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#contents(fromhere) ---- //読みづらくなるので概要・総評は箇条書きにしないでください。 **概要 『テイルズ オブ』シリーズのマザーシップタイトル(本編タイトル)第16作目。略称は''TOB''。PS3とPS4のマルチプラットフォームで発売され、PS3最後のシリーズ作品である。 『[[ゼスティリア>テイルズ オブ ゼスティリア]]』(以下前作)の前日譚であるが、前作の評価があまりにひどく、加えて本作が前作の過去の物語であるという情報が発売前より流れていたことで、本作もまた惨憺たる出来となることを危惧していたプレイヤーも少なくはなかった。 しかし蓋を開けて見れば前作の評判を払拭できる内容であり、前作で説明不足だった設定や、伏線が丁寧に回収されているためシナリオの評価は高い。内容も前作の続編というよりは、本作の発売と同時期に放送されたアニメ版『テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス』(以下ザ クロス)との関わりが深い。アニメ版のザ クロスはゲーム版ゼスティリアを単純にアニメ化したものではなく、内容を一部改変しベルセリアの設定を取り入れているため、ベルセリアで迎えたエンディングの続きと言った方が正しい、どちらの作品の世界観から見ても無理のないシナリオに仕上がっている。 メインキャラクターデザインは、いのまた氏(主人公)・藤島氏・奥村氏・岩本氏の四名が担当。~ シナリオはこちらも前作を担当した山本尚基氏、『[[リバース>テイルズ オブ リバース]]』のシナリオライターを務めた平松正樹氏、そして前作ディレクターの長谷雄太氏が担当。平松氏はチャットのテキストも担当している。 主題歌はFLOWを起用。ザ クロスでも主題歌を担当している。 マザーシップタイトルでは初の単独女性主人公の作品となっている。((本作以前には携帯電話用ゲーム『テイルズオブブレイカー』が該当する。)) **特徴 ***戦闘システム -本作で使用されている新戦闘システムは「Liberation-LMBS(リベレーション・リニアモーションバトルシステム)」で、そのLiberation(解放)の名の通り、従来のLMBSから解放されたシステムとなっている。 --具体的には、従来のライン上の操作が廃止され、左スティックでの通常操作がフリーランとなり、右スティックでカメラを自由に移動できるようになっている。 --また攻撃ボタンは○×△□全てであり、連携の組み立てもメニューから自由に行える。ガードするにはL1、メニューを開くにはパッドを入力……と、多くのシリーズ作品の操作とは一線を画している。 ---ただし前作や『グレイセス』でも搭載されたアラウンドステップは健在。 -加えて本作のパワーソースである「ソウル」は、数がキャラクターの行動により増減する、非常に流動的なものとなっている。 --ソウルはパワーソースであり、数がそのままキャラクターの攻撃連携数を示している。そのため、一定数を維持しながら戦うことが推奨される。 --敵を倒したり、スタン等の状態異常を与えたりすることで敵からソウルを奪えるほか、アラウンドステップにより対応回避を発動すると、フィールド上にソウルが放出される。 ---逆に敵から状態異常を受けると、ソウルを奪われてしまう。また、相手のソウルが1つしかない場合は、それ以上奪うことができない。 --「ブレイクソウル」を使用すると、ソウルを敵に与えながらキャラごとに異なる効果を発動する。これにより戦闘を有利に運べるほか、体力を回復することもできる。 ---例えば主人公ベルベットのブレイクソウルは、発動時に攻撃を与えた敵により攻撃時に効果が付与される。発動中は体力が減少していくが、体力が少ないほど威力が増すという諸刃の剣。 ---前作同様、状態異常にかかっている間はアイテムや回復術による体力の回復が封じられるが、このブレイクソウルを利用すれば状態異常にかかっていても回復可能。 -「スイッチブラスト」を使用することで『[[エクシリア>テイルズ オブ エクシリア]]』のように、戦闘中にキャラクターを入れ替えることが可能で、これにより状態異常を回復することができるほか、待機中のキャラは体力が回復でき、登場したキャラにはソウルが1つ付与される。 --発動にはブラストゲージを1つ消費しなければならない。ブラストゲージはブレイクソウルを発動することで増加し、秘奥義を発動する際にも一定量消費する。 ---なお前作ではできなかった、戦闘不能となった待機中のキャラにライフボトルや蘇生術を使用して復活させることも可能。 -属性に関するシステムにも変更があり、敵の種族と弱点を全て付くことで弱点連携が発生し、耐性を無効化、状態異常発生率が上昇する。 --前作では存在しなかった「人間」種族への特攻が付いた技も本作では存在するため、人型のボスに対する対抗手段が増加した。 -ストーリーを進行することで入手できるアイテムを所持し、高グレードを維持した状態で戦闘を続けると、強力な敵「ワンダリングエネミー」が出現する。 --ワンダリングエネミーには特殊な取り巻きの雑魚が存在し、雑魚は無敵状態となっておりダメージを与えることができない。 --倒すと特殊なアイテムが入手できるが、逃走することも可能。出現時、一定時間は一切行動しないため、逃走の猶予は十分にあるためその点は安心。 ***装備システム -前作のスキルシステムが複雑であり不評だったためか、単純に素材を消費することで各装備を強化する、というシステム。 --装備ごとに固有のマスタースキルと強化スキルが存在し、そこにランダムスキルが付与される。 ---マスタースキルは装備中に一定量グレードを稼ぐことでキャラクターが習得することができ、装備を外しても効果が残る。 ---強化スキルは装備を強化することで開放され、装備を強化するごとにスキルも効果が上昇する。 --装備の強化に必要な素材は、フィールドで拾うことができるほか、装備を分解することで入手することもできる。 ***フィールドの移動 -前作同様フィールドは広い代わりに、ストーリーを進行することで移動速度の速い乗り物である「レアボード」が入手できる。 --フィールド上でワンボタンで使用することができ、弱い敵にぶつかると戦闘が発生せず相手を倒すことができる。 ---ただしその際経験値やお金等は一切入手することができない。また、使用するにはフィールド上に存在する地相樹を見つける必要がある。 -「イノーフボトル」「デノーレボトル」というアイテムが存在し、前者は使用することで一度行ったことがあるマップへパッと移動することができ、後者はダンジョンの入口にパッと移動することができる。 --少々高価だが、ショップで購入することもできるほか、ストーリーを一定まで進めるとそれぞれ無限に使用できるアイテムが入手できる。 ---ただし道中にイベントが存在する場合、いずれのアイテムも使用できないという欠点がある。 ---- **評価点 -戦闘システムは前作を改良したというよりは『[[グレイセスf>テイルズ オブ グレイセス エフ]]』を様々に仕様変更したような造りになっており、前作及び大部分の歴代作をも上回っていると言って差し支えない。 --どの技も何段目にでもセットできるようになったが、強い技の連発にならないように、消費SGを多くすることで調整している。SGが不足すると防御で割り込まれるようになっている。また、連携の後ろに配置する技ほど様々な恩恵が上乗せされていく。 --『グレイセス』や前作に備わっているロックオン機能((プレイヤーが攻撃中に味方が別角度から攻撃を加えても、次の攻撃で空振りしない))に加え、さらに左スティックを倒すことにより自由な方向に攻撃可能。 --ステップよりもフリーランの方に比重が寄った。ソウル総数に対するステップでの消費割合が多いため、『グレイセスf』のように攻撃後の硬直を消したり位置取りを変更する用途でステップする人は減ったかもしれない。 --各キャラごとに持つ秘奥義数が4つと非常に多くシリーズではトップに近い。 ---また、待機キャラも含め、味方の秘奥義同士を次々と連携させていく連携秘奥義というシステムも追加されている。 --ある術・技の発動後に、術はL2ボタンを押すことで、技は押しっぱなしにすることであらかじめ指定された術・技へと連携可能になっており術・技欄の圧迫を軽減している。 --NPCのAIが非常に優秀である。 ---敵のAIや各種パワーソースの管理などが違うため一概には言えないが、体感的には『グレイセスf』と同等以上に働いてくれる。 ---ただしベルベットに関してはブレイクソウル周りのシステムに癖があるためか、あまり優秀とはいえない。 -シナリオのクオリティ前作は言わずもがな、シリーズ歴代作と比べても高い。 --重い展開が多いが、矛盾や説明不足な点がほとんどなく概ね好評である。前作であやふやになっていた設定にもある程度のフォローがされている。((ザ クロスで登場するジークフリートやカノヌシに関する設定、ザビーダの過去、神依のルーツにも触れられる。)) ---特に、中盤から終盤あたりのとある重大なイベントは評価が高く、泣いたという人も少なくない。 ---仲間の成長、主人公の葛藤、一時的に協力体制が起こる展開など万人向けと言える展開も概ね押さえている。 ---本作をプレイしてから、この世界の先が気になった場合は、ザ クロスを視聴することを勧める。逆にザ クロスを先に視聴すると本作のネタバレが非常に多いので注意。 --今回はサブキャラが非常に充実しており、中盤以降は様々な人物がベルベット達に協力することとなる。 ---同行中のサブキャラクターを絡めたチャットが多くあり、ストーリーの充実に一役買っている。 --とはいえ、作風そのものは非常にハードな為、その点に関しては好みが分れる。詳しくは後述。 -アイテムが自動的に手に入るシステムとして異界探索が導入された。船を出航させると30分程度で指定した島ごとにアイテムを持ち帰ってくれる。 --探索を繰り返すと行ける島が増え、有利に探索が行えるスキルが自動で発動するようになる。入手できるアイテムは料理の材料やアタッチメント、''水着''など。 -また、前作では一切なかった配膳ゲーム等のミニゲームが大量に存在する。 --一部病的なものも存在するが概ね楽しめる完成度となっており、ボリュームの増大に貢献している。 -BGMは女性主人公に似合った高音のBGMが多めで使用箇所も各場面にあっており印象に残るものが多い。 --他のBGMと毛色が異なる壮大さを感じさせ本作で最も評価が高い「Theme of Velvet」、通常ボス戦闘「Daemon's assault」、ラストダンジョンとラストダンジョン戦闘を兼ねる「The way of the embodied dragon」、敵組織である聖寮との戦闘「The will that opposes reason」など。 --前作からいくつかBGMが使いまわされているが、そちらも高評価。 **賛否両論点 -評価点でも挙げたが、ストーリーはシリーズの中でも屈指の陰惨さである。 --序盤から陰鬱とした展開が繰り広げられる。直接他人を殺害するシーンや後味の悪い展開も多く、ダークな話が苦手な人にはとことん辛い。 --特に中盤から終盤にかけてのイベントはいずれも酷な展開という他にないが、その展開があるからこそ終盤が輝くのも確かである。 ---女性主人公であることを活かした感情描写も秀逸で、重くはあるが納得そのものはしやすいものとなっている。 --その一方でCEROがB(12歳以上対象)であるためか、流血描写はかなり少ない。過去作品でも敵を殺すシーンや命のやり取りをするイベントで流血描写が無いことは多々あったが、今回はそういった場面が多いため、かえって不自然に思えてしまう。 ---いっそ『[[エクシリア2>テイルズ オブ エクシリア2]]』のようにレーティングを上げてでも描写を解禁した方が良かったかもしれない。 --また、悲しき過去と復讐心があるとはいえ、序盤のベルベットの行動には正当性がほとんどなく、完全な悪役ポジションからストーリーが開始されることにも好みが分かれる。 ---ただ、これも後の展開に充分活かされており、終盤になるにつれ「引き返せないほど犠牲を出した」「私は自分勝手で最悪な女」とその点を自覚する発言をしており、ラストは自分なりの方法で罪を償う形になるので、ベルベット自身が批判されることはあまりない。 --前作の過去を舞台にしている以上、「穢れ」「誓約」といった設定はガッチリ引き継いでいるため、そういう設定が絡む場面ではご都合主義的な展開になりがちな面もある。 ---誓約に関しては今作においても詳しくは言及されず、そういったものがある程度の設定なので、最後まで曖昧な部分を多く残している。更に「天界天族」という新たな設定も登場したがその詳細は明かされず、穢れは天界天族が原因という形でひとまず処理された。 -難易度が上昇すると、敵のステータスが増加することに加えて、回復術の効果が軽減されてしまう。他にも逃走速度の低下、アイテムの待機時間の延長、戦闘不能時のBGの減少などの影響が大きい。そのため、基本的な戦い方は据え置きで難易度のみが上がるというよりは、戦い方そのものの見直しを迫られるような調整になっている。取得経験値が減るのも前作同様。 --ブレイクソウルの回復量は据え置きの為、回復術ではなくこちらがメインになっていく。 --高難度でのみ解禁されるシステムもあるため、それを利用すれば低難度よりもスタイリッシュな戦闘を見込める。 --ちなみに、今作での通常難易度は全体的にステータスが低下傾向にあり、HPが中々削れなくて辛い思いをしにくくなっているため、全体的にヌルめになっている。ボス戦も同様。 --回復術が用無しになっていく反面、ステータス異常のみを回復できる術というものは存在せず、必ず回復術と抱き合わせになっている。これは、回復術を無効にするとステータス異常も治療できなくなることを意味するため、回復術の有効・無効や作戦の設定には難儀する。 -2周目以降の周回プレイが賛否両論。 --今回はグレードショップの内容が、過去作品に比べるとやや少なくなっている。レアボード(高速移動アイテム)、術・技、マップ情報、強化した装備品を引き継ぎたかった人は多かった。 ---前作も装備品引継ぎは無かったが、クリア後に前周の装備が手に入る仕様にはなっていた。 --1周目で大抵の要素が解禁できるようになっている。そのため、2周目以降の旨みが薄い。逆に言えば1周するだけでかなりの要素が解禁できるため、数十時間に及ぶ無駄な手間(周回作業)を省くことができるとも言える。 --周回時に術・技はグレードショップにより習得を早める(習得レベルを半分にする)ことが可能ではあるもの、最後のブレイクソウルは何周目であろうとラストダンジョン以降でないと手に入らないようになっているため、最初から強い状態で始めたい人は周回する気が減退しやすいかも。 -装備強化に関して、要求される金額があまりに多いのに対し、戦闘で入手できるお金が少なすぎる。売却専用のアイテムを売り払って溜めるか、2周目の「強化費用半分」「獲得金額アップ」をアテにするしかない。 -歴代要素が多いが少々露骨。アイテムやり込み要素に、過去作のワードが使われることは今までにもあったが、今回はかなり多い。かなり重要なアイテムや、ストーリー中で示唆されることもあるため、そこはオリジナルの名称で良かったのではという声も。 --とはいっても名前だけ借りているだけであり、設定までそのまま持ってきているということではない。 --エレノアが『[[アビス>テイルズ オブ ジ アビス]]』の主人公ルークの第二秘奥義である「ロストフォン・ドライブ」を使うのに違和感を覚えた人も。この秘奥義は該当作の根幹設定に深く基づいており、ルークだからこそ使いこなせる重要な奥義だったせいもあり、あまり嬉しくない歴代要素と言える。 -前作でキーとなった要素である「神依」が敵専用の技として登場する。「神依」を使う敵は前作通り性能が段違いに高くなるがかなり大きな欠陥もある。本作ではパーティメンバーにより、「反吐が出る」「ふざけた名前」等、散々扱き下ろされる。 --前作ファンから批判が集中しても仕方が無い発言であるが、前作での神依自体がゲームバランス崩壊の最大の要因であり評判が著しくなかったため、作中での理由とは別の理由であるが、プレイヤーから共感が得られる事が少なくないため、批判はあまり無い。 **問題点 -便利な移動アイテムが揃っているが、入手できる時期はいずれも遅いうえ、使いたいときに使うことができないという問題を抱えている。 --そのため、前~中版は広大なフィールドを走り回らねばならず、移動速度もお世辞にも速いとは言い難いため、主に2周目以降が煩わしい。 --加えてレアボードの操作には少々癖があるため操作がやたら難しいのが欠点。隠しダンジョンではこれを駆使することを強要されるステージが鬼畜。 -一部の技の性能が高く、同じ技を連発している方が安定してしまう。 --同じ技を連発すると威力が減衰したり、スタン・状態異常確率の減少といったデメリットが発生するが、ごり押しでスタンさせてしまえばソウルをほぼ確実に入手できるというメリットの前には霞む。 --特にベルベットのブレイクソウル「コンジュームクロウ」の効果時間中は絶対に死なないため、ソウルの稼ぎやすさは不死身でいられる時間の長さに直結する。そのためソウルが稼げるようになると高難易度でもほとんど死ななくなる。味方が全員倒れてベルベットだけで大量の敵を相手するという光景も珍しくない。他キャラのブレイクソウルに関しては、無敵時間が発生するものはあるが、効果時間がすぐに終わるため、このようなことは起こらない。 -メニューを開かないと待機キャラのBGが確認できない。 --このため、キャラを入れ替える時に入れ替え先のキャラのBGを確認するのが面倒くさい。そして確認を怠った場合、メンバーを入れ替えた後BG切れを起こし、状況が変わりピンチになっても引っ込めることができないという状況が起こりやすい。 --連携秘奥義、協力秘奥義を使う時は、メニューを開くことが多くなるため、テンポが悪くなりやすい。 -グラフィックはもともとPS3ベースで製作していたためか、2016年のPS4のゲームとしてみるとかなり抑え目。 --当然だが歴代シリーズの中では現在最も質が高い。 ---- **総評 前情報では操作方法の大幅な変更など戸惑う部分もあった上、シリーズで最悪とも言われる前作の前日譚ということで、発売前より地雷として避けていたプレイヤーも少なくなかった。が、いざ蓋を開けてみれば、前作の悪評を振り払って余りある良作であった。~ 売上も初週こそ前作をやや下回った計25万本程だが、3週ほどで30万本を突破するなど歴代作と肩を並べる売り上げを残している。~ 前作の設定を引き継いではいるものの、この1作で物語が完結しているため新規のプレイヤーでも問題なく遊べる。むしろこちらをプレイした後にゼスティリア(ゲームorアニメ)を遊んでもよい。前作を知っていると、より楽しめる程度に留まっている。 ダークなシナリオや描写を問題なく受け容れられるなら、手に取って損は無い逸品である。 ---- **余談 -「ファミ通アワード2016」にて、本作は「優秀賞」を、主人公であるベルベット役の佐藤氏が「女性キャラクターボイス賞」を受賞。 -ザ クロスでは1期5話と6話が本作の序盤を描いたものとなっている。 --他、OPにベルベットが登場したり、2期でベルベットの存在について語られているなどタイトル通りクロス要素が見られている。 -「ファミスタクライマックス」にて、本作の主人公のベルベットがバンダイナムコスターズの選手として登場した。
//テイルズ オブ シリーズ総合3(http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/51440/1431011577/)にて打ち合わせ &color(red){本記事は荒れが予想されたため、記事の作成前に打ち合わせを行っています。特に評価に関わる部分は編集合戦になる可能性が高いので、よほど誤った情報でも記載されてない限り、触らないで下さい。大きく変えられると事前に打ち合わせた意味がなくなります。変える場合はhttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/51440/1491561613/まで。} //(2017/04/24 (月) 11:45:37)にて不審な変更が行われているので依頼所にて依頼中。(2017/04/24 (月) 11:45:37)より以前の状態に復帰。それ以降に変更された部分は、不審な変更に絡まない部分のみ反映。 //一度、依頼取り下げ ---- *テイルズ オブ ベルセリア 【ているず おぶ べるせりあ】 |ジャンル|ロールプレイングゲーム&br;(シリーズ内ジャンル名:君が君らしく生きるためのRPG)|&amazon(B01E6QIGCW)|&amazon(B01E6QIGIG)| |対応機種|プレイステーション3&br;プレイステーション4|~|~| |発売元|バンダイナムコエンターテインメント|~|~| |開発元|バンダイナムコスタジオ|~|~| |発売日|2016年8月18日|~|~| |定価|8,070円(税別)|~|~| |プレイ人数|1人(戦闘のみ1~4人)|~|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~|~| |廉価版|Welcome Price!!:2017年6月1日/3800円(税別)※PS3版はDLのみ|~|~| |コンテンツアイコン|セクシャル、暴力|~|~| |通信機能|PlayStation Network対応(ダウンロードコンテンツ配信)|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| |ポイント|出来の良い前日譚&br()最悪の前評判を覆す完成度|~|~| |>|>|>|CENTER:[[''テイルズ オブ シリーズ関連作品リンク''>テイルズ オブ シリーズ]]| ---- #contents(fromhere) ---- //読みづらくなるので概要・総評は箇条書きにしないでください。 **概要 『テイルズ オブ』シリーズのマザーシップタイトル(本編タイトル)第16作目。略称は''TOB''。PS3とPS4のマルチプラットフォームで発売され、PS3最後のシリーズ作品である。 『[[ゼスティリア>テイルズ オブ ゼスティリア]]』(以下前作)の前日譚であるが、前作の評価があまりにひどく、加えて本作が前作の過去の物語であるという情報が発売前より流れていたことで、本作もまた惨憺たる出来となることを危惧していたプレイヤーも少なくはなかった。 しかし蓋を開けて見れば前作の評判を払拭できる内容であり、前作で説明不足だった設定や、伏線が丁寧に回収されているためシナリオの評価は高い。内容も前作の続編というよりは、本作の発売と同時期に放送されたアニメ版『テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス』(以下ザ クロス)との関わりが深い。アニメ版のザ クロスはゲーム版ゼスティリアを単純にアニメ化したものではなく、内容を一部改変しベルセリアの設定を取り入れているため、ベルセリアで迎えたエンディングの続きと言った方が正しい、どちらの作品の世界観から見ても無理のないシナリオに仕上がっている。 メインキャラクターデザインは、いのまた氏(主人公)・藤島氏・奥村氏・岩本氏の四名が担当。~ シナリオはこちらも前作を担当した山本尚基氏、『[[リバース>テイルズ オブ リバース]]』のシナリオライターを務めた平松正樹氏、そして前作ディレクターの長谷雄太氏が担当。平松氏はチャットのテキストも担当している。 主題歌はFLOWを起用。ザ クロスでも主題歌を担当している。 マザーシップタイトルでは初の単独女性主人公の作品となっている。((本作以前には携帯電話用ゲーム『テイルズオブブレイカー』が該当する。)) **特徴 ***戦闘システム -本作で使用されている新戦闘システムは「Liberation-LMBS(リベレーション・リニアモーションバトルシステム)」で、そのLiberation(解放)の名の通り、従来のLMBSから解放されたシステムとなっている。 --具体的には、従来のライン上の操作が廃止され、左スティックでの通常操作がフリーランとなり、右スティックでカメラを自由に移動できるようになっている。 --また攻撃ボタンは○×△□全てであり、連携の組み立てもメニューから自由に行える。ガードするにはL1、メニューを開くにはパッドを入力……と、多くのシリーズ作品の操作とは一線を画している。 ---ただし前作や『グレイセス』でも搭載されたアラウンドステップは健在。 -加えて本作のパワーソースである「ソウル」は、数がキャラクターの行動により増減する、非常に流動的なものとなっている。 --ソウルはパワーソースであり、数がそのままキャラクターの攻撃連携数を示している。そのため、一定数を維持しながら戦うことが推奨される。 --敵を倒したり、スタン等の状態異常を与えたりすることで敵からソウルを奪えるほか、アラウンドステップにより対応回避を発動すると、フィールド上にソウルが放出される。 ---逆に敵から状態異常を受けると、ソウルを奪われてしまう。また、相手のソウルが1つしかない場合は、それ以上奪うことができない。 --「ブレイクソウル」を使用すると、ソウルを敵に与えながらキャラごとに異なる効果を発動する。これにより戦闘を有利に運べるほか、体力を回復することもできる。 ---例えば主人公ベルベットのブレイクソウルは、発動時に攻撃を与えた敵により攻撃時に効果が付与される。発動中は体力が減少していくが、体力が少ないほど威力が増すという諸刃の剣。 ---前作同様、状態異常にかかっている間はアイテムや回復術による体力の回復が封じられるが、このブレイクソウルを利用すれば状態異常にかかっていても回復可能。 -「スイッチブラスト」を使用することで『[[エクシリア>テイルズ オブ エクシリア]]』のように、戦闘中にキャラクターを入れ替えることが可能で、これにより状態異常を回復することができるほか、待機中のキャラは体力が回復でき、登場したキャラにはソウルが1つ付与される。 --発動にはブラストゲージを1つ消費しなければならない。ブラストゲージはブレイクソウルを発動することで増加し、秘奥義を発動する際にも一定量消費する。 ---なお前作ではできなかった、戦闘不能となった待機中のキャラにライフボトルや蘇生術を使用して復活させることも可能。 -属性に関するシステムにも変更があり、敵の種族と弱点を全て付くことで弱点連携が発生し、耐性を無効化、状態異常発生率が上昇する。 --前作では存在しなかった「人間」種族への特攻が付いた技も本作では存在するため、人型のボスに対する対抗手段が増加した。 -ストーリーを進行することで入手できるアイテムを所持し、高グレードを維持した状態で戦闘を続けると、強力な敵「ワンダリングエネミー」が出現する。 --ワンダリングエネミーには特殊な取り巻きの雑魚が存在し、雑魚は無敵状態となっておりダメージを与えることができない。 --倒すと特殊なアイテムが入手できるが、逃走することも可能。出現時、一定時間は一切行動しないため、逃走の猶予は十分にあるためその点は安心。 ***装備システム -前作のスキルシステムが複雑であり不評だったためか、単純に素材を消費することで各装備を強化する、というシステム。 --装備ごとに固有のマスタースキルと強化スキルが存在し、そこにランダムスキルが付与される。 ---マスタースキルは装備中に一定量グレードを稼ぐことでキャラクターが習得することができ、装備を外しても効果が残る。 ---強化スキルは装備を強化することで開放され、装備を強化するごとにスキルも効果が上昇する。 --装備の強化に必要な素材は、フィールドで拾うことができるほか、装備を分解することで入手することもできる。 ***フィールドの移動 -前作同様フィールドは広い代わりに、ストーリーを進行することで移動速度の速い乗り物である「レアボード」が入手できる。 --フィールド上でワンボタンで使用することができ、弱い敵にぶつかると戦闘が発生せず相手を倒すことができる。 ---ただしその際経験値やお金等は一切入手することができない。また、使用するにはフィールド上に存在する地相樹を見つける必要がある。 -「イノーフボトル」「デノーレボトル」というアイテムが存在し、前者は使用することで一度行ったことがあるマップへパッと移動することができ、後者はダンジョンの入口にパッと移動することができる。 --少々高価だが、ショップで購入することもできるほか、ストーリーを一定まで進めるとそれぞれ無限に使用できるアイテムが入手できる。 ---ただし道中にイベントが存在する場合、いずれのアイテムも使用できないという欠点がある。 ---- **評価点 -戦闘システムは前作を改良したというよりは『[[グレイセスf>テイルズ オブ グレイセス エフ]]』を様々に仕様変更したような造りになっており、前作及び大部分の歴代作をも上回っていると言って差し支えない。 --どの技も何段目にでもセットできるようになったが、強い技の連発にならないように、消費SGを多くすることで調整している。SGが不足すると防御で割り込まれるようになっている。また、連携の後ろに配置する技ほど様々な恩恵が上乗せされていく。 --『グレイセス』や前作に備わっているロックオン機能((プレイヤーが攻撃中に味方が別角度から攻撃を加えても、次の攻撃で空振りしない))に加え、さらに左スティックを倒すことにより自由な方向に攻撃可能。 --ステップよりもフリーランの方に比重が寄った。ソウル総数に対するステップでの消費割合が多いため、『グレイセスf』のように攻撃後の硬直を消したり位置取りを変更する用途でステップする人は減ったかもしれない。 --各キャラごとに持つ秘奥義数が4つと非常に多くシリーズではトップに近い。 ---また、待機キャラも含め、味方の秘奥義同士を次々と連携させていく連携秘奥義というシステムも追加されている。 --ある術・技の発動後に、術はL2ボタンを押すことで、技は押しっぱなしにすることであらかじめ指定された術・技へと連携可能になっており術・技欄の圧迫を軽減している。 --NPCのAIが非常に優秀である。 ---敵のAIや各種パワーソースの管理などが違うため一概には言えないが、体感的には『グレイセスf』と同等以上に働いてくれる。 ---ただしベルベットに関してはブレイクソウル周りのシステムに癖があるためか、あまり優秀とはいえない。 -シナリオのクオリティ前作は言わずもがな、シリーズ歴代作と比べても高い。 --重い展開が多いが、矛盾や説明不足な点がほとんどなく概ね好評である。前作であやふやになっていた設定にもある程度のフォローがされている。((ザ クロスで登場するジークフリートやカノヌシに関する設定、ザビーダの過去、神依のルーツにも触れられる。)) ---特に、中盤から終盤あたりのとある重大なイベントは評価が高く、泣いたという人も少なくない。 ---仲間の成長、主人公の葛藤、一時的に協力体制が起こる展開など万人向けと言える展開も概ね押さえている。 ---本作をプレイしてから、この世界の先が気になった場合は、ザ クロスを視聴することを勧める。逆にザ クロスを先に視聴すると本作のネタバレが非常に多いので注意。 --今回はサブキャラが非常に充実しており、中盤以降は様々な人物がベルベット達に協力することとなる。 ---同行中のサブキャラクターを絡めたチャットが多くあり、ストーリーの充実に一役買っている。 --とはいえ、作風そのものは非常にハードな為、その点に関しては好みが分れる。詳しくは後述。 -アイテムが自動的に手に入るシステムとして異界探索が導入された。船を出航させると30分程度で指定した島ごとにアイテムを持ち帰ってくれる。 --探索を繰り返すと行ける島が増え、有利に探索が行えるスキルが自動で発動するようになる。入手できるアイテムは料理の材料やアタッチメント、''水着''など。 -また、前作では一切なかった配膳ゲーム等のミニゲームが大量に存在する。 --一部病的なものも存在するが概ね楽しめる完成度となっており、ボリュームの増大に貢献している。 -BGMは女性主人公に似合った高音のBGMが多めで使用箇所も各場面にあっており印象に残るものが多い。 --他のBGMと毛色が異なる壮大さを感じさせ本作で最も評価が高い「Theme of Velvet」、通常ボス戦闘「Daemon's assault」、ラストダンジョンとラストダンジョン戦闘を兼ねる「The way of the embodied dragon」、敵組織である聖寮との戦闘「The will that opposes reason」など。 --前作からいくつかBGMが使いまわされているが、そちらも高評価。 **賛否両論点 -評価点でも挙げたが、ストーリーはシリーズの中でも屈指の陰惨さである。 --序盤から陰鬱とした展開が繰り広げられる。直接他人を殺害するシーンや後味の悪い展開も多く、ダークな話が苦手な人にはとことん辛い。 --特に中盤から終盤にかけてのイベントはいずれも酷な展開という他にないが、その展開があるからこそ終盤が輝くのも確かである。 ---女性主人公であることを活かした感情描写も秀逸で、重くはあるが納得そのものはしやすいものとなっている。 --その一方でCEROがB(12歳以上対象)であるためか、流血描写はかなり少ない。過去作品でも敵を殺すシーンや命のやり取りをするイベントで流血描写が無いことは多々あったが、今回はそういった場面が多いため、かえって不自然に思えてしまう。 ---いっそ『[[エクシリア2>テイルズ オブ エクシリア2]]』のようにレーティングを上げてでも描写を解禁した方が良かったかもしれない。 --また、悲しき過去と復讐心があるとはいえ、序盤のベルベットの行動には正当性がほとんどなく、完全な悪役ポジションからストーリーが開始されることにも好みが分かれる。 ---ただ、これも後の展開に充分活かされており、終盤になるにつれ「引き返せないほど犠牲を出した」「私は自分勝手で最悪な女」とその点を自覚する発言をしており、ラストは自分なりの方法で罪を償う形になるので、ベルベット自身が批判されることはあまりない。 --前作の過去を舞台にしている以上、「穢れ」「誓約」といった設定はガッチリ引き継いでいるため、そういう設定が絡む場面ではご都合主義的な展開になりがちな面もある。 ---誓約に関しては今作においても詳しくは言及されず、そういったものがある程度の設定なので、最後まで曖昧な部分を多く残している。更に「天界天族」という新たな設定も登場したがその詳細は明かされず、穢れは天界天族が原因という形でひとまず処理された。 -難易度が上昇すると、敵のステータスが増加することに加えて、回復術の効果が軽減されてしまう。他にも逃走速度の低下、アイテムの待機時間の延長、戦闘不能時のBGの減少などの影響が大きい。そのため、基本的な戦い方は据え置きで難易度のみが上がるというよりは、戦い方そのものの見直しを迫られるような調整になっている。取得経験値が減るのも前作同様。 --ブレイクソウルの回復量は据え置きの為、回復術ではなくこちらがメインになっていく。 --高難度でのみ解禁されるシステムもあるため、それを利用すれば低難度よりもスタイリッシュな戦闘を見込める。 --ちなみに、今作での通常難易度は全体的にステータスが低下傾向にあり、HPが中々削れなくて辛い思いをしにくくなっているため、全体的にヌルめになっている。ボス戦も同様。 --回復術が用無しになっていく反面、ステータス異常のみを回復できる術というものは存在せず、必ず回復術と抱き合わせになっている。これは、回復術を無効にするとステータス異常も治療できなくなることを意味するため、回復術の有効・無効や作戦の設定には難儀する。 -2周目以降の周回プレイが賛否両論。 --今回はグレードショップの内容が、過去作品に比べるとやや少なくなっている。レアボード(高速移動アイテム)、術・技、マップ情報、強化した装備品を引き継ぎたかった人は多かった。 ---前作も装備品引継ぎは無かったが、クリア後に前周の装備が手に入る仕様にはなっていた。 --1周目で大抵の要素が解禁できるようになっている。そのため、2周目以降の旨みが薄い。逆に言えば1周するだけでかなりの要素が解禁できるため、数十時間に及ぶ無駄な手間(周回作業)を省くことができるとも言える。 --周回時に術・技はグレードショップにより習得を早める(習得レベルを半分にする)ことが可能ではあるもの、最後のブレイクソウルは何周目であろうとラストダンジョン以降でないと手に入らないようになっているため、最初から強い状態で始めたい人は周回する気が減退しやすいかも。 -装備強化に関して、要求される金額があまりに多いのに対し、戦闘で入手できるお金が少なすぎる。売却専用のアイテムを売り払って溜めるか、2周目の「強化費用半分」「獲得金額アップ」をアテにするしかない。 -歴代要素が多いが少々露骨。アイテムやり込み要素に、過去作のワードが使われることは今までにもあったが、今回はかなり多い。かなり重要なアイテムや、ストーリー中で示唆されることもあるため、そこはオリジナルの名称で良かったのではという声も。 --とはいっても名前だけ借りているだけであり、設定までそのまま持ってきているということではない。 --エレノアが『[[アビス>テイルズ オブ ジ アビス]]』の主人公ルークの第二秘奥義である「ロストフォン・ドライブ」を使うのに違和感を覚えた人も。この秘奥義は該当作の根幹設定に深く基づいており、ルークだからこそ使いこなせる重要な奥義だったせいもあり、あまり嬉しくない歴代要素と言える。 -前作でキーとなった要素である「神依」が敵専用の技として登場する。「神依」を使う敵は前作通り性能が段違いに高くなるがかなり大きな欠陥もある。本作ではパーティメンバーにより、「反吐が出る」「ふざけた名前」等、散々扱き下ろされる。 --前作ファンから批判が集中しても仕方が無い発言であるが、前作での神依自体がゲームバランス崩壊の最大の要因であり評判が著しくなかったため、作中での理由とは別の理由であるが、プレイヤーから共感が得られる事が少なくないため、批判はあまり無い。 **問題点 -便利な移動アイテムが揃っているが、入手できる時期はいずれも遅いうえ、使いたいときに使うことができないという問題を抱えている。 --そのため、前~中版は広大なフィールドを走り回らねばならず、移動速度もお世辞にも速いとは言い難いため、主に2周目以降が煩わしい。 --加えてレアボードの操作には少々癖があるため操作がやたら難しいのが欠点。隠しダンジョンではこれを駆使することを強要されるステージが鬼畜。 -一部の技の性能が高く、同じ技を連発している方が安定してしまう。 --同じ技を連発すると威力が減衰したり、スタン・状態異常確率の減少といったデメリットが発生するが、ごり押しでスタンさせてしまえばソウルをほぼ確実に入手できるというメリットの前には霞む。 --特にベルベットのブレイクソウル「コンジュームクロウ」の効果時間中は絶対に死なないため、ソウルの稼ぎやすさは不死身でいられる時間の長さに直結する。そのためソウルが稼げるようになると高難易度でもほとんど死ななくなる。味方が全員倒れてベルベットだけで大量の敵を相手するという光景も珍しくない。他キャラのブレイクソウルに関しては、無敵時間が発生するものはあるが、効果時間がすぐに終わるため、このようなことは起こらない。 -メニューを開かないと待機キャラのBGが確認できない。 --このため、キャラを入れ替える時に入れ替え先のキャラのBGを確認するのが面倒くさい。そして確認を怠った場合、メンバーを入れ替えた後BG切れを起こし、状況が変わりピンチになっても引っ込めることができないという状況が起こりやすい。 --連携秘奥義、協力秘奥義を使う時は、メニューを開くことが多くなるため、テンポが悪くなりやすい。 -グラフィックはもともとPS3ベースで製作していたためか、2016年のPS4のゲームとしてみるとかなり抑え目。 --当然だが歴代シリーズの中では現在最も質が高い。 ---- **総評 前情報では操作方法の大幅な変更など戸惑う部分もあった上、シリーズで最悪とも言われる前作の前日譚ということで、発売前より地雷として避けていたプレイヤーも少なくなかった。が、いざ蓋を開けてみれば、前作の悪評を振り払って余りある良作であった。~ 売上も初週こそ前作をやや下回った計25万本程だが、3週ほどで30万本を突破するなど歴代作と肩を並べる売り上げを残している。~ 前作の設定を引き継いではいるものの、この1作で物語が完結しているため新規のプレイヤーでも問題なく遊べる。むしろこちらをプレイした後にゼスティリア(ゲームorアニメ)を遊んでもよい。前作を知っていると、より楽しめる程度に留まっている。 ダークなシナリオや描写を問題なく受け容れられるなら、手に取って損は無い逸品である。 ---- **余談 -「ファミ通アワード2016」にて、本作は「優秀賞」を、主人公であるベルベット役の佐藤氏が「女性キャラクターボイス賞」を受賞。 -ザ クロスでは1期5話と6話が本作の序盤を描いたものとなっている。 --他、OPにベルベットが登場したり、2期でベルベットの存在について語られているなどタイトル通りクロス要素が見られている。 -「ファミスタクライマックス」にて、本作の主人公のベルベットがバンダイナムコスターズの選手として登場した。

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