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*DJMAX RESPECT |ジャンル|音楽ゲーム|&amazon(B074HYSDLZ)| |対応機種|プレイステーション4|~| |発売元|【海外版】Neowiz&br【日本版】アークシステムワークス |~| |開発元|Neowiz|~| |発売日|【海外版】2017年7月28日&br 【日本版】2017年11月9日 |~| |定価|【パッケージ版】5,184 円&br 【DL版】4,800円|~| |プレイ人数|1人(オンライン:1~2人)|~| |レーティング|CEROB: (12才以上対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作'' |~| |ポイント|デフォルトで150を超える&bold(){豊富な楽曲数} &br 4ボタンから8ボタンまで&bold(){幅広いプレイスタイル} &br 従来ファンは嬉しい過去作からの大量移植 &br 初心者やシリーズ未経験者には&bold(){やや優しくない面も} |~| ---- **概要 DJMAXは2004年のPC用サービス開始から続く韓国発の音楽ゲームシリーズである。 &br PC版のOnlineから始まり、PSP用のPortableシリーズ((日本では『3』『Black Square』のみローカライズされた。但し、リージョンプロテクトは存在しない為、それ以外のタイトルも日本のPSPで遊ぶことはできる。))やAC版の[[TECHNIKAシリーズ>DJMAX TECHNIKA]]などで展開していたが、今作はシリーズ初の据え置き機専用タイトルとなり、様々なゲームデザインの変更が行われた。 &br プレイ面に関しては、PSP後期の作品から路線を変更していたものの、今作では再び昔馴染みの縦降り型を採用するなど原点回帰。 &br タイトルの&bold(){RESPECT}はシリーズの歴史と従来のファンへ向けてのものと製作陣は語っており、旧作からの移植曲の多さやビジュアルギャラリーなどにその姿勢が現れている。 ---- **特徴 &bold(){システム} -降ってくるノーツに合わせて特定のボタンを押す、KONAMIの音楽ゲームと似た形式の音楽ゲームである。 -ノーツを拾い損ねると設定されているゲージが減っていき、タイミング良く押せた場合はゲージが増えていく。 --ゲージがなくなった場合はゲームオーバーになり、RESTARTかMUSIC SERECTを選択することになる。 -判定は1%から10%、そこから10刻みで100%まで存在する。 &bold(){プレイスタイル} -4ボタン~8ボタン(10ボタン)のスタイルがあり、自由に選択できる。 --それぞれのプレイスタイルには共通して左右のアナログスティックを使用する譜面も存在するため、 厳密には4ボタンモードであっても6つの入力パターンを必要とする。 --8ボタンは6ボタンから画面二等分大のL1R1を使用するノーツが追加される。(SOUND VOLTEXシリーズのFXチップをイメージしてもらうと分かりやすい。) -難易度は「NORMAL」「HARD」「MAXIMUM」の3つがあるものの、全ての曲にその3つが存在するとは限らない。また、レベルは1~15までで振り分けられる。 --ボタン数によって、同じ曲であっても難易度やランクの傾向に多少相違がある。「End of the Moonlight」という曲を例にとるとMAXIMUMは4ボタンと6ボタンの2つに存在し、楽曲での最高難易度は6ボタンのMAXIMUMのレベル12である。 ---一部ボタン数によってはNORMALしか存在しない楽曲があるものの、&bold(){どの楽曲のどのボタン数であっても最低2つの譜面タイプは担保されている}と考えて差支えはない。 &bold(){ゲームモード} -&bold(){フリースタイル}...制限なしで黙々とプレイできるメインのモード。 --いくつかの楽曲はLOCKがかかっており選択できないが、後述のコレクションモードで確認できる解禁条件を満たせばプレイできるようになる。 -&bold(){アーケード}...アーケード式のゲームモード。 --ランダムでいくつか表示される楽曲から選んでプレイする。3曲目が終了した時点でゲームクリアとなる。 ---合計スコアが100000以上であるとスタッフロールが視聴できる。 --フリースタイルとの相違点は未解禁の楽曲であっても運が良ければ選択肢に出てくる点であり、どうしても解禁出来ない曲がある場合はこちらのモードで粘るとプレイ可能である。 -&bold(){ミッション}...指定の楽曲群をスコア100000OVERコンボ1000OVERなどの達成条件付きでプレイするモード。 --ぎょっとするようなエフェクターを使用しての鬼畜ミッションや、ここでしかプレイ出来ない10ボタンを使用する譜面も存在する。 -&bold(){オンライン}...オンラインで他プレイヤーと1vs1で楽曲をプレイするモード。 --ホスト→ゲスト→ホスト……の順番で好みの楽曲を選択しプレイを開始する。プレイヤーは互いに自分の力量にあわせて難易度やプレイスタイルを変更できる。 --そのためスコアの理論値はプレイヤーの選んだ難易度によって相違が出る。ゆえに、一応は対戦形式ではあるものの、勝敗をあまり気にせずプレイは可能。 ---勿論難易度をあわせた場合は理論値が合致し、例えばフレンド同士のガチ勝負も可能である。 -&bold(){コレクション}...アートワークやムービーなどが閲覧可能なモード。 --それぞれには解禁条件があるものの、達成した場合は設定画やムービーが閲覧できる。 --全楽曲のスコアなどを合算した詳細なスコアや楽曲・アートワークの解禁条件も確認可能。 &bold(){オプション} -&bold(){フィーバーオプション}...DJMAXシリーズお馴染みのオプション。 --FEVERゲージが画面に表示されるようになり、ゲージがMAXになるとFEVERモードに突入出来る(通常のFEVERモードでは任意のボタン、オートFEVER モードでは自動で突入する。両オプションによるスコア・コンボの変動に違いはない) --FEVERモードは×5まで段階があり、この状態であればコンボはノーツ×5で増えていきボーナスのスコアが最大加算されていく。 -&bold(){スピードオプション}...音楽ゲーム定番のオプション。 --0.25刻みで0.5~5まで存在する。BPMに対する掛け算形式であり例えばBPM150の楽曲に×3を適用した場合とBPM200の楽曲に×2.25を適用した場合でノーツの落下速度が一致する。 --楽曲の途中でも変更可能であり、アップデートによって楽曲毎にスピードオプションが保存されるようになった。 &bold(){特殊なノーツ} -&bold(){ロングノート}...音ゲーではおなじみのボタン長押しで対応するノーツ。 --特殊な点として、始点には従来の判定が存在するが、終点には1%と100%の判定しか存在せず、押しっぱなしであってもコンボが切れることはない。 -&bold(){アナログノート}...アナログスティックを回し続けることで対応するノーツ。 --……と解説書には記載されているが、回さずにスティックを倒しっぱなしでもコンボが途切れず、これといって判定やスコアに影響はしない。 ---- **評価点 &bold(){豊富な収録楽曲数} -公式の最大級という謳い文句通りver1.10現在デフォルトでは&bold(){なんと157の楽曲が収録}されており、シリーズは勿論、他の家庭用の音ゲーと比べても最大規模の収録数を誇る。 --さらに現在は4種のDLCシリーズが配信されており、それらすべてを導入した場合200をゆうに超える楽曲がプレイ可能になる。 ---加えて、4ボタン~8ボタンの4スタイルと各難易度を考えると譜面の数は…… &bold(){楽曲} -楽曲の出来については個人差はあれど、&bold(){概ね高評価}である。 --ジャンルはポップソングやトランス系など音ゲーの定番となっているジャンルから、ハウスやヒップホップ調の楽曲など現代の音ゲーには珍しいといえる楽曲も多く収録されている。 --Online時代の楽曲は流石に時代を感じるものが多いが、シリーズのファンは懐かしさに感慨を覚え、新規のプレイヤーにも不思議な魅力を感じさせるには充分なフックに富んだ楽曲が揃っている。 ---特に往年の名曲である「風にお願い」「Memory Of Beach」「Seeker」「SIN」「Oblivion」などは根強い人気を誇る。 --新たに作曲された楽曲は流行を感じさせるゴリゴリのメタルコアやパリピなEDM、アニソン・チップチューンなどなど、こちらもまた幅広い楽曲を取り揃えている。 &bold(){BGA} -楽曲にはそれぞれ固有のムービーが用意されており、&bold(){使いまわしは基本存在しない}。 --アニメーション、実写、3Dなど表現方法は様々であり、加えて楽曲ごとに象徴的なキャラクターがいるため、各曲ごとにムービーの印象を深く持たせることに成功している。 ---「Oblivion」は初期に作成されたBGAだが、当時流行していたゴシックデザインのキャラクターが登場し人気を博した。 ---「BlythE」は世界各地のモニターに歌い続ける少女が映るというBGAになっており、よく見ると非常に少ないカットで作成されたものだが、楽曲の寂寥感も相まって不思議な魅力がある。また、世界各地のモニターに映るという設定を反映してか、別のBGAの登場人物も何人か出演している。 ---NB RangerはDJMAX恒例の楽曲シリーズであり、NB=envy(羨望)しているヒーロー&font(l){悪党}戦隊が登場する。RESPECTの新曲では実写映像での登場を果たした。 ---RESPECTの新曲である「glory day」はそんなシリーズキャラのデフォルメやムービーのパロディが見られるファンにとっては嬉しいBGAとなっている。 &bold(){譜面} -PS4での発売により、譜面はDUALSHOCKでのプレイを想定したものにデザインされている。 -高難易度においては指を滑らせて押すいわゆるべちゃ押しを要求される難配置が少なからず存在するが、それらを多用しすぎず極力グルーヴ感を損なわない配置に設計されており、&bold(){リズムよくプレイ出来る}。 --「We're All Gonna Die 8B MAXIMUM」の譜面は最高難易度のレベル15ではありながら、べちゃ押しを多く要求せず単純に認識難で勝負する譜面である。 -6ボタンモードのデフォルト配置は←↑→□△〇であるが←→と□〇の同時押しほぼほぼ存在しない。 --5ボタンモードのみ全押し配置が存在するものの、独立した配置のためさほど無理を強いるものではない。 -RESPECTでの新要素としてアナログスティックを使用するアナログノーツがあるが、これが譜面に幅を持たせることに成功している。 --高いレベルになると通常のノーツの間隙を縫って降ってくるため、他音ゲーとは一風変わった操作を要求されるものの、上手くこなした時の達成感や爽快感は大きいものがある。 ---このノーツを利用した高難易度譜面に「Nevermind 8B MAXIMUM」があり、他音ゲーとは一線を画す&bold(){非常にカラフルな譜面が見られる}。 &bold(){従来ファンには嬉しいサービス} -過去作からの多数の楽曲移植やムービーの設定画公開など、従来のファンにとってはたまらない要素が多数存在する。 --Online時代やPSP時代ではじっくり見ることがかなわなかったムービーも据え置き機に移植されたことで細部まで確認することができ感動したという意見もある。 --いくつかの楽曲には隠しBGAが存在し何回かプレイしていると確認できる。内容は後に差し替えられた旧ムービーや絵コンテver等々が存在する。 ---- **賛否両論点 &bold(){一部のBGA} -2004年から長く続くシリーズであり、その広い範囲から楽曲を集めている為、作られた時期によってBGAのクオリティには差がある。 --特に初期に作られたものは従来のファンにとっては思い出補正で良く見えても、新規のプレイヤーにとっては安っぽく見えてしまうものも一部ある。 --時代と環境を考えれば仕方ない話であるが。 &bold(){フィーバーオプション} -DJMAXシリーズ恒例のフィーバーオプションだが、このシステムのおかげで他ゲームのスコア計算方式と比べるとやたら&bold(){大味な印象を受ける}。 --フィーバーオプションはシステムの項でも述べた通りコンボを繋げるぶんだけボーナススコアが加算されていくというシステムだが、問題になるのは、&bold(){フィーバー×5の状態ではコンボを切ると自動で通常の状態に戻されてしまう}点である。 --これによって、スコアは素のままで加算されていくことになり、極端な例ではレート98%でクリアしたときのスコアよりもレート97%だがフルコンボはしたときのスコアの方が高い場合が起こりえる。 ---ノーツの多い楽曲ほどその現象は頻発し、突き詰めた上級者ともなればコンボミス=自己ベスト更新不可能のためリセットというプレイスタイルになりがち。 ---勿論コンボを繋げればいいだけの話であり、そもそもパーセントレーティングも記録として残るため、そちらを重視している人など気にならない人は気にならない部分でもある。 -また、フィーバーモードによるフラッシュ等の演出がプレイの邪魔になる可能性もある。 --フィーバーモードをオフにすることも可能だが、上述のとおりその場合スコアの更新はほぼ不可能である。 --一方で、フィーバーオプションはコンボを繋いだときの爽快感の増幅に一役買っているという意見もあるため一概に悪い点とは言えない。 &bold(){ボタンカスタムと8ボタンモード} -設定の一つには割り当てられたボタンを変更するシステムがあり、便利ではあるがちょっとした罠も潜んでいる。 --4ボタンモード~6ボタンモードは比較的自由に割り振ることが可能。中でも6ボタンでの「←L1↓×R1〇」は定番のカスタマイズであり、8ボタンが登場する前のシリーズではこれがデフォルトとして採用されていた。(他ゲームでもLRを使用するカスタムはデフォルトで存在する) ---単純にデフォルトでは2本の指で対応していたものが、このカスタムによって4本の指で簡単に対応できるため圧倒的に有利。 --ただし&bold(){8ボタンモードはデフォルト以外にほぼほぼ選択肢がない}。理由はL1R1に割り振られたノーツを他のボタンに替えたところで十字キーでの無理押しが発生するという点。唯一L2R2では無理押しは発生しないものの連打性能に難があるためデフォルトの方が結局はいいという結論に落ち着く。 --このため、L1R1を利用したカスタマイズで4ボタンからステップアップしていくプレイヤーは、8ボタンでつまずく可能性が高い。 ---8ボタンモード(当時は6BFXというモード)が登場したBlack Square当時から存在したてれこな部分は今作も健在であり、なおかつ今回は楽曲解禁条件に8ボタンをプレイすることが強要されているため多少問題ではある。 -最終的に大多数のプレイヤーが落ち着くのは4~6ボタンはL1R1を利用したものにカスタマイズし、8Bはデフォルトというパターンである。 ---- **問題点 &bold(){ややストイックなゲームデザイン} -音楽ゲームに共通することではあるが、特にストーリー性もなく、喋るキャラクターもいないというゲームデザインは悪く言えば初心者お断りである。 --チュートリアル的なモードがゲームには存在せず、重要になるフィーバーシステムや、スピード変更に対してもロード時のTIPSでしか教えてくれない。 ---勿論WEBの解説書に説明はあるが、簡素な説明しか存在しない。 ---今回はシリーズファンをメインターゲットにしている為かもしれないが、過去作ではちゃんとチュートリアルモードが存在しており、作品によっては作中のキャラが解説してくれるパターンもあった((CLAZZIQUAI Editionではちょっとしたサービス演出があったほどである。))。 -音楽ゲーム未経験のプレイヤーにとってはスピード設定は一つの障害になりうる可能性があるため、他ゲームでは詳しいチュートリアルが存在する。 --音楽ゲーム経験者であればハイスピード設定は直感で発見したり理解はできるものの、フィーバーシステムについては、このゲーム独自のシステムであるため、シリーズ未プレイの人間にとってはチュートリアルでの説明が欲しいところ。 &bold(){一部の楽曲解禁条件が厳しい} -6ボタン8ボタンと初心者は後に回すであろうモードのクリアを要求するものと、フリースタイルでのコンボ数を要求するものは特に厳しいと言われている。 --フリースタイルではコンボが継続してカウントされていくが、そのシステムを利用した継続コンボ数による最後の解禁楽曲「Nightmare」は&bold(){20万コンボを要求}してくる。 --ゲーム未経験者であればぎょっとするような数字である。弐寺の高難易度においては2000コンボを超える譜面も存在するものの単純にそれを100回連続でフルコンしなければならない計算である。 ---ただしシステムの項で紹介したフィーバーシステムが存在するため、1曲で5000コンボを超える譜面はたくさんあるのが救い。さらにはコンボを切っても曲の途中でRESTARTすれば曲選択時のコンボから開始出来る、さらに曲の開始前にMUSIC SERCTを選択すればコンボを継続したまま楽曲を再選択出来るため徹底すれば継続コンボは0になることはない。 ---これを考えると問題であるのは、&bold(){チュートリアルの不足によりシステムを理解しないまま解禁条件に絶望するプレイヤーを産む可能性があるという点}である。 --DLCのLINK DISCを導入した場合オンラインモードで解禁可能という救済措置があるものの、これは勿論有料コンテンツである。 --また2018年6月28日より全曲&全ミッション解禁の有料DLC(税込1500円)が販売開始となった。 &bold(){一部BGAが極端に眩しい} -特に名前があがるのは「&bold(){NB Rangers -Returns-}」である。常時フラッシュを多用する演出のためフラッシュに弱いプレイヤーは注意が必要である。 --アップデートにてプレイ中の明るさを調整する機能とBGAそのものをOFFにする機能が追加されたものの、好きなムービーだけどプレイ中は眩しくてOFFにせざるをえないという人も少なからず存在する。 &bold(){楽曲のソート機能が乏しい} -こちらもアップデートによってFAVORITEフォルダーを設定できるようになったものの、まだまだ他のゲームに比べて充実しているとは言い難い。 --特に難易度ソートなどは定番のものであるため、欲しいという意見は多い。楽曲が増えていくことは好ましいことだが、その分だけ楽曲の検索に難が出てくる。 ---- **総評 シリーズとファンへのRESPECTというタイトルのもと豊富な収録楽曲・充実したプレイスタイル・多数のコレクション要素などを備え、過去最高クラスに充実した作品となったことは間違いない。 &br音楽ゲームという広い分野の中を見ても、家庭で音ゲーをプレイする手段が減少している今これだけのクオリティを発揮しているタイトルは非常に貴重な存在である。 &brシリーズ未経験者や初心者に対してやや優しくないところは存在するものの、一回のめりこめば掴んで離さない魅力と家庭用ながら豊富なやり込み要素がある作品なので、従来ファンには勿論、音楽ゲームが好きな人・興味のある人にも是非おすすめしたい作品でもある。