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Grand Theft Auto IV - (2018/12/13 (木) 16:07:28) の編集履歴(バックアップ)


Grand Theft Auto IV

【ぐらんどせふとおーとふぉー】 ※日本語版のみ記載。

ジャンル クライムアクション

対応機種 プレイステーション3
Xbox360
Windows XP/Vista
メディア 【PS3】BD-ROM 1枚
【360】DVD-ROM 1枚
【Win】DVD-ROM 2枚組
発売元 【PS3/360】カプコン
【Win】サイバーフロント
開発元 Rockstar North
発売日 【PS3/360】2008年10月30日
【Win】2009年3月20日
定価 【PS3/360】8,390円
プレイ人数 1人
(オンライン対戦:【PS3/360】2~16人、【Win】2~32人)
レーティング CERO:Z(18才以上対象)
廉価版 【PS3】PLAYSTATION3 the Best
【360】プラチナコレクション
共に2009年8月27日/3,990円
判定 良作
ポイント カプコン最後のGTA
再構築されたリバティーシティが舞台
アクション・アクティビティも進化
バカゲー要素は少なめ
Grand Theft Autoシリーズ


概要

世界中で大ヒットしたアクションゲームの金字塔であるGrand Theft Autoシリーズの第11作目。 本作以降のシリーズは『III』とそれ以降のシリーズ作品(『VC』『SA』『Advance』『LCS』『VCS』)とは世界観が異なるパラレルワールドであり、一部のファンサービスを除いては『III』以降の作品との繋がりは無い。

2010年にRockstar Gamesの親会社Take-Two Interactive (T2)の日本支社 テイクツー・インタラクティブ・ジャパンが設立され、それ以降はそこからパブリッシングとローカライズが行われている。

ストーリー

故郷でトラブルに巻き込まれたニコ・ベリック。彼は従兄弟のローマンを頼り、リバティーシティにやってきた。
ローマンはアメリカで成功を収め、豪邸に住み、高級車を乗り回し、女に囲まれて暮らしているという。
しかしいざ本人と会ってみると、ローマンはしがないタクシー会社の経営者に過ぎず、ボロアパートで借金まみれの生活を送っていた。
ニコは従兄弟のホラ吹きに呆れながらも裏社会で働き始める。だがニコには、この町にやってきた理由が他にもあったのだった…。

評価点・システム

  • 次世代ハードの描画能力とゲームエンジンの一新、マップの改変によってシリーズお馴染みの街「リバティーシティ」が美しくかつリアルな街に生まれ変わった。
    • 感情豊かな住人たち、時刻によって刻々と変わる街の姿、さながら「生きている街」と形容されるリバティーシティを舞台に、主人公を操作してミッションをクリアしていく。

「生きている街」リバティーシティ

  • 本作の舞台はニューヨークをモデルにしており、自由の女神やタイムズスクエアなどの名所がパロディとしてリアルに再現されている。
  • 街を歩く一般人も進化しており、外見や行動パターンが大幅に増え、表情や反応が豊かになり、飲み物やバッグ、書類、携帯や音楽プレイヤーなどを持ち歩くようになった。
    • その行動は多岐に渡り、屋台などで食事をする者、ベンチで本を読む者、駅のホームで演奏する者など数え切れないほど存在する。中には焚き火で暖をとるホームレスや警察に連行される若者も。
  • 本作ではシリーズお馴染みのラジオのほかに、テレビが隠れ家で見ることが出来、パソコンからは仮想のインターネットにアクセスすることまで出来る。
    • 二つとも内容はラジオに引けをとらず、それぞれ現実そっくりにつくられており、本編では語られない裏設定やファンならニヤリと出来る小ネタなどを堪能出来る。
      • ただし、テレビ番組もインターネットも(メインミッションやサブミッションに関わるものを除けば)大半が日本語訳されておらず、英語が分からないと面白さが半減してしまう所が難点であろう。

主人公が利用出来る施設と店

  • 本作は多彩な施設や店が登場し、武器や服を購入したり食事をして体力を回復できたりとプレイヤーにとって便利な存在になっている。
    • 特に食事ができる店は屋台や自販機を含めバリエーションが豊富で、食べ歩きで全店制覇などの遊び方も出来てしまう。
  • またショーやダンスクラブにネットカフェ、ヘリに乗ってのツアーなど見て楽しむ施設も充実しておりプレイヤーを飽きさせない。
    • その他にもミニゲームとしてダーツ、ボウリング、ビリヤードがプレイ出来る店や、パズルゲームがプレイ出来る筐体などがあちこちに設置されていていつでも気軽に遊べる。
  • 前作まではこれらの店に入る場合ロードする必要があったが、今作ではロード無しで入れるようになっており、ほぼ完全なシームレス環境を実現している。

犯罪

  • 人を撃ち殺す、ひき殺す、車両窃盗などは犯罪の対象となり、警察に追跡される。犯罪の重度は手配度で表現され、1から最大6まで変動する。1や2程度ならばさほど労せず追っ手をまけるが、4以上ともなるとリバティシティーの警察の総力で追跡される羽目になる。警察官に密着されると逮捕される。
  • 逮捕されると最寄りの警察署に連行され、武器を全て失った状態で再開する。「賄賂として金と武器を渡した」という設定のため、懲役刑等は一切ない。たとえ病院の人間を皆殺しにしようと100人轢き殺そうと武器の没収で済む。
    • ただ、手配度が上がると撃たれて病院送りになる方が多い。

豊富なアクティビティ

  • 重要なNPCとのコンタクトは携帯電話を使って行う。ミッションの開始はもちろん、フレンドを誘ってどこかへ飲みに行ったり遊びに行ったりできる。
    • フレンドごとに友好度とリスペクト度があり、友好度を上げる事によってタクシーの手配やカーレースの参加などが利用可能になる。
    • ガールフレンドとのデートもできる。ガールフレンドは特に服装や車にうるさく、友好度を上げるためには常に新しい服装で望み、彼女を飽きさせないよう苦心しなければならない。仲良くなれば彼女の家へ上がりこんで大人の関係になることも。
      • このときの会話では「コーヒーを飲んでいっていいか?」「お互い火傷しないようにしましょう」といったものもある。さらにこれで得られるトロフィー/実績の名称が「ウェルカムコーヒー」(Warm Coffee)。まるっきり『SA』の「HotCoffee」問題をネタにしている。Rockstarは恐れを知らないのか
    • すべてのフレンドには好みがあり、それらを把握して行く先を考える必要がある。
  • 携帯電話からは警察、救急、消防に通話する事もでき、あっという間にかけつけてくれる。救急車両を強盗することも。勿論その場で犯罪になるが。

よりリアルになった乗り物達

  • 今作は車の動きが高度なものになってブレーキの使い勝手が良くなり、衝突などでの破損の表現がリアルに描写されるようになった。
    • 例を挙げると、銃撃されたガラスは蜘蛛の巣状のヒビが入り、車体の場合は穴が空くようになっている。タイヤがパンクしたまま走らせると剥げてホイールだけになるといった描写もある。
  • 前作までは乗り物の耐久値は1種類のみで、銃弾ですらダメージを受けすぎるとあっさりと炎上したが、今作ではすべての乗り物がボディ、エンジン、ガソリンタンクの3種類の耐久値を持つようになり、銃弾ではすぐには炎上しなくなった。
    • ガソリンタンクの耐久値が0を下回るとガソリンタンクから炎上して10秒経過後に爆発する。エンジンの耐久値が0を下回るとエンジンから黒煙を吹き、時間経過でガソリンタンクの耐久力も減っていくようになる。ボディの耐久値が少なすぎるとエンジンをかけるのに時間がかかるようになり、さらにボディにダメージを受けると降車時にエンジンを切ることができなくなる。
    • 前作までと違い、高いところから転覆した状態で地面に叩きつけられるなどして、一度に大きな衝突ダメージを受けると即座に爆破するようになった(前作までは『SA』の戦車による衝突以外で純粋な衝突ダメージで即座に爆発することは実質的になかった)。
  • タクシーには乗客として乗り込む事ができ、道路沿いであればどの地点でも自由に移動できる。最も多用する移動手段となる。
  • 車種が非常に豊富。レトロなアメ車、モダンなスポーツカー、バンやワゴン、バイク、トラックやフォークリフト、霊柩車、ゴミ収集車、現金輸送車などもある。

豊富になったアクション

  • 今作では主人公のアクションも進化しており、戦闘などでの戦略性が大幅に向上した。
    • 本作では拾う、しがみつく、飛びこえるなどの動作が追加され、素手での格闘ではカウンター、武装解除などの実践的な技が使えるようになった。
    • 各所に設置されたハシゴや清掃用ゴンドラを使えるようになった。次世代機に移行して描画距離が向上したことも相まって、敵陣に突っ込む前の偵察や高所からのスナイプなどのプレイも可能に。
  • 銃撃戦では物影に隠れられるカバーアクションが追加され、銃撃戦が高度なものへと進化した。
  • 前作までは乗車中に使用できる武器はサブマシンガン系のみ、方向も真横のみと限られていたが(『SA』ではミッションスクリプトやチートによる操作のみ全方位ドライブバイができた)、今作では新たにピストルや投擲武器が使用可能になり、エイムも全方位にできるようになった。

その他

  • 今作では一部の登場人物の生死をプレイヤーが決定できる。旧作ではミッションであれば例えどんな人物だろうと殺害対象は必ず殺さなければならなかったが、今作では場合によっては「敢えて生かす」と言う選択肢を選べるのである。それによって後の展開に若干の変化が現れる事もある。生かした人物から別のサイドミッションを受けたり、フレンドになったり、結局また襲って来るなんてケースも。
  • また、殺害対象を選択する事もある。二人の人物から互いの殺害を依頼されれば、どちらを殺してどちらを生かすかの判断はプレイヤーに委ねられるのである。
  • カプコンがローカライズした最後のGTAでありながら、『SA』以降のようなひどい規制が無いのもひとつの評価点。

賛否両論点

  • お遊び要素が前作より幅が無くなっている*1という意見もある。よって賛否両論なゲームでもある。
    • バカゲー要素の減少はシナリオにも反映されており、基本的に復讐の手がかりを探すために裏社会で戦う主人公ニコという構図は徹底されている。ほぼ完全なギャグキャラであるブルーシーのクエスト以外で、笑える要素は極めて乏しい。
    • 反面、ニコのどこまでもシリアスなキャラクター性に魅力を感じるというプレイヤーもまた少なくない。
      復讐という目的を抱えながらも、裏社会に身を染める行為を嫌悪している姿も度々描かれる。
      復讐という行為の無意味さもどこかで理解しており、事実シナリオ終盤では復讐を遂げるチャンスが訪れるが、
      それを実行するかどうかには葛藤を見せる(そしてその選択はプレイヤーに委ねられる)。
      総評するならGTA主人公には珍しい「根っからの悪人ではない主人公」*2であり、その人間臭さに魅力があるという声は多い。
+ 終盤の展開(ネタばれ)
  • 本作のエンディングはラストミッション前の選択によって2種類に分かれる。その選択とは、宿敵に復讐を果たすか、今までの恨みを水に流し宿敵と取引して大金を得るかである。だが、どちらを選んでもその選択肢を勧めたキャラクターが殺害され、どちらもその犯人をとある小島へ追い詰めるという、どちらも救いも代わり映えもない展開になる。
    • 逆に言えば 「たとえ信念を貫こうが曲げようが、復讐のため犯罪に手を染める人間は理不尽な報いから逃れられない」 という一貫した結末を示していると言える。シリアスな復讐劇の締めに相応しいエンディングであろう。
  • なお、当然だが死亡したキャラクターはエンディング後には登場しなくなってしまう。
    • メタ的に言えば無料タクシーを出してくれるローマンの死亡が回避できる復讐ルートの方が得。続編の『V』ではローマンの生存が確認でき、公式でも復讐ルートが正史である模様。
  • お遊び要素の不足に関しては、後に配信されたDLC『TBoGT』で大幅に追加されている。『チャイナタウン・ウォーズ』に続いてミッションリプレイも実装され、ミッションごとの目標を達成することでスコアが伸びる要素が追加された。
  • リアル化による弊害
    • 旧作に比べると動きが全体的にもっさりしている。
      • アクションの多くに予備動作や慣性がついている為、前作までの軽快な動きと好みが分かれてしまう。
  • 武器の種類が大幅に減少した上、弾薬所持数に制限ができた。
    • ただ、減ったなりにそれぞれの個性付けはしっかり行われているため、存在価値が乏しい武器というのはかなり少なくなっている。
    • 他作品では万能武器の印象が強いアサルトライフル系は特に弾薬制限が厳しめ(600発)になっており、中~遠距離戦特化という性格が強くなった。それに伴い、ドライブバイ以外では存在感が薄くなりがちだったサブマシンガンなどの近距離向け武器と使い分ける必要性が強くなっている。
    • 手榴弾を準備すると効果音が鳴るようになり、投げるタイミングを測りやすくなった。本作は閉所での戦闘が多いこととカバーアクションとの相性が良いことから、かなり強力になっている。
      • 余談だが、手榴弾はなぜか建設現場にやたら落ちている。
    • DLCでいくつか追加されているが、ゲームデータは独立しているため『TLAD』『TBoGT』の追加武器を『IV』に持ち込むことは出来ない。

問題点

  • 上述にもある通り、ややボリュームが減少している。ただし、密度はこちらの方が上である。
  • マップも『III』や『VC』と同様に洋上の都市へと回帰し、『SA』のような多種多様な地域は見られなくなった。面積もサンアンドレアス州より狭い。
  • 上記にもあるが、運転の精度が極めて上がり、前作と同じ感覚で操作すると間違いなく 滑る 。滑らかに動かせるのだが、とにかく滑りまくるため、まともに運転するには練習が必須。
    • これまで以上にコーナーや交差点で曲がる前にきっちりと減速してタイヤを滑らせないようにする必要性が大幅に増している。ドリフト走行もできなくはないが、上記の通り全体的に滑りやすくなった影響で、難易度が跳ね上がっている。
    • 今作では路面の凹凸まで緻密に作り込まれているのだが、これが上述の挙動と合わさって運転難易度の上昇に拍車を掛けている。
    • これに関連して、敵の車を追いながらのドライブ・バイ(運転しながらの発砲)が恐ろしく難しくなっている。常に速度を出しつつ、車や建物をかわしながら敵車に命中させなければならない。しかもこちらはロックオンできないので照準がぶれまくる。それなのに敵車はかなりのドライブテクニックで逃げる。タイヤさえパンクさせれば楽になるが、一つパンクさせるだけでもかなりの難易度。
    • 車の挙動については追加ストーリーDLC「The Ballad of Gay Tony(バラッド・オブ・ゲイ・トニー)」においては改善されており、前作までとはいかなくともリアルさを損なわない程度には滑りにくくなっている。
  • 治療費が高騰した等で支出が増えた中、収入が大幅に減った。
    • 大金がもらえるミッションもストーリー後半の銀行強盗ミッションと数えられる程度となり、他のミッションは報酬額が伸び悩む。
      • 手榴弾やRPG-7といった弾薬コストが高い武器を多用していると赤字になりかねないくらいであり、ミッションで得た収入が失敗の繰り返しで尽きると厳しい展開になる。
    • いわゆる「職業ミッション」もタクシーミッションと処刑ミッションだけになったが、前者は期間限定かつ10回(件)きりで、後者も下記の通りもはや有用な収入源ではなくなった。
      • 開始から一定時間(およそ15秒から1分まで可変)で現場に急行しなければならないのだが、単純な距離で決められているらしく曲がり角の多さや自分の車の向きが考慮されていない。そのため間に合わない場合も多い。
      • やっと辿り着いても、車両盗難タイプは上述の通り。ミッション中でも犯人に向けて発砲すると自分だけが手配され警察に追跡される時がある。こうなると警察官の攻撃に耐えながら犯人を倒さなければならない。
      • その上報酬は発生せず、犯人がドロップしたお金のみ。1ドルも落とさないこともままある。
  • 警察が役に立たない。
    • たまに警察が犯人を追っている場面に出くわすが、この犯人に危害を加えたりするとこちらが罪を犯した扱いになる。見て見ぬフリをするのがこのリバティシティーを生きる秘訣らしい。世知辛い世の中である…。VCなどでは報奨金が貰えたのだが…。
    • ギャングとの銃撃戦で警察を呼んでもまったく役に立たない。20人ほど警察官を呼んでも全滅したりする。こちらが罪を犯すと地の果てまでも追ってくるクセに。
  • ロックオンの仕様がボタン押しで固定照準(キャラにロックされる)、半押しで自由照準になっており、自由照準にしつつ狙って撃つのが難しい。また遠距離の敵は輪郭がぼやけて見辛い。
    • 一応HS(ヘッドショット)を決めれば敵は一撃で死ぬが、ゲーム的には重要視されていないのか、HSに関する進行度の上昇やトロフィー/実績解除は一切ないのが救い。
      ただし『TBoGT』ではヘッドショットを決めることがミッション目標に設定されているものがあり、100%クリアを目指すためには練習する必要がある。
  • フレンドとアクティビティが出来るのは新たなお楽しみ要素ではあるが、一度フレンドになったら程よく付き合い続けなければならない。
    • 長い間連絡を取らなかったり、誘いを断ったりすると友好度が減少する。下がり過ぎると恩恵を受けられなくなったり連絡が取れなくなったりと言ったデメリットがある。
    • 友人関係を上手く表現してはいる。…が、ゲーム中の時間などリアルタイムではすぐに経過する為、友好度維持の為には少し進める度にフレンドと遊びに行かなければならない。これがフレンドが増えて交友関係が広がると大変である。
    • いざミッションに向かう最中に「ビリヤードに行かねえか?」などと電話が入ったり「連絡くれよ」とメールが来る事などザラ。ただストーリーを進めたい時にはかなり面倒。
      • 一度承諾してからドタキャンすると友好度が下がらないと言ったテクもあったりするが、それって良いのか…。
    • しかもいざ遊びに行くとなると相手がどこに居ようが一時間以内に迎えに行く事になる*3。1秒でも遅れると友好度が下がる。
      • 一応、タクシーを使えば瞬時に移動できる。…が、現地で乗り物を調達する羽目に。
    • 携帯をスリープモードにしておけば着信を防ぐ事が出来る。街の探索時などには便利だが、これも長時間使うとやっぱり友好度が下がる。
    • さすがにミッション中であれば友好度を下げることなく断ることができる。そもそもミッション中ぐらい掛けてこないで欲しいものだが。
      • ちなみにミッションによってニコの断りのセリフは個別に用意されているという小ネタも。
  • 本作のダウンロードコンテンツとして『The Lost and Damned(ザ・ロスト・アンド・ダムド)』と『The Ballad of Gay Tony(バラッド・オブ・ゲイ・トニー)』が配信されたが、当初はXbox360独占配信であったため多くのPS3ユーザーから不評を買った。現在はPS3でも配信されており、『TLaD』と『TBoGT』だけが収録されたパッケージ『Episodes From Liberty City(エピソード・フロム・リバティーシティ)』と本編+外伝が入った完全版がどちらとも発売している。
    • 『TLaD』は本編の別視点といった趣が強く、武器の追加くらいでゲームシステム面にはそこまで手は入れられていない。『TBoGT』については上述の運転の挙動の改善のほか、ミニゲームの追加などお遊び要素が多数取り入れられている。
    • ただ日本ではカプコンがDLCを出す予定だったが突如配信中止となりその後日に海外で上記の『EFLC』の発売が発表され日本でのプレイはそれまで待たなくてはいけなくなり、一部ユーザーからは不評が出ていた。
    • 後に『IV』のSteam版も発売されたが、本編は日本からの購入も可能(日本語化は有志によるパッチが必要)なのに対し、上記DLC『EFLC』はいわゆる「おま国」となっており、日本国内から単品を購入することは出来なくなってしまっている。これについてもこの当たりの事情が関わっているものとみられる。
      Steam版『EFLC』を日本から入手するためには『Grand Theft Auto IV Complete Edition』というバンドル商品を購入する必要がある。本編を事前に購入していたり、『SA』とのバンドルで購入した場合、『Complete Edition』を別途購入する必要がある。非常にややこしい。
  • 『III』『VC』『SA』の隠しアイテム、『IV』だとハト駆除などのマップ中に散らばる収集物に対するご褒美要素が無い。強力な武器が使えるようになったりする過去作と比べ収集を行う意義は殆ど無い。
    • 上記の収集を含め様々な条件を達成した先にある100%クリアも同様で、ご褒美要素は「武器の弾薬の所持制限の解除」という過去作では最初から出来た事。ちなみに過去作での100%クリア特典の一部「弾薬無限」単体にも大きく見劣りする。
  • ゲーム自体の動作などについても悪評が多い(主にPC版)。
    • 「(PC版のみだが)インストーラー自体が文字化けしている」「前作で出来たMODが大幅に制限された」「必要スペックと実際に動くスペックがかけ離れている(当時はデュアルコア全盛期だったが実質クアッドコアクラスのCPUが必須に近い)」「そもそも最高設定が当時のPCではどうやっても快適に動作しない」。中には「海賊版対策のSecuROMが誤作動しずっと画面が揺れ続ける」などというものも。
    • 現代のゲーミングPCでは性能不足で動作しない、ということはほとんど起こらなくなったが、今度はグラフィックボードの性能が高すぎると設定が誤作動を起こしまともにプレイできなくなってしまっていた。また、Gamers for Windows Liveのサービス終了に伴い動作の異常が頻繁に発生する事態に陥っていたこともある。
      • 後に6年ぶりの最新パッチ(ver1.0.8.0)が配信されこれらの問題は改善されている(しかしVRAM容量の表示が異常になるのは直っていない)。MODもほとんど動作しなくなってしまったが、更新が久しぶりすぎたこともあり新バージョン対応が進んでいないのが現状である。

総評

自由度と収入が減った、お友達の顔色を常に伺わなければならないといった模索状態にある新要素など、完全新作であるが故の粗も多いものの、高性能機がもたらした劇的なグラフィックの進化の恩恵を受けた新たなるリバティーシティは良作たらしめるには十分の感動モノであり、その美しさに感動したニコも多いはずだろう。 遊びの幅が減ったのは賛否両論だが、DLCである程度カバーされていることや、シリアスな作風自体も一定の評価は得ている。

今となっては本作から得られる感動は後作の『V』に殺されがちなので、『IV』に触っていないのであれば、いきなり『V』に手を出す前に本作をプレイしてみてはどうだろうか。


余談

  • 後に発売された『V』とは世界観を共有しており、一部の登場人物が再登場している。
    また、今作の主人公ニコ・ベリックのその後については当初不明となっていたが、後に『V』の時代でも生存しており、
    裏社会から足を洗いタクシー運転手として平和な日常を送っていることが判明している。
    • 『V』発売当初は不明とされていたが、後に発売された次世代機版『V』でグラフィック向上により、ゲーム内のPCにおいてニコのゲーム内SNSのWebページが発見されたという経緯になっている。