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ドラえもん のび太のドラビアンナイト - (2011/09/19 (月) 09:50:20) の編集履歴(バックアップ)


ドラえもん のび太のドラビアンナイト

【どらえもん のびたのどらびあんないと】

ジャンル アクション
対応機種 PCエンジン(Huカード/スーパーCD-ROM2)
発売元 ハドソン
開発元 ナウプロダクション
発売日 (Hu)1991年12月6日
(SCD)1992年5月26日
定価 (Hu)5800円
(SCD)4800円
ポイント アクションとしては普通
ドラえもんのリアクションが楽しい
Huカード版はドラえもん以外のキャラが空気

概要

  • 1991年に上映された同名アニメ映画のゲーム化で、メインジャンルは横スクロールアクションである。ソフトはHuカード版とスーパーCD-ROM2の二種類が発売された。当時のPCエンジンは同じゲームをHuカード、CD-ROM2系の2メディアにて発売する事が時折あった模様。
  • 以前にPCエンジンにて『迷宮大作戦』がリリースされたが、それとはストーリーはおろか、ゲームシステムも完全に別物化している。よって、本作は単にドラえもんを題材とした単独のゲームであり、迷宮の続編という訳ではない。
  • SCD版はHuカード版の上位バージョンの位置付けにあたる。SCD版の追加要素としては、大容量を駆使したアニメシーン導入やアニメキャストによるイベントフルボイス化、エンディングに映画版のテーマソングが流される、といったところ。ゲーム自体は両者共に特に相違は無い。
  • 一人プレイ専用、全5ステージ構成(1~4ステージは4つのエリアに分けられ、最終ステージは1エリアのみ)。

主なルール

  • 主な操作は十字キーでドラえもんの移動、ボタンは各自、攻撃ボタンとジャンプボタンに使用する。
    • 攻撃ボタンを押すと今装備している武器型道具(下記)にて攻撃を行う。
    • ジャンプボタンを押すとジャンプする。ボタンの押す長さによってジャンプ距離が変わり、ジャンプ中でキーにてある程度の移動調整が可能である。また、ジャンプ中に攻撃する事も可能。
    • ドラえもんが地面にいる状態でキーを下に押すと、うつぶせ動作を行う。また、キー斜め下にてうつぶせしながら移動もできる。但し、うつぶせ中は一切の攻撃ができない。
    • ドラえもんがジャンプ中にて崖上や段差に届くか届かないかの距離に接近している状態で、キー上+ジャンプボタンを4回押すとそこからよじ登って崖上などに着地する事ができる。
    • ときおり道端に根っこが植えられている。それに接近してキー下+ジャンプボタンを4回押すと根っこを抜いてドラ焼きアイテムが入手できる。なお、引っこ抜いたドラ焼きはそのエリアを抜けない限りは二度と復活しない。
      • 何故道端にドラ焼きが地面に埋まっているのかは不明。ゲームだからと割り切るしかないようだ。
    • 洞窟や部屋の入り口などがある場面でキー上を押すと、その中に入れる。入った先には何かしらのアイテムが落ちている事がほとんどなので、積極的に入る事を勧める。
    • エリアによっては水中での戦いとなる場面がある。このエリアにおいてはキーにてドラえもんの移動、攻撃ボタンにて攻撃となるが、ジャンプやうつぶせなどの操作はできない。ちなみに、水中戦なのに何故か根っこに埋まったドラ焼きは放置されている。
    • エリア中にSELECTボタンを押すとひみつ道具一覧リスト画面へ切り替わる。また、RUNボタンを押すとポーズができるが、一覧リスト画面もポーズの機能も兼ねるので、RUNボタンの使用意義はあまりない。
    • その他、エリアによってはドラえもんの様々な特殊動作があるが、ここでは割愛させて頂く。
  • ゲーム開始時のドラえもんの所持ひみつ道具は武器型である「ショックガン」しかないが、エリア内に存在するアイテムや、ボスを倒すと手に入る武器などを入手する事により、所持できるひみつ道具の数が増えていく。
    • 手に入れたひみつ道具の多くは一覧リスト画面に追加表示され、武器型と消費型に関してはその中から道具を選択(装備/使用)する事が可能。主なひみつ道具の種類としては以下の通り。
    • 武器型…ドラえもんの基本武器を選択できる。どの武器も使用無制限。いくつかのボスは特定の武器でしか倒せない。
      • 「ショックガン」…初期装備。前方一方向に連射可能で一部の敵の動きを止める弾を発射する。攻撃力は低く、敵によってはダメージすらも与えられないデメリットもある。
      • 「くうきほう」…ステージ1内にて入手可能。前方一方向に弾を発射する。ショックガンよりかは連射が効きにくいが、攻撃力が高く敵によっては遠くに吹き飛ばせる(一撃で倒せる)性能も持つ。
      • 「アタールガン」…ステージ1ボスを倒すと入手可能。ドラえもんの近くにいる敵にサイトが表示され、攻撃すると弾がそれに誘導して自動的に倒してくれる(いわゆるサーチ系の武器)。攻撃力が高いが連射は非常に効きにくい。また、サイト表示に関係なく直接弾を敵にぶつけて攻撃する事も可能。
      • 「ヒラリマント」…ステージ2ボスを倒すと入手可能。近距離専用攻撃で他の武器に比べてリーチが著しく低い反面、攻撃判定が強く、敵はおろか敵の弾を吹き飛ばし、吹き飛んだ敵らを他の敵にぶつけてダメージをあたえる事が可能。
      • 「?」…ラスボス戦途中で入手可能。ラスボス戦でしか使用できない(ラスボス戦を抜けるとアイテムリストから削除されている)。一応ラスト武器なので詳しい効果はここでは避けておく。
    • 消費型…使用制限ありの道具で、使用するとその道具は消耗してしまう。また、その消費道具を持っている最中に同じアイテムを取ると、強制的に即効果が発揮されるが、その一覧にある道具自体は消える事はない。
      • 「タンマウォッチ」…使用すると一定時間敵の動きが止まる。
      • 「バリアーポイント」…使用すると一定時間ドラえもん周りにバリアが張られ、触れた敵を吹き飛ばせる。但し、完全無敵ではないので、倒せない敵に倒しては防ぎきれない。
      • 「バリアーオマモリ」…使用すると一定時間ドラえもんが完全無敵になる。
      • 「ぎゃくどけい」…所持しているだけで効果が発揮されるどうぐ。ドラえもんのライフが0になると、ぎゃくどけいの消費と引き換えにその場からライフ全開で復帰できる。
      • 「プカリクリーム」…使用すると水面のある地形に溺れずに浮かぶ事ができる。使用したエリアを抜けるまで効果は続く。
      • 「いなずまソックス」…使用すると一定時間ドラえもんの移動スピードが大きく増す。また滝の急流を登れる効果もある。
    • 自動型…とある場所で自動的に効果が発動する道具。使用無制限。かなり役立つものから誰得なものまで色々。
      • 「しんかいクリーム」…水中エリアにて効力が発揮される。通常は移動にクセが発生してしまうが、これを持っていると水圧の抵抗を受けにくくなる。
      • 「オールマイティパス A/B」…AとBの2種類が存在し、通常ではお目にかかれない特定のひみつの扉が開かれる。AとBによって開かれる扉に相違がある。
      • 「かいそくシューズ」…砂漠エリアにて効力が発揮される。通常は移動にクセが発生してしまうが、これを持っていると移動がしやすくなる。
      • 「スーパーてぶくろ」…ステージ3ボスを倒すと入手可能。特定の壷や壁などに近づくと効力が発揮される。壷などを破壊する効果がある。
      • 「カラオケマイク」「チアガールてぶくろ」「ガードセット」…説明書にてその効力が書かれていない自動型アイテム。効力の詳細は割愛する。
    • 即効型…一覧リストには一切ストックされず、即効力が発揮される道具。アイテムで入手できるもの以外にも、幾つか入手経路が存在するので併記する。
      • 「タケコプター」…アイテムで入手可能。十字キーにてドラえもんを移動し、制限時間内なら好きな方向に飛び回れ、さらには完全無敵ではないものの敵を体当たりで倒せる効果。制限時間を越えると強制的に地面へ落下する。
      • 「クイック」…アイテムで入手可能。一定時間ドラえもんの移動速度が速くなり、タケコプター同様の敵体当たり効果。
      • 「ドラ焼き」…上記の根っこのついたドラ焼きを抜くか、ミニゲームで入手できる。ライフが1回復。
      • 「フルパワー」…ミニゲームで入手できる。ライフ全回復。
      • 「1UP」…ミニゲームで入手できる。1UPの効果。
      • 「2UP」…ミニゲームで入手できる。3UPの効果(2UPではない)。
      • 「ランダム」…ミニゲームで入手できる。消費型アイテムの何かがランダムで入手できる。
      • 「ミニゲーム」…アイテムで入手可能。「あみだくじ」「たからさがし」「シャッフル」の3ゲームのうちのどれかのミニゲームが発生し、その結果によって何かのアイテムが入手できる。アイテムに外れはないが、ライフが余っている状態でドラ焼きやフルパワーを入手すると実質の外れとなってしまう。
    • ネタ型…アイテムとしての効力は全くなく、お遊び的な演出が拝めるだけの道具。もちろん取ってもゲーム的に何の得はないが、笑えるものもあるので暇ならば拝んでおきたい。道具の一例としては「水中はなび」「オトコンナ」など。また、道具ではないが「ドラミからの励ましのメッセージ」なんてものもある。
  • 各ステージの初回3エリアはゴールポイントであるどこでもドアをくぐればクリア、4つめのエリアは待ち構えるボスを倒せばそのステージがクリアとなる。ステージ5は後戻りができない強制進行、エリアが1つしかないので奥まで進めばラスボス戦となる。
    • 各エリアに入るといきなりドラえもん後方にどこでもドアが置かれている(初回のステージ5は例外)。これにくぐればMAP画面に戻れるが、あくまでも前戻りしただけで当然ながらそのエリアのクリア扱いにはならない(単にMAP画面に戻るだけ)。
    • 一度クリアしたエリアはステージMAP画面にて何度でも挑戦する事が可能となっている。先のエリアで取ったひみつ道具で通過できるようになる障害もあり、その先にさらに別のひみつ道具アイテムが置いてある場合もある。
    • ステージ5をクリアし、エンディングを迎えた後にタイトル画面に戻ってコンティニューすると、ステージ5を含むすべてのエリアが選べるようになる。
  • ライフ+残機制。最大ライフ値は常時4、ダメージは1で固定。ライフがなくなるとミス後の復活にてステージMAP画面に戻される。残機をすべて消費するとゲームオーバー。なお、エリア、及びステージをクリアしてもライフは一切回復しない。
    • 本作には原則として落とし穴は存在しない。水辺に落ちて溺れてもミスではなく近くの足場に移動すれば復帰できる。但し、砂漠エリアの沈む底なし沼(何も操作しないと下に沈んでしまう)にはまると即ミスしてしまう。
    • エリアクリア、もしくはミス後の復活時でも、一部例外を除けば所持しているひみつ道具はそのまま引き継がれる(アイテム消費などのペナルティは無し)。

評価点

  • 迷宮大作戦に比べ、バリエーションに富んだステージ構造になり、マンネリ化の面では大幅に改善が成された。最も、他の同系統のアクションとして見れば、可も不可もない構造なのだが…。
  • 比較的低めの難易度だが、ゲームバランスはなかなかのもの。極端な難易度の偏りは皆無で、先に進むにつれ正当に難しくなっていくという流れ。キャラゲーだからといって作りの手は抜いていない。
    • 「難しいステージでも、消費型道具の多用で切り抜けられる」という救済措置が与えられているのが大きい。
  • 何気に操作性が良質で、軽快なプレイを堪能できるのも嬉しいところ。流石は信頼のハドソン製(開発はナウプロだが)といったところか。
  • グラフィックはちゃんとドラえもんらしさが表現されている。さらにはゲーム中のドラえもんのリアクションがやけに豊富で動かしているだけも楽しい。
  • BGMのクオリティは本作も高く、聞き応えがあるものとなっている。但し、迷宮大作戦のような「ドラえもんのうた」を良アレンジしたメインステージBGMは存在せず*1、オリジナル楽曲が大半を占める。

問題点

  • 迷宮大作戦に存在したセーブ、パスワード機能が本作には一切存在しない。迷宮程ではないにしろクリア時間が長びきやすい本作においてはこれはきつい。また、難易度設定もなくなり、一難易度ぽっきりとなってしまった。
    • 但し、裏技にてステージセレクトができる救済処置はある(SCD版のみ)。
  • ミスしてしまうと、ステージMAP画面に戻される、すなわちそのエリアの最初からやり直さなければならない。特にボスエリアの構造は他エリアと比べ長い道のりである事が多く、ミスするとかなりだれてくる恐れがある。
    • 幸いにも(?)ボス自体は全体的に弱いので、そこまで進むと何とかなる事は少なくない。

賛否が分かれそうな点

  • Huカード版のイベントにおいては、誰も会話をせずにキャラのジェスチャーのみの表現になっている為、映画版を知らない人からしてみればどういうストーリーなのかが分かりにくい。また、Hu版はドラえもん以外のキャラにスポットライトが当てられる事が少なく、ぶっちゃけドラ以外のキャラはほぼ空気といえる有様となってしまった。
    • 反面、SCD版はフルボイスによる会話とアニメ絵が挿入され、ちゃんとドラえもん以外のキャラもイベントで登場する機会が増えているので、もしストーリー、及びキャラのやり取りを本格的に堪能したい場合はSCD版の方が向いているといえる。
    • 但し、Huカード版も表現としては頑張っているので、Hu版が必ずしも見劣りするとも限らないし、余計なアニメ演出はいらないからゲーム的な表現で楽しみたいというならばHu版の味わい深さも捨てがたいところ。
  • 映画版と若干話の設定が違う。最も、アクション重視のゲームなので、よほど映画版ストーリーにこだわらなければ大して気になる問題ではない。

総評

  • アクションとしての出来は本当普通としかいいようがないレベル。特別凄いというべきものも、クソゲーととれるような酷い部分も見当たらない。
  • ストーリーを楽しみたいならSCD版、余計な演出抜きで楽しみたいならHuカード版がおそらくは適任だと思われる。
  • ドラえもんゲーが偏見的にクソゲーだらけと思われてしまいがちだが、実際は最低限かそれ以上は遊べるゲームの方が多い気がする。迷宮大作戦と本作、2つのPCエンジンドラゲーは決してクソゲーではない、これは断言できる。