360版に「修正依頼」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。依頼内容は「パッチによる改善点はどこかについての追記」です。
この項では360用ソフト『ジャンライン』と、移植版であるPS3用ソフト『ジャンライン R』を取り扱います。
ジャンライン
【じゃんらいん】
ジャンル
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麻雀ゲーム
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対応機種
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Xbox 360
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メディア
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DVD-ROM
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発売・開発元
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レコム
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発売日
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2008年9月25日
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定価
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3,990円(税込)
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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クソゲー
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ポイント
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2008年クソゲーオブザイヤー据え置き機部門次点
麻雀ゲームとして破綻している 「亜空カン」などバグのオンパレード パッチを当てたらバグが増加 あらゆる意味でクソゲーの新境地を開いた
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クソゲーオブザイヤー関連作品一覧
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概要
アーケード・携帯アプリの開発が主だったレコムが、コンシューマ進出の足掛かりを作らんとして企画した作品。
当時の360では『通信麻雀対戦 闘龍門』(通称:マチャアキ)の一本しか麻雀ゲームが無い状況で、価格も手頃なものに設定するなど戦略面では頷けるものがある。
(以下、専門用語を多く使っているので麻雀サイトを参照することを推奨します。とりあえずオススメはこちら)
発売時点での問題点
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発売当時から「麻雀の形を成していない」との声が多数上がる。
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発売日に早くも公式サイトで謝罪する始末。見切り発車で発売したことがバレバレである。
麻雀の基本部分の不具合
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チーで鳴いた際の牌選択が上手くできない。意図しない鳴きをすることもしばしば…。
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対子・刻子の中に赤ドラが混じっていると、それらを崩す際に赤ドラしか選択できなくなる。
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CPUがありえないぐらい弱い。オープン立直に振り込んだり、風牌の刻子を速攻で捨てたりする。
オンライン対戦での不具合
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対戦部屋を作成したユーザーが必ず東1局の親になる。
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ランクマッチで切断したユーザーが現れると強制終了。ペナルティも無いため、負けそうになると落ちる輩が多発する羽目に。
ダウンロードコンテンツ
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「社員の声を充てているのでは」と揶揄される程の酷いボイスデータ。
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しかも、ボイスデータをDLしてもオンラインで反映されない事がある(ホストによる)。
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ネタキャラにしか見えない恐竜らしきキャラクターアイコン(通称「ジャッシー」)も2chで話題に。もちろんこれも有料。
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無料部分が極端に少なく、有料部分についてもクオリティが低く購入者はほとんどいない。同じ顔データがズラリと並ぶ対戦となることなんざザラ。
番外・ローカルルールへの対応
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符計算は切り上げ(例:24符 → 30符)も切り捨てもしないので、端数入りの符がそのまま表示される。
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点数自体は切り上げされた符で計算されている。端数をそのまま表示している麻雀ゲームも少なからず存在するため、好みの問題ともいえる。
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「九種九牌」「四風連打」が流局にならない。この2つは採用される事が多いローカルルールのため、戸惑うプレイヤーもいたようだ。
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「四人立直」も非採用だが、これに関しては『麻雀格闘倶楽部』シリーズ(コナミ)や『MJ』シリーズ(セガ)でも採用されておらず、コンピュータ麻雀ゲームではローカルルールとしての性質が強い。
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配牌を始めるためのサイコロが存在しない。
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これもコンピュータ麻雀ゲームではそれほど珍しくなく、前述の『MJ』シリーズでは親決め・配牌ともにサイコロを使わない。
パッチリリース後の問題点
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公式サイトで謝罪するとともに、即パッチを充てる事を宣言したレコム。修正パッチが12月にリリースされ、パッチによる修正で改善されると思われたが…。
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直後にフリーズ頻発が報告されるなど、パッチを充てたことにより逆に問題点が増加。パッチ=改善という概念が見事に覆された。
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フリーズ頻度激増、ゲームスピードの低下、カーソルを動かし続けることでCPUが鳴きをしなくなるなど、負荷が大きくなることによる不具合の発生。
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にもかかわらず、切断ペナルティを実装。対局すらままならなくなる。
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接続切断してメインメニューに戻る画面では、「メインメニューに戻ります」との問いに現れる選択肢に「はい」だけが3つ並ぶ。
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捨牌とツモの表示タイミングがおかしくなり、先ヅモをしているかのような描写に。実物の卓での先ヅモは、揉めことの元になる行為である。
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上記と関連するかどうかは知らないが、あがった途端に別の人があがったことになってしまう。
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アーケードの脱衣麻雀を髣髴とさせるような、「この手で上がって下さい」的な配牌が現れる。
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自分の牌の1つが時々斜めに傾くことがある。
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同じ部屋で連戦すると、牌を飛び飛びにしか選択できなくなる。もはやまともに牌を捨てることすら困難である。
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以前の不具合は直っている部分と直っていない部分がある。無理に年内に間に合わせようとした感が窺える。
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なお、360のゲームは全て起動と同時にパッチが否応なしに反映されるようになっているため、この改悪パッチは回避不可能である。
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当然ユーザーの怒りの声は収まる筈も無く、公式ブログ&掲示板を閉鎖、電話応対もままならず、メールにも自動返信で対応するなど逃げを打つ。
亜空カン
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麻雀の態を成さない様々なバグが話題になったが、中でも特筆すべきものは「亜空カン」とまで揶揄されたカン関連のバグである。
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バグ画像で盛り上がったのがパッチリリース後なため、「パッチによってこれらのバグが現れた」と思われがちだが、カンした牌に違う牌が混ざるバグはパッチ以前から起こっていた。
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同一の牌が4枚揃いカンをすると、槓子に違う牌が混じって晒される(例:白をカンしたら一萬と三萬が1枚ずつ混じって晒され、余った白2枚は手牌に残ってしまう)。
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加槓で違う牌を加える、チーした牌に加槓するなどという訳の判らない事態も。
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カンしたのに3枚しか晒されず多牌になってしまう。
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明カンの場合、下家の牌を奪ってしまい、下家が少牌になってしまうことも。
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メカニズムとしては、明カンした際に自分の牌を選ぶ操作があるのだが、これで選んだ牌+右2つの牌を使ってカンするという処理になっているため、真ん中か右の牌を選ぶと関係のない牌でカンすることになる。
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このときに巻き込まれた関係の無い牌が上記した「槓子に違う牌が混じって晒される」現象となり、選択対象の牌が無い場合は「カンしたのに3枚しか晒されず多牌」現象になる。
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四開槓でも流局しないどころか5回目のカンも出来てしまう。
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四開槓でも流局しないルールもあるのでそれ自体はいいのだが、5回目の槓はできないのが普通。
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真ん中のドラ表示牌の部分にはリンシャン牌が表示されていない。一体何が起こっているのだろうか?
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こうしたバグが起これば上がれなくなるとされてきたが、多牌にならなければアガれてしまうことが判明し驚愕の声を上げさせた。
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実際の麻雀では多牌は発覚時点でチョンボ(アガリ放棄で続行するルールもある)、少牌は原則チョンボを取らずにそのまま続行(もちろんアガることは不可能)である。
+
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AA
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―┼―┐ ― / / . | / / ∨ __/ /レ'゚`Y´ ゚ヽ- 、 / (.`ヽ(`> 、 / ̄ ̄`ヾー'^ ー′ V / `'<`ゝr'フ\ . + | \ //| + ⊂コ二Lフ^´ ノ, /⌒) | 〈 二) ⊂l二L7_ / -ゝ-')´ + \ V | + \_ 、__,.イ\ + Y⌒ー⌒ー'⌒) /^ヽ| + (T__ノ Tヽ _,i⌒⌒⌒⌒∪´ /^ ‐く_) ヽ¬. / ノ`ー-、ヘ<ー1´(^Y⌒Y⌒Y⌒Y^ー―く \l__,./ i l.ヽ! ヽ/^ー‐^ー‐^ー‐ヘ ┌──┐ ┌─┬─┬─┬─┐ へ..┌─┬─┬─┬─┬─┐┌─┬─┤一萬│ │◎│◎│◎│ |/ .ヽ|..二│七│八│九│九││三│ ├──┤ │◎│◎│◎│ / /|..萬│萬│萬│萬│萬││萬│ │ │
ちなみに、このAAで描かれているのが先述した「ジャッシー」である。
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実際の亜空カンの様子
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亜空カン以前に気付くこととして、まるで前の人が牌を切る前にツモっているかのように見えるだろう。タイミングよく一時停止すればより明らかに先ヅモしていることがわかる。
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CPUがポンしたときでも、牌を切る前に「ポン」と言っているように見える。
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そして肝心の亜空カン。自分が多牌になった他、下家が少牌になったことに気付いただろうか?
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評価点
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2対2で戦う「通信オープンデュオ対局」という画期的な対局モードが用意されている。
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ただし、前述するバグのせいでまともに対局することはできない。
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パッケージ画像はかっこいい。パッケージ詐欺とも言えるが。
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実績はやや難度の高いものもあれど常識的な範囲。
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『闘龍門』との比較として言及される評価点として、「役満は1回でOK」「あがったことがある役を覚えておかなくてもいい」といった点があげられる。
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というよりは、『闘龍門』の「通常あがり役29種類」が鬼畜実績として認識されている関係上、そこまで尖った実績がない本作は実績面ではマシと評されているようなもの。
総評
修正パッチでただでさえクソな内容をさらに悪化させるという、前代未聞の改悪を食らったゲーム。
しかもその改悪度合いは10年に一度レベルという、ファミコン時代でもめったに現れないレベルのクソゲーである。
このような粗悪なクソゲーが、前年から立て続けかつ2本も同年に現れた2008年は呪われていたのかもしれない。
補足
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賭博と直結してきた歴史もあって、麻雀には統一ルールのようなものが存在しない。そのため、問題点の一部には注釈にある通りローカルルールの範疇と捉えられるものもある。
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持ち点が尽きたら終了か借りて続行できるか、半荘を終えるまでに一度もアガれなかったらペナルティを課すか、本文にもある「九種九牌」や「四風連打」での流局を認めるかなど、細かなルールは非常に多岐にわたる。プロ団体ですら、団体ごとにルールの細目は異なる。
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細かいルール設定が行える麻雀ゲームも珍しくないが、本作はオンライン向けであることを考慮すれば、固定ルールであることもある程度は仕方がないと考えられる。
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蛇足ながら、客同士のトラブルがあれば営業に関わる雀荘では、採用する細かいルールを「ハウスルール」などとして明示している店も多い。
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リアルでの打ち手にとっては、初見の雀荘で打つ際のルール確認は揉めごとを避けるためのマナーでもある。
余談
ジャンライン R
【じゃんらいん あーる】
ジャンル
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麻雀ゲーム
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対応機種
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プレイステーション3
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メディア
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Blu-ray Disc
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発売・開発元
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レコム
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発売日
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2009年8月6日
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価格
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3,990円(税込)
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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なし
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ポイント
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不安と裏腹に360版から大幅改善 それでも細かな不具合あり 出来は普通だが内容は誰得ゲー
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概要(R)
ジャンラインのPS3移植版。ジャンラインのブランドを引き継いだ作品が発表されたことには、ユーザーからの多くの驚嘆と戸惑いと「またやらかすのではないか」という声が上がった。
改善点・評価点(R)
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バグの大半がなくなり、普通に対局できるようになった。
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これによりようやく画期的な対局モードであるオープンデュオ対局を楽しめるようになった。
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パッチは懸念された不具合などはほとんどなく、便利になる修正が多かった。
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アバターを作れる。有料だがパーツも豊富。ボイチャやカメラも使用できる。
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対局中いつでも相手のアバター、カメラ、チャット等をオンオフすることもできる。
問題点(R)
総評(R)
不安とは裏腹に前作の致命的な部分が改善され、遊べなくはない麻雀としての評価に留まっている。
余談(R)
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初週売上は300本。前作の悪判のせいか、それ以前に入荷しない店が多かった。Amazonでも発売日に商品イメージが用意されず、カスタマーが暫定的にパッケージ画像を載せるような事態になっていた。
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現在ではちゃんとイメージが公開されている(暫定として公開されていたカスタマーイメージも削除されている)。
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売上本数に影響があったかは定かでないが、本作発売の約1週間前に、ダウンロード販売で500円の『THE 麻雀 ~通信対局機能付~』(開発は本作と同じレコム)が配信されていた。
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内容はジャンライン程ではないが、問題点があり微妙。
最終更新:2024年04月28日 16:00