テイルズ オブ エターニア

【ているず おぶ えたーにあ】

ジャンル ロールプレイングゲーム
(シリーズ固有ジャンル名:永遠と絆のRPG)

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対応機種 プレイステーション
メディア CD-ROM 3枚組
発売元 ナムコ
開発元 日本テレネット、ナムコ
発売日 2000年11月30日
定価 7,140円
プレミアムボックス:10,290円
プレイ人数 1人(戦闘のみ1~4人)
セーブデータ 1ブロック使用(最大15ファイル保存可)
周辺機器 マルチタップ(戦闘のみ)、ポケットステーション
廉価版 PlayStation the Best:2002年11月7日/3,465円
判定 良作
テイルズ オブ シリーズ関連作品リンク

概要

テイルズ オブシリーズのメインタイトル(後のマザーシップタイトル)第3弾。略称は『TOE』『エターニア』。
キャラクターデザインは前作『テイルズ オブ デスティニー』に引き続きいのまたむつみが担当した。キャッチコピーは「変われる強さ、変わらぬ思い。」。
PS後期の作品であり、大容量を実現するためディスク3枚での発売となった*1。ボイスも多く収録されており、以降の作品ではメインシナリオの多くのイベントに声が付くようになった。
「インフェリア」と「セレスティア」、2つの世界がオルバース界面を隔てて向かい合う対面世界「エターニア」を舞台に、思いがけないきっかけから旅に出て、やがて世界を救うことになる少年少女たちの物語を描く。

ストーリー

オルバース界面を境に対面する2つの世界インフェリアとセレスティア。
インフェリアの片隅の村に住むリッド・ハーシェルとファラ・エルステッドは、ある日、セレスティアから落下してきた謎の機械に乗った少女メルディと出会う。
メルディを追って現れた謎の敵の襲撃を受けた2人は、村長からメルディを追い出すよう言われ、一緒に村を出ることを決める。
やがてリッドたちは遥か過去から続く因縁と2つの世界の危機を知る事となる…。

特徴・評価点

  • ストーリー
    • ダーク寄りなシナリオ展開が多いシリーズ中でもかなり王道な部類。お使い感が強いシナリオだが、ところどころにある細かい設定が巧く生かされており、奥深なシナリオに仕上がっているため王道さゆえのマンネリ感は全く感じない。
    • またシリーズ他作品によく見られる賛否両論を招く描写も殆どない。いい意味で王道を貫いていると言える*2
    • 主人公のリッドはシリーズ中でも屈指の常識人な主人公であり、未だに根強い人気を持っている。
      • 年相応に茶目っ気で軽い性格ではあるが「あくまで一介の猟師として平和に暮らせればいい」という姿勢であり、己の身の丈以上の冒険に対してはそれほど積極的に関わろうとはせず、寧ろ忌避的な態度を示す事が多い。だがそれ故に客観的な視点からの分析や意見を出す事も少なくない。しかしある人物との敵対、死別を切欠に自らの立場や使命を意識するようになり、やがてそれと向き合い乗り越える覚悟と信念を身につけ、毅然と世界の危機に立ち向かうまでの紆余曲折の描写の丁寧さもあって今現在に至っても好評を得ている。
      • お祭りゲーなどでは時折バカキャラや食い意地を張るだけのキャラにされていたりするが、本来の彼は断じてそのような人物ではない(寧ろ常識人な突っ込みや皮肉を混ぜて返す側)。
  • 世界観
    • セレスティアの言語「メルニクス語」は英語を元にした構文と文字の造形・発音が設定されており、実際に解読することができる。なかには序盤のほうからストーリーの核心に迫る記述が隠されている箇所もある。
    • 上記のメルニクス語のほか、学者の卵であるキールらが使う科学用語やエターニア世界独特の自然現象も細かく設定されており、世界観に厚みを与えている。
    • これらの架空言語の設定は以降の一部作品にも受け継がれた。
  • グラフィック
    • キャラの頭身が上がるなど前作から大きく進歩。
    • 背景グラフィックもPS後期にふさわしい美しさであり、戦闘時のエフェクトも更に派手になり戦闘の爽快感を演出するのに一役買っている。
    • 「デスティニー」から採用されたフェイスチャット(スキット)もキャラのグラフィックがシチュエーションに合わせて様々な動きをとるようになるなど、進化している。
  • フィールドの時間経過
    • シリーズでは初めて時間経過システムが搭載されており、フィールドを歩いていると昼→夕→夜と時間経過していき、それに応じて出てくる敵が変化する。
    • 基本的に昼の方が戦いやすく、夜になると戦いが辛くなる(挟撃されていたり、大軍で出てくる)ようになっているほか、夜の森にしか出てこない敵も出現。
      • 今作の場合、夕、夜にのみ出てくる強い敵と戦いたくない場合はキャンプを使えば即座に昼に戻せるので、夜にだけ登場する強力なモンスターは意図的に会おうとしない限り襲ってくることは無い。
  • 戦闘システム「A-LMBS」(アグレッシブ リニアモーションバトルシステム)
    • スピーディなアクションになり、格段に奥深く面白いものとなった。第一作『テイルズ オブ ファンタジア』から伝統のLMBSに完成形であり、以降の戦闘システムは基本『エターニア』から改良を加えている。
    • 前作までは中級以上の術を使うと戦闘がストップしていたが、今作からは召喚や超必殺技を除きストップせずアクションゲーム寄りの戦闘となった。
      • ただしハード性能の関係上中級以上の術及びそれに相当するものの発動中はずっと詠唱中になり、同時発動はできない。
    • 現在となってはテイルズの定番と言える必殺技「秘奥義」の登場。登場自体はPS版『ファンタジア』でクレスが使う「冥空斬翔剣」が先だが、こちらは正確には秘奥義ではなく、あくまで秘奥義相当の奥義扱い。今作から正式に「秘奥義」という名称がつき、主人公以外のパーティキャラの多くにもこの秘奥義が追加され、カットインがつくなど演出もアップした。
      • また、今作の秘奥義は現在のシリーズのように作中で説明される事がないため、発見した時の感動が大きい。
      • 主人公リッドの秘奥義は発動条件こそ複雑だが、発動元の技が使いやすい技に限定されているため、事前情報無しで秘奥義を発見する事が可能な点も見逃せない。ボタン連打していたら発動出来るようになった人も多いだろう。
    • 極端なバランスブレイカーと言えるような存在もなくゲームバランスは難し過ぎず甘過ぎずで初期3部作ではもっとも安定している。特にそれまで顕著だったハメ技めいた攻略がほとんど出来なくなり、『デスティニー』やPS版『ファンタジア』よりは難易度が上昇している。
      • 中盤にさしかかる辺りの砂漠で出てくる、とあるサソリ系の敵が、驚異的な攻撃力*3を持っている。その敵は同フィールドに出てくるモンスター(こっちはたいした事ない強さ)の色違いであり、間違えてしまうとパーティが全滅する可能性すらある。
      • 寧ろ、特に終盤では雑魚戦ですら操作キャラが一撃受けると、そのまま敵にハメ殺されて全滅してしまう事も珍しくない。
      • 本作では攻撃してものけぞらないステータスの鋼体は無いが、シリーズ他作品と比べてボスの硬直時間が短いため、こちらの攻撃中に鋼体を持っているかのように反撃される事も多い。これはターゲットにならない部位を持つラスボス等に顕著であり、上記2作に見られたラスボスハメ殺しは今作では不可能。
    • 難易度による変化はマニアでも敵のHP1.5倍、攻撃力1.2倍等他シリーズに比べて一見抑えめに見えるが、難易度を上げると敵に凶悪な技が追加されたり連携に大技を繋げてくる様になるので、実際の体感上は後作のunknownやchaosに匹敵する上昇幅である。
    • 術技で敵を倒す、戦闘難易度を上げる、特定アイテムを装備する等を行って発動する事が出来る「テクニカルスマッシュ」のシステムも今回が初。
      • 「テクニカルスマッシュ」が発動するとアイテムのドロップ率が上昇する仕組みになっていて、快適なアイテム収集が可能になった。
  • クレーメル・ケイジ
    • 術使いであるキールとメルディの使用する術の大半は、大晶霊(シリーズ他作品における精霊)に『クレーメル・ケイジ』と呼ばれるカゴに入ってもらい、更にケイジに『フリンジ』という反応を起こして大晶霊の力を掛け合わせる事で初めて覚えられるシステムになっている。
      ここで大切なのは掛け合わせる大晶霊は互いに別々のケイジに入っていないとならない事である。
      • 例えば回復魔法の一つであるヒールは「水の大晶霊ウンディーネ」と「風の大晶霊シルフ」が 別々のケイジに入っている間しか覚えられない (ヒールを扱えるのはウンディーネを入れている側)。
      • よって「一人はベンチ入りさせるから大晶霊はもう一人に全て集めよう」なんてやり方では術を最大限に活用してるとは言えない。
    • また、ケイジは二つしかないため、全ての術を同時に使えない事も重要である。
      • 例えば前述のヒールが使える間は風×火の術か火×水の術のどちらかが使えず、逆にその両方の術を覚えようとすると今度はヒールが使用不可になる*4*5
      • そのため、「火力重視のため二人にそれぞれ攻撃魔法を覚えさせる」「攻撃魔法と回復魔法を分担して覚えさせる」「ベンチ入りする側にも大晶霊を何体か預けておく」などパーティの運用に合わせてカスタマイズする事が出来る。
    • 他にも、組み合わせによっては術の代わりに「毒を受けなくなる」「敵を倒すとHP回復」など、覚えているだけで効果を発揮するボーナスが得られる。
  • その他
  • 料理
    • PS版『ファンタジア』のシステムを踏襲し、食材を組み合わせて作る形式である。料理は、街の中でなにかに擬態している『ワンダーシェフ』を見つけて教えてもらう。
    • キャラや料理によって成功率が違い、失敗した方が熟練度上昇が高い。好物であれば料理に付加された効果がより高くなる。
    • 今作より戦闘終了時に自動で料理を実行可能にする設定も登場した。前作の料理は戦闘を終える度にメニューを開く関係でゲームテンポが悪くなりやすかったが、オート料理設定の実装によって快適な熟練度育成を実現させる事に成功した。
    • 今作では料理の失敗は食べた扱いにならない(たまに大晶霊用の欠片アイテムが出来る)ため、失敗し続ける限り何度でも挑戦し、あっという間に上達することも。
      • 更に、たくさんの料理を極めると新たな料理を生み出すことも。当然、この方法で作り出した料理には専用の効果がある。
      • 『やみなべ』というメニューがあり、ランダムで食材を選んで調理するのだが、このやみなべで使用した食材が、たまたま何らかの料理の食材と一致し、かつその料理を習得してなければ新たな料理のレシピを得る事ができる。理論上、専用の効果をもつ新たな料理以外はすべてやみなべで習得可能であり『これではワンダーシェフも型無しである』と攻略本にかかれている。
  • どこでもセーブができる。
    • 本作にはセーブポイントが無く、街及びダンジョン内でも自由にセーブする事が出来る
      • ダンジョン内でセーブした場合は「ロードポイント」という中継地点からの再開になり、従来の記憶陣はこれが替わりとなる。
      • これらの仕様はシリーズ内でも本作のみの物になっており、次回作以降は前作以前のセーブ仕様に戻る事になった。
  • 本作ではエンディングに主題歌が存在する。曲はNew Cinema 蜥蜴の「eighteen」。
    • エンディングに歌があるのはPS版『ファンタジア』が最初だが、本作のスタッフロールは二部構成になっており、前半はキャラのイラストを背景にOPテーマのinstバージョンが流れ、エピローグを挟んだ後に主題歌が流れるという豪華且つ感動的な演出となっている。
    • 本シリーズではエンディングに主題歌を採用している作品は多くはなく、尚且つこのような演出を取り入れたのは後にも先にも本作のみである。
  • 更に『ファンタジア』『デスティニー』のキャラもゲスト出演し、正にPSテイルズの集大成と言える内容となった。

賛否両論点

  • フェイスチャットについて
    • 本作でのチャットは前作同様に移動中にボタンを押すと見られるヒントチャットとキャンプ時に見られる雑談チャットの2種類に分割された。
      • が、本作から始めたプレイヤーはともかく、前作のプレイヤーは前作同様にワンボタンで雑談チャットを見られると考えがちになってしまい、2つに分割された事についてはかえって紛らわしいという意見が多かった。
      • その為、次回作『デスティニー2』ではチャットがボタン発動のみに戻る事になりキャンプチャットは廃止されたが、後にDS『テンペスト』でキャンプの復活によりキャンプチャットも復活した。出来や賛否は言うまでも無いが。
  • 本作からメルディのように特徴的な喋り方をするキャラが増え始めるため、その点を批判される事も多い。
    • ただし、メルディはメルニクス語混じりの文法で話す今作独自の喋り方であり、決してとってつけた萌え要素の類ではない*6。プロデューサーの豊田氏は安易な萌えにならないよう注意を払ったとの事。

問題点

  • バグなど
    • アイテム「デッキブラシ」と「ブッシュベイビー」はコレクター図鑑に記録されてしまうと、次の周から入手出来なくなる。
    • 専用通貨「ジイニ」が2000万程度でオーバーフローする。
    • ラスボス戦における特殊な演出が発生しない場合がある。
      • 本来ならば「ラスボスの最後の反撃→リッドがそれを跳ね返して本当にトドメ」という流れになるのだが、チャットの「エターナルスロー*7」でラスボスにトドメを刺すと、ラスボスの反撃が発生しなくなる。また、4人ともオートで戦闘していても最後の反撃が発生しない。
      • 更にメルディの「デスティニー*8」でトドメを刺すと、反撃はされるのだが跳ね返せないと言う状況に陥ってしまう。
      • ただしエターナルスロー習得のためにはサブイベントをやり込まねばならず、デスティニーも「リアルタイムで30分に一回しか使えない*9」という特殊技なので、初回プレイでこれらの現象に遭うプレイヤーはそれほどいないと思われる。
      • 因みにラスボスの技は闇属性のため、一人のキャラの闇耐性を極端に上げておけばほぼ無傷で耐える事ができる。『リバースドール』を装備して全滅を回避することも可能。
  • AIが良くないため、操作キャラ以外の前衛キャラがあまり役に立たない。
    • 戦闘システムの出来に対して、この頃のAIは未だ発展途上であった。
    • まず、技の連携をほぼしない。ほとんど防御もしない*10
    • そのためか、ボス戦では操作キャラ以外の前衛キャラは後ろに待機させてアイテム係りにした方がいいと言われる事もある。
  • 容量の都合で、バンエルティア号のパワーアップシーンのムービーがカットされている。
    • 後に『電撃プレイステーションD』のCDに収録され、PSP版では標準で追加されている。
  • 世界観や、ストーリー上の重要人物「レイス」についてゲーム内でほとんど明かされない。
    • 多くは公式攻略本の設定解説やドラマCDのエピソードで種明かしされる形となっており、ゲームをプレイしただけでは分からない事が非常に多い。
    • その分攻略本などは読み応え充分なのだが、それ以前に「出し惜しみし過ぎ」という声があり、実際最低限ゲーム本編で取り扱うべきであろう要素も少なからずある。
      • その分ドラマCDでは彼の出番やエピソードが大幅に増やされており、第二の主人公と称しても過言ではないほどの存在となっている。
  • サブキャラであるチャット、フォッグの扱いがやや小さい。
    • 「両者ともセレスティア人なのにメルニクス語の看板を読めない」「技の数が少ない(2人とも6つ)」「メンバー入りしているのにイベント時画面にいない」など、もう少しどうにかできたのではないかと思われる部分がある。
    • ただ、この事自体は『ファンタジア』や『デスティニー』なども同様で、この時代では珍しく無かったのだが、お祭りゲームに登場した際に他のキャラより極端に技が少ないという弊害がでるようになってしまった。
      • フォローするならば両者とも最強クラスの特技を使えるのでやれることは決して多くはないが弱いということはない、寧ろ 一部特技がブッ壊れている *11
    • こちらもレイス程ではないが、ドラマCDで大幅に出番が増えている。
  • 音量の調整ミス。
    • 本編のボイスが極端に小さい場面があれば、メニュー操作の決定音や氷属性の術の音がやけに大きかったりする。
      • ゲーム内で音量は調整できるのだが、例えば一部効果音がうるさいからと下げてしまえば他の効果音が聞こえ難くなってしまうので困りもの。
    • 主題歌「flying」も音質が悪く、CDシングル版とはまったく別物になっている。
      • サビで急に音が大きくなるため、よく聞こえないからとテレビの音量を上げていると心臓に悪い。“聴くに堪えない”という類のものではないが*12
  • 称号
    • 称号コンプリートはシリーズ恒例だが、この『エターニア』だけ存在する「20時間以内にラスダンに到着」というものや「ラスダン到着時に平均戦闘時間○○以内」がある。これだけなら問題ないが「ディスク1限定のミニゲーム攻略*13」「キャンプチャットコンプ」により達成しづらい上にストーリー途中のミニゲームでテンポよく進めない*14。おまけに後述の周回プレーの仕様が前作から改善されなかった関係で折角集めた称号が水の泡に…。
      • また、本作のおまけダンジョンの一つの出現フラグに「2周目以降に到達」*15が存在していたり、特定アイテム獲得及びモンスターの登録条件にも「難易度「ハード」以上で出現する闘技場の隠しキャラクターを撃破」という物も含まれている事から、称号獲得条件の一つの図鑑のコンプリートのハードルも他作と比較して異様に高い。
      • にもかかわらず、称号をとっても特典はなく、完全な自己満足のやりこみ要素になっている。せめてPS版「ファンタジア」のように称号ごとに説明でもあればまた違ったのだが…。
  • 詰めの甘い点が目立つ時間経過システム
    • 本作では概要の通りフィールド移動の際に時間経過システムが採用されているのだが、町・ダンジョン内では基本的に夜バージョンのマップが無く、この為かフィールドでは夜になっているのに町に入ると強制的に昼になってしまうおかしな現象が起こってしまった。
    • また、本作のフィールド画面では任意で夜にする手段が無く、どうしても夜に行動したい場合は待つしかない。
      • 逆に夜から昼にする場合はキャンプを使用すると可能。町・ダンジョンに入って出ても昼になる。どうしてこうなった。
    • 例外的にとある町では夜のマップが存在しているが、システムの甘さから初見では分かりづらいと言わざるを得ないだろう。
      • その町では宿屋を利用すると任意で夜にする事が可能だが、出ると同じく昼になってしまう。
    • 比較的序盤のとある島の森にはその時点のレベルではどうやってもほぼ速攻全滅確定かつ逃げることもほぼ不可能な強敵が夜限定で出現することがある*16。ストーリー攻略上必ず上陸することになる島で、レベル上げなどで予期せずエンカウントすることも十分あり得る。その森自体は確実に通ることになる場所にはないのが救い。
  • 改善されなかった周回仕様
    • 本作で周回を重ねると特定術技における追加演出やおまけダンジョンの出現などが行われるといったお楽しみ要素が解放される様になったが、PS版『ファンタジア』で批判されていた料理熟練度や獲得称号の次周への引き継ぎが無い点もそのまま引き継がれてしまった。
      • この周回制の問題点は次作『デスティニー2』にてグレードショップの追加によってようやく改善される事になった。

総評

以降のシリーズの基本となった緻密な戦闘システム、完成度の高いシナリオなど現在まで続くテイルズ オブ シリーズの土台を様々な意味で揺るぎないものにした作品であるのは確かである。
本作以降のテイルズ オブ シリーズ作品は、開発環境の変化とそれに伴う作風の変化により評価が割れており(当然、本作以降にも名作と呼ばれる作品は多数存在する)、それ故に特に古参のファンの中には今作をシリーズ最高傑作と評する者も少なくない。
無論、好みの問題もあるが、トータルバランスは今なおシリーズでも一二を争うといってもいいほどの屈指の完成度であり、シナリオ・システム共に癖も少ないため、シリーズ及びRPG初心者にもお薦め出来る。

余談

  • 時の大晶霊「ゼクンドゥス」は、見ればわかるとおり『ファンタジア』のダオスがモデルである。
    • これは発売半年前に亡くなった、ダオスを演じた故・塩沢兼人氏への追悼であると噂されており、声はダオスのものを流用している。
    • ゼクンドゥスのHPを一定以下にしてから、晶術「インディグネイション」を使用すると、『ファンタジア』の冒頭シーンが再現される。
      • この時メルディはインディグネイションの発音は専用のものが用意されているがキールの場合は普段と同じである。だがサウンドテストには特別verもあるため設定ミスの可能性もある。
  • 本作の隠し秘奥義「ブルーアース」は、存在が徹底的に秘匿されていた事で有名。ゲーム内で存在や方法が示唆される事が当然無く、発動条件がかなり難しく設定されており、なんと 攻略本にすら載っていない。
    • その存在はプレイヤーによるROM解析で発見された。それから存在が知れ渡った事から、正に 「秘」 奥義と言うに相応しいだろう。
      • また、発動方法の解析に至っては更に混迷を極めた。前作『ファンタジア(PS)』『デスティニー(PS)』共に内部の未公開データやそれを無理やり引っ張り出すバグ技(主にROMを読み込み中に引っ張り出すというもの)の宝庫であった事や、本作においてもサウンドテストに平然と未使用ボイスが載せてあるといった要素もあり、それらは「没になった技が残っていたのだろう」と判断されていたのである。発動条件そのものが別の隠し要素(こちらは攻略本に載っている)と重複しておりどちらか一方しか使えないという点も発見の遅さを促進した。
        発売から一年以上経った時点でとある攻略サイトの掲示板に投稿された書き込みが元となり、改造やバグ、あるいはROMぶっこ抜きなどの危険な手段の必要がなく任意に発動可能であるという解析がプレイヤーの努力によって行われた。
        ROM解析が必要になるほどの隠し要素はテイルズ オブ シリーズではこれだけといっても過言ではなく、また当時は攻略本文化が一般的だった時代であり、メーカー側が情報を出版社にも提供していたはずであるにもかかわらず一切の記載がない完全なプレイヤーサイド発祥の裏技という点を見ても中々の珍事である。
      • 発動条件が厳しい分、威力や効果は極めて高く、エフェクトもその美麗さには息を飲む。PSの底力を感じさせる*17
    • 後に『テイルズ オブ リバース』でも採用されたが、こちらは2Pプレイで交互にコマンド入力を必要とするため、本作以上の難易度となっている。
  • 本作はシリーズで初めてTVアニメ化された作品(2001年1月~3月)である。WOWOWにて放送されていた。制作はIG子会社のジーベック。
    • 全12話で原作曲のアレンジやオリジナルキャラ(原作に伏線はあったが…)の登場もあるが、言ってしまえば可もなく不可もなく「普通」の出来である*18
      • もともと意図してアニメ化された物であり、原作のネタバレを防ぐためオリジナルストーリーである。オリジナルキャラの声優は林原めぐみ氏や堀江由衣氏が、主題歌は奥井雅美氏が担当していた。
      • しかし絵柄がかけ離れていたため多数の原作ファンからは良い評価は得られていない。そもそも宣伝の少なさからアニメ版があったこと自体知らない人も少なくない。この反省があったかどうかは不明だが、他のシリーズ作品のアニメ化は大々的なプロモーションをしている。
      • ちなみに、アニメ最終話では 笑顔で セレスティアに向かう4人がラストに描かれる。ゲームのストーリー上笑顔になれるはずもないのだが…*19
  • 海外での本作は『Tales of Destiny II』のタイトルで発売されており、日本の『テイルズ オブ デスティニー2』は北米では発売されていない(韓国などでは販売されている)。
  • ちなみに、オンラインゲームにもなったが…。
  • PS3版『テイルズ オブ ヴェスペリア』の追加キャラクター「パティ」に関するスタッフのコメントに「テイルズ初の海賊キャラ」というものがあり、本作の海賊キャラ「チャット」が忘れ去られている、というか無かったことにされている。どういうことだ。
  • ヒロインであるファラが『テイルズ オブ バーサス』に出演したが、『テイルズ オブ ヴェスペリア』のユーリを持ち上げるための改悪をされたり、原作を無視してユーリと「くっついた」ように取ることのできるエンディングや、主人公であるリッドがプレイヤーキャラとして参戦できなかった事は物議を醸している。
  • 直接ゲームに関する問題ではないのでこちらへ記述するが、本作のサウンドトラックは『デスティニー』同様 前世代ハード並の音源である 。一応アレンジアルバムが発売しているが、その肉付けも癖が強く(かつマイナーなため)あまりフォローになっていない。
  • 本作で使われたメルニクス語だが、お蔵入りとなったUGSF物のRTS「NewSpaceOrder」の勢力の一つ「神聖宗教国」で使われていた。なお、神聖宗教国の正式名称は「セレスティア・ティアン・ファーウス」であり、この世界のセレスティアと同一存在らしい。
    • NewSpaceOrderは本作から大分未来の世界で、この時代では既にインフェリアは滅んでしまったとの事。
      • 前述の神聖宗教国は生物兵器のような形状をしたユニットが特徴の勢力であったが、なんとその中にゾルギアにそっくりなユニット(名称:神罰要塞)も存在していた。ユニット説明文によれば「過去の大戦で7つ生み出された生物兵器(つまりゾルギア)のコピー」であると記されている。なんちゅう物を作ったんだ、この世界の人間は…

PSP版

ジャンル ロールプレイングゲーム
(シリーズ固有ジャンル名:永遠と絆のRPG)

対応機種 プレイステーション・ポータブル
メディア UMD 1枚
発売元 ナムコ
開発元 ナムコ・テイルズスタジオ
発売日 2005年3月3日
定価 5,040円(税込)
プレイ人数 1人
セーブデータ 400KB以上の空きが必要(1ファイルあたり)
レーティング CERO:全年齢対象
廉価版 PSP the Best:2005年12月1日/2,800円(税込)
配信 【PSP/PSV】2013年11月28日/2,500円
判定 良作

特徴

  • 当時PSPは発売されたばかりということもあり、開発サイドがこなれていなかったためかロードが非常に長いソフトが大半を占めていた。しかし本作は起動時やセーブデータのロード時を除けばほぼすべてのロードをなくす(正確に言えば隠す)ことに成功しており、快適の一言に尽きる。
    • 特にRPGで一番重要となる「エンカウント‐戦闘‐フィールド操作復帰」の流れに関してストレスを感じることは全く無いといっていい。

追加要素

  • 容量の都合でカットされたムービーが収録された。

変更点

  • ロード時間の短縮に伴い、エンカウント演出も短い物へ変更。
  • 戦闘画面のフレームレートが30fpsから60fpsに向上されており、キャラクターやエフェクトがより滑らかに動くようになっている。
    • ただこの弊害で処理落ちが悪化しており、特に大きな炎のエフェクトが常時表示されるイフリート戦や術のレイを使った時などに激しい処理落ちが起こる。
  • バグはほとんど修正されているが、移植作品としては珍しく有利なバグは意図的に再現されている。
  • 「振動機能の設定」が「キャンプスキットの有無」になった。
    • 当然キャンプスキットをオフにするとスキット数は加算されない。
  • クリア後に開放される「サウンドテスト」内のスキットは、フェイスも表示されるようになった。
  • エタポケとの連動、2人同時プレイが必要な称号が極一部を除いて削除された。
  • 内部データとしては残るが、ロード画面に全滅回数が表示されなくなった。
  • ショートカットコマンドの変更。
    • これはPSP自体のボタン数による物である。
  • 若干音声の音量に関して改善された部分がある。主題歌「flying」の音量も改善されてはいるが、もう少し頑張って欲しかったところ。
  • 残念なことにエンディングテーマ「eighteen」が削除され、「flying」のインストゥメンタルに差し替えられている。後に発売された『テイルズ オブ ファンタジア -フルボイスエディション-』などでも同じようにエンディング曲が当たり障りないBGMに差し替えられるという事があったので、権利関係の問題があるのかもしれない。

総評(PSP)

基本的には大きな追加要素も無いベタ移植だが、PS後期のディスク三枚組だった作品を劣化なく一枚のUMDに収めきり、読み込み時間の更なる短縮化など、発売して間もなかったPSPの高スペックを見せ付けた一作。
ハード発売初期であったが最終的には40万本も出荷し、『エターニア』の変わらぬ根強い人気をしらしめた。

本作に興味を持った方は、PS版とこのPSP版では内容の差異が殆ど無い為、ディスクの管理やロード時間などの面が改善されているこのPSP版を手に取る事をオススメする。



*1 『電撃プレイステーション』によると、最初は2枚組で収めるつもりだったらしい

*2 街が一つ壊滅状態になったり、散々言いたい放題言っておきながら、都合が悪くなると謝りもせず知らん顔する王族等、ショッキングなシーンや不快な要素そのものが全く無い訳ではない。あくまでキャラの性格の不自然なブレや毒気の強さ、納得しがたい極端な言動や描写等といった『粗』が少ないという意味である。

*3 到達時の標準レベル+適正装備でも2~3回も攻撃を喰らうと戦闘不能になる程

*4 フリンジに制限はないので覚えた術を使えなくしたり再度使えるようにする事は可能

*5 また、この解説を見ればわかるように回復魔法を習得するのがシリーズでも遅めで、これも難易度の高さに繋がってしまっている。アイテム以外に回復手段が無い、というわけではないが。

*6 翻訳機を入手してからもメルニクス語のままで表示されるものは、驚嘆を意味する言葉である。これはセレスティア到達以降、頻繁に見ることからもわかるように、向こうでは一般的に使われている。対して「なんだよぅ」などの独特に訛っているものはメルディ自身のもの。

*7 TPが切れるか60秒経つまでピコハンを投げ続ける技。TPはチャット以外のキャラがチャットにアイテムを使う事で補充が可能

*8 前作『テイルズ オブ デスティニー』のキャラを召喚するというもの

*9 30分経過後にセーブしても、ロード後は使用不可となる。詠唱後、あるいはロードした時点から毎回リアル30分の時間経過を経る必要がある。

*10 防御自体はするように作られているが、何より攻撃の為に敵へダッシュし、攻撃を終えると必ず元居た所にダッシュで戻る。ダッシュ中は無防備であり、その間にダメージを受ける事が多い

*11 チャットは「エターナルスロー」が発動さえすればTPがスリップになるが回復し続けると延々とピコハンで攻撃し続ける。フォッグは「アクアスパイラル」の威力が凄まじく、隠しボスすらゴリ押し出来るレベル。

*12 上述の例もある為NAMCOの音声編集に問題があった可能性が高いとされている

*13 それ以降だと別の称号になるため

*14 そのせいか次回作のデスティニー2ではラスダン到着時のプレイ時間に関する称号や、ストーリーの途中にミニゲームが挟まれる事は一切ない

*15 要するに、本作の1周目では称号コンプリートが絶対に不可能

*16 その敵は最終盤のレベルでもそれなりに苦戦するレベル。

*17 加えて、その戦闘のみ勝利時にEXPが+10万もされるというとんでもないオマケがある

*18 一応デジタル彩色やコンポジットなど当時のデジタルアニメで蔓延していた違和感は今見ても無い。

*19 DISC1に関するネタバレになるので深くは言えないがとあるキャラと戦い、インフェリア軍にも追われたりと、演技であっても笑顔を浮かべられるような状況ではない