「テイルズ オブ ザ ワールド なりきりダンジョン2」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

テイルズ オブ ザ ワールド なりきりダンジョン2 - (2016/01/03 (日) 00:39:09) の編集履歴(バックアップ)


テイルズ オブ ザ ワールド なりきりダンジョン2

【ているず おぶ ざ わーるど なりきりだんじょん つー】

ジャンル コスプレRPG
対応機種 ゲームボーイアドバンス
メディア 64Mbit+64KbitEEPROMカートリッジ
発売元 ナムコ
開発元 アルファ・システム
発売日 2002年10月25日
定価 4,800円(税別)
プレイ人数 1人
セーブデータ 1個+中断データ1個 ※中断データは再開後自動的に消去
周辺機器 通信ケーブル対応(コスチューム交換)
判定 良作
テイルズオブシリーズ関連作品リンク?


概要

ナムコ(現:バンダイナムコエンターテインメント)のRPG、「テイルズオブシリーズ」の各作品のキャラクターが一堂に会するクロスオーバータイトル「テイルズ オブ ザ ワールド」の1作目。
1作目なのに『なりきりダンジョン2』になっているのは「なりきりダンジョンシリーズ」で見た場合は『テイルズ オブ ファンタジア なりきりダンジョン』が存在するため。
テイルズオブシリーズにおいてはエスコートタイトル(外伝作品)に分類され、「なりダン2」という略称が主に用いられる。

前作・『なりきりダンジョン』はあくまで「『テイルズ オブ ファンタジア』の続編」という体だったが、本作からはその他のタイトルのキャラクターも登場する「テイルズオブシリーズを内包する作品」として位置付けられた。
本作では本作発売以前に発売されていたタイトル、『ファンタジア』・『デスティニー』・『エターニア』の3作品のパーティキャラクターが総出演する。
前作のシリーズキャラクターはあくまで主人公を導く役どころであったが、本作では一定の条件を満たすことで共に戦ってくれるようになり、更に彼らのコスチュームも登場する。
また、戦闘システムも前作のほぼターン制と変わらなかった「プチLMBS(-リムス)」からシリーズ伝統の「リニアモーションバトルシステム」を採用し、『エターニア』のそれをベースとしたリアルタイムアクションでの戦闘が実現した。


プロローグ

ユグドラースと呼ばれる世界。
レグニアの町に住むふたりの若者、フリオとキャロは大人として認められる年齢に達してはいたが、「成人の儀」を行うまでは正式には認められないために未だ子供扱いされていた。
本来、成人の儀は「アナスイの花」と呼ばれる花が咲く時期に行われるもので、もう花が咲く時期になっているはずであるにも関わらず未だ咲いていなかったのだ。
ふたりはアナスイの花を咲かせてもらうべく、世界の中心とも言える「世界樹」の麓にある神殿に祈りを捧げに来ていた。

世界樹の神殿の最奥には女神と呼ばれる存在がおり、フリオとキャロの願いに対して姿を見せるも、「花を咲かせることは出来ない」と答える。
なぜ咲かせることが出来ないのかと訪ねていたふたりを、突如迷い込んだ魔物が現れ、襲いかかる。
戦う術を持たず絶体絶命の危機に陥るふたりだが、そこに一組の男女が助けに入る。
卓越した剣の腕前を持つ男性と癒しの力でそれを支える女性…彼らの力を借りてどうにか魔物を撃退することに成功する。
男性の名はクレス、女性の名はミント…魔物は彼らが仕留めきれなかったものが潜り込んできてしまったものなのだという。

世界樹の加護を最大限に受けている神殿に邪悪な魔物が迷い込むことなど本来はあり得ないはず。
女神は世界樹が力を失っていること、アナスイの花が咲かないのもそれに起因していること、そしてこのままでは待つのは世界の滅びという末路だと知らせる。
先程のクレスとミントはそれを回避するべく女神が異世界より呼び寄せた勇者の内のひとりであるが、異世界の住人である彼らでは本当の意味でユグドラースを救うことは出来ない。
それ故に女神はフリオとキャロに世界を救うために力を貸して欲しいと頼むが、彼らにはクレス達のように戦う力など持ってはいない。
不安がるフリオ達に女神は着替えた服の職業になりきることの出来る不思議な「なりきり」の力を与える。

なりきりの力と勇者達の力、ふたつの大きな力を借りてフリオとキャロの世界を救うための戦いがこうして幕を開けたのだった。


システム

なりきり

その職業のコスチュームを着ることでその職業になりきる不思議な力。
例えば、剣士の服を着ればシリーズでおなじみの特技「魔神剣」や「虎牙破斬」といった技を駆使して戦うようになる。
また、ダンジョンの攻略や謎解きなどといった要素で特定のコスチュームが必要になることもある*1
その他、通常では特定のアイテムがなければ破壊出来ない岩を破壊したり、同じく特定のアイテムが無いと開けられない鍵を解錠出来たり出来るコスチュームもある。

服変化

前作では基本的に既にマスターしているコスチューム同士を組み合わせて新しい服を作成していたが、本作ではベースとなるコスチュームに「ルーツ」と呼ばれるアイテムを付与することで新しいコスチュームを作成する形となった。
また、ルーツ以外のアイテムを使う事も出来、その場合は使ったアイテムに応じて対象のコスチュームの能力を強化することが出来る。
勿論、特定のコスチュームに歴代のテイルズオブシリーズに登場したキャラクターに縁のあるルーツを付与することでシリーズキャラクターのコスチュームも作成出来、そのキャラクターになりきることも出来る*2
その他、前作同様にナムコの他作品のキャラクターのコスチュームも存在しており、同様にルーツと元になるコスチュームがあれば作ることが出来る。

ボーナスアビリティ

コスチュームに付与出来る追加効果でひとつのコスチュームに3つまで追加出来る*3
攻撃力を高めたりといった基本的な所から、TP*4の消費量を抑える事が出来たり、呪文の詠唱速度を速めたりといったものもある。
「なりきり師」など一部を除いたコスチュームにはそれぞれ固有のボーナスアビリティがひとつあり、上記の服変化を繰り返していくことでそれぞれの特徴あるコスチュームを作り上げることが出来る。

クエスト

本作を進行させる要のシステム。
ゲーム中において活動拠点となる「レグニアの町」のマップ上でLボタンかRボタンを押すことで様々な噂話を聞くことが出来、たまに「○○が頼みたいことがあるらしい」という噂が出て来る。
これを聞くと、マップ上にフリオ達に依頼したいことがある人物のいる場所に「HELP!」のアイコンが登場する。
その場所に行って該当する人物からクエストの大まかな概要を聞き、その上で受諾することでクエストが開始*5
クエスト受諾後は指定されたダンジョンで目的を果たせばクエスト達成となり、レグニアの町に戻って依頼主に報告をすることでそのクエストが完了となる。
報酬としてガルド*6やアイテムが貰えたり、時には料理のレシピを教えて貰えることもある。
これを繰り返すことでストーリーの根幹に関わる重要なストーリークエストが発生し、これをクリアすることで物語が進んでいく。
基本的にクエストは一部の重要なものを除いて失敗してもゲームオーバーにはならない。

なお、一部のクエストは受諾する際に特定のコスチュームをフリオかキャロのいずれかが着ていなければ依頼してくれない場合もある*7

余談だが、本作においてシリーズキャラクターと共闘するためには、このクエストをこなし続けてフリオ達に対する好感度*8を高めていく必要がある。

修行

一部のシリーズキャラクターは好感度がある程度上がっていくと修行に誘ってくることがある。
これはシリーズキャラクターが指定したダンジョンで一定回数の戦闘を積み重ねるものだが、その際に獲得した経験値*9に応じてHランクからS+ランクまでの評価があり、その評価に応じてご褒美として貰えるアイテムが変化し、更に修行に誘ったキャラクターに応じて上昇するコスチュームの能力の数値も変動する。
Sランクを獲得すれば修行に誘ったキャラクターのコスチュームを作るためのルーツ、S+ランクを取れば別の特定キャラクターのコスチュームを作るためのルーツが貰えるが、そのためには相当な量の経験値を得た上でコンボも相当数のヒットを決めなければならない。
回数のカウントはあくまで勝利した戦闘の回数なので低い経験値の敵からは逃げ、高い経験値を得られる敵に多くのヒット数を稼いで勝利するなどしなければSランク以上の獲得は難しくなっている。
また、クエスト同様修行に行くためにはフリオかキャロのどちらかが特定のコスチュームである事を要求してくるキャラクターもいる*10


登場キャラクター

オリジナルキャラクター

※レグニアの町の住人は多いため、一部のキャラクターにとどめる。

フリオ・スヴェーン
魔物の襲来で両親を亡くしたため、レグニアの街の教会で育った15才の少年。本作の主人公のひとり。
明るく前向きな性格で考えるよりもまず行動に起こすタイプ、加えて好奇心も旺盛なため何事にも首を突っ込もうとする。
自分の育った教会の負担を減らすべく、早く手に職を付け一人前の大人になりたいと願っている。
現在は町の鍛冶屋で修行中。
キャロ・オランジェ
フリオと同じく、教会で育った15才の少女。もうひとりの主人公。
フリオに比べて大人びた性格であり、真面目でしっかり者な所も真逆だが、息もぴったり合った仲良しコンビである。
フリオのことを憎からず思っている節が見られるが、年頃故に素直になれない所もある。
将来は服飾系の仕事に就きたいと考えている。
シスター・ミル
レグニアの町の教会のシスターで孤児や恵まれない子供たちを引き取って育てている。
フリオとキャロも彼女によって育てられた。
心優しい女性だが、幼い頃は結構お転婆だったようで作中でその話を聞くことも出来る。
ライエル
レグニアの町の長老。温厚でとても博識な人物。
魔物が増え続ける現状を憂えている。
フンダクル
町にある雑貨屋「フンダクル商店」の店主。
仕事一筋、商売命で生きた根っからの商人でフリオ曰く、ケチ。
アイテムの補充で何かとお世話になることになり、ストーリーが進むことで扱う商品も増える。
ステビア
いつの間にかオープンしていた「ステビア服飾店」の店主。
ここでコスチュームを購入したり、あるいは既に持っているコスチュームを変化させたり等が出来るのでフンダクル商店共々非常にお世話になることになる。
仕立ての技術は確かなのだが、どこか抜けた性格で謎めいた所も多い。

シリーズキャラクター

※仲間として共闘出来るキャラクターのみ記載する。
※下記の他にもコスチュームになっているキャラクター、およびボスとして戦うことが出来るキャラクターもいる。

ファンタジア デスティニー エターニア
クレス・アルベイン スタン・エルロン リッド・ハーシェル
ミント・アドネード ルーティ・カトレット ファラ・エルステッド
クラース・F・レスター フィリア・フィリス キール・ツァイベル
アーチェ・クライン ウッドロウ・ケルヴィン メルディ
チェスター・バークライト リオン・マグナス チャット
藤林 すず マリー・エージェント フォッグ
チェルシー・トーン レイス
ジョニー・シデン
マイティ・コングマン

評価点

「リニアモーションバトルシステム」の採用

  • 何をさておいてもこれの評価が大きい。前作はシナリオの評価こそ高かったものの、戦闘システムがリアルタイムアクションではなくターン制に近いものとなっており、戦闘バランス調整もかなりタイトであったためにそこが唯一の泣き所となっていた。
    • ベースとなっているのは『エターニア』の「アグレッシブ・リニアモーションバトルシステム」でキャラクターも3頭身で描写されているが、ハードスペックなどの要因からか流石に『エターニア』のそれと異なり、中級以上の術や一部の技の発動、アイテムの使用時などは一時停止する他、バックステップ等の細かなアクション出来ない等、最近のシリーズに比べるとやや窮屈かつ物足りないが、当時の携帯ゲームからすれば画期的であった。
      • 動作も非常に軽快で、必要最低限のものに操作を絞ったことで操作性も快適だが、戦闘参加のパーティキャラクターは3人*11までで敵は4匹までしか出現しない*12
  • ちなみに、流石にエフェクトは地味でカットインも無いが、一部キャラクターには「秘奥義」が用意されており、体力が減少した時に繰り出せる一発逆転の技*13として扱われている。

「GBAにしては」という断り無しに質の高いグラフィック・BGM

  • グラフィックに関してはダンジョンなどを含めて非常に細かい所も書き込まれており、元々2頭身であった『ファンタジア』および『デスティニー』のキャラクターの3頭身グラフィックも違和感を与えない上質なものとなっている。
    • BGMは基本的に本作に登場する3作品のBGMを流用しているのだが、音源の制限を感じさせないほどにこれまた質が高く、シリーズキャラクターのコスチュームを着せて戦闘した時に流れる該当作品の戦闘曲がファンサービスとして十分に機能したものとなっている。
      • 本作のBGMの質が極めて高かったこともあり、後のGBA版『ファンタジア』の著しく劣化したBGMに対しての批判意見がかなり強烈なものになってしまった。

やり込み甲斐のあるコスチューム育成

  • 本作での育成要素はコスチュームごとのレベルに一本化*14され、用意されたコスチュームもフリオ用、キャロ用合わせてトータルで200種類にも及ぶ。
    • 戦闘システムが強化されたこともあり、コスチューム育成だけでも十分に楽しめるものとなっている。
      • また、ボーナスアビリティの付け方で同じコスチュームでも差が出てくるため、その辺を見越した運用を考える楽しみもある。

露骨な優遇不遇がない

  • そんなの当然だろうと思う方もいるかもしれないが、最近の本シリーズのクロスオーバー作品では特定作品・キャラクターを過剰に優遇し、それ以外の作品・キャラクターを不当に貶す、通称「踏み台」によりキャラクターの設定や性格等が崩壊していることが多々あり、踏み台にされた作品のファンはもちろん、その為に不自然なキャラクター改変をされた優遇作品のファンからも顰蹙を買う要素が少なくないが、本作にはそういった問題はほとんど見当たらない。
    ほぼ全ての作品のキャラクターに平等に見せ場やイベントが与えられており、性格の崩壊等も殆ど無く、ほぼありのままの姿を見せてくれる。
    • そのため、純粋な気持ちでシリーズ作品の垣根を越えた共演、そしてこの作品ならではの豊富な掛け合いを楽しむことが出来る。
  • ただ全く問題無いかと言うとそうでもなく、前述したようにクエストをこなして行くとストーリーに関わる重要なクエストをプレイする事になる。その際、歴代シリーズのキャラクターがシナリオにのだが…
    • 『ファンタジア』の場合は味方側にミント、敵側にクレス、『エターニア』の場合は味方側にリッドとレイス、敵側にファラ…と、原則主人公やヒロインとなっているのだが、残りの『デスティニー』が味方側にルーティ、敵側にリオン…つまり主人公であるスタンが全くストーリーに関わってこない形となってしまっている。

問題点

ストーリー性が非常に希薄

  • 本編作品と比べるとストーリー性が元々かなり乏しくなってしまっている上、クエストシステムの影響でそれに拍車を掛けてしまっているため、ユーザーレビューサイトなどでもストーリーに関して「そんなもんあったっけか?」といったような意見まで出てきてしまう始末。小イベントの類も加味すればそれなりのボリュームではあるのだが。
    • 反面、戦闘ややりこみ要素の評価は高いので、ヘタに本編部分を重視するとこの辺の自由度が下がる可能性もあるが、流石にRPGとしては問題があると言わざるを得ない。
      • 前作の評価の主なものが「戦闘システムさえ良ければ…」だったのだが、本作は「戦闘は良いのだけど、ストーリーが…」となってしまったため、「上手く折衷してくれればいいのに…」という意見が出ることになった。
    • ストーリー自体は手堅くまとまっており、シリーズキャラクターのエピソードに纏わったイベントやレグニアに住むキャラクターの深堀り等の見応えも少なくない。これらを上手く拡張出来ていれば、まだ評価も変わってきたかもしれない。

一部キャラクターの登場条件

  • 不遇と言うほどではないのだが、「2回全滅すること」で初めて登場するキャラクターもいるため、全滅しないプレイを心掛けているプレイヤーやその辺に抵抗があるプレイヤーには辛い仕様になっている。
    • 別にゲーム中に数値で全滅回数が示されることもなければ、あくまで心理的なものではあるのだが、そういったものとは別になかなかに気付きにくい条件であることは間違いない。
      • 一応、1回全滅した所で存在を匂わせるのだが、それ以外に登場を匂わせる要素がほとんど無いのも事実。

コスチューム間の格差が強烈

  • 歴代シリーズキャラクターコスチュームのひとつ等、一部のコスチュームの性能が頭抜けており、TPの回復手段さえ確保すれば特定の技を連発する事で半ば無双出来てしまう。
    • また、全体的に歴代シリーズキャラクターのコスチュームが強めに調整されているため、基本コスチュームがそこに至るまでの過程に成り果ててしまっていることを惜しむ声もある。

自分なりの楽しみ方を見つけないと飽きやすい

  • 上記のようにストーリー性が弱い上に基本的にクエストの繰り返しとなり、所謂「お使いゲー」の要素がかなり強くなるため、シリーズキャラクター同士、あるいはそこにフリオ達を含んだ絡みや戦闘などの要素に魅力を見出せないとただの作業に陥ってしまいがち。
    • こうなってしまうとモチベーションを保てず、飽きてしまうと言うオチも。少なくとも本編作品のようにシナリオやイベント面を重視したプレイには致命的に向いていない事は確かなので、それ以外の要素に面白みを見出す事が肝要。
  • また、完全にこの作品に登場する歴代シリーズのファンを対象としている所があるため、知らない作品のネタを出されると全くついて行けない所も少なからずある。
    • シリーズキャラクターに関する「人物図鑑」があるが、最低限そのキャラクターを知る為の説明しかされていないのでこの辺を補完するには至らない。

コスチュームごとの定石ががちがちに固められていて育成幅が狭め

  • 効率を考えてプレイすると、どうしても付けるボーナスアビリティの選択肢はほとんど固まってしまうため*15、思ったよりも育成の実質な自由度は低い。
    • ボーナスアビリティが最初に付いた3つ以降は変更が利かないため、やることがほとんどワンパターンになってしまうという意見もある。
      • 特に一部のシリーズキャラクターやナムコ作品のコスチュームは1着しか作れないため、この影響が大きい。
  • 勿論、プレイスタイルによりけりな問題であり、その辺を考えないでコスチューム育成をやるとクリアが困難、あるいは不能になってしまうといったようなことはない。

周回プレイの引き継ぎ項目

  • 本作は周回プレイが可能となっており、その際に所持ガルド・プレイ時間・各種図鑑のデータを引き継ぐのだが、コスチュームは引き継がれない
    • そのため、クリア直前で友達のデータかもうひとつソフト(とGBA本体・通信ケーブル)を買って、そちらに育てたコスチュームを退避させない限り、引き継ぎを行ってしまうとせっかく育成したコスチュームが消えてしまう。

総評

本作の評価を支えるのはやはり携帯機でようやく実現した、「リニアモーションバトルシステム」によるリアルタイムアクション戦闘によるものが大きい。
そのためにストーリーを重視する人には大ハズレになってしまいかねないが、テイルズオブシリーズの特色であるアクションによる戦闘に魅力を感じている人にとっては「携帯機でもここまで出来るのか!」と思わせる程のものとなっている戦闘によって長くのめり込めるものとなっている。

また、クロスオーバー作品として見た場合も最近の作品に当たり前のように存在する優遇不遇の差、著しいキャラクター崩壊、踏み台といった要素が無いため、シリーズファンにとっては夢の共演がRPGでも実現したこととなり、歓迎された*16
そのため、出演作品のファンであれば間違いなく楽しめるものとなっている。

しかしながら、繰り返しになるが、RPGとしてのストーリーの弱さはいかんともし難い所があるのは間違いない所で、この点だけは強い批判を受けることとなった。
逆に言えば、(RPGとしてはある意味邪道だが)アクションゲームとして割り切れればシリーズを知らない人でも楽しめる完成度にはなっていると言える。


続編

2005年1月6日に『テイルズ オブ ザ ワールド なりきりダンジョン3』がGBAに発売され、こちらは本作の3作品は勿論、その後発売された『デスティニー2』・『シンフォニア』の登場キャラクターを網羅し、発売された直後の『リバース』の宣伝を兼ねてか主人公のヴェイグ・リュングベルとヒロインのクレア・ベネットがゲストキャラクターとして登場する。

こちらはジャンルを「コスプレS-RPG」とし、複数のチームを組んでそれぞれを運用する形となったため、一度により多くのシリーズキャラクターを操作して遊べるようになったが、全体的に本作に比べて粗が目立つ出来となってしまっているため、否寄りで賛否が割れている。

なお、『3』でも本作の主人公であるフリオとキャロが設定は変更されたが主人公として登場し、本作の重要キャラクターが「『2』の設定のまま」でゲスト出演、更には『なりきりダンジョン』からディオとメルがなりきりショップ*17の店主として登場する。


余談

本作および次作のジャンル名がジャンル名なので、一部でネタとして弄り倒されることになってしまった。
内容的には間違っていないのだが、当時(現在もかもだが…)の「コスプレ」という言葉の持つイメージ故のことなのだろう。