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遊☆戯☆王デュエルモンスターズ8 破滅の大邪神 - (2023/02/04 (土) 03:05:31) の編集履歴(バックアップ)


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遊☆戯☆王デュエルモンスターズ8 破滅の大邪神

【ゆうぎおうでゅえるもんすたーずえいと はめつのだいじゃしん】

ジャンル カードバトルロールプレイングゲーム
対応機種 ゲームボーイアドバンス
メディア 128MbitROMカートリッジ
発売元 コナミ
発売日 2003年3月20日
定価 4,800円(税別)
判定 クソゲー
ポイント 理不尽な難易度
ラーを先に出せるかどうかの運ゲー
キャラゲーとしては意外と良好
結局カードのおまけ
遊☆戯☆王 関連作品リンク


概要

人気漫画原作アニメのゲーム化『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』シリーズ第8作目。
前作同様、マップを移動して対戦相手とデュエル(カードバトル)をしてストーリーを進める「カードバトルRPG」として発売された。
本作のストーリーは原作バトルシティ編の後日談に位置するオリジナルストーリーとなっている。

前作の大きな問題点として、「難易度が低すぎる」「ボリュームが無さすぎる」というものがあった。これに対してメーカーが取った改善策は「封印されし記憶以上の超高難易度化」という大邪神を降臨させることであった。
結果的に、本作はシリーズのナンバリングを破滅に導いてしまった。

ストーリー

バトルシティでの戦いの後の話。

「デュエル特急」で行われる大会に参加しようとしていた主人公、城之内、遊戯の3人。
しかし、千年パズルと共にもう一人の遊戯が姿を消してしまう。
パズルを探す3人のもとにイシズが現れ、恐ろしい事実を語る。

何者かが大邪神・レシェフをこの世に復活させる儀式を行ってしまったこと。
その影響によって3枚の神のカードが力を失い、石にされてしまったこと。
大邪神を封印するためには、世界中に散った千年アイテムを取り戻し、3幻神に再び力を与えるしかないこと。

この世界を大邪神から救ってほしいというイシズの頼みを聞いた主人公たちは、千年アイテムを探す旅に出る。
しかし、大邪神を復活させた男・天馬太陽が刺客を送り込み、主人公たちに挑戦してくるのだった……。

前作との共通点

前作からの続き物という位置付けのため、そちらの記事も参照されたし。

  • 主人公はオリジナルの少年(名前入力可能)。ただし、容姿や設定は前作と異なる。
  • マップを移動してAボタンで会話、Rボタンでデュエルを申し込む。デュエルはキャラによっては断られたり、普通の会話と反応が一緒だったりすることもある。
  • デュエルごとにもらえるドミノ(金)を使ってカードショップでカードを売買できる。
    • さらに、デュエル前にカードを賭けて(アンティにして)勝つと相手のアンティカードを貰える。アンティカードは対戦相手ごとに抽選で決まる。低品質のカードをアンティに出すと、全キャラ共通の低品質カードテーブルからの抽選になってしまう。
    • 前作の時点で問題になっているが、どのアンティカードが貰えるかを試合前に知ることができない。
  • カードごとにコストが決められており、強いカードほどコストが高くなる。さらに、プレイヤーのデュエリストレベルより高いコストのカードはデッキに入れること自体ができない。
  • デッキのカードのコスト合計がデッキキャパシティを超えるようなデッキは組むことができない。デッキキャパシティはデュエルを繰り返すと上がっていく。
  • 召喚魔族の概念があり、相性が悪い魔族と戦闘になった場合、ステータスに関係なく破壊される。
  • モンスターカードの融合は一切不可能。強いモンスターを出すには、場のモンスターを生け贄に捧げて手札から高レベルモンスターを召喚することが基本となる。
    • 必要な生け贄はOCGとは異なり、1体~3体までの幅がある。
  • バトルで破壊されるなどして捨て札になったカードのうち、モンスターカードは各プレイヤーの最後の1枚だけ「墓地」にあるカードとして、特定のカードの効果で再利用することができる。
  • 魔法・罠カードはフィールドに5枚まで置ける。
  • 神のカードはコストが0に設定されている。また、効果によって破壊したり、コントロールを奪ったりすることができず、攻撃力アップ・ダウンの効果しか受け付けない。

前作から変わっている点については、改善された点と改悪された点が存在する。以下に詳述する。

前作からの改善点

  • イベントシーンの演出が強化。フキダシを利用した感情表現や、会話ウィンドウに表示される顔グラフィックに表情差分が追加されたりしている。モンスターの攻撃演出も、カットインが入って必殺技を繰り出す、といった演出がなされるようになった。クライマックスでは遊戯・海馬・城之内が揃い踏みする演出もある。
    • ただし、会話時のグラフィックはバストアップからウィンドウ形式になって縮小され、口パクのアニメーションもなくなってしまっている。
    • オープニングなど、要所要所のイベントは紙芝居形式ではあるがアニメーションで演出されるようになった。
  • 遊戯・城之内はプレイヤーについて歩くようになっている。双六のゲーム屋に戻ると対戦も可能。また、前作から本田がスパーリング相手として続投しており、それに加えて御伽とも対戦可能になった。
  • 前作にも登場した「デュエルロボ」が強さを初級・中級・上級から選べるようになり、獲得カードも強さによって変わるようになった。
  • 通信ケーブルを利用しての対戦・カード交換が復活。だが、後述の理由から神を出したもの勝ちになりやすい。
  • 神のカードは最終的に3種類全てがプレイヤーの手に渡るようになった。特に《ラーの翼神竜》は原作に登場した3形態が別々のカードとしてすべて再現されている。
    • ただし、《ラーの翼神竜 (スフィアモード)》についてはデュエルで全く役に立たない、キーアイテムのような扱いになっている。
  • 起動型効果だけだった効果モンスターに永続効果・墓地発動効果が追加された。前作から登場している効果モンスターも一部が永続効果に変更されている。
    • これに伴い前作では中途半端な再現だった《ウィジャ盤》はOCG同様、ターンごとに1文字ずつ死のメッセージが場に揃っていく仕様となった。
  • クリア後もデータが保存されるようになった。さらに、クリア後は隠しマップ「永遠の間」に挑戦することができる。ラスボス戦を再度行うこともでき、そのバトルで手に入れたカードもセーブすることが可能。
  • アニメ声優によるボイス演出のあるキャラが前作より増えた。
    • ただし、遊戯だけは一切ボイスが無くなってしまった。

前作からの改悪点

いくつかの追加要素がゲームテンポを下げている。

  • 連戦でライフポイント(LP)が回復しなくなった。
    • プレイヤーの体力にあたるLPは8000から始まり0になると負けだが、本作では減った分のLPは次のデュエルに持ち越される。さらにデュエル終了時、8000を超えた分のLPは持ち越されない。LPを回復するにはデュエル中回復カードを使うか、セーブポイント(自宅)まで戻るしかない。この仕様のため連戦が辛くなったばかりか、稼ぎ目的のデュエルもやりづらくなった。
    • 2連戦、3連戦、中には6連戦までもある(ラスボスですら2連戦である)。さらにこれらの連戦では、ほとんどの対戦相手のデッキに直接ダメージ魔法が投入されている。
  • 永続効果を処理するためなのか、カードを出す、攻撃するなど一手打つごとにカーソルが高速で盤面を巡回する。その間操作不能になるため、細かく待ち時間が発生して鬱陶しい。
    • さらに永続効果を持ったカードがあれば効果発動のメッセージが 行動のたびに毎回 挿入される上、エフェクトもカットできない。こんな仕様になっているのは後にも先にも本作だけである。
    • 神のカードの1枚《オシリスの天空竜》の発動エフェクトは咆哮になっているため、さらに鬱陶しい。
      • 何かする→「ギャー!(永続効果発動時の鳴き声)」→何かする→「ギャー!」…以下、どちらかが勝つか《オシリス》の破壊までループである。本作の《オシリス》は耐性持ちかつ「攻撃力4000に加え、手札1枚につき攻撃力1500アップ」という原作以上の凶悪効果になっているので、このエフェクトを我慢してでも使わなければならない。
    • カードゲームでのマナー違反行為に、手札や場に伏せたカードをしつこく触って試合を遅延させる行為がある。対人戦ですらない1人用ゲームでそれに近い気分を味わわされるためストレスが溜まる。
  • 通信機能追加によるハマリ回避のためか、カバンに1枚しかないカードは賭けることも売ることもできなくなった。
    • カードを賭ける時の手間が増え、いらないカードの処分もできなくなった。また、デッキに入れているカードは計算に入らない謎仕様。4枚あっても3枚フル投入すると余った1枚は処分できない。
    • 枚数ソートは存在するものの、こっちはデッキに入っている枚数も数えるため上記の仕様はスルーできない。
      • 過去作では『使用できるカード枚数』やDCが少ないと通信モードで遊べない仕様だった。そうしたほうが良かったのでは?
  • カードの総数は全800種類と、実は減っている。加えて前作にあった絵違いカードも消滅している。
    • 「パンドラ仕様の 《ブラック・マジシャン》」も消えてしまったため、原作主人公の切り札と同じ絵柄のカードをパンドラも使用してくるという弊害が発生してしまった。
      • もっとも、この仕様はシリーズ5作目「エキスパート1」で既にあったものだが。
    • 「スライムモンスタートークンを特殊召喚する効果」を持つ《スライム増殖炉》は、本作では何故か《チェンジ・スライム》が特殊召喚されるようになっている。《チェンジ・スライム》はトークンより能力が低い為、実質的に弱体化である。
    • 儀式魔法カードのほとんどが削られており、《カオス・ソルジャー》などごく一部の例外を除いて儀式モンスターは通常モンスター化している。これらのモンスターは全てコスト999となっており、プレイヤーはまずデッキに入れることができない。
  • カードが墓地に送られると発動する効果は、「すてる」コマンドで手札から捨てたときも発動できるため実質フリータイミング。
    • この「すてる」コマンド自体はGBC版のDM3からあったもので、手札が使用できないカードで埋まってしまった場合の救済コマンドだった。原作やOCGでは手札が制限枚数を超えてもドロー自体はできるので、手札を勝手に捨てられるルールは存在しない。
    • 神のカードの1枚《ラーの翼神竜 (フェニックスモード)》にもこの墓地発動効果があるため、手札から捨てるだけで《ラーの翼神竜 (バトルモード)》になって場に召喚される。普通に召喚しようとすると3体の生け贄(自分の場のモンスターを墓地に送る)が必要なのだが、この効果のため手札に引くだけで神が場に降臨する。
      • 神のカードは戦闘破壊以外の除去を受け付けないため、《フェニックスモード》を捨ててしまえば勝利が確定したも同然。除去されてしまう神以外の上級など投入するだけ無駄と化す(奪われる事を考慮すると逆に不利とすら言える)ため、文字通り「神頼み」になる。
      • 《バトルモード》の効果は「自分のLPを1になるよう減らし、その分ダメージ」のため、相手よりLPが上ならその時点で勝利が決まる。とはいえ《ラー》を使えるようになる頃にはある理由によりそのチャンスが少ない。詳しくは後述。
      • ただしこのカードが手に入るのは、ゲーム終盤。そこまでは自力でクリアしなければいけない。さらに《フェニックスモード》を手に入れるには、その後の6連戦イベントの後、ある隠しパスワードを入力しなければいけない。
      • なお、そのパスワードはゲーム中ではノーヒント。公式サイトにそのパスワードが記載されていたが、今となっては閉鎖されている
      • 実はクリア後に前述の永遠の間で闇マリクから手に入れることも可能なのだが、《フェニックスモード》を入手しなければ出現しないキャラなので無意味もいいところである。*1
      • 他に同様の効果を持つカードとして《黒炎の騎士-ブラック・フレア・ナイト》が存在している。こちらも制限カードに指定されており1枚しかデッキに入れられない。これらのことから、おそらく制作側は分かっていてこのような仕様にしたと思われる。
  • 制限カード(デッキに1枚または2枚までしか入れられないカード)に指定されているカードが前作より増えた。

ゲームバランスの問題点

「理不尽」の一言に尽きる
簡単すぎた前作とは間逆に、すべての要素がプレイヤーにとって不利に働くように改変された。圧倒的不利を楽しめるような調整をしているわけでもなく、単に手を抜いたとしか思えない。

  • DCと金回りがともに厳しく、デッキが非常に強化しにくい。
    • 獲得DCは1回に3、何度も戦える相手は1に減らされた。
      • 通信対戦を利用すれば、勝つと10、負けても5ポイントのDCを獲得できるのだが、他のプレイヤーを探すか、ソフトを2個用意しなければならない。
    • 獲得ドミノも激減。本田(シリーズ通して最弱の相手)など10ドミノに満たない。強い相手でも200~800ドミノ程度。
    • カードの値段は前作の10倍に値上げされた。《ワイト》のような低スペックモンスターでも640ドミノする。一方で売るときは前作と同様なので売値の20分の1。完全にぼったくりである。
      • カードコストも増えているため実質値段はさらに上がっている(値段はコストによって決まる為)。前作同様在庫枚数による値段変動は微弱なうえ、買い取り値も下がる。
      • 店に売られるカードは、全カードから完全にランダム。欲しいカードがある場合はパスワードで入力したほうが早い……
    • ……と思いきやそのパスワード入力ですら1000ドミノが必要。しかも入力に失敗しても戻ってこない。前作にあったDC・ドミノボーナスのパスワードはこの仕様に変更されたためか無くなっている。
      • 前作と同じで、入力しても店で買わなければいけない。ただでさえ値段が上がっているにもかかわらずである。
    • 本作では、前作にも登場したが買い物できなかった「亀のゲーム屋」で買い物をするように変更されている。前作より高値でカードを売りつけられるため、双六にぼったくられているように感じる。DDMでも双六の店はかなり渋い価格設定になっていたのだが、当時のスタッフは双六に何か恨みでもあったのだろうか?
    • 魔法・罠カードは軒並みコストが上がり、殆どが100を越す。200以上になるものもざらである。また、制限カードに設定されて1枚しか入れられないカードも増えた。
      • 初期レベルは72、DCは1600である。前作同様DCが3上がるごとにレベルが1上がる。1~3回戦って1上がる計算だが、カードのコストはそれ以上のスピードで上昇していく。通信対戦をしない場合、エンディング前では400ポイント程度が無理なく稼げる限界である。
        一例は(やや極端だが)後述のラスボスデッキレシピを見てほしい。ちなみに、初期レベルで使える低級モンスターカードの最高攻撃力は800である。
  • 敵は前作に比べ格段にパワーアップしている。
    • ゲームを始めたばかりのプレイヤーへの洗礼として、海馬コーポレーションに初めて行くと発生するレベッカとのイベントデュエルがある。彼女のデッキはコストが4053もある上に属性のバランスも良い為、最初に持っているカードではまず勝てない。負けイベントではなく、シナリオをある程度進めると消滅してしまう。
    • 彼女を除いても敵は序盤から高コストの魔法カードを発動してきたり、前述のコスト999モンスターを3枚投入していたりする。プレイヤーはなかなかレベルが上がらず、新しいカードも買えないため、常に劣勢を強いられる。
    • 伏せカードを警戒しないなど、単純すぎる思考はそのまま。思考面での不利を圧倒的なカードパワーの差で埋めているように感じる。
    • 前述のライフポイント非回復制のせいで、連戦の1戦目を勝ち抜いた時点でもうライフポイントがほとんどない、ということも起こりうる。ギリギリのライフで勝ち抜いても、次の対戦相手の直接ダメージ魔法を喰らって瞬殺されてしまう。
      • LP回復の魔法カードを入れればいいのでは? と思うかもしれないが、そうはいかない。
        まともに回復に使えるカードはLP2000回復の《天使の生き血》、5000回復の《治療の神 ディアン・ケト》くらい。《天使の生き血》はコスト50、《ディアンケト》はコスト100。コスト50は攻撃力2000以下のモンスターを破壊する罠カード《見えないピアノ線》と、コスト100は攻撃力に関係なく破壊できる《万能地雷グレイモヤ》と同コスト。一回の攻撃で2000程度は持っていかれるため、攻撃を防ぐこれらのカードを入れたほうがまだいい。
        《天使の生き血》1枚よりもモンスターを一体除去する《闇への手招き》(コスト15)を3枚入れたほうが安いのも問題。
    • ストーリーが進むにつれて相手のデッキは順調にパワーアップしていき、攻撃力1000~1500以上のモンスターが次々と出てくる。こちらは攻撃力900程度のモンスターを入れるにも四苦八苦な状態がずっと続く。さらに、地形が最初から相手のモンスターに有利なものになっているデュエルも日常茶飯事となる。
      • 対策としては相手のデッキの召喚魔族の傾向を把握し有利な属性で倒す、罠で自分のモンスターを守って上級モンスターの生け贄にする、など限られた手段しかない。
    • 後半の敵は攻撃力2000の下級モンスターは当たり前なうえ、初期LPを増やして10000以上にする、制限カードを複数搭載したデッキを使うなど堂々とルール違反をしてくる。
    • ラストバトルはLP20000→LP40000の2連戦。相手のデッキコストは10000を越し、プレイヤーは1枚使うのがやっとの凶悪カードを次々に繰り出してくる。
      正面突破ではとてもじゃないが勝ち目など無い為、召喚魔族を利用して時間を稼ぎ、引き当てたラーの翼神竜を(捨てて)召喚するのが確実……だが後半戦は相手も神を投入しており先に召喚されれば敗北は確実である。また、前半戦は召喚魔族が偏っていない。
      • デッキ枚数は40枚固定。最初に引くカードは5枚。《ラー》はもちろん一枚しか投入できない。引いた状態で始まる確率は低いため、ドロー補助や妨害手段を限界まで投入して一刻も早く引き当てる必要がある。
        しかし、このラストバトルは2連戦なのでこの運ゲーを2回も行わなければならない。たとえ引いたとしても効果で相手のライフを0にできない場合はさらに地味に攻撃していかなければいけない。もたもたしているとライフポイント直接攻撃の《火炎地獄》を撃たれたり、相手の《光の護封剣》+神のカードで《ラー》が倒される可能性もある。本当にどうしろと。
+ ラスボス後半戦のデッキレシピ。これを見てもらえば本作の理不尽さの一端がわかるはず。
名前・枚数 コスト 効果
闇晦ましの城×3 493 守備力2500。フィールドを闇に変え、モンスターを伏せ(効果再利用可能)にする永続効果。OCGとは違い制限カードとなっている(違反)
闇魔界の覇王 331 攻撃力2600(OCGでは2000、ゲームでは原作と同じなので2600)。生け贄が1体必要で、同クラスのモンスター中最強の攻撃力を持つ
秒殺の暗殺者×3 319 攻撃力2000。OCGのデメリット効果はない
オベリスクの巨神兵 0 神のカード。攻撃力4000、相手モンスター全て破壊+4000ダメージ。初期ライフ8000なので、相手が回復してない限り、上記の闇晦ましの城と合わせてまた効果を使えば勝利確定。
オシリスの天空竜 0 神のカード。攻撃力4000+手札一枚につきさらに+1500。最高5枚なので、11500までアップする(永続)
ラーの翼神竜 (バトルモード) 0 神のカード。上述のように相手よりLPが多いと召喚時点で勝利確定
ブラッド・ヴォルス×3 289 攻撃力1900
サンダー・ボルト 150 相手モンスターをすべて破壊。制限カード
火炎地獄 100 相手LPに1000ダメージ。制限カード
光の護封剣×3 300 3ターン相手の攻撃を封じる(神のカードでも無効化できない)。制限カード(違反)
メカ・ハンター×3 274 攻撃力1850
ダーク・ヒーロー ゾンバイア×2 350 攻撃力2100。攻撃力を500下げる代わりに相手モンスターを1体破壊
死者蘇生 250 相手の墓地にいるモンスターを蘇生させて味方にする。制限カード
巨大化×2 200 モンスターの種類に関係なく使える強化カード(攻撃力・守備力500UP)。制限カード(違反)
ハーピィの羽根帚×2 100 相手のセットした魔法・罠カードをすべて除去。制限カード(違反)
女邪神ヌヴィア×3 319 攻撃力2000。OCGのデメリット効果はない
激流葬×3 200 相手が攻撃すると起動し、相手のモンスターを全滅させる罠。制限カード(違反)
心変わり×3 500 相手モンスター1体を奪って自分のものにする。制限カード(違反)
強欲な壺×3 150 カードを2枚ドロー。制限カード(違反)

※制限カードリストは本作独自のルールに基づく。ちなみに、初期フィールドは「闇」となっており、相手の殆どのモンスターはさらにパワーアップしている。

  • この最強の敵に勝つための方法は、攻略本曰く「神の高速召喚が鍵となる」。神さえ出せてしまえばほとんどの相手に勝てる訳で、アドバイスになっていないような……
    • 敵の除去を掻い潜り、万を超えるライフを削り切るのは普通は無謀である……が、除去を全く受け付けない三幻神ならば話は別。つまりクリアするためには三幻神必須と言っても過言では無い。神を出せば万を超えるライフの敵をサンドバッグの如くタコ殴りにして勝利・出せなければせっかく召喚したモンスターは破壊され、攻撃も封じられ、ともすれば強奪されて相手のモンスターを含めた軍勢にタコ殴りにされて敗北……という勝つにしても負けるにしても一方的な展開ばかりになる。
  • クリア後の「永遠の間」に登場する敵はLPが30000または60000ある。が、連戦で無い上半分以上が神を突破できないためラスボスと比べれば温い。倒せば大量のDCとドミノを入手できるため、クリア前に解放されていれば稼ぎに使えたのだが…。
  • 全体的に炎魔族が冷遇されている。後半戦での相性で有利な森魔族使いのデュエリストはほとんどおらず、逆に相性で不利な水魔族が多いという有様。

ストーリーの問題点

世界各国が舞台になるなど、物語のスケールは大きくなっている。戦闘の難易度が非常に高いせいもあるが、本編のボリュームは前作に比べると増えている。しかし、お使いイベントばかりで相変わらずの一本道。

  • 隣町まで出かけるような感覚で海外に渡航するため、リアリティや世界滅亡の危機感はまるで無い。
    • 日本→イタリア→中国→カナダ→ガラパゴス→エジプト...とあっちこっちを回っているが、飛行機などに乗る描写は全くない。個人用ジェットを持っている海馬ならまだできなくもないが、本作では海馬は主人公達とは終始別行動である。
  • 各千年アイテムを手に入れるには、その地方の「千年守護兵」というオリキャラを倒す必要があるのだが、この千年守護兵はどういう設定なのかサッパリわからない。
  • 幕間で本田や御伽、杏子、静香のサブストーリーがあるのだが、そのうち「サルロボ騒動」のイベントがかなり酷い。
    • 本田が行方不明になり、双六の店から去っていったサル型ロボットを見て「本田がロボットに変えられてしまった」と思った主人公たち。ガラパゴスまで本田を探しに行くと、そこには大量のサルロボが住み着いているのだが……。
    • なぜか「デュエルが一番弱いのが本田だ」と決めつける城之内。本田が弱いのはシリーズのお約束とはいえ酷すぎる。
    • さらに城之内は、一番弱いサルロボを連れ帰った後、みんなにこれが本田だと証明しようと「本田、俺のいうことがわかるなら3回鳴いてみろよ」と命令する。攻略本では「よい子は友達にこんなことを言ってはいけないぞ」とキャプションがつけられている。
    • この話のオチは「本物の本田が食事から帰ってきて、勘違いだと判明する」というもの。ガラパゴスまで往復する時間があるなら、とっくに用を済ませて帰ってきそうなものだが……。
    • これを差し置いても、幕間のイベントは「世界が破滅しようとしているのに、こんな事してていいのか? 」と言いたくなるようなものばかりである。
    • 上述のサル以外はそれなりに演出もテキストも気合が入っており、息抜きのコメディシーンとして見ればそこそこ楽しめるものとなっている。デュエルは全く手加減してくれないが。
  • 世界各国といっても、1箇所につき2~3画面分のマップしかない。
    • 一般人の数やセリフが変化する回数も少ない。世界中を飛び回ったはずなのに、まだ「今日はデュエル特急(ゲーム序盤に挑むイベント)」と言っていたりする。
    • 中国、ガラパゴス諸島、エジプトには一般人すらいない。特に中国は無人になっていることのほうが多い。
  • 復活した悪のデュエリスト集団「ネオ・グールズ」の団員は前作のグールズ同様、倒しても画面を切り替えると復活する。今作ではさらに、あるキャラクターに話しかけるたびに何度も登場したり、倒したそばから補充の団員が来たりする。
  • ゲームシリーズ共通のオリジナルキャラクター「シモン・ムーラン」が本作でも登場するが、彼との戦いは6連戦になっており、本作でも屈指の難所となっている。
    • 彼に勝たないと《フェニックスモード》を解禁できないため、ここまでは自力で頑張る必要がある。
  • 今作オリジナルの登場人物「天馬太陽」の手下である「天馬団」は緑色の体に赤いマント、「ガウーリニーガ」という鳴き声を発するなど、某キャラクターを意識したデザインである。もちろん原作やアニメには登場しない。天馬団も画面を切り替えると復活するうえ全員LPが10000ある。だが、こいつらとの2回目の連戦(迷宮兄弟前)のどちらのルートも1.2人目は、マップの不備でスルーできてしまう。
  • ところどころに選択肢があるが、直後のセリフが変わるだけという内容も多く、意味のある選択肢が少ない。シナリオ上正しいほうを選ぶまでループする選択肢もいくつかある。
    • 序盤のイベントで遊戯か城之内を選んでタッグデュエルをするという展開があるのだが、実際のデュエルはシングルである。相方に選んだ方がデュエル後に感想を言う程度の違いしかない。
      • 迷宮兄弟や闇と光の仮面も同様に選んだ方としか戦えず、もう一人は相方が勝手に倒してしまう。
    • エンディング後にイシズから神のカードを返すかどうか問われるが、返さないと話が進まない。前作と同じ。
      • エンディング後に再開するとラストバトル直前から始まるため、実際は返さなくて済む。永遠の間に神のカード無しで挑むことになった場合、さぞ困ったことになっていたと思うが……。

評価点

  • 前作同様キャラクターの特徴はしっかり掴んでおり、喋り方がおかしい、このキャラクターはこんなことしないだろう、といったことはほとんどない
    • ただし、インセクター羽蛾だけはそのままの性格で出すのは少々問題があったためか、原作・アニメのような悪事は働かないようになっている。さらに、ある後半のイベントから「ツンデレ」「ツンひょ(ひょは羽蛾の笑い方から)」とファンから言われている。
  • 原作漫画、アニメに登場したキャラクターがモブ扱いで多数登場。井守、根津見、海馬邸の執事、ストリートファイター等といった原作ではデュエルすらしていないマイナーキャラもいる(根津見以外はデュエルする事も可)。ゾンバイア花咲や「真崎杏子16歳!」で有名な《ペンギン・ナイトメア》などに至ってはイベント化されている。
    • アニメGXやOCGで登場して話題になった「カイバーマン」も実は本作が初出である。ただし、中身は海馬の側近である磯野という人物。
    • クリア後には乃亜やシャーディーともデュエルすることも可能である。
      • とくにシャーディーは、「DM6」以降、未OCGだと、「DM3」以降デュエリストとして登場しておらず、貴重。
      • また、乃亜はアニメオリジナルキャラでありDSの遊☆戯☆王デュエルモンスターズ NIGHTMARE TROUBADOUR発売までデュエル出来なかった。本作にも本編で登場させようとした形跡はうかがえる。
  • 以上の点から「キャラゲーとしてはいい出来」だと言えなくもない。
    • マニアックすぎる点で言えば、「死者の腹話術師」と「死の物真似師」が登場している点も見逃せない。「死の物真似師」は原作での「死者の腹話術師」のアニメDMにおける差し替えキャラであり、この二人が一つの作品に登場すること自体がレアである。
  • アニメオリジナルのカードもいくつか追加された。OCGに先駆けてカード化されたもの、いまだにOCG化されていないカードも一部存在する。前者は《賢者ケイローン》、後者は《精霊王ルクランバ》など。
    • 前者のカードで《ペンギン・ナイトメア》、《パーフェクト機械王》はOCGのものとは違うオリジナルのカードイラストを使用している。また《ジャイアント・レックス》はアニメのものとは違う独自のカードイラストを使用している。これらのイラストは本作以外では全く使用されていない。
    • 長らく後者のカードに該当していた《ジャイアント・レックス》は2017年、《ゴッド・オーガス》は2018年になってようやくOCG化された。
  • ストーリーや雰囲気そのものはどちらかというと原作漫画に近いが、アニメDMオリジナルキャラやオリジナル設定をアレンジしつつうまく取り入れていたりするのも地味ながら悪くない。
    • ダイナソー竜崎やゴースト骨塚など明らかにアニメではなく原作準拠なキャラが多いことからもアニメDMがベースでないことはわかる。
  • EDも前作のあっさりしすぎたものとは打って変わって、それまで戦った一部のデュエリスト達のその後が描かれたものとなっており、なかなか壮大で見ごたえがあるものとなっている。高難易度のこのゲームをクリアした時の達成感が感じられるだろう。
  • BGMは使い回されたものの、新しく追加されたもの。どちらも良BGMである。また、前作から流用されたBGMでもアレンジされている曲も存在。

総評

劣化したクソゲーの続編であり、本作もクソゲーである点は変わらないが、ヌル過ぎ・ボリューム不足の前作を部分的に改悪、超高難易度化したことにより、別方向のクソゲーとなった。
カードのおまけが多少変わったところでどうでもいいのだが、ゲームバランスはかの『封印されし記憶』より酷くなってしまっている。本作では強いカードが《ラー》以外ほぼなく、相手のルール違反やプレイヤー側の制限がより強化されているためである。
どちらにせよバランスが崩壊しきった運ゲーだが
デッキ強化が非常に難しくなった点、連戦強制とカーソル点滅のせいでデュエルのテンポが悪くなった点は明確な改悪点であり、「封印されし~」ほど再評価されないのはこれらの仕様のせいでストレスが溜まりやすいのが原因だろう。
また、遊☆戯☆王の原作漫画が完結間近となりブームが去りつつあった時期に発売されたため、知名度が低いのも影響していると思われる。

余談

  • 次回以降のDMシリーズはナンバリングされなくなった。カードゲーム作品はOCGルールへ完全に移行したためと思われる。
  • 本作のラスボス《大邪神 レシェフ》は、本作発売から数年後にOCGカード化されている。本作ほどの極悪な強さではないものの、相手モンスターのコントロールを奪える効果付きの儀式モンスターとなっている。
    • 「光属性・悪魔族」という当時のOCGにしては珍しい組み合わせを持った1枚でもある。このゲームを意識したのだろう。
    • また、PSPのタッグフォース1~3ではゴエモンデッキというコナミネタデッキ使いのキャラがデッキに入れている。
    • 海外でのみ放映されたアニメ版DMの番外編「Yu-Gi-Oh! Capsule Monsters」では、ラスボスが使用するモンスターの1体として登場した。
  • 同梱カードの《サテライト・キャノン》と《賢者の宝石》はそこそこな効果だが、予約限定カード《ブラック・マジシャンズ・ナイト》は《騎士の称号》の効果で特殊召喚に成功した場合のみフィールドのカード1枚を破壊する。という微妙な効果で、その上に同梱カード《騎士の称号》は、ゲームを予約していない人にとってはこのカードは死に札となった。後に全て再録されている。
  • 神のカードの1枚《ラーの翼神竜》は、OCGカード化から数年後に《球体型 (スフィア・モード)》と《不死鳥 (ゴッドフェニックス)》としてOCG化され、本作同様に3形態別々のカードとして再現された。ただし、各形態の効果は本作とは全く異なる。
  • 海外では「Yu-Gi-Oh! Reshef of Destruction」の名称で発売されており、前作とセットにしたダブルパックも発売されている。テキストとボイスが英語になっている以外の違いはない模様。
  • 本作は、実は前作と話がつながっていない。前作では主人公が《オベリスクの巨神兵》の所有者になっており、海馬は手にしたことすら無い。だが、本作では海馬が原作やアニメ同様《オベリスク》を所持していた事があるということになっている。また、前作では《オベリスク》が最初に手に入る神のカードであったが、本作では最後に手に入るカードになる。