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ドカポン3・2・1 ~嵐を呼ぶ友情~」を以下のとおり復元します。
*ドカポン3・2・1 ~嵐を呼ぶ友情~
【どかぽんさんにいち あらしをよぶゆうじょう】

|ジャンル|RPG風友情破壊ボードゲーム|&image(571182_9159_front.jpg,http://www.amazon.co.jp/dp/B000068HVJ,height=160)|
|対応機種|スーパーファミコン|~|
|メディア|12MbitROMカートリッジ|~|
|発売元|アスミック|~|
|開発元|ビィトップ (BETOP)|~|
|発売日|1994年12月2日|~|
|定価|9,600円(税別)|~|
|プレイ人数|1~4人|~|
|セーブデータ|プレイデータ2個|~|
|周辺機器|マルチタップ対応|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|前作からの正当進化&br()ゲームバランスの悪さが目立つが実際は''目押しゲー''&br()キャラクターデザイン:柴田亜美氏|~|
|>|>|CENTER:''[[ドカポンシリーズリンク>ドカポンシリーズ]]''|

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#contents(fromhere)
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*概要
1993年12月10日にアスミック(現:アスミック・エース エンタテインメント)より発売された『[[決戦!ドカポン王国IV ~伝説の勇者たち~]]』の続編に当たる作品。~
前作では指定した期間の中でどれだけ多くの資産を集めるかというルールでのみの対戦だったが、今作からはシナリオをクリアしながらいかに多くの資産を集められるかを競う「''シナリオモード''」の他、通常とは異なる特殊ルールによる「''バトルロイヤル''」が追加された。~
なお、前作のルールによる対戦も「''ノーマルモード''」として収録されている。

今作のキャラクターデザインは『南国少年パプワくん』等で知られる''柴田亜美''氏が手がけたことでも話題になった。
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*ストーリー
あの戦い((前作ドカポンIVのこと。))から1年が経った。~
ようやく訪れた平和を謳歌していたドカポン王国に、突如としてモンスターが襲来してきたのだ。~
モンスターの侵攻は凄まじく、いつしか王国中の村がモンスター達の手に落ちてしまった。~
国王はこの事態を受け、国中に一つのお触れを出した。~

「モンスターを討伐し、もっともお金を稼いだ者に次期王位継承権とプリリン姫を嫁に与える」

このお触れを受けて集まった勇者による王国を救うため…ではなく、次期王位を巡っての醜い争いが始まるのだった。
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*ゲーム紹介
**ゲームモード紹介
#region(長いので収納)
+''ノーマルモード''
--決められた期間の中で一番多く資産を集めた者が優勝。
---期間は1~9999週の中で選ぶことが出来、プレイ中でも変更が出来る。
---このモードではプレイ開始時のキャラクターレベルを設定出来、設定したレベルに応じて初期状態の装備品も変化する。~
 ちなみに初期能力もレベルの範囲内でランダムに振り分けられる。(ただし、職の固定上昇能力は必ずレベル分上がってる)
+''シナリオモード''
--シナリオをクリアしつつ、一番多く資産を集めた者が優勝。
---週数に制限はなく、ビッグモンスターと呼ばれる特別なモンスターを一定数倒すことでイベントが発生、それをクリアして物語を進めて行く。全8章。
---このモードのみ、冒頭でチュートリアルを兼ねた特別マップが存在する。
+''バトルロイヤル''
--特殊な条件下での3種類の勝負が楽しめる。条件の達成度のみが重要視され、資産の多寡は勝敗に一切影響しない。
---このモードもノーマルモード同様に開始時のキャラクターレベルを設定出来、設定したレベルによって装備品などが異なるだけでなく、勝利条件の難易度も変わる。
++''むらレース''
---指定された村を一番速く開放した者の勝利。
++''キルレース''
---一番速く、他のプレイヤーを指定された回数倒した者の勝利。
++''かいものレース''
---一番速く、指定された道具をお城に持ってきた者の勝利。
+''ドカポンチェック''
--本作にまつわるクイズに答えることで、お薦めのコンピューターの強さ設定を診断してくれるモード。
#endregion

**職業紹介
#region(長いので収納)
+ウォリアー
--力押しが得意なパワフルな職業。
---戦闘中に「''クリティカルヒット''」が発生することがあり、攻撃力が通常よりも大きく上がった状態で相手を攻撃出来る。
---戦闘中の攻撃魔法およびフィールド魔法を使った際に、一定確率で魔法を失敗させてしまうことがある((使用したことになるため、攻撃魔法は使用回数が1減るし、失敗したフィールド魔法はそのまま消滅してしまう。))。
--レベルが上がると攻撃力に+2のボーナスが入る。
+ナイト
--鉄壁の守りが自慢の職業。
---戦闘中に「''クリティカルガード''」が発生することがあり、通常よりも受けるダメージを大きく軽減出来る。
---戦闘中の防御側に回った時、自らの纏っている鎧が余りにも重すぎるために動けなくなってしまい、相手の攻撃が必中になったり、降参を選んでいた場合も降参出来なくなることがある((プレイヤーの実際の装備に依存せずに一定確率で発生する。))。
--レベルが上がると防御力に+2のボーナスが入る。
+シーフ
--軽やかな動きが特徴の職業。
---戦闘突入時に一定確率でカードを見破り、先攻後攻が解ることがある。
---戦闘中、相手の攻撃を見切って回避が出来る事がある((相手の方が素早さが高くともこの効果が発動した場合は回避が出来る。その際、通常の回避とは別の効果音が鳴る。))。
---フィールド上に仕掛けられた罠や赤宝箱にある罠を見破り、回避することがある。
---戦闘中に相手の攻撃をまともに食らってしまい、通常より受けるダメージが増えてしまうことがある。
--レベルが上がると素早さに+2のボーナスが入る。
+マジシャン
--高い魔力が武器の職業。
---戦闘中に攻撃魔法を使った際、魔力が高まって通常よりも大きなダメージを与えることがある。
---戦闘中に「攻撃」・「必殺」を選んだ際に力が抜けてしまい、敵に与えるダメージが大きく低下してしまうことがある。
--レベルが上がると魔力に+2のボーナスが入る。
+ファイター
--平均的な能力を持ち、高い安定性が特徴の職業。
---登場する5つの職業の中で、唯一特筆すべき長所も持たない反面、欠点も持たない。
--レベルが上がるとランダムでいずれかのパラメータに+2のボーナスが入る。
#endregion

**フィールド上のシステム
#region(長いので収納)
1日を1ターンとし、プレイヤー全員が1ターンを終えることで1日が経過するという流れになる。

フィールド上ではルーレットを回して出た目の数だけ移動するのが基本となるが、アイテムを使ったりフィールド魔法で他のプレイヤーを妨害することも出来る。~
アイテムを使用した場合((ルーレットの数を増やせる「バイン」系や、任意の数の移動が出来る「クリスタル」系など一部を除く。))はその後もルーレットを回せるが、フィールド魔法を使った場合はそれでターンが終了となる。~
アイテムは最大8個まで所持出来、フィールド魔法は魔力のパラメータに応じて所持可能数が増え、最大8個(最低2個)所持出来る。

***マスについて
+何も無いマス
--基本的なマスであり、王国を徘徊するモンスターとの戦闘になる。
---時折、戦闘ではなくイベントが発生することもある。
--既に他のプレイヤーが居た場合は、イベントが起きない限り、即プレイヤーとの直接対決になる。
--通過すると毒に侵される毒沼マス、止まると麻痺してしまう雪原マス等があるが、デメリットの発生以外はこの何も無いマスと同じ扱いになる。
+村
--フィールドマップ上に点在しており、初期状態ではモンスターによって支配されている。~
 村のモンスターは基本的に次の大陸以降のモンスターで、その大陸のモンスターと比べると明らかに強いのでしっかり準備しないと勝つのは厳しい。~
 ただし、最初と4番目、最後の大陸のみ、その大陸の強モンスターが何体か配備されている。~
 なおビッグモンスターは勇者であるプレイヤー全員の平均レベルに応じたモンスターが出てくる(最弱のビッグモンスターはリザードマン)。
---村を支配しているモンスターを倒すことで、その村を自分の統治する村とすることが出来る。以降は止まるごとに村の稼ぎを貰え、HPを完全回復することが出来る。
--村には価値が設定されており、統治した村の価値の分、自身の資産に加算される。
---村の価値は冒険のスタート地点となるドカポン城から遠い村ほど高くなり、合わせて1日あたりの稼ぎも高くなる傾向がある。
--自分の統治する村に止まった際に、お金があれば寄付を頼まれ、それに応じることで村のレベルが上がり、1日あたりの稼ぎが増える。~
村のレベルは1~6まであり、最大の6まで上げると村の価値も倍になる。なお、お金がある場合は1ターンで一気に最大の6まであげてしまうことも可能。
--他のプレイヤーの統治する村に止まった場合は、その村の1日あたりの稼ぎと同額を支払ってHPを完全回復させることが出来るだけでなく、襲撃をかけることも出来る。~
襲撃に成功すればその村に貯まっていた稼ぎが強奪出来るが、襲撃に失敗すると''お尋ね者''((自分が統治している村以外の全ての施設に止まれなくなり、更にプレイヤーとの戦闘中は降参出来なくなる。))となり、その首に賞金がかけられてしまう。
--何も無いマスと同様にプレイヤー同士が鉢合わせると直接対決となる。
+ドカポン城&教会
--各大陸に1つずつ設置されており、教会では止まるとステータス異常を回復することが出来ると同時に、それ以降にHPが0になって力尽きた後の復活地点となる。
---以降の作品では原則ステータス異常の治療は有料となっているが、本作は無料でステータス異常を治療して貰える。
--最初の大陸(アジナ大陸)には教会が無いが、ドカポン城が教会の機能を有しており、更にHPも完全回復出来る。~
 その他にもビッグモンスターがいる場合はプレイヤーの攻撃力とビッグモンスターの耐久力を計算してアドバイスをくれる。~
 二回以上の攻撃・必殺・溜めて攻撃しても倒せないなら「倒すことができないダバ」、←の条件で倒せるなら「倒す事ができるかもしれないダバ」、一撃の攻撃で倒せるなら「確実に倒すことができるダバ」((なおウォリアーのクリティカルヒット、マジシャンの力が抜けるは計算に入れてない模様))。~
 ほかにもプレイヤーとの戦闘に負けて名前を変えられた場合、有料で名前を変えなおしてもらえる(ただし高額)。~
 シナリオモードでは5章まではその章をクリアーするには必ず条件を満たした状態でドカポン城に帰る必要がある。
--とあるダンジョンでは所定の金額を支払うことで任意で指定した教会にワープ出来る仕掛けがある。~
 シナリオモードでは物語の進行に応じてワープ先が追加されていく。
+お店(共通事項)
--商品を購入したり、不要品を売却することが出来る。
--村同様に襲撃することが可能で、襲撃に成功すればその店で取り扱っている商品のいずれかを入手出来るが、その成功確率は極めて低くなっている((本作の襲撃はお互いが1~6までのルーレットを回して高い目を出した方の勝ち(同点の場合は襲撃失敗)になるのだが、店員は6の目、あるいはギリギリこちらに勝てる数を出してくる事が極めて多い。))。
--装備品は入手した時点で装備する形になるため、お店で購入する場合は既に装備しているものを下取りに出して新しく買ったものをそのまま装備することになる。
---ただし、既に装備している攻撃魔法を買い増す場合は例外となる。
--全店舗共通で土曜日は25%オフで購入出来るが、日曜日は店休日となるため、お店のマスに止まれない。
++アイテム屋
---フィールド上で使えるアイテムを購入することが出来る。
++魔法屋
---フィールド魔法と戦闘中に使える攻撃魔法・防御魔法を扱っている。
---攻撃魔法には使用回数があり、お店では10回分を1セットにして販売しており、最大で99回分まで購入出来る。ただし、購入した際に100以上に達する場合は購入できないので、99にするには1回使って再度購入するか、マホタス系の防御魔法で増やす必要がある。
++武器屋
---武器・盾・鎧を取り扱っている。
+集金所
--コインのマークをしたマスで、ここに止まると統治している全ての村のうち、任意の1つの村の稼ぎを回収したり、あるいはその村のレベルを上げることが出来る。
---余談だが、「G」と書かれた袋のマスが一部のダンジョンや大陸にあるが、これは「''全村集金所''」となり、こちらは村のレベルアップは出来ないが、''統治している全ての村の稼ぎを回収することが出来る''。
+小城
--ドカポン城とは異なる小さな城で、各大陸に1つずつある。
--ノーマルモードでは全く意味の無いマスだが、シナリオモードではシナリオを最初にクリアしたプレイヤーに対するご褒美となっている。
--小城も村と同じように価値を持ち、日々の稼ぎがあるが、その算出方法は特殊となっている。
---価値は獲得した時点で小城のある大陸の既に解放されている村の中でもっとも価値の高い村の価値の倍となる((つまり、その大陸の中で一番価値の高い村を開放し、更に村レベルを最大にした上で小城を獲得することが最も価値を高くする条件となる。勿論、村を一つも開放していなければ小城の価値は0になり、後で村を開放して村のレベルを上げようと価値は0のままになってしまう。))。
---小城の日々の稼ぎはその小城がある大陸の全ての解放された村の日々の稼ぎの合算となる((ただし、日々の稼ぎの上限は9,999Gまで。価値と異なり、村レベルの変動や他プレイヤーの妨害、新しく村を開放したなどの要因で日々の稼ぎは変動する。))。
--基本的な機能は村と同じになるが、統治しているプレイヤー以外が止まっても襲撃することは出来ず、統治者が力尽きても小城は失ったり奪われたりしない。
+各種宝箱
++青宝箱、黄宝箱
---それぞれアイテム、フィールド魔法が入手できる。特にデメリットはないが、この宝箱でしか入手できないという物もない。前作と異なり、ダンジョン内にも置かれている。
++赤宝箱
---アイテム・フィールド魔法に加え、装備品・現金を含めたうちのいずれかが手に入る。非売品や貴重品が入手しやすい反面、罠を引き当てると何も手に入らないうえ、ダメージを受けたりアイテムを失ったりするペナルティを受ける、ハイリスクハイリターンな宝箱。
---本作では、ドカポン城から離れた地域になると10万以上の現金や武器屋以上の数値を持つ装備、強烈なマイナス結果やが混じってくる。また、やはりダンジョン内にも置かれている。
++白宝箱
---最も中身が極端な赤宝箱をベースに、ほぼ全ての罠を取り除いたもの。貴重品が容易に獲得できるが、一部のダンジョンにしかないため、全体的な配置数が少ない。
---また、白宝箱には呪われている装備品が存在し、手に入れると強制装備&呪い状態になる。呪われている装備品を装備している間は店でその部位を売ったり買い替えたりできなくなる。~
 呪われた装備品を外すには何らかの方法で呪いの状態異常を解くか宝箱・カジノ・店の襲撃に勝って呪われた装備品と同じ部位の装備を手に入れて呪われた装備品を捨てるのどれかが必要。~
 前者の呪いの状態異常を解いて外した場合、呪われた装備品が消滅するので、罠がないように見えて実は強烈な罠が混じっている宝箱である。(ただし、呪われた装備が配置される事はあまりない)
++スペシャル宝箱(濃紺色)
---ダンジョンのみに存在し、「まほうのカギ」が無ければ開けられない。中身は殆どが希少価値の高いアイテムとなっているが、場所によって中身は完全に決まっている。また、一度開けると全員がそのダンジョンから一度立ち去らない限り、宝箱が開いたままになり再入手がお預けになる。また、再入手時も同様にカギが必要。
--これらのうち、スペシャル宝箱以外は止まるとルーレット画面に移行し、ルーレットで決定したものを入手出来る。
+ダンジョン入口/出口
--このマスに止まることで、対応したダンジョンの中に入ったり出たり出来る。
---ダンジョン内での階層移動(階段など)もこのマスに属する。

何も無いマスと村マス以外では基本的に戦闘は起こらない。~
まだ他にも種類はあるが、主だったものにとどめる。
#endregion

**戦闘に関するシステム
#region(長いので収納)
戦闘に突入すると、まずはカードで先攻後攻を決める。~
カードの選択権はターン中のプレイヤーにあり、カードの中身を見ることの出来るアイテム「''ミエるんです''」を持っていればそれを使うことも出来る。

***行動
-攻撃側
--Aボタン:攻撃
---装備している武器を使った通常攻撃を行う。
---確実に相手を攻撃出来るが、相手の素早さが自分よりも高い場合は攻撃を外すこともある。
--Yボタン:必殺
---持っている武器を使った強力な攻撃を行う。
---当たれば攻撃よりも大きなダメージを与えられるが、相手がカウンターを選んでいた場合は技をそっくりそのまま返されてしまい、自分が自分の必殺を受けてしまうことになる。
---また、カウンターを相手が選んでいなくても、自分より素早さが高ければ回避されてしまうこともある。
--Xボタン:攻撃魔法
---装備している攻撃魔法の使用回数を1消費して、魔法による攻撃を繰り出す。
---素早さに影響されずに相手に攻撃をすることが出来るが、相手が防御魔法を選んでいた場合は無効化され、更に防御魔法の種類に応じた効果が発生する((相手の防御魔法によっては相手のHPが回復したり、こちらの攻撃魔法と防御魔法を使用出来なくされたり、数ターンの間全く何も出来なくなり、更に攻撃も確実に喰らってしまう状態になるものもある。))。
---今作ではモンスターの特技を攻撃魔法として扱っている。
---ダメージ計算には魔力が使用されるが、一部の魔法は攻撃力が影響する。
---攻撃魔法を持っていなければ選択出来ない。
--Bボタン:ため
---そのターンでは攻撃をせず、力を溜めることで自身の攻撃力を1.5倍にする。
---効果は''重ね掛けが出来る''のでためを繰り返す度に攻撃力が1.5倍されていく。
--また、今作では攻撃時に十字キーの左右(またはLRボタン)を押すことで、現在所有しているアイテムの中からアイテムを選択することも出来る。
---戦闘中に使えないアイテムは赤文字になっており、白文字で表示されているアイテムのみ使用可能となっている。

-防御側
--Aボタン:防御
---守りを固めて相手の攻撃のダメージを軽減させるが、必殺や魔法攻撃に対しては無力。
--Yボタン:カウンター
---相手の必殺に対しての反撃の体勢を取るが、攻撃には対応出来ず、ダメージが増加してしまう。
--Xボタン:防御魔法
---装備している防御魔法を用いて攻撃魔法に対するバリアを張るが、物理攻撃に対しては受けるダメージが増加してしまう。
---今作では防御魔法に成功すればノーダメージで相手の攻撃魔法を無効化し、更に装備している防御魔法に応じた効果を得ることが出来る。
---防御魔法には使用回数に限りが無く、何度でも使用可能。但し、持っていなければ選択出来ない。
--Bボタン:降参
---所持品かお金のうちのいくらかを失うが、戦闘から逃げることも出来る。
---死んでしまうと更にペナルティが強烈なので、勝てないと思ったら下手に意地を張るより素直に逃げてしまった方が良い。
---相手の素早さが自分より高い場合、選んでも降参出来ないこともある。

Bボタンとアイテム以外はそれぞれのボタンが一致すれば防御側が優位に、そうで無ければ攻撃側が優位に立てるようになっている。~
じゃんけんの三竦みのような関係にあり、非常に駆け引きが熱い。

***パラメータに関して
戦闘中およびフィールド魔法の成功率、回避率などに影響を及ぼす5つのパラメータに関して下表にまとめる。
|CENTER:項目|CENTER:内容|
|CENTER:攻撃|高いほど相手に攻撃・必殺で与えるダメージが増える。|
|CENTER:防御|高いほど相手からの攻撃・必殺で受けるダメージが減少する。|
|CENTER:魔力|高いほど攻撃魔法で高いダメージを与えられ、同時に相手の攻撃魔法で受けるダメージが減る。&br()更にフィールド魔法によるダメージ、フィールド魔法の命中および回避率にも影響を及ぼす。|
|CENTER:素早さ|高いほど相手に攻撃が当たりやすくなり、同時に回避しやすくなる。((目安でいうと、相手の素早さより同数値以上であればシーフの特殊回避が起こらない限り、必ず攻撃が当たる。逆もしかり。))|
|CENTER:体力|体力1ポイントにつき、HPの最大値が10アップする。|

ダメージの基本計算式は自分の攻撃力×1.5-相手の防御力×5.5に1~3をランダムに増減した数値がダメージとなる。
なお、これは攻撃対防御なので、防御側が別の行動をとって失敗した場合はもっとダメージが大きくなる。

***戦闘の継続
-1ターンの戦闘はお互いが攻撃と防御を行い、そこで決着が付かなければ次のターンに戦闘が持ち越しとなり、決着が付くまで繰り返すことになる。
--プレイヤー同士の戦いの場合は、プレイヤーそれぞれのターンで攻撃と防御を1回ずつ繰り返すことになる。

***戦利品と敗北時のペナルティ
-勝利時
--相手がモンスター
---倒した場合は経験値とお金、モンスターが何か持っていればそれも獲得出来る((ただし、ビッグモンスターに限っては経験値を獲得することが出来ない。))。
---降参した場合はお金かモンスターが持っていた物のどちらかを獲得出来る。
--相手がプレイヤー
---倒した場合は相手の所持品、所持金、統治している村、装備品のいずれかを奪うか、相手の名前を変えることも出来る。
---降参した場合は相手の所持品、所持金のいずれかを奪う事が出来る。
---プレイヤーが相手の場合に限り、メリットはないが「''何も奪わない''」ということも出来る。
-敗北時
--降参した場合は所持品か所持金のいずれかを失う。更に、次のターンは戦う勇気を失ってしまっているため、1回休みとなる。
--倒された場合は所持品、所持金、統治している村、装備品のいずれかを失うのが基本だが、相手がプレイヤーであった場合は名前を変えられてしまう場合もある。倒された後、順位に応じて数ターンの間、最後に止まった教会かドカポン城に安置され、休みになる。
---''名前を変えられてしまった場合はドカポン城に行けば再度名前を設定し直すことも出来る''が、その際は非常に高い費用がかかる。
#endregion

**闇の力で一発逆転!
#region(長いので収納)
非常にえげつない妨害手段が非常に豊富な本作。~
そのため、一度落ちぶれ出すとそのまま再起が難しくなってしまうこともままある。~
そんな時、一定の条件を満たした上で特定個所に向かうか、あるアイテムを使用した上で小城以外の全ての財産を投げ出すことで闇の力を手に入れ、「''デビル''」に変身することが出来る。~
デビルになると全ての基本能力が3倍になる上に、非常に強力な装備(通称:デビル装備)を纏うことが出来る。~
更にイベントを起こすことで様々な強力な妨害をすることも出来るため、立ち回り次第ではそれまでの劣勢も覆す程のものとなっている。~
なお、デビルとの戦いは''双方が無条件で降参出来なくなってしまう''ため、余程の相手に有利な要素が無ければデビルに戦いを挑まれたが最後、そのまま死に直結してしまう。

デビルのメリットは以下の通り。
+移動は常にバババイン。
--バババインとはアイテムの効果が続く間、ルーレットを1~5個回せるようになるアイテムで、デビルになっている間はこの効果がずっと続くことになる。
+他のプレイヤーが統治している村に止まることで、その村にモンスターを出現させることが出来る。
+モンスターが支配している村に止まることで、HPとステータス異常を回復出来る。
+ビッグモンスターの妨害の対象外となる。
++さらに、ビッグモンスターの妨害「''モンスターのHPとステータス異常の完全回復''」が発生した時に一緒に回復出来る。
++逆に、デビル側からイベントを起こせば、自分と共にモンスターのHPやステータス異常も回復させる事が可能。
+ターンの経過で力を溜めれば溜めるほど、強力なイベントを起こして他のプレイヤーを妨害することが出来る。
+他のプレイヤーを倒すことで経験値を獲得出来る。

ただしデビルでいる間に財産を稼ぐ手段はプレイヤーを倒して所持金を奪う以外手がない。デビルは教会かドカポン城マスに止まる、契約期間が終了する、のどちらかで人間に戻ることが出来る。
余談だが開発スタッフはシナリオモードでデビルが1位になる事を想定しておらず、''デビルが1位になるとエラーが起きてバグってしまう。''
意図的にやらない限り絶対起こらない事だが、間違ってもシナリオモードでデビル状態のプレイヤーを1位にしない事。

なお、余談であるが本作のデビルは撃破すれば装備品を奪うことも可能となっている。
#endregion
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*評価点
-前作『ドカポンIV』から正当進化を遂げている
--前作では何かとシステム周りで不便な所があったり、ゲーム的にも(致し方ない所はあるが)ボリュームが多いとは言いがたい所もあったが、今作ではゲームとしてのボリュームも大きく増加し、プレイの選択肢も増えている。~
また、バランス調整と合わせてシステム周りも適度にバランスの取れた形で改良が加えられたことで快適なプレイ環境を実現している。
---前作では攻撃魔法は武器が、防御魔法は盾が無ければ装備すら出来ず、盾を買い替えてしまうとまた改めて防御魔法を購入し直さなければならなかったが、今作では魔法と武具は独立して扱われるようになった。
---ただし、''前作よりゲームバランスが悪化した点もある''。詳細は賛否両論点と問題点の項にて。
--また、フィールド上でも前作はアイテムだろうとフィールド魔法だろうと使用してしまうとそこでターン終了してしまっていた。~
しかし、今作では相手への直接の妨害要素になるフィールド魔法は使用後ターン終了、アイテムは移動系のアイテムを除き、使用後でも通常の移動が出来るようにするという、ゲームバランスを保ちつつの((実際、魔法を使ってもターンが継続するようになった以降の作品では、特に魔法とアイテムと両方を1ターンで1個ずつ使えるキャラクター(『怒りの鉄剣』の「スコップ」など)が飛び抜けて優位に立ちやすいと言われるようになった。))改良が施された。
--戦闘面では前作ではモンスターにレベルの概念が無く、いまいちそのエリアの敵の強さが解りづらい所があったが、敵モンスターにもレベルの概念が出来たことでプレイヤー側にもある程度の敵の強さが解りやすくなり、プレイアビリティの向上という意味では大きく貢献している。
//--また、ゲーム全体的により人のどす黒い部分がおおっぴらになるようなゲーム性の強化を施されているため、これによって''「友情破壊ゲーム」の代名詞''とも言われるほどになった『ドカポンシリーズ』と言うものを明確にユーザーに印象付けることに成功したと言えるだろう。
//「人のどす黒い部分が~ゲーム性の強化」は、具体例を挙げてください

//-キャラクターに個性が付いた
//--以降の作品では個性の付け方が長所が尖りすぎてやりすぎのレベルになってしまっている((例えば『ドカポン・ザ・ワールド』におけるとある職業の特技で、「戦闘中に敵に凄まじい量のステータス異常を付与する」というものがあり、その特技を使われたらもはや勝負ありになってしまう…等。))こともあるが、本作における個性付けは長所と欠点を抱えているため、そう言う意味では程良いレベルで個性付けが成されていると言える。
//---特徴に振り回されたくないという人向けの職業として「ファイター」があるが、先述の通り長所も持っていないため、トータルで見ればやはり程良く纏まっていると言える。
//問題点としてキャラクターの個性について挙げられているため、一概に評価点とはいえない

-シンプルで解りやすいゲームデザイン
--以降の作品では様々な要素が肉付けされていった結果解りにくくなってしまい、かえってゲームとしての面白さを損ねるものも出てきてしまっていた。~
しかし、(前作や)今作においてはそう言った複雑なものは全くと言って良いほど存在せず、文字通り「''他のプレイヤーを蹴散らしてお金を集めれば良い''」の一言に集約されるゲーム性がファンからは高く評価されている。
---そして自由度の高さもファンからの高い評価を得る要因であると言える((ストーリーが進む毎に本来は進める大陸が増えるシナリオモードと、最初から全ての大陸に行けるノーマルモード、バトルロイヤルが選択可能。さらにノーマルモードはプレイ週数が前作より大幅に増えている。))。

-探索の目途を立てやすい
--視覚的に明確な「大陸」でエリアが区分されるようになり、ゲーム内でも地域名が開示されたことで、敵の強過ぎるエリアに知らず足を踏み入れる事故がほぼなくなった。
---前作では地域区分が見た目ではほとんど判らず、1つの陸地内で異なる強さの敵が出現するエリア同士が隣り合っていたうえ、敵の強さに大幅なギャップのある地域同士が並んでいる箇所もあったので、事故が起こりやすく、初見での対策は村リストでの並び順から攻略難易度の推測ができる程度であった。
--前作同様、通路ダンジョンで隔離されている地域も一部あるのだが、本作では通行するだけで毒を受ける「毒沼マス」がこの隔離地域にしかないほか、そのマス数もシリーズ全体の作品で比較すると少なく、毒沼を強行突破しなければ決して辿り着けない拠点は一切存在しない。全体的にダメージマスの分布自体が希少であり、探索そのものの難易度は低い。
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*賛否両論点
-柴田亜美氏のキャラクターデザイン
--彼女のデザインしたキャラクターはコミカルで、実際に『怒りの鉄剣』以降の新作発表において、キャラクターイラストが公開される度に「''どうして柴田亜美を使わないんだ''」と言ったような意見が散見されるほど、人気もある。
--一方、キャラクターはいい意味でも悪い意味でも個性的((原始人ルックのウォリアーや、人間ではないシーフ、等))であり、''「[[決戦!ドカポン王国IV ~伝説の勇者たち~]]」のようなシリアスなキャラクターの方がよかった''、と言ったような意見も散見される。

-''ボードゲームらしからぬ実力要素が非常に濃い部分があり、突き詰めると実力主義ゲーに変貌する''
--ボードゲームゆえ、RPG要素である戦略を練っても結局は運に委ねられる。それはどのドカポンシリーズもそうだし、他のボードゲームも例外ではない。~
しかし、''今作のみ、他のドカポンシリーズにはない実力要素が一つあり、それとある環境が重なって実力主義ゲーと決定づける大きな要因になる。''
--それは''宝箱の中身を目押しする事ができる事''。今作は宝箱のルーレットにはパターンがいくつか存在し、その中からランダムで選ばれたものがパターンどおりに動く~
 中には分かりやすいパターンが存在するので、欲しい物の配置次第ではあっさり目押しできたりする。((前作の初代ドカポンでもできたが、かなり難しく、今作ほど楽に目押しできない))~
 赤宝箱の中身は最初の大陸から最後まで使っていける装備が存在する上、青と黄宝箱にもふっかつざいのような強力なアイテムも配置される事がある。~
 それだけならただの実力要素で済んだが、最初の大陸の洞窟には''赤宝箱の密集地帯がある為、それが実力主義ゲーを決定づけさせてしまった。''
--低レベルスタートのノーマルモードなら、''宝箱の目押し精度で全て決まるといっても過言ではない。''シナリオモードでとあるバグを使う場合もそれにあたる。~
目押しができる人なら不遇なナイトを使おうが関係ない。使える物をガンガン使ってレベルを上げ、他プレイヤーが巻き返しできない状態を作り上げたりできる。~
そのため、本来フィールド魔法でいじめる立場のマジシャンがレベルが上がりまくった不遇なナイトにフィールド魔法でいじめられる事も目押し精度が高いプレイヤーがいるならよくある光景。
--流石にそれが問題になったのか定かではないが、鉄剣以降は対策がなされた((赤宝箱にはその大陸では1ランク上程度の装備が・ふっかつざいが後半の大陸にしかでないなど))~
 ただし、あくまで突き詰めた場合の話なので、目押しができるプレイヤーがいないなら運と戦略、職性能が大事になる。~
 また、目押しができるといっても宝箱の中身とルーレットのパターンはランダムで運が絡むため、何でもかんでも実力主義というわけではない。((だが狙ってほしいものを入手できるとできないとでは大違いな為、やはりプレイヤーの実力が問われるのは間違いない。))
//赤宝箱で武器を整えられ、一気にレベルを上げられると当然能力をたくさん上げられる。つまりマジシャンがフィールド魔法でいじめられる図が完成する
//シナリオモードでもとあるバグを使えば終盤の大陸にいけるのでシナリオモードでも例外ではない

-''ドカポンシリーズ最弱のデビル''
--上述の目押し、ためとデビルの仕様から、使える物を最大限に使う事が前提になるが、他シリーズと比べて、デビルが負ける可能性が明らかに高い。~
 デビルになったとき、アイテムが全て失われる上、デビルのコンセプトは「圧倒的な基礎能力と装備で大逆転」なので細かい小細工が一切できない。~
 そのため、強い武器と複数のふっかつざいを持ってこられるだけで負ける可能性が出てくる((これ以降の作品でも対抗策でデビルを倒せる可能性があるが、全て序盤から用意することが不可能な上、対抗策を使っても勝てる可能性が低かったりする。一方、321ではスタート直後から用意することが可能。))。当然、そこにまほうのくすりなんて混じってたら逆にデビルがカモになってしまう。~
 また、この頃のデビルが起こせるイベントはランダム要素が大きい為、他プレイヤーの元に行くには基本ルーレットによる自力移動でないといけない。~
 能力が3倍になるのでレベル差が激しくない限り、そう易々と命中はしないとはいえ、万が一対象を操れるパペットが直撃しようものなら…。
---特に村にモンスターを呼んだ時が一番狙われる。村のモンスター相手にためを実行して次のデビルのターンで一撃で仕留められるのも珍しくない。~
 デビル自身は強いものの、システム周りのせいで恐怖の対象のデビルが逆にカモとして見られ、倒され、最強クラスの装備を奪われることも日常茶飯事である。~
「逆転の一手としてデビルになったら逆にプレイヤーに襲われてしまい、強力なデビル装備を奪われ、むしろ突き放される要因となってしまった」なんて笑えない冗談である。
--マスに仕掛ける「ワナ」に無防備である点も弱点と言える。シーフ以外は必中である上、即死ダメージが入る事があるのだが、本作のデビルはそれに加えて''フィールドで倒された場合、人間に戻ってから持ち物を奪われる(意図的にアイテムか現金を奪ってない限り、必ず装備を落とす)''ため、デビルになったことで傷口を広げる可能性がある。
--COM操作時のデビルも問題であり、相手へ戦闘を仕掛ける為に対象のマスを狙って移動するのだが、そこがデビル解除効果のあるドカポン城や教会でもお構いなしなので、デビルを解除させることができる。
--流石に制作スタッフもまずいと思ったのか、鉄剣以降から目押しと宝箱共々対策がなされた。((デビルの場合は321以上にデビルの基礎能力が強化&一部の作品では特定の方法以外で装備を奪えないなど))~
 ただし、これも目押し精度が高いプレイヤーがいるならの話なので、普段は問題にならない((仮にいたとしても極端にレベル差があった場合、そもそもデビルにならない事の方が多い))。
//321は最初からその状況を作れるので、やはり全シリーズ中、最も弱い。

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*問題点

-''職業バランスが悪い(ただし、プレイヤー全員が目押しできない場合に限る)''
-本作は職業による個性がついたが、それによるバランスはかなり悪い。~
その代表例がマジシャンとナイトで、マジシャン(ナイト)は突出して強(弱)い。
--マジシャンはゲームの仕様と職業の性質上、序盤は苦戦を強いられやすい反面、中盤以降で魔力が上がってくると逃げつつ道中で拾ったフィールド魔法でネチネチと他のプレイヤーをいたぶるプレイスタイルが猛威を振う。
---直接戦闘での今作における防御魔法の性質とマジシャン特有のデメリットの問題((攻撃魔法に対して防御魔法をされてしまうと、いかに相手の魔力が低かろうと完全に無効化されてしまうため、力が抜けて物理による攻撃でのダメージが減ってしまうことがあるマジシャンでは直接戦闘は分が悪い。))もあって、この立ち回りをせざるを得ない所もあり、フィールド魔法で倒しても、倒した側のプレイヤーが何かを得られる訳では無い((勿論、倒された側のプレイヤーは何かを失う。))のだが、余りにもやりすぎると完全に場が白けてしまいかねないため、ある程度の自重をせざるを得なくなる。~
場合によっては、最初からマジシャンの使用を禁止というルールでプレイするのが基本であったりもするほど。
--さらに言うなら、''眠らせて行動不能にする''フィールド魔法で相手を封じ込めて一方的に殴り殺すという「''ネムネム殺し''」によって一方的な略奪も行えてしまう。~
尤も、こちらの場合はある程度移動力を補うアイテムが必要になる上、他プレイヤーに邪魔されないよう根回しorタイミングを伺う必要がなるが。
--そもそも、マジシャンゲーになりやすい最大の理由はパラメータの役割の偏り。~
他シリーズでは、フィールド魔法の命中率は「素早さ」が影響していたが、本作に限り「魔力」が影響する。つまり、''魔力1つ高いだけでダメージ、命中率ともに高くなる''ため、魔力だけ上げればフィールドでやりたい放題できてしまう。
---結果として、マジシャンが一人でも混じってしまうと他のプレイヤーも魔力を最優先で上げまくらなければならない一種のチキンレース状態となってしまい、ゲームが楽しめなくなってしまうことも多々ある。

--ナイトは今作の「ため」の攻撃力上昇幅こそ小さいものの、ダメージバランスにおける攻撃力や防御力のウエートが前作より非常に大きくなっている。~
そのため、防御に振って敵の攻撃を受けて凌ぐスタイルを取ろうにもそれ程のターンを凌げないことが多いため、防御に振るくらいなら素早さ((素早さが高ければ敵の攻撃を回避しやすくなる。つまり、文字通りの「当たらなければどうと言うことはない」という考え方によるもの。))を強化した方が良いとも言われ、更にはナイト特有のデメリットである「''回避・降参不能になる''」と言うのが割合発生しやすいこともあって、上の理由からマジシャンが最強とする意見と同様に、ナイトが文句なしの最弱とする意見もかなり多い。
---なお、残りの3つに関してはシーフがマジシャンに次ぐレベルで優位だとする意見は上がるものの、ウォリアーとファイターは総じて平均レベル(可も無く不可も無く)とされることが多い。
---ただし、ナイト最弱はあくまで人との対戦を考慮した場合であり、モンスター相手であれば本作は元々そこまでモンスターは強くないので十分に活躍出来るとされる。人相手にボコボコにされるのでは意味ない気もするが…。
---ただし、上記の職業バランスは最初に断った通り、目押しできないプレイヤーで集まった場合の話であり、いる場合はそんなものは全く関係ない。ほとんどがプレイヤーの目押し精度にゆだねられる。目押し含めたほぼ何でもありの条件で強いてあげるなら、''マジシャンが最弱、シーフが最強になる。''~
理由はマジシャンのデメリット能力でアカフリ大陸にわたってのパワーレベリングに事故が起きる可能性があるため、必然的に大きなハンデを背負う事になる。シーフは能力配分にほぼ無駄がないため、結果的に最強になれる。ただ、先ほども言った通り、二次的要素にしか過ぎないため、やはりプレイヤーの実力が大きく左右される。

-「ミエるんです」が死にアイテムになっている
--戦闘システムの所で書いた、カード選択権のあるプレイヤーが持っていれば、使うことでカードの中身を見ることが出来るアイテムである「ミエるんです」だが、実際は死にアイテムになってしまっている。
---と言うのも、カードを選択する時に十字キーを左右に入れることでカードを入れ替えるのだが、そこで''カードが交差した際に手前側を通過した(つまり上を跨ぐ形)カードが必ず「先攻」になっている''からである((一度では解らないかも知れないが、何度か連続で入れ替えると解るようになっている。実際、コンピューターはそれを使っているんじゃないのかという位に最初にカードを複数回入れ替えた上で、かなりの高確率で先攻を引き当てる。))。
---従って、その事を知っているプレイヤーが戦闘を仕掛け、更には自重しないでそれによる見極めを行ってしまうと確実に先手を取れてしまうと言うこと。先攻が圧倒的に有利になるこのゲームのシステムにおいて、これは余りにも問題であると言わざるを得ない。

-コンピューターの思考ルーチンが「プレイヤーをとにかくいたぶること優先」になりすぎている。
--特にプレイヤー1人でコンピューターを3人にしてしまうと、もはや1対3の変則タッグマッチをやらされているかのような状態となり、四方八方からフィールド魔法の妨害が1人のプレイヤー目掛けて飛んでくる。
---しかも、プレイヤーがトップであるならまだしも、完膚無きまでに叩きのめされているドベであろうと、勿論それ以外の状況であろうともお構いなしの状況でこうなるため、流石にやり過ぎと言わざるを得ない。
--流石に次作の『[[怒りの鉄剣>ドカポン! 怒りの鉄剣]]』以降は状況に応じて((と言っても、フィールド魔法の命中率が0であろうとお構いなしに攻撃を仕掛ける等、理解に苦しむ選択は多々するのだが…。))他のコンピューターに対しても攻撃を仕掛けるようになっている。

-接触不良によるセーブデータ破損が生じやすい。また、フィールド画面で道具の欄を開いた際に透過(アイテム一つ分の枠に、メニューで隠れているマップ部分がそのまま見えている)が出来ていることが稀にあるが、その位置にカーソルを移動させると赤い背景に英文のエラーメッセージが表示された画面へと変わり、確実にフリーズするうえ全てのセーブデータを破損してしまう。一度この空白が出来てしまうと再起動しても直らないため、当該セーブデータの継続使用は諦めた方が無難。

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*総評
ドカポンシリーズとしては十分に完成度の高い傑作であると言えるだけの内容ではあるのだが、問題点に書いた内容が足を大きく引っ張っているため、「''一つのゲームとして''」見た場合は名作とまで言い切れるかというと少々苦しい所もある。

だが、ある程度実力が均衡していたり、「解っている」者同士が集まってプレイをする分には間違いなくこの上なく盛り上がれる作品であり、問題点に上げたようなものを踏まえてなお引きつける魅力は間違いなく持っている。~
それ故にこの作品をシリーズ1番の傑作として挙げるファンも少なくない。

そのため、「''熱中しすぎて本当に友情に亀裂が入ってしまった、絶縁した''」…なんて事にならないように程々に楽しむのが良いだろう。
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*その後
1997年12月1日にニンテンドウパワーの書き換えリストに追加、2000年10月時点で累計書き換え件数8位となっている((10位まで発表されているが、ランクインしているのはニンテンドウパワー専用ソフトと本作を除くと全て稼動開始時点から書き換え可能だった作品のみ。))。~
2007年11月22日にプレイステーション2に本作のリメイクとなる、『ドカポンキングダム』が発売されている。~
またおよそ1年後の2008年7月31日にはWiiにいくつかの追加要素を追加した移植版である『ドカポンキングダム for Wii』が発売されている。~

因みに、Wii版の『ドカポンキングダム』の発売と同日に、ニンテンドーDSに前作『ドカポンIV』のリメイクとなる『[[ドカポンジャーニー! ~なかよくケンカしてっ♪~]]』が発売されている。
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*余談
-本作のマップは世界地図をベースとしており、大陸名や村の名前などは世界地図上の実際の大陸名や都市名・民族名をもじったものとなっている。
--一例を挙げてみると…
|CENTER:''本作における地名等''|CENTER:''世界地図上の地名等''|
|CENTER:アジナ大陸|CENTER:アジア大陸|
|CENTER:ラリアット大陸|CENTER:オーストラリア大陸|
|CENTER:トキオ村|CENTER:東京|
|CENTER:ベガス村|CENTER:ラスベガス|
|CENTER:ケープ村|CENTER:ケープタウン|
|CENTER:サイマ城|CENTER:マサイ族|
|CENTER:ボリジニ城|CENTER:アボリジニ|
…等々。
-本作は普通にプレイしていてもゲーム終了後にスタッフクレジットが表示されることはなく、マップ上の特定箇所を調べることで閲覧することが出来る。
--前作も普通にプレイしていては表示されないため同じように隠されている。
---「調べる」コマンドでヒョーの村から左上にある岩を調べると隠しメッセージが見られる。内容はスタッフ紹介とプレイヤーへのメッセージ。
-シナリオモードにてマジシャンで1位になった場合、エンディングの文章が少し変化する。

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