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*アコンカグア
【あこんかぐあ】
|ジャンル|戦慄のサバイバルアドベンチャー|&amazon(B00005OVUB)|
|対応機種|プレイステーション|~|
|発売元|ソニー・コンピュータエンタテインメント|~|
|開発元|WACWAC!|~|
|発売日|2000年6月1日|~|
|定価|5,800円|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|手袋で登る&br()スペイン語で話す&br()''ナイフで殺る''|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
アンデス山脈に実在する雪山「アコンカグア」を舞台としたアドベンチャーゲーム。~
アルゼンチンでのゲーム市場拡大を狙って開発され、北米での発売も予定されたが結局日本国内のみでの発売に終わった。
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**ストーリー
独裁軍事政府と民衆が争う、南米の小国。その民衆側の女性リーダーは、外国の演説から飛行機で故国へ帰る途中だった。~
しかし機は突然空中爆発を起こし、雪に覆われたアコンカグア山に墜落してしまう。
生き残ったリーダーと日本人記者は、他の生存者達と力を合わせ、下山を決意する。~
しかし山にはリーダー殺害を狙う政府軍が送り込まれていた…。
----
**特徴
-物語はディスク2枚からなる前後編もの。
--セリフはフルボイスだが英語とスペイン語によるもので、日本語は字幕でのみ表示される。日本人同士の会話も英語ボイスで行われているのはご愛嬌。
-生存者である5人のキャラクターを操作し、下山を目指す。マップはフルポリゴンによる3D。
--プレイヤーに行えるのは操作するキャラクターの切り替えと、カーソルの操作。キャラクターはカーソルで目的の地点をクリックするとそこへ走っていく。方向キーでキャラを直接移動させられるわけではない。
---一言で言えば『[[クロックタワー]]』式である。
-ゲームは複数のパートからなっており、順に攻略していく。
--5人にはそれぞれ特技と個人アイテムが設定されており、一定の手順を踏むことでパートをクリアできる。セーブはパートを1つクリアするたびに行える。
--どのパートもクリア方法は1通りのみ。分岐も存在しない。
-5人にはHPが設定されており、1人でも0になればゲームオーバーになる。
--HPは特定の場所で手に入る回復薬を取れば、その場で全回復できる。ただし薬1つに付き1人しか回復できず、薬の数自体も少ない。
--ダメージを受ける機会自体は少ないが、絶対にダメージを受けないとクリアできないパートも存在するため、ノーダメージクリアは不可能となっている。
--この他、時間制限以内にクリアしないとゲームオーバーとなるパートと、手順を間違えた途端ゲームオーバーになるパートが一部存在する。
----
**評価点
-グラフィックはなかなかなもの。
--ストーリーの半分以上の舞台となる雪山の描写が、いい味を出している。全体的な雰囲気も悪くない。
--デモもポリゴンを上手く使い、丸みのある飛行機やヘリコプターをよく描写している。
-声はネイティブが採用されている。
--元々南米向けに作られていたとはいえ、ネイティブのスペイン語が聞けるゲームはそうないだろう。
**問題点
-操作性が悪い。一度に1人ずつしか動かせない上、カーソルの判定がシビアで、奥行きに向かわせようとする時などに思いのままに移動してくれない事がある。
--またクリアに必要なアイテムを「取れる人間」と「使える人間」が別である事も多く、長い距離を歩いてアイテムを取り、それをまた長々と歩いて渡して…というお使いが発生しやすい。
---他の仲間を自分の場所に呼び寄せる機能は存在しないので、何かするたびにいちいちキャラを切り替えなければならない。
--エリア全体を俯瞰する機能は存在せず、その上頻繁に視点が切り替わるため、どこに何があるかという把握が難しい。
-シナリオが突っ込みどころだらけ。
--何度も敵の兵士に襲われているというのに、''殺した敵から銃の1つも奪わず、常に素手とナイフ1本だけでどうにかしようとする一行''。
---どうやら開発スタッフは「ろくな武器も道具も無いのにどうやって敵を倒すか」というシチュエーションの意外性ばかりに拘ったらしく、都合よく落ちていた物や、敵が落としていった一見武器にならなそうな物を利用するシーンばかり出てくる。
//--初期は敵を殺す事を躊躇っていた主人公達だが、ラスト近くでは殺し慣れしたのか、''大勢を爆薬で吹っ飛ばして「ははは、やったぜ!」と大はしゃぎする''。
//ためらった直後とかならツッコミどころだけど、初期とラストじゃ別にツッコミどころじゃないだろう。
--物語中、5人の中に敵のスパイがいるのではないかという疑惑が持ち上がるが、疑われたキャラが身分を明かすと''証拠もないのにあっさり信じる一同''。
---''最初に敵に襲撃されたシーンでいなかった人物が1人存在するのだが、なぜか誰一人疑おうとしない''。
-エンディングも日本人記者の一言が流れるだけで、後日談も何も無くあっさりと終わってしまう。
//問題とは思うが、ツッコミどころじゃないだろう
----
**総評
グラフィックもBGMも特に酷いわけではないのだが、かといってこれといった特徴も見当たらない。~
海外で発売されなかった理由は明言されていないが、仮に発売されたとしても人気を呼ぶのは難しかったであろうことは想像に難くない。
雪山を舞台としたサスペンスフルな舞台設定のサバイバルアドベンチャーという着眼点そのものは悪くなく海外市場を狙おうという意気込みもうかがえたものの、結局、意気込みを作りこみに結実させるだけの開発力が不足していたと言わざるを得ない出来栄えであった。
*アコンカグア
【あこんかぐあ】
|ジャンル|戦慄のサバイバルアドベンチャー|&amazon(B00005OVUB)|
|対応機種|プレイステーション|~|
|発売元|ソニー・コンピュータエンタテインメント|~|
|開発元|WACWAC!|~|
|発売日|2000年6月1日|~|
|定価|5,800円|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|手袋で登る&br()スペイン語で話す&br()''ナイフで殺る''|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
アンデス山脈に実在する雪山「アコンカグア」を舞台としたアドベンチャーゲーム。~
アルゼンチンでのゲーム市場拡大を狙って開発され、北米での発売も予定されたが結局日本国内のみでの発売に終わった。
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**ストーリー
独裁軍事政府と民衆が争う、南米の小国。その民衆側の女性リーダーは、外国の演説から飛行機で故国へ帰る途中だった。~
しかし機は突然空中爆発を起こし、雪に覆われたアコンカグア山に墜落してしまう。
生き残ったリーダーと日本人記者は、他の生存者達と力を合わせ、下山を決意する。~
しかし山にはリーダー殺害を狙う政府軍が送り込まれていた…。
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**特徴
-物語はディスク2枚からなる前後編もの。
--セリフはフルボイスだが英語とスペイン語によるもので、日本語は字幕でのみ表示される。日本人同士の会話も英語ボイスで行われているのはご愛嬌。
-生存者である5人のキャラクターを操作し、下山を目指す。マップはフルポリゴンによる3D。
--プレイヤーに行えるのは操作するキャラクターの切り替えと、カーソルの操作。キャラクターはカーソルで目的の地点をクリックするとそこへ走っていく。方向キーでキャラを直接移動させられるわけではない。
---一言で言えば『[[クロックタワー]]』式である。
-ゲームは複数のパートからなっており、順に攻略していく。
--5人にはそれぞれ特技と個人アイテムが設定されており、一定の手順を踏むことでパートをクリアできる。セーブはパートを1つクリアするたびに行える。
--どのパートもクリア方法は1通りのみ。分岐も存在しない。
-5人にはHPが設定されており、1人でも0になればゲームオーバーになる。
--HPは特定の場所で手に入る回復薬を取れば、その場で全回復できる。ただし薬1つに付き1人しか回復できず、薬の数自体も少ない。
--ダメージを受ける機会自体は少ないが、絶対にダメージを受けないとクリアできないパートも存在するため、ノーダメージクリアは不可能となっている。
--この他、時間制限以内にクリアしないとゲームオーバーとなるパートと、手順を間違えた途端ゲームオーバーになるパートが一部存在する。
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**評価点
-グラフィックはなかなかなもの。
--ストーリーの半分以上の舞台となる雪山の描写が、いい味を出している。全体的な雰囲気も悪くない。
--デモもポリゴンを上手く使い、丸みのある飛行機やヘリコプターをよく描写している。
-声はネイティブが採用されている。
--元々南米向けに作られていたとはいえ、ネイティブのスペイン語が聞けるゲームはそうないだろう。
**問題点
-操作性が悪い。一度に1人ずつしか動かせない上、カーソルの判定がシビアで、奥行きに向かわせようとする時などに思いのままに移動してくれない事がある。
--またクリアに必要なアイテムを「取れる人間」と「使える人間」が別である事も多く、長い距離を歩いてアイテムを取り、それをまた長々と歩いて渡して…というお使いが発生しやすい。
---他の仲間を自分の場所に呼び寄せる機能は存在しないので、何かするたびにいちいちキャラを切り替えなければならない。
--エリア全体を俯瞰する機能は存在せず、その上頻繁に視点が切り替わるため、どこに何があるかという把握が難しい。
-シナリオが突っ込みどころだらけ。
--何度も敵の兵士に襲われているというのに、''殺した敵から銃の1つも奪わず、常に素手とナイフ1本だけでどうにかしようとする一行''。
---どうやら開発スタッフは「ろくな武器も道具も無いのにどうやって敵を倒すか」というシチュエーションの意外性ばかりに拘ったらしく、都合よく落ちていた物や、敵が落としていった一見武器にならなそうな物を利用するシーンばかり出てくる。
//--初期は敵を殺す事を躊躇っていた主人公達だが、ラスト近くでは殺し慣れしたのか、''大勢を爆薬で吹っ飛ばして「ははは、やったぜ!」と大はしゃぎする''。
//ためらった直後とかならツッコミどころだけど、初期とラストじゃ別にツッコミどころじゃないだろう。
--物語中、5人の中に敵のスパイがいるのではないかという疑惑が持ち上がるが、疑われたキャラが身分を明かすと''証拠もないのにあっさり信じる一同''。
---''最初に敵に襲撃されたシーンでいなかった人物が1人存在するのだが、なぜか誰一人疑おうとしない''。
-エンディングも日本人記者の一言が流れるだけで、後日談も何も無くあっさりと終わってしまう。
//問題とは思うが、ツッコミどころじゃないだろう
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**総評
グラフィックもBGMも特に酷いわけではないのだが、かといってこれといった特徴も見当たらない。~
海外で発売されなかった理由は明言されていないが、仮に発売されたとしても人気を呼ぶのは難しかったであろうことは想像に難くない。
雪山を舞台としたサスペンスフルな舞台設定のサバイバルアドベンチャーという着眼点そのものは悪くなく、海外市場を狙おうという意気込みもうかがえたものの、結局、意気込みを作りこみに結実させるだけの開発力が不足していたと言わざるを得ない出来栄えであった。