DJMAX RESPECT
【でぃーじぇいまっくす りすぺくと】
ジャンル
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音楽ゲーム
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対応機種
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プレイステーション4
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メディア
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BD-ROM
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発売元
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海外版
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Neowiz
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日本版
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アークシステムワークス
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開発元
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Rocky Studio
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発売日
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海外版
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2017年7月28日
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日本版
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2017年11月9日
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定価
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通常版
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5,184円
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限定版
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7,480円
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DL版
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4,800円
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プレイ人数
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オフライン
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1~2人
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オンライン
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2人
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レーティング
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CERO:B(12才以上対象)
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判定
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ver1.21以前
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良作
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ver1.22以降
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改悪
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ポイント
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シリーズ初の据置機専用タイトル 『Portable』2作品のリブート及び集大成作 デフォルトで150を超える豊富な楽曲数 従来ファンは嬉しい過去作からの大量移植 音ゲー初心者やシリーズ未経験者に配慮不足 まさかの改悪アップデート
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DJMAXシリーズ
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概要
韓国産音楽ゲーム『DJMAX』シリーズでは初となる据置機専用タイトル。
今作はかつてPSPで発売された『DJMAX Portable』『DJMAX Portable 2』の楽曲に完全新曲を加え、ブラッシュアップを図ったリブート/集大成と言える作品。
タイトルの「RESPECT」はシリーズの歴史と従来のファンへ向けてのものと製作陣は語っており、旧作からの復刻曲の多さやビジュアルギャラリーなどにその姿勢が現れている。
アップデートによる変更について
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2020年6月25日に配信された、バージョン1.22において多数の機能変更が行われた。青字はアップデートで後から追加されていた機能を削除したもの。
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アーケードはランダム出現ではなくなり、単に全曲が1/3づつ分かれただけになった。
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オンラインのDLC共有機能が削除された(お互いに当該DLCを購入している場合のみ、選曲欄に出現するようになった)。
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コレクションでのBGAランダム再生機能が削除された。
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ランキングのフレンドフィルター(フレンドのスコアだけ表示する機能)が削除された。
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オプションにあった「FAST/SLOW」 表示機能が削除された。
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ランダムセレクトにあった難易度を絞り込める機能が削除された。
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「ドールズフロントラインギア」で、ミス時にいわゆる「重傷絵」に切り替わるギミックが削除された(重傷絵自体はランダムに出現する)。
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基本的に改悪と取れる変更であるが、その理由については「やむを得ない事情」「長期的で安定的なサービスのご提供のため」としか説明しておらず、謝罪等は無かった。
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後にFAST/SLOWが削除された理由として特許問題を挙げている。
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またこの変更内容が発表されたのはアップデートファイルを配布した後だったため、半ば不意打ちのような形となってしまった。
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アップデートを中断させれば、オンライン要素と曲追加を諦める代わりに(特にランダム選曲とF/Sの)改悪を回避する手もあった。しかし判明が前後したため、改悪されると知らずにアップデートを適用してしまう「被害」が続出した。
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またオンライン共有機能が削除されたにもかかわらず、DLCの価格改定等を行わなかった。そのため機能が消された分、実質値上げとなってしまっている。
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既に『DJMAX RESPECT V』の影響で半ば放置状態にあったPS4版であったが、このアップデートでPS4版の優位点だった要素がことごとく削除されてしまったため、PS4版のコミュニティに甚大なダメージを与える結果となった。
特徴
システム
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上から降ってくるノートに合わせて特定のボタンを押す、KONAMIの『BEMANI』シリーズと似た形式の音楽ゲームである。
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ノートを拾い損ねると「BREAK」になってHPゲージが減る。ノートを拾うと少し回復するが、BREAKが多すぎるとHPが無くなってゲームオーバーになる。
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『DJMAX』シリーズの特徴は、タイミング判定が10%刻みで非常に細かく設定されていることにある。完璧なタイミングで拾えればMAX 100%だが、タイミングのズレ具合で%がどんどん小さくなっていき、大きく外れるとMAX 1%となる。
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「ロングノート」ノート終点までボタンを長押しする。押し続けるとコンボもどんどんカウントされるが、本作はスコアと達成率は始点と終点のみ計算される。
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離すタイミングもしっかり判定されている。早すぎるとBREAK判定になるが、終点を過ぎても押しっぱなしにしているとコンボこそ切れないがMAX 1%扱いになる。
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「アナログノート」左右のアナログスティックを使って拾うロングノート。レーンの右/左半分を覆う形で降ってくる。
解説書には「回し続ける」とあるが、旧作と同じくスティック倒しっぱなしでもOK。
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低難易度ではアクセント程度にしか使われていないが、高難易度になると他のノートと絡めて出現してくる。
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4・5・6・8ボタンのプレースタイルにNORMAL・HARD・MAXIMUMの譜面が用意されている。難易度は★1~15までの15段階。
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8ボタンは6ボタンにL1・R1トリガーを使用する赤色ノートが追加されたもので、旧作の6BFXと同じ。
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譜面を左右反転させたり、ランダムにするオプションは本作では無くなったため、いわゆる正規譜面のみとなる。
フィーバーモード
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『DJMAX』シリーズ恒例のシステムで、ハイスコアを出すには避けては通れない要素。
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ノートを拾っていくとFEVERゲージが溜まっていき、ゲージ一杯で発動。フィーバー発動中はコンボ数のカウントが2倍になる。時間制限があるが更にフィーバーを重ね掛けすればずっと維持することができ、上限倍率はFEVER x5(5倍)。
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フィーバー発動中にミス(BREAK)を出すとフィーバーモードが強制終了する。よって発動後はノーミスでプレイしていくことになる。
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本作のスコア計算式は基礎点30万点+コンボ数ボーナスなので、フィーバーを切ってプレイするとコンボ数が増えずスコアが大幅に低下する。よって切って遊ぶという選択肢はまずない。
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フィーバー発動中はコンボ数が凄まじい勢いで増加していく。これがプレイ中の爽快感に繋がっている。
ゲームモード
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ARCADE
:全楽曲リストから3曲を遊ぶモード。
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最初にボタン数を決め、その後曲リストから1曲ずつ選んでプレイ。3曲目まで完走すればゲームクリア。
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未解禁の楽曲も選択肢に出てくるため、どうしても解禁出来ない曲がある場合はこちらのモードで粘るとプレイ可能。
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FREESTYLE
:楽曲や譜面を自由に選んで遊べるモード。
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いくつかの楽曲はロック状態で選択できないが、条件を満たせばアンロックされてプレイできるようになる。
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コントローラーが2つあればこのモードでローカル対戦もできる。流れはオンラインと同じ。
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MISSION
:指定された曲を連続でプレイし、ノルマを達成するモード。
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各ミッションとも条件が設定されており、これを達成した状態で全曲完走するとクリアとなる。
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ミッションが進むにつれ譜面やクリア条件が厳しくなっていく、全体的に難易度が高く上級者向け。
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ONLINE
:オンライン上の他プレイヤー1人と一緒にで楽曲をプレイするモード。
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本作では1P→2P→1P…の順番で好みの楽曲を選択しプレイを開始する形式に。プレイヤーは互いに自分の力量にあわせて譜面やプレイスタイルを変更できる。
このとき、自分が購入しているDLC曲を選曲可能。相手はDLCを未購入でも譜面は好きなものを選んで遊べる。
お互いに当該DLCを購入している場合のみDLC曲を遊べるように変更された。
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フィーバーシステムの影響で、譜面が違うとスコアにも差が出てしまう。よって対戦の体裁をとってはいるものの、勝負度は薄い。真剣勝負をしたいなら、譜面を合わせるか両者FEVER OFFで遊ぶことになる。
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勝敗数は記録されないので部屋を抜けると消える。よって勝ち負けをあまり気にせず遊ぶことができる。
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COLLECTION
:アートワークやムービーなどを閲覧できるモード。
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総プレイ回数、実績および解禁要素の進捗状況などといった個人の詳細記録も確認できる。オンラインで使うプロフィールの変更もここで行う。
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今作のアートワークはコンセプトアートや原画・絵コンテなどの制作資料も含まれ、従来よりボリュームが上がっている。
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RANKING
:アーケードモードや曲・譜面ごと・全譜面総計のスコアランキングを閲覧できる。
評価点
豊富な収録楽曲数&譜面
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公式の最大級という謳い文句通りver1.29現在デフォルトでは164曲が収録されており、シリーズは勿論、他の家庭用の音楽ゲームと比べても最大規模の収録数を誇る。
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さらに追加のDLCが配信されており、それら全てを購入した場合300曲を超える楽曲がプレイ可能になる。
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加えて、4ボタン~8ボタンの4スタイルと各難易度を全て合わせると譜面の総数は3000に迫る。
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基本的にはボタン数が多いほど敷居が高く、高難易度。ただし、4Bや5Bでも上位譜面は6B/8Bと大差無い密度で降ってくるため、初心者専用というわけではなく、難易度の幅は想像以上に広い。
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高難易度ほどより密度が高いのはどのボタン数も同じだが、5Bは中央の連打やロングノートの処理、8BはL1R1との複合ノートなど、ボタン数の大小以外にも特色を持たせてある。
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この様に、ボタン数の大小がそのまま単純に難易度と結びつかない点はDJMAXシリーズの特徴の1つとなっている。
楽曲
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韓国制作と聞くといわゆる「K-POP」を連想しやすいが、日本人作曲家も多数参加しており、意外とそういった楽曲は少ない。
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ジャンルはポップソングやトランス系など音ゲーの定番となっているジャンルから、ハウスやヒップホップ調の楽曲など現代の音ゲーには珍しくなったジャンルの楽曲も多く収録されている。
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特に黎明期の名曲とされている「風にお願い」「Blythe」「Memory Of Beach」「Seeker」「SIN」「Oblivion」「Sunny Side」などがまとめて収録されている。シリーズのファンは懐かしさに感慨を覚えるだろう。
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新規製作分については過去のシリーズに関わったベテランと新参の手堅いメンバー構成で、シリーズの血脈を継承しつつも流行を取り入れた新曲となっている。
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十数年ぶりのカムバックとなった作曲家もおり、この辺も昔からのファンには嬉しいところ。
キー音
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歴代『DJMAX』シリーズでは音楽ゲームでは珍しく「キー音」と呼ばれるシステムが搭載されていたが、本作でも健在。
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これは楽曲内で一部の音がノート側に割り振られていて、プレイ中タイミング良くボタンを押してノートを処理していくと楽曲が完成するというシステム。楽曲を自分で演奏しているような感覚が得られる。
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キー音がある音楽ゲームは近年珍しく、キー音がないタイプが標準的となりつつある時世、本作は貴重な存在といえる。
BGA
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各曲にはそれぞれ固有のムービーが用意されており、上述した約300曲全てにおいて使いまわしはほとんど存在しない。
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アニメーション、実写、3Dなど表現方法は様々。各曲ごとに個別の世界観を構築しており、印象深くさせることに成功している。
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本作収録の旧作BGAは解像度1280x720 60fpsでリマスタリングされ、過去に発売された作品よりもクッキリ見えるようになった。
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オープニング曲でもある新曲「Glory Day」のBGAは過去曲のMVに出たキャラ・構図・グッズなどシリーズネタが詰まった内容で、ゲーム起動直後から最大限のファンリスペクトを以て迎えてくれる。
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BGAはその曲を1回ノーミス(MAX COMBO)でクリアすることでコレクションモードで鑑賞できる。譜面は問わないので4BのノーマルでOK。
充実したファンサービス
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過去作からの多数の楽曲移植やBGAの設定画公開など、従来のファンにとってはたまらない要素が多数存在する。
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いくつかの楽曲には隠しBGAが存在し、選曲時にランダム低確率で出現する。出現した状態で通常版同様MAX CONBOできればコレクションで閲覧できる。
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内容は旧作で使われていた差し替え前ムービーがほとんどだが、まれに差し替えのために作られた新ムービーや未使用版、はたまた絵コンテになる曲も存在する。
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ゲーム内のテーマスキンを切り替える機能があり、旧作のテーマにするとBGMも旧作のものになる。BGMは当時のスタッフが手がけており評価が高いものの、ほとんどが音源化されていないためこうして日の目を見たのは嬉しい。
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コラボDLCのテーマスキンも存在するが、こちらも中々手の込んだつくりとなっている。
賛否両論点
BGAのクオリティの差が大きい
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『DJMAX』シリーズは2008年の「Clazziquai Edition」でBGAの方式が変わってクオリティが急上昇した経緯があるため、それ以前の古い形式で作られた楽曲のBGAは、どうしても見劣りしてしまう。
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ゲーム中の区分では「Portable 1」「Portable 2」「Trilogy」「Emotional Sense(Online)」が該当する。
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よって本作はデフォルトでは収録範囲の都合、最古のBGAと最新のBGAが混在しているため、クオリティのムラがかなり極端になっている。慣れ親しんだ往年のファンはともかく、新規プレイヤーはその差が気になってしまうだろう。
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一部リメイク・新規製作されているBGAもあるものの、ほとんどはリマスタリング止まりである。
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リマスタリングしたものは、確かに解像度もFPSも上がって滑らかに動くようにはなったが、演出力を埋めるほどには至っていない。
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そうでなくとも、強烈だったり奇抜に走り過ぎたりと癖が強過ぎて人を選ぶものもそれなりにある。
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アップデートによりBGAを非表示できるオプションが導入されているため、見たくない場合はカットすれば良い。
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ただし本作は資料的価値もある作品なので、初期の頃の曲・BGAの多くを収録した事自体は評価点にあたる。
コラボDLC
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今作では過去作品だけでなく、他社作品とのコラボレーション楽曲も有料DLCとして収録している。
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コラボDLCそれ自体は「新鮮味がある」と概ね好評なものの、以下の問題点もあり賛否が分かれる。
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一部のコラボDLCはキー音が無い。BGAも1枚絵が少し動く程度しかないものもあり、DJMAXのコンセプトに合致していないと批判されることがある。
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「過去作の楽曲をDLCにして配信する」「DLCを出し切ってから次の新作に取り掛かる」としていた発売前の計画が、コラボDLCを次々に割りこませる形となったため大幅な遅延状態にあり、発売から4年経った2021年現在でもいくつかの過去作が未配信となっている。さらに『RESPECT V』の作業も並行して行うようなったため、今後もますます計画は遅れていくものと思われる。
問題点
説明&配慮不足なゲームデザイン
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今作PS4版にはチュートリアルが存在しない。確かに上から落ちてくるノートを下のラインに来たタイミングで押す、という音楽ゲームの基本さえ分かっていれば最低限遊べるが、『DJMAX』独自のフィーバーシステムや、ハイスピード変更に対してもロード時のTIPSでしか教えてくれない。
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特に音ゲー未経験者に、ハイスピードの必要性を説明なく理解するのは厳しいであろう。
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今回はシリーズファンをメインターゲットにしている為かもしれないが、過去作ではちゃんとチュートリアルが存在していた。
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WEB取扱説明書も、システム面など必要最低限の解説しかしてくれない。
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NORMAL譜面も大半の曲が★5スタートとなっており、★3以下の低難易度譜面の絶対数が(デフォルトでは)少ない。これではゲームオーバーの連続で初心者は投げ出してしまいたくなるだろう。
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その低難易度譜面も密度こそ低いものの平気で左右に振り回したり、同時押しが出現したりと割と容赦がない。
大味なゲームバランス
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過去作にあった、ミスを帳消しにできるシステム(ANTI BREAK)が無くなった。にもかかわらず過去作同様ノーミスで曲をクリアできることが前提のゲームデザインだったため、ゲームバランスが大味になってしまっている。
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一度でもミスすればフィーバーが終了してコンボも切れてしまう。こうなるとスコアが大きく落ち込んでしまうため、ミスした瞬間対戦で負けが確定したり、ミッションクリアが絶望的になったりする。
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FREE STYLEでは曲をまたいでコンボ数を引き継ぐ要素があり、この累積コンボ数で解禁される実績があるのだが、なんと100万コンボ超。
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楽曲解禁に累積コンボ数が絡むものがある。例えば「Nightmare」は20万コンボ超を要求してくる(こちらは総プレイ回数でも解禁できる)。
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ノーミスでクリアし続けなければ一向に累積コンボは溜まらない。これにより「FREE STYLE」なのに自由に遊べないという不可解な事が起きる。低難易度の譜面を選びがちだが低難易度ではノート総数が少ないため、累積コンボが増えにくいジレンマがある。
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その後アップデートにより設定画面で蓄積コンボ数を一時保存して中断できるようになった。またゲーム中ロクな説明がないが、コンボが切れてもRESTART→曲開始前にMUSIC SELECTでコンボ数を維持したまま離脱できる。最終手段として、全曲&全ミッション解禁の有料DLC(税込1500円)を買う手もある。
一部BGAが極端に眩しい
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特に名前が挙がるのは「My Alias」「NB Rangers -Returns-」「NB POWER」辺りだろうか。ポケモンショックを起こすのではないかと思うほどフラッシュを多用する演出のため、注意が必要。
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リマスタリング作業のときに考慮しなかったのだろうか。その点を考えると批判は大きい。
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アップデートでBGAの明るさを調整する機能とBGAそのものをOFFにする機能が追加されたため、回避は可能。
一部楽曲のキー音がない
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具体的には「Always」「Void」「『TAPSONIC TOP』の曲」「『Deemo』『Cytus』『CHUNITHM』DLCの全曲」「『RESPECT V』から逆輸入したNCSの3曲」が挙げられる。
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本作は他社コラボはもちろん、韓国SIEとタイアップしたプレステをひたすら褒め称えるDLC曲「Only On」にもキー音を付けるなど強いこだわりを見せていたため、これらは異質である。
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キー音がない曲は、主旋律やドラムパターンなど聞き取りやすい音だけで譜面が構成されているため、他の曲よりも遊びごたえにやや欠ける。
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「Always」は「マスタートラックを紛失した」ともっともらしい理由が説明されたが、それ以外の曲は特に説明はない。
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「Always」「『TAPSONIC TOP』の曲」「Void」は親会社のNEOWIZ社がサービスしているゲームの曲なので、それ絡みの追加かもしれない。
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「Cytus」は発表から実装までかなり時間がかかっていたため、当初はキー音をつける予定があったのではないかと推察があった。
楽曲のソート機能が乏しい
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ソート機能は作品別フォルダとアップデートによって追加されたFAVORITEフォルダ程度しかなく、他のゲームに比べて充実しているとは言い難い。
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曲選択時も○曲ジャンプ機能がないので、ボタン長押しでスクロールする必要がある。豊富な楽曲数は魅力なのだが、それゆえに楽曲の検索に時間がかかる。
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難易度別フォルダやアルファベット別フォルダなどは他の音ゲーでは定番のものであるため欲しいという意見は多い。
スコアシステムにバグがある
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ロングノートを早めに押したり、遅めに離すことでコンボが過剰にカウントされる不具合があり、これを使うことで理論値を超えたスコアを出すことできてしまう。
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後発の『RESPECT V』でもそのままだったため仕様かと思われたが、そちらは正式発売直前のギリギリのタイミングで修正された。
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もっとも、今から修正するにはランキングの全リセットは避けられず、そうなれば多くの批判が出るのは明らかなため、やむをえないか。
ゲーム容量が大きい
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アップデートに全DLCのデータを含んでいたため、ゲーム容量が凄まじいことになっている。
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オンラインでDLC未所持曲が遊べることとのトレードオフであるため仕方がないものの、DLCも全く持たずPS Plusにも加入していないユーザーにとっては無駄喰いでしかない。
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開発側も問題だと認識したのか、「TECHNIKA 3」DLC以降は譜面データだけでBGAはダウンロードしないようなった。ただしそれでも数GBあるため、あまり改善にはなっていない。
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その後、オンラインの改悪によってDLC未購入者にも譜面をダウンロードさせる必要は無くなったはずなのだが、データ構造の見直し等は行っていない。
総評
シリーズとファンへの「RESPECT」というタイトルのもと豊富な収録楽曲・充実したプレイスタイル・多数のコレクション要素などを備え、過去最高クラスに充実した作品であることは間違いない。
音楽ゲームという広い分野の中を見ても、家庭版の音楽ゲームが減少している今、これだけのクオリティを発揮しているタイトルは非常に貴重。
初心者に対して不親切なところは存在するものの、操作にうまく慣れれば圧倒的なボリュームでのめり込める作品である。
しかし次第に密かな不満が募る中、改悪アップデートが本作に対する好意に陰りを与えてしまった。
過去作DLCがいつまでも揃わない上、放置され、あまつさえゲームの機能を「奪われる」というのは、発売から3年近くにわたって親しんできたPS4版のファンに対して、あまりにも酷い仕打ちではないのか。
本作タイトルの「RESPECT」が皮肉めいた結果になってしまったことは、非常に残念である。
さらに2021年には、『ESTiMATE』DLCをもって、以後コラボ楽曲・DLCをPS4版ではリリースしないという発表がなされた。
オリジナルDLCこそ今後もPS4版でもリリースするとしたものの、事実上の切り捨て宣告であり、もはやPS4版を購入する意義は失われたと言っていいだろう。
特別な事情がないかぎり、今から買うのであれば事実上のアッパーバージョンである『DJMAX RESPECT V』を勧める。
余談
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本作のOP曲「Glory Day」や韓国版のパッケージイラストを手掛けたイラストレーターが、発売後ラディカル・フェミニズムに共感しているのではないかとの疑惑が起こり韓国のネットで炎上した。すぐに『DJMAX』公式Twitterは(「Glory Day」のBGAも含めた)全てのイラストを取り替えると発表。これにより炎上は沈静化した。
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そのため発売直後の一部絵を除き、以後「Glory Day」絡みのイラストやBGAは全て別のイラストレーターが描いたものである。
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なお発表から現在に至るまで、イラストやBGAを取り替える動きはない。一方、3年後の2021年に新規製作された「Glory Day」リミックスのBGAには、取り替えるはずの旧イラストが使われていることから、どうやら取り替えは事実上なかったことにされた模様。
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本作はDUALSHOCK4前提でデザインされているため、それ以外のデバイスを使うとバランスが崩壊してしまう。対戦やスコアランキングに影響するため、これらを使う使わないで論争を巻き起こした。
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当時PS4版で行われた公式大会はDUALSHOCK4のみで行われていた。
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しかし発売当初から「DS4以外で遊びたい」との声は小さくなく、実際に非公認のデバイスが発売されたりもした。その後キーボード対応&好きなコントローラーで遊べる『RESPECT V』が発売され、これらの問題は一応の決着を見たと思われる。
最終更新:2023年03月27日 23:03