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タクティクスオウガ 運命の輪」を以下のとおり復元します。
*タクティクスオウガ 運命の輪
【たくてぃくすおうが うんめいのわ】

|ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B0046ZSXC2)|
|対応機種|プレイステーション・ポータブル|~|
|メディア|UMD 1枚|~|
|発売・開発元|スクウェア・エニックス|~|
|発売日|2010年11月11日|~|
|定価|UMD:5,980円&br;DL:4,980円|~|
|レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[オウガバトルサーガシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
オリジナル版スタッフが再集結してリメイクした、SRPGの名作『[[タクティクスオウガ]]』。~
「再構築(リ・イマジネーション)」の名のとおり、ゲームシステムやグラフィックなどに大幅な改良が加えられている。~

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**評価点
***ゲームシステムの変更点
''戦闘システムの変更''
-戦闘参加人数が10人固定から、マップの広さよって増減するスタイルに変更。
--基本は6~10人が最大参加人数の場合が多い。イベントボスマップなどは最大12人まで参戦可能。4人などの少数限定マップや、デニム(&一部の仲間)のみが出撃するマップも追加されている。敵の数はさらに増えているステージもある。
--また、ユニオン(編成画面)の仲間の最大人数が30人から50人に飛躍的に増え、人員整理の必要が実質無くなった。
-ユニットのWT値や各能力値、命中率やダメージ算出方法の見直しが図られた。
-原作では近接攻撃は必ずカウンターが発生していたが、本作では「カウンター」スキルを装着しなければ発生しない。その代わり、このスキルを付けることで、オリジナル版ではカウンターが出来なかった間接攻撃や背後からの攻撃もカウンターが可能になった。カウンターで発生するダメージもランクによって上昇する(通常攻撃時の10%→25%→50%→100%)。
-消耗アイテム周りの仕様変更。原作ではあらかじめ装備したアイテムしか使えなかったのに対し、本作では所持している全てのアイテムの中から使うことができる。
--すべてのアイテムが自由に使えるわけではなく、攻撃アイテムやHP全回復などの強力なアイテムは「消耗品使用」スキルを装備しなければ使用できない。
--「アイテムスリング」というアイテムを遠距離に投げられるようになる装備品も登場し、アイテムが高い利便性を持つようになった。また、一部の魔法はMPではなく所持している触媒アイテムを消費する。
-TP(タクティカルポイント)というステータスが新たに採用された。MPは魔法用であるのに対して、TPは技用である。『[[外伝>タクティクスオウガ外伝]]』のSPと意味合いが近いが、こちらは戦闘時の行動(攻撃や被ダメージなど)で増加し、溜まったTPを消費し、武器の種類ごとにある必殺技や、クラスごとにあるアクションスキルを使用できる。連発はできないものの、威力の高さや効果の大きさからいずれも戦況に大きな影響を与えるものばかり。
-属性システムが大きく拡張。『[[ベイグラントストーリー]]』に近い雰囲気のシステムになっている。
--基本属性「火・水・風・土」と、一部ユニット限定属性の「光・闇」エレメントに「雷・氷」が追加され、全8属性になった。
--キャラクター一人一人が4属性のいずれかの属性を持っていたが、クラスやキャラクターによる属性RESは撤廃されており、そのキャラの苦手な属性攻撃で「弱点を突く」ことはできなくなった。
---キャラクターごとの属性は撤廃されたが、「○属性補正」というスキルを付けることで、属性を持った武器や魔法の威力を高めることができる。複数の属性スキルをつけることで2種類以上の魔法を扱うキャラを作ることも可能だが、スキルは使用回数によって育つ仕組みなので、使う属性は一つに絞ったほうが望ましい。
---なお、この変更でフォリナー4姉妹が地水火風それぞれ得意属性を持っているという設定は無くなっている((本作では4姉妹固有の二つ名「炎のセリエ」等も無くなっている))。「属性を司る巫女」であるクラス「シャーマン」に就けるキャラはちゃんと雷・氷の分を加えた6人となっているが、6姉妹になったわけではない。
--武器の持つ「斬・突・打」という打撃属性、それに対する防具の相性というシステムが追加された。
--「種族特攻」が細かくなり、一部の武器に特定の種族に対する攻撃力が設定されていたり、「人体学」などのスキルを着けることで特定の種族に対する攻撃力・防御力を高められるようになった。
-原作では戦闘でHPが0になったキャラは(戦闘中に蘇生させないと)即消滅(ロスト)してしまっていたが、本作では3回まで死亡させても大丈夫になっている。
--[[まず、味方のHPが0になると「負傷」という状態になりマップ上に残る。負傷したユニットは3ターン以内にアイテムや魔法を使って蘇生すればその場で戦闘に復帰可能>ファイナルファンタジータクティクス]]。3ターン経過した場合は消滅し、3つあるハートが一つ減る。次の戦闘からは普通に参加可能。
---蘇生用アイテムは序盤から店売りされており、ハートを回復させるアイテム(ただし入手は困難)もある。ハートが0になったキャラは二度と生き返らせることができなくなるが、完全ロスト時にスキル1つを他のキャラに継承させることが可能である。
---ただし、ウォーレンレポートには戦死者はもちろん、負傷者数もカウントされているので、負傷者ゼロを目指すなら注意。また、負傷にはユニットの忠誠度低下などのリスクもある。そして、どういう理屈なのかは知らないが、その負傷者が属している民族のカオスフレームが上がる((「ボロボロになるまでよく頑張ったッ。感動したッ!」ということだろうか。))。

''クラスとスキル・装備''
-クラスの種類・内容は原作をベースにしつつほぼ別物になっている。
--汎用クラスは男女ともに同じになった他、クレリック・プリースト・エクソシストのような似たようなクラス(原作ではいずれも回復魔法を使える回復職)は一つに統一された。汎用クラスは14種類+条件を満たすと手に入るものが3種類存在する。
--固有クラスは一部のキャラしか就けないという扱いで、固有クラスを持つキャラもクラスチェンジできるようになった。クラスを変えるには「職業の証」というアイテムが必要となり、頻繁な転職が抑制されている。
--ホークマン、フェアリー、リザードマンといった亜人種も、制限付きだが人間同様のクラスチェンジができるようになった。また、その種族専用のクラスも用意されている。
---『転職証』さえあるなら、パラメータ条件を満たさなくても(上記の制約の範囲で)自由にクラスチェンジができるようになった。そのためもあり、オリジナル版で重要な要素であったアラインメントの存在価値が大幅に下がり、キャラ付け程度のものになった。
-「スキル」システムが追加。ユニットを自分好みにカスタマイズできるようになった。
--戦闘で手に入ったSPを消費しスキルを覚え、スロットに装備することで効果を発揮する。覚えられるスキルはクラスごとに異なり、クラスレベルが上がるごとに覚えられるスキルも増えていく。
--スキルはクラスによって効果を発揮しないものもある。また、アクションスキルは基本的にそのクラス専用のものになっており、他のクラスで使用することはできない。
---原作では似たような近接職だったナイトとバーサーカーは、前者はダメージを大幅にカットする「ファランクス」((因みに、オリジナル版の同名の武器は『ユグドラシル』に改名されている。また、『オウガバトル64』ではクラス名と、名前の使われ方が一定しない。))、後者は攻撃力を大きくアップする「ブラッディアサルト」というアクションスキルをそれぞれ使えるという形で差別化されている。
--「武器学」「属性補正」「種族学」といった効果を高めるスキルは、戦闘で該当した行動を取ることで経験値が溜まりレベルが上がっていく。このため、個性を付けて使い続けることで強くなる作りになっている。
//-クラス間のバランスが良くなり、新クラスも追加。絶対必要というクラスも無くなった。
//--「スキル」システムが追加され、ユニットを自分好みにカスタマイズできるようになった。覚えられるスキルはクラスごとに異なっている。
-レベルの管理が「キャラごと」から「クラスごと」に変更(同じクラスに就いているキャラ同士で共有する)。経験値は戦闘終了時に自動で活躍度に応じて配分される。代わりに投石などの経験値稼ぎ手段が消えた。
--オリジナル版で賛否両論を起こしていたトレーニングは削除。自由にレベルを上げたければ戦闘をこなしていく必要がある。その代わり、エンカウントバトルの難易度はやさしめに調整してある。また、エンカウントバトルに主人公を出さなくても良くなったので、本当にレベルを上げたいクラスだけを重点的に配備することが簡単になった。
-装備については原作の「誰でも何でも装備できる」という仕様から、クラスによって装備品に制限がある((誰でも弓を装備できた原作と異なり、弓はアーチャーなどの一部クラスのみ装備できる。また、同じカテゴリーの装備でも、各武器によって、例えば大概の武器は装備箇所の片手・両手の種別によって、装備の可否が分かれる。))という通常のRPGに近い仕様になったが、その代わりアイテムの総数や種類は原作から大幅に増えている。
--また、装備にレベル制限((クラスのレベルが装備の持つレベル制限を越していなければ装備できない。))が加わっている。強い装備は弱い装備より重いが、原作のように「機動力損失が大きすぎて低級装備のほうがマシ」ではなくなり、レベルを上げて高級装備に乗り換えるという一般的なレベルデザインになった。
--キャラの持つエレメントは撤廃。クラスの得意武器も撤廃。その代わりに、上記の「武器学」スキルを導入することで、キャラの得意武器を表現している。
--ショップでは素材を使って合成を行うことで、装備品の強化を行うことができる。

''前代未聞のUNDO機能「C.H.A.R.I.O.T.」''
-本作のタイトルにもある「運命の輪」と呼ばれるシステムの一つ。その内容は「50手以内の行動なら何時でも行動をやり直すことができる」という衝撃の内容。敵に攻撃をガードされても、攻撃する位置を変えることで当てることができたり、ユニットが戦闘不能になったらその前に戻して戦闘不能を防いだりすることが可能。これでヌルゲーになってしまうのかというとそうではなく、このシステムを前提にしているためか敵も結構強くなっているため、ヌルくはならない。
--使う使わないはプレイヤーの自由。また、ウォーレンレポートには一回も使用しないで勝利した回数が記録されていくため、どこまで使わずに行けるかを競うのもよい。
---ただし、ウォーレンレポートに記録されないでやり直しができる(意図的な)裏技が用意されており、それを使うだけでも攻略が非常に楽になる。

''さらに充実したやりこみ要素''
-オリジナル版では「死者の宮殿」という、連続してマップを攻略していくものがあったが、本作ではこの手のバリエーションがさらに増加。当然ショップなどで手に入らないアイテムも入手可能。
-称号の追加。ストーリーで選ぶ選択肢や強敵を倒すなどの行動で獲得できるため、やりこんだ人への勲章となっている。
-一回クリアすると、もう一つの運命の輪「W.O.R.L.D.」が解禁される。これは「自軍のユニットの強さを保ったまま、ルート分岐が発生する場所に移動してゲームを始めることができる」という、いわゆる「つよくてニューゲーム」の延長である。1周目で助けられなかったユニットを加入させたり、ルート分岐を楽しむことが可能となるが、敵の強さはこちらの最大レベルに依存するので序盤のボスを一方的にボコることは不可能。
--これを使うことによって「ロードのデニムとカチュア生存を両立(本来は二者択一)」や特定ルート限定の仲間も含めて全員集める、といったことが可能。
--ちなみに、シナリオそのものは変わらない。例えば1周目でカチュアを仲間にして、2周目で見殺しにしてデニムをロードにした場合、カチュアは仲間にいるがシナリオ上は死亡した扱いとなるため、グッドエンディングを見ることはできない。

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***グラフィック・シナリオ・BGMの強化
''グラフィック''
-グラフィックは基本的にオリジナル版と同じドット絵。もともと非常に緻密に描かれていたため、今見ても見劣りしないし、追加されたグラフィックも浮いておらずなじんでいる。
-会話やステータス画面で表示されるキャラクターは、オリジナル版の濃い画風のドット絵からイラストに変わっている。イラストは過去に『[[メタルギアアシッド]]』を制作し、『光の4戦士』でも吉田明彦と共に仕事をした政尾翼が担当。
--ザエボスなど原作のイメージからかけ離れてしまったキャラもいるが、吉田氏が監修を行っているため不思議と違和感は無い。吉田明彦氏はキャラクター原案の他にも、タロット絵やパッケージ絵などを担当している。
--マップのグラフィックは戦闘中にクォータービューから見下ろし視点に変えたり、拡大・縮小したりするといった機能も搭載。オリジナルより見やすくなった。

''シナリオ''
-オリジナル同様松野氏が担当。校正こそ行われてはいるが、基本的な流れはオリジナル版と同じ。新たなルート分岐は存在しない。倫理的にヤバいであろう「さっすが~、オズ様は話がわかるッ!」やバルマムッサの大虐殺などはきちんと残されている。
-キャラクターの掘り下げなどのテキストは大幅増。特に追加された部分で際立つのが、戦闘中にデニムや因縁のあるキャラが敵リーダーと掛け合いする場面が増えたこと。
--敵リーダーに存在した二つ名((松野氏のTwitterによると、二つ名は容量が少なかったオリジナル版で敵のキャラ性を出すためにものだったとのこと。))や、特徴的なテキスト(「ッ」や「ン」など)が削減されている点は賛否両論。
-ラヴィニス、クレシダ、アゼルスタンといった新キャラが登場。また、実質新キャラと言えるほどの描写変更を受けたキャラもいる。暗黒騎士団の紅一点のオズマなどがそれ。
-ウォーレンレポートの解説にも手が加えられ、一部のユニット(ヴォルテールやサラ、海賊ダッザなど)も掲載されるようになった。
--ヴォルテールやアロセールの解説文はSFC版のプレイヤーならニヤリとできるネタが仕込まれている。
-インターミッションではFFXIIの回顧録のように英語ボイスを交えた戦況説明がなされる。
-クリア後は無料のDLCによってifのシナリオを体験できる。
--原作では非業の末路を辿ったキャラを自軍に加えることができたり、原作ではシナリオ展開上叶わなかったテンプルコマンド全員と戦闘できる展開もある。
-未来(続編)を予感させる追加エンディングの存在。
--上記の無料DLCを最後までクリアすることで発生する。
--この追加エンディング内では語り手がそう遠くはない未来にまた大きな災厄が発生するだろうという意味深な発言をする。
//正確には手紙の送り手

''BGM''
-オリジナルを担当した崎元・岩田氏はもちろん続投、さらに彼らの音楽プロダクション『ベイシスケイプ』所属の複数のアレンジャー達によって現在にふさわしく、豪華にアレンジされている。
--BGMは長くなっている曲が多く、中盤以降の展開は新鮮で面白い。特にオリジナル版ではトレーニングのテーマで知られる「Harvest Dance」は原型を留めてないほどの大胆なアレンジが施された。また、一部『伝説のオウガバトル』で使用されたBGMも混ざっている。
-オリジナル版にあったサウンドテスト(MUSIC/ON)は、本作ではウォーレンレポート内の「ディーバの譜面」として存在。聴ける楽曲数は進行に応じて増える。ライナーノーツも健在だが、流石に反省したのか今回は真面目。

''SFC版をプレイした人でも新鮮な気持ちでプレイできる''
-戦闘のバランスが再調整されたため、戦術の幅が広がった。
-追加要素のおかげで、コレクション要素も増えた。
-シナリオにも手が加えられている。

''テンポの良さ''
-敵AIの思考・移動時間が大幅に短縮されたため非常にサクサク進む。オリジナル版と比べるとその差は一目瞭然。
-ゲーム中のあらゆる場面でロード時間は短く、プレイテンポが良好。UMDのままでもそれなりにロード時間は短いが、メディアインストールを行うとほとんど気づかない程度にまでロードが短くなる。

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**問題点

''調整ミスと思わしき点''
-レベルアップボーナスの存在。
--戦闘後にクラスがレベルアップするごとに、そのクラスで「戦闘に参加していたキャラ」のベースパラメータが上昇するというもの。必然的に序盤から使っているキャラのほうが多くレベルアップボーナスを獲得するため、序盤から登場するキャラと終盤に登場するキャラとではベースパラメータに大きな差が出る。
--レベルが最大(50)になるとそれ以降そのクラスを使っていてもレベルアップボーナスは得られないため、''レベルアップボーナスの回数は有限''。
---このため、レベルアップボーナスを得るために''あえて使用せずレベルを低いままにしたクラスを保持しておく''というのが有効な攻略法になっている。
---クラスが多彩なだけに、それを縛るような調整は残念。レベルが最大になっていても経験値が入ればレベルアップボーナスを得られるなどの配慮が欲しかった所。
-スキルレベルが全体的に上がりにくい。
--武器学スキルはともかく、各種レジストや説得など経験値の入るタイミングがごく限定的なものでも一度に入る経験値はごくわずか。
-無意味な補助魔法の多用によるテンポの悪化。
--敵AIは効果的でない補助魔法の使い方をする。魔法職クラスに物理攻撃力アップの補助、のようなことを平気で繰り返す。
---補助魔法自体の使用頻度も高いため戦闘のテンポが著しく阻害されるマップもある。魔法・物理特化ユニット問わず補助魔法を掛け合いする情景は「花火大会」と忌み嫌われる。
-一部の武器が隠し補正((装備者のステータスが高いほど強化されるというもの。))により同レベル帯の武器よりも非常にダメージが高くなるため、バランスが崩れている。
--一番顕著なのが「''雷神の弓''」。雷属性補正のスキルと相まって異常な攻撃力を発揮する。
-アイテム合成は成功率が低め。欲しいアイテムの合成素材を合成する必要があったり、一度に複数合成することはできなかったり、失敗しても素材は無くなってしまうため、リセットも含めて手間がかかりやすい。
-これらの問題点は海外版にて修正されているが、日本版でこのような修正は現在のところ行われていない。

''システム上の欠陥''
-序盤でも終盤でも、新たに仲間に入ったクラスはレベルは1で加入する。当然レベル1のままでは戦力にならないので主力級のレベルに追いつくまで育てなければならない。
--この「クラスレベル制」の他、「武器レベル制」「合成と"+1"」「強化版の魔法がII~IVとつく」など『ファイナルファンタジーXI』から引用された要素がいくつか見られるが、これらによってゲームが面白くなっているとは言いがたい。
--ユニットごとではなくクラスごとのレベルにした点について、松野氏自身が[[失敗だったと示唆するような発言>https://twitter.com/YasumiMatsuno/status/788276720948305920]]を後に行っている。
-人間以外のユニット(亜人、モンスター)をショップで雇用できなくなり、説得でしか仲間にできない。このため、オリジナルと異なり自由に名前をつけることが出来なくなった。
--松野氏のtwitterによると、当初はバトル終了後に名前を再度つけることが出来る仕様を検討していたとのこと。
-アイテムのドロップがランダムで、レアアイテムを落とすキャラが必ずアイテムを落とすとは限らない。そのため、お目当てのものを落とすまでC.H.A.R.I.O.T.を使って条件を変えながら敵を倒す「チャリオット回し」をせねばならない。~おまけに、一部アイテムの中に、レベルを上げすぎると取得不可能になるものがあると来ている。そのため、ゲームを進めてW.O.R.L.Dで再度そのアイテムを狩るのが困難になっている。
-命中・回避関連の計算が変更されているのに、相変わらず命中力や回避力が表示されない。そのため、これらに関わるステータスの殆どの効果が分かり辛い。

''隠し要素周りの不便な仕様''
-低レベル時限定でしかドロップしないレアアイテムが存在する。
--取得マップに戻れるようになる頃にはこちらのレベルがオーバーして、そのアイテムを二度と取得できなくなることもあるため、コレクター泣かせの仕様となっている。
-新キャラ、隠しキャラの加入条件が複雑。
--特定の場面で特定の会話を発生させたり、隠しパラメータであるカオスフレームが一定値を超えてなければならなかったりする。

-上記の通り、ウォーレンレポートには固有の見た目を持たないモブキャラに加え、倒した敵リーダーの詳しいプロフィールも加わっていく。
--…と見せかけて、序盤の数人と他ごく少数のリーダーしかウォーレンレポートには加わらないという肩透かしだった。

-ダウンロードコンテンツで原作では「惜しくも仲間にならなかった」人気キャラが仲間になるが、もう一人仲間にしたいという要望が高かったあるキャラを仲間にすることはできない。
//FEでいう『カミユ』のような、「いい人だが仲間にならない」キャラという位置づけなのだろう。

''ゲームバランス変化による一部クラスの不遇化''
-クレリック:HP回復や戦闘不能からの蘇生、アンデッドの除霊などを行うクラスだが、回復魔法の効果が弱体化、使用できる魔法の多くが他クラスあるいは道具でも代替可能なためある程度育てないとメリットが少ない。「聖母の祝祷」というスキルで、回復量を上げてからが本番。)
-ソードマスター:装備可能武器が''両手刀のみ''になり、二刀流ができなくなった。『''ソード''マスター』なのにソード((大抵は片手剣と、一部両手剣にカテゴライズされている。))が一切使えないなんて((『オウガバトル64』でもソードマスターは片手剣が装備できなかったが、刀の他にも両手剣がちゃんと使えた。))! これなら『伝説』よろしく『サムライ』に改名したほうが良かったのではないのか? また、魔法が専用のカテゴリ「武士舞」のみに。武士舞はTPと特定アイテムを消費して発動するため、資金を圧迫しやすい。
//中には使う意義が見出せないような武士舞もある。

''原作を超える「弓ゲー」っぷり''
-弓の射程が軒並み拡張されていること、(特に序盤で)全体的にユニットの移動力が落ちていること、弓の軌道を事前に確認できるスキルがあり、目標に攻撃が届くかの判断がつきやすくなったこと、ライバル武器の弱体化((ボウガンの射程外攻撃がオミットされ、銃器類も射程が有限になった))などによる。
--人間のアーチャーは移動力の低さがネックになるが、人間のニンジャ、ホークマンのアーチャーなどは結局高機動力と長射程攻撃が強力なシナジーを成し、彼らの支配する戦場はさながら近代戦のよう。
--オリジナル版同様片手弓と両手弓があるが、片手弓の種類が非常に増えたうえ、両手弓が非常に強力。終盤はバランスブレイカーと化す。


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**総評
見た目こそ原作と同じだが、ゲーム部分はオリジナル版から全く別物と言えるほど激変している。~
変更・追加点の多くはオリジナル版からの拡張によるもので、新要素の導入でバランスや戦術の多様性、~
ボリュームは格段に向上し、プレイテンポも極めて良好に。~
粗の多かったオリジナル版の問題点を潰したつもりが、多くの新たな問題点を発生させてしまっており、原作であるSFC版は好きでも本作は好まないユーザーが多いのは残念な点だが、~
シミュレーションRPGの面白さを再認識させてくれる高い完成度の作品として仕上がっている。~

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**余談
-リメイクにあたって原作より特別に贔屓されているようなキャラが何人かいる。

#region(ややネタバレ注意)
-一人目は弓使いのアロセール。
--他が「戦士」とか「騎士」とか「魔術師」なのにも関わらず、彼女だけ二つ名が「''雷神アロセール''」という伝説的存在のような名前。
---恐らく原作で「雷神の弓」を持って大暴れできた事に由来。本作でも前述の通り「雷神の弓」は非常に強力な武器となっている。
--原作ではCルートでしか仲間にならなかったが、本作では全てのルートで仲間になる。
-二人目は原作ではモブ(汎用)の敵リーダーだったガルガスタン人の騎士、ディダーロ。特にイベントもなく「無念のディダーロ」というヘンテコな二つ名が一部でネタになっていた彼だったが…
--なんと本作では各ルートごとに彼の登場する専用のイベントが追加。どのルートでも騎士の鑑と言えるような見事な生き様を見せ、多くのプレイヤーを魅了した。ちなみに3ルートで「無念」という台詞の使い方が異なる凝り様。
-3人目に銃士レンドル。もともと名前付きの専用イベントがあるものの中身は汎用キャラという残念なキャラだったが、ヴォルテールなどの他の味方汎用キャラを差し置いて専用グラフィック(ただし、戦闘グラは旧作におけるガンナーの物を流用しているが、そもそも汎用ガンナーの戦闘グラ自体が書き直されている)うえに、口調や民族も変わるなど、名前とクラスが同じ別キャラに生まれ変わっている。
#endregion

-それとは逆に、リメイクにあたって追加された新キャラクターである騎士ラヴィニスは高潔な美貌の女騎士であり、追加キャラクターでは唯一パッケージ画像にも登場しているなど、発売前にはいかにも贔屓されていそうだと話題になったのだが…

#region(ネタバレ注意)
--実際にはCルートを選ぶと早々に退場してしまい、Lルートでも複数段階にわかれた条件を満たさなければ仲間にならない。
--その条件も「ウォーレンレポートに追加される目撃情報を見る」「特定の戦闘で特定のキャラクターを参加させると発生する会話を(勝利する前に)最後まで見る」などを期間限定、少ないヒントでこなす必要があり、攻略情報が充実するまでは「敵対したので倒したら普通に死んだ」「仲間割れしたきりラヴィニスが全然出てこない」「一度は助けたもののそのままフェードアウト」と言った失敗談が続出した。
--とはいえ、民族性がストーリーの大きな柱になっている今作において、出自に由来する周囲との軋轢や所属の迷いをシナリオに無理なく組み込み、ガルガスタン陣営の内部事情を描く上でも一役買っている彼女の追加自体は成功しているといえる。
#endregion

-とある隠しキャラの仲間にする方法が変わっているため、仲間にできたという報告がしばらく流れなかった。
--ゲームの解析の結果、仲間になることそのものや専用クラスがあること、イベントが起きる場所などはすでに判明していたのだが、そのイベントが起きる条件そのものが全然わからず、「どこにいるんだ」「どうすればいいんだ」と連日混乱が起きていた。
--結局12月3日発売の攻略本によってようやくその条件が判明した。その条件は簡単に見えるようで結構複雑な手順を要る。
//「これは完敗だ」とプレイヤー達は松野氏を賞賛したという。

復元してよろしいですか?