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Rhapsodia - (2012/11/24 (土) 01:18:06) の最新版との変更点
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*Rhapsodia
【らぷそでぃあ】
|ジャンル|SRPG|&amazon(B000A6CIHM)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|発売・開発元|コナミ|~|
|発売日|2005年9月22日|~|
|定価|通常版:6,980円(税込)|~|
|レーティング|CERO:12才以上対象|~|
|廉価版|コナミ ザ・ベスト:2006年11月16日/2,940円(税込)|~|
|備考|通常版には特典音楽集CD同梱|~|
|>|>|CENTER:''[[幻想水滸伝シリーズリンク>幻想水滸伝シリーズ]]''|
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**概要
-本作は『[[幻想水滸伝IV]]』の外伝作品で、ジャンルは変わりSRPGとなり、主人公含めた主要人物も別のキャラクター達となっている。
--『幻想水滸伝IV』で登場した宿星たちも多数登場し、仲間ユニットとして戦わせることも可能。
--『IV』のデータをコンバートすることもでき、データの状態によって仲間が増えたり、セリフの一部が変更されたりする。
-タイトルやパッケージから『IV』関連の作品だと分からず、本作を見逃す人も少なくなかった。
--そもそも『IV』への評価が概ね芳しくなかったため、期待されずスルーされた可能性もあるが……。
**ストーリー
-物語は序盤『IV』の数年前が語られ、中盤以降はその後の話が展開される。
--海上戦で使われていた「紋章砲」を主軸に、『IV』のストーリーを補完するものとなっている。
-ストーリーは全体的に重め。
--特に序盤の海賊スティールとの戦いで語られる主人公一行の過去、『IV』でも登場したブランド達の過去エピソードが立て続けに起こるのだが、中々にショッキングな展開。
#region(ネタバレ注意)
-主人公キリルの父であるウォルターが、特殊な紋章砲の力によって魚の姿をした化け物になってしまう。そして理性を失い、息子に襲い掛かる。
--部下であるアンダルクは、キリルを守るため不本意ながらもウォルターを手に掛ける。
---この出来事が原因で、キリルは魚人タイプのモンスターにとどめを刺すことができない仕様となっている。~
-ブランドの親友であり、キカの恋人でもあるエドガーは、スティールの宿していた罰の紋章により死亡。
--その後、紋章の代償によりスティールは死亡し、罰の紋章はブランドへ。
---この紋章は後に、『幻想水滸伝IV』で紆余曲折を経て、最終的にIV主人公が宿すことになる。
-ブランドの手下であったペックは、このときの紋章砲の破壊工作の影響で中途半端に魚の化け物となってしまう。
--このペックは『IV』の「暗器使い」である。
-エドガーをみすみす死なせ、罰の紋章を宿してしまったブランドはキカたちのもとへ戻らないことを語り、ペックもそれに付き従う。
--キカはブランドは帰ってこず、エドガーの亡骸が入った棺桶を見て消沈する。~
-上記の展開が悲劇的に流れる音楽と共に立て続けにおき、特に『IV』を知るものにとっては中々に感慨深いエピソードだった。~
-主にメインストーリはほとんどこのようにシリアス。
--貧富の差から些細な出来事が原因で子供の命が奪われ、生き残った連れの子供も後に騙されて魚の化け物にされる。
--ヒロインも前途多難で、父や祖父は魚の化け物にされ、母は黒幕と不倫状態になる。~
#endregion()
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**特徴・評価点
-本作の特徴として「地面属性システム」があり、アイテムや紋章などを使うことにより、フィールド上のマスの属性を変えることができる。
--ユニットにはそれぞれ属性があり、同じ属性上のマスにいると能力が向上し、行動終了後に回復する。
--逆に苦手な属性上のマスにいると能力が下がり、行動終了後にダメージを受けたりなど、メリットとデメリットの差が大きい。
--そのため、考えて各ユニットにアイテムや紋章を装備させ、味方側は有利に、敵側を不利にするように立ち回ることが求められ、本作の戦略性を大きく高めている。
--他にも戦闘中でのユニットの交代が可能、騎乗による移動範囲の増加など戦略の幅は広い。~
-好感度の概念があり、会話が出来るユニット同士が近くにいると、ランダムで追撃を行ったり、敵の攻撃からかばったりなど支援アクションをする。
--シリーズ恒例の協力攻撃もある。連発ができない、配置が決まっていないといけないなど制約もあるが、どれも効果は高い。~
-戦闘面でのインターフェースは良好な方。
--リトライが可能で、敗北時に即時コンテニューができる。
--マス設定や俯瞰視点が可能で、フィールドを把握しやすい。
--ダメージを与えるコマンド決定前、ダメージ期待値、回避発生率などが表示される。
--攻撃が成功した場合に倒せるかどうか、マスの属性を変えた場合にそのマス上にいるユニットに有利か不利など、行動時にユニットに与える影響がコマンド決定前にふきだしで表示され、敵味方の状態を逐一確認する手間が緩和されている。~
-町やギルドでのサブイベントや、フィールド毎に異なるクリアランクによる報酬など、シミュレーションRPGとしての寄り道、やりこみ要素も申し分なし。
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**問題・賛否両論点
-一回の戦闘が長くなりがち。
--SRPGの常とはいえ、それでも本作は一戦闘の時間がかかりがち。
--エフェクトは長いわけではないが、カット機能はあったほうがよかった。
-キャラクターの等身が『IV』から下がった。
--『IV』の外伝的作品で繋がりも大きいのに、ジャンルが変わった上でキャラの基準まで変わっているため、違和感を感じる人は多かった。
-ストーリー
--本作で重要な存在である魚人というモンスターだが、『IV』ではこれといった条件もなく普通にエンカウントする雑魚モンスターだった。
--詳しく書くとネタバレになるが、本作でこれだけ重要な位置を占めることになっているのに、『IV』で全く触れられていないのは違和感を感じる。
--また、クライマックスで主人公の父が紋章砲を追っていた本当の理由、主人公に付き従っていた「あるキャラ」の謎が明らかになるのだが、これが中々に衝撃的で戸惑いを感じる人も多かった。
-味方ユニットの死亡
--メインストーリーに絡まない主なユニットは、やられた際に離脱せずに死亡してしまうことがあり、死亡したユニットは二度と使えなくなる。
--宿星が死亡することがあるのは、幻水シリーズでもあることだが、一戦闘が長くなりがちな本作において、死亡する可能性のあるユニットは気軽には使えない。
--死亡しないユニットとこれといって能力に優劣がつきにくいのも、死亡する可能性のあるユニットを使うことを敬遠させる理由となっている。
--戦闘で緊張感を生む要因にもなるので一概に欠点とはいえないが……。
-戦闘では、特定の条件で敵援軍が来ることがあるのだが、これが些か理不尽。
--援軍は敵を一定数倒したり、進行したりすると出現するが、初見でどのタイミングで援軍が出現するか、どこに援軍が出現するか分からないので、唐突に出現してユニットが危険に晒されることになる。
--この条件が不明瞭なまま現れることもあって、余計に死亡する可能性のあるユニットは怖くて使いにくい。
**その他
-『幻想水滸伝IV』のクリアデータをコンバートすると、IV主人公とスノウを仲間にすることができる。
-IV主人公はステータスが高いことに加え、『IV』で微妙な性能だった「罰の紋章」は高性能な上にデメリットもなくなっている。
-関連する協力攻撃もどれも使いやすく優秀。
-スノウは仲間になるのが中盤以降なのにレベル1。ある意味で彼らしい。
--服装も一新されており、これで彼は『IV』含めて5種類の服装バリエーションがあることになる。
--子供時代のも含めると6種類、優遇されすぎである。
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**総評
SRPGとして見れば本作の出来は申し分なく、むしろ良作といってもいい。シナリオ部分も洗練されているわけではないが、要所要所でしっかりと爪あとを残してくれる魅力がある。しかし、一般的に駄作と評される『IV』と繋がりの深い作品で、補完的な意味合いも強い。ジャンルなど毛色も異なるため評価は分かれやすい。
*Rhapsodia
【らぷそでぃあ】
|ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B000A6CIHM)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|発売・開発元|コナミ|~|
|発売日|2005年9月22日|~|
|定価|通常版:6,980円(税込)|~|
|レーティング|CERO:12才以上対象|~|
|廉価版|コナミ ザ・ベスト&br;2006年11月16日/2,940円(税込)|~|
|備考|通常版には特典音楽集CD同梱|~|
|判定|なし|~|
|>|>|CENTER:''[[幻想水滸伝シリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
『[[幻想水滸伝IV]]』の外伝作品。~
ジャンルは変わりSRPGとなり、主人公含めた主要人物も別のキャラクター達となっている。~
『IV』で登場した宿星達も多数登場し、仲間ユニットとして戦わせることも可能。~
更に『IV』のデータをコンバートすることもでき、データの状態によって仲間が増えたり、セリフの一部が変更されたりする。
**ストーリー
-物語は序盤『IV』の数年前が語られ、中盤以降はその後の話が展開される。
--海上戦で使われていた「紋章砲」を主軸に、『IV』のストーリーを補完するものとなっている。
-ストーリーは全体的に重め。
--特に序盤のスティールとの戦いで語られる主人公一行と、『IV』でも登場したブランド達の過去エピソードが立て続けに起こるのだが、中々にショッキングな展開。
#region(ネタバレ注意)
-主人公キリルの父であるウォルターが、特殊な紋章砲の力によって魚の姿をした化け物になってしまう。そして理性を失い、息子に襲い掛かる。
--部下であるアンダルクは、キリルを守るため不本意ながらもウォルターを手に掛ける。
---この出来事が原因で、キリルは魚人タイプのモンスターにとどめを刺すことができない仕様となっている。
-ブランドの親友であり、キカの恋人でもあるエドガーは、スティールの宿していた罰の紋章により死亡。
--その後、紋章の代償によりスティールは死亡し、罰の紋章はブランドへ。
---この紋章は後に、『幻想水滸伝IV』で紆余曲折を経て、最終的にIV主人公が宿すことになる。
-エドガーをみすみす死なせ、罰の紋章を宿してしまったブランドはキカ達の下へ戻らないことを語り、ペックもそれに付き従う。
--ブランドの手下であったペックは『IV』の「暗器使い」であるが、このときの紋章砲の破壊工作の影響で中途半端に魚の化け物となってしまう。
--キカは、ブランドが帰らぬこととエドガーの亡骸が入った棺桶を見て消沈する。
-上記の展開が悲劇的に流れる音楽と共に立て続けにおき、特に『IV』を知るものにとっては中々に感慨深いエピソードだった。
-主にメインストーリはほとんどこのようにシリアス。
--貧富の差から些細な出来事が原因で子供の命が奪われ、生き残った連れの子供も後に騙されて魚の化け物にされる。
--ヒロインも前途多難で、父や祖父は魚の化け物にされ、母は黒幕と不倫状態になる。
---母が父を裏切ったことを知ったヒロインは、「父を捨てるのか」と母を責める。このセリフだけではわからないのでなんともいえないが、もしヒロインが母と黒幕の関係を知り尽くしていたとしたら、相当な耳年増である。
---黒幕に利用されていただけということを理解した母は、黒幕を殺害しようとするが、致命傷を負わせただけにとどまり、刺し違えてそのまま死亡。娘に謝罪の言葉を述べながら絶命した。
---瀕死の状態になった黒幕は、紋章砲を使って自らを魚の化け物に変えるが、主人公に倒される。「私こそが真の愛国者だ。」と負け惜しみを言って、死亡した。
#endregion()
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**特徴・評価点
-本作の特徴として「地面属性システム」があり、アイテムや紋章などを使うことにより、フィールド上のマスの属性を変えることができる。
--ユニットにはそれぞれ属性があり、同じ属性上のマスにいると能力が向上し、行動終了後に回復する。
--逆に苦手な属性上のマスにいると能力が下がり、行動終了後にダメージを受けたりなど、メリットとデメリットの差が大きい。
--そのため、考えて各ユニットにアイテムや紋章を装備させ味方側は有利に、敵側を不利にするように立ち回ることが求められ、本作の戦略性を大きく高めている。
--他にも戦闘中でのユニットの交代が可能、騎乗による移動範囲の増加など戦略の幅は広い。
-好感度の概念があり、会話が出来るユニット同士が近くにいると、ランダムで追撃を行ったり、敵の攻撃から庇ったりなど支援アクションをする。
--シリーズ恒例の協力攻撃もある。連発ができない、配置が決まっていないといけないなど制約もあるが、どれも効果は高い。
-戦闘面でのインターフェースは良好な方。
--リトライが可能で、敗北時に即時コンテニューができる。
---リトライ時には、その戦闘におけるアイテムや紋章の使用記録とユニットの死亡記録はリセットされる一方、その戦闘で積み重ねたレベルや経験値はそのまま引き継がれるので、よほど装備やアイテムなどの準備を怠っていない限りは無理にリセットする必要はない。その点でも、SRPGが得意でない人にもプレイしやすい。
--マス設定や俯瞰視点が可能で、フィールドを把握しやすい。
--ダメージを与えるコマンド決定前、ダメージ期待値、回避発生率などが表示される。
--攻撃が成功した場合に倒せるかどうか、マスの属性を変えた場合にそのマス上にいるユニットに有利か不利など、行動時にユニットに与える影響がコマンド決定前にふきだしで表示され、敵味方の状態を逐一確認する手間が緩和されている。
-サポートキャラクターに相当するユニットも登場するが、『IV』とは違い、性能・役割がそれぞれのユニットではっきり異なっていて、「個性がない」「能力差が大きい」などといった問題点がなくなっている。
-町やギルドでのサブイベントや、フィールド毎に異なるクリアランクによる報酬など、シミュレーションRPGとしての寄り道、やりこみ要素も申し分なし。
-前作にあたる『IV』があまりにも短いストーリーで、かつ色々と投げっ放しな部分も多かったため、それをある程度補完し、さらに敵国だったクールークが結局どうなるのかを描いており、また幻想世界とは異なる異世界からの生命体の召喚等にも触れているため、外伝というよりは実質『IV』後編と呼んで差し支えない内容となっている。
-アイテム・所持金・装備品を引き継いだニューゲームが可能となっており、周回を重ねるごとに装備品やアイテムに余裕を持ったプレイが可能になっている。
--但し、1回起こしたら二度と見られない支援会話等も存在する。
--難度が高い寄り道ダンジョンは1周目での攻略が無理でも、周回を重ねるごとに余裕が出来るので、この手のゲームが苦手なユーザーでも全イベント・依頼のコンプリートは可能である。
-ボイスキャストの演技は良好。
--『IV』に出演したキャストも多数出演しており、『IV』で演じたキャラクターと同じキャラクター、『IV』で演じたのとは違うキャラクター、またはその両方を兼任して、演じているが、いずれにしても『IV』での演技が信じられないほどの演技力を発揮している。
---『IV』での演技がかなり不評だったため、『IV』のキャストらが本作で名誉挽回を果たす形となった。
--また、声の仕事は当然素人であるスタッフらも、チョイ役で出演。演技力はお察しの通りだが、素人ならではの味がある。
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**賛否両論点
-味方ユニットの死亡
--メインストーリーに絡まない主なユニットは、やられた際に離脱せずに死亡してしまうことがあり、死亡したユニットは二度と使えなくなる。
--宿星が死亡することがあるのは、幻水シリーズでもあることだが、一戦闘が長くなりがちな本作において、死亡する可能性のあるユニットは気軽には使えない。
--死亡しないユニットとこれといって能力に優劣がつきにくいのも、死亡する可能性のあるユニットを使うことを敬遠させる理由となっている。
--戦闘で緊張感を生む要因にもなるので一概に欠点とはいえないが……。
-上記のシナリオが昼ドラ的と不評。
--決して悪いわけではないが、これまでのシリーズ作品とは雰囲気が異なるため、批判の声も少なくない。
---これまでの作品は、どちらかというと健全な内容である。
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**問題点
-1回の戦闘が長くなりがち。
--ゲームスピードの設定変更は、ユニットの移動速度が変わるのみ。
--エフェクトは長いわけではないが、カット機能はあった方が良かった。
-戦闘前準備が面倒。
--アイテムなどは各ユニット別に装備させたものしか使えないため、消費系アイテムは一戦闘ごとに装備させる必要がある。
--本作の戦闘でのキモでもある地面属性の変更は、基本的に消費系アイテムを利用することが多いためこの作業は避けられない。
-『[[幻想水滸伝III]]』のスキルシステムが導入されたが、『III』とは違って、本人の装備可能なスキルであれば、全員がすべてのスキルを最高ランクのSまで上げられてしまう。
--『III』では、キャラクターによってランクの上限の違いを設けることにより、キャラクターの個性をそこでつけていた。本作の場合、スキルのランクの上限が全員一緒となると、ユニットの個性が薄くなってしまう。
--ただし、本作においても、ユニットによっては装備不可能なスキルもあること、『III』における「固有スキル」の概念もあること、『III』における「素質」の概念もありスキルの得意不得意によって消費スキルポイントが変わってくること、本作では一部の例外を除きいわゆる魔法使い系のキャラでなければ魔法関係の紋章を装備できないことなどから、キャラクターの個性がないわけではない。むしろ、キャラクターの個性はある方である(バランスが良いかどうかは別として)。
-クリアランクの評価基準がおかしい。
--本作ではバトルに勝利するとS・A・B・Cいずれかの戦闘評価がつき、ランクに応じたアイテムが報酬として手に入るようになっている。このシステム自体はいいのだが、ランクを決める評価基準がかなり独特で、プレイヤー側の心理と噛み合っていないところがままある。特に慎重なプレイスタイルだと低評価されやすいので、人によってはクリアするたびにモチベーションを下げられてしまう。
-キャラクターの頭身が『IV』から下がった。
--『IV』の外伝的作品で繋がりも大きいのに、ジャンルが変わった上でキャラの基準まで変わっているため、違和感を覚えるユーザーは多かった。
-ストーリー
--本作で重要な存在である魚人というモンスターだが、『IV』ではこれといった条件もなく普通にエンカウントする雑魚モンスターだった。
--詳しく書くとネタバレになるが、本作でこれだけ重要な位置を占めることになっているのに、『IV』で全く触れられていないのは違和感がある。
---一応フォローしておくと、『IV』で、魚人に関していろいろと詳しいことまで知っている(そのこと自体は本作で明かされることになるのだが)ある人物が意味深な発言をしたり態度をとったりなどしたり、紋章砲が世に出てから魔物が増えたことが語られたりなどはしていた。
--また、クライマックスで主人公の父が紋章砲を追っていた本当の理由、主人公に付き従っていた「あるキャラ」の謎が明らかになるのだが、これが中々に衝撃的で戸惑う人も多かった。
#region(そのほか…ネタバレ注意)
-上記にあるように、多くの人が魚の化け物となる。最初の人物が魚の化け物になったときはショックを受けるが、そのあと、多くの人が魚の化け物になるため、マンネリ化してくる。はっきりいうと、魚人化の安売りである。
-仲間キャラの一人で、外見は若い男性だが、作中の数々の描写から、外見とは違いかなりの高齢であることがうかがえる人物が登場する。しかし、彼が不老体質である理由は語られない。魔法使いキャラでかなり強大な魔力を持つらしいが、それと関係があるのだろうか。確かに従来までも強大な力を持つ魔法使いで年齢の割には見た目が若い者も登場したが、それにしたって彼は若すぎる。ストーリーに絡むメインキャラでもあるので、目について気になってしまう。
--本シリーズでは不老者は真の紋章の所有者として語られることが多く、従来までに登場したそれ以外の不老者は、原則としてストーリー上必要があるために登場させたようなものだった。ストーリー上必要があれば真の紋章の所有者以外の不老者が現れてもいいのだが、ストーリー上、彼が不老者である必要性はまったくない。~
真の紋章の所有者である可能性もあるにはあるが、それを思わせるような描写や伏線の類もないため(従来までは、伏線や描写などがあった)、やはり彼が不老である必要性について考えてしまう。
---本作のメインキャラで真の紋章の所有者以外の不老者が登場。そのこと自体は上記で述べたようにストーリー上必要があるためいいのだが、このタイミングでわざわざ彼のような別の不老者を登場させたことを考えると、彼の出自がそのキャラたちと同じと考えられなくもない。もしそういうことなら、この件に関するフォローはできる。…が、そのキャラたちがこの世界に登場したのは約20年前なので、上記の作中の描写からやや計算が合わない。彼の実年齢が50代前半~半ばと考えれば、合わないでもないが…。
-主人公の目的が私怨・価値観によるところが大きく、共感できなければ納得しながらのプレイは難しい。~
主人公の目的は全ての紋章砲の破壊であり、その理由は「父を殺した紋章砲、みんなを傷つける紋章砲をなくしたいから」。しかし、「紋章砲を扱う側に問題があるのであって、紋章砲自体に問題があるわけではないのでは?」などと、この目的・動機を遠回しに批判するユーザーも、ちらほら見られる。
--実際に、4にしろ本作にしろ、紋章砲を自身の利益や野望のために利用しようとした者たちが登場しており、彼らのせいで被害が拡大してしまった。彼らを討伐の対象とするならともかく、悪気も何もない「道具」を壊そうというのは、筋違いともいえる。
--レーティングにひっかかっているのは伊達ではなく、主人公らの行動は、個人単位ではなく世界レベルにまで規模が及ぶもので、そういう意味だとれっきとしたテロ行為である。また、きっかけが私怨だろうと自分の価値観からだろうと、結果的に公共のためになっていれば問題ないが、紋章砲悪用者討伐におさまっていればよかったがそれを超えたことも行っており、そのため被害も多くなった可能性も考えると、公共のためになったとは断言しにくい。
--確かに、後の時代にも大量破壊兵器が複数登場していて、そのうちの一つは確かに破壊されたが、それは敵側が持っていて自分たちに危険が及ぶから破壊したのであって、思想や価値観から破壊したわけではない。
--そんな主人公の思想に多くの人々が共感し協力を申し出てくる。協力を申し出てくる人たちのほとんどは、『IV』において紋章砲の力を借りて戦っていた人たちだったにもかかわらず。紋章砲マニアで紋章砲開発者に憧れて魔法使いになった某キャラクターも、例外ではない。
---従来までは、主人公らのものとは違っても自分たちなりの理念や信念を持っていたり、自身の利益や目的のために仲間に加わるキャラが多かったが、本作の仲間キャラたちは、そういった意味では、主体性を感じられない。
--紋章砲を処分すべき緊急性・必要性があるわけではない。しいていうなら、異世界から生物を召喚することと人間の化け物化による生態系・環境の破壊が挙げられるが、そういったことが紋章砲を処分すべき緊急性・必要性として作中で語られていれば、批判も少なかったと思われる。
-最後にヒロインが国を解体するという行動に出るのだが、この行動が為政者として無責任だという声も。
--統治者がいなくなった後の国にまとまりができるはずもなく、公共政策が行われるすべもない。
--それに、のちに国土の大部分は赤月帝国に併合されることになった。その後の国民たちの将来が懸念される。
--実務を担ってきた官僚・軍政官が敵味方共にほぼ全滅しているため、状況的に仕方がなかった面もある。
#endregion
-戦闘では、特定の条件で敵援軍が来ることがあるのだが、これが些か理不尽。
--援軍は敵を一定数倒したり、進行したりすると出現する。
--しかし初見でどのタイミングで、どこに援軍が出現するか分からないので、結果的に唐突に出現してユニットが危険に晒されることになる。
--この条件が不明瞭なまま現れることもあって、上述の死亡する可能性のあるユニットは余計に使いにくい。
---某ロボット大戦のように敵増援を匂わす会話イベントが皆無なため、問題視されていると思われる。
-モーションキャプチャーの演技のまずさ、戦闘時のモーションの複数キャラの被りの多さは、『IV』と同様。おそらく、ボイスと違い、『IV』のデータを使いまわしているものと思われる。
--ただし、本作では『IV』とは違い、戦闘でもイベントでもカメラが遠くにひいているので、『IV』ほど気にはならないが。
--キャラの数が『IV』よりも少ない分、モーションの被りも『IV』ほど気にはならない。
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**総評
一般的に駄作と評される『IV』と繋がりの深い作品で、ジャンルなど毛色も異なるため評価は分かれやすい。~
とはいえSRPGとして見れば本作の出来は申し分なく、むしろ良作といってもいい。~
シナリオ部分も洗練されているわけではないが、要所要所でしっかりと爪跡を残してくれる魅力がある。
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**余談
-タイトルやパッケージから『IV』関連の作品だとは解らず、本作を見逃す人も少なくなかった。
--そもそも『IV』への評価が概ね芳しくなかったため、期待されずスルーされた可能性もあるが……。
-『幻想水滸伝IV』のクリアデータをコンバートすると、IV主人公とスノウを仲間にすることができる。
--IV主人公はステータスが高いことに加え、『IV』で微妙な性能だった「罰の紋章」は高性能な上にデメリットもなくなっている。また、関連する協力攻撃はどれも使いやすく優遇されている。
---今回はプレイヤーが投影するための主人公ではないため、セリフも用意されている。そこまで強烈な個性が出ているわけではないが、プレイヤーによってはイメージと違って戸惑うかもしれない。
--スノウは仲間になるのが中盤以降なのにレベル1。ある意味で彼らしい。前作同様伸びがいいのでファンなら使う価値あり。
---服装も一新されており、これで彼は『IV』含めて5種類の服装バリエーションがあることになる。子供時代のも含めると6種類と別の意味で優遇されている。
-上記にあるように今回戦死するキャラが設定されているが、あの紋章師も対象である。死亡時も悲壮感はまるでなく、霧のように消える印象である。今回の異世界から召喚されたある人物やその設定、続編となる『V』で意味深な投書をしてくることを考えると、この紋章師の正体の考察材料になる
--この紋章師は紋章世界の幻想シリーズ皆勤キャラであり、歴代の探偵達が調査を行うともれなく恐怖に支配されたり記憶操作(?)されたりで正体が判明しない。
-幻想水滸伝の外伝作品であることが解りにくかったのか、海外版タイトルは『Suikoden Tactics』となっている。
--特典CDのデータ内に『Suikoden Tactics』と表記されているものがあり、海外版のタイトルはここからきているものと考えられる。
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