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真・三國無双7 猛将伝」を以下のとおり復元します。
Vita版の『with 猛将伝』が「[[判定不一致修正依頼]]」にて判定と記事内容の不一致が指摘されています。対応できる方はご協力をお願いします。
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当ページでは以下を紹介しています。
-拡張ディスク『真・三國無双7 猛将伝』(元となる『[[真・三國無双7]]』は別ページ参照)
-『7』と上記『猛将伝』を統合した『真・三國無双7 with 猛将伝』
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#contents()
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*真・三國無双7 猛将伝
【しんさんごくむそうせぶん もうしょうでん】
|ジャンル|タクティカルアクション|&amazon(B00EPZKIOO)|
|対応機種|プレイステーション3|~|
|メディア|BD-ROM 1枚|~|
|発売元|コーエーテクモゲームス|~|
|開発元|コーエーテクモゲームス(オメガフォース)|~|
|発売日|2013年11月28日|~|
|定価|通常版:5,040円&br()ダウンロード版4,500円|~|
|プレイ人数|1~2人|~|
|通信機能|Playstation Network対応&br()※DLC配信、オンライン協力プレイ|~|
|セーブデータ|HDD必要空き容量:850KB以上|~|
|レーティング|CERO:B(12才以上対象)|~|
|コンテンツアイコン|暴力、セクシャル|~|
|備考|3D立体視対応&br()ボイスチャット対応|~|
|ポイント|呂布伝復活&br;『猛将伝』最多の追加キャラ&br;武器システムや細かい仕様での歩み寄り|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[無双シリーズ]]''|
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#center{&size(20){''最強、一騎当千。''}}
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**概要
『''[[真・三國無双7]]''』におけるシリーズお馴染みの拡張ディスク。~
細かいバランス調整や新武将・新ストーリーの追加が成されたほか、MIXJOYをすればその環境下で無印のストーリーが楽しめる。

ここでは無印+猛将伝のワンパッケージタイトルである『真・三國無双7 with 猛将伝』についても述べる。

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**新要素
***チャレンジモード
猛将伝恒例となった競技モードは今回も実装。
ネットランキングに登録すれば、全国のプレイヤー達と腕を競うことができる。また今回はこれらをプレイすると、対応した特殊属性が付与された武器が手に入る。
-''暴風'':10分間に何人敵を倒せるかを競う。今回も呂布を倒すと敵兵大量投入だが、その際の増援がかなり強化されているので覚醒乱舞を活用する必要がある。
--対応属性は「撃破数に応じて攻撃力アップ」で、Lv10だと100人撃破ごとに1割増(1000人撃破で2倍、撃破数カンストで10倍超)と高い効果を得られる((仕様上は1人倒すたびに攻撃力が加算されている。))。

-''彗星'':10分間または自分が落ちるまでに何人敵を高台から落とせるかを競う。
--対応属性は「吹き飛ばし力アップ」。

-''迅雷'':呂布の追撃やトラップをかいくぐりつつ、目標地点での武将を倒した時間を競う。
--対応属性は「ダッシュ中に攻撃耐性がつく」で、初期バージョンはバグで常時効果があったため重宝されていた。

-''百花'':15分間またはやられるまでに時間内にどれだけ無双武将を倒せるかを競う。一定数倒す毎に敵将の能力が高難易度モード準拠になっていき、同時出現数も増える。
--対応属性は「ヴァリアブルカウンターによる強化時間アップ」で、通常の7秒が最大で倍の14秒に上昇。

-''烈火'':マップ中の敵全滅にかかった時間を競う。
--対応属性は「吹き飛ばした敵が爆発で周囲を巻き込んでリバウンドしてくることがある」。ダメージはないが、武器と技によっては広範囲を吸い寄せたり、巻き込んだ武将の気迫ゲージを大きく削ることもある。

***新ストーリー「呂布伝」
-発売前から注目された要素。従来のシリーズではわずか、もしくはIFしか描かれなかった呂布のストーリーが、5つめの勢力として猛将伝に収録された。
-これまでの4勢力同様に基本の史実ルートと、条件付きで突入できるIFルートが用意されている。

***将星モードの新たな戦い「地方平定」
-帝を招き入れる為の銅雀台を完成させた後に突入する将星モードの第二部。下野した武将たちを再び仲間にし、各地方を統一することになる。

***新武将
-「于禁」「朱然」「法正」「陳宮」「呂玲綺」が追加。一作品における新規キャラ追加人数は『猛将伝』シリーズ最多である。
--このうち陳宮は『7』発売後にファミ通により行われた「次作に出てほしい武将アンケート」で一位を獲得しての参戦。
--無印の楽進に続いて于禁も参戦した事により、魏の「五将軍」がようやく全員プレイアブル化を果たした((本シリーズでは五将軍のうち張遼、張郃、徐晃が初期から居るのに対し、楽進と于禁は長らくモブ武将であった。))。
--言うまでもなく得意武器は各武将独自のもので、呂玲綺は『5』で呂布が使用していた十字戟を引っさげて登場している。

***その他
-難易度「究極」の追加
--『6猛将伝』と同様、無印の最高難易度「修羅」を上回る敵の強さを誇る。
---相性不利状態では通常攻撃を数発食らうだけで敗北しかねない。回復・強化アイテムのドロップ率も低く、将旗兵が敵将を強化する場合もある。
---とはいえ獲得経験値が大幅に増加したりと、相応の見返りは保証されている。また、トロフィー以外の隠し要素とは無関係なので、プレイが必須となるわけではない。
---『6猛将伝』と異なり、将旗兵が無双ゲージを消滅させる効果はなくなっている。

-武将の能力値・レベルの最大値上昇
--上記「究極」への対応もあり、レベルの上限が99から150に、攻撃力・防御力はそれぞれ1000から1500に引き上げ。

-護衛武将のシステム強化
--将星モードで仲間にした武将を連れて行くシステムがフリーモードでも使用可能に。本作では無双武将だけでなく、一般武将も選択できる。
--ステージ中では護衛/遊撃/拠点確保(3回まで)と、戦闘技能(武将ごとに決まった数だけ)発動の指示が可能。
--無印では1人だけだった護衛武将を3人連れていけるようになった。~
ただし護衛武将にはコストの概念があり、プレイヤー武将の統率力(=コストの上限)を超える組み合わせにはできない。
---護衛武将の技能を使ったり、フリーモードで戦功目標を達成することで「武勲」が手に入り、それに応じてプレイヤー武将の統率力が上がる。
--戦闘技能は主に将星モードでの攻略に有用なものが揃う。KOカウントに応じて制限時間を回復させるという、連戦向けのものも。
---戦闘技能のステージごとの使用回数は最初は1回だけだが、護衛武将強化により技能Lvを上げる事で回数を増やすことが出来る。~
基本的にはコストが高い武将ほど最大回数も多い傾向にある。
---特定条件を満たして強化を行った場合、極稀に支援スキルが変化することもある。
---護衛武将強化を実行するには、他の仲間武将から伝授武将を選択する必要がある。伝授武将として選択された武将は、強化完了時に下野して仲間から外れる。

-フリーモードの要素追加
--裏シナリオやDLCを含む全ステージにクリア評価と3つの戦功目標が追加。評価は「撃破数」「経過時間」「獲得武勲」の3分野の平均ランクで判定されるが、総合ランクSを狙うには全ての分野で同時に規定以上を達成する必要がある。
--戦功目標はどのステージも「特定のアクションなどの条件で一定数撃破」「制限時間内にステージ中の目標を達成」「一定条件で指定された護衛武将の技能を使う」のパターンであり、達成してクリアすると宝玉と武勲が手に入る。
--総合ランクSを取ろうとすると骨が折れる(特に戦功目標全達成と同時に狙おうとする場合)が、獲得武勲については戦功目標を取りこぼしても戦闘技能を使用した分でカバー可能。なお、「修羅」「究極」でプレイするとランク評価の基準が若干緩和される。

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**評価点
-呂布のストーリー
--『7』の4勢力と同等のボリュームを誇る、2通りの分岐を含むルートが用意されている。
--『4』を除く過去作の呂布のストーリーはIF色が強かったが、本作では本格的に史実寄りのストーリーがプレイできるようになった。~
三国志における呂布の有名なエピソードや戦いは入っており((たとえば「戟を射て袁術と劉備を停戦させる」といった三国志の呂布のエピソードとしては有名だが、無双シリーズでは語られたことがなかったエピソードがイベントシーンとして挿入されている。))史実ルートはまさに呂布の登場から最期までを『6』~『7』スタイルで表現したものとなっているため、史実ファンも楽しめるようになった。
---史実ルートの最終ステージ「下邳落日戦」は、大軍勢(敵武将は合計50名以上)に圧し潰される絶望感、その中でも味方を鼓舞し奮戦する張遼たち、重く暗い開幕時の戦闘BGMなど、『真・三國無双』シリーズでは珍しかった雰囲気の演出も合わせてステージの難易度・完成度共に高く評価されている。
---他勢力の史実ルートに比べてもさらに暗いストーリーになるが、それは後述するIFルートの逆転劇を引き立てる一要素でもある。
--IFルートでは史実で関係が悪かったとされる呂布が陳宮を重用するといった見どころがある。~
そして分岐ステージと最終ステージで流れる、''IFステージ唯一の完全オリジナル曲''「STRENGTH,WEAKNESS」をBGMに、史実での悲劇を自らの手で切り開いていくカタルシスは、呂布のファンには評価を得ている。
--ただし、「呂布の勢力に属している(属していた)無双武将」は本作でも限られているため、どのステージでも使用できる武将に変化はほぼない((「呂布」という勢力をたどるため、董卓は使用できない。代わりにこの勢力でも使用できる張遼には本ルート用の立ち絵が用意されている。))。

-他の5勢力にも新たなストーリーが追加された
--単純にステージが増え、追加参戦武将の出番ができただけでなく、無印のシナリオ全体を通して合計使用回数が少なかった武将たちの出番もそこに当てられている。
--呂布・他以外の4勢力における追加ステージは「アナザーIF」という時系列順の一本道ルートとして別途にまとめられており、本来その戦いには登場しない武将を交えて展開。~
これらもクリアすることで次の追加ステージが出現という形だが、途中にIF分岐のような条件を満たさなければ次に進めないステージが存在する。そのセットを乗り越えた一番最後には、無印では姿を見せなかったネタステージが待っている。
--もちろんフリーモードでも遊べるし、大半は裏シナリオにも対応。本来は選べない特定の武将を使うと、隠し台詞が聞けることも。

-武器の所持限界数の増加
--最大1000個から1200個に拡張され、多少余裕ができた。
--無印時点で77人の武将=最低でも77の武器種があったため、1種につき10個ほどのストックで限界が近かったということになる。
--『猛将伝』では1200個/82種類なので平均14~5個ほど余裕があることになる(DLC武器種をすべて導入した場合、1200個/91種類で約13個程度の枠。ただし、そのうち秘蔵武器+DLC武器系で2~4個ずつ占められることになるが)。

-全武将に2つ目のEX攻撃が追加
--新技は概ね高性能だったり、或いは欠点を補ったりと総じて使いやすく強力。~
「EX攻撃の使い勝手があまり良くない」「自身の一時強化にすぎないので爽快感がない」などの不満を解消する一助となった。
--固有技がもう一つ増えたということでもあるので、武将の個性付けにもなっている。
--一部のキャラクターはEX攻撃がC5やC6など後半のチャージ攻撃からの派生となる関係で、システムの性質上''レベルを上げないとEX攻撃が使用できない''という問題があったが、これについてはEX1・2のどちらかを必ずC1~C4に割り当てる事で解決している。

-アクションの改善
--本作では「軽功でキャンセルできる技が増加」「調整ミスで使い物にならなかった技の強化」等、多くの武将・武器が無印からアッパー調整を加えられている。

-武器の強化が容易になった
--無印版は「アップデートをしなければ強化システムがほぼ機能しない」といった有様であり、プレイヤーから不満の声が続出していた。~
猛将伝ではアップデート後の仕様がデフォルトで導入され、新たに「特殊鍛錬」により宝玉((本作より追加された要素。フリーモードで戦功目標を達成したり、将星モードで戦闘勝利することで入手。属性の種類やレベルによって消費量は変わる。))を一定数消費することで''目当ての属性の種類、レベルをそのまま他の武器に移し替えることが可能となった。''さらに「天」「地」「人」の三竦みも自由に変更できるようになったり、高コストだが武器自体の攻撃力を上げたりなど自由度は『[[無双OROCHI2]]』に匹敵するものに。
--加えて猛将伝自体のアップデートにより、秘蔵武器にも同様の改造が可能になったため、それらの初期属性による冷遇も解消。DLC武器もそうだが、きちんと高い武器攻撃力を活かせるようになり、実用性が盤石になった。

-その他
--イベントの再生時にロード時間が短縮。
--フリーモード限定でイベント再生のオンオフの切り替えが可能に。
--無双覚醒中に影の描写をしなくなった。
---また、真・覚醒乱舞で雑兵を倒した際の経験値+5アイテムのみ自動回収されるようになった。OROCHI2Ultimateの「五十鈴」を試験的に実装したともいえる。
--ストームラッシュの発動を自動か、手動かで切り替えられるようになった。
---以前は敵の気迫ゲージがゼロになった瞬間に自動で発動していた。最初は便利に思えるが、プレイを重ねるごとに「コンボの途中に勝手に発動してしまう」「ストームラッシュはキャンセル不可能」という二点が鬱陶しく感じられることがある。~
この弊害の顕著な例が「敵の体力と気迫ゲージが同時にゼロになったため、誰も居ない所でストームラッシュが発動」というもの。また遠距離攻撃で戦いたい場合など、発動されると邪魔な場合もあるため「相性有利状態だとかえって戦いづらくなる」という逆転現象を引き起こしていた。
---本作よりオプションに項目が追加され、「□+△で自分の好きなタイミングで発動する」という設定が可能に。従来通りの自動発動にしておくことも可能。
--MIXJOY時にある条件で開示されるストーリーモードのIF条件文が一部修正され、煩雑さが緩和された。

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**賛否両論点
-属性
--無印で猛威をふるっていた「旋風(ガード無効化+確定で割合ダメージ)」は今作で「ガード自体は可能、ガードされた時だけ確定で割合ダメージ(ガード崩し・ガード不能技では無効)」という下方修正が加えられた((説明文が「ガードされても一定割合のダメージを与える」といった曖昧な表記であることから、「無印の時点で本作のような仕様になる筈だった」と主張するユーザーもいるが、信頼できるソースは無い。))。~
これにより、高難易度での敵武将(ガードが固く体力も多い)以外には事実上効果を発揮しなくなり、無印での万能ぶりは見る影もなくなった。
--しかし、割合ダメージ自体は相変わらず強力なので''きちんと攻撃を当てるより、ガードさせて削り殺した方が速い''という異常な事態が多くの武器で発生する。~
本作の敵武将は高難易度ほどガードで反応しやすくなかなかガードを解かないため、素早くガードを破って攻め続けられる武器が乏しい点も併せ「ひたすら同じチャージ攻撃を振ってガードを固めさせ、敵が倒れるのを待つ」という単調なスタイルに終始してしまいやすい。
--一部の技では無印に匹敵するダメージインフレを引き起こし、それらの技を有する武器が無印時代と比べ相対的に強くなっている。
---具体的には、多段ヒットする技において「その全段がガード可能かつ、ヒット毎に特定の属性効果が発動する」技(弓のチャージ3、弩・迅雷剣のチャージ4、打球棍・双頭錘のチャージ6、断月刃の騎乗チャージなど)。~
これらに高レベルの「旋風」を組み合わせると、後述の盾兵や''難易度「究極」のオーラ付き武将が一瞬で溶ける。''
--特殊鍛錬の実装によって割合ダメージ属性を使うか使わないかが完全にプレイヤーの自由に委ねられるようになった以上、強すぎると判断したら上書きして外してしまえばいいだけである。つまり「旋風」に下方修正を加える理由もまた薄くなっている。~
実際問題として、本作における変更は''無印で指摘された欠点だけを残したようなもの''で、否定的な意見が多い。
---ちなみに、本シリーズでは過去にも似たような属性が登場しており、そちらはほぼ役立たずで空気と化していた。どちらにせよ褒められたものではないが。
--割合ダメージに依る武器の格差はより顕著になってしまったが、チャージ攻撃によらない属性にも「連撃」「誘雷/誘爆」「神速」「暴風」「斧鉞((撃破数が50の倍数になると、攻撃力強化アイテムの効果が発動する。))」など有用な物は多く、どの武器でも属性を整えることで実戦レベルには強化できる。~
そして割合ダメージ属性に頼らない場合・頼れない武器種でも、パラメータを確保し、スキルと一時強化アイテムを最大限に活用しながら無双乱舞と覚醒乱舞を上手く回していけば、難易度「究極」であっても殆どのステージ・武将で十分クリアは狙えるようにはなっている。
--「凱歌((敵を撃破した際の与ダメージ量に比例して体力が回復する属性。乱舞を含む全攻撃で有効。))」の効果は据え置き。高難易度での被ダメージが激しくなったぶん無印以上に重要度が増すことになった。その分「治癒((敵に攻撃を当てるたびに体力が回復する属性。回復効率は「凱歌」の足元にも及ばず、さらに無双乱舞などでは効果が発揮されない。))」の影がより薄くなった。
--前述の通りアップデートで秘蔵武器の改造も可能にはなったが、ファンの間には「汎用武器を極限まで強化して自分だけのオリジナル最強武器を作った方が面白みがある」という意見を持つ層も根強く残っている。~
しかし秘蔵武器を強化するかどうかもまたプレイヤーの自由なので、「そういう人は汎用武器を使い続ければいいだけ」というのが大方の了解となっている。
---そもそも無双シリーズにおいて、秘蔵武器が最強の性能とは限らないのはもはや通例であり、特に秘蔵武器がどれも性能的に使い物にならない武将は高ランクの汎用武器の厳選を強いられてしまうことが当たり前であった。
バランス的に考えれば確実に問題点として挙がるものだが、いつしかプレイヤーの間では「秘蔵武器の付加効果は各武将の個性を反映したもの」という解釈がされ、同時に汎用武器の厳選や改造がやりこみ要素として認識されるようになったことから、以後無双シリーズにて長らく秘蔵武器の改造希望については賛否が激しく分かれるようになっていた。

-やや鬱陶しくなった敵
--無双武将、モブ武将ともにヴァリアブル攻撃の使用頻度が無印より大幅に増し、こちら側も武器切り替えを促される場面が増えた。
---影の薄かったヴァリアブルカウンターを狙いやすくなったということでもあるが、武器相性が劣性の敵武将はこちらのEX攻撃と乱舞攻撃でしかひるまなくなる上、攻撃力が増えるという高難易度ほど厄介な特性がある。一撃が死に繋がる難易度「究極」ではカウンターを狙っている暇はない。
---相性不利の相手のスーパーアーマーはそのまま。さらにチャージ攻撃をヒットさせるとストームラッシュを発動されることがある(起き上がり・受け身直後に攻撃するとほぼ確実)。近距離ならこれを逆用し、攻撃ペースを緩めずにヴァリアブルカウンターを狙う事も可能。~
ただし中距離以降で戦わざるをえない弩などの武器では相手のストームラッシュにスローモーションがかからない事が多く、ラッシュを誘発させるとまともに食らうことが多い。
---ヴァリアブル攻撃は殆どが無敵時間を持っているので、こちらの大技を抜けられる事もある。ヴァリアブルの出掛かりで無敵になる武器種もあるので、敵に使われるとどうしようもないケースも。
--仕様変更でストームラッシュを有効活用できるようになった本作だが、気迫ゲージの減少速度が無印と比べかなり遅くなっており、発動のチャンスは大きく減少してしまっている。~
難易度に比例して気迫ゲージはさらに減りにくくなるため、地上で攻撃しているだけでは気迫ゲージより先に敵将の体力が尽きてしまう事も珍しくない。
---特に操作キャラのレベルが100を超えてくるとストームラッシュを狙うのは非常に難しくなってくる。一応、気迫ゲージは空中ヒットでの減少量が大きく、かつ『6』以降の仕様として空中ヒット時のダメージが半減する仕様のため、本来ならストームラッシュに持ち込むのに最適の攻撃方法であるのだが、それでも難易度に対し操作キャラのレベル・攻撃力が高すぎたり、ヒット数が少ない武器種だと追いつかなくなってしまう。
---無印の頃のレベル上限値が99なので、無印時にやり込んでいたいたプレイヤーは猛将伝を開始した時点ですでに上記の状況になっている。
---また、敵将は体力が減少してくるとヴァリアブル攻撃(武器相性の変更)の使用率が上がるため、せっかく気迫ゲージを減らしてもその努力がムダになることが非常に多い。
---戦場によってはストームラッシュでの撃破数が戦功目標(後述)に指定されている事がある。
--高難易度では敵無双武将のストームラッシュだけでなく無双乱舞発動率も激増。時間をかけるほどリスクが上がるため、どうしても武器属性での瞬殺を狙う必要に迫られる。
---『7』からは全キャラが空中無双乱舞を持っているため、地上コンボだろうが空中コンボだろうが常に乱舞を発動してくる危険がある。難易度「究極」、かつ有利相性になっている場合はさらにその確率が高まる模様で、ストームラッシュを狙うリスクに更に拍車をかけている。
--盾を持つ敵兵は、無印では防御力が高い程度で何をするわけでもなかったが、今作からは盾でガードをするようになった。~
盾兵のガードには耐久力こそあるものの、基本的に兵の体力の倍ほどはあり、高難易度では無双乱舞を当てても微動だにしないほど。
---さらに''盾兵のガードは地形と同じように攻撃判定を遮断する・なぜかガード崩しによる怯みが効かない''という厄介な仕様があり、盾兵らしさを求めるにしても調整が大雑把すぎて不自然さが目立っている。「旋風」属性の優位性も余計に助長されている。
--弓兵・弩砲など遠距離攻撃によってプレイヤーの攻撃が阻害されるという場面がかなり増えた。
---特に今作で将星モードに追加された「地方平定」ではほぼ全ての戦場に弩砲が数基配置されている。これらは幸いにして全て破壊可能。
---ストーリーモード・フリーモードにおいても、弩砲が存在するステージが多く、「弩砲(連弩)は諸葛亮が考案したという秘密兵器」という演義の設定を一顧だにしないように蜀以外の勢力のステージにも分布されている。
特に破壊できない弩砲のあるステージでは、弩砲を止める条件の敵将がその近くに陣取っているため、タイムアタックでは確実に苦しめられることになる。
---また、今作の弓兵はプレイヤーが接近すると武器を弓から剣に持ち替えるが、この''持ち替えモーション中がなぜか無敵状態である''。そのため、一気に近づいて倒そうと思ってもダッシュ攻撃などは空振りし、敵の持ち替えモーションが終わるまで待って攻撃しなければ倒すことはできない。さらに、持ち替えた後もずっと剣兵として振舞うわけではなく、プレイヤーとの距離が離れれば(あるいは画面外に出たり、ステルスが発生したりしたときも)再び弓兵に戻ってプレイヤーを狙撃してくる。それを倒すためにはやはりまた持ち替えモーションの無敵が過ぎるのを待たねばならないという面倒臭さ。
---新ステージには弓兵が30人近く密集しているところなどもあり、騎乗攻撃で走りながら倒そうと思ってもいくら走り回って武器を振り回しても誰にも当たらないということがある。
---弓兵の攻撃は過去作から高難易度での死因として有名であったが、本作の場合では難易度やステージに関わらず戦闘のテンポを乱す。チャレンジモードでも弓兵を大量に倒さねばならないものが多いため、好記録への挑戦は無敵化する弓兵のストレスとの戦いになっている。

-新武将・新ステージ
--今作ではストーリーモードに呂布陣営のストーリーが追加され、また陳宮や呂玲綺といった新武将も加わり、楽しめるものとなっている。
--一方、魏・呉・蜀にもといった新武将が追加され、また新ステージも各8ステージほど追加されている。無印版にあったストーリーモードの合間を補完する内容のものが多く、ステージ数自体は十分ある。
--ただし、「于禁」「朱然」「法正」が登場するステージは少なく、せっかく追加された新武将なのにいまいち影が薄い。
---法正は恨み深い男、朱然は陸遜に対抗心を燃やす火計大好き男など人物のキャラ付けは無双らしく過剰なほど濃いのだが、見せ場・見どころがほとんどないので、設定は印象に残るが話は印象に残らないという奇妙な状態になっている。
--また、当然無印とMIXJOYしていなければ無印にあったストーリーはプレイできないので、今作で追加された新ステージ・新武将がメインストーリーのどこに位置するものなのか分かりづらく(戦闘前の導入で解説してはくれるが、実際プレイしながら歴史を追える無印のストーリーモードとは雲泥の差がある)、前後の脈絡から切り離されたぶつ切りのステージをプレイしている(強いて言えばフリーモードに近い)感覚があり、これもまた新武将を数ステージにだけ突然登場しまたすぐに登場しなくなる浮いた存在に感じさせる原因となっている。
--なお、晋勢力には新武将がいない。
--また無印の頃と同様、新ステージも操作できる武将の人選は不可解かつ偏りのあるものが多々見受けられる。

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**問題点
-処理落ちによる敵表示・アクション操作の不具合
--敵兵が多すぎるがゆえに一部の敵兵が画面上に表示されなくなる通称「ステルス」はもはや無双シリーズ恒例とも言うべき不具合となっているが、当然ながらシリーズ屈指の敵兵数が出現する今作でも激しいステルスが発生している。
--特に今作は攻撃のエフェクトが過剰であることや、またビジュアル面だけでなく戦場でのイベント進行・会話ログ等の処理も(時にはフリーズさせるほど)PS3本体に負担をかけているようで、明らかに処理が追い付いていないと思われるような現象が頻発する。
---例えば、ステルス化した敵将が周囲の敵兵がもはやほとんどいないにもかかわらず表示されない。この場合、武器取得や会話ログの処理が溜まっていることが多く、それらが落ち着くまで敵将は消えたままになる。
--特に致命的なのが処理落ちによってプレイヤーの操作入力が受け付けられなくなるということ。~
無双は連打ゲーなのであまり気づきにくいが、処理が滞っているときには単発でのボタン入力が反映されず、ボタンを押しても攻撃しない・無双乱舞が出ない(=敵集団の中で棒立ち)といった現象が頻発する。
---武器属性「神速」を付け、アクションを高速化している場合はボタン入力の猶予時間も短くなっているので上記の処理落ちに引っ掛かりやすくなる。
--また、「振り向いて即座に無双乱舞を発動する」といった入力をすると、画面上のキャラクターは振り向いているが内部的にはまだ方向転換が済んでおらず、乱舞のモーションに入った時点で再び振り向く前の方向に戻っていることがある。

-アクション面
--特に強かったわけでもない技が弱体化されたり、不評だった旋風天稟の仕様がそのままだったりと、調整の基準に関しては疑問が残る改悪も多い。
--また相変わらず「通常攻撃が繋がらない」「方向修正なしでは追撃が当たらない」などといった無印の頃からあったアクション面の問題はそのまま。
--何故か錐揉みやられ状態が廃止され、対象の技は受け身が取られやすくなった。

-相変わらず苦行の将星モード
--まず、連戦での「旅団長無双」はそのまま。連戦数によって宝玉を入手していく都合上、この状態に持っていければ最も速くカンストに持っていける難易度「究極((途中セーブした状態で消費しない限り、44連戦で0から9999までたまる。また旅団長には特定ステージにおけるハイパー化が発生しない。))」でのリスクを抑えられる。
--上で述べた通り、本作より新しく「地方平定」という段階が追加された。将星モードに退屈さを感じていたプレイヤーは多く発売前は期待されていたのだが、実際には無印の将星モード以上に面倒な内容、という評価が多い。
---基本的には「仲間にしている武将を何人か選んで軍団を編成」→「仲間と共に戦場に散らばる拠点を制圧しつつ進軍する」という流れ。勝利すると戦場に対応した地方の「制圧率」が上昇し、全地方を完全に制圧し最終決戦に勝利すればクリアとなる。
---問題は、「地方平定」開始時に仲間にした武将の大半…''70人超の無双武将・モブ含め800人超の武将が下野してしまう''こと。再び仲間にするためには、平定戦で地道に探し出していくしかない。必ずしも仲間にする必要は無いのが、せめてもの救いか。
---加えて70人超の無双武将は総大将としてしか登場しない。つまり一回の戦闘で仲間に出来る無双武将は1人だけで、無双武将はキャラ毎に出現する戦場が設定されており、さらに設定にも偏りがある。操作武将を揃えようとすれば、たったひとりの総大将の為だけに同じ戦場に何度も出向く必要がある。
---しかも''軍団に編入した武将が敗走した場合、その武将は野に下る。''加えて戦闘開始時の味方士気は低く、油断すると「戦闘開始数十秒で味方武将が何人も敗走」といった事態が普通に起こる。上記の無双武将集めの時などは、下手をすると''仲間になった人数より下野した人数の方が多い''という事態も起こりかねない。
---拠点の防御力も低く、旅団長どころか遊撃隊長(=多少強い雑兵)ひとりにすら潰される。味方武将の敗走を防ぐにはプレイヤーのみで戦場を駆け、近くで敵を倒して救援する必要がある。近くで活躍して仲間の士気を上げれば簡単には敗走しなくなるが、最大の重要事項でありながらゲーム中の説明では強調されない。
---味方武将の配置は完全にランダムで、地方によっては全員を生き残らせるのが無理な状況に陥り、撤退せざるを得なくなる場合も。
---強化に使われるか合戦でやられて''下野した武将は護衛武将強化で上げた技能Lvや、変化した支援スキルがリセットされてしまう''ため、この問題も無視しにくい。
---幸いプレイヤーから見た敵の強さはそれほどでもなく、武器と武将を育てていれば「修羅」どころか「究極」すら苦労せずクリアできる。戦場にもよるが、軍団の人数を少なくした方が難易度が下がる場合も多い((本作のトロフィーには「軍団をフルメンバーで編成し、ひとりも敗走させずに勝利する」というものがあるため、初めから少人数での攻略を想定していたのかもしれない。))。

#region(ちなみに)
-地方平定の最終決戦に出てくる十常侍五人衆は初見殺しであり、実質的なラスボス。その名の通り五人出てくる。
--その凶悪さは虎牢関の呂布に次ぐレベル。五人全員がハイパー化+アーマー付き、攻撃力もバカ高く、難易度「難しい」程度でもレベル150のキャラが秒殺されかねないほど。加えて倒しても一人一回ずつ復活する。
---また周りには敵兵もほぼ居ない為「凱歌」属性の効果も薄く、真・覚醒乱舞への突入も難しいという状況。それなりに対策を敷かれている。
--しかし、虎牢関呂布同様に「&color(white){救援で士気を上げた味方の手を借りる}」ことで容易にあしらえる。彼らを倒したあとには一連の騒動を起こした偽帝を倒すことになるが''こっちはかなり弱い''という拍子抜けなオチが待っている。%%ある意味ではリアリティのあることだが。%%
-なお、スリルを求めて再び彼らと戦おうとしても、一度勝ったらこの闘いに挑む事はもうできない。
--本作では「はじめから」に加え「地方平定からやり直し」ができるようになったが、そこまでして最終決戦を再プレイしたいプレイヤーが何人いる事か…。
#endregion

-やり込む場合の作業量・作業感が尋常ではない
--今作で新たに登場した武器属性は、どれも入手に手間がかかりすぎる。
---「斧鉞」「暴風」はどんな武器でも火力向上が期待できる強力な属性。割合ダメージの乗らないチャージ攻撃も有効に使えるようになるため、アクションの幅が広がり、武器本来の魅力を発揮しやすい。
---しかしそのどちらも、通常入手できる武器には付加されない。特に「斧鉞」は確実な入手方法が将星モード(地方平定)の報酬である2個しかなく、それ以上は属性が何もついていない武器2つを強化鍛錬してランダムでこれらの属性が付くのを狙うしか入手方法がない。
---そのため、複数の「斧鉞」武器を作りたい場合は属性なし武器の強化鍛錬をひたすら繰り返すことになる。「斧鉞」を1つ入手するのにかかる時間は運次第ではあるが平均で15~20分程度。つまり無双武将82人分の得意武器に「斧鉞」を付けようとしたら、単純計算で20時間以上鍛錬とロードを続ける羽目になってしまう。天・地・人の武器相性ごとに「斧鉞」を付加するつもりであれば当然その作業量も2倍、3倍となる。~
属性なし武器の入手自体はストーリーモードを利用することで比較的簡単に入手できるが当然それなりの手間とお金がかかる。
---「暴風」はチャレンジモードで簡単に入手できるが、1個につき必ず11~12分はかかってしまう((チャレンジモード「暴風」の制限時間が10分。))。やはり82人分の得意武器を用意するために意識してしまうと相当時間がかかる。上述の斧鉞集めの際に暴風が手に入ることがあるのでそれも利用すれば時間削減にはつながるが。
---武器攻撃力の強化には「攻撃力+1につき500個」という有り得ない量の宝玉が要求され、上限である+10まで強化しようとすれば、ひとつの武器の火力を鍛えるだけで途方もない手間を強いられる(ちなみに5000個の宝玉を入手するのにかかる戦闘回数は、宝玉入手効率が良い将星モードでも30戦程度)。
---一応「斧鉞」「暴風」や武器攻撃力アップがなくても「究極」で通用する武器は作成可能だが、最強クラスの武器を作りたいと考えたり、あるいは割合ダメージに依らず様々な武器・アクションを楽しみたいと考えるやり込みプレイヤーにとって上記は避けて通れず、プレイ時間の大半をこの作業に費やすこととなる。
--一般武将の絆上げがひたすら作業。
---今作から一般武将も護衛武将として選べるようになったが、総勢700人超の一般武将それぞれに絆(友好度)がある。全員分カンストさせるには膨大な戦闘回数が必要。
---絆は護衛武将に選択するなど一緒に戦うことで少しずつ上昇していくが、絆が上昇するのは将星モードの戦闘のみで、なぜかフリーモードでは上昇しない。

-ストーリーモードをプレイすることで得られる恩恵が他のモードに比べて極めて少ない。
--無印の頃からそうだったが、武将の育成や武器の強化改造は主に将星モードが中心となる。
--特に武器の強化には「強化素材」や「宝玉」が必要となり、これらはストーリーモードでは一切入手できないため、ストーリーモードをプレイしているのみではいつまでも武器強化できない状態が続く。
--ストーリーモードでできるのは武器の入手・購入・売却のみ。それさえも一部のステージでしかできない。
---武器の所持数には上限があるので、入手した武器は定期的に売却するか、武器強化の材料にして消費する必要があるが、武器強化に不向きなストリーモードでは必然的に武器を溜め込んでしまいやすく所持上限を圧迫する状況となりやすい。
---仮に「強化素材」や「宝玉」が十分ある状態でもストーリーモード内では武器強化ができないため、武器を武器強化したい場合には一度ストーリーモードを離れてフリーモードや将星モードに行かねばならないといった手間が必要になる。~
特に武器の所持数が上限近くになっている場合は、入手した武器をムダにしないよう小まめな売却・武器強化が必要となるので、せっかくのストーリーモードなのに1ステージ単位のぶつ切りプレイを強いられやすい。
---無印および今作ともに武器強化の重要性、およびそれにかかる労力が大きいため、まるで武器強化に紐づく将星モードがメインゲーム、戦功目標などコンプ要素のあるフリーモードがサイドゲーム、そしてストーリーはそのフリーモードを出現させるためのチュートリアルのような印象すらある。

-フリーモードにおける戦功目標の内容・クリアランクの基準が適当。~
今作では戦闘における新たな要素として戦功目標が設定された。ステージごとに3つの目標が存在し、「特定の技(状態)で××人撃破する」「そのステージに沿った策の成功」「指定された護衛武将の戦闘技能を(特定条件下で)発動させる」という組み合わせ。~
しかしこの内容が適当に設定したとしか思えないもので、「無双乱舞で200人撃破」などはまだ良いが、中には「ジャンプ攻撃で100人撃破」などかなり特殊なプレイをしなければ達成困難なものも多々ある。
--まず、「特定の技で××人撃破する」の技の判定は、「モーションを行っているフレーム中のみ」カウントされる((プログラムが楽なのか、このような判定の仕方をしている無双シリーズは他にも多数存在する。))。~
例えば周瑜のEX2は、設置技は発動したモーションのみEX攻撃と判定され、そのが空中で動けるようになるとEX攻撃と判定されなくなる。~
これは分かりやすい例だが、中には明らかにモーション中に見えるのに判定されないといった疑惑の判定も散見される。
---「ジャンプ攻撃で××人撃破」については、ジャンプチャージや空中乱舞が撃破数にカウントされるかどうかキャラ・武器によってまちまちで実際に試してみないと分からない。ジャンプ通常攻撃は難易度「普通」以下でないとたいてい威力不足であるため非常に厄介。
---「ストームラッシュで××人撃破」というものもあるが上述のとおり難易度や操作キャラの育成状況によってはストームラッシュの発動が非常に難しく、またそもそもストームラッシュは敵将との相性次第であるため実質的に1度の戦闘で使用できる回数が決められているようなものである。他の条件のように侵入拠点の前に陣取って撃破数を稼ぐということが不可能。
---「ノーダメージで100人撃破」でのノーダメージ判定もかなり怪しい部分が多い~
コントローラーが振動せずにダメージを受けたことが分かり辛いのは序の口、敵の無双乱舞の硬直の時点で失敗扱いになったり、中には''無敵であるはずの覚醒乱舞中''に失敗していたりするため、半ば運ゲーに近い。
---また当然ながら「○○で××人撃破」は指定されているアクションの性能が良くないと達成が絶望的になるので、戦功目標を達成したい場合には操作キャラ・使用武器の選択肢が少なからず狭いものになってしまう。
--護衛武将のスキルについても、そのスキルを持っている武将は限られているため、攻略するステージに応じて毎回護衛武将を編成しなおさなければいけない。
---さらに護衛武将のスキルは発動する場所・タイミングなどによっては護衛武将がその場から動かなくなったり、あるいは技能が発動しても戦功目標は達成(成功)扱いにならなかったりなど不安定な挙動も少なくない。
--本作ではステージクリア後にクリアランクが表示されるようになり、撃破数・クリアタイム・戦功目標達成などで得られる「武勲」の取得量によってD~Sの評価が下される。
---だが上記のように「ジャンプ攻撃で100人撃破」などといった特異な戦功目標が入っている場合は撃破数・クリアタイムの評価が伸び悩むため、評価Sを取るためには効率よく目標を回収するためのパターン組みが必要となる。
---また、撃破数・クリアタイムの基準も首をひねるものが多く、普通にプレイすると撃破数は基準の半分以下でクリアタイムは15分以上余る(=残りの時間を使って延々と撃破数稼ぎ)ようなステージがあったり、かと思えばその逆に普通にプレイすると敵本陣開門まで12分以上かかるのにクリアタイムが13分基準なので開門次第あらゆる敵将も味方本陣も放り出して敵本陣に単騎特攻をしなければS評価の取れないステージも多々ある。
---設定された評価基準が十分吟味されたものでないことは明らかで、しかもそれがS評価(良い戦い方)だと言われることには違和感しかない。
---また、ステージごとの撃破数・クリアタイム・武勲及びクリアランクは独立して記録されており、どの項目が原因でS評価にならなかったかは終了直後のリザルト画面でしか確認できない。そのため、リザルト結果を覚えていないステージに挑戦する際は、撃破数を稼げば良いのかタイムを縮めれば良いのか分からない。
--このように戦闘中にやるべき行動をかなり限定されやすいため、戦い方の自由度を著しく下げられていると感じるプレイヤーも少なくない。
---なお、猛将伝追加ステージの「全ステージの戦功目標達成」「全ステージのS評価取得」はトロフィー条件になっている。対象は80ステージ以上だが、戦功目標は同時達成しなくても記録が埋まれば良いのはせめてもの情けか。

-会話ログ等の蓄積によるイベント進行の遅延
--無印の頃から(あるいは過去作の頃から)ある問題だが、今作でも戦闘中の会話や状況報告などのログが蓄積しやすく、しかも城門の開放などステージ進行に関わるフラグがそれら会話ログと紐付けられているためある程度会話が終了しなければ門が開かず次の場所へ進めないなどプレイヤーの行動を縛る大きな問題点となっている(門の前で10秒、20秒待たされるなどということは日常茶飯事)。
---さらに、フラグの処理も過去作と比較して改悪されている。~
例えば特定の人物に接近するミッションの場合、過去作であればログが蓄積していても目標人物に近づきさえすればフラグ自体は立ち、その後その人物の傍を離れてもログが消化され次第イベントが次の段階へ展開した。~
しかし今作ではログの蓄積中は目標地点へ到達してもフラグは立たず、ログが消化され「○○に接近した」とメッセージが出ることでようやくフラグが立ち、次のイベントへと進めるようになる。つまり、そのメッセージが出るまでその人物の傍で待機し続けなければならない(もし傍を離れた場合はもう一度接近する必要がある)。もちろんそれが敵将であった場合はその敵を倒さないように耐えなければいけない。
---特にひどい時はその人物に接近した際のセリフ(味方なら「救援感謝します」や、敵ならば「おのれ、覚悟しろ」など)によってログの蓄積が起きるため、実際のフラグと紐づけられているログ(「○○に接近した」等)の発生が遅れることもある。
--特にクリアタイムがステージのS評価取得に大きく関わる今作では、この問題がプレイヤーに与えるストレスはより大きなものとなりやすい。

-劣悪なインターフェース
--無印の頃から同様、武器強化画面の使い勝手の悪さはそのまま。
--むしろ今作から登場した「特殊強化」に関しては無印の武器強化画面に無理やり追加しているため「特殊強化」に必要な素材「宝玉」の所持数は武器強化画面では表示されず、逆に「強化合成」に必要な「武器素材」の所持数は特殊強化画面では確認できない。
---さらに、今作からユニーク武器も強化できるようになったのだが、無印時代からの強化方法である「強化合成」では武器をソート検索で選ぶ画面では強化できないままになっているなど、修正の行き届いていない部分が多い。
---武器のソート検索も使い勝手の悪さは相変わらずで、無いよりはマシだが、1200本の所持数の中から必要な武器を探し出すのには多大な労力を必要とする。~
武器強化をする場合「属性○○と××だけがついた武器」や「Lv5以上の属性○○が付いた武器」などを探したい場面が多いのだが、検索機能では「○○が付いた武器」までしか検索できないため、それ以外の属性が付いていないことや属性Lvについては1つずつ自分で確認していかなければならない。
---そもそも武器は「実際に戦闘で使う武器」と「強化用の素材にする武器」を仕分けることができず、また誤って売却したりしないようロックをかける機能も無い。
--また今作ではフリーモードの操作画面も大幅に変わり、一見するとどこで難易度設定ができるのか分からない有り様。
--これまでは武将・戦場・難易度を流れ作業のように選んでいけば戦闘が始まる手法だったが、今作ではフリーモードという枠の中にそれぞれ個別に選んできて当てはめてそれから戦闘開始を押すというスタイルになっている。~
そのため、同じ戦場をやり続ける・同じ武将を使い続けるなど内容の一部ないし全部を変更しないでプレイし続けるには良いのだが、逆に戦場・武将・難易度を変えながらプレイしたい場合にはその都度「武将選択ボタンを押して武将を選んで、戦場選択ボタンを押して戦場を選んで、難易度変更ボタンを押して難易度を選んで…」というように過去作と比べて戦闘を始めるまでの操作回数が倍増してしまっている。
---そもそも同じ内容の戦闘ばかり何度もやり続けるという状況がありえない。
--さらに、フリーモードの画面で武器の強化をした場合、セーブをせずにメニュー画面へ戻ると実行した強化はすべてリセットされる。それ自体は構わないのだが、メニュー画面に戻る際に警告メッセージなどがないため、うっかりメニュー画面に戻ってそれまでの苦労が水の泡という事故が起きやすい。
---しかもセーブボタンはメニュー画面の一つ手前にあるため、武器強化後にセーブしようと思って戻るボタン(×ボタン)を押す際、1回多くボタンを押してしまうだけで事故が起きてしまう。
---特殊鍛錬ならともかく強化鍛錬には運の要素もなかなか大きく、理想の武器を作るためには場合によっては数時間もリセット・ロードをし続けて作ることもある。それがボタン1回のミスで水の泡…(そもそもリセット・ロードでも事故は起きやすいが)。
--また、今作ではフリーモードの全ステージに「戦功目標」が設定され、それをすべて達成することはトロフィーの一つにもなっているのだが、フリーモードのステージ選択画面における「勢力選択」のウィンドウがこの「戦功目標」の部分にかぶってしまっているため戦功目標を達成済みかどうか非常に分かりづらい。
--さらに、ステージ選択画面ではカーソル位置が記憶されず、カーソルは必ず猛将伝追加ステージの先頭へ戻されてしまう。そのため、上記のように戦功目標の達成具合を確認したい場合などは操作にかかる手間が非常に多い。

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**総評
無印と同様にシリーズ随一のワラワラ感や操作キャラクターの豊富さ等に加え、武器強化の自由度が上がり、『真・三國無双』シリーズの総決算的な作品として「''最強、一騎当千''」と呼ぶに申し分ないボリュームと爽快感を持つのは確かだろう。

しかし、無印にあった不満点・問題点などはほとんどそのままで、~
「武器所持数の拡張」「ロード時間の短縮」「イベントムービーのオン・オフ」など多少快適になった部分こそあるが、~
将星モードを中心にバランスはさらに大味になり、フリーモードは操作画面の改悪、戦功目標や戦後評価を意識した場合の自由度の著しい低下など、気になる点も多い。

総じて、あまり深いことは考えず適当に暴れて適当に爽快感を楽しめる作品としては最高峰にあたる。~
そもそも82人もの操作キャラクターがおり、しかもその全員に固有のアクションが設定されているということ自体、他のゲームではまず見られない規模の作品と言える。

ただ、それ以上の細かいクオリティを求めると、今一つ作り込みの大雑把さがどうしても目につくきらいはある。~
プレイ時間が長くなるほど細かい不満点に気付くことになるため、じっくりと遊び尽くしたい人にはじわりじわりとストレスが溜まる部分もあるだろう。~
本作はあくまで、「緻密なゲーム性を求めるプレイヤーとは、真逆の層をターゲットにした大作の最新作」を順当にボリュームアップさせたものに過ぎない。

『5』の連舞システム、そして『6』で登場した2つの武器による切り替えコンボなど、それぞれ賛否はあれど一騎当千の爽快感と高いアクション性の両立が図られようとしていた無双シリーズではあるが、~
結果的にこの『7』および今作『7猛将伝』では爽快感に特化するという道を選んだことで、それまでの試行錯誤に対する答えを出し直すことは出来なかった。

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*真・三國無双7 with 猛将伝
【しんさんごくむそうせぶん うぃずもうしょうでん】
|ジャンル|タクティカルアクション|CENTER:&amazon(B00EPZKIMG)&amazon(B00EPZKISU)&amazon(B00F332H5K):&amazon(B00JJP5U66)|
|対応機種|プレイステーション3&br()プレイステーション・ヴィータ&br()プレイステーション4&br()Windows Vista~8.1|~|
|メディア|【PS3/PS4】BD-ROM&br()【PSV】PlayStation Vitaカード 各1枚&br()【Win】DVD-ROM4枚|~|
|発売元|コーエーテクモゲームス|~|
|開発元|コーエーテクモゲームス(オメガフォース)|~|
|発売日|【PS3/PSV】2013年11月28日&br()【PS4】2014年2月22日&br()【Win】2014年5月23日&br()【Steam】2017年2月9日|~|
|定価|通常版 / ダウンロード版 &br()【PS3】7,560円 / 6,600円&br()【PSV】7,140円 / 6,300円&br()【PS4】8,190円 / 7,100円&br()【Win/Steam】8,424円(税込)|~|
|プレイ人数|1~2人|~|
|通信機能|【PS3/PS4/PSV】Playstation Network対応&br()※DLC配信、オンライン協力プレイ&br()【Win】Steam Works対応&br()※DLC配信|~|
|ディスクレス起動|可能(Winのみ)((要Steamアカウント及びインターネット接続環境。))|~|
|レーティング|CERO:B(12才以上対象)|~|
|コンテンツアイコン|暴力、セクシャル|~|
|備考|3D立体視対応&br()ボイスチャット対応|~|
|ポイント|最強の無双、次世代機とSteamへ&br;PSV版はスペックが大きく足を引っ張る|~|
|判定(PS3/PS4/Win)|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|判定(PSV)|なし|~|

*真・三國無双7 with 猛将伝 DX
【しんさんごくむそうせぶん うぃずもうしょうでん でらっくす】
|ジャンル|タクティカルアクション|amazonリンクは5つまでしか貼れないので割愛|
//CENTER:&amazon(B07JWYV7GD)|
|対応機種|Nintendo Switch|~|
|メディア|ゲームカード |~|
|発売元|コーエーテクモゲームス|~|
|開発元|コーエーテクモゲームス(オメガフォース)|~|
|発売日|2018年12月27日|~|
|定価|7,480円|~|
|プレイ人数|1~2人|~|
|レーティング|CERO:B(12才以上対象)|~|
|コンテンツアイコン|暴力、セクシャル|~|
|ポイント|DLCを全て収録した移植 内容は変わらず|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|

//内容は猛将伝無印と変わらない為省略

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**概要(with 猛将伝)
無印版と『猛将伝』の統合ディスク。~
『真・三國無双』シリーズの正規ナンバリングでは初となる、同PS3版での統合ディスク及びPSV/PS4でのリリースとなった。
Win版の統合移植は『4 Special』『6 with猛将伝』と数えて3作目。

-PS4版
--ワラワラ感の強化。まさに一騎当千を味わうことができる。
--グラフィックが強化され、ステージや武器が細かく描画されるようになった。一部キャラのコスチュームやステージは別物と化している。
---光の描写と金属の質感の出来は良いが、逆に人物の肌のテクスチャの出来については賛否が分かれる。
--ロード時間は長めだが、PS4のキャッシュ機能によりプレイし続けることでロード時間は短縮されていく。
--エラーはほぼ起こらないが、フレームレートは頻繁に落ち、安定しない。特に火計中は極端に下がり、30fpsも出ない。
--PS4pro対応のアップデートはされていないが、システムソフトウェア4.50で追加されたブーストモードをオンにすることでフレームレートの改善が見られる。

-Win版
--Valve提供のオンラインDRM「SteamWorks」を使用。『[[真・三國無双3 ハイパー>真・三國無双3#id_af8319e2]]』以来のディスクレス・オンライン認証起動となった。
---さらに前作までは不可能だったDLC((セット品をSteamストアから購入する形式で、PS3/PS4版ほど分けられた単品DLCの購入は本作ではできない。無料DLCは全て初期同梱。))やアップデートの自動適用など、大幅に遅れたもののダウンロード購入にも対応し、据置機版との格差がオンラインプレイ以外全て埋まった。
--動作の安定感については、エラー落ちも処理落ちも『6with猛将伝』よりはマシになった。
--ワラワラ感に関しては表示人数「最大」設定で問題なく一騎当千を味わえる。
--画質自体はPS3準拠なのだが、それ故要求スペックは意外と控えめで、ノート型などのPCでもスムーズに遊びやすい。
---オンボードGPUでプレイする場合最低でもIntel HD Graphics 4000は必要。
--コントローラーについては前作と同様DirectInput仕様のまま。
--国内PS4版の値段や海外版の値段($49.99≒5609円相当)と比しても明らかに日本PC版の値段が高い。明らかに「おま値」仕様である。

-PS3無印版から削除された楽曲が存在する。具体的には『6』の遊興・限界突破・南中で、これらはPS3以外や無印版のアップデートデータがない場合は聞くことが出来ない。

-残念ながらPSV版については無視できない問題点が存在する。

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**PSV版について
-処理落ち、音割れ
--PSV版における最大の不満点。処理落ちは多少群がっている敵集団に無双乱舞を放つとフレームルートがガタ落ちしてコマ送りのようになる。無双乱舞でなくとも敵兵の群れに攻撃するだけで動作が重くなる場合も((ヴァリアブル攻撃で方天戟に切り替えた直後の追加効果発動中などが特に顕著。))。覚醒乱舞に至っては発動しただけで画面の映像が飛び飛びになる場合すらあり、まともに移動するのも難しい。
--音割れに関しては一部の女性武将の台詞を聴くと耳が痛くなるレベルであり、あらゆる音がこもっている。
//音質の悪さは過去作のPSP版並とも。

-PSV版では敵兵の表示数がかなり少なく、無双における重要な要素である「敵兵を薙ぎ払う快感」が削がれた。敵兵の無限湧きを狙うなどしないと、普通の戦闘では一部ステージを除き400~500ぐらいしか敵を倒せない。最近でもPSV版『 ''[[無双OROCHI2 Ultimate]]''』において「ステルスが酷い」という問題を解消しようとした結果なのであろうが、それによって爽快感が激減しては本末転倒であり、「多少のステルスがあってもいいから快適に遊びたい」との声も見受けられる。
--このことによる弊害として、真・覚醒乱舞への移行が困難((覚醒乱舞で敵に与えた合計ダメージが一定量に達すると真・覚醒乱舞に派生する。大体は約100CHAIN程度が目安。))。攻撃のペースが速い覚醒乱舞持ちの武将でなければ''無双ゲージを使っても真・覚醒乱舞に移行することそのものが困難。''もともと携帯機であるPSVは据置機と比べてスペック的に表示人数が劣るのだから、これはある程度調整してくれてもよかったのではないか((実際、同じVita版でもフリーモードにおける戦功目標は据え置き機と比べて撃破数などが緩和されている。))。

-また、戦闘中にエフェクトが異常に汚くなる場合も。
--主に衝撃波や雷・炎などで起こりやすい。敵兵が群がっているところでこれらの技を繰り出すとまるで''エフェクト自体にモザイクが掛かったかのような''状態になる((攻撃ごとに衝撃波を設置する「烈撃刀」などが特に酷く、画面がモザイクで埋まる。))。

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**総評(with 猛将伝)
シングルディスクソフトであるため「"MIXJOY"の手間がかからない」「無印 +『猛将伝』2本買いより安い」というのが利点はある。とはいえ'''単品のソフトとしては高めの価格設定'''の為、「無印を買っちゃったけど"MIXJOY"しなくてすむから」という理由でPS3版を購入するのはオススメしない。~
またPSV版に関しては残念ながらパフォーマンスに不備が目立つため、やはりハードを限定しないのであればPS4版かPC版で無双7を遊ぶためのパッケージと言える。~

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**その後の展開
-2018年12月27日に完全版『真・三國無双7 with 猛将伝 DX』がSwitchで発売された。PS3/PSV/PS4版で配信された全DLCが収録されている。 

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