彼らとは一段違っていたということなのだろう。
こうして読者のクロコダインへの評価がまた上がった。
加えて、後々に判明する他のメンバーの散り様から、強敵と真正面から戦って敗れた彼はまだマシな方だったのではないかという評価もある。
魔槍のフーガ[FOOGA THE DARK SPEAR]
鳥の意匠が施された
十文字槍。使い手は鳥の仮面をつけており、ベルクスの中では最初にアバンと戦っている。
ライゼ達がヒヒに占って貰っている所を盗み見、先回りして(ライゼが狙っている使い手である)アバンをライゼへの嫌がらせ目的で殺そうとしたが失敗した。
彼の戦いによってアバンはどの武器にも十全に対応できる逸材だと判明し、ベルクスによる争奪戦が一層激化した。
お喋りで慇懃無礼な性格とその態度に見合った強さの持ち主だが、アバンに正体を見破られた上にただの槍で破損させられたことに激昂する等どこか小物臭も漂う。
まあ、おそらく攻撃力85(強化後は90)の鎧の魔槍と同材質かつロンと同じように魔界の名工ベルク一族に作られた身で、(闘気込みとはいえ)攻撃力28の鉄の槍未満だと思われるそこらに落ちてたような鉄屑に後れを取ったのでは武器として面目丸潰れで受け入れ難いと嘆くのは無理もないかもしれない。
内心、槍術をいくら磨けはしても寄生虫にすぎないとベルクスの在り方に強いコンプレックスを持っており、その反動ゆえに他の魔物などを「低俗」と見下している。
何もない空間に穂先を突き刺し槍を固定できるという特殊能力を持ち、それによる立体的かつ変幻自在の攻撃が得意としている。
必殺技は空中で槍を軸に回転し、鳥型のオーラを纏って突撃する「
風陣花散」。威力は高いのだろうが放つまでに時間がかかるという欠点があり、アバンには虚空閃と
アバンストラッシュの合わせ技で破られてしまった。名称の元ネタは風林火山か。
……醜い! 醜悪だ!
他人に取り憑かねば生きていけぬ寄生虫の分際で…
強者のような口ぶりで吠え続けている!
……お前を見ていると……
虫唾が走る!
競争率の高いアバンの肉体を他のベルクスと奪い合うよりも、溺れている最中で抵抗もままならない
ヒュンケルの体をかすめ取って一抜けしようと仲間たちから離れて川に飛び込むが、
同じように彼に目をつけていたミストバーンと鉢合わせしてしまい、しばしの問答の後、ビュートデストリンガーにより本体もボディも
バラバラにぶち抜かれて死亡した。
本編を知る読者目線からしてヒュンケルを追った時点で
「あっ…(察し)」となる展開ではあったが、相手が悪すぎただけでなく、何よりも
「他の低俗な魔物にはわからないでしょう。依代となる生命体なしでは生きていけない我らはぐれ武器の苦労……葛藤は!」と、相手の
逆鱗に触れる言葉を(知る由もなかったとはいえ)放ってしまう
残当ぶりを発揮したことで、より印象的な散り様となってしまった。
しかしそのような
地雷発言がなくとも、ミストバーンとしては
「最初に私の声を聞かせた時点で……お前の死はもう決めていた」ので助かる道は無かったろう。
それはそれとして、
ミストバーンを『ダイの大冒険』本編も含めた全編通して最もブチギレさせた人物という事でも話題になった。
ザボエラ相手でもここまでキレてない
このエピソード掲載後に開催された連載5周年特別企画の名シーン人気投票ではこの場面が「ミストバーンの怒り」としてノミネートされており、開催時点での最新話ながら第5位に入選した。
魔重剣のスイグン[SUIGUN THE HEAVY DARK SWORD]
ライゼよりも遥かに巨大な
大剣であり、持ち手は
水牛の仮面を被った筋骨隆々の大男。剣の鍔部分には水牛の意匠が施されている。
一人称は「吾輩」。プライドの高い性格で、何かと仕切りたがるライゼのことを嫌っている。
勝負は決したにもかかわらず醜くあがくフーガを回収するためテンペストと共に登場した。
激昂しやすくライゼに挑発され私闘に発展することもあるほか、タークスの抜け駆けに対しても激しく憤っていた。
鞘部分の装飾は鋼の眷属「
ネガロン」という(奇しくも鎧の魔剣を彷彿とさせる)
さそりのような使い魔であるらしく、分離してアバン捜索に放たれた。
それはどうかな?
私が見たところ……この場は今「武器だらけ」だぞ
ネガロンはアバンに倒されるが、彼のカールの剣を封じ、武器なしに追い込む。
しかし、ベルクスに操られている者はもう救いようがないということを確認したアバンは、スイグンの懐に飛び込み、ボディである大男の腕を交差させてグランドクルスを発動。ボディの腕を吹き飛ばされたスイグンはなすすべなくアバンに取り上げられ、武器として振るわれる羽目になってしまった。
挙句、挑発され激昂したベアーチェの奥義「
殺死熊」と正面衝突し、ダメージに耐え切れずバラバラに朽ち果てた。
本人は大技同士で激突させる事でベルクスのいずれかを破壊するというアバンの狙いを察したらしく、正面衝突しようとするベアーチェに「待ってくれ」と叫びながら屈辱と恐怖の内に
滅びる事になってしまった。
武器としては最高の使い手に使われ戦いの中で散ったのだが、もはや人間を操るための道具としか考えなくなった彼にとって自分の意思を無視して振るわれることは屈辱でしかなかったらしい。
作中では魔重剣の奥義を披露することはなかったが、ベアーチェが「僕やスイグンの技だとアバン先生の体を駄目にしちゃいそうだ」と言っているので、彼ほどではないにしても大剣らしく威力の高い技をなにか持っていたのだと思われる。
しかしベアーチェがそう発言したことと「ベルクスは触っただけでは乗っ取れない」ことをタークスやフーガとの戦いでアバンが知ったこともあり、アバンに接近されてもそうした大技を躊躇したことも敗因になった様子。
魔妖剣のテンペスト[TENPEST THE WITCHING DARK SWORD]
鞭のように自在にしなる能力を備えたレイピアで、
狼の仮面を被った女性を操っている。やはり鍔部分に狼の意匠が施されている。
胸がでかい、お尻もでかい。
口調からすると女性の人格を持っている様子。だから女性の戦士を操っているのだろうか。
アバンの肉体を奪った場合どんな振る舞いをするのか気になる
こちらも仕切りたがるライゼやタークスをよく思っていないようで度々嫌味を言う。
なお、彼女がベルクスに肉体を奪われた被害者が助かる術がない事を口走った事により、
アバンは手段を選ばずに全力でベルクスを始末する事を決めた。
大戦犯疑惑
必殺技は刃先に込めた魔力で対象に呪紋を記すことで相手を強制
封印状態に落とし込む魔妖奥義「
千年夜曲」。
かけられた相手は『
凍れる時間の秘法』と同じように意識もなくなり身動き一つとれなくなるが、あちらと違って皆既日食という条件を必要としないし解除も簡単ときてる。
大魔王様が知ったならさぞ重要視しただろう。
残ったメンバーとアバンを襲撃し、一瞬のスキを突き「千年夜曲」でアバンの封印に成功。
その後、数年に渡り動けずにいたアバンをよそに、ライゼ、ベアーチェらと「誰がアバンの身体を奪うにふさわしいか」と勝負を繰り返すが一番に脱落した。
年単位で時間が経過した事でダイ大本編を知っている読者は色々察し、アバンにとっても大戦犯となる事が確定した
しかし、ヒヒがアバンの封印を解いて逃げ出したことに真っ先に気が付き、自分の肉体にはならないと知りながらも仲間のために再び封印しようと企むも、互いの戦いへの意識の違いやヒヒがベルクス
メタとして最適な性能を持っていたことにより反撃され、アバン流弓殺法『天空射』で本体を射抜かれ、「化け物め」と怨嗟の言葉を呟き絶命した。
魔甲のベアーチェ[BEARCHE THE DARK GAUNTLET]
パンダ(ないし
クマ)の意匠が施されている
手甲鉤で、パンダの仮面を被った巨大な男性(実際には熊系の獣人)を操っている。
左右一対の武器だが、よく見ると右手側に「目」があり意思が宿るのはこちら側であろう。
また、肉体に由来するのかあるいは真空の斧のバギのような武器そのものに備わった機能なのか、
回復呪文も使用できるようで、傷ついた他のベルクスの肉体の治療も担当している。
回復能力だけでなく攻撃能力にも優れており、体格はグロイサンに次ぐサイズだが膂力は彼以上と思われ、作中では
地下深くから地面を錐揉み回転で掘り抜いて飛び出してくるなどの、
フェンブレンもかくやと思わせるような芸当を披露している。
ライゼも、彼の奥義こそがベルクスで最大の破壊力をもつ技だと認めていた(後述)。
一人称は「ぼく」で、温厚な雰囲気だが怒らせると怖いタイプ。
メンバーが仲良くできないことを快く思っていない。
そして和を乱すと判断したものには容赦なく
死体蹴りをし、ライゼからも「こいつだけは怒らせないようにしている。」と恐れられている。
必殺技は甲から爪型のオーラを発し引き裂く魔甲奥義「
殺死熊」。
……なのだが、
これでも(相対的に)まだ落ち着いている方であり、本気で激昂すると
普段の面影の感じられない粗暴な口調へと変貌。仲間の言葉も耳に入らなくなり目の前の全てを粉砕するが如く滅茶苦茶に暴れ出す。
ある種、ガンガディアに次ぐグリニデ枠。ライゼの口ぶりからして過去にも何度かブチギレていたようである。
確かに仲間意識はあるのだが、あくまで“彼なりの”の話で、「仲良くして欲しい」というのは「いいから言うことを聞け(でないと殺す)」の一方的な暴論の婉曲表現のようにも思える。
ベルクスの中でも、同族がもう増えない「孤独」への恐怖を強く感じている個体となっている。同族と仲良くしたいのは彼視点では本心だが、そこに人間への思いやりはないため、アバンにとっては決して相容れない存在。
必殺技の「
殺死熊」はアバンやライゼもベルクス最大の破壊力だと認める技で、事実、同材質の重剣であるスイグンを用いてのアバンストラッシュと正面からぶつかり合っても打ち勝てるほど。
その反面攻撃速度は今ひとつなようで、タークスを処刑した際には他のベルクスに数人がかりで抑え込ませて避けられないようにしたうえで使用しており、最後にアバンに対して使った時にはライゼと二人がかりで仕掛けてもなお回避されてしまっている。彼がベルクスの中では群を抜く破壊力を持ちながらも、総合的な実力では他のベルクスと拮抗しているとされるのはそのためだと思われる。
「
千年夜曲」から逃れたアバンを追う最中、倒されたテンペストを見つけ、ここに至り激怒の感情をぶつける。
が、当のアバンからすれば「手前勝手な都合ばかり押し付ける悪党」以外の何物でもなく、ヒュンケルを助けることができなかった怒りも相まって、本編のハドラーや
キルバーンにすら見せたことないレベルの
漆黒の殺意を向けられ、思わず怒りが引っ込むほどたじろいでしまった。
そして全滅だけは避けたいライゼと協力し、アバンにとどめを刺そうとするも、アバン流奥義『無刀陣』により攻撃をいなされ、自傷するような形で倒された。
仲間を大事にする存在でありながら、仲間意識を暴力で周囲に強要してきた彼に待っていたのは、タークスを破壊し、スイグンの破壊に利用され、最期には自分をも破壊するという、仲間殺しの武器になり下がる末路であった。
最期の最期まで「全滅だよぉ。お前のせいで……!」と他責思考な精神は、アバンからも「知ったことか」とすげなく返された。
魔鎖のタークス[TURKS THE DARK CHAIN]
レイヨウの角同士を鎖でつなげたような
フレイルで、レイヨウの仮面を被った長身の男性を操っている。小さいが持ち手部分にレイヨウの意匠が施されている。
一人称は「
僕」で、口調は穏やかで理知的。
必殺技は鎖の先端から魔力で円輪を発生させ相手を切り裂く「
凱輪」。魔力で刃を形成するという点で、光魔の杖と同質の能力である(威力上限の有無については不明)。
さすがにオリハルコンの剣さえへし折ったバーンの光魔の杖ほどとはいかないものの、地上の武具としてはかなり高性能な部類のバスタードソードや魔法の盾を簡単に削り取り、海波斬も弾き返す攻防一体の技。アバンが闘気を込めたモーニングスターさえも、激しい猛攻の末に打ち砕いた。
しかし、カールの剣を手にしたアバンには通じず、最終的にはアバンストラッシュで円輪ごと本体とボディを切り裂かれて大ダメージを負い、逃走を余儀なくされた。
自らを「ベルクスの天秤役」と称するも、その本性はゲスな無法者。
口八丁で他のメンバーを言いくるめつつ、自分自身は先んじてヒヒと共にアバンを襲撃した。
不意討ち・騙し討ち上等な戦闘スタイル、さらに敵も味方も軽んじている精神性はスイグンからは「ペテン師」と罵られ、アバンからも「おまえに比べればライゼやフーガが正統派に見えてくる」と吐き捨てられたほど。
この性格は「剣や槍に比べれば、フレイルは威力が弱い」というコンプレックスに起因している模様で、「剣なんてね、バカでも振るえる単純な武器さ。誰が振り回したってそこそこ威力が出るんだ。その点鎖はセンスがいる」と度々剣を小馬鹿にしたり、武器を取り換え続けた末に最終的にカールの剣を手にしたアバンに対しては「結局剣かい!」と明らかに苛立っていたりしていた。
アバンが様々な武器を使うのを見て「地上の武器なんかで僕と互角だと思っていること自体間違いなんだよ!」と激昂するほどプライドの高さも見て取れる。
アバン打倒に失敗した後は相棒のヒヒを見捨てて逃げ出すが同じゲスを自称するライゼ以外の全員から怒りを買い粛清されることが決まり、ベアーチェに破壊された。
彼の行動をよくよく見ると、
- 「最上の使い手」という言わばご馳走を前に我慢できなくなる
- それまである程度得ていた信頼を棒に振ってまで他のメンバーを騙して先走る
- が、相手の力量を見誤り撤退&さらに騙していたことは他メンバーにはあっさりバレた
- にもかかわらず拠点付近に逃げ込み「どうしたものか」とロクな言い訳も代替案も用意しておらず結果ほぼ満場一致で粛清される
……と詰めの甘さがうかがえる(よしんばヒヒ共々乗っ取りに成功したとしても騙した事はバレている=粛清確定で2対5と多勢に無勢。アバンの強い肉体が手に入れば5人が相手でも勝てると踏んだのかも知れないが、やはり敵味方どちらも見縊っている)。
これではライゼから「自分で思うほどの知恵者じゃなかったってことだよ」と盛大に皮肉られるのも、むべなるかな。
とはいえ、そこらに落ちてた鉄屑みたいな槍に後れを取ったフーガに比べれば、バスタードソードや魔法の盾やモーニングスターを凱輪でガンガン破損させ、アバンが彼に最適なカールの剣を手にするまでは優勢に戦えていたタークスは、まだ健闘したほうだとはいえるかもしれない。
これ以降のベルクスは徒党を組むことを躊躇わなくなったので、ヒヒの援護を
ブラフと看破された後は結果的に一対一で最もアバン相手に健闘したベルクスともいえる。
魔弓のヒヒ[HIHI THE DARK BOW]
狒々の顔や手足の意匠が施された
弓で、狒々の仮面をかぶった小柄な男性を操っている。
一人称は「ワシ」で、口調から老齢男性の人格を持つ様子。
乗っ取った肉体由来で
占術が使えるようで、これでアバンの居場所を探り当て、秘かに結託していたタークスと共に襲撃した。
なお、矢はグリップ部分に何らかの魔力で生成する仕組みがあるようで、この手の武器にありがちな「弾切れ」の心配がない(加えて矢筒といった荷物を持つ必要もない)安心・親切設計。
また、弦もないため非力な者でも簡単に引けるのかもしれない。そもそも登場時に操っていたのはすでに限界が近いとされている老齢男性、次に狙ったヒュンケルもすさまじい戦闘能力を持つとはいえ体格的には子供である。こうして見ると弓というより誰が使っても効果がある
銃に近い性質にも思える。
必殺技は複数の矢を一斉に放ち、雨のように降り注がせる「
矢降雨」。
タークスがアバンの、ヒヒがヒュンケルの肉体を奪う約束だったが、シュプレとグノータの助太刀もあり失敗、逃走を余儀なくされる。
タークスは上述の通り粛清されたが、彼と手を組んでいたヒヒも裏切り者であることに変わりないため、その後は「同罪」として使い手と離されて監禁されてしまった。
処刑こそ免れたものの肉体から離されて監禁されていたが、いよいよもって「誰がアバンの肉体を奪うにふさわしいか」が決まりそうになったことで脱出を決意。
どうにか肉体の制御を取り戻してアバンの封印を解除し、自身の境遇が耐えがたい屈辱であることも合わせて共闘を提案する。しかし断られることも予測できていたようで、信頼の証としてすでにこと切れる寸前だった肉体を自由にし、改めてアバンに従うことを表明した。
急造のコンビとは言え、ヒヒの武器としての特性が対ベルクスとして最適だったこともあり、テンペスト撃破に成功。
さらに続くライゼとベア―チェに対しては接近戦で押されるも、意を決してアバンストラッシュを放つようアバンに指示。自分が砕けることも承知で放たれたアバンストラッシュ・アローは、見事ライゼを撃退した。
「はぐれ武器の中で一番幸福だったのは案外ワシかもしれん」と自身が呟いたように、戦いの中で使い手としっかり息を合わせて散っていくという武器としての本懐を遂げた唯一のベルクスとなった。
【備考】
- ベルク一族の作成した武器には魂が宿り意思を持つ点は、ダイ大本編でもダイの剣などで描写されている。
- 武器そのものがモンスター化した存在はドラクエシリーズにも存在しており、ひとくいサーベルなどが該当する。
ただし、あちらは武器自体で動けるが。
- ダイ大本編におけるアバンとヒュンケルの別離の直後にベルクスが襲撃したため、アバンはヒュンケルの捜索ができなかった(本編でヒュンケルの捜索を諦めたように見えた場面は実際には捜索を諦めていなかった)という理由が後付けされたのだが、アニメ版では平成版・令和版共にアバンはそのような襲撃を受ける事無くヒュンケルの捜索のために川に飛び込んでいるため、アニメ版の時空ではベルクスは存在しない可能性も考えられる。
アバンとヒヒとの対戦で撃破されたと思われたライゼだが、アバンストラッシュ・アローの衝撃で本拠地外まで吹っ飛ばされてなおかろうじて生きていた。
そんな傷ついた彼の目の前に現れたのは生みの親たるベルク一族の末裔、ロン・ベルクその人だった。
彼は自分が一族の恥そのものであるベルクスの始末をしに来た(ついでに腐った魔界にも飽き飽きしてきた)ことを告げ、武器を生み出す時に振るう「ベルクの大槌」を以ってライゼに引導を渡した。
今際の際のライゼに対し、ロンはベルクスが名乗る通り名は元々最初の持ち主の名であることを明かす。
お前とライゼ…… 力が足らず相手を裏切ったのはどちらだったのかな………?
………ベルクの理想は今の乱れた世界にゃ高すぎる
オレはもう……二度と魂を込めた武器は作らんだろう……
よほど「こいつなら」と思える者が現れない限りはな
ふり返ってみれば誰に望まれるわけでもなく生まれ、空しく戦いに明け暮れ、アバンにちょっかいを出さなくともいずれは造物主一族の手で滅ぼされる運命にあった
哀しき悪役と言える存在だったのかもしれない。
ダイ大本編において、ロン・ベルクは「かつて人と武器は一つであり互いに成長していったが、今では “どっち” もクズ」とボヤいていた。
この言葉はベルクスの存在故でもあったのだろう。
しかしそんな厄介な連中に巻き込まれたアバンが3年間も封印されていた代償はヒュンケルだけでなく、
あまりにも大きく……。
味わわせてやろうじゃないか アニヲタの連中に
血塗られた魔界最強の追記・修正の力を!
最終更新:2026年08月01日 15:35