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テイルズ オブ ファンタジア なりきりダンジョンX - (2017/12/21 (木) 00:09:13) の最新版との変更点

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また、原作および本作のシナリオは『ファンタジア』本編を前提としているため、『ファンタジア』を未プレイだとシナリオが理解しにくくなっている。~ そのため、『[[テイルズ オブ ファンタジア -フルボイスエディション-]]』の戦闘システムを洗練させた『テイルズ オブ ファンタジア クロスエディション』を同時収録している。 原作は暗く重いながらも練り込まれたシナリオが高く評価されたが、戦闘システムはハードの制約もあってシリーズ恒例のアクション要素の強いリニアモーションバトルシステムからターン制に近いものとなっていたため、戦闘システムを改良したリメイクが望まれ続けていた。 満を持してのリメイクとなった本作は、多数のシリーズ作品にキャラクターデザイン・作画監督として携わる松竹徳幸自身がアニメーション監督を務め、背景スタッフはスタジオジブリの作品やアニメ版『時をかける少女』に関わったスタッフで制作されている。~ その一方で、開発スタッフの上層部(ディレクター・シナリオライター等)には、''原作及び『ファンタジア』本編の開発に携わった人間がほとんどいない''(2人いるプロデューサーの岡本進一郎のみ原作と同じ)。~ そのため「シナリオやシステムはしっかり再現してくれるのか」「余計な要素を加えてグダグダな出来にならないか」と、ファンからはいろいろ不安がられていたのだが、その危惧は案の定この上もない形で的中してしまい、ファンからの多大なる怒りを買うこととなった。~ 新規のプレイヤーにはそれなりに受け入れられたものの、その新規プレイヤーにすら嫌悪される要素も多々ある始末で、リメイク作としても、単体のRPGとしても無視できない問題作である。~ シナリオやキャラは大筋を残してほぼ別物の如く軽薄に変わり果て、好評だった要素も悉くこそぎ落とされ、その代わりに悪辣な要素をぎっしり詰め込まれてしまい、ファンにとっては下手なクソゲー以上の失望をもたらす作品になってしまった。 ---- **特徴 -システムは『[[テイルズ オブ ハーツ]]』((本作の担当はD2チームだと思われているが、社員増員と据置機・携帯機ハードに合わせてスタッフ編成され、過去に『ハーツ』を開発した三つ目の制作班が制作している))のそれをさらに進化させている。 --本作では術技発動のパワーソースとして「エモーショナルブレイブゲージ (EBG) 」を使用する。このゲージはキャラクターの感情の変化を表したものであり、ゲージが高いと攻撃力が上昇、防御力が下降し、ゲージが低いとその逆となる。~ ゲージは攻撃を当てたり、ガードをすることによって上昇し、術の使用により減少する。ゲージが100%を超えた状態では「オーバーブレイブ」が発動でき、これにより攻撃力上昇などの恩恵が得られ、秘奥義(いわゆる必殺技)を発動できるようになる。 -『テイルズ オブ シンフォニア -ラタトスクの騎士-』にあった仲間モンスターの要素もあり、特定のコスチュームで特定のモンスターと戦うと、戦闘終了時に一定確率でそのモンスターを仲間にできる。 --モンスターはプレイアブルとして使用可能であり、モンスターだけのパーティを組む事もできる。 ---- **問題点 ***戦闘関連 -今まではTP回復効果を持つアイテムだったグミが、本作ではEBGを増加させる効果になっている事が批判されている。 --なぜなら、自分は攻撃しつつ他の仲間にグミを使ってもらう事でゲージを常に100%以上に保ててしまうからである。''他シリーズ作品以上の秘奥義連発も可能''であるため、本作を「グミゲー」と呼ぶプレイヤーもいる。 ---TPが存在しない他のシリーズ作品にはTP回復グミの互換アイテムはなく、HP回復グミしか存在しなかった。 --キャラクター間のバランスも極端で、コスチュームをマスターして覚えるスキルが揃っていけば、最終的にはディオとメルの圧倒的な2強となる。 -秘奥義の演出が全体的に地味。同時収録の『クロスエディション』に比べると初動が遅く動きやエフェクトも劣化している。 --中でもロンドリーネの使う秘奥義「デモンズランスレイン」はどう見てもただの矢印を前に飛ばしているだけで、ダオスの使う秘奥義「スーパーダオスレーザー」も従来と比較すると明らかに演出が劣化している。 --『ファンタジア』のキャラにも秘奥義が搭載されている((『テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー3』では本作の秘奥義が実装))が、チェスターとクラース以外は既存の術技を秘奥義扱いにしただけの手抜きである。 ---しかも秘奥義になってしまったため普通の術技として使う事ができない。そのため前日譚である『クロスエディション』では使えたはずの技が何故かその後日談では普通に使えなくなるという珍妙な事になっている。 --また、PS版などでは秘奥義相当の特殊な奥義として扱われていたクレスの技「冥空斬翔剣」と、一定条件を満たせば習得出来た技「殺劇舞荒剣」が正式に秘奥義に設定されている。 ---しかし、冥空斬翔剣の原点となる発動ボイスはデフォルトでは聞けず、発動に合わせたプレイヤーの操作が必要。 -全ての敵がこちらの攻撃を数発耐え、場合によってはそのまま反撃してくる。 --攻撃を受けても怯まずに行動できる特性を本シリーズでは「''鋼体''」と呼んでいるが、他作品では精々ボスクラスと一部の雑魚敵が持っている程度であった。しかし、本作ではボスは言うに及ばず、全ての雑魚敵までもが鋼体持ちとなった事で全体的に爽快感やテンポに欠けている。 ---元となった『ハーツ』でも鋼体持ちの雑魚がそれなりの割合でいたが、本作のように著しくテンポを崩す程にはなっていなかった。 -''原作にあったなりきり服が本作では作れない''。 --『ファンタジア』キャラのなりきり服や、「つりし」や「商人」など戦闘に向かないコスチュームが軒並み削除されてしまい原作ファンから非難を呼んだ。 ---『ファンタジア』パーティメンバーのなりきり服が削られたのは、彼らが本作では戦闘メンバーとして加入するためと思われる。 //だが仲間にならないモリスンやダオスのなりきり服も、何故か本作では作れなくなっている。 //モリスンやダオスのなりきり服が消されたのはファンタジアのキャラであり違和感が生じるからと思われる ---原作では戦闘に不向きだった非戦闘系コスチュームも頼まれ事などのイベントで必要になり、戦闘以外でもディオ達のなりきりの能力を活かしていたのだが、本作ではごっそり削られてしまっている。 ---最も、戦闘が複雑化した本作で原作のような大多数のコスチュームを用意するのは明らかに無理があり、また戦闘に力を入れているからこそ下手に非戦闘系コスチュームを入れられないと見る事もできる。 ---ただしそれならそれで戦闘時には使わないイベント用キーアイテムとして導入する等はできたはず。何よりコスチュームの主な入手法が『服屋で作成する』→『ダンジョン内に無造作に落ちている』と変更されており、もはやなりきりしやコスチュームといった設定ではないほうが自然なシステムに成り果てている。 -クルールの最大の特徴であった''成長する事により姿を変える''と言う要素が無くなった。 --また原作ではパーティメンバーはディオ・メル・クルールの3人だったが、本作では『ファンタジア』のパーティメンバー6人と新キャラクター・ロンドリーネも参加し、最大4人までで戦闘を行えるため相対的に影が薄くなってしまった。 ---覚えるスキルや技の性能と数のせいで他のパーティキャラと比べても若干弱いため存在感の薄さに拍車がかかっている。 ---その代わり新たにチェインパートナーという、操作キャラクターに変身して同時攻撃を行うシステムが追加されたが、使い勝手が悪いためほとんど使われない。 ---- ***シナリオ 大筋そのものは原作と同じだが、その描写等はほぼ別物と言っても良いくらいに改変されている。~ 原作はシリーズの中でも非常に重く哲学的要素に富んだ独特な作風だったが、本作では重い要素が悉くこそぎ落され、やたらとライトな作風になってしまった。それだけならまだしも随所に矛盾、食い違い、慢性的な説明不足、見え見えなご都合主義が多数生じており、単体の物語としても非常に稚拙になってしまっている。 それだけではなく、『ファンタジア』本編や原作を調べていれば知っていて当然な設定や描写すら所々抜けており、それにそぐわないオリジナルキャラクターやオリジナル設定を乱雑にねじ込んでいる箇所も多く、それが更なる矛盾やストーリーの稚拙化に拍車をかけている。 -原作はシリーズでもかなり尖った異色な作品であったが、その尖った''異色な部分も評価点''だった。そのため、その個性を必要以上に削り、最近のシリーズの不評な面を凝縮させたような作風になったため受けつけないファンが現れた。 --また、上に書いたように『ファンタジア』本編のキャラクターも戦闘で使えるようになっただけでなく、シナリオに深く絡むようになった事も「本編エンディングでの別れが一気に軽々しくなった」という批判に晒される事に。 --クレス達はエターナルソードという自由に時間転移できる術を持っていたが、クラースはそれを知った上で「私は、もう二度と(100年後に生きるクレス達とは)会えないな…」と言っていた。これは、ダオスの争乱を切欠に時空を越えて一堂に会していたメンバーが夫々の時代に戻る事で、本来あるべき関係に戻る事を望んでいたからである。 ---彼が自分だけを指してこう言ったのは、彼と同じ時代に生きるアーチェは人間より長命なハーフエルフの為、彼の時代から100年経過した現代まで存命してクレス達と再会出来る可能性があり、50年後の未来に生きるすずも(彼女の年齢から)同じく存命のうちに再会出来るかもしれないが、人間であるクラースは100年後にはまず間違いなく亡くなっているあろう事からである。 --つまり、二度と会えない、今生の別れだからこそあの離別のシーンが光るのである。本作の仕様はそれを台無しにしていると言われても仕方がないだろう。 -一つ一つに強いメッセージ性のあった「たのまれごと」も大幅に改悪。正確にはごく僅かがサブイベントとして残っているだけで、このシステムすら無い。そして数少ない残った部分すら悉く改悪しているのである。 --特に悪徳商人ボエボエのイベントは、原作の面影も無い淡白でさほど印象に残らない代物になってしまった。 ---原作では重い内容ながらも非常に評価の高いイベントだったものの、本作のそれは原作のファンはおろか、新規プレイヤーですら首を傾げてしまう内容になっているため、原作ファンからは「こんな有様ならイベント自体を削除してくれたほうがマシ」という批判すらある。 ---しかも最後にボエボエと会話する場所のBGMが「陽気な熱帯地帯」をイメージさせ、さらにイベント中''ずっとそのBGMがかかりっぱなし''である。''会話内容とまったく合っていない。''このイベントは原作の言わば''もうひとつの本編''もしくは''裏のシナリオ''といってもよいイベントだったのだが…。 -原作にあったヴァルハラ村や魔鏡の間などの鬱要素や哲学的な台詞もかなり緩和または削除されている。 --鬱ながらもファンから高く評価された一部の「たのまれごと」や、難しくも深い哲学的な問いも原作の特徴の1つであった。 --原作ではプレイヤーが親代わりであり、双子に対して道徳や倫理観を教育する立場であるため、基本的に「答えは自分で導き出せ」というスタンスのゲームである。よって明確な答えを用意しない、哲学的であることに意義がある。それらを削除することは、プレイヤーの主体的な思考を排除し、スタッフだけの一方的な思想を押し付ける行為に他ならない。そうして用意された『答え』もあまりに陳腐な有様なので尚更批判が強い。 --本作はリメイク…原作あってこその代物である。原作を構成していた要素を否定してまで製作側の我を押し通すくらいなら、いっそオリジナルの新作を作るべきであろう。そしてそれを他人に一方的に破壊された場合にどう感じるか、今作のスタッフは良く考えてみるべきである。 ---そのため、原作ファンから「''戦闘システム以外劣化した''」といった意見が上がるのも無理からぬことであろう。 -ちなみに、原作のシナリオライターは開発室にて、主人公についてディオとメルではないある人物だと発言していたが、本作のシナリオライターは開発室にて「主人公はディオとメルです。」とはっきり発言した。 --どのような意図でこのような発言をしたのかはわからないが、本作のクオリティの低さ故「原作の趣旨すら理解していない」と取れる発言になってしまった。 -細かい矛盾点など --精霊のグレムリンレアーは作中、かつて『ファンタジア』でクラースの口車に乗せられて契約した事を口にするのだが、本作でグレムリンレアーと出会うのは『ファンタジア』で契約した時代(すずの時代:未来)の約50年前(クレスの時代:現代)で、この時代のグレムリンレアーはクラースと契約どころか&bold(){出会ってすらない}。最低限の時代考証も出来ていない。 --クレス達が''現代で英雄扱いされている''のだが、クレス達が『ファンタジア』でダオスを倒したのは現代を軸に''100年前の過去と50年後の未来''である。これは、時空転移が可能な事が社会的に認知された上で、現代のクレス達が100年前に活躍した事が証明されなければ起こり得ない現象である。現代では精霊も魔法も時間移動も認知されておらず、それを可能とするエターナルソードも封印した事実を鑑みれば、あまりにも不可解な状況である。 ---一応、古代都市トールの装置を使えば時空転移はできる((ただしある時期から時空転移装置は壊れてしまっている))のだが、使っている描写は全く無い。 ---おまけに封印したはずのエターナルソードがいとも簡単に出土されるというずさんっぷり。なぜ封印すべき剣を100年前の過去から存在していた村に埋めるのだろうか? //一応2年前(本編現在)にもダオスを討伐していたと説明されていたようだけど… ---- ***キャラクター面 -ディオ達の過去に絡む重要な位置にいる人物も、人格が''とてつもなく悪い方向に''変更されている。~ 本作で新たに追加されたキャラも多いが、彼らについての評価も芳しくない。 --この重要人物は原作では主人公のディオとメル同様双子という設定であったが、本作では設定の変更を受け''赤の他人''となっている。 ---これは原作の根幹に関わる部分で、双子から他人にする必然性は今作だけを見ても一切無い為、典型的な改悪だと猛烈に非難されている。 --シナリオの改悪による影響を最も受けたのは主人公の双子に試練を与えた精霊「ノルン」である。非常に機械的に動くような人物に性格が改変されている。さらに原作ファンには一発で改悪の影響を大きく受けているとわかるシーンが存在する。 ---ネタバレになるため深く記述はできないが、それは物語後半のとあるキャラの反逆シーン。これは原作の本質を良く理解していれば絶対に起こりえない現象なため、これもまた''原作のシナリオを全否定している''とも取れる改編である。不必要にシナリオを改変しすぎたツケがノルンに回ってきたと言っても過言ではない。 #region(超ネタバレ注意!) 捨て子、終わりの見えない戦争、新しい親(軍人)とのしがらみ、疲弊していく国家、劣悪な生活環境、…など、様々な要因が重なり合い「大量破壊兵器の使用」という結末にたどり着くわけだが、張本人が「戦争が悪い」の一言で片付けてしまう。あながち間違った主張ではないが、戦争に関わらない罪無き生物の命まで奪った張本人が使っていい言葉ではない。シナリオや描写の大幅な変更などでこの人物の内心も見えづらくなり、[[思考停止からの責任放棄>テイルズ オブ ジ アビス]]にしかなっていない。 --原作ではこのような無責任な人格・環境ではないため、彼の善悪の判断は非常に難しいものとなっている。だが、どのように審判しどのような結末であっても、全てのキャラのあらゆる行動が親代わりとしてのプレイヤーを除き、世界に何の影響も及ぼさない(人助けによるプラス効果程度はある)。よってシナリオに無理が無いのである。それゆえ名作の誉れを受けていたのだが。 ---なお原作では自身の行為は紛れもない「悪」だと理解しており、''人間なら抱いて当然の感情''によって使用し、本作のように「戦争が悪い」などと白々しい責任転嫁などせず、自ら犯した大罪を真摯に受け止めている。だからこそ''彼の善悪の判断は非常に難しい問題''なのである。 ---それ故にノルンの「審判」の対象に選ばれたと言える。だがリメイクではそのような器とは程遠い身勝手な人物であるにも関わらず原作と同じ扱いな為、大きな矛盾になってしまった。 #endregion -また、原作においてはダオスの重い背景も描いていたのだが、今回のリメイクではそれすら踏みにじるような改悪を施されている。 --『ファンタジア』本編中の言動故に「''魔王扱い''」されていたダオス((勿論いかなる目的があろうとも、作中での行動は血で血を洗う所行であった以上は魔王の誹りも致し方ないのも事実であるが。))だが、今回の改変で文字通りの「''魔王''」と言わざるを得ない非道な人物にされてしまっているため、これまた反発が強い。 ---原作では大罪を犯したある2人を認め、その罪の償いに協力的な姿勢をみせるなど器の大きさをプレイヤーに見せてくれた事もあって、なおさらである。そもそもダオスの出自と戦う理由を考えれば、双子に対してまで魔王のような振る舞いをする事は絶対にありえないのだが。…スタッフはどこのダオスを見ればこんな人物に仕立て上げられるのか。 -ディオとメルの性格改変もあまり良い方向には働いていない。  --ディオは所々日本語的に違和感のある発言が多く、「誰得」などの最近のネットスラングを使うなど世界観に合わない・特に後者は世界観云々を抜きにしても批判を浴びがちな要素な為、受け付けない人はとことん受け付けられない。 --メルも全体を通してやたらとネガティブシンキングな風になっており、見ていてイラついてくるという声がある。 ***ロンドリーネについて -『ファンタジア』本編との橋渡しとして追加された女性。しかし言うほど橋渡しの役割は果たしていない。 --簡潔にまとめてしまうと、ただ見た目がエロいだけの賑やかしキャラクターである。 ---設定やシナリオでの立ち位置が中途半端で、シナリオへの影響も殆ど無い為存在意義が薄い。だが随所でやたらとでしゃばってくる為、異物感ばかり催す事態となっている。 ---ダオスと過去に会ったことがあり、時空を超えて彼を追っていると言う設定だが、ダオスの設定を掘り下げると言う事もなく、浅くかき回しただけに終わった。 ---ダオスを追う理由は「幼い頃にダオスと会ったがそのときの彼はとても優しく、戦争を仕掛けたダオスと同一人物とは思えない。そうなってしまった理由を本人に会って確かめたいから」というものだが、ぶっちゃけ個人的願望の域を出ておらず、メルとディオの目的とも基本的にかみ合っていないためわざわざ同行する理由が薄い。 ---その点は本編キャラクターも同じだが、彼らは作中できちんとキャラクターやエピソードが掘り下げられ、その中で彼等なりにダオスに立ち向かうに相応しい土壌を作っていったが、ロンドリーネはそれも薄い。 ---上記の理由が判明するのもストーリーが中盤を過ぎてから。それまでは自分の目的を隠したまま思わせぶりなことを言いつつ、成り行きで仲間に入ったかと思えばダオスに会いに行くからと抜けるという期間が続く。 ---このように本人の目的や設定、ストーリーへの関わりが薄いのに、モノローグが多めで豪華な一枚絵まで数枚用意されていたりと妙な優遇を受けている点は、人によっては違和感になりうる。 ---なお、これらは否定的な見方によるものではなく、好意的に見ようにもわざわざ彼女を追加する必要性を疑問視する旨の意見が多い事を付記する。 --本編との橋渡しというものの、繋がる先はあくまで同時収録の『クロスエディション』。過去に発売・リメイクされた『ファンタジア』の内容を前提として本作をプレイする場合、彼女の存在は''昔からの知り合いだと言ってくる初対面な人間''のようなものである。 -彼女の設定については矛盾のような謎がある。 --ロンドリーネは魔術が使用できるのだが、耳が尖っていない。 --本作の世界観では人間は魔術を使えず、エルフとハーフエルフが魔術を使用でき、そしてエルフは耳が尖っており、人間は丸い耳、ハーフエルフはどちらかとなる。また、ある事情でハーフエルフはエルフの集落には入れない。 --上記のことからロンドリーネについて「耳は人間のそれなのでエルフではない」「魔術を使えるので人間ではない」「エルフの集落に入れるのでハーフエルフではない」と言う事が分かる。…彼女の身体的特徴は3種族のうちどれにも当てはまらず、プレイヤーを困惑させた。 --後に発売された攻略本で「エルフの末裔」と正式に彼女の正体が公開された。『ファンタジア』と世界観を同じくする『テイルズ オブ シンフォニア』でも集落に入れるエルフの末裔が登場していたので、疑問は解消されたかに見えた。 --しかし、新たな問題点が挙がる事となる。それは''該当作のエルフの末裔は魔術を使えない''と言う事である。その人物のエルフの血が相当薄いために集落に入れるとするなら、ロンドリーネも相応にエルフの血が薄いはずであるが、ロンドリーネは問題なく魔術を使える。&br()世界設定に矛盾がある・別作品であるなどの理由で『シンフォニア』の設定を無視するとしても、魔術を使えるほどにエルフの血が濃いロンドリーネがなぜ集落に入れるのか不明。今迄の設定や描写と照らし合わせると公式が出した『答え』は適用できず、正体は未だ謎のままとなってしまっている。 ---とはいえ、公式がそう明確に設定付けている以上、矛盾や納得の有無がどうであれ彼女はそういう人物なのだとするしかないのだが。''スタッフが『ファンタジア』およびその関連作品に対し関心が薄い''ことがよく解るというものである。 -[[ファミ通.comのインタビュー完全版>http://www.famitsu.com/interview/article/1237844_1493.html]]にあるように、彼女の追加は本作プロデューサーの大舘隆司の自己満足のためのようなもので、他のスタッフもすんなり乗っかってしまっている点は流石に理解に苦しむ。 --上のような矛盾が生じているのも、''ロンドリーネありきでシナリオを作り、後になって原作との矛盾点等に気づき急遽突貫工事の如く肉付けするも、間に合わず破綻した''…と言う所だろう。 --では、全面的に受け容れられていないのかと言われるとそうではない。彼女自身は至極常識人で、他のオリジナルキャラクターのような非常識な言動や行動が殆ど無く、『ファンタジア』の仲間内にはいなかったノリの軽い姉御肌な女性であり、デザインも藤島康介に近い絵柄で((デザインは松井麻依香。ちなみにこれまで藤島タッチの絵を披露していた奥村大悟は本作のパッケージイラストを描いている。))ファンは多い。 ---そういう意味では、本編等への絡みや立ち位置、設定の整合性をしっかり確保さえしていれば魅力のあるキャラクターとして迎え入れられていたかもしれない。本作新規キャラクターの中では最も譲歩出来る人物と言える。%%超弩級のクズキャラが他にいるため、相対的にマトモに見える、という可能性もあるが。%% -余談になるが、大舘氏は『バーサス』などのインタビューにおいても失言が多くファンからの印象もかなり悪かったが、本作の一件でさらに信頼を落としたのは言うまでもない。 ***エトスについて -ディオとメルの親代わりとして登場した新キャラクター。 --原作ではディオとメルの親代わりを''ゲームのプレイヤー自身が務める''事で高い感情移入を生み、シナリオの''メッセージ性や深みがより増す''という評価点にもつながっていた。 ---その要素を潰しにかかるものであり、発表された当初から原作ファンからの批判を受けている。 ---それでも『プレイヤーに代わり親役を務めるオリジナルキャラクター』としては原作の小説版のような好例もあったため((ゲームブックでもない限り、小説などで読者自身が親となる訳には行かないので親役のキャラクターを登場させること自体は当然の処置と言える。また、小説版が原作を補完する内容で好評を得ているのもある。))、双子の事を任せるに足る器であれば「新たな試み」として原作ファンからも好評を得られたかもしれない。 -だがこのキャラクターは親としても頼りなければ、1人の登場人物としても役に立っていない。性格もしっかりしているとはお世辞にも言い難く、本当にこんな奴がたった1人で2人の子どもを育てる事ができたのかと言う疑問の声まであがる。 --これにより「こんな奴に自分達の役割を取られたのか」と原作ファンからあがっていた批判は更に強まってしまった。''感情移入できる要素を削除''してまで登場させたのに、プレイヤーが''全く感情移入できない''事も大きな批判理由の1つ。 ---しかも上記のボエボエのイベントの最後の最後で、彼に暴言を吐き捨てる。お前それでも人の親か。 ---「CVである田村ゆかり女史が目当てだっただけで、キャラ創作は二の次三の次だったのでは?」とまで言われてしまう有様である。 --一応出番はある。そのイベントに到達するまでに伏線も数本張られているように見えるが実際は伏線としての機能を果たせていない。 ---もちろんプレイする個人によって評価は分かれるが、少なくとも「原作の評価点をわざわざ削ってまで出すほどのキャラクターであったか?」と言われると首を捻らざるを得ない。 #region(ネタバレ注意。) -原作や小説版のように人間にではなく、人間と全く異なる存在である精霊のエトスに双子を託すというノルンの行動は、人間の善悪を見極めるという本来の目的と矛盾を起こしている。何故なら『狼に育てられた少女が自分を狼だと思い込んでいた』という実話があるように、本作の双子には自分たちが人間である自覚が足りない可能性があり、人の善悪を見極めるテストケースとして適切とは言い切れないからである。 #endregion ***アルベルトについて -ノルンに命を与えられたクローゼットで、''本作における誰得要素の筆頭''。 --原作ではなりきり服はダンジョンの休憩地点などにあるタンスから出し入れしていたのだが、本作ではアルベルトがその役目を担っている。 -このキャラを一言で表すなら、''性根が腐りきった、傲岸不遜な粗大ゴミ''。 --兎に角自分の欲望丸出しで協調性や節度が根本から欠如しており、口を開けば後述する暴言や下劣なセクハラ発言ばかりで、美点というものが見つからない。 --あまりの憎らしさから名前で呼ばれず、ファンサイドでは専ら(実際はクローゼットであるにも関わらず)''タンス''と呼ばれている。スタッフ間の悪趣味な内輪ノリを原作ありきの商業作品に捻じ込んだいった所だろうか。 ---戦闘には一切参加しない上に都合が悪くなるとすぐに逃げる。かの[[モルモ>テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー]]を彷彿とさせるが、まだまともな発言もしてくれる時がある分''モルモの方が余程マシ''。 ---ダンジョン内で着替えが出来ないのも「着替え室がないから」という合理的なものではなく「アルベルトが危険のある場所には出てこないから」という身勝手なものになっている。((アルベルトは非戦闘要員でありその判断自体は妥当と言えなくもないが、その事を悪びれもせず堂々と宣言するためプレイヤーの反感を買っている。)) -以下に事例を挙げる。 --今の時代、現実でもそう居ないであろう極度の女尊男卑な思考回路であり、男性陣への態度は''殆どが上から目線の罵詈雑言or暴言''で固められている。言動の一つ一つをとってしても下品なものばかり。作中のキャラは構う価値は皆無と理解しているのか多くの発言は見事にスルーされているが、原作や『ファンタジア』本編のファンが聞き流せるかは大いに疑問。 --一方、女性陣にはメル:メルメル/ロンドリーネ:ロディたん/ミント:ミーたま/すず:すずちん…と言った気色悪いあだ名をつけた上にセクハラまがいの言動をとる。 ---ただし、アーチェだけは『凶暴なオバハン』呼ばわりし、セクハラ発言は勿論名前で呼ぶ事すら無く、基本的に男性陣と同じ傲慢な態度をとる。『ファンタジア』でもチェスターがよくアーチェにちょっかいを出して衝突しているが、こちらは互いに小さな意地で張り合っている故の諍いで心底では互いに信頼しており、異性としても密かに意識し合っている。…と、アルベルトのそれとは全く性質が異なる。 --言うまでもないだろうが、双子の扱いは常にディオ<<<<<メル。挙句実質''生みの親であるノルン''にすら悪口を言い、極めつけには終盤のスキットで''プレイヤーにまで悪口を言ってのける''。…これをプレイヤーにウケると思って言わせている節もあるのだから恐ろしい。 -もっとも有名と思われるのは、「''チェスターの妹・アミィ(故人)の事を罵り、その上兄のチェスターをシスコン&変態扱いする''」と言うスキットだろうか。当然妹を貶されたチェスターはアルベルトに対して怒りをぶちまけた…と思うだろうが''特にブチ切れたりはせず、半ばやれやれな態度で流しているに過ぎなかった。''((原作でのチェスターの性格ならば、ブチ切れるどころか口走った途端に問答無用で叩き壊しにかかられてもおかしくない。事実「ファンタジア」のドラマCDでクラースに指摘ついでに軽く触れられただけでも掴みかかっていた。(当時は唯でさえチェスターがクラースに対して激昂していたのもあるが)))これはメアリー・スーの典型的な特徴((オリキャラの見せ場を発揮する為に、原作キャラの性格等を不自然なまでに捻じ曲げる事))と一致している。アミィの死をこれ以前の会話で知った上での発言なので余計にタチが悪い。 --原作と『ファンタジア』のファンがプレイすると、今度はチェスターの背負っている背景((ちなみに、ファミ通文庫でのノベライズや『ファンダムVol.1』の彼らのエピソードなどでより深くその辺に触れられる。))・原作の魔鏡イベントも知った上でその暴言を聞かされる事になる。 ---チェスターの人生はアミィ無しには語れない。幼くして両親を亡くし、孤児となった2人を養う者は誰もおらず、自分で食い扶持を稼がねばならなかった。そんな苦境の中でも盗みなどの犯罪に走らなかったのは、その罪で自分のみならず妹も穢してしまう事を知っていたからである。アミィを愛し、誇りに思っているからこそ今の真っ直ぐな心を持つチェスターが居るのだ。しかもその妹は、『ファンタジア』冒頭で村を襲った軍隊に殺されている。''如何なる意図があろうと、到底ネタとして扱えるものではない''。それをこうもふざけたネタにしてしまうライター、ならびこれを指示了承した開発陣の道徳や倫理観が本気で疑われる。 ---たとえTOPや原作未プレイユーザーであっても「故人を冒涜し、遺族の気持ちを踏みにじる発言」がどこまでも不快であることは変わらない。これを見て「面白い」と思う奇特なユーザーなど極少数だろう。 ---またスキット内でのチェスターの態度にも、「妹を思いきり貶されたのにどうしてこうも落ち着いていられる?」と時に批判が寄せられる。 -一応、スキット以外ではでしゃばらないというのが最後の救いかもしれないが、シリーズでスキットを聞かずに進めるのはプレイする楽しみがかなり減るので、そうもいかないのが現状。 --だが、着替えをした時等のシステムメッセージなどが何故かアルベルトの発言したものの体を取っており、加えてアルベルトの喋りに特徴的な訛りがあるせいで、嫌でも目に入る。アルベルトどうこう以前に非常に鬱陶しい。 なお、先述したチェスターとの会話の詳細は以下の通り。 #region(スキットの詳細。不快になる可能性があるので閲覧注意。) ディオ達に魔物使いのコスチュームを渡したチェスター。メルのことを思わず「アミィ」と呼んでしまったあとのチャット。 |チェスター「アミィと間違えるなんてな……」&br()アルベルト「アミィって、おめぇの妹だか?」&br()チェスター「あ、ああ、そうだよ……」&br()アルベルト「ほぇ~~~、おめぇに妹がなぁ~~」&br()チェスター「な、なんだよ!人の顔ジロジロ見て」&br()アルベルト「おめぇみてーなキツネ目の妹っつーことは、そのアミィっての、名前に合った顔なんだなや」&br()チェスター「なんだよ、それ。アミィが俺に似てるって言いたいのか?」&br()アルベルト「みなまで言わんでええだ、ええだ。おめぇの顔見てれば、ぜぇ~んぶわかるだよ」&br()アルベルト「おめぇはかわいい妹が欲しかったんだ。だから、さっきメルメルをわざと間違えたんだど?」&br()チェスター「バカ言ってんじゃねぇっての」&br()アルベルト「あひゃぇ!当たっただ!図星だ!!こいつ、メルメルを狙ってる変態だーよ!!!」&br()チェスター「あのなぁ……そりゃ、お前だろ……?」| これはひどい…。 #endregion -担当声優の龍田直樹氏まで批判する者も居るが、無論、''声優本人に何ら罪はない''((クリア後の開発室にいるスタッフから「ノリノリで龍田氏がアドリブをしまくった」と言った旨の発言があるが、これに関してはあくまでアドリブをしたのは演技面についてであり、倫理観を疑いたくなるような台詞回しは元々用意されていたものである。そもそも、声優の独断で好き勝手に改変できるわけがないのは言うまでもない。))((アニメや洋画吹き替えのように「本来セリフの入っていない所にアドリブでセリフを入れる」という手法は存在するが、テキストがしっかり用意されている時点でスタッフが支持したセリフとしか考えられない。録音にあわせてテキストを変える、と言う二度手間をする事はまず有り得ない事例である。))。筋違いも甚だしい誹謗中傷でしかないので、絶対に止めよう。 --スタジオを丸ごと使用するような本格的な音声収録には必ず演技のディレクションを行う責任者(ゲームで言えばプロデューサークラスの役職、少なくともキャラクターやシナリオを理解している者が宛てられる)が収録に立ち会い、このセリフはどういう風に感情を込めるか?今のでOKか?録り直しをするか?別のパターンも録音するか?などを判断する必要がある。キャストがアドリブで明後日の方向の演技をしてしまってもダメ出しして修正するのがディレクションを行う責任者の仕事なのであり、仮にキャストに配慮してその場で止める事が出来なかったのだとしても、((演者の調子が上がってきたら、テンションを保つ為にあえてダメ出しをせずに通すというやり方も実際にある。))該当スキットを本編から削除すれば良いだけの話であるが、スタッフ的には絶対に外せない物だったのだろうか? --むしろ龍田氏は「''アルベルトというキャラクターをその演技で更にプレイヤーを苛つかせる位に完璧に演じきった''」と評されるべきだろう。表現がネガティブになってしまっているが、あくまでアルベルトというキャラクターの立ち位置などを受けての表現であり、この場合は演技を批判する意味で用いていないのでそこは了承願いたい。 ---実際問題、龍田氏に関してはこのキャラクターのせいで一緒くたに叩かれかねない事に対する同情もあるが、演技の質の高さを評価する意見も少なくなく、好意的に見られていると言える。 -そして極めつけに、開発室で聴けるスタッフによるアルベルトへの「''毒舌キャラ、楽しんでいただけましたか?''」 --「毒舌」とは、辛辣な悪口や皮肉を言うこと。また、その悪口や皮肉のこと。「暴言」とは、礼を失した乱暴な言葉。無礼で、むちゃな発言の事である。意味の違いやアルベルトをどちらで称するのが相応しいのかは言わずもがなだろう。 ---そもそも、「(ほぼ)同性にしか暴言を吐かない」時点で毒舌キャラとしては問題がある。現実世界にも毒舌キャラを売りにする芸能人がいたりするが、彼(もしくは彼女)らは相手の性別に関係なく平等に毒を吐く。理由は単純明快、「''そうしないと単なる男女差別の罵倒にしかならないから''」である。そういう意味でもアルベルトは毒舌キャラとは到底言えない。 ---結果、アルベルトの下劣な発言の数々をお茶目要素であるかのように扱う開発陣への不信を煽るだけとなってしまった。 -こんな有様なので「''タンスのウザさに耐えるのもノルンから(&color(red){プレイヤーヘ})の試練''」等と言われてしまっている。 --二次創作のイラストでは、アルベルトが燃やされている絵が大量に見られる。作中でアルベルトにこれといった制裁が加えられない事と決して無関係ではないだろう。 --また、テイルズ関係の2chスレでは、アルベルトのような口調のカキコがあると、ほぼ必ずと言っていいほど「紅蓮剣!」「エクスプロード!」といった感じで炎属性の強力な技・術によるレスがかえってくる。 ---かのAmazonでの評価も辛らつで、ほぼ全てのレビュアーがアルベルトを不満点として挙げている他、ニコニコ大百科にも発売早々から記事が作られているが、読み方が「''タンスシネ''(タンス死ね)」となっている。 ---普段なら批判意見の多いDLCだが「タンスの存在を消せる追加コンテンツだったら数千円払ってでも買う」という意見すら。 --開発スタッフの真意がどうであれ、「''こんなキャラを平気で登場させるような開発スタッフにまともなリメイクが作れる訳が無い''」との厳しい意見の方が多い((ちなみに、このキャラクターがお気に入りというスタッフまでいる。その名もアルルンマニア。もはや何も言うまい。))。 ---これまでのシリーズ作品の中で設定の矛盾を起こしていたり、他のキャラクターを踏み台にして異様に持ち上げられているキャラクターが登場する事もあったりしたため、かねてより「''制作陣は創作を基礎から学びなおした方が良い''」等と言った意見も挙がる事はあった。しかしこの一件で、「''本気でウケると思ってやっている''」という疑いが色濃くなった。 ---他シリーズ作品でも毒の強い性格や極端な言動・描写で賛否を招くキャラは少なくないが、彼らなりの信念や筋は通しており、そこを評価し彼等を好くファンもまた多く、日常会話においても最低限の節度はしっかりと弁えており、アルベルトほど無秩序なキャラは皆無である。 -その結果、満場一致で「''シリーズ最低のキャラ''」としての評価が定まった。正直こんな救いようのないクズなど擁護の余地すらない。こいつに比べれば、ロンドリーネやエトスはまともな常識人である。 --『マイソロ3』のスキットや『エクシリア』のキャラにまつわるコピペなどでアルベルトがネタにされている。 --また公式人気投票からはアルベルトの名前が削除されている。批判が多かったからではないかという推測が最も多い。 -一応評価できる部分もある。 --それは間違いなく批判の対象とされる''世界観に矛盾しまくった設定を持つロンドリーネ''や''メアリー・スーの要素を多く含んだエトス''。さらに''改変されまくってメッセージ性や深みが大きく薄れてしまったシナリオ''への批判のスケープゴートを果たしきったこと。創作の基礎レベルの問題も数多く、創作を志す者達にとっての反面教師になる一面もある。 ---冗談抜きでこれくらいしか評価できるところがない。むしろ、それによって逆説的にアルベルトの酷さをよく現してしまっていると言うことなのだが。 以上のように、新キャラクター全員に無視出来ない批判点が多く存在する。 原作のシナリオを考慮すると、上に挙げたどのキャラクターを介入させる必要性が無い為、原作ファンからは「''全員いる必要がない''」と斬って捨てられている。実際誰1人として原作や「ファンタジア」の補完や掘り下げといった深みをもたらしておらず、設定や展開をかき回しただけで終わっている。 ---- ***最悪の後日談 -シナリオ改変の影響で本編キャラクターの悉くがディオ達と出会わなければ''悲惨な末路を辿る事になってしまった''。([[参考動画(ニコニコ注意)>http://dic.nicovideo.jp/v/sm12276108]]) #region(ディオ達と出会わなかった場合の本編キャラクターの悲惨な未来。ネタバレ注意。) |クレス|''“シグルド”に敗れて戦死。''| |ミント|クレスの死に絶望して自殺。| |クラース|召喚術の論文を燃やされ生きる希望をなくし、''お酒の飲みすぎで体を壊し死亡''。| |すず|魔界の王プルートと刺し違えて死亡。| |チェスター|不明。しかしアーチェが「あたしのずっと生きてきた世界では、みんな、もういないはずなんだ」と言っているため、彼も悲惨な最期を遂げたと思われる。| #endregion -もはや『''公式による原作レイプ''』を地で行く有様。『ファンタジア』本編までも巻き添えにしているため、『ファンタジア』本編のファンからは凄まじい反発が起きた。彼等を陥れてまでディオとメルの活躍を押し出す必要性も感じられない。 //…そもそもクレス死亡の時点でミントはレイズデッド(蘇生術)を使えるはずでは? //さすがに蘇生手段でシナリオの死亡回避を問うのはゲーム的にナンセンスなので削除。じゃあドラクエのザオリクやFF7のエアリスは何だったんだという話になる -これらはアーチェの口から語られるのだが、彼女はその間ずっと眠っていたらしい。 --悲惨な未来を入れたい。そのためには最も過去の時代からいて長命なアーチェは邪魔だ。それならば眠らせておけば大丈夫だろう。…シナリオライターはこれで話の整合性が取れているとでも思ったのだろうか。ファンタジー作品において「長命を維持するため、定期的に休眠状態になる」という設定は割とお馴染みだが、少なくとも『ファンタジア』のエルフ(及びハーフエルフ)にそのような設定は存在しない。 -仲間達が辿った悲劇を知るアーチェと悲劇を逃れたキャラクター達が揃うという「アレ?」と思える現象も起こっているが…。 --これは原作でマクスウェルが説明した時間設定、''時空転移による過去変更は、未来を変更するものではなく、新たに分岐した未来が作られる''という解釈を用いれば説明できる((ディオ達が過去に介入する事によって悲劇は回避されたが、それは新たに分岐した未来が作られただけであって(アーチェを含む)ディオ達のいた歴史は何も変わらない。よってタイムパラドックスは起きず、当然記憶の改変等も行われない。また、トールを使った時空転移は同じ時間軸上しか行く事ができないかのような描写があるが、アーチェは(上記の前提が正しければパラレルワールド間の移動が可能な)ロンドリーネによって過去に連れてこられた後、ディオ達と共に未来へ帰っていったため、元いた歴史の記憶を持っているとしても矛盾にはならないと言える。))。 ---…が、リメイクである本作ではなぜか上記の時間設定は説明されない。原作を理解して描いたとは思えない本作のシナリオを見れば、その辺は単なるご都合主義と思われる。 -似た事例だと『デスティニー』の主人公スタンの[[続編>テイルズ オブ デスティニー2]]での扱いもかなりの批判があったが、本作の場合はそれすらまともに見える酷さを誇る。 --スタンの場合は「長年一線を退いていた」「愛剣ディムロスを失い、多くの技が使えない」「家族同然の存在を人質を取られ、武器を捨ててされるがままに殺された」「非常に凶悪な敵が相手だった((『バルバトス・ゲーティア』という残虐非道な狂戦士。非常に高い実力を持ち、勝利の為ならば前述の通り人質をとるなど、汚い手段も躊躇なく行う。))」「後の展開にもある程度活かされている」「スタン殺害はあくまで『該当作のラスボスによって歪められた歴史』の出来事で、正史では健在している」等、相応の描写や救いがあった。 --ミントに関しても、悲観から死を選ぶような人物ではない。冒険の中で苦境にも折れない芯の強さを身につけた女性である。 //また上記のとおり蘇生術を使える法術師であるためそのような展開になることは考えにくい((シナリオライターがTOPを「レイズデッド未修得の段階でクリアした」という可能性もなくはないが、習得するLV47以下でのクリアはかなりキツい。))。 //蘇生手段でシナリオの死亡回避を問うのはナンセンスなので削除。ライフボトルもあるわけだし。 --これらの後日談が''まだ''納得のいく流れであるのならばここまで批判される事は無かったかも知れないが、''ストーリー上どう考えても有り得ない展開を、粗末な新設定をつぎ込んでまで無理矢理捻り出している''ということが一番の問題である。~ そもそも『ファンタジア』のシナリオはこんな後付け話…もとい続編の類を必要とする事の無い円満な結末を迎えており、そうして綺麗にまとまった尾びれにこのような後日談を付け足す時点で反発は免れない。 ---また、この内容自体が恐らくは''(原作のダークな面を履き違えて)安易に作った''「鬱要素」の代替要素か何かのつもりだったのだろうが、ファンの大半からすれば「胸糞」要素以外の何物でもないであろう。 #region(ネタバレ注意。) -クラースが論文を燃やされたのは、論文を提出するより前にわざわざ召喚の契約を破棄したせいで召喚術を証明できなかったからである。冗談のような話だが召喚を証明できなかった部分以外は''公式サイトにも書かれている内容''である。 --『ファンタジア』で契約の破棄を明言していたのは闇の精霊シャドウのみで他の精霊たちとの契約破棄は本作のみの設定である。「召喚術の悪用を防ぐ」という意図だったようだが、そもそも精霊たちは契約の指輪さえあれば誰の言うことでも聞くわけではない。((精霊と戦い、勝利しなければならない。また精霊との関係は対等であり、一方的な命令は出来ない。アーリアの宿でのイベントでも、オリジンはクラースの行動に対して異を唱えていた。))あくまでクラース個人との契約である以上、解除する必要はなかったはず((後述のドラマCD版では契約を破棄していない為、精霊の力を学会に見せ付け(て建物を破壊してしまい、ミラルドに怒られ)るシーンがある。))。 --それどころか世界観に繋がりがあるとされる『シンフォニア』では「既に契約されている精霊はその契約が破棄されない限り他者が新たに契約を結ぶ事はできない」という設定があるため悪用を防ぐのが目的なら尚更契約は解除するべきではないはずである。 --仮に「精霊たちを人間の下に縛り付けるのは良くない」と思ったにせよ、それなら自論を認めさせてから破棄すればいい話ではないだろうか。証明する手段を自ら放棄しておきながら不貞腐れているというのは首を傾げざるを得ない。 --そもそも彼は過去に自分の思想や知識を拒まれる挫折((異端扱いされていたのは原作からだが、ドラマCDで命を落とした恩師の精霊学の研究を完遂するべくアルヴァニスタ魔法アカデミーに再入学して主席で卒業、その後学会で論文を発表するも徹底的に否定された挙句学会を永久追放された事が明らかになる。))からミラルドの支えもあって立ち直っている為、ミントと同様、挫折の1つや2つでここまで精神的に追い詰められるとも考え難い。 -シグルドの存在、論文の焼却、プルートの侵攻、どれも原作には影も形も存在しない事象である。 --そして原作にも『ファンタジア』にも…更には世界観に繋がりのある『シンフォニア』にすら存在しなかった「魔術を使えないエルフ」なんてお粗末な新設定まで登場する。 --ただし、魔族による地上侵攻については公式小説『テイルズ オブ ファンタジア 語られざる歴史』にてその意思が明確に描かれており、ダオスを利用し人間と争わせマナを枯渇させようとしていた真の黒幕とされている為、これについては頭から否定は出来ない。尤も、本作でそれを活かせているとは言い難いが。 #endregion #region(余談) -『ファンタジア』にも本編の前後日談を扱ったノベライズなどはあるが、それらは''あくまでも「外伝」''であり、原作のスタッフルームにいるシナリオライターの言を借りるならば''「可能性の一つ」''、少なくとも公式に正史と定められてはいない。 --しかし、それら同様に「''可能性の一つ''」と捉えられていた原作が、リメイクである本作では公式に「''『ファンタジア』の正史のひとつ''」として正式に決められてしまった。 ---内容はともあれ公式化してしまうと、''それらの展開を物語の一つとして受け容れざるを得なくなってしまう''。にも関わらず、その内容がご覧の有様となってしまえば、ファンに残された防衛手段はこれらの存在を頑なに全否定する事だけである。 --ちなみにこの『ファンタジア』の後日談に当たる第一部は、原作ではシナリオらしいシナリオは無く、本編キャラクターの協力を仰ぎながらディオ・メル・クルールの3人で精霊の試練を受けていき、封印された性格を解放していくというものであった。その反面で前述のたのまれごとの内容がかなりヘビーなものもあり、こなさなければ後半のダンジョンの扉が開かないため、実際はそこまで淡泊に感じさせないようにはなっている。 #endregion ***その他の問題点 -リメイク作であるにもかかわらず、原作での人気曲「DARK MIND」「Judgment」など、あいだとしき氏による曲は''一つも採用されていない''。 --「あいだとしき氏の正体がギタリストの会田敏樹氏で、権利関係のために使用できなかった」と一部で推測されているが詳細不明。 --その代わりにシリーズお馴染みの桜庭統氏が新曲を書き下ろしているが評判はあまりいいとは言えず、特にラスボス戦の曲はファンからは「どう聞いても通常戦闘のノリ」と言われている。 ---『ファンタジア』の音楽のアレンジも音がこもっている、主旋律が聞きづらい、異様にがしゃがしゃしていてうるさいなど、『ファンタジア』本編ファンからは不評である。 -発売前にやたらと押されていた『テイルズ オブ グレイセス』の主人公・アスベルのコスチュームはパスワード入力でしか手に入らない。 --もっとも、これまでのDLCやアンロックキーと違い、パスワードは攻略本やネットに全部載っているので、探せばすぐ見つかるレベルではある。 ---2010年12月ごろから公式HPに全て公開されている。 ---- **評価点 -原作ではパーティメンバーはディオ・メル・クルールの3人だったが、本作では『ファンタジア』のパーティメンバー6人と新キャラクター・ロンドリーネも参加し、最大4人までで戦闘を行えるようになり、パーティの選択肢が大幅に増えた。 --ロンドリーネは上述の通り「ただ見た目がエロいだけ」との声もあるが、裏を返すと「華がある」ということでもある。 -戦闘システム、ハードの制約もあってシリーズ恒例のアクション要素の強いリニアモーションバトルシステムからターン制に近いものとなっていた原作に比べると大幅に改良された。 --システムは『[[テイルズ オブ ハーツ]]』のそれをさらに進化させており、『PS2版テイルズ オブ デスティニー(以下リメD)』『ハーツ』にあった「同じ術技だけ使っていればいい」という問題点は、同じ術技が連続で出せなくなった事により解消された。 ---なお、「通常攻撃→特技→奥義」の通りにしか技の連携が出来ないためリメDやハーツほど連携の自由度は無いが、特定のスキルの修得で連携の幅も同じようになる。 ---本作では通常攻撃が術技と同様に着脱可能であり、×ボタンに通常攻撃・〇ボタンに術技なども可能。携帯機ではセットできる術技が少ないといった問題に対する一つの解ともいえる。通常攻撃の価値がほとんどないリメDの時点で存在してればと思わずにいられない。 -仲間モンスターを自分で動かすことが出来る。このシステムが初搭載された「ラタトスク」ではモンスターは全てAI操作であったため、自分で動かすことが出来なかった。 --仲間モンスターの中には『''クレイアイドル''((トラクタービーム以外の全ての攻撃を無効化する。トラクタービームを使う敵はいるので完全無敵と言うわけではないのだが、足が非常に速いうえ、トラクタービームを使わない敵には絶対に負けない))』などのとてつもなく強力な性能を誇るモンスターもおり、本来『敵だから許されている』凶悪性能の技や体質を思う存分使用することが出来る。 --『テイルズ オブ デスティニー2』の強敵ガープや、2周目以降の隠しダンジョンでは作中に登場するボス(の色違い)まで仲間にすることも可能。 --今作のモンスターはアイテムも使用可能になっており、更に人間キャラが倒されても全滅扱いにならなくなっている。この点もラタトスクの欠点を解消した形となっている。 --ちなみに仲間モンスターには''隠しダンジョンの裏ボス''もおり、まさかの秘奥義まで搭載されていたりする。 -バンナムの他作品とのコラボ要素があり、アイドルマスターや塊魂などのなりきり衣装が存在する。 //修正依頼で評価点が無いというから書いたけど、ラタから改善されたモンスター関連以外の評価点、このゲームにある……? ---- **総評 ファン感情を抜きに『なりきりダンジョンX』という一つのゲームとして見れば、システムに致命的な欠陥があるわけではない為、クソゲーとまで断じるのは難しい。~ だが、単純なシナリオやキャラ面(特にアルベルト関連)の水準はかなり低いと言わざるをえない。~ そればかりでなく、原作の描写や『ファンタジア』本編までも後付けで踏みにじっていることから、''リメイクとしては問題点が多すぎるタイトル''である。~ 言ってしまえば&bold(){『主要キャラクターと「なりきりダンジョン」という名前だけ借りた全くの別物』}といっていい有様となってしまった。~ 結論として、原作および『ファンタジア』ファンからは蛇蝎の如く忌み嫌われ、現在でもシリーズファン内ではなかった事にされている事もしばしば。 //総評の文書量が多いので、意味が伝わる程度に残して削減 //これだとちょっと削りすぎだと思うので一部を復帰 //本編である『ファンタジア』のストーリーも楽しむことができ、また非常にお手ごろな価格で手に入るので、新規のプレイヤーにはかろうじてオススメ出来なくも無い範疇には収まっている。~ //安けりゃいいってもんじゃない。それだったら価格暴落したゲーム全てがこの一言で擁護できてしまう。 リメイクとして評価できるのは、ターン制に近かった原作の戦闘がシリーズお馴染みのリニアモーションバトルになった点である。~ しかしそれも、あくまで『ハードの進歩により可能になった』という事に過ぎず、その戦闘システムにしても、同じPSPで発売された他のシリーズと比べるとかなり見劣りする。~ また、リメイクとして唯一評価できるモンスターグラフィックの改善でさえ、評価は高いとは言えない。~ //本作がリメイクとして擁護出来ない仕上がりになってしまった点については「''本作の開発スタッフが原作の人気の秘訣を全く理解していないのでは?'' 」とも指摘されている。~ //原作は所謂「完成度の高いシナリオ」が評価のポイントとなった作品だが、物語の内容のみで人気を得たわけでは決してなく、ましてや『ファンタジア』の後日談というだけで人気を得たわけでもない。~ //物語全体の雰囲気、人間のドラマ性、ほどよい本編のシナリオ補完、たのまれごとの脚本等、双方の作品の魅力を尊重し、かつ最大限に高める緻密かつ高度なクオリティに仕上がっていたからなのだ。~ //それを上っ面だけをなぞらえて、スタッフの嗜好や悪ノリが一人走りした新規キャラや後日談をでたらめに詰め込んでもいたずらに評価を落とすだけだという事が、本作を通じて良く分かると言うものである。~ シナリオ以外でも原作で評価された要素の悉くを排除するという、原作軽視、或いは蔑ろにしているとしか思えない点も駄目押しになっていると言える。 //原作のシナリオライターである新免G之進氏は攻略本で''「この物語は世界を救え!というような壮大な物語ではなく、自分の心との対峙といった人間の内側にテーマを設定した」''と語っている。~ //にも拘らず、本作内で虹輪やシグルド、プルートにより度々世界が危険にさらされる本作を見れば、スタッフの理解がまるで足りていないという結論に達しても致し方なしであろう。 //原作改変、改悪の理由は下の項で述べられているため一律CO ---- **なぜここまでの原作改変が起こったのか バンダイナムコ公式の攻略本のインタビューにて、開発スタッフが本作の原作からのシナリオの改変について、その理由を語っているが、その発言も全く持って筋が通っていない。 #region(''「オリジナル版のシナリオは倫理的な問題で難しかった。」'') -原作ではメイン・サブ問わず人間の負やしがらみをモチーフにした陰惨なシーンが多数存在したため、頭から否定はできない。ファンの中でも原作のシナリオを完全に再現したら、間違いなくCEROに引っかかるだろうと考えていた人が多かった。 --CEROに引っかかってしまえば売り上げに影響するため((Z指定でない限り購入自体の制限は無いが、一定の年齢以上の人間向けの作品と証明されてしまえば、購入に対しどうしても敷居を感じてしまう人も多いと思われる))、それを避けるためにシナリオをマイルドに改変して売り上げを伸ばしたい…と考えるのは利益を求める民間企業として当然である。しかし結果的にレーティングはCERO「B」となってしまい、さらにシナリオも不必要なまでに改悪されたとプレイヤーから捉えられてしまった。 --一方、''アルベルトの暴言や下品な発言((酷いモノだとディオに対して「毛も生えてねぇハゲぼうず」呼ばわりしたりする。もちろんこれは頭がハゲていると言う意味ではない。ここまで書けば何を意味するかは自ずと解るだろう。))の数々はスタッフ達の間では倫理的に問題なかった''ようだ。 ---アルベルトの発言も大概CEROに引っかかってもおかしくない発言ばかり((実際CEROに引っかかった上に本作のコンテンツアイコンはセクシャル・犯罪である。なお、CEROは「ソフト全体」に対してレーティングを下すため、同時収録の『クロスエディション』の内容が引っかかった可能性も指摘されるかも知れないが、土台となっている『フルボイスエディション』は「CERO:A(全年齢対象)」である。従って、仮に『クロスエディション』に原因があるとしても、『フルボイスエディション』から追加されたもの…つまり、「ロンドリーネ」以外に起因しうるものが無いと言える。))で、社会問題となっているいじめや各ハラスメントを彷彿させる悪質なものばかりである。それを「ギャグ」として気安く扱っているあたり、本作のアルベルトの振る舞いの方が倫理的どころか、青少年の教育上遥かに不健全である。 #endregion #region(''「オリジナル版をリスペクトした上で新たな可能性、新たな物語を作った。」'') -しかし本作が''公式な後日談''となったため、''原作を否定し自分達のリメイク版を推している''と解釈が出来、事実、会社側がゲーム雑誌などで原作であるGB版ではなく本作を「なりきりダンジョン」だと宣伝している節がある。((もっとも顕著な例が「テイルズ オブ 大全 1995-2011」での原作の扱いで、この資料集では本作のシナリオ、設定こそが本来の『なりきりダンジョン』であるような記述がなされている。)) --そもそも原作の設定やキャラを悉く捻じ曲げ、目玉の要素を悉く削ぎ落とし、シリーズ作品の設定すら無視しての「新たな可能性、物語」とは何なのか。そしてこの内容で一体どこを「リスペクトした」と言えるのか。こういうのは「ディスリスペクト((disrespect。名詞的に「軽視、軽蔑、無礼」、動詞的に「軽視する、軽蔑する、無礼を働く」などの意味合いを持つ。日本では「ディスる」「ディスられる」の形で使われることが多いか。))」と言うべきものである。 #endregion #region(''「リメイクを作ってもオリジナル版が好きと言う人は必ずいるため。」'') -確かにスタッフの言うよう過去の作品や原典を美化するあまり、新しい作品やリメイクを頭ごなしに否定する俗に言う『懐古厨』と呼ばれる人々は存在する。だがそのリメイクの完成度が高ければ色眼鏡なしに高く評価する原作ファンも多数居る。PS版『ファンタジア』の完成度やその人気、外伝作品である『なりきりダンジョン』誕生という事実がその証左である。 --第一、それがリメイク作品である本作が''原作をやりたい放題に破壊(しかも『ファンタジア』本編を巻き込む形で)して良い理由にならない''のは言うまでもない。ましてリメイク云々以前の問題点が蔓延している本作でこの理屈を主張した所で説得力はお察しである。 #endregion …と、「ちょっと待て」と言いたくなる発言が多いため、自分達のやりたい放題な有様を正当化するための言い訳だと捉えている者も少なくない。~ 本作が原作プレイヤーにも受け入れられる良質なリメイクならば、原作の開発室に登場するシナリオライターの発言同様、もっと好意的にこれらの発言はとらえられたのだろうが…。 //これ以上ここの情報量を増やすのはやめて下さい。 ---- **余談 -発売後 --メディアクリエイトの初回のランキングでは第1位を獲得し初週の売り上げ本数は10万8356本であり、最終的な売り上げ本数は原作の15万4602本を上回る18万4355本(いずれもファミ通調べ)であった。~ しかし、上記の悪評により現在は中古が溢れている状態となってしまっている。~ 同時収録されている下記の『クロスエディション』も質の悪い劣化移植となっているためか、元となっている『フルボイスエディション』の方が中古価格が高くなっているのも普通に見かけられる。 -シリーズでは珍しく、ディオ・メル・クルールの声優は過去に発売されたドラマCDで担当した声優とは違う人が担当している((ディオ:くまいもとこ→斎賀みつき、メル:柳瀬なつみ(現:やなせなつみ)→阿澄佳奈、クルール:永島由子→伊藤美紀(表記は「原作のドラマCDにおける声優→Xにおける声優」で表記)。))((担当声優の逝去・兼役以外の理由でメインキャラの声優が変更された例は『ファンタジア』のミント(基本的に岩男潤子が担当しているがSFC版・GBA版のみこおろぎさとみが担当)や『アビス』のイオン(ゲーム版では大谷育江だが、ドラマCD版では釘宮理恵、テレビアニメ版では小林由美子が担当)などがある。))。 --攻略本によると、ディオとメルの性格を掴むための資料としてこのドラマCDも使用されたらしい。しかしなぜ声優が変更されることになったのかは不明。 ---勘違いのないように書いておくが、変更後の声優の演技についてはあまり批判は起こってはいない。むしろディオ役の斎賀みつき女史の本作での演技は広く評価されている。また、ドラマCDの声優陣もキャライメージに合っており演技も優れているため評価は高い。 ---そのため開発スタッフが声優を決めて依頼した後でドラマCDの存在を知ったという噂がファンの間で流れたこともあった。本作の出来を考えると、デマだと言い切れないのが悲しい。 ---- *同時収録・テイルズ オブ ファンタジア クロスエディション 本作に同時収録されている『ファンタジア』の移植作品。~ 詳細は[[こちらのページ>テイルズ オブ ファンタジア クロスエディション]]を参考にされたし。 ----
『[[修正依頼]]』が出ています。依頼内容は、罵倒に満ちた感情的極まる記述の修正です。対応出来る方がいらっしゃるなら宜しくお願いします。 ---- *テイルズ オブ ファンタジア なりきりダンジョンX 【ているず おぶ ふぁんたじあ なりきりだんじょんくろす】 |ジャンル|ロールプレイングゲーム&br()(シリーズ内ジャンル名:真実と向き合うRPG)|&amazon(B003EO8WYU)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~| |開発元|ナムコ・テイルズスタジオ|~| |発売日|2010年8月5日|~| |定価|5,219円(税別)|~| |プレイ人数|1人|~| |セーブデータ|544KB以上|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~| |コンテンツアイコン|セクシャル、犯罪|~| |廉価版|PSP the Best:2013年2月21日/2,667円(税別)|~| |配信|【PSP/PSV】2013年11月28日/2,381円(税別)|~| |判定|BGCOLOR(khaki):''シリーズファンから不評''|~| |~|BGCOLOR(khaki):''劣化ゲー''|~| |ポイント|原典から満遍なく改悪された内容&br()''ファンからは満場一致で黒歴史''&br()単体で見てもあまりよくはない完成度&br()シリーズ史上最低最悪のキャラ''「アルベルト」''|~| |>|>|CENTER:''[[テイルズ オブ シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- //横に長いポイント欄を修正 **概要 ゲームボーイで発売された『[[テイルズ オブ ファンタジア なりきりダンジョン]]』(以下「原作」と表記)をPSP向けにリメイクした作品。~ 第1部のボス戦後の問いかけ以外にセリフがなかったディオとメルにセリフを用意したり、戦闘システムをシリーズと同じアクションのものにしたり『テイルズ オブ ファンタジア』との橋渡しの役目を持つ新キャラクター・ロンドリーネの追加などが行われている。~ また、原作および本作のシナリオは『ファンタジア』本編を前提としているため、『ファンタジア』を未プレイだとシナリオが理解しにくくなっている。~ そのため、『[[テイルズ オブ ファンタジア -フルボイスエディション-]]』の戦闘システムを洗練させた『[[テイルズ オブ ファンタジア クロスエディション]]』を同時収録している。 原作は暗く重いながらも練り込まれたシナリオが高く評価されたが、戦闘システムはハードの制約もあってシリーズ恒例のアクション要素の強いリニアモーションバトルシステムからターン制に近いものとなっていたため、戦闘システムを改良したリメイクが望まれ続けていた。 満を持してのリメイクとなった本作は、多数のシリーズ作品にキャラクターデザイン・作画監督として携わる松竹徳幸氏自身がアニメーション監督を務め、背景スタッフはスタジオジブリの作品やアニメ版『時をかける少女』に関わったスタッフで制作されている。~ その一方で、開発スタッフの上層部(ディレクター・シナリオライター等)には、''原作及び『ファンタジア』本編の開発に携わった人間がほとんどいない''(2人いるプロデューサーの岡本進一郎氏のみ原作と同じ)。~ また、担当プロデューサーは『[[テイルズ オブ バーサス]]』で悪い意味で名を広めてしまった大舘隆司氏であった。~ そのため「原作に沿ったシナリオやシステムはしっかり再現してくれるのか」「余計な要素を加えてどっちつかずな出来にならないか」と、発売前からファンの間で不安がられていたのだが、その危惧は案の定この上もない形で的中してしまい、ファンからの多大なる怒りを買うこととなった。 一応、戦闘仕様を評価するプレイヤーやX新規のGB未経験プレイヤーにはそれなりに受け入れられたが、それらの層からすら嫌悪される要素も多々ある始末で、単体としても微妙としか言えない作品となってしまった。 ---- **特徴 -システムは『[[テイルズ オブ ハーツ>テイルズ オブ ハーツ アニメムービーエディション/CGムービーエディション]]』((本作の担当はD2チームだと思われているが、社員増員と据置機・携帯機ハードに合わせてスタッフ編成され、過去に『ハーツ』を開発した三つ目の制作班が制作している))のそれをさらに進化させている。 --本作では術技発動のパワーソースとして「エモーショナルブレイブゲージ (EBG) 」を使用する。このゲージはキャラクターの感情の変化を表したものであり、ゲージが高いと攻撃力が上昇、防御力が下降し、ゲージが低いとその逆となる。~ ゲージは攻撃を当てたり、ガードをすることによって上昇し、術の使用により減少する。ゲージが100%を超えた状態では「オーバーブレイブ」が発動でき、これにより攻撃力上昇などの恩恵が得られ、秘奥義(いわゆる必殺技)を発動できるようになる。 -『テイルズ オブ シンフォニア -ラタトスクの騎士-』にあった仲間モンスターの要素もあり、特定のコスチュームでモンスターと戦うと、戦闘終了時に一定確率でそのモンスターを仲間にできる。 --モンスターは戦闘メンバーとして使用可能であり、モンスターだけのパーティを組む事もできる。 ---- **問題点 ***戦闘関連 -今まではTP回復効果を持つアイテムだったグミが、本作ではEBGを増加させる効果になっている。 --つまり、自分は攻撃しつつ他の仲間にグミを使ってもらう事で、常にゲージを100%以上に保ててしまい、''他シリーズ作品以上に秘奥義の連発が可能''になってしまっている。 ---この結果本作を「グミゲー」と呼ぶプレイヤーもいる。 ---参考までにTPが存在しない他のシリーズ作品にはTP回復グミの互換アイテムはなく、HP回復グミしか存在しなかった。 --キャラクター間の強弱バランスが極端であり、コスチュームをマスターして覚えるスキルが揃っていれば、最終的には主人公「ディオ」と「メル」の圧倒的な2強となる。 -秘奥義の演出が全体的に地味。 --同時収録の『クロスエディション』に比べると、初動が遅く、動きやエフェクトもあっさりしている。 --中でもロンドリーネの使う秘奥義「デモンズランスレイン」は通常技とさほど変わらない見栄えである。ダオスの使う秘奥義「スーパーダオスレーザー」も従来と比較すると明らかに演出が劣化している。 --『ファンタジア』のキャラにも秘奥義が搭載されている((『テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー3』では本作の秘奥義が実装))が、残念ながらチェスターとクラース以外は既存の術技を秘奥義扱いにしただけの手抜きである。 ---しかも秘奥義になってしまったため普通の術技として使う事ができない。そのため前日譚である『クロスエディション』では使えたはずの技が何故かその後日談では普通に使えなくなるという珍妙な事になっている。 --また、PS版などでは秘奥義相当の特殊な奥義として扱われていたクレスの技「冥空斬翔剣」と、一定条件を満たせば習得出来た技「殺劇舞荒剣」が正式に秘奥義に設定されている。 ---しかし、冥空斬翔剣の原点となる発動ボイスはデフォルトでは聞けず、発動に合わせたプレイヤーの操作が必要。 -全ての敵がのけぞりにくく、爽快感が味わえない。 --こちらの攻撃を数発耐え、場合によってはそのまま反撃してくる。 --この攻撃を与えても怯まずに行動できる特性は過去テイルズシリーズでも見られ、「''鋼体''」と呼ばれている。 ---それでも他作品では精々ボスクラスと、一部の大型雑魚敵が持っているにとどまっていた。しかし本作ではほとんど全ての雑魚敵が鋼体持ちとなっているため、爽快感が損なわれている。 ---戦闘システムの基盤となった『ハーツ』でも鋼体持ちの雑魚はそれなりの割合で登場したが、本作のように著しくテンポを崩す程にはなっていなかった。 -''原作にあったなりきり服が本作では作れない''。 --『ファンタジア』キャラのなりきり服や、「つりし」や「商人」など戦闘に向かないコスチュームが軒並み削除されてしまったことが、原作ファンから非難を呼んだ。 ---『ファンタジア』パーティメンバーのなりきり服が削られたのは、彼らが本作では仲間(戦闘メンバー)として加入するためと思われる。 //だが仲間にならないモリスンやダオスのなりきり服も、何故か本作では作れなくなっている。 //モリスンやダオスのなりきり服が消されたのはファンタジアのキャラであり違和感が生じるからと思われる。 ---原作では戦闘に不向きだった非戦闘系コスチュームも頼まれ事などのイベントで必要になり、戦闘以外でもディオ達のなりきりの能力を活かしていたのだが、本作ではごっそり削られてしまっている。 ---もっとも、戦闘が複雑化した本作で原作のような大多数のコスチュームを用意するのは明らかに無理があり、また戦闘に力を入れているからこそ下手に非戦闘系コスチュームを入れられないと見る事もできる。 ---とはいうものの、それならそれで戦闘時には使わないイベント用キーアイテムとして導入する等はできたはずで、何よりコスチュームの主な入手法が『服屋で作成する』→『ダンジョン内に無造作に落ちている』と変更されており、もはやなりきりやコスチュームといった設定ではないほうが自然なシステムに成り果てている。 -クルールの最大の特徴であった''成長する事により姿を変える''と言う要素が無くなった。 --原作ではパーティメンバーはディオ・メル・クルールの3人組だったが、本作では『ファンタジア』のパーティメンバー6人と新キャラクター・ロンドリーネも参加し、最大4人までで戦闘を行えるため相対的に影が薄くなってしまった。 ---覚えるスキルや技の性能と数のせいで他のパーティキャラと比べても若干弱いため存在感の薄さに拍車がかかっている。 ---その代わり新たにチェインパートナーという、操作キャラクターに変身して同時攻撃を行うシステムが追加された。しかし残念ながら使い勝手が悪いためほとんど使われない。 ---- ***シナリオ 大筋そのものは原作と同じだが、その描写等はほぼ別物と言っても良いくらいに改変されている。~ 原作はシリーズの中でも重く哲学的要素に富んだ独特な作風だったが、本作では打って変わってかなりライトな作風となっており、加えて所々説明不足が目立つようになってしまった。 -原作はシリーズでもかなり尖った異色な作品であったが、その''尖った異色さが何よりの魅力''だった。そのため、その個性を必要以上に削り、最近のシリーズの不評な面を反映させたような作風になったため芳しくない評価を受けることとなった。 --また、上に書いたように『ファンタジア』本編のキャラクターも戦闘で使えるようになっただけでなく、シナリオに深く絡むようになった事も「本編エンディングでの別れが一気に軽々しくなった」という批判に晒される事に。 --クレス達はエターナルソードという自由に時間転移できる術を持っていたが、クラースはそれを知った上で「私は、もう二度と(100年後に生きるクレス達とは)会えないな…」と言っていた。これは、ダオスの争乱をきっかけに時空を越えて一堂に会していたメンバーが夫々の時代に戻る事で、本来あるべき関係に戻る事を望んでいたからである。 ---彼が自分だけを指してこう言ったのは、彼と同じ時代に生きるアーチェは人間より長命なハーフエルフの為、100年経過した現代でクレス達と再会出来る可能性は十分にあり、50年後の未来に生きるすずもクレスたちの年齢から同じく存命のうちに再会出来る可能性があるが、クラースは間違いなく亡くなっているあろう事からである。 --つまり、二度と会えない、今生の別れだからこそあの離別のシーンが光るのである。本作の仕様はそれを台無しにしていると言われても仕方がないだろう。 -一部高い評価を受けていた「たのまれごと」も大幅に削減、正確にはごく僅かがサブイベントとして残っているだけで、このシステムすら無い。そして数少ない残った部分すら悉く改悪しているのである。 --特に悪徳商人ボエボエのイベントは、原作の面影も無い淡白でさほど印象に残らない代物になってしまった。 ---原作では重い内容ながらも非常に評価の高いイベントだったものの、本作のそれは原作のファンはおろか、新規プレイヤーですら首を傾げてしまう内容になっているため、原作ファンからは「こんな有様ならイベント自体を削除してくれたほうがマシ」という批判も。 ---最後にボエボエと会話する場所のBGMが「陽気な熱帯地帯」をイメージさせ、さらにイベント中''ずっとそのBGMがかかりっぱなし''である。''会話内容とまったく合っていない。''このイベントは原作の言わば''もうひとつの本編''もしくは''裏のシナリオ''といってもよいイベントだったのだが…。 -原作にあったヴァルハラ村や魔鏡の間などの鬱要素や哲学的な台詞もかなり緩和または削除されている。 --鬱ながらもファンから高く評価された一部の「たのまれごと」や、難しくも深い哲学的な問いも原作の特徴の1つであった。 --原作ではプレイヤーが親代わりであり、双子に対して道徳や倫理観を教育する立場であるため、基本的に「答えは自分で導き出せ」というスタンスのゲームである。よって明確な答えを用意しない、哲学的であることに意義がある。それらの一部を排してしまったことで、物語の深みが無くなってしまったという評価を受けている。 -ちなみに、原作のシナリオライターは開発室にて、主人公についてディオとメルではないある人物だと発言していたが、本作のシナリオライターは開発室にて「主人公はディオとメルです。」とはっきり発言した。 --どのような意図でこのような発言をしたのかはわからないが、本作のクオリティの低さ故「原作の趣旨すら理解していない」と取れる発言になってしまった。 -細かい矛盾点など --精霊のグレムリンレアーは作中、かつて『ファンタジア』でクラースの口車に乗せられて契約した事を口にするのだが、本作でグレムリンレアーと出会うのは『ファンタジア』で契約した時代(すずの時代:未来)の約50年前(クレスの時代:現代)で、この時代のグレムリンレアーはクラースと契約どころか''出会ってすらない''。 //--クレス達が''現代で英雄扱いされている''のだが、クレス達がダオスを倒したのは現代を軸に''100年前の過去と50年後の未来''である。 //---これは時空転移が可能な事が社会的に認知された上で、クレス達が100年前に活躍した事が証明されなければ起こり得ない現象である。現代では精霊も魔法も失われており時間移動も認知されていない(寧ろ眉唾扱い)ので、純粋に不可解な展開と化している。 //---一応、古代都市トールの装置を使えば時空転移はできる((ただしある時期から時空転移装置は壊れてしまっている))のだが、使っている描写は全く無い。 //クレス達の英雄扱いは現代の地下墓地でのダオス討伐が称えられてのことであり、その名声も世界的なものではなく大陸内に留まる程度である等、この点についてはゲーム内で適切なフォローがなされているためCO ---- ***キャラクター面 -ディオ達の過去に絡む重要な位置にいる人物の人格が悪い方向に変更されている。~ 本作で新たに追加されたキャラも多いが、彼らについての評価も芳しくない。 --この重要人物は原作では主人公のディオとメル同様双子という設定であったが、本作では設定の変更を受け''赤の他人''となっている。 ---これは原作の根幹に関わる部分で、双子から他人にする必然性は今作だけを見ても一切無い為、典型的な改悪だと猛烈に非難されている。 --シナリオの改悪による影響を最も受けたのは主人公の双子に試練を与えた精霊「ノルン」であり、今作では非常に機械的に動くような人物に性格が改変されている。 #region(ネタバレ注意) -捨て子、終わりの見えない戦争、新しい親(軍人)とのしがらみ、疲弊していく国家、劣悪な生活環境…など、様々な悲劇が重なり合い「大量破壊兵器の使用」という結末にたどり着くわけだが、張本人が「俺は悪くない、戦争が悪い」の一言で片付けてしまう。あながち間違った主張ではないが、戦争に関わらない罪無き生物の命まで奪った張本人が使っていい言葉ではない。シナリオや描写の大幅な変更などでこの人物の内心も見えづらくなり、[[思考停止からの責任放棄>テイルズ オブ ジ アビス]]にしかなっていない。 --なお原作では自身の行為は紛れもない「悪」だと理解しており、''人間なら抱いて当然の感情''によって使用し、本作のように白々しい責任転嫁などはしていない。だからこそ''彼の善悪の判断は非常に難しい問題''なのである。~ それ故にノルンの「審判」の対象に選ばれたと言える。 ---だがリメイクでは単なる「短絡的な動機による大量虐殺犯」でしかないにもかかわらず原作と同じ扱いな為、大きな矛盾となった上ノルンの株も大きく落とす結果になってしまった。 ---また、原作では大罪を犯したある2人を認め、その罪の償いに協力的な姿勢をみせるなど器の大きさを見せたダオスだが、今作では打って変わって冷徹な人物として描かれている。(過去に2人がしたことを鑑みれば無理のないことではあるが) #endregion -ディオとメルの性格改変。  --ディオは所々日本語的に違和感のある発言が多く、「誰得」などのネットスラングを使うなど世界観に合わない。性格もどこか生意気かつ妙なトゲが目立つ人物になっている。 --メルも全体を通してやたらとネガティブシンキングな面が強調されており、賛否が分かれる。 #region(その他、目立つキャラについて 長いため下りたたみ) ***ロンドリーネについて -『ファンタジア』本編との橋渡しとして追加された女性。しかし言うほど橋渡しの役割は果たせていない。 --ダオスと過去に会ったことがあり、時空を超えて彼を追っていると言う設定だが、当のダオスを追う理由は「幼い頃にダオスと会ったがそのときの彼はとても優しく、戦争を仕掛けたダオスと同一人物とは思えない。そうなってしまった理由を本人に会って確かめたいから」という、個人的な私情によるもの。 ---上記の理由が判明するのもストーリーが中盤を過ぎてから。それまでは自分の目的を隠したまま思わせぶりなことを言いつつ、成り行きで仲間に入ったかと思えばダオスに会いに行くからと抜けるという期間が続く。 -彼女の出自設定に謎がある。 --後に発売された攻略本で「普通の人間と変わらない姿だがエルフの末裔」と正式に彼女の正体が公開された。~ これはエルフの中で稀に生まれる、魔力を持たず、エルフの特徴も持たないレネレスの事を刺していると思われるが、現在のロンドリーネは普通に魔法を扱える。 ---『ファンタジア』と世界観を同じくする『[[シンフォニア>テイルズ オブ シンフォニア]]』では、アイオニトスという鉱石の粉末を摂取すれば人間でも魔術を使用できるという設定があるため、彼女がそれを用いて魔術を使用しているとも考えられるが、そういった説明は無い。 -まとめると、「生粋のエルフの子孫であるが、魔力を持たず、エルフの特徴も持たないレネレスとして生まれたために村を追い出され、人間として幼少期を過ごし、後天的又は上記の手法にて魔力が身についたため魔術が使えるようになった」と説明すれば辻褄が合う。 --以降の外伝作品でも、ロンドリーネに関しては「エルフの末裔」という設定となっているが、それ以上が語られることはない。 --ロンドリーネ自身は至極常識人で、他のオリジナルキャラクターのような非常識な言動や行動が殆ど無く、『ファンタジア』の仲間内にはいなかったノリの軽い姉御肌な女性であり、デザインも藤島康介氏に近い絵柄で((デザインは松井麻依香氏。ちなみにこれまで藤島タッチの絵を披露していた奥村大悟氏は本作のパッケージイラストを描いている。))ファンは多い。 ***エトスについて -ディオとメルの親代わりとして登場した新キャラクター。 --原作ではディオとメルの親代わりを''ゲームのプレイヤー自身が務める''事で高い感情移入を生み、シナリオの''メッセージ性や深みがより増す''という評価点にもつながっていた。 ---エトスの追加はそれらの要素を否定するものとなっており、原作プレイヤーからの批判点の1つとなっている。 #region(ネタバレ注意。) -原作や小説版のように人間にではなく、人間と全く異なる存在である精霊のエトスに双子を託すというノルンの行動は、人間の本質を見極めるという目的には不適切なのではないかという疑問もある。 #endregion ***アルベルトについて -ノルンに命を与えられたクローゼットで、''本作における誰得要素の筆頭''。 --原作ではなりきり服はダンジョンの休憩地点などにあるタンスから出し入れしていたのだが、本作ではアルベルトがその役目を担っている。 -とにかく自分の欲望丸出しで協調性や節度が欠如しており、口を開けば後述する暴言や下劣なセクハラ発言ばかり。 --あまりの憎らしさから名前で呼ばれず、ファンサイドでは専ら(実際はクローゼットであるにもかかわらず)''タンス''と呼ばれている。 ---戦闘には一切参加しない上に都合が悪くなるとすぐに逃げる。かの[[モルモ>テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー]]を彷彿とさせるが、まだまともな発言もしてくれる時がある分''モルモの方が余程マシ''とすら言えるレベルである。 ---ダンジョン内で着替えが出来ないのも「着替え室がないから」という合理的なものではなく「アルベルトが危険のある場所には出てこないから」という身勝手なものになっている。((アルベルトは非戦闘要員でありその判断自体は妥当と言えなくもないが、その事を悪びれもせず堂々と宣言するためプレイヤーの反感を買っている。)) -極度の女尊男卑な思考回路であり、男性陣への態度は''殆どが上から目線の罵詈雑言or暴言''で固められている。言動の一つ一つをとってしても下品なものばかり。作中のキャラは構う価値は皆無と理解しているのか多くの発言は見事にスルーされているが、原作や『ファンタジア』本編のファンが聞き流せるかは大いに疑問。 --一方、女性陣にはメル:メルメル/ロンドリーネ:ロディたん/ミント:ミーたま/すず:すずちん…と言った気色悪いあだ名をつけた上にセクハラまがいの言動をとる。 ---例外的にアーチェだけは『凶暴なオバハン』呼ばわりし、セクハラ発言は勿論名前で呼ぶ事すら無く、基本的に男性陣と同じ横柄な態度をとる。 --言うまでもないだろうが、双子の扱いは常にディオ<<<<<メル。ディオに対しては他の男性陣と同様容赦なく下劣に罵りにかかる。((酷いモノだとディオに対して「毛も生えてねぇハゲぼうず」呼ばわりしたりする。もちろんこれは頭がハゲていると言う意味ではない。ここまで書けば何を意味するかは自ずと解るだろう。))挙句実質生みの親であるノルンにすら悪口を言い、極めつけには終盤のスキットで''プレイヤーにまで悪口を言ってのける''。 -もっとも有名と思われるのは、「''チェスターの妹・アミィ(故人)の事を罵り、その上兄のチェスターをシスコン&変態扱いする''」と言うスキットだろうか。当然妹を貶されたチェスターは怒りのあまりアルベルトに対して容赦ない態度を見せた………りはせず、半ばやれやれな態度で流しているに過ぎなかった。 --原作と『ファンタジア』のファンがプレイした場合、チェスターの背負っている背景((ちなみに、ファミ通文庫でのノベライズや『ファンダムVol.1』の彼らのエピソードなどでより深くその辺に触れられる。))・原作の魔鏡イベントも知った上でその暴言を聞かされる事になる。 ---チェスターの人生はアミィ無しには語れない。幼くして両親を亡くし、孤児となった2人を養う者は誰もおらず、自分で食い扶持を稼がねばならなかった。そんな苦境の中でも盗みなどの犯罪に走らなかったのは、その罪で自分のみならず妹も穢してしまう事を知っていたからである。アミィを愛し、誇りに思っているからこそ今の真っ直ぐな心を持つチェスターが居るのだ。しかもその妹は、『ファンタジア』冒頭で村を襲った軍隊に殺されている。 ---これに関連して、スキット内でのチェスターのやたらと落ち着いた対応にも時に批判が寄せられる。原作でのチェスターの性格((本編のドラマCDで、クラースに指摘ついでにすずとアミィを重ねて見ている事を示唆されただけでも激昂し掴みかかっている。当時はチェスターが気にかけているすずに懐疑的な追及を行うクラースに憤っていたのもあるが。))なら、ブチギレるどころか周囲の制止を振り切ってでもアルベルトを叩き壊しにかかってもおかしくない。 -一応、スキット以外ではでしゃばらないというのが最後の救いかもしれないが、当シリーズでスキットを聞かずに進めるのはプレイする楽しみがかなり減るので、そうもいかないのが現状。 --だが、着替えをした時等のシステムメッセージなどが何故かアルベルトの発言したものの体を取っており、加えてアルベルトの喋りに特徴的な訛りがあるせいで、嫌でも目に入り非常に鬱陶しい。 なお、先述したチェスターとの会話の詳細は以下の通り。 #region(スキットの詳細。不快になる可能性があるので閲覧注意。) ディオ達に魔物使いのコスチュームを渡したチェスター。メルのことを思わず「アミィ」と呼んでしまったあとのチャット。 |チェスター「アミィと間違えるなんてな……」&br()アルベルト「アミィって、おめぇの妹だか?」&br()チェスター「あ、ああ、そうだよ……」&br()アルベルト「ほぇ~~~、おめぇに妹がなぁ~~」&br()チェスター「な、なんだよ!人の顔ジロジロ見て」&br()アルベルト「おめぇみてーなキツネ目の妹っつーことは、そのアミィっての、名前に合った顔なんだなや」&br()チェスター「なんだよ、それ。アミィが俺に似てるって言いたいのか?」&br()アルベルト「みなまで言わんでええだ、ええだ。おめぇの顔見てれば、ぜぇ~んぶわかるだよ」&br()アルベルト「おめぇはかわいい妹が欲しかったんだ。だから、さっきメルメルをわざと間違えたんだど?」&br()チェスター「バカ言ってんじゃねぇっての」&br()アルベルト「あひゃぇ!当たっただ!図星だ!!こいつ、メルメルを狙ってる変態だーよ!!!」&br()チェスター「あのなぁ……そりゃ、お前だろ……?」| これはひどい…。 #endregion -そして極めつけに、開発室で聴けるスタッフによるアルベルトへの「''毒舌キャラ、楽しんでいただけましたか?''」 --「毒舌」とは、辛辣な悪口や皮肉を言うこと((近年の解釈では辛辣ながらも物事の本質を突いている、ユーモアを交えた皮肉等があり、純粋な悪口とは区別して使われていることが多い。その場合でもアルベルトはこれに当てはまらない。))であり、アルベルトのそれはただの「暴言」でしかない。 ---結果、アルベルトの発言の数々をお茶目要素であるかのように扱う開発陣への不信を煽るだけとなってしまった。 -こんな有様のため、アルベルトは満場一致で「''シリーズ最低のキャラ''」としての評価が定まる事となった((多くの言動が欲望に忠実過ぎるあまりキャラクターの語り口調として不自然なものも多く、中には「彼はキャラクターとすら呼べない、単なるスタッフの欲望のアバター」と評する者も。))。 --実際に『マイソロ3』のスキットや『エクシリア』のキャラにまつわるコピペなどでアルベルトがネタにされている。 ---またあまりに不評だったのか公式人気投票からはアルベルトの名前が削除されている。 #endregion ---- ***最悪の後日談 -シナリオ改変の影響で本編キャラクターの悉くがディオ達と出会わなければ''悲惨な末路を辿る事になってしまった''。([[参考動画(ニコニコ注意)>http://dic.nicovideo.jp/v/sm12276108]]) #region(ディオ達と出会わなかった場合の本編キャラクターの悲惨な未来。ネタバレ注意。) |クレス|犯罪組織“シグルド”との戦いの中戦死。| |ミント|クレスの死に絶望して自殺。| |クラース|召喚術の論文が認められず生きる希望をなくし、酒に溺れた末に死亡。| |すず|魔界の王プルートと刺し違え戦死。| |チェスター|不明。| #endregion -改変の結果『ファンタジア』本編までも巻き添えにしているため、『ファンタジア』本編のファンからは凄まじい反発が起きた。 //-これらはアーチェの口から語られるのだが、彼女はその間ずっと眠っていたらしい。 //--ファンタジー作品において「長命を維持するため、定期的に休眠状態になる」という設定は割とお馴染みだが、少なくとも『ファンタジア』のエルフ(及びハーフエルフ)にそのような設定は存在しない。 -仲間達が辿った悲劇を知るアーチェと悲劇を逃れたキャラクター達が揃うという「アレ?」と思える現象も起こっているが…。 -似た事例だと『[[デスティニー>テイルズ オブ デスティニー]]』の主人公スタンの[[続編>テイルズ オブ デスティニー2]]での扱いもかなりの批判があったが、本作の場合はそれすらまともに見える酷さを誇る。 --スタンの場合は「長年一線を退いていた」「愛剣ディムロスを失い、全ての昌術と多くの特技が使えない」「家族同然の存在を人質を取られ、武器を捨ててされるがままに殺された」「非常に凶悪な敵が相手だった((『バルバトス・ゲーティア』という残虐非道な狂戦士で極めて高い実力を持ち、現役(『デスティニー』)時代のスタン達メンバーを真っ向から戯れ半分で圧倒していた。また勝利の為ならば前述の通り人質をとったり罠を仕掛けたり、卑劣な手段も躊躇なく行う。))」後の展開にもある程度活かされている等、相応のフォローがあった。 --ミントに関しても、悲観から安易に死を選ぶような人物ではない。冒険の中で苦境にも折れない芯の強さを身につけた女性である。 --これらの後日談が納得のいく流れであるのならばここまで批判される事は無かったかも知れないが、ストーリー上有り得ないと思われるような展開を具体的な描写もなく追加したことで原作のファンから反感を買うこととなった~ #region(ネタバレ注意。) -クラースが論文を燃やされたのは、論文を提出するより前に召喚の契約を破棄してしまったせいで召喚術を証明できなかったからである。冗談のような話だが召喚を証明できなかった部分以外は''公式サイトにも書かれている内容''である。 --『ファンタジア』で契約の破棄を明言していたのは闇の精霊シャドウのみで、他の精霊たちとの契約破棄は本作のみの設定である。「召喚術の悪用を防ぐ」という意図だったようだが、そもそも精霊たちは契約の指輪さえあれば誰の言うことでも聞くわけではない。((精霊が力を示せと要求した場合、戦って勝利しなければならない。また精霊との関係は対等であり、一方的な命令は出来ない。事実、決戦前夜のアーリィの宿でのイベントにて、クラースの『過去の世界に居るミラルドの様子を見たい』という要望に対し、オリジンは『初めての主の願いであれば、一度だけ』という条件で従い、未来視については先んじて拒否している。))あくまでクラース個人との契約である以上、解除する必要はなかったはず。 #endregion #region(余談) --『ファンタジア』の後日談に当たる第一部は、原作ではシナリオらしいシナリオは無く、本編キャラクターの協力を仰ぎながらディオ・メル・クルールの3人で精霊の試練を受けていき、封印された性格を解放していくというものであった。その反面で前述のたのまれごとの内容がかなりヘビーなものもあり、こなさなければ後半のダンジョンの扉が開かないため、実際はそこまで淡泊に感じさせないようにはなっている。 #endregion ***その他の問題点 -リメイク作であるにもかかわらず、原作での人気曲「DARK MIND」「Judgment」など、あいだとしき氏による曲は一つも採用されていない。 --「あいだとしき氏はギタリストの会田敏樹氏で、権利関係のために使用できなかった」と一部で推測されているが詳細不明。 --その代わりにシリーズお馴染みの桜庭統氏が新曲を書き下ろしているが評判はあまりいいとは言えず、特にラスボス戦の曲はファンからは「どう聞いても通常戦闘のノリ」と言われている。 ---『ファンタジア』の音楽のアレンジも音がこもっている、主旋律が聞きづらい、異様にがしゃがしゃしていてうるさい、などと不評である。 -発売前にやたらと押されていた『テイルズ オブ グレイセス』の主人公・アスベルのコスチュームはパスワード入力でしか手に入らない。 --もっとも、これまでのDLCやアンロックキーと違い、パスワードは攻略本やネットに全部載っているので、探せばすぐ見つかるレベルではある。 ---2010年12月ごろから公式HPに全て公開されている。 ---- **評価点 -原作ではパーティメンバーはディオ・メル・クルールの3人だったが、本作では『ファンタジア』のパーティメンバー6人と新キャラクター・ロンドリーネも参加し、最大4人までで戦闘を行えるようになり、パーティの選択肢が大幅に増えた。 -戦闘システム、ハードの制約もあってシリーズ恒例のアクション要素の強いリニアモーションバトルシステムからターン制に近いものとなっていた原作に比べると大幅に改良された。 --『PS2版テイルズ オブ デスティニー(以下リメD)』『ハーツ』にあった「同じ術技だけ使っていればいい」という問題点は、同じ術技が連続で出せなくなった事により解消された。 ---なお、「通常攻撃→特技→奥義」の通りにしか技の連携が出来ないためリメDやハーツほど連携の自由度は無いが、特定のスキルの修得で連携の幅も同じようになる。 ---本作では通常攻撃が術技と同様に着脱可能であり、×ボタンに通常攻撃・〇ボタンに術技なども可能。携帯機ではセットできる術技が少ないといった問題に対する一つの解ともいえる。 -仲間モンスターを自分で動かすことが出来る。このシステムが初搭載された「ラタトスク」ではモンスターは全てAI操作であったため、自分で動かすことが出来なかった。 --仲間モンスターの中には『''クレイアイドル''((トラクタービーム以外の全ての攻撃を無効化する。トラクタービームを使う敵はいるので完全無敵と言うわけではないのだが、足が非常に速いうえ、トラクタービームを使わない敵には絶対に負けない))』などのとてつもなく強力な性能を誇るモンスターもおり、本来『敵だから許されている』凶悪性能の技や体質を思う存分使用することが出来る。 --『テイルズ オブ デスティニー2』の強敵ガープや、2周目以降の隠しダンジョンでは作中に登場するボス(の色違い)まで仲間にすることも可能。 --今作のモンスターはアイテムも使用可能になっており、更に人間キャラが倒されても全滅扱いにならなくなっている。この点もラタトスクの欠点を解消した形となっている。 --ちなみに仲間モンスターには''隠しダンジョンの裏ボス''もおり、まさかの秘奥義まで搭載されていたりする。 -ダンジョンがランダムダンジョンから『ファンタジア』の固定ダンジョンになった。 --当時の2頭身のトップビューではなく、『デスティニー2』等の3頭身2Dテイルズのクォータービュー風に書き直されており、それでいて当時の地形を模した作りのため懐かしみつつも新鮮な気分で冒険ができる。ギミックもしっかりと踏襲。 --暗黒時空のダンジョンは地下墓地等の通常世界で拾われなかったダンジョンが元になっている。 -バンナムの他作品とのコラボ要素があり、『[[アイドルマスター]]』や『[[塊魂]]』などのなりきり衣装が存在する。 --それ自体はコスチュームのバリエーションの増加に繋がっているので評価出来るのだが、大元が3D作品のコスチュームで秘奥義を使用した時のカットインがそのまま3Dグラフィックで挿入されるため、ゲーム自体が2Dグラフィックで表現されている本作では違和感が強く、諸手を挙げて評価出来ないとする意見も出てきてしまっている。 ---- **総評 名作のリメイクと聞いて期待されていた本作だが、蓋をあけてみれば「評価の高かった原作要素を削り、賛否の分かれるキャラやストーリー追加した作品」という評価を受けてしまった。~ リメイクとして評価できるのは、ターン制に近かった原作の戦闘がシリーズお馴染みのリニアモーションバトルになった点ぐらいである。~ また、リメイクとして唯一評価できるモンスターグラフィックの改善でさえ、評価は高いとは言えない。~ ファン感情を抜きに単体のゲームとして見れば、ゲームプレイに差し障るバグなども無ければ、シナリオなどを除けばゲーム全体的に致命的欠陥があるわけではない為、本wikiの基準では上記の判定になっている。 #co{**なぜここまでの原作改変が起こったのか バンダイナムコ公式の攻略本のインタビューにて、開発スタッフが本作の原作からのシナリオの改変について、その理由を語っているが、その発言も筋が通っているとは言い難い。 #region(''「オリジナル版のシナリオは倫理的な問題で難しかった。」'') -確かに原作ではメイン・サブ問わず人間の負やしがらみをモチーフにした陰惨なシーンが多数存在したため、頭から否定はできない。ファンの中でも原作のシナリオを完全に再現したら、間違いなくCERO指定がかかってしまうだろうと考えていた人が多かった。 --CERO指定を引き上げれば売り上げに影響しかねない為、それを避ける意図で改変を施すのはやむを得ない処置ではある。CERO指定が関係なくても主人公達の重すぎる過去や暗い内容のたのまれごとなど今の時代に、ハードの進化に合わせて演出を強化すれば炎上する可能性も充分あり、他のシリーズ作品へ悪影響を及ぼす余地を考慮するならばこの''考え方自体は企業として至極全うな意見''である。 --ただしその一方で、''アルベルトの暴言や下品な発言の数々はスタッフ達の間では倫理的に問題なかったようだ。''アルベルトの発言も大半がCERO指定の1つ2つ引き上げかねない代物なのだが。そしてアルベルトの存在そのものがプレイヤー達の間で大炎上してしまった。 ---もちろんメインシナリオと脇役の存在を同列に語るのはやや過剰反応であるし、倫理的な問題も原作のシナリオとアルベルトではやや意味合いが異なるのであるが。 #endregion #region(''「オリジナル版をリスペクトした上で新たな可能性、新たな物語を作った。」'') -しかし本作が''公式な後日談''となったため、''原作を否定し自分達のリメイク版を推している''と解釈できてしまう。むしろファンにとってはそれ以外に解釈の余地がない。 --事実、会社側がゲーム雑誌などで原作であるGB版ではなく本作こそが本来の「なりきりダンジョン」だと宣伝している節がある。((もっとも顕著な例が「テイルズ オブ 大全 1995-2011」での原作の扱い。)) --ただし雑誌や本の製作や宣伝にどこまでこのゲームの製作者達が関われるかはわからない。原作とリメイク版では設定やシナリオがやや異なっているためプレイヤーサイドの混乱を避けるための処置ととれなくもない。 ---しかし、大前提として原作の設定やキャラを悉く捻じ曲げ、目玉の要素を悉く削ぎ落とし、シリーズ作品の設定すら無視しての「新たな可能性、物語」とは何なのか。そしてこれを「リスペクトした」と言えるのか。これでは寧ろ「ディスリスペクト((disrespect。名詞的に「軽視、軽蔑、無礼」、動詞的に「軽視する、軽蔑する、無礼を働く」などの意味合いを持つ。日本では「ディスる」「ディスられる」の形で使われることが多いか。))」と言うべきものである。 ---そもそもアルベルトが原作から登場している''ディオを侮辱し''、''メルにセクハラ発言をし''、''クルールには喧嘩をふっかける''、リスペクトした結果こんなキャラクターが生まれたと言われても納得できるファンがいるのか…。 #endregion …と、突っ込みどころ満載な発言ばかりな為、&bold(){自分達のやりたい放題な有様を正当化するための言い訳}だと捉えている者も少なくない。} #co{またアルベルトの存在が開発者達の思想や設計に対する説得力を無くしている。~ 本作が原作プレイヤーにも受け入れられる良質なリメイクならば、原作の開発室に登場するシナリオライターの発言同様、もっと好意的にこれらの発言はとらえることもできただろう。~ もちろんこれは長いインタビューから一部を抜粋しただけにすぎないので、発言の切り抜きをよしと思わない方はぜひ攻略本を手に入れて読んでみて欲しい。~ 納得できるか逆に突っ込みどころが増えるかは個人の考え方や読解力次第である。} ---- **余談 ''発売後'' -メディアクリエイトの初回のランキングでは第1位を獲得し初週の売り上げ本数は10万8356本であり、最終的な売り上げ本数は原作の15万4602本を上回る18万4355本(いずれもファミ通調べ)であったが、上記の悪評によりかつては市場に中古が溢れている状態となってしまっていた。~ --同時収録されている下記の『クロスエディション』も質の悪い劣化移植となっているためか、元となっている『フルボイスエディション』の方が中古価格が高くなっているのも普通に見かけられる。 ''ゲーム内容外でのアルベルト関連'' -改めて言うことでは無いが、''キャラクターを演じた声優には一切の非はない。''((クリア後の開発室にいるスタッフから「ノリノリで龍田氏がアドリブをしまくった」と言った旨の発言があるが、これに関してはあくまでアドリブをしたのは演技面についてであり、問題のある台詞回しは元々用意されていたものである。)) //そもそも、声優の独断で好き勝手に改変できるわけがないのは言うまでもない。 --龍田氏に対しては、このキャラクターのせいで一緒くたに叩かれかねない事に対する同情もあるが、「''アルベルトというキャラクターをその演技で更にプレイヤーを苛つかせる位に完璧に演じきった''」と評されるべきだろう。表現がネガティブになってしまっているが、あくまでアルベルトというキャラクターの立ち位置などを受けての表現であり、この場合は演技を批判する意味で用いていないのでそこは了承願いたい。 -上述した不快な要素ばかりが詰め込まれたキャラクター性もあって、「タンスのウザさに耐えるのもノルンから(''プレイヤーヘ'')の試練」等と言われてしまっている。 --二次創作のイラストでは、アルベルトが燃やされている絵が大量に見られる((俗に言う『キャラヘイト』))。作中でアルベルトにこれといった制裁が加えられない((ロンドリーネが冷たく当たることがあるくらいである。))事と決して無関係ではないだろう。 ---また、テイルズ関係の2chスレでは、アルベルトのような口調のカキコがあると、ほぼ必ずと言っていいほど「紅蓮剣!」「エクスプロード!」といった感じで''火属性''の強力な技・術によるレスがかえってくるほか、Amazonでの評価も辛らつで、ほぼ全てのレビュアーがアルベルトを不満点として挙げている。 --普段ならば、ことバンナムに対してそのえげつなさから批判意見の多いDLCだが「&color(red){''タンスの存在を消せる追加コンテンツだったら数千円払ってでも買う''}」という意見すら上がっているところからもプレイヤーがどう見ているかが分かってもらえるのでは無いだろうか。 ---シリーズ他作品でも毒の強い性格や極端な言動・描写で賛否を招くキャラは少なくないが、彼らなりの信念や筋は通しており、そこを評価し彼等を好くファンもまた多い。日常会話においても最低限の節度はしっかりと弁えており、アルベルトほど無秩序なキャラは皆無である。 ''キャスティング関連'' -シリーズでは珍しく、ディオ・メル・クルールの声優は過去に発売されたドラマCDで担当した声優とは違う人物が担当している((ディオ:くまいもとこ氏→斎賀みつき氏、メル:柳瀬なつみ氏(現:やなせなつみ)→阿澄佳奈氏、クルール:永島由子氏→伊藤美紀氏(表記は「原作のドラマCDにおける声優→Xにおける声優」で表記)。))((担当声優の逝去・兼役以外の理由でメインキャラの声優が変更された例は『ファンタジア』のミント(基本的に岩男潤子氏が担当しているがSFC版・GBA版のみこおろぎさとみ氏が担当)や『アビス』のイオン(ゲーム版では大谷育江氏だが、ドラマCD版では釘宮理恵氏、テレビアニメ版では小林由美子氏が担当)などがある。))。 --攻略本によると、ディオとメルの性格を掴むための資料としてこのドラマCDも使用されたらしい。しかしなぜ声優が変更されることになったのかは不明。 ---誤解のないように書いておくが、変更後の声優の演技についてもディオ役の斎賀氏の演技など広く評価されている。 ---また、元々のドラマCDの声優陣もキャライメージに合った優れた演技で評価は高かったこともあり、本作でキャスティングが一新されたのはそもそも原作におけるドラマCDの存在自体を知らず、あとになってその存在を知った((要は「キャスティングを決めたあと、ストーリーやキャラクター付けでの情報収集等の中でドラマCDの存在を知り、申し訳程度に参考資料として用いた」といった案配。))からという噂がファンの間で流れたこともあった。~ もちろんこの噂は情報源やソースが見つからない完全な噂であるが、かつてドラマCDでミクトランの声を担当した声優が続投した過去がこの噂を加速させた可能性もある。 ---- *同時収録・テイルズ オブ ファンタジア クロスエディション 本作に同時収録されている『ファンタジア』の移植作品。~ 詳細は[[こちらのページ>テイルズ オブ ファンタジア クロスエディション]]を参考にされたし。 ----

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