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*PRINCE of PERSIA 【ぷりんす おぶ ぺるしゃ】 |ジャンル|アクション|CENTER:&amazon(B000068I5I)|&amazon(B000148I9K)|&amazon(B0000ZPPJQ)|&amazon(B000069UBH)| //&image(http://images-jp.amazon.com/images/P/B001GNBW5W.09.LZZZZZZZ.jpg,width=150)|~|~|~|~| //旧作とはシステム面も含め内容が違うので、上記は基本的に別ゲーム。 |対応機種|AppleII、Macintosh、IBM-PC、AMIGA、Atari ST、&br()PC-9801VM/UV以降、X68000、&br()NES、マスターシステム、&br()スーパーファミコン、メガCD、PCエンジン、&br()ゲームボーイ、ゲームギア、ゲームボーイカラー、Xbox360|~|~|~|~| |発売・開発元|Brφderbund|~|~|~|~| |日本版発売元((尚、開発元はPC98/SFC:アルシスソフトウェア。X68k:システムソフト。MCD:ビッツ・ラボラトリー/ゲームアーツ。GB:Virgin Games(日本語ローカライズ済))|【PC98/X68k】ブローダーバンドジャパン&br【SFC/GB】メサイヤ(日本コンピュータシステム)&br【PCE】リバーヒルソフト&br【MCD】ビクター音楽産業|~|~|~|~| |発売日|【AppleII】1989年10月3日&br;【PC98】1990年7月20日|~|~|~|~| |定価|【PC98】8,800円|~|~|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|~|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[カラテカ]]』の作者であるジョーダン・メックナー氏が次に製作したアクションゲーム。~ 発売当時は同作同様に非常に滑らかな動きをすることが話題となり、ミリオンヒットを達成した人気作となった。 **ストーリー >ペルシャ国王サルタンは国を離れて戦地へと赴き、その間、国政は腹心のジャファーに任された。~ しかし彼は邪な心を持っており反乱を起こす。~ まんまと権力を手に入れたジャファーは正統なペルシャ国王になるために、サルタンの姫との婚姻を画策する。~ その頃、旅の途中でペルシャに訪れた若者がいた。彼は姫と知り合い、やがて恋仲となる。~ しかしそれはジャファーにとっては障害以外の何物でもなかった。 若者を地下牢へ投獄し、姫を王宮の最上階に幽閉して婚姻を迫るジャファー。~ だが姫は頑として受け入れなかった。~ 業を煮やしたジャファーは、砂時計を姫の前に置き、最後の一粒が流れ落ちるまでの間に結婚か死かの二者択一を迫る。 > >一方、若者は見張りの隙を突いて牢から脱出。囚われの姫を救い出すため走り出したのだった。 **特徴とシステム -サイドビューのアクションゲーム。様々なトラップが施された迷宮(全13面)((海外PC版では実質12ステージ))を突破し、囚われの姫を救出に行く。 --動きは多彩で、走ったりジャンプしたりはもちろん、よじ登ったりぶら下がったりなどもできる。これらの動きを組み合わせて進んでいく。 --迷宮には石の板が敷かれていて、これが動きの単位となっている。走ると一歩で二枚分進む。トゲだらけの床を進むことが出来る忍び足で一枚分。助走しないジャンプで二枚分飛べ、助走すると三枚分飛べるなど。~ この動きの単位はトラップを突破するタイミング取りの基準となる。助走をつけて落とし穴の二枚前でジャンプで三枚分飛び、そのまま一歩走って二枚分進み、ジャンプして三枚分飛ぶ、というような感じでタイミングを取っていくのだ。この練りこまれた動作が、一種のアクションパズル要素を生み出している。 --ただし、動きが必ず板の長さの単位に収まる訳ではなく、微妙なズレが出る事もある。調整をしないでいい加減に動くと死に繋がることもしばしば。 -よくある残機制ではなく''「制限時間制」''を取っている。制限時間がなくなった時点でゲームオーバーになる((一部バージョンではタイムオーバー後も迷宮を探索できる。もちろん最終ステージはボスが出現せずクリアできない))。 --制限時間内ならいくら死んでも構わないが、タイムリミットが訪れる前に全てのステージをクリアしなくてはならない(バージョンによっては途中セーブが可能)。 --死んだ場合は攻略中のステージの最初からに戻されるが、それまでに経過した時間は巻き戻らないため大幅なタイムロスになる。そのためじっくりと迷宮を探索している余裕はない。マップ構成と攻略法をある程度頭に入れた上で、スムーズに進んでいかないとまず間に合わない。 --また、本作の主人公は体力制(初期値3ポイント)であり最大値を上昇させる手段もあるが、「戦闘による負傷」以外もダメージ条件が設定されており、行動に制限がある。リアルな人間として考えると相当な身体能力を持つキャラクターだが、決してスーパーマンではない。 ---例えば、通常の状態では二段下に落ちただけで1ダメージを受けてしまい、''三段目以上の高さから落ちると即死''してしまう。壁にぶらさがりながら慎重に降りることで、もう一段分安全に降りることができるようになる。その仕様上、原則として四段以上の高さから無事に降りる手段は無い。((機種によってはステージ進行の演出上「明らかに四段以上の高さを落ちている」はずなのに助かっているシーンはある。また、機種によっては「一定時間、何段の高さから落ちても落下速度が緩やかになりノーダメージとなる薬」が配置されているステージがあり、その効果については例外。))~ 機種によってはたった一段下への扱いについても制限があり、「壁にダッシュジャンプしてぶつかり一段下の床に落ちる」「一段下の床に掴まろうとしてジャンプし壁にヒザを強打する」といった事象でも1ダメージとなってしまう。ある意味リアル。~ また、武器を持った相手との剣劇による戦闘場面もあるが「剣を抜いていない状態で敵の攻撃を受ける」と、どんなに体力があっても一撃で殺されてしまう。この点は原作者であるジョーダン・メックナー氏の過去作『[[カラテカ]]』の基本システム(構えを取らずに攻撃を受けると即死)をそのまま引き継いでいる。 -アクションパズル要素が色濃く、マップの随所に仕掛けられたトラップを突破する事に主眼が置かれている。 --トラップは深く空いた穴、仕掛けによって開閉する格子、乗ると落ちる板、床から飛び出す槍、ギロチンなどがある。一つ一つのトラップは単純なものだが、それが複数組み合わさる事で、単純に回避するだけでなく攻略に工夫を必要とするギミックとなってる。~ そしてほとんどのトラップはいくら体力があろうとも引っかかれば一発死。このため、慣れるまで非常によく死ぬ。 --上述の通り、数は少ないが、敵キャラとの戦闘もある。刀による剣劇(攻撃と防御が可能)で相手の体力をゼロにすれば勝ちとなる。だが、ボスキャラクター以外は必ずしも倒す必要はなく、攻略優先でなんとか逃げるという選択もある。もっとも、簡単に逃げさせてくれるわけではないが。 **評価点 -''ぬるぬる動くアクションゲーム'' --一歩キャラが動けばその特徴はすぐ分かる。当時の他のアクションゲームと比較すると、動きの滑らかさが段違いであり、とてもリアルな動きを見せてくれる。主人公の勢い良く走る姿や着地した時のしゃがみポーズ、よじ登る時の力の入れ加減など、まさに生きているかのよう。発売当時は&bold(){余りに滑らかで気持ち悪い}とまで言われたほど。 --これは、実際のモデルとなる人物の動きを写真で撮影し、それをトレースして作画に活かす「ロトスコープ」という手法によるもの。 ---この手法は古くはディズニーが初の長編アニメ作品『白雪姫』を制作する上で、キャラクターの動きに写実的なリアリティを取り入れドラマ性を高めるために初めて用いた手法としても知られている。 --最初に発売されたAppleII版は280×192というファミコン並みの解像度だが、にもかかわらずこの生きているような動きが見事に表現されているのだ。 -数々のトラップを攻略する楽しさ。 --前述の通り、動きの単位がある程度決まっているのでパズル的に突破できる。どこで助走して、どのタイミングで飛んで…などなど。トラップに対しカチッとはまるような攻略法を見出していく楽しさがある。 --コース突破の要領が分かれば、ゲーム本来の目的であるタイムアタックに必然的に挑戦することになる。これがまた緊張感があって変わった楽しみができる。アイテム取得や戦闘すらタイム短縮の対象とし、ひたすらに速さを追い求めていくプレイは難しいが、バッチリ決まった時の快感は大きい。 -やけにリアルな惨殺描写。 --本作の描写のもう一つの特徴。トラップに引っかかった時の様子が妙にリアル。ギロチンに真っ二つにされた体、槍に串刺しになった有様、高所からの墜落死…。~ どれもみな「痛そう」では済まない死に様が、リアリティを重視したゲーム展開に花を添える。 **問題点 -操作性が少々やっかい。 --「ボタンを押した瞬間にプレイヤーの命令通りに行動する」というようなものではなく、主人公の歩幅やジャンプに必要な助走距離、踏み切りのタイミングなど様々な要素を前もって把握することを前提とした、良くも悪くもリアル志向な操作性になっている。この手のアクションゲームとしては類例がごく限られており、まともに動かせるようになるまで相応の練習が必要となる。 ---総じてトライ&エラーを経てプレイヤー自身の腕前の熟達が求められる玄人向けのゲームであり、ライト層やアクションゲーム初心者には難しい。 -プラットフォームの変遷に伴ってトラップやギミックの種類こそ増加しているが、基本的にトラップは一撃死であり、回避手段も変わり映えがしない。やや単調さを感じる部分もある。 -一部機種では、一定の状況になった際に激しい処理落ちが発生する。複数のトラップが同時に機能するような場所は仕方ないと思えるが、流石に''単純に戦闘するだけで処理落ち''((戦闘時の意図的な低速演出の事ではない。))はあんまりである。 //PCE版のこと。高スペックのSFCも、STAGE13のギロチン+コンベアー+戦闘では流石に処理落ちするとは言え…… -主人公とほぼ同じ姿をした特殊なボス「シャドーマン」(一部機種には登場しない)を撃破する方法が、ゲーム中ではノーヒントである点。 --「シャドーマンにダメージを与えると主人公もダメージを受ける」(逆も同様)という厄介極まりない特性を持っており、その特性に対する解法はゲーム中ではヒントが一切無い。だからといって「マニュアルプロテクトのように取扱説明書には攻略法が記載されている」のかというとそうでもなく、''機種によっては取扱説明書でも断片的なヒントしか記載が無い''ので、取扱説明書がプレイヤーの手元にあったとしても解法が分かる保証は無い。 ---当時の洋ゲーらしい点ではある。 ---解法自体は不自然なものではなく、推理によって導き出せる類いである。 **総評 一目で分かるその滑らかでリアルな動き。さらに仕掛けの謎解きから行動の最適化まで、パズル要素の濃いゲーム性。それらを備えた本作はこれまでに無いゲームだった。~ 実際の人間のモーションをトレスしたその動きはまさに生きているかのよう。そして巧みなトラップはそのリアルな動きを十分際立たせる。~ ゲームとしても様々なトラップを潜り抜ける楽しさがあり、タイムアタックに挑戦する楽しみもある。操作性を熟知した上でトライアンドエラーを繰り返して覚えるタイプの高難度のゲームではあるが、そうした作風にやりがいを覚えられるプレイヤーであれば楽しめるだろう。 AppleIIにて発売された本作は、やがて様々な機種へと移植され、続編も作られる事となる。 **その後の展開 -人気作であったため、必然的に日本移植版も製作されていった。日本版では13ステージにラスボスが追加され、海外版のラスボスは中ボス扱いとなった。 --PC98版は開発元のアルシスソフトウェアがAppleII版の2倍の解像度を最大限に生かしたグラフィックを表現し、開発者のジョーダン・メックナーが絶賛したことで知られている。 --日本におけるコンシューマー機ではSFC、MCD、PCE、GB(海外のVirgin Games開発)でも移植版が発売されている。SFC版は基本システムを踏襲しながらも、内容は大幅アレンジが施されているため後述。 ---PCE版やMCD版はステージ数はPC98版と同じであり、ドット絵の雰囲気もPC98版に近いものになっている。こちらはCD-ROMの容量を生かしたビジュアルシーンやアニメーションデモを追加している。なお、開発元は公式にはビッツラボラトリー(タイトル画面に表示)だが、実質的にはゲームアーツとビッツラボラトリーとの共同開発である。 -SFC版『プリンス・オブ・ペルシャ』 --1992年発売。開発はPC98版を手掛け、原作者から称賛されたことのあるアルシスソフトウェア。 --ストーリーと基本システムは原作から踏襲されているが、元の雰囲気を残しながらも''「制限時間が原作の2倍でステージ数が20に大幅増加」''という構成の強化を施された、パラレルワールドのようなアレンジ版となっている。原作やPC98版に無かった要素が、自然な範囲で多く追加されている点が特徴。 ---主人公の「しゃがみ歩き」の操作の追加、背景バリエーションの大幅な追加、代表的な罠であるギロチンのグラフィック違いのバリエーションの追加、完全に新規の罠やアイテムの追加、シリーズ初となる女性のボスや遠距離攻撃を持つボスの追加、敵味方の体力の上限値の大幅引き上げ(PC98版は「10」が最大、SFC版は「15」が最大)など。 ---また、本編とは別に全5ステージで制限時間無制限の「トレーニングモード」が追加されており、高難度とされやすい本作の基礎を順を追って無理なく学ぶことができる。 ---ちなみにSFC版は''制限時間が切れても最終面クリア時までゲームオーバーにならずにプレイ続行可能''((SFC版はタイムオーバーした状態だと、ステージ間のデモから姫がいなくなっている。そして最終面でラスボスが出現せず、最終面クリア時点でゲームオーバーとなる。要するに、バッドエンド。))な仕様となっている。原作の2倍の制限時間を設けられるほどの長丁場のゲームなので、''最初はバッドエンドを覚悟の上でプレイし「2回目以降のプレイ」でエンディングを目指す''というプレイスタイルが推奨される。 --シリーズの中では異色作と言える内容だが、SFCソフトであることや『ゲームセンターCX』で取り上げられたことなどから、日本での知名度は高い。 ---17面ボスであるSFC版オリジナルキャラ「阿修羅」の圧倒的な存在感についても、ファンの間で語り草となっている。「阿修羅」は中世ペルシャという舞台設定的にかなり複雑な立ち位置であり((詳細は割愛するが、ペルシャにおけるメジャーな宗教であるゾロアスター教の最高神「アフラ・マズダー」は、ヒンドゥー教の「アスラ」、仏教の「阿修羅」といったそうそうたる神格と起源を同じくするとされる。これらの存在は、多くの時代・文化・国家・宗教をまたにかけ時に変化しながら、世界中に広まったという壮大な歴史が背景にある。「中世ペルシャ」が舞台のゲームで「阿修羅」(もしくは「明らかに阿修羅をモチーフとした敵キャラクター」)が異質な敵として登場する、というのは『プリンス・オブ・ペルシャ』の世界観を崩さずに拡げるような絶妙な配役と言える。))、道中BGMや戦闘BGMまで専用のオリエンタルな曲が使用されている。その筋骨隆々の外見から、販売元であるメサイヤが同時期に発売した『[[超兄貴]]』が引き合いに出されやすい。 -『プリンス・オブ・ペルシャ2 ザ・シャドウ アンド ザ・フレーム』 --1993年発売。機種はPC、SNES、GENESISなど。日本語版は一部のPC版((FM-TOWNS、PC98、Mac))にしか存在せず、日本での知名度は低い。 ---Xbox版の『時間の砂』にはPC版『2』も収録されている。 --初代の後日談としてストーリーが展開する((時間的には前作からわずか2週間後。))。前作は終始城内が舞台だったのに対し、今作では城外の洞窟や遺跡など様々な屋外フィールドを冒険する。ストーリー性も強く、前作とは趣が異なる。 --前作をクリアした人向けに作られているためか、難易度はかなり高め。 --残念ながらあまり人気は出なかった。 -『プリンス・オブ・ペルシャ3D』 --1999年発売。機種はPC。後にDCでも発売された。 --シリーズ初の3Dアクション化。主な特徴として移動中から戦闘モードに入ることで操作形態が変化したり、最初は丸腰で牢屋に放り込まれた状態から脱出する方法や要所で解決策を探るなど謎解きの要素が多くなった。しかし、カメラワークや肝心のアクションに色々と稚拙な問題もあり、高評価は得られなかった。 -『プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂』(原題:『Prince of Persia:Time of Sands』) --2003年に発売された、まさかの新作。開発はUBIモントリオールスタジオが中心となって作られている。 --サブタイトルにある通り「時間」を操る、当時としては斬新なギミックが盛り込まれている。プリンスの多彩かつ滑らかなアクションも好評で、一定の人気を得た。 --その後、本作のさらなる続編として2004年には『~ケンシノココロ(原題:『~Warrior Within』)』、2005年には『~二つの魂(原題:『~Two Thrones』)』も発売。『時間の砂』から連なる三部作構成となっている。 --『時間の砂』三部作の開発で培われたノウハウが、後の『[[アサシンクリード>ASSASSIN'S CREED]]』を生み出すことになる。 -『プリンス オブ ペルシャ』(2008) --2008年発売。『時間の砂』三部作のシステムと『アサシンクリード』で使われていた「アンヴィル・エンジン」を使用した、新生プリンスオブペルシャ。 --『時間の砂』3部作と直接的なつながりはなく、いわゆる独立した世界の作品であり、更にはナンバリングもサブタイトルもないため、初代と区別する便宜上『プリンス オブ ペルシャ 2008』と呼称されることが多い。 --主な特徴は、自由度のあるオープンワールド方式、ヒロインと二人で協力して攻略していくシステム(後述)、ゲームオーバー要素がなくミスしても少し前の段階からやり直しになるだけ、シェルシェーディングによるグラフィックなど。 --「デュオ・アクションシステム」 ---今作ではプリンスがヒロインであるエリカと常に行動を共にし、様々な場面でエリカからのサポートを受ける形式となっている。 ---エリカの魔法を利用した大ジャンプや戦闘支援、高所から落下したり戦闘で致命傷を負っても復活させてくれるなど((但し、ゲームバランスを考慮したデメリットが存在するため、簡単にはなり過ぎない工夫が盛り込まれている))。 -『プリンス・オブ・ペルシャ 忘却の砂』(原題:『Prince of Persia:Forgotten Sands』) --2010年発売。『時間の砂』三部作の直接の続編に当たる。『アサシンクリード』シリーズで培った要素をいろいろ盛りこんだため、更にスピーディな展開を見せるような作品に仕上がっている。時間を操る要素ももちろん健在。 --時間を止めることで水柱を足場として使うといったギミックが新登場。 --戦闘システムは大きく進化している。敵の同時出現数は従来よりも格段に増えており、多数の敵と戦うシチュエーションが多い。それに合わせてプリンスの剣攻撃の範囲も広くなっており、魔法による範囲攻撃も積極的に使っていける。 --ポイントを使ってプリンスの各能力をアップグレードさせていくという成長要素もある。 --なお、PC版はUBIソフトの認証サーバーとゲームデータを同期するDRMが組み込まれており、常時接続した状態でないとセーブはおろかゲームプレイ自体もできない代物((正確にはUbi.com(当時)のアカウントにログインした上で常時接続する方式。利点としてはインストール回数の制限が一切ない、ゲームの起動にディスクが不要、セーブデータをクラウドサーバー上に保存できるという部分もアピールはされていたのだが・・・))で、当時はサーバーダウンもかなりの頻度で発生したり、本作以外にも同DRMが組込まれていた別のゲームでは数日もプレイできない事態が起きていた((同時期に発売された『SILENT HUNTER5』や『スプリンターセル・コンヴィクション』がこれに該当しており、実際フォーラムも炎上に近い状態だった))ことから多数の批判も上がっていた。 ---ただ、このシステムが後のUBIソフトの配信プラットフォーム「Uplay」の礎になったのは間違いない。((もっとも現在のUplayはSteamやEAのOrigin等の配信プラットフォームが台頭している影響もあってか、前述の制限は大幅に緩和されている)) **余談 -XBOX360にて『プリンス・オブ・ペルシャ・クラシック』として、2007年配信された。描画自体は3Dだが、ゲーム操作は2Dとなっている。 --リトライしても時間が巻き戻るようになっており初心者にも優しいシステムになっている。 -2010年に『プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂』を元にした映画が公開されている。ただ、内容は元のゲームのシナリオとはほとんど関係ない。 -『[[ASSASSIN'S CREED]]』は元々はこの作品のスピンオフとして製作されていた。初期のタイトルは『Prince of Persia: Assassins』。 -ゲームの背景世界や物語は『千夜一夜物語』をモチーフにしている…と思われがちだが、実はどちらかと言うと映画『バグダッドの盗賊』((これもモチーフは『千夜一夜物語』だが、ストーリーは概ねオリジナルの創作である。))の1940年版の方が直接的なネタ元になっている部分が多い。 --ゲームの物語は映画とは比較にならないほど単純だが、宿敵が魔法使いで名前がジャファーという部分は同じ。 --結果的に、シナリオや背景の一部に同じ映画を参照しているディズニーのアニメ映画『アラジン』と一部の設定がかぶっているが、ディズニーの映画の公開は1992年、このゲームの発売は1989年でありこちらの方が早い。 --ちなみにSFC版17面、特に中ボスの登場シーンは1974年の映画『シンドバッド 黄金の航海』へのオマージュだと思われる。
*PRINCE of PERSIA 【ぷりんす おぶ ぺるしゃ】 |ジャンル|アクション|CENTER:&amazon(B000068I5I)|&amazon(B000148I9K)|&amazon(B0000ZPPJQ)|&amazon(B000069UBH)| //&image(http://images-jp.amazon.com/images/P/B001GNBW5W.09.LZZZZZZZ.jpg,width=150)|~|~|~|~| //旧作とはシステム面も含め内容が違うので、上記は基本的に別ゲーム。 |対応機種|AppleII、Macintosh、IBM-PC、AMIGA、Atari ST、&br()PC-9801VM/UV以降、X68000、&br()NES、マスターシステム、&br()スーパーファミコン、メガCD、PCエンジン、&br()ゲームボーイ、ゲームギア、ゲームボーイカラー、Xbox360|~|~|~|~| |発売・開発元|Brφderbund|~|~|~|~| |日本版発売元((尚、開発元はPC98/SFC:アルシスソフトウェア。X68k:システムソフト。MCD:ビッツ・ラボラトリー/ゲームアーツ。GB:Virgin Games(日本語ローカライズ済))|【PC98/X68k】ブローダーバンドジャパン&br【SFC/GB】メサイヤ(日本コンピュータシステム)&br【PCE】リバーヒルソフト&br【MCD】ビクター音楽産業|~|~|~|~| |発売日|【AppleII】1989年10月3日&br;【PC98】1990年7月20日|~|~|~|~| |定価|【PC98】8,800円|~|~|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|~|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[カラテカ]]』の作者であるジョーダン・メックナー氏が次に製作したアクションゲーム。~ 発売当時は同作同様に非常に滑らかな動きをすることが話題となり、ミリオンヒットを達成した人気作となった。 **ストーリー >ペルシャ国王サルタンは国を離れて戦地へと赴き、その間、国政は腹心のジャファーに任された。~ しかし彼は邪な心を持っており反乱を起こす。~ まんまと権力を手に入れたジャファーは正統なペルシャ国王になるために、サルタンの姫との婚姻を画策する。~ その頃、旅の途中でペルシャに訪れた若者がいた。彼は姫と知り合い、やがて恋仲となる。~ しかしそれはジャファーにとっては障害以外の何物でもなかった。 若者を地下牢へ投獄し、姫を王宮の最上階に幽閉して婚姻を迫るジャファー。~ だが姫は頑として受け入れなかった。~ 業を煮やしたジャファーは、砂時計を姫の前に置き、最後の一粒が流れ落ちるまでの間に結婚か死かの二者択一を迫る。 > >一方、若者は見張りの隙を突いて牢から脱出。囚われの姫を救い出すため走り出したのだった。 **特徴とシステム -サイドビューのアクションゲーム。様々なトラップが施された迷宮(全13面)((海外PC版では実質12ステージ))を突破し、囚われの姫を救出に行く。 --動きは多彩で、走ったりジャンプしたりはもちろん、よじ登ったりぶら下がったりなどもできる。これらの動きを組み合わせて進んでいく。 --迷宮には石の板が敷かれていて、これが動きの単位となっている。走ると一歩で二枚分進む。トゲだらけの床を進むことが出来る忍び足で一枚分。助走しないジャンプで二枚分飛べ、助走すると三枚分飛べるなど。~ この動きの単位はトラップを突破するタイミング取りの基準となる。助走をつけて落とし穴の二枚前でジャンプで三枚分飛び、そのまま一歩走って二枚分進み、ジャンプして三枚分飛ぶ、というような感じでタイミングを取っていくのだ。この練りこまれた動作が、一種のアクションパズル要素を生み出している。 --ただし、動きが必ず板の長さの単位に収まる訳ではなく、微妙なズレが出る事もある。調整をしないでいい加減に動くと死に繋がることもしばしば。 -よくある残機制ではなく''「制限時間制」''を取っている。制限時間がなくなった時点でゲームオーバーになる((一部バージョンではタイムオーバー後も迷宮を探索できる。もちろん最終ステージはボスが出現せずクリアできない))。 --制限時間内ならいくら死んでも構わないが、タイムリミットが訪れる前に全てのステージをクリアしなくてはならない(バージョンによっては途中セーブが可能)。 --死んだ場合は攻略中のステージの最初からに戻されるが、それまでに経過した時間は巻き戻らないため大幅なタイムロスになる。そのためじっくりと迷宮を探索している余裕はない。マップ構成と攻略法をある程度頭に入れた上で、スムーズに進んでいかないとまず間に合わない。 --また、本作の主人公は体力制(初期値3ポイント)であり最大値を上昇させる手段もあるが、「戦闘による負傷」以外もダメージ条件が設定されており、行動に制限がある。リアルな人間として考えると相当な身体能力を持つキャラクターだが、決してスーパーマンではない。 ---例えば、通常の状態では二段下に落ちただけで1ダメージを受けてしまい、''三段目以上の高さから落ちると即死''してしまう。壁にぶらさがりながら慎重に降りることで、もう一段分安全に降りることができるようになる。その仕様上、原則として四段以上の高さから無事に降りる手段は無い。((機種によってはステージ進行の演出上「明らかに四段以上の高さを落ちている」はずなのに助かっているシーンはある。また、機種によっては「一定時間、何段の高さから落ちても落下速度が緩やかになりノーダメージとなる薬」が配置されているステージがあり、その効果については例外。))~ 機種によってはたった一段下への扱いについても制限があり、「壁にダッシュジャンプしてぶつかり一段下の床に落ちる」「一段下の床に掴まろうとしてジャンプし壁にヒザを強打する」といった事象でも1ダメージとなってしまう。ある意味リアル。~ また、武器を持った相手との剣劇による戦闘場面もあるが「剣を抜いていない状態で敵の攻撃を受ける」と、どんなに体力があっても一撃で殺されてしまう。この点は原作者であるジョーダン・メックナー氏の過去作『[[カラテカ]]』の基本システム(構えを取らずに攻撃を受けると即死)をそのまま引き継いでいる。 -アクションパズル要素が色濃く、マップの随所に仕掛けられたトラップを突破する事に主眼が置かれている。 --トラップは深く空いた穴、仕掛けによって開閉する格子、乗ると落ちる板、床から飛び出す槍、ギロチンなどがある。一つ一つのトラップは単純なものだが、それが複数組み合わさる事で、単純に回避するだけでなく攻略に工夫を必要とするギミックとなってる。~ そしてほとんどのトラップはいくら体力があろうとも引っかかれば一発死。このため、慣れるまで非常によく死ぬ。 --上述の通り、数は少ないが、敵キャラとの戦闘もある。刀による剣劇(攻撃と防御が可能)で相手の体力をゼロにすれば勝ちとなる。だが、ボスキャラクター以外は必ずしも倒す必要はなく、攻略優先でなんとか逃げるという選択もある。もっとも、簡単に逃げさせてくれるわけではないが。 **評価点 -''ぬるぬる動くアクションゲーム'' --一歩キャラが動けばその特徴はすぐ分かる。当時の他のアクションゲームと比較すると、動きの滑らかさが段違いであり、とてもリアルな動きを見せてくれる。主人公の勢い良く走る姿や着地した時のしゃがみポーズ、よじ登る時の力の入れ加減など、まさに生きているかのよう。発売当時は&bold(){余りに滑らかで気持ち悪い}とまで言われたほど。 --これは、実際のモデルとなる人物の動きを写真で撮影し、それをトレースして作画に活かす「ロトスコープ」という手法によるもの。 ---この手法は古くはディズニーが初の長編アニメ作品『白雪姫』を制作する上で、キャラクターの動きに写実的なリアリティを取り入れドラマ性を高めるために初めて用いた手法としても知られている。 --最初に発売されたAppleII版は280×192というファミコン並みの解像度だが、にもかかわらずこの生きているような動きが見事に表現されているのだ。 -数々のトラップを攻略する楽しさ。 --前述の通り、動きの単位がある程度決まっているのでパズル的に突破できる。どこで助走して、どのタイミングで飛んで…などなど。トラップに対しカチッとはまるような攻略法を見出していく楽しさがある。 --コース突破の要領が分かれば、ゲーム本来の目的であるタイムアタックに必然的に挑戦することになる。これがまた緊張感があって変わった楽しみができる。アイテム取得や戦闘すらタイム短縮の対象とし、ひたすらに速さを追い求めていくプレイは難しいが、バッチリ決まった時の快感は大きい。 -やけにリアルな惨殺描写。 --本作の描写のもう一つの特徴。トラップに引っかかった時の様子が妙にリアル。ギロチンに真っ二つにされた体、槍に串刺しになった有様、高所からの墜落死…。~ どれもみな「痛そう」では済まない死に様が、リアリティを重視したゲーム展開に花を添える。 **問題点 -操作性が少々やっかい。 --「ボタンを押した瞬間にプレイヤーの命令通りに行動する」というようなものではなく、主人公の歩幅やジャンプに必要な助走距離、踏み切りのタイミングなど様々な要素を前もって把握することを前提とした、良くも悪くもリアル志向な操作性になっている。この手のアクションゲームとしては類例がごく限られており、まともに動かせるようになるまで相応の練習が必要となる。 ---総じてトライ&エラーを経てプレイヤー自身の腕前の熟達が求められる玄人向けのゲームであり、ライト層やアクションゲーム初心者には難しい。 -プラットフォームの変遷に伴ってトラップやギミックの種類こそ増加しているが、基本的にトラップは一撃死であり、回避手段も変わり映えがしない。やや単調さを感じる部分もある。 -一部機種では、一定の状況になった際に激しい処理落ちが発生する。複数のトラップが同時に機能するような場所は仕方ないと思えるが、流石に''単純に戦闘するだけで処理落ち''((戦闘時の意図的な低速演出の事ではない。))はあんまりである。 //PCE版のこと。高スペックのSFCも、STAGE13のギロチン+コンベアー+戦闘では流石に処理落ちするとは言え…… -主人公とほぼ同じ姿をした特殊なボス「シャドーマン」(一部機種には登場しない)を撃破する方法が、ゲーム中ではノーヒントである点。 --「シャドーマンにダメージを与えると主人公もダメージを受ける」(逆も同様)という厄介極まりない特性を持っており、その特性に対する解法はゲーム中ではヒントが一切無い。だからといって「マニュアルプロテクトのように取扱説明書には攻略法が記載されている」のかというとそうでもなく、''機種によっては取扱説明書でも断片的なヒントしか記載が無い''ので、取扱説明書がプレイヤーの手元にあったとしても解法が分かる保証は無い。 ---当時の洋ゲーらしい点ではある。 ---解法自体は不自然なものではなく、推理によって導き出せる類いである。 **総評 一目で分かるその滑らかでリアルな動き。さらに仕掛けの謎解きから行動の最適化まで、パズル要素の濃いゲーム性。それらを備えた本作はこれまでに無いゲームだった。~ 実際の人間のモーションをトレスしたその動きはまさに生きているかのよう。そして巧みなトラップはそのリアルな動きを十分際立たせる。~ ゲームとしても様々なトラップを潜り抜ける楽しさがあり、タイムアタックに挑戦する楽しみもある。操作性を熟知した上でトライアンドエラーを繰り返して覚えるタイプの高難度のゲームではあるが、そうした作風にやりがいを覚えられるプレイヤーであれば楽しめるだろう。 AppleIIにて発売された本作は、やがて様々な機種へと移植され、続編も作られる事となる。 **その後の展開 -人気作であったため、必然的に日本移植版も製作されていった。日本版では13ステージにラスボスが追加され、海外版のラスボスは中ボス扱いとなった。 --PC98版は開発元のアルシスソフトウェアがAppleII版の2倍の解像度を最大限に生かしたグラフィックを表現し、開発者のジョーダン・メックナーが絶賛したことで知られている。 --日本におけるコンシューマー機ではSFC、MCD、PCE、GB(海外のVirgin Games開発)でも移植版が発売されている。SFC版は基本システムを踏襲しながらも、内容は大幅アレンジが施されているため後述。 ---PCE版やMCD版はステージ数はPC98版と同じであり、ドット絵の雰囲気もPC98版に近いものになっている。こちらはCD-ROMの容量を生かしたビジュアルシーンやアニメーションデモを追加している。なお、開発元は公式にはビッツラボラトリー(タイトル画面に表示)だが、実質的にはゲームアーツとビッツラボラトリーとの共同開発である。 -SFC版『プリンス・オブ・ペルシャ』 --1992年発売。開発はPC98版を手掛け、原作者から称賛されたことのあるアルシスソフトウェア。 --ストーリーと基本システムは原作から踏襲されているが、元の雰囲気を残しながらも''「制限時間が原作の2倍でステージ数が20に大幅増加」''という構成の強化を施された、パラレルワールドのようなアレンジ版となっている。原作やPC98版に無かった要素が、自然な範囲で多く追加されている点が特徴。 ---主人公の「しゃがみ歩き」の操作の追加、背景バリエーションの大幅な追加、代表的な罠であるギロチンのグラフィック違いのバリエーションの追加、完全に新規の罠やアイテムの追加、シリーズ初となる女性のボスや遠距離攻撃を持つボスの追加、敵味方の体力の上限値の大幅引き上げ(PC98版は「10」が最大、SFC版は「15」が最大)など。 ---また、本編とは別に全5ステージで制限時間無制限の「トレーニングモード」が追加されており、高難度とされやすい本作の基礎を順を追って無理なく学ぶことができる。 ---ちなみにSFC版は''制限時間が切れても最終面クリア時までゲームオーバーにならずにプレイ続行可能''((SFC版はタイムオーバーした状態だと、ステージ間のデモから姫がいなくなっている。そして最終面でラスボスが出現せず、最終面クリア時点でゲームオーバーとなる。要するに、バッドエンド。))な仕様となっている。原作の2倍の制限時間を設けられるほどの長丁場のゲームなので、''最初はバッドエンドを覚悟の上でプレイし「2回目以降のプレイ」でエンディングを目指す''というプレイスタイルが推奨される。 --シリーズの中では異色作と言える内容だが、SFCソフトであることや『ゲームセンターCX』で取り上げられたことなどから、日本での知名度は高い。 ---17面ボスであるSFC版オリジナルキャラ「阿修羅」の圧倒的な存在感についても、ファンの間で語り草となっている。「阿修羅」は中世ペルシャという舞台設定的にかなり複雑な立ち位置であり((詳細は割愛するが、ペルシャにおけるメジャーな宗教であるゾロアスター教の最高神「アフラ・マズダー」は、ヒンドゥー教の「アスラ」、仏教の「阿修羅」といったそうそうたる神格と起源を同じくするとされる。これらの存在は、多くの時代・文化・国家・宗教をまたにかけ時に変化しながら、世界中に広まったという壮大な歴史が背景にある。「中世ペルシャ」が舞台のゲームで「阿修羅」(もしくは「明らかに阿修羅をモチーフとした敵キャラクター」)が異質な敵として登場する、というのは『プリンス・オブ・ペルシャ』の世界観を崩さずに拡げるような絶妙な配役と言える。))、道中BGMや戦闘BGMまで専用のオリエンタルな曲が使用されている。その筋骨隆々の外見から、販売元であるメサイヤが同時期に発売した『[[超兄貴]]』が引き合いに出されやすい。 -『プリンス・オブ・ペルシャ2 ザ・シャドウ アンド ザ・フレーム』 --1993年発売。機種はPC、SNES、GENESISなど。日本語版は一部のPC版((FM-TOWNS、PC98、Mac))にしか存在せず、日本での知名度は低い。 ---Xbox版の『時間の砂』にはPC版『2』も収録されている。 --初代の後日談としてストーリーが展開する((時間的には前作からわずか2週間後。))。前作は終始城内が舞台だったのに対し、今作では城外の洞窟や遺跡など様々な屋外フィールドを冒険する。ストーリー性も強く、前作とは趣が異なる。 --前作をクリアした人向けに作られているためか、難易度はかなり高め。 --残念ながらあまり人気は出なかった。 -『プリンス・オブ・ペルシャ3D』 --1999年発売。機種はPC。後にDCでも発売された。 --シリーズ初の3Dアクション化。主な特徴として移動中から戦闘モードに入ることで操作形態が変化したり、最初は丸腰で牢屋に放り込まれた状態から脱出する方法や要所で解決策を探るなど謎解きの要素が多くなった。しかし、カメラワークや肝心のアクションに色々と稚拙な問題もあり、高評価は得られなかった。 -『プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂』(原題:『Prince of Persia:Time of Sands』) --2003年に発売された、まさかの新作。開発はUBIモントリオールスタジオが中心となって作られている。 --サブタイトルにある通り「時間」を操る、当時としては斬新なギミックが盛り込まれている。プリンスの多彩かつ滑らかなアクションも好評で、一定の人気を得た。 --その後、本作のさらなる続編として2004年には『~ケンシノココロ(原題:『~Warrior Within』)』、2005年には『~二つの魂(原題:『~Two Thrones』)』も発売。『時間の砂』から連なる三部作構成となっている。 --『時間の砂』三部作の開発で培われたノウハウが、後の『[[アサシンクリード>ASSASSIN'S CREED]]』を生み出すことになる。 -『プリンス オブ ペルシャ』(2008) --2008年発売。『時間の砂』三部作のシステムと『アサシンクリード』で使われていた「Scimitarエンジン」((UBISOFTモントリオール製のゲームエンジン。エンジン自体のアップデートに伴い「Anvil→AnvilNext→AnvilNext 2.0」と名称が変わり、現在は「Ubisoft Anvil」となっている。))を使用した、新生プリンスオブペルシャ。 --『時間の砂』3部作と直接的なつながりはなく、いわゆる独立した世界の作品であり、更にはナンバリングもサブタイトルもないため、初代と区別する便宜上『プリンス オブ ペルシャ 2008』と呼称されることが多い。 --主な特徴は、自由度のあるオープンワールド方式、ヒロインと二人で協力して攻略していくシステム(後述)、ゲームオーバー要素がなくミスしても少し前の段階からやり直しになるだけ、シェルシェーディングによるグラフィックなど。 --「デュオ・アクションシステム」 ---今作ではプリンスがヒロインであるエリカと常に行動を共にし、様々な場面でエリカからのサポートを受ける形式となっている。 ---主なものとしてエリカの魔法を利用した大ジャンプや戦闘支援、高所から落下したり戦闘で致命傷を負っても復活させてくれるなどがある((但し、ゲームバランスを考慮したデメリットが存在するため、簡単にはなり過ぎない工夫が盛り込まれている))。 -『プリンス・オブ・ペルシャ 忘却の砂』(原題:『Prince of Persia:Forgotten Sands』) --2010年発売。『時間の砂』三部作の直接の続編に当たる。『アサシンクリード』シリーズで培った要素をいろいろ盛りこんだため、更にスピーディな展開を見せるような作品に仕上がっている。時間を操る要素ももちろん健在。 --時間を止めることで水柱を足場として使うといったギミックが新登場。 --戦闘システムは大きく進化している。敵の同時出現数は従来よりも格段に増えており、多数の敵と戦うシチュエーションが多い。それに合わせてプリンスの剣攻撃の範囲も広くなっており、魔法による範囲攻撃も積極的に使っていける。 --ポイントを使ってプリンスの各能力をアップグレードさせていくという成長要素もある。 --なお、PC版はUBIソフトの認証サーバーとゲームデータを同期するDRMが組み込まれており、常時接続した状態でないとセーブはおろかゲームプレイ自体もできない代物((正確にはUbi.com(当時)のアカウントにログインした上で常時接続する方式。利点としてはインストール回数の制限が一切ない、ゲームの起動にディスクが不要、セーブデータをクラウドサーバー上に保存できるという部分もアピールはされていたのだが・・・))で、当時はサーバーダウンもかなりの頻度で発生したり、本作以外にも同DRMが組込まれていた別のゲームでは数日もプレイできない事態が起きていた((同時期に発売された『SILENT HUNTER5』や『スプリンターセル・コンヴィクション』がこれに該当しており、実際フォーラムも炎上に近い状態だった))ことから多数の批判も上がっていた。 ---ただ、このシステムが後のUBIソフトの配信プラットフォーム「Uplay(現:UBISOFT Connect)」の礎になったのは間違いない。((もっとも現在のUplayはSteamやEAのOrigin等の配信プラットフォームが台頭している影響もあってか、前述の制限は大幅に緩和されている)) **余談 -XBOX360にて『プリンス・オブ・ペルシャ・クラシック』として、2007年配信された。描画自体は3Dだが、ゲーム操作は2Dとなっている。 --リトライしても時間が巻き戻るようになっており初心者にも優しいシステムになっている。 -2010年に『プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂』を元にした映画が公開されている。ただ、内容は元のゲームのシナリオとはほとんど関係ない。 -『[[ASSASSIN'S CREED]]』は元々はこの作品のスピンオフとして製作されていた。初期のタイトルは『Prince of Persia: Assassins』。 -ゲームの背景世界や物語は『千夜一夜物語』をモチーフにしている…と思われがちだが、実はどちらかと言うと映画『バグダッドの盗賊』((これもモチーフは『千夜一夜物語』だが、ストーリーは概ねオリジナルの創作である。))の1940年版の方が直接的なネタ元になっている部分が多い。 --ゲームの物語は映画とは比較にならないほど単純だが、宿敵が魔法使いで名前がジャファーという部分は同じ。 --結果的に、シナリオや背景の一部に同じ映画を参照しているディズニーのアニメ映画『アラジン』と一部の設定がかぶっているが、ディズニーの映画の公開は1992年、このゲームの発売は1989年でありこちらの方が早い。 --ちなみにSFC版17面、特に中ボスの登場シーンは1974年の映画『シンドバッド 黄金の航海』へのオマージュだと思われる。

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