「ペーパーマリオRPG」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
ペーパーマリオRPG - (2017/03/12 (日) 13:08:04) の最新版との変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
*ペーパーマリオRPG
【ぺーぱーまりおあーるぴーじー】
|ジャンル|アクションRPG|&amazon(B0002ER6BA)|
|対応機種|ニンテンドーゲームキューブ|~|
|発売元|任天堂|~|
|開発元|インテリジェントシステムズ|~|
|発売日|2004年7月22日|~|
|定価|5,800円|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[マリオシリーズ・関連作品リンク>マリオシリーズ]]''|
----
#contents(fromhere)
----
**概要
『[[マリオストーリー]]』の正式な続編。仮題段階では『マリオストーリー2』とされていた。~
ストーリーには絡まないが、前作に登場した地名やキャラクターの名が随所に登場する。
**ストーリー
>ある日、マリオの元にピーチ姫から手紙が届く。
>
>「旅の途中で宝の地図を手に入れました、手紙に同封した地図を持ってゴロツキタウンの港にきてください」
>
>その手紙を読んでゴロツキタウンの港に来たマリオだったが、ピーチ姫の姿が見当たらない。~
港で姫を探すうちにクリボーの女子大生、クリスチーヌに出会う。~
彼女に地図のことを話すと、彼女の恩師である考古学の権威、フランクリ先生から話を聞くことができた。~
>
>フランクリによると、伝説の宝を手にするためには7つのスターストーンという宝石を集め、~
1000年の扉を開かなければならないという。~
この地図は七つのスターストーンのありかを指し示す魔法の地図だったのである。
>
>宝を追っていけばピーチ姫とめぐり会えるだろうと思い、マリオは新たな冒険に出るのであった。
**評価点
***システム
-登場人物もステージも何もかもが前作よりも「紙っぽさ」が増している。具体的には「マリオが折り紙を折るように、紙飛行機や船に変形する」、「仕掛けが動く際絵本のようにページがめくれたり、壁紙のように吹っ飛んだりする」といった具合である。
--前作ではただの演出に過ぎなかった「紙」をギミックなどに反映させることでゲームの一要素として確立させることができた。
-基本的なシステムは前作とほぼ同じなので、前作をプレイした人なら特に違和感なくプレイできる。同時に前作とのストーリー的な繋がりはほとんど無いため、前作未プレイの人にも安心してプレイできる。
--細かい点で言うなら、新たに「スーパーガード」が搭載されていることが挙げられる。通常のガードよりは判定が厳しいものの成功すればダメージが0かつ逆にダメージを与えられるというシステムである。それゆえ連続攻撃をスーパーガードしきった時の爽快感もひとしお。レッツゴージャスティーン!
---さらに言えば、たとえラスボス戦であっても、このスーパーガードを駆使することでノーダメージクリアが可能となっている。仕様を把握すれば防御を捨てても構わない為、縛りプレイにももってこい。
--アクロバットの追加。攻撃後にタイミングよくボタンを押すと特殊なアクションが発生し、舞台を盛り上げそれに応じてスターパワーが追加される。定位置に戻るまでに連続でキメることでさらに追加される。
--こちらも細かい変更点だが、ジャンプのアクションコマンドが前作は「敵を踏む直前」にボタンを押すのに対し、近作は「敵を踏む瞬間」にボタンを押すなっている。 なれればどうと言うことは無いが、前作をやり込んだ人ほど最初は違和感を覚えるかもしれない。
-新たなシステムとして「劇場システム」が上げられる。本作の戦闘パートは劇場の舞台で行われているという設定のために観客が見ており((当初は劇場も小さく客数も少ないが、マリオのレベルが上がるとより大きな劇場になり、観客数も増える。さらに観客にも色々な種類があり、スターパワーをくれない客や物を投げつけてくる客もいる。さらに一部のボスキャラはなんと観客を食べてHPを回復することも。ちなみに、観客の中には本作では登場しないヘイホーや、低確率でルイージもいる。))、攻撃アクションに成功する等の行為でスペシャル技を使うための「スターパワー」が増えていく(逆にアクションコマンドをミスするなど、がっかりさせるような行動を取ると観客が帰ってしまう)。他にも照明器具が落ちてきたり、ドライアイスが噴出して凍り付いたり視界が悪くなったりなど、劇場の小道具を利用した仕掛けが数多く存在する。
-戦闘のテンポは非常に良く、簡単な操作で様々な技を繰り出せる。
--技の出し方もボタン連打、スティック入力など多彩。またステージをクリアすると入手できる「スターストーン」を使ったスペシャル技も存在する。
-前作と違い経験値を落とさなくなった敵を倒しても、戦闘後に確実に1だけ入手できるようになった。そのうえ、レベル上限が99になった。
--ラスボスからも経験値が1入る。あらかじめ経験値を調整すれば、ラスボス撃破後にレベルアップ画面に移れる。
-アクションコマンドを決めるとキノコ・フラワー・スター・シャイン・毒キノコの絵柄がスロットのように表示され、2つ絵柄が揃っている状態でアクションコマンドを決めるとスロットイベントが発動。揃った絵柄に応じて変化が起こる((キノコはHP全回復と観客満員、フラワーはFP全回復と観客満員、スターはスターパワー全回復と観客満員、シャインは全ステータス全回復と観客満員、毒キノコはHPとMPが半減に加え観客ゼロ。))。
-ストーリー攻略中、凄まじい数の敵キャラ(推定1000体)が現われることがある。これらはハンマーなどの攻撃方法で派手に蹴散らすことが出来、なかなか気持ちいい。
--ある意味ではゲームキューブの性能を誇示していると思われる。このような演出はほぼ全ステージに登場する。
-ステージの合間では前作と同様ピーチパートが挿入される他、今作はスーパークッパブラザーズ(クッパパート)なるミニゲームがプレイできる。((地上、水中、城と全ての面が再現されている。スーパーキノコに相当するアイテムは肉で、取るとクッパが巨大化し、一番でかくなると無敵になって体当たりのみで敵や地形を粉砕できる。ちなみに残り人数が∞(無限)なので、いくらでもミスできる。この「巨大化」はのちの「New スーパーマリオブラザーズ」や「スーパーペーパーマリオ」などにも登場している。))。
-前作で(も)留守番役だった緑のヒゲことルイージ。今作では彼もエクレア姫なる人物を救う為に冒険しており、ステージをクリアする事に彼の話を聞く事ができる。同時に旅のことを記した小説も出版されており、なんとベストセラーとなるほどの人気になっている。ゲーム内でも商品になっており、実際に購入して読むことができる((ただし、話はかなり美化されている。全6巻でやたら高値。))。どうでもいいが、こちらのラスボスは何故かクリキング(前作プロローグのボス)である。
-バッジの組み合わせやアクションコマンドによってかなり楽になるのだが、総合的な難易度は前作と比べるとやや上昇。
--特に敵の攻撃タイミングが非常に図りづらくなっており、ダメージを減らすのが難しくなった。
-収集要素。
--敵キャラのプロフィールや料理、バッジといった情報が記録されるようになった。基本的に取り返しのつかない要素は無いので安心しよう。
***個性溢れる仲間キャラ
-今作では前作同様に仲間になるキャラ一人一人に個性があり、各キャラにしか出来ないアクション・攻撃が存在する。本作を攻略するにはギミックも戦闘も全員の力が必要で、こういったRPGにありがちな「いらないキャラ」が誰一人として存在しない((隠しキャラであるチュチュリーナは仲間にしなくてもクリア可能))。
-また前作とは違い仲間にも固有のHPが設定され((HPがゼロの状態でバトルを終えるとHP1の状態で復活できる。またHPが少ないとマリオ同様に息切れする。))、これにより戦略の組み方が変わった。
#region(仲間一覧)
''クリスチーヌ''
-考古学者を目指すクリボーの女の子。本作のヒロイン的存在で、自己主張が強い性格。
--前作でいうクリオポジションで特技はクリオ同様に『ものしり』。マップ上で使えば攻略のヒントだけでなくちょっとした小ネタを喋ってくれることもある。全ての人物に大してコメントしてくれるため、攻略中でなくても一見の価値あり。メタ発言をすることも。
--本作のものしりはきちんと履歴が保存されており、すべての敵キャラにものしりをするといった遊び方も可能。ちなみに、戦う機会が限られているボスキャラにものしりをしそこねた場合も救済措置が用意されている。
--攻撃方法は頭突き。ランクが上がればマリオのレンゾクジャンプと同じ性能の技を使うこともでき、コマンド入力に成功する限り半永久的にダメージを与えることができる。
''ノコタロウ''
-ハナハナ村に住むノコノコ、前作のカメキポジション。気弱だが決してヘタレではなく、勇気を出してマリオの冒険についていく。
--甲羅になることで遠くにあるスイッチを押すことができる。さらにボタンを押しっぱなしにすればホールドすることができ、任意のタイミングでスイッチにぶつけることができる。もちろん敵に対する先制攻撃も可能。
--地上の敵をまとめて攻撃する技を持っており、さらにランクが上がると防御無視の技も覚える。防御力が1あり、地上の敵に対してはめっぽう強いが、他のノコノコ同様空中からの攻撃を喰らうとひっくり返って一回休みになってしまう。
''クラウダ''
-昔、舞台女優だったふしぎの森に住む雲の精霊で、名前は雲を意味する英単語「cloud」からきている。
--引退後の単調な生活にはなかった刺激を求めてマリオの冒険についてきた。
--フィールド上では強い風を吹いていろいろなものを吹き飛ばすことができる。敵に使えばしばらく動きを封じることも可能。
--雲でできた体を生かした体当たり攻撃や、ディープキスで相手の体力を吸い取る攻撃を使い、さらにランクが上がると、回避率を上げる技が使えるようになる。
''チビヨッシー''
-ウーロン街のホットドック屋から引き取った卵からかえった子供のヨッシー。
--まだ生まれたばかりで名前がないため、名前はプレイヤーが自由につけることになる。卵入手から孵化までの経過時間により身体の色が変わる。
--前方の敵を飲み込んで後方の敵に吐き出すことでダメージを与えたり、ヒップドロップでの連続攻撃の技を覚える。
--フィールド上では今までの作品のヨッシーと同様乗ることができ素早く移動できる他、踏ん張りジャンプで少し離れた足場にも移れる。チビヨッシーがいないと入手できないシャインや星のかけらがあるので、アイテムコンプリートには必須ともいえる。
''ビビアン''
-今作の敵組織メガバッテンの配下であるカゲ三人組の末っ子。
--ストーリーの流れで名前と体を奪われていたマリオを敵だと知らず、爆弾探しを手伝ってくれたお礼にと仲間になる。
--何時も姉のマジョリンから苛められていた経緯もあって、マリオが体と名前を取り戻した後もマリオの優しさに惹きつかれて仲間としてついていく。
--ランクを上げていくと炎の魔法を使った強力な全体攻撃を覚えるので、大量の敵が出てきたときにはかなりお世話になる存在。
--女の子らしいかわいい外見だが、意外な設定が判明し物議を醸した。
''バレル''
-ゴロツキタウンに住むボム兵の元船乗り。前作のピンキーポジション。
--過去に自分の航海中に妻スカーレットを病でなくしたため船乗りを引退したが、彼女の残した手紙を読み再び船乗りとして船に乗ることになった。
--ステージ5のトロピコアイランドに行くためには彼を仲間にする必要がある。
--フィールドで投げるとその場で歩きしばらくたつと爆発。先制攻撃だけでなく高い場所にあるスイッチを押すのにも使える。
--その爆発は戦闘でも申し分なく威力が発揮され、最大ランクで覚える技はビビアンをも上回る火力。HPも高いためストーリー終盤でも敵の強力な攻撃に耐えてくれる頼りがいのある仲間として活躍してくれる反面、FPの燃費も激しく初期状態では技の使い勝手は余り良くない((通常技の爆発では手前の敵にしか出来ず、時限爆弾はターン経過で設置場所を誤るとこちらがダメージを受けてしまう。))。
''チュチュリーナ''
-ゴロツキタウンのバッジ屋の店長。
--彼女だけは特殊でストーリーではなく特定のクエストをクリアしなくては仲間にならず、ストーリーでも必須となるわけではない。
--戦闘時に敵が所持するアイテム・バッジを奪う技や近くの星のかけらをサーチする能力を持つため、アイテムコンプリートに不可欠な存在。
#endregion
***音楽
-全体的に良質で、ボス戦のように盛り上げるところはしっかり盛り上げ、不気味なところはしっかり怖さを演出している。
--ややテクノよりだったり、マリオらしくない堅くて重い曲など、癖が強いのは賛否が分かれるところか。
--ちなみに作曲は「ファイアーエムブレム」でおなじみの辻横氏や「マリオ」にはなくてはならない存在となった近藤氏などといった豪華な面々。特にファイアーエムブレムでの辻横氏の重厚な曲のイメージを持っている人には尚更衝撃的である。
**難点
-移動のテンポが悪く、遠いところまで行く為のショートカットがほとんどない。ダンジョン内から脱出するアイテムの類((ポケモンシリーズのあなぬけのヒモ、ドラクエシリーズのリレミトに相当するアイテム。))も無し。
---前作同様、地下道にショートカット土管はあるが、その土管までが意外と遠い。しかも、ウーロン街とオドロン寺院には通じていない。
--前作では瞬間ダッシュが出来る『スピン』があり、効果が切れる頃にジャンプ→再度スピンを繰り返すことで事実上常にダッシュをする事が出来たが、今作ではこの『スピン』が無くなってしまいダッシュする事が出来ない。
--乗るとダッシュできる仲間はいるが、このキャラが仲間になるのはステージ3で、仕掛けによって仲間を切り替えながら進める必要があるため、常にダッシュという訳にはいかない。~
土管のような「一度行った場所にスムーズに行ける」ショートカットルートが各地にもう少し細かく通じていれば良かったのだが。
--そしてこの欠点が顕著に表れるのがステージ4。ショートカットが無い上にかなり距離が離れているウスグラ村とオドロン寺院を何度も何度も行き来しなければならず、繰り返す雑魚敵との戦闘・逃走にだんだんとだれてしまう。~
付け加えるなら道中には催眠攻撃((前作とは異なり、状態異常無効化のバッジはかなり終盤にならないと入手できない。))をしてくるパンジーさんや強力なチャージ攻撃をしてくるハイパー系のクリボー・シンエモンといった難敵ばかり出現するため、面倒さに歯車をかけている。
--ウーロン街という街は空中に浮いている設定で、飛行船でしか行けない。しかしこの飛行船、途中の航行シーンはカットできても''乗り降りシーンがカットできない''(これも割と時間がかかる)。ウーロン街はステージクリア後も何度も行くことになる場所なので、さらに面倒くさい。
--ステージ7のホワイト将軍を探すイベントも上記のウーロン街を含めてあちこち(これまで立ち寄った町のほぼ全部)を行き来する必要があるため、この欠点はかなり痛い。
---ちなみにホワイト将軍を探すイベントは強制ではないがもう一度発生する。
-バトル中にステージ上の仕掛けが動く瞬間がほとんどノーヒント。背景のセットが倒れてくる場合は転倒前にぐらぐらと揺れているので見分けられるが、草むらくらいの高さだととっさの判断は難しい。~
桶やケムシ、フォークなどは突然頭上から落ちてくるため、ガードは可能だが非常に難しい。
--状態異常を引き起こすものが多く、ピンチの時に凍らされてしまったりすると本当にお手上げ状態。中には味方にだけマイナスに働くものもあったりする。というよりも戦闘システム上ダメージ以外は味方へのデメリットしかない。
---ステージギミックに関しても演出が冗長で、中にはこちらが圧倒的に不利になる(煙幕状態等)があるが、それを戦略に活かす、という事は出来ず、ただ起こった事に対して対処するしかないため面白みに欠けている。
---これらはボス戦でも平気で発生する為、戦闘に集中できなかったり、そもそも戦略を練りながら戦うターン制バトルにおいてランダムなハプニングというのはシステム的に正反対に位置する物であり、相性が悪い。
-持てるアイテムの数が少ない(初期で10個)。すぐにアイテムが無くなってしまうため、何度も買いだしに行くハメになることもある。そしてここに前述の「移動のテンポが悪い」という欠点が拍車をかける。
--「100階ダンジョン」であるアイテムを入手すると20個まで持てるようになるが、それがあるのは50階。難易度も相まってかなりしんどい。
---ステージ5をクリアしたぐらいのレベルなら取りに行けなくもない。攻略本などではステージ7のあたりで回収することを推奨している。
-クリア後のやり込み要素が薄く、隠しダンジョンである100階ダンジョン以外に特に新しいイベントなどは無い。
--とは言え本編クリア後の各人物のその後を知る事ができるため、あながち薄いとも言い切れない。
--おなやみセンターという場所で依頼を受けることにより、様々な仕事をすることができるのだが…
---手間がかかる。まともな報酬が貰える依頼もあるが、そういうのに限ってさらに手間がかかる。ゴンババ城に隠れたノコノコを探す、ダンジョン18階で行き倒れたキノピオ救出、''ヤクザの抗争相手の縄張りの高い塀の上に落とした''婚約指輪の捜索、ピカリーヒルズからウーロン街まで雑誌の取立て、もう一度ホワイト将軍の捜索、指定の家にある''椅子''の数を数える、など。
---だが、報酬が割に合っていない依頼も多い。列車内のシェフに3つ食材(3つとも離れた場所に配置されている)を渡してコイン30枚。金持ちのボンボンが要求してくるアイテムを持って行ってコイン3枚。ウーロン街に行き、パンツを回収してゴロツキタウンに戻り処分して再びウーロン街に戻ってコイン30枚。やる意味あるのか。きらめくパンジーさんでも狩りに行ったほうが効率がいい。
--100階ダンジョンの難易度が高すぎる割に報酬が結構しょぼい。
---80階付近まではなんてことはないのだが、91階以降に出るマホマホーンという敵は防御力・攻撃力が非常に高く、HPやFPを消費しやすくなるため、必然的にアイテムの使用も増える。
---防御も固いが体力も結構あり、その上見分け方のない分身や高速で防御も難しいレーザーが猛威を振るい、極め付けには集団で出てくる。ひどい時には、99階で断念せざるを得ないプレイヤーも出た。
---そして隠しボスを倒した後に貰えるのが「受けたダメージの半分を相手に返す」バッジ((要求されるBPが高い上に、返せないダメージも存在する。))。最強の敵を倒した後に最強の武器を貰っても意味が無いとはよく言うが、このバッジはそもそも最強と言う訳でも無い…
---一応、マリオのレベルをかなり上げれば100階までの踏破はごく簡単になる。マホマホーン5体と出くわしても1ターンで全滅させる事も可能。レベルを上げるのにも相当なプレイ時間を要するが。
-バッジの「複数付けると~」が死に設定、もしくは役に立たない
--本作のバッジは複数同じものをつけると効果がアップする(ガツーンナグーリを2個以上つけると消費FPと与えるダメージが増加する、ハートスイトールを2個つけると攻撃力は2下がるが、攻撃後にHPを2回復できるなど)ようになっているのだが、普通にストーリー攻略だけをやっていたら1個しか手に入らないバッジが非常に多い((と言うより、ミニゲームの景品以外はほとんどが1個か2個しか取れない。))。
---これだけならまだしも、アクション系バッジの「消費FP増加」は''累乗''になっており、ガツーンナグーリやツギツギジャンプ(両方とも簡単に無限に入手できる数少ないバッジ)などを3個つけた場合''技1回に対して消費FPが8(元の四倍)も要求される''事になる。
---勿論そこまでして複数つける意味も理由もなく、そもそも効果が強力なものやコストパフォーマンスに優れるバッジを優先的につける事になる中でワザワザ消費を重くしてまで複数つける必要が全く無い。
---更に、原則1個か2個しか手に入らないバッジの2個目または3個目以降を手に入れようとするなら雑魚敵からのレアドロップしかないが、そのドロップ確率は1%よりはるかに低い。(1~2個しか入手できずレアドロップも無いバッジは少数)
---結果的に「HP5マリオ」等特定の条件以外でつける事はまず無いシステムになっている。
**本作の大きな特徴
本作最大の特徴はなんと言っても、''およそマリオシリーズらしくないシリアスな世界観・言語など''であろう。((妙にシナリオ重視で裏設定とかが無駄に仕込まれているなど。))~
賛否分かれたり、語り草になったりと本作を語る上では絶対に外せない要素である。
-まず最初の舞台である「ゴロツキタウン」はあちこちが荒れ放題で、中央には街のシンボルたる''絞首台''が堂々と鎮座している。しかもオープニングイベント中会話している後ろでいきなりヤクザの抗争が展開される。のっけからこれである(ちなみにマリオ達はもちろん誰も見向きもしない。冒頭のキノピオ曰く「この町で他の人の喧嘩に関わってたら命がいくつあっても足りないですからね」)。そしていきなりスリの被害に遭う。
--さらに「''親から金を盗んだ''」「''カードでイカサマした''」などの犯罪行為・反社会的な言動、心理的恐怖を描いたシナリオなど、これまでファンシーでのほほんとしていた他のマリオシリーズと比べるとかなりハードな描写が多い。
--ひらがな表記にされているとはいえ、「''しぬ''」「''ころす''」などといった表現も登場する。
-序盤のストーリーこそ「近隣住民を恐怖に陥れるドラゴン退治」「悪の組織との戦い((実際はオープニングから遭遇しているが、本格的に争うのはステージ2が初となる))」など、ここまでは他のゲームでもよくある流れ。だがステージ3では一転、闘技大会に勝ち抜きながら謎の人物の指令をこなし、大会の裏にひそむ陰謀を暴くというミステリアスな展開に。この後もステージ4で別ベクトルの恐ろしい目に遭う事となる。
--ボスBGMも打って変わっておちゃらけた雰囲気が一切排除されており、バトル直前の流れもあって非常に緊張感漂うものとなっている。
-敵である「メガバッテン」の首領であるバツガルフは平気で部下を使い捨て、勝つ為には手段を厭わない冷酷な性格をしたギャグ要素のない極めて真面目な人物。彼の部下であるペケダーを始め本作の登場人物はどこか抜けた所が多い為、異彩を放っている。((その点をクリスチーヌに揶揄されていたりするが))
-主にピーチパートで描かれるピーチとあるキャラクター(?)の交流。
-いわゆる''男の娘''((海外版では女設定))が登場する。ちなみにそのキャラ、初見で男とわかるプレイヤーはまずいないし、それを指摘される場面はわずか2箇所のみ。しかも仲間になる。
-他にもステージ3にて''死にかけている人間にハエがたかる''など((ちゃんとステージクリア後回復して登場するが))。
これらの傾向は続編『スーパーペーパーマリオ』でより一層顕著になる。~
というか、前作の時点でその片鱗はあったのだが。
**総評
マリオらしくないシリアスなストーリー・人物などの登場により、新たなファンを獲得すると同時にマリオシリーズの中でも異色の存在となった。((本作がシリーズの路線を決定付けたと言ってもいい。))~
移動や戦闘において細かな不満点は残るが、ストーリー始め、全体的な完成度は申し分ない出来なので、今までと違うマリオを体験してみたい人はプレイするのをお勧めする。
**小ネタ
-ガンダムシリーズのシャアに似たパロディキャラが登場する(台詞もシャアが言っていたセリフを言うこともある)。
-『[[ファイアーエムブレムシリーズ]]』と『[[カエルの為に鐘は鳴る]]』を初め、他の任天堂作品のパロディもチラホラ登場する。&bold(){}
*ペーパーマリオRPG
【ぺーぱーまりおあーるぴーじー】
|ジャンル|アクションRPG|CENTER:&amazon(B0002ER6BA,image=https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/61858F3C85L.jpg,height=160)|
|対応機種|ニンテンドーゲームキューブ|~|
|発売元|任天堂|~|
|開発元|インテリジェントシステムズ|~|
|発売日|2004年7月22日|~|
|定価|5,524円(税別)|~|
|プレイ人数|1人|~|
|セーブデータ|4個(使用ブロック数:17)|~|
|レーティング|CERO:全年齢(全年齢対象)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|『マリオストーリー』の続編&br;グラフィックがより紙っぽくパワーアップ&br;戦闘面や移動テンポ等細かな問題点はあるが完成度は良好&br;マリオらしからぬ言動の多いストーリーは賛否両論|~|
|>|>|CENTER:''[[マリオシリーズ・関連作品リンク>マリオシリーズ]]''|
----
#contents(fromhere)
----
**概要
タイトルは別物だが、NINTENDO64ソフト『[[マリオストーリー]]』の正式な続編。~
続編ということで、ストーリーには絡まないが、前作に登場した地名やキャラクターの名が随所に登場する。~
また、前作と同様にキャラクターや仕掛けが紙のようなグラフィックで再現されている。
ちなみに仮題段階では『マリオストーリー2』『Paper Mario 2』などと、一目で続編とわかるタイトルであった。~
海外名では前作の時点で既に『Paper Mario』であったため、『The Thousand-Year Door』という副題がついている。
**ストーリー
>ある日、マリオの家にピーチ姫から手紙が届く。~
~
「わたしはいま、キノコ王国をめぐる旅に出ています。旅の途中、ゴロツキタウンという街で不思議な地図を手に入れました、なんと!宝の地図です。~
マリオにも宝探しを手伝ってもらいたいのです。手紙に同封した地図を持って街まできてください。ゴロツキタウンの港でまってます。ピーチより」~
~
マリオは地図を手に長い船旅を経て、遠路はるばるゴロツキタウンの港へとやってきた。…しかしピーチ姫の姿が見当たらない。~
港で姫を探すうちにクリボーの女子大生、クリスチーヌに出会ったマリオは、~
彼女に地図のことを話すと、彼女の恩師である考古学の権威、フランクリ先生から話を聞くことができた。~
~
フランクリによると、伝説の宝を手にするためにはゴロツキタウン地下に存在する「1000年のトビラ」の封印を解かなければならず、
封印を解くカギとなるのが「スターストーン」と呼ばれる宝石であること、~
そしてこの地図は七つのスターストーンのありかを指し示す魔法の地図だったことが判明する。~
~
宝を追っていけばピーチ姫とめぐり会えるのでは?というフランクリの助言に従い、マリオのスターストーンを巡る冒険の幕が上がる。
----
**評価点
&font(b,16){システム}
-登場人物もステージも何もかもが前作よりも「紙っぽさ」が増している。
--具体的には「マリオが折り紙を折るように、紙飛行機や船に変形する」、「仕掛けが動く際絵本のようにページがめくれたり、壁紙のように吹っ飛んだりする」といった具合である。
--前作ではただの演出に過ぎなかった「紙」をギミックなどに反映させることでゲームの一要素として確立させることができた。
-基本的なシステムは前作とほぼ同じなので、前作をプレイした人なら特に違和感なくプレイできる。同時に前作とのストーリー的な繋がりはほとんど無いため、前作未プレイの人にも安心してプレイできる。
--細かい点で言うなら、新たに「スーパーガード」が搭載されていることが挙げられる。通常のガードよりは判定が厳しいものの、成功すればダメージを0にするばかりか逆にダメージを与えてしまうというシステムである。それゆえ連続攻撃をスーパーガードしきった時の爽快感もひとしお。レッツゴージャスティーン!
---さらに言えば、たとえラスボス戦であっても、このスーパーガードを駆使することでノーダメージクリアが可能となっている。仕様を把握すれば防御を捨てても構わない為、縛りプレイにももってこい。
--アクロバットの追加。攻撃後にタイミングよくボタンを押すと特殊なアクションが発生し、舞台を盛り上げそれに応じて経験値となるスターパワーが追加される。定位置に戻るまでに連続でキメることでさらに追加される。
--こちらも細かい変更点だが、ジャンプのアクションコマンドが前作では「敵を踏む直前」にボタンを押すものであったのに対し、今作では「敵を踏む瞬間」にボタンを押すようになっている。
---なれればどうと言うことは無いが、前作をやり込んだ人ほど最初は違和感を覚えるかもしれない。
-新たなシステムとして「劇場システム」が上げられる。
--本作の戦闘パートは劇場の舞台で行われているという設定のために観客が見ており、攻撃アクションに成功する等の行為でスペシャル技を使うための「スターパワー」が増えていく。逆にアクションコマンドをミスするなど、がっかりさせるような行動を取ると観客が帰ってしまう。
--当初は劇場も小さく客数も少ないが、マリオのレベルが上がるとより大きな劇場になり、観客数も増える。さらに観客にも色々な種類があり、スターパワーをくれない客や物を投げつけてくる客もいる。また、一部のボスキャラはなんと観客を食べてHPを回復したり観客を使った攻撃をすることも。
---ちなみに、観客の中には本作では登場しないヘイホーがいる他、低確率でルイージも登場する。
--他にも戦闘中にはステージ演出として、背景のセットが倒れたり天井から障害物が落ちてきてダメージを受けたり、ドライアイスが噴出して凍り付いたり煙幕で視界が悪くなったりするなど、劇場の小道具を意識した多彩な仕掛けが発生するようになっている。
-戦闘のテンポは非常に良く、簡単な操作で様々な技を繰り出せる。
--技の出し方もボタン連打、スティック入力など多彩。またステージをクリアすると入手できる「スターストーン」を使ったスペシャル技も存在する。
-前作と違い経験値を落とさなくなった敵を倒しても、戦闘後に確実に1だけ入手できるようになった。そのうえ、レベル上限が99になった。
--ラスボスからも経験値が1入る。あらかじめ経験値を調整すれば、ラスボス撃破後にレベルアップ画面に移れる。
-アクションコマンドを決めるとキノコ・フラワー・スター・シャイン・毒キノコの絵柄がスロットのように表示され、2つ絵柄が揃っている状態でアクションコマンドを決めるとスロットイベントが発動。揃った絵柄に応じて変化が起こる。
--キノコはHP全回復と観客満員、フラワーはFP全回復と観客満員、スターはスターパワー全回復と観客満員、シャインは全ステータス全回復と観客満員、毒キノコはHPとMPが半減に加え観客ゼロ。
--スロットの挙動はかなり素直で、目押しによって止めるのも難しいものではない。~
また、これによって観客が満タンになると、暫くの間盛り上がりが最高潮に達し、普段よりもらえるスターパワーが増加する。
-ストーリー攻略中、凄まじい数の敵キャラ(''推定1000体'')が現われることがある。
--これらはハンマーなどの攻撃方法で派手に蹴散らすことが出来、なかなか気持ちいい。
---ある意味ではゲームキューブの性能を誇示していると思われる。このような演出はほぼ全ステージに登場する。
-ステージの合間では前作と同様ピーチパートが挿入される他、今作は新たにクッパを操作するクッパパートが追加された。
--マリオが集めているお宝に興味を持ち、さらにピーチが何者かにさらわれたと知ったクッパは冒険をする事になる。
---なお、側近のカメックババは前作『マリオストーリー』から引き続き登場するが、今作が最後の出演作となってしまった。
--今回は敵対組織がメガバッテンなのもあり、無関係なクッパは完全にギャグ要因と化している。
--ピーチ同様フィールドを探索したり会話をする他、特定のパートでは「スーパークッパブラザーズ」(クッパパート)なるミニゲームがプレイできる。~
このスーパークッパブラザーズは『[[スーパーマリオブラザーズ]]』と同様に、地上、水中、城と全ての面が再現されている。『マリオ』でのスーパーキノコに相当するアイテムは肉となっており、取るとクッパが巨大化し、一番でかくなると無敵になって体当たりのみで敵や地形を粉砕できる。ちなみに残り人数が∞(無限)なので、いくらでもミスできる。
---この「巨大化」はのちの『[[New スーパーマリオブラザーズ]]』や『[[スーパーペーパーマリオ]]』などにも登場している。
--もちろんマリオパートでもクッパは登場する。
-前作で(も)留守番役だった緑のヒゲことルイージ。今作では彼もエクレア姫なる人物を救う為に冒険しており、ステージをクリアする度にゴロツキタウンで彼の話を聞く事ができる。
--クッパパートに負けず劣らずのギャグ全開な内容で、彼の仲間達のコメントも必見。
--ストーリー上必ず通る場所にいるので聞き逃しの心配はない。
--同時に旅のことを記した小説も出版されており、なんとベストセラーとなるほどの人気になっている。ゲーム内でも商品になっており、実際に購入して読むことができる。
---ただし、話はかなり美化されているうえに、全5巻でやたら高値。しかし、ルイージとの会話では語られなかった部分が明らかになる事も…。
--また、どうでもいいが、こちらのラスボスは何故かクリキング(前作プロローグのボス)である。((ただし、前作で登場したものとは別人らしい。しかも小説ではとんでもない真相が…。))
-バッジの組み合わせやアクションコマンドによってかなり楽になるのだが、総合的な難易度は前作と比べるとやや上昇。
--特に敵の攻撃タイミングが非常に図りづらくなっており、ダメージを減らすのが難しくなった。
-収集要素。
--敵キャラのプロフィールや料理、バッジといった情報が記録されるようになった。さらに基本的に取り返しのつかない要素の無い安心仕様。
&font(b,16){個性溢れる仲間キャラ}
-今作では前作同様に仲間になるキャラ一人一人に個性があり、各キャラにしか出来ないアクション・攻撃が存在する。
--本作を攻略するにはギミックも戦闘も全員の力が必要で、こういったRPGにありがちな「いらないキャラ」が誰一人として存在しない。
--一応隠しキャラであるチュチュリーナのみは仲間にしなくてもクリア可能だが、アイテム集めなどをやるならむしろ必須。
-また前作とは違い仲間にも固有のHPが設定され、これにより戦略の組み方が変わった。
--仲間はHPがゼロになるとその戦闘中は使用不能。バトルを終えるとHP1の状態で復活できる。またHPが少ないとマリオ同様に息切れする。
---つまり、仲間はやられても他に交代する。仮に全員やられてもマリオだけでも残れば戦い続けることもできるという仕様なのだが(後述の「問題点 「きんきゅうキノコ」の対象が~」参照)。
-世界各地に散らばっているシャインを集めてゴロツキタウンにいるデアール(前作では冒険のヒントを教えてくれる占い師だったが、今回は別のキャラが担当)に渡す事で、仲間のランクを上げて強化する事が可能。HPと攻撃力が上がり、新しい技を覚える。
--仲間1人の強化につき、2個のシャインが必要。
--ストーリーを進めれば、ある条件をこなす事でもうワンランク強化が可能になる。
-仲間の詳細は以下。
#region(仲間一覧)
''クリスチーヌ''
-考古学者を目指すクリボーの女の子。本作のヒロイン的存在で、自己主張が強い性格。
--前作でいうクリオポジションで特技はクリオ同様に「ものしり」。マップ上で使えば攻略のヒントだけでなくちょっとした小ネタを喋ってくれることもある。
---全ての人物やフィールドに対してコメントしてくれるため、攻略中でなくても一見の価値あり。メタ発言をすることも。
--さらに、本作のものしりはきちんと履歴が保存されており、「すべての敵キャラにものしりをする」といった遊び方も可能。戦う機会が限られている敵にものしりをしそこねた場合も救済措置が用意されている。
//ボスだけではなく、ぐんだんいんなど期間限定の敵も対象
--攻撃方法は頭突き。ランクが上がればマリオのレンゾクジャンプと同じ性能の技を使うこともでき、コマンド入力に成功する限り半永久的にダメージを与えることができる。
''ノコタロウ''
-ハナハナ村に住むノコノコ、前作のカメキポジション。気弱だが決してヘタレではなく、勇気を出してマリオの冒険についていく。
--甲羅にこもって滑走することで遠くにあるスイッチを押すことができる。さらにボタンを押しっぱなしにすればホールドすることができ、任意のタイミングでスイッチにぶつけることができる。もちろん敵に対する先制攻撃も可能。
--地上の敵をまとめて攻撃する技を持っており、さらにランクが上がるとマリオのダメージをコウラで肩代わりする技や防御無視の技も覚える。空中にいる敵しかいなくても、できることが増えた。
--防御力が1あり、地上の敵に対してはめっぽう強いが、他のノコノコ同様空中からの攻撃を喰らうとひっくり返って一回休みになってしまう(ガードすれば防げる)。~
このため序盤のザコ相手でもクリボーなどとは相性が悪い。
''クラウダ''
-ふしぎの森に住む雲の精霊で、名前は雲を意味する英単語「cloud」からきている。
--昔は舞台女優であり、引退後の単調な生活にはなかった刺激を求めてマリオの冒険についてきた。
--フィールド上では強い風を吹いていろいろなものを吹き飛ばすことができる。敵に使えばしばらく動きを封じることも可能。
--雲でできた体を生かした体当たり攻撃や、ディープキスで相手の体力を吸い取る攻撃を使い、さらにランクが上がると回避率を上げる技が使えるようになる。
--なお、彼女のみ今作を含むこれまでのマリオシリーズで唯一同族が未登場((ビビアンも今作オリジナル種族だが、姉が登場しているので「同族未登場」ではない。))。
''チビヨッシー''
-ウーロン街のホットドック屋から引き取った卵からかえった子供のヨッシー。
--まだ生まれたばかりで名前がないため、名前はプレイヤーが自由につけることになる。ちなみに卵入手から孵化までの経過時間により身体の色と髪型が変わる。
--前方の敵を飲み込んで後方の敵に吐き出すことでダメージを与えたり((飲み込みを使わないと倒せないボスが存在する。))、ヒップドロップでの連続攻撃の技を覚える。防御無視の飲み込みが効かない巨大なボスが弱点だが、前作のレサレサの反省か攻撃力を上げる救済措置は用意されている。
--フィールド上では今までの作品のヨッシーと同様に乗ることができ素早く移動できる他、踏ん張りジャンプで前作のパレッタのように少し離れた足場にも移れる。
---後述の問題点の通り、本作は素早く移動できる「スピン」が敗者されたのでありがたい。が、ジャンプが低くなるのがネック。
--チビヨッシーがいないと入手できないシャインや星のかけらがあるので、アイテムコンプリートには必須のキャラその1。
''ビビアン''
-今作の敵組織メガバッテンの配下であるカゲ三人組の末っ子。
--ストーリーの流れで名前と体を奪われていたマリオを敵だと知らず、爆弾探しを手伝ってくれたお礼にと仲間になる。
--何時も姉のマジョリンから苛められていた経緯もあって、マリオが体と名前を取り戻した後もマリオの優しさに惹きつかれて仲間としてついていく。
--フィールドでは影に身を隠し、敵の目を欺いたり仕掛けをかわしたりできる。前作のレサレサのものとほぼ同じ。ただし、隙は若干大きい。
--地面と繋がっているように見えるが、実際は飛行タイプであり、地震系の技は効かないし、敵がどこにいようとも攻撃が当てられる。~
また、地味に通常攻撃が「''横''から相手を殴る」なので、FP消費なしに上部に棘がある空中の敵を唯一攻撃できる仲間((クリスチーヌ・クラウダ・チビヨッシーの通常攻撃は「上から叩きつける」なので上部の棘に当たってしまう。ノコタロウ・バレル・チュチュリーナは通常攻撃は横からだが地上限定。))。
--ランクを上げていくと炎の魔法を使った強力な全体攻撃を覚えるので、大量の敵が出てきたときにはかなりお世話になる存在。
--魔女っ娘らしいかわいい外見だが、意外な設定が判明し物議を醸した。
''バレル''
-ゴロツキタウンに住むボム兵の元船乗り。前作のピンキーポジション。
--過去に自分の航海中に妻スカーレットを病でなくしたため船乗りを引退したが、彼女の遺した手紙を読み再び船乗りとして船に乗ることになった。
--ステージ5のトロピコアイランドに行くためには彼を仲間にする必要がある。
--フィールドで投げるとその場で歩きしばらくたつと爆発。先制攻撃だけでなく高い場所にあるスイッチを押すのにも使える。また、ひび割れの壁を爆発で破壊する事も可能。アイテムコンプリートには必須のキャラその2。
--その爆発は戦闘でも申し分なく威力が発揮され、最大ランクで覚える技はビビアンをも上回る火力。HPも高いためストーリー終盤でも敵の強力な攻撃に耐えてくれる頼りがいのある仲間として活躍してくれる。
--前作ではボム兵の仲間だったピンキーと比べると、こちらは通常技が体当たりではなく爆発なので使い勝手が良くなっている。
--反面、FPの燃費も激しく初期状態では技の使い勝手は余り良くない。また、通常技の爆発では手前の敵にしか出来ず、時限爆弾はターン経過で爆発なので手間がかかり設置場所を誤るとこちらがダメージを受けてしまう。
--なお、今作の敵のボム兵はノコノコ同様防御力が1あるが、ノコタロウと違いバレルは防御力0である。
''チュチュリーナ''
-世界中のバッジを盗んでいく女怪盗のチューさん。実はゴロツキタウンのバッジ屋の店長でもある。
--彼女だけは特殊でストーリーではなく特定のクエストをクリアしなくては仲間にならず、ストーリーでも必須となるわけではない。
--女怪盗という設定通り、戦闘時に敵が所持するアイテム・バッジを奪う技や近くの星のかけらをサーチする能力を持つため、隠しキャラ扱いだがアイテムコンプリートには必須のキャラその3。
---ただし、アイテムを盗む技を使うと観客が一気に減ってしまうデメリットも抱えている。やはりヒーローの泥棒行為は正義らしくないということか。
--また、通常攻撃のビンタが前作のアカリンと同様に敵の防御力を無視してダメージを与えることができたり、回復技を持っていたりと実は戦闘面でもなかなか優秀。
--一応隠しキャラではあるが、実際はストーリー序盤から普通に出てたりする。ちなみに、彼女を仲間にした状態でラスボスを倒すとエンディングも若干変化する。
#endregion
&font(b,16){音楽}
-全体的に良質で、ボス戦のように盛り上げるところはしっかり盛り上げ、不気味なところはしっかり怖さを演出している。
--ややテクノよりだったり、マリオらしくない堅くて重い曲など、癖が強いのは賛否が分かれるところか。
--ちなみに作曲は前作同様[[『ファイアーエムブレム』シリーズ>ファイアーエムブレムシリーズ]]でおなじみの辻横氏や『マリオ』にはなくてはならない存在となった近藤氏などといった豪華な面々。
---特に『ファイアーエムブレム』シリーズでの辻横氏の重厚な曲のイメージを持っている人には尚更衝撃的である。
----
**問題点
-移動のテンポが悪く、遠いところまで行く為のショートカットがほとんどない。おまけに他のRPGで見られるようなワープやダンジョン内から脱出する技・アイテムの類も無い。
--前作同様、地下道にショートカット土管はあるが、その土管までが意外と遠い。しかも、ウーロン街とオドロン寺院には通じていない。
---ウーロン街はゴロツキタウンから直接行けるのでまだマシであるが…。
--さらに、前作では瞬間ダッシュが出来る「スピン」があり、効果が切れる頃にジャンプ→再度スピンを繰り返すことで事実上常にダッシュをする事が出来たが、今作ではこの「スピン」が無くなってしまいダッシュする事が出来なくなってしまっている。
---一応乗るとダッシュできる仲間はいるものの、このキャラが仲間になるのはステージ3までかかるうえ、騎乗時はジャンプ高度が低くなるので段差を越えられなくなる。さらに本作のストーリーは仕掛けによって仲間を切り替えながら進める必要があるため、常にこの仲間を使ってダッシュするという訳にはいかない。~
土管のような「一度行った場所にスムーズに行ける」ショートカットルートが各地にもう少し細かく通じていれば良かったのだが。
--そしてこの欠点が顕著に表れるのがステージ4。ショートカットが無い上に距離が離れているウスグラ村とオドロン寺院を何度も何度も行き来しなければならず、繰り返す雑魚敵との戦闘・逃走にだんだんとだれてしまう。
---加えて道中には睡眠攻撃をしてくるパンジーさんや強力なチャージ攻撃をしてくるハイパー系のクリボー・シンエモンといった難敵ばかりが集団で出現するため、面倒さに歯車をかけている。前作と異なり、状態異常無効化のバッジもかなり終盤にならないと入手できない。
---パンジーさんの出る場所は狭いためエンカウントを避けるのが困難。おまけに後半はマリオ1人だけで探索しなければならない。
--ウーロン街という街は空中に浮いている設定で、飛行船でしか行けない。しかしこの飛行船、途中の航行シーンはカットできても''乗り降りシーンがカットできない''。
---乗り降りシーンに割と時間がかかるうえ、このウーロン街自体がステージクリア後も何度も行くことになる場所なので、さらに面倒くさい。
--ステージ7のホワイト将軍を探すイベントも上記のウーロン街を含めてあちこち(これまで立ち寄った町のほぼ全部)を行き来する必要があるため、この欠点はかなり痛い。
---例えるならば&bold(){[[ドラゴンクエストII>ドラゴンクエストII 悪霊の神々]]におけるサマルトリアの王子を仲間にするためのたらい回しイベント}である。こちらは最後に居場所が分からないと出て、元の町に戻るというヒントがない分より悪質である。
---ちなみにホワイト将軍を探すイベントは強制ではないがもう一度発生する。
--マリオシリーズには『スーパーマリオブラザーズ3』に「使用すると竜巻が来てマリオをワープさせる笛」があったし、『ルイージマンション』には「覗き込むとスタート地点に戻される鏡」なども存在しているので世界観重視でもそういうアイテムは入れられるはずなのだが…。
--テンポの悪さは移動以外の点でも目につく。
---ナンシーに料理をしてもらう時、1回の調理に15秒ほどかかる。また、後述のアイテム所持数の少なさから、目当ての料理を作るために何度もナンシーの家とアイテムショップを往復することになる。
---遊技場限定通貨「モンテ」は遊技場に出入りする度に受付嬢のテレナがマリオの所有するモンテをいちいちと預かったり返したりシステムになっている。コインをモンテに変換する両替も最大で30コイン→10モンテしかなく、大量に変換するには時間がかかる。
---とあるカップルが「愛してる」と100回も言うシーンがあるが、&bold(){本当に「愛してる」と言う吹き出しが100回も出てくる}。こんな面倒な演出にもかかわらずメインシナリオのため回避不能。前作にはあった「Bボタン長押しによるメッセージ早送り機能」がないため、手動でのメッセージ送りをしなくてはならないのも面倒。
-バトル中に発生するステージ演出が冗長かつ、調整不足。
--基本的にこちらが不利になる物ばかりで唐突に発生するために戦略に活かすという事も出来ず、ただ起こった事に対して対処するしかないため面白みに欠けている。
---状態異常を引き起こすものが多く、ピンチの時に凍らされてしまったりすると本当にお手上げ状態。味方にだけマイナスに働くものも多いが、そもそも戦闘システム上ダメージ以外は味方へのデメリットしかない。
--加えて、ステージ演出の仕掛けが動く瞬間はほとんどノーヒントで反応し辛い。
---背景のセットが倒れてくる場合は転倒前にぐらぐらと揺れているので見分けられるが、草むらくらいの高さだととっさの判断は難しく対応するのは困難。さらに「照明・桶・ケムシなどが突然頭上から落ちてくる」というステージ演出もあり、これらもガードは可能だが反応は難しい。
--演出の一つである「煙幕」は敵味方の攻撃が50%で外れるという効果があるが、そもそもこちらの攻撃で相手にターンを回さなければいい話であり、(スーパー)ガードによるダメージの軽減及びカウンターの存在から、ただ面倒くさいストレスにしかならない。
---この煙幕はバレルのバクハツやアピール、クラウダのふきとばしを利用する事で解除可能だが「解除した直後に発生する」事も当然の如く起こり「解除→発生→解除→発生…」等も普通にあり得る。その上、攻撃も50%で失敗というギミック効果で全て外れる事もあり、テンポの阻害も相まってもはや演出を通り越してただの害悪にしかなっていない。
--これらはボス戦だろうとお構いなく発生する為、戦闘に集中できなかったり、そもそも戦略を練りながら戦うターン制バトルにおいてランダムなハプニングというのはシステム的に正反対に位置する物であり、相性が悪い。
--同様に、バトル中のスロットの出目にある「どくキノコ」(3つ揃ってしまうとHP・FP・スターパワーが半減)も厄介な存在。特にボス戦や100階ダンジョンで揃ってしまうと非常に痛い。
---スロットの3つ目は自分で止めるシステムのため、目押しで回避は可能。ただ、うっかり揃えてしまおうものなら、もう目も当てられぬ事態に…。
-初期状態で持てるアイテムの数が10個と少ない。
--すぐにアイテムが無くなってしまうため、何度も買いだしに行くハメになることもある。そしてここに前述の「移動のテンポが悪い」という欠点が拍車をかける。
---ショップでアイテムを預ってくれるサービスもあるが、容量は32個までととても足りない。
--「100階ダンジョン」であるアイテムを入手すると20個まで持てるようになるが、それがあるのは50階。難易度も相まってかなりしんどい。
---一応ステージ5をクリアしたぐらいのレベルなら取りに行けなくもない。攻略本などではステージ7のあたりで回収することを推奨している。
-「きんきゅうキノコ」の対象が仲間も適応。
--「HPが0になると自動発動して10まで回復」は良いのだが、仲間のHPが0になった場合((前述のように仲間のHP0のペナルティは「その戦闘中にそいつが使用不可」になるだけである。))でもこれが発動し、これを阻止することはできない。双方瀕死の場合全体攻撃などで同時かマリオが先に倒れればいいが、先に相棒のHPが尽きると勝手にこっちの回復に使われてきんきゅうキノコは消滅、後のない状況になってしまう。
-総じてやり込み要素に乏しい。
--クリア後に新たにダンジョンが解禁されることはなく、目新しい要素が追加されることもない。後述する100階ダンジョンも、やろうと思えば本編クリア前に制覇可能である。
---とはいえ、前作では「クリア後」そのものがプレイできなかったのに対して、本作では本編クリア後の各人物のその後を知る事ができるなど、シナリオ面に関する補足はなされている。クリア後ではないと追加されないおなやみセンターの依頼は3種類ほどある。
--おなやみセンターという場所で依頼を受けることができ、依頼を達成すると様々な報酬を得られるのだが…。
---全体的に手間がかかり、面倒くさい依頼が多い。ゴンババ城に隠れたノコノコを探す、ダンジョン18階で行き倒れたキノピオ救出、''ヤクザの抗争相手の縄張りの高い塀の上に落とした''婚約指輪の捜索、ピカリーヒルズからウーロン街まで雑誌の取立て、もう一度ホワイト将軍の捜索、指定の家にある''椅子''の数を数える、など。
---フラワーさんにウーロン街のホッドドックを届けるというものでは、性質の悪いことに1度届けてからもう1個要求してくる。依頼文にもそんなことは書いていないため、予め2個買っておかないと二度も行き来しなければならなくなる。2個届けた後も更に別の食べ物を要求してくるので、かなりイライラさせられる。
---達成の面倒さに対して、報酬が割に合っていない依頼も目立つ。まともな報酬が貰える依頼もあるが、そういうのに限ってさらに手間がかかる。列車内のシェフに、離れた場所に配置された3つの食材を渡してコイン30枚。金持ちのボンボンが要求してくるアイテムを持って行ってコイン3枚。ウーロン街に行き、パンツを回収してゴロツキタウンに戻り処分して再びウーロン街に戻ってコイン30枚。これならきらめくパンジーさんでも狩りに行ったほうが効率的なのは言うまでもないだろう。
---1つだけ、忘れてて思い出せなくなった儲け話を話すだけという実質的な報酬がないものがある。
--やり込み要素として存在する100階ダンジョンの難易度が高い割に報酬が結構しょぼい。
---マリオや仲間を育てていれば80階付近まではなんてことはないのだが、81階以降から急激に敵が強くなり、91階以降に出るマホマホーンという敵は防御力・攻撃力が非常に高く、HPやFPを消費しやすくなるため、必然的にアイテムの使用も増える((クラウダのふきとばしに弱いという弱点があるが、中々気付きにくい。))。
---防御も固いが体力も結構あり、その上見分け方のない分身や高速で防御も難しいレーザーが猛威を振るい、極め付けには集団で出てくる。ひどい時には、99階で断念せざるを得ないプレイヤーも出た。
---そして隠しボスを倒した後に貰えるのがダメージガエシという「マリオが受けた直接攻撃のダメージの半分を相手に返す」バッジ。その微妙な性能((ダメージ自体を減らす効果がない、仲間への攻撃や直接攻撃以外を防げないなどと難点が多く、アクションコマンドでダメージそのものを防ぐシステムとも噛み合っていない。))に加えて要求されるBPも高めで実用性に乏しく、高難易度と釣り合っているとは到底言えないような代物である。
--マリオのレベルを99まで上げられるようになったが、高レベルになるときらめくパンジーさん以外の敵はスターポイントを1しか落とさなくなるため、99まで育て上げるのは苦行。
---レベル90台程度になると、きらめくパンジーさんの落とすスターポイントですらわずか10ポイント程度にまで落ちてしまう。
---その反面、育て上げられた時の達成感は大きく、100階ダンジョンをいとも簡単に踏破できるようになる。マホマホーン5体を1ターンで全滅させる事すら可能。
--ラスボスや隠しボスと再戦できない。
---ストーリーの都合上ラスボスと再戦できないのは仕方ないとはいえ、隠しボスに関してはストーリーに影響しないしマリオのレベルを99まで上げれるのだから何度も戦いたかったという意見が多い。
---上記のダメージガエシも、このせいでさらに使いどころがなくなってしまっている。最強の敵を倒した後に最強の武器を貰っても意味が無いのはよくあることだが、本作の場合は特に強い武器という訳でもないのが悲しいところ。
-料理関係に地雷調理が多い。
--「単品調理で元より数ポイント回復効果増大」や「キノコとシロップと組み合わせてHP・FPを同時に回復できるアイテム1つになる」など役立つものもあるが、~
原料を単品調理しただけでまともな変化なのに&b(){回復量が減少する(ついでに売値も減少)}「生パスタ(HP10・FP5回復)→スパゲティ(HP6+FP4回復)」や、2つ組み合わせて原料の片方をよこされる「じわじわキノコ+じわじわシロップ→じわじわキノコ」という明らかに損な組み合わせ、~
そこまでいかなくても正解パターンの材料が種類単位で決められているため、最下級の原料(キノコやハニーシロップなど)以外を使うと回復量が原料以下で損をする組み合わせも多い。
-バッジの「複数付けると~」があまり役に立たない。
--ガツーンナグーリを2個以上つけると消費FPと攻撃力が増加する、ハートスイトールを2個つけると攻撃力は2下がるが、攻撃後にHPを2回復できるなど、本作のバッジは複数同じものをつけると効果がアップするようになっているのだが、''普通にストーリー攻略だけをやっていたら1個しか手に入らないバッジが非常に多い''(遊技場の景品以外はほぼ1~2個しか取れない)。
--これだけならまだしも、アクション系バッジの「消費FP増加」は''累乗''になっており(「威力」は''普通の足し算'')、ガツーンナグーリやツギツギジャンプ(両方とも簡単に無限に入手できる数少ないバッジ)などを3個つけた場合''技1回に対して威力が3倍になるが消費FPが8(元の四倍)も要求される''事になる。
---勿論そこまでして複数つける意味も理由もなく、そもそも効果が強力なものやコストパフォーマンスに優れるバッジを優先的につける事になる中でワザワザ消費を重くしてまで複数つける必要が全く無い。
---一応、きらめくパンジーさんを逃げられる前に倒そうと思ったら、ガツーンジャンプの3~4個装備が有力になるケースはある。
--また、防御面でも前作でBPこそ高いが「ダメージを1減らす」という強力な効果のあったダメージヘールが未登場で、代わりに「防御を1上げる」ボウギョプラスが登場。~
一見同効果にも見えるが、ボウギョプラスは&b(){防御無視攻撃に無力}という重大な欠点がある。主にカメックの魔法攻撃や炎を使った攻撃などがこれに該当するが、見た目で判別することはできない。(そして終盤や100階ダンジョン最深部には防御無視攻撃ができる敵が多い罠)
---なお、今作でダメージを減らす(防御無視攻撃であっても軽減)効果があるのは「与えるダメージと受けるダメージを1減らす」ナマクラヤイバーの方であり、必要BPもかなり低い(2)が、攻撃力減少以前の問題として相当やりこまない((このバッチは市販・景品では入手不能で敵ドロップでのみ量産できるが、所有者はステージ7後半から終了までしか戦えないけんきゅういんと、闘技場の敵なので撃破後のドロップが狙えない(装備状態で出てこないとアウト)ヤリクロウだけという鬼畜難易度を誇る。一応、後者は100階ダンジョンでも登場するが、登場する階層が60階台である為手間がかかる。))と1つしか入手できない。
--これに限らず、1~2個しか入手できず遊技場の景品でもないバッジの2~3個目以降を入手したければ雑魚敵からの奪取かレアドロップしかないが、チュチュリーナによる奪取は空中やトゲの敵には通用せず、レアドロップの確率は1%よりはるかに低い。
---100階ダンジョンの深層階にしか出現しない敵からしか入手できないバッジも多くあり、そういった敵からのレアドロップを狙うには絶望的な低確率になる。
---一方で、敵がバッジを持っていなくてもチュチュリーナを用いて戦闘中にバッジを得る事は可能であるため(入手率はドロップ率に準拠する)、十分なFPと時間があれば量産する事は可能となる。
--装備してもFPを消費せず効力を発揮するバッジ(ナイスデボウギョなど)は複数装備が有力な傾向にあるが、そういったバッジの2~3個目以降は景品では入手できずレアドロップ頼みのものが大半。
--複数装備で効果が変わるものもあり、その中でもピンチデマモールの効果が2個以上だと「受けるはずのダメージ数/装備数+1」に、コインモドールで戻ってくるコインの数が「使用したアイテムの売価の75%+5%×(装備数-1)」に変化するなど、詳細がなくてわかりづらいものもある。
---遊技場の高額景品であるコインコインに関しては、敵が落とすコインの上限が最大32コインまでとなっているため、仕様を知らないと余分に手に入れてしまって損をする場合がある。
--結果的に「HP5マリオ」等特定の条件以外でつける事はまず無いシステムになっている。
--ちなみにバッジにも所持数の上限があり、所持数が200を超えるとその場でどれかを捨てなければならない。ただし捨てたバッジはバッジ屋に入荷されるため、貴重なバッジを捨ててしまっても取り戻せる。
----
**賛否両論点
本作最大の特徴はなんと言っても、''マリオシリーズらしくないブラックかつシリアスな世界観・言動''であろう。~
妙にシナリオ重視で裏設定も無駄に仕込まれており、賛否分かれたり、語り草になったりと本作を語る上では絶対に外せない要素である。
-まず最初の舞台である「ゴロツキタウン」はあちこちが荒れ放題で、中央には街のシンボルたる''絞首台''が堂々と鎮座している。
--しかもオープニングイベント中会話している後ろでいきなり''ヤクザの抗争''が展開される。''のっけからこれである''。
---ちなみにマリオ達はもちろん誰も見向きもしない。冒頭のキノピオ曰く「この町で他の人の喧嘩に関わってたら命がいくつあっても足りないですからね」
--そしていきなり''スリの被害''に遭い所持金の半分を奪われる((中央街の裏側の家に隠れているスリを見つけることで回収可能。0コインの場合は被害がなく、変なヤツと言われてイベントが終了する。))。さらに「''親から金を盗んだ''」「''カードでイカサマした''」などの犯罪行為・反社会的な言動、心理的恐怖を描いたシナリオなど、これまでファンシーでのほほんとしていた他のマリオシリーズと比べるとかなりハードな描写が多い。
--この町のおなやみセンターで受けられる依頼もブラックなものばかり。例として「''特定の人物に&color(red){ブツ}''を渡せ」「''忘れてしまったお得情報を思い出すまで&color(red){自分の頭をハンマーで殴ってくれ}''」等。
--ひらがな表記にされているとはいえ、「&color(red){''しぬ''}」「&color(red){''ころす''}」などといった表現も登場する。
-序盤のストーリーこそ「近隣住民を恐怖に陥れるドラゴン退治」「悪の組織との戦い」など、ここまでは他のゲームでもよくある流れ。
--だがステージ3では一転、「闘技大会に勝ち抜きながら謎の人物の指令をこなし、大会の裏にひそむ陰謀を暴く」というミステリアスな展開に。この後もステージ4で別ベクトルの恐ろしい目に遭う事となる。
--ボスBGMも打って変わっておちゃらけた雰囲気が一切排除されており、バトル直前の流れもあって非常に緊張感漂うものとなっている。
-敵組織「メガバッテン」の首領・バツガルフ。
--平気で部下を使い捨て、勝つ為には手段を厭わない冷酷さを持つという、ギャグ要素のない極めてシリアスな人物。彼の部下であるペケダーを始め本作の登場人物はどこか抜けた所が多い為、異彩を放っている。
---制作側も気にしていたのか、この点を劇中でクリスチーヌに揶揄させていたりする。
---尤も、そんな彼も最後は…。
-主にピーチパートで描かれるピーチの活躍と「とあるキャラクター」との交流。
--色々と大変な目に遭いながらも、そのキャラクターと絆を深めたり時には助力を得てマリオにメールを送ったりメガバッテンの目的を探ったりするのだが、後半のある場面は''これでよく発売できたな''と言いたくなるくらいかなりヤバい事になる。
---また、さすがに全く見えないが''入浴シーン''も…。
--そのキャラクターの最後は切ない幕切れとなっているが、話自体はよくまとまっており、クリア後には救いもある。また、見た目(?)が某SF映画のキャラクターにそっくりだったりする。
-いわゆる''男の娘''が登場する。
--ちなみにそのキャラ、初見では男とわかるプレイヤーはまずいないし、それを指摘される場面はわずか2箇所のみ(ステータス画面では明記している)。
#region((このキャラについて色々とネタバレ注意))
''そのキャラはなんと仲間になる。''そして加入イベントでなんと''マリオにキスをする''。しかも本気で想いを寄せていたらしく、エンディングでは''ピーチ姫の目の前でマリオに告白しかける''(さすがにギリギリのところで踏みとどまったが)。これを全年齢向けと認定したCERO及びGOサインを出した任天堂は%%病気%%色々と凄い。
#endregion
--いわゆるトランスジェンダー(自身の性別認識が一致していない人)というデリケートな要素ゆえか、アメリカ版とドイツ版では性別関連に言及する台詞が修正され、単に女の子として扱われている((ちなみにフランス版、イタリア版、スペイン版では男の娘のまま。))。
-他にも、ステージ3にて''死にかけているキャラにハエがたかる''描写があったりする。
--ただし本当に死亡してしまうことはなく、ちゃんとステージクリア後に回復して登場する。
-選択肢や行動次第で強制ゲームオーバーとなるポイントもいくつか存在する。とはいえその原因は時間制限付きの脱出に失敗したり、事前に警告されたはずの行動を取るといったプレイヤーの自業自得なものではある。
--いずれも最終的にはHP0になった時と同じゲームオーバー画面に移行するのだが、ショッキングな演出が含まれたり、[[ラスボスの誘いに乗り>ドラゴンクエスト]]闇落ちするという完全なバッドエンドを迎えるものもあり、良い意味でも悪い意味でもインパクトが強い。
--ゲームオーバーにこそならないが、「ボムへいくじ((ゴロツキタウンにいるボム兵(ヘビーボム)に話しかけることで挑戦可能なおみくじで、運が良ければアイテムを得られる。))」で不正が発覚した際も強烈な演出を見せられるため、ちょっとしたトラウマになったプレイヤーもいるかもしれない。
---くじに挑戦できるのは1日1回まで、これは本体時計で管理されているのだが、本体時計を弄ると不正扱いとみなされ、ペナルティとして再開するには500コインもの大金を要求される。幸い、報酬への拘りがなければ放置してもゲームの進行に支障はない。
…これでCERO判定が全年齢対象なのだから、当時の規制の緩さがうかがえる。~
前作の時点でその片鱗はあったのだが、これらの傾向は続編『スーパーペーパーマリオ』でより一層顕著になっていく。
----
**総評
マリオらしくないシリアスなストーリー・キャラクターなどの異彩を放つ要素により、新たなファンを獲得すると同時にマリオシリーズの中でも異色の存在となった。~
マリオらしからぬシリアスな世界観・言動のあるストーリーの内容は人によって好みが分かれ易く、移動のテンポの悪さ・舞台演出によるプレイヤーへのストレス仕様、前作からバッジゲーが加速等大幅に劣化した戦闘面等の無視出来ない問題点もあるものの、より紙っぽさが増したグラフィックやストーリーを始め、完成度はそれなりによい。
今までと違うマリオを体験してみたい人にはおススメできる作品となっている。
----
**余談
-ガンダムシリーズのシャアに似たパロディキャラが登場する。
--台詞自体もシャアが言っていたものを言うこともある。
-『[[ファイアーエムブレムシリーズ]]』と『[[カエルの為に鐘は鳴る]]』を初め、他の任天堂作品のパロディもチラホラ登場する。
-欧州版では、マリオが片腕を掲げて喋るグラフィックがなぜかカットされている。日本版・北米版では多くの箇所で見られるモーションだが、一切使用されていない。
--一説によれば、なんと「''ナチスの敬礼ポーズを連想させるから''」との事らしい。
--担当者がデリケートな人物だったのか、本作のローカライズはこれ以外にも細かい改変が非常に多い。
-「Nintendo Direct 2023.9.14」において、本作のNintendo Switchでのリメイク版が2024年発売予定であることが発表された後、翌2024年3月10日の「マリオの日」に2024年5月23日が発売日と発表された同日に公式サイトもオープンした。
--原作のCERO判定は全年齢対象(現在のA相当)であったが、リメイク版は''&color(green){B(12歳以上対象)}''になっており、マリオシリーズとしては『[[スーパーマリオ オデッセイ]]』に続く2作目のCERO:B(12才以上対象)の作品となった。
---尤も、本作のブラック全開な作風を考えればこれが普通なのだが。