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STED 遺跡惑星の野望 - (2020/03/26 (木) 23:01:39) の1つ前との変更点
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*STED 遺跡惑星の野望
【すてっど いせきわくせいのやぼう】
|ジャンル|RPG||
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|発売元|ケイアミューズメントリース|~|
|開発元|アルファ電子|~|
|発売日|1990年7月27日|~|
|定価|5,900円|~|
|プレイ人数|1人|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|レトロゲーおなじみの戦闘難 &br;落ちこぼれSFシナリオ|~|
----
#contents(fromhere)
----
**あらすじ
突如惑星アルフがモンスターに襲撃される。~
アルフに住む人々は宇宙へと助けを求めた。~
その通信を受信した"STED"と呼ばれる二人の男はアルフに降り立ち、ベディア大陸の首都ティーグの施政官に話を聞くが、曰く要請はしておらず宇宙軍に話を通したとの返答。~
街に人々に話を聴いて回ると、コロナと言う緊急通信を送った少女に出会う。~
曰く、「宇宙軍の事は嘘で施政官が信用出来ない」~
「父を含むモンスターを調べていた人が次々に行方不明になっている」~
彼女を連れ、一同はアルフで何が起きているのかを調べる旅に出る。~
**システム
-『[[怒 (FC)>怒#id_0a900d34]]』や『[[ザ・トライアスロン]]』を輩出した、ケイアミューズメントによるSF調RPG。実際はアルファ電子による外注作で、FC用ソフトとしては『里見八犬伝』(1989年、SNK)に次ぐ開発作品でもある。
-一般的なRPGにあるシステムが全部搭載されており、TRPGのようなシンプルな戦闘計算システムとなっている。
-当作品におけるHPはLP、MPはEPと表記されており、ESPはEPを消費して発動する。
--またレベルが8階級に分けられており、階級が上がるごとにステータス割り振りにボーナスポイントが付く。
-ホテルでの回復に日数を必要とする。
--最初に何日泊まるか指定し、一日ごとにLPとEPが10ずつ回復する。味方が成長した際に全回復させようとすると何日も休憩を取る必要があり、その分必要なお金は増えていくが、1日当たりの費用は格安なので問題にはならない。
-体のパーツへのダメージ
--胴体、四肢と頭部に消耗判定があり、破損扱いとなるとステータスが下がったり、"しぼう=死亡"になるシステムがある。
--LPとは個別の専用のポイントが、受けたダメージの90%の数値ずつ減らされていく。
--パーツの摩耗は街の病院で治療するか、アイテムのリストアーで40ずつ回復する。
--もし完全に壊れてしまったら病院で再生するかアイテムのリペアツールで治すことになる。
--またキャラによって消耗しやすいパーツが設定されている。
-ロボット「ガップ」の存在。
--コロナのお供として加入するガップだが、他のキャラとは全く違う特徴がある。
--仲間になった直後は何もできず、次の町で売っているバトルパックを装備しないと戦いに参加できない。
--戦闘では経験値が入らず、店売りのメインチップとソフトパックでのみ強化が行えるが、ESPが使えない。
--メインチップを変えた直後はステータスが頭一つ抜けて強くなったり、強化パックを付ければ雑魚戦における活躍が期待できる。
--ただしパックを装備するスロットは2つしかなく、必要に応じて装備し直さなければならない。
-人間3人が死んだ場合、ガップの生死に関わらずゲームオーバーになる。
**評価点
-ファミコンRPGでもトップクラスのフィールド移動と戦闘のスピード。
--町の中でも外でも変わらず速く歩けるので、ストレスが溜まりにくい。
--"かいわ そくど"を&bold(){2にした場合}に限るがストレスのない戦闘スピードで進行する。
---翻って"0"と"1"はファミコンにしても&bold(){遅すぎる。}
---なお会話速度の項目ではあるが通常の会話速度は変化せず、戦闘速度にのみ影響を及ぼす。
-エンカキャンセルができる
--2Dフィールドに限り3-4歩に1回メニューを開くとエンカキャンセルが出来る。
-ステータスが割り振りシステムで成長の自由度がある
--レベルアップするとLPとEPに4ポイント、攻撃、防御、知性、素早さに3ポイントを&bold(){任意に割り振ること}が出来る。
---クラスアップ((例:ホワイト7→レッド0))した時のみ、それぞれ2倍のポイントが得られる。
--ステータスの振り直しを可能とするイベントもあるが、LPとEPに関しては&bold(){振り直しが出来ない。}
--またダメージ計算式の都合で、攻撃に3振ると通常攻撃のダメージがプラス3、同じく防御に振ると被ダメージがマイナス3、知能に振ればESPのダメージがプラス3と&bold(){大味だが目に見えて強くなる。}
-宿屋や道具屋の女性店員が可愛い
--店員はすべての町で同じグラなのだが、女性店員は今でも通用するレベルの可愛さで買い物が楽しくなる。
**賛否両論点
-良くも悪くもシナリオを見なくていい場面が多い
--最序盤でコロナが加入し物語の方向性を把握する部分だけ飛ばせないが、それ以降はその殆どが見ずに進行することが可能となる。
---面倒臭がって話を聞かずにいると理解不能に陥るが、特に困らないというのがポイント。
--またシナリオ展開上得られる報酬の一つである塔のコンピューターを止めるためのパスワードは固定。1回覚えてしまえばシナリオが大幅にスキップできる。
---入手時に引き換えになるお金や労力が大きいため優しさと受け取るべきだろうか?
-文字が全てひらがな
--ESPだけESPと表示されるが、それ以外の会話、アイテム、敵味方の名前の全てがひらがなで構成されており読みづらい。
---これはこれで味があり、純粋な問題点とは言いがたい。
-残弾の仕様
--武器のうち、アクテス用の銃とガップ専用のポッドには残弾の設定がある。
--弾がなくなったらアイテムのパワーカートで補充することになる。ダンジョン攻略中に切れたら悲惨。
--アクテスはナイフなど通常の武器を持たせれば気にしなくて済むが、ガップには持ち替えのフォローが利かないため、無駄遣いが出来ない。
-フィールドとダンジョンのシステムが違う。
--フィールドは2Dで自由に動き回れるのだが、ダンジョンに入ると3Dに切り替わるシステムになっている。
--ダンジョンが3Dなのは一概に悪いとは言えないが、ランプなどのアイテムやESPを使わないと真っ暗で進めない、マップを覚えにくいなど難点も多い。
---特に表示される絵が壁とドア、階段のみとシンプルなためマッピングが必要。
---ダンジョンでも塔の最上階のみ2Dになっていてエンカウントもない。
-ダメージ計算式がシンプル。
--TRPGおなじみの方式を取り、敵味方双方、通常攻撃によるダメージが&bold(){攻撃-防御}で計算、&bold(){ESPは軽減の要素がない}。
--これと下記の経験値の項により、少しでも楽にプレイしようとすると防御と知能を上げ、ESPで格上の敵を狩る事が推奨される。
--ただし一部ボスを含めESP無効の敵も多いため、攻撃力を上げたキャラも用意しなければならない。
---これらにより戦闘や成長方針で頭を捻る楽しさはあるものの、ゲームとしての難易度を上げてもいる。
-キャラの性能差
--アクテスだけESPの効果が他の人間二人に比べて低くなり、コロナのみ回復ESPの効果が2倍になる個性が付けられている。
**問題点
-シナリオがSFとしては物足りない。
--導入部でやや期待が持てるものの、肝心のSFらしさが感じられる展開とは言えず、ストーリーも薄いばかりかオチも面白みにかける。
-敵が強い、かつ覚えにくい。
--エンカキャンセルが可能なものの、基本的にエンカウント率が高い。
--名前と見た目から攻撃方法やESPに対する耐性などが関連付けられず、覚えにくい。
---ESP耐性、攻撃耐性を持つ敵の他、攻撃ダメージ無効、特定の属性ESP無効、ESP全体が無効の敵などバラエティに富むが、これらも試してみなければわからない。
--敵の中には素早さだけが異常に高い奴がいる。
---対抗策として味方の素早さを上げてしまうと、肝心のダメージソースが減ることになる。
-お金が稼ぎにくい
--戦闘で得られるお金が絶対的に少ない。
--他の原因としてはアイテム、装備の他魔法まで購入しなければならない他、敵が不相応に強すぎるのと、それに伴う病院や道具屋での治療、ホテルでの回復等必要なコストが多い事が挙げられる。
--所持アイテム破壊の技を持つ敵がおり、装備してないパックやアイテムを破壊してくる。
--ESP忘却という技を持つ敵もいる。いずれも戦闘終了後に回復という救済は無いため、失った場合全て買い直しを要求される。
--これらを賄ってほっと出来るかと思いきや、シナリオでもお金を要求される場面がある。
---具体的にはモンスターに化けるアイテムが必要になるのだが1個10000Crもする上に1回使うと無くなってしまうので無駄遣いできない。
---とはいえこれを使うのはパスワードを手に入れるためなので、上記のようにパスワードを知ってさえいればパスできるのだが。
-経験値が稼ぎにくい。
--得られる経験値がこちらの強さに反比例。
--戦闘開始時に敵の名前の横に数字が表示されるが、これは人間3人の合計の強さと該当する敵の戦闘力から計算された実力差を表す(ほぼ互角なら5)。これが入手経験値のベースとなりこの数字が大きいほど得られる経験値が大きい。
--この数値は装備品でのステータス変化も考慮されるため、同じレベルでも装備を変えただけで経験値の入りが全く変わることになる。
---特に攻撃力に影響を及ぼす武器は実力差に対する影響が大きい。
--そのため装備を更新する際に弱い装備を処分してしまうと、経験値が少ないまま進行せざるをえなくなる。
---これらをふまえて、レベル上げを行う際は防御をベースに知能を上げたESPで殴るキャラを用意するという役割分担が必要となる。
-ガップに限りアイテム、ESPでの蘇生手段がない。
--"しぼう"したら町の修理屋で治療を行わなければならないが、各大陸の首都にしかないケースがほとんど。
--ダメージが溜まった際はメンテボックスかメンテカプセルを使う必要がある。
---メンテボックスなら体のパーツも含めて40回復、メンテカプセルなら体のパーツも含めて全回復できる。
--塔のコンピューターにアクセスできるのはリードパックを装備したガップだけ。該当イベントの進行までにガップが死んだ場合、街に戻って修理し再び塔を登る羽目になる。
-3Dダンジョンのエンカウント仕様
--フィールドと違い3Dダンジョンはエンカウント回避が出来ない。
--またフロアごとに固定でエンカウントする場所があり、敵を倒さなければ先に進めない(ただし逃げても1歩前に戻されるだけ)。
---特にラストダンジョン最上階への階段の前には小部屋が4つ並んでいて全て固定エンカウントが設定されている、所謂「最後の4連戦」がある。1戦ごとに回復ができるもののかなり辛い。
--ただマップはどんなに広くとも8x8マスの多段構造で、階層ごとにエンカウント率もリセットされるため、迷子にならなければ戦闘回数自体は少なく済む。
-ショップでの買い物の仕様
--ショップで買い物をするとき、商品を選ぶと「それでいいですか?」と聞かれることもなくいきなり「○○をおかいあげ。○○に××Crしはらった。」と一発で購入してしまう。終盤で操作ミスしたら致命的な事になってしまう。
-アイテム効果がわかりにくい
--時代が時代のため説明書依存かと思えば、説明書にもろくに書いてない有様。
---流石ファミコンと言いたいがRPGでは致命的。
-移動手段の乏しさ
--街同士を簡単に行き来する手段がない。
--テレターンという街に戻れるアイテムがあるが、最後にセーブした街にしか飛べないという[[ドラクエ1>ドラゴンクエスト]]のキメラのつばさと同等。
--長距離を戻る事になった場合、全て歩き。
-宝箱、隠しアイテムの存在が分かりにくい。
--2Dフィールドには隠しアイテムが存在する。しかしアイテムがフィールドに落ちていること自体を教えてもらえない。また3Dダンジョンの宝箱もその場を調べないと出てこない。
---ガップにスキャンパックを装備させていればそこに行くだけで見つけてくれるとはいえ、不親切である。
-ハープにおける問題点
--ハープは1回使うと無くなり、パスワードを聞いて一度フィールドマップに戻ってしまうと遺跡に入れなくなる。2度目のステータス変更を行う場合、隠されている2つ目のハープを入手しなければならない。
---ハープは2つしかないため3回目の突入は不可能。
---2つ目のハープの存在は教えてもらえないため、その事を知らなければレベルを上げてなけなしのボーナスで調整をしなければならない。
--ステータス振り直しを行うごとにマップがバグる。
--振り直し自体は遺跡から出ない限り何度でも可能だが、1度振り直しを行う度に画面が壊れ、使い続けると脱出手段が無くなり詰みが発生する。
--安全を取って1回毎に出入りをすれば詰み状態にはならないため、調整自体の不都合はないが不便。
**総評
オーソドックスなSFRPGとしては成立しているものの、&br;
リアルを追求した故に面倒臭さが上回ってしまったシステムのため、&br;
ゲームとしての破綻はないが惜しい作品になってしまった。
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*STED 遺跡惑星の野望
【すてっど いせきわくせいのやぼう】
|ジャンル|RPG||
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|発売元|ケイアミューズメントリース|~|
|開発元|アルファ電子|~|
|発売日|1990年7月27日|~|
|定価|5,900円|~|
|プレイ人数|1人|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|レトロゲーおなじみの戦闘難 &br;落ちこぼれSFシナリオ|~|
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#contents(fromhere)
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**あらすじ
突如惑星アルフがモンスターに襲撃される。~
アルフに住む人々は宇宙へと助けを求めた。~
その通信を受信した"STED"と呼ばれる二人の男はアルフに降り立ち、ベディア大陸の首都ティーグの施政官に話を聞くが、曰く要請はしておらず宇宙軍に話を通したとの返答。~
街に人々に話を聴いて回ると、コロナと言う緊急通信を送った少女に出会う。~
曰く、「宇宙軍の事は嘘で施政官が信用出来ない」~
「父を含むモンスターを調べていた人が次々に行方不明になっている」~
彼女を連れ、一同はアルフで何が起きているのかを調べる旅に出る。~
**システム
-『[[怒 (FC)>怒#id_0a900d34]]』や『[[ザ・トライアスロン]]』を輩出した、ケイアミューズメントによるSF調RPG。実際はアルファ電子による外注作で、FC用ソフトとしては『里見八犬伝』(1989年、SNK)に次ぐ開発作品でもある。
-一般的なRPGにあるシステムが全部搭載されており、TRPGのようなシンプルな戦闘計算システムとなっている。
-当作品におけるHPはLP、MPはEPと表記されており、ESPはEPを消費して発動する。
--またレベルが8階級に分けられており、階級が上がるごとにステータス割り振りにボーナスポイントが付く。
-ホテルでの回復に日数を必要とする。
--最初に何日泊まるか指定し、一日ごとにLPとEPが10ずつ回復する。味方が成長した際に全回復させようとすると何日も休憩を取る必要があり、その分必要なお金は増えていくが、1日当たりの費用は格安なので問題にはならない。
-体のパーツへのダメージ
--胴体、四肢と頭部に消耗判定があり、破損扱いとなるとステータスが下がったり、"しぼう=死亡"になるシステムがある。
--LPとは個別の専用のポイントが、受けたダメージの90%の数値ずつ減らされていく。
--パーツの摩耗は街の病院で治療するか、アイテムのリストアーで40ずつ回復する。
--もし完全に壊れてしまったら病院で再生するかアイテムのリペアツールで治すことになる。
--またキャラによって消耗しやすいパーツが設定されている。
-ロボット「ガップ」の存在。
--コロナのお供として加入するガップだが、他のキャラとは全く違う特徴がある。
--仲間になった直後は何もできず、次の町で売っているバトルパックを装備しないと戦いに参加できない。
--戦闘では経験値が入らず、店売りのメインチップとソフトパックでのみ強化が行えるが、ESPが使えない。
--メインチップを変えた直後はステータスが頭一つ抜けて強くなったり、強化パックを付ければ雑魚戦における活躍が期待できる。
--ただしパックを装備するスロットは2つしかなく、必要に応じて装備し直さなければならない。
-人間3人が死んだ場合、ガップの生死に関わらずゲームオーバーになる。
**評価点
-ファミコンRPGでもトップクラスのフィールド移動と戦闘のスピード。
--町の中でも外でも変わらず速く歩けるので、ストレスが溜まりにくい。
--"かいわ そくど"を&bold(){2にした場合}に限るがストレスのない戦闘スピードで進行する。
---翻って"0"と"1"はファミコンにしても&bold(){遅すぎる。}
---なお会話速度の項目ではあるが通常の会話速度は変化せず、戦闘速度にのみ影響を及ぼす。
-エンカウントのキャンセルが出来る
--2Dフィールドに限り3~4歩に1回メニューを開くとエンカウントのキャンセル出来る。
-ステータスが割り振りシステムで成長の自由度がある
--レベルアップするとLPとEPに4ポイント、攻撃、防御、知性、素早さに3ポイントを&bold(){任意に割り振ること}が出来る。
---クラスアップ((例:ホワイト7→レッド0))した時のみ、それぞれ2倍のポイントが得られる。
--ステータスの振り直しを可能とするイベントもあるが、LPとEPに関しては&bold(){振り直しが出来ない。}
--またダメージ計算式の都合で、攻撃に3振ると通常攻撃のダメージがプラス3、同じく防御に振ると被ダメージがマイナス3、知能に振ればESPのダメージがプラス3と&bold(){大味だが目に見えて強くなる。}
-宿屋や道具屋の女性店員が可愛い
--店員はすべての町で同じグラなのだが、女性店員は今でも通用するレベルの可愛さで買い物が楽しくなる。
**賛否両論点
-良くも悪くもシナリオを見なくていい場面が多い
--最序盤でコロナが加入し物語の方向性を把握する部分だけ飛ばせないが、それ以降はその殆どが見ずに進行することが可能となる。
---面倒臭がって話を聞かずにいると理解不能に陥るが、特に困らないというのがポイント。
--またシナリオ展開上得られる報酬の一つである塔のコンピューターを止めるためのパスワードは固定。1回覚えてしまえばシナリオが大幅にスキップできる。
---入手時に引き換えになるお金や労力が大きいため優しさと受け取るべきだろうか?
-文字が全てひらがな
--ESPだけESPと表示されるが、それ以外の会話、アイテム、敵味方の名前の全てがひらがなで構成されており読みづらい。
---これはこれで味があり、純粋な問題点とは言いがたい。
-残弾の仕様
--武器のうち、アクテス用の銃とガップ専用のポッドには残弾の設定がある。
--弾がなくなったらアイテムのパワーカートで補充することになる。ダンジョン攻略中に切れたら悲惨。
--アクテスはナイフなど通常の武器を持たせれば気にしなくて済むが、ガップには持ち替えのフォローが利かないため、無駄遣いが出来ない。
-フィールドとダンジョンのシステムが違う。
--フィールドは2Dで自由に動き回れるのだが、ダンジョンに入ると3Dに切り替わるシステムになっている。
--ダンジョンが3Dなのは一概に悪いとは言えないが、ランプなどのアイテムやESPを使わないと真っ暗で進めない、マップを覚えにくいなど難点も多い。
---特に表示される絵が壁とドア、階段のみとシンプルなためマッピングが必要。
---ダンジョンでも塔の最上階のみ2Dになっていてエンカウントもない。
-ダメージ計算式がシンプル。
--TRPGおなじみの方式を取り、敵味方双方、通常攻撃によるダメージが&bold(){攻撃-防御}で計算、&bold(){ESPには軽減できる要素はない}。
--これと下記の経験値の項により、少しでも楽にプレイしようとすると防御と知能を上げ、ESPで格上の敵を狩る事が推奨される。
--ただし一部ボスを含めESP無効の敵も多いため、攻撃力を上げたキャラも用意しなければならない。
---これらにより戦闘や成長方針で頭を捻る楽しさはあるものの、ゲームとしての難易度を上げてもいる。
-キャラの性能差
--アクテスだけESPの効果が他の人間二人に比べて低くなり、コロナのみ回復ESPの効果が2倍になる個性が付けられている。
**問題点
-シナリオがSFとしては物足りない。
--導入部でやや期待が持てるものの、肝心のSFらしさが感じられる展開とは言えず、ストーリーも薄いばかりかオチも面白みにかける。
-敵が強い、かつ覚えにくい。
--エンカキャンセルが可能なものの、基本的にエンカウント率が高い。
--名前と見た目から攻撃方法やESPに対する耐性などが関連付けられず、覚えにくい。
---ESP耐性、攻撃耐性を持つ敵の他、攻撃ダメージ無効、特定の属性ESP無効、ESP全体が無効の敵などバラエティに富むが、これらも試してみなければわからない。
--敵の中には素早さだけが異常に高い奴がいる。
---対抗策として味方の素早さを上げてしまうと、肝心のダメージソースが減ることになる。
-お金が稼ぎにくい
--戦闘で得られるお金が絶対的に少ない。
--他の原因としてはアイテム、装備のほかに魔法まで購入しなければならない、敵が不相応に強すぎる、それに伴う病院や道具屋での治療、ホテルでの回復等必要なコストが多い事が挙げられる。
--所持アイテム破壊の技を持つ敵がおり、装備してないパックやアイテムを破壊してくる。
--ESP忘却という技を持つ敵もいる。いずれも戦闘終了後に回復という救済は無いため、失った場合全て買い直しを要求される。
--これらを賄ってほっと出来るかと思いきや、シナリオでもお金を要求される場面がある。
---具体的にはモンスターに化けるアイテムが必要になるのだが1個10,000 Crもする上に1回使うと無くなってしまうので無駄遣いできない。
---とはいえこれを使うのはパスワードを手に入れるためなので、上記のようにパスワードを知ってさえいればパスできるのだが。
-経験値が稼ぎにくい。
--得られる経験値がこちらの強さに反比例。
--戦闘開始時に敵の名前の横に数字が表示されるが、これは人間3人の合計の強さと該当する敵の戦闘力から計算された実力差を表す(ほぼ互角なら5)。これが入手経験値のベースとなりこの数字が大きいほど得られる経験値が大きい。
--この数値は装備品でのステータス変化も考慮されるため、同じレベルでも装備を変えただけで経験値の入りが全く変わることになる。
---特に攻撃力に影響を及ぼす武器は実力差に対する影響が大きい。
--そのため装備を更新する際に弱い装備を処分してしまうと、経験値が少ないまま進行せざるをえなくなる。
---これらをふまえて、レベル上げを行う際は防御をベースに知能を上げたESPで殴るキャラを用意するという役割分担が必要となる。
-ガップに限りアイテム、ESPでの蘇生手段がない。
--"しぼう"したら町の修理屋で治療を行わなければならないが、各大陸の首都にしかないケースがほとんど。
--ダメージが溜まった際はメンテボックスかメンテカプセルを使う必要がある。
---メンテボックスなら体のパーツも含めて40回復、メンテカプセルなら体のパーツも含めて全回復できる。
--塔のコンピューターにアクセスできるのはリードパックを装備したガップだけ。該当イベントの進行までにガップが死んだ場合、街に戻って修理し再び塔を登る羽目になる。
-3Dダンジョンのエンカウント仕様
--フィールドと違い3Dダンジョンはエンカウント回避が出来ない。
--またフロアごとに固定でエンカウントする場所があり、敵を倒さなければ先に進めない(ただし逃げても1歩前に戻されるだけ)。
---特にラストダンジョン最上階への階段の前には小部屋が4つ並んでいて全て固定エンカウントが設定されている、所謂「最後の4連戦」がある。1戦ごとに回復ができるもののかなり辛い。
--ただマップはどんなに広くとも8x8マスの多段構造で、階層ごとにエンカウント率もリセットされるため、迷子にならなければ戦闘回数自体は少なく済む。
-ショップでの買い物の仕様
--ショップで買い物をするとき、商品を選ぶと「それでいいですか?」と聞かれることもなくいきなり「○○をおかいあげ。○○に××Crしはらった。」と一発で購入してしまう。終盤で操作ミスしたら致命的な事になってしまう。
-アイテム効果がわかりにくい
--時代が時代のため説明書依存かと思えば、説明書にもろくに書いてない有様。
---流石ファミコンと言いたいがRPGでは致命的。
-移動手段の乏しさ
--街同士を簡単に行き来する手段がない。
--テレターンという街に戻れるアイテムがあるが、最後にセーブした街にしか飛べないという[[ドラクエ1>ドラゴンクエスト]]のキメラのつばさと同等。
--長距離を戻る事になった場合、全て歩き。
-宝箱、隠しアイテムの存在が分かりにくい。
--2Dフィールドには隠しアイテムが存在する。しかしアイテムがフィールドに落ちていること自体を教えてもらえない。また3Dダンジョンの宝箱もその場を調べないと出てこない。
---ガップにスキャンパックを装備させていればそこに行くだけで見つけてくれるとはいえ、不親切である。
-ハープにおける問題点
--ハープは1回使うと無くなり、パスワードを聞いて一度フィールドマップに戻ってしまうと遺跡に入れなくなる。2度目のステータス変更を行う場合、隠されている2つ目のハープを入手しなければならない。
---ハープは2つしかないため3回目の突入は不可能。
---2つ目のハープの存在は教えてもらえないため、その事を知らなければレベルを上げてなけなしのボーナスで調整をしなければならない。
--ステータス振り直しを行うごとにマップがバグる。
--振り直し自体は遺跡から出ない限り何度でも可能だが、1度振り直しを行う度に画面が壊れ、使い続けると脱出手段が無くなり詰みが発生する。
--安全を取って1回毎に出入りをすれば詰み状態にはならないため、調整自体の不都合はないが不便。
**総評
オーソドックスなSFRPGとしては成立しているものの、&br;
リアルを追求した故に面倒臭さが上回ってしまったシステムのため、&br;
ゲームとしての破綻はないが惜しい作品になってしまった。
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