「ロックマン ゼロ3」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

ロックマン ゼロ3 - (2023/10/13 (金) 16:00:06) の編集履歴(バックアップ)


ロックマン ゼロ3

【ろっくまん ぜろすりー】

ジャンル アクション
対応機種 ゲームボーイアドバンス
メディア 64MbitROMカートリッジ
発売元 カプコン
開発元 インティ・クリエイツ
発売日 2004年4月23日
定価 5,040円
レーティング CERO:全年齢対象
配信 バーチャルコンソール
【WiiU】2015年5月13日/702円
判定 良作
ポイント 当初は完結の予定だった
武器・サイバーエルフの大幅改善
アルゴリズム・バランスが最高峰
『エグゼ』との連動も
我はメシアなり!ハッハッハッハッ!
ロックマンシリーズ


概要

ロックマンシリーズから派生したゼロシリーズの第三作。
一旦はシリーズの完結が予定されていたらしく、スタッフも「広げた風呂敷を畳むための作品」と語っており、本作でとりあえずの山場を迎えることになる。


ストーリー

(Wikipediaより引用)
ネオ・アルカディアの最深部に封印されていたダークエルフを体に取り込み、究極の力を手に入れたエルピス。しかし、結局はその力を制御できず、ゼロによって倒された。

ダークエルフの悪夢も去り、ネオ・アルカディアからの攻撃も沈静化してきたある日、レジスタンスのもとに巨大な宇宙船が雪原に落ちたという情報が入る。その現場にダークエルフと同一の強力なエネルギー反応があると知ったシエルは、ゼロとレジスタンスの仲間と共に調査に向かった。


新要素

  • 新たなロッド系武装『リコイルロッド』。
リコイルロッド
両手に装備するエネルギー状の短槍(というかトンファー)。右手と左手でそれぞれ突くように攻撃できる他、チャージすると巨大化し、接触させたものに強力な反動を与え、敵を吹っ飛ばしたり、ブロックを押したり、壁や床を破壊したりできる。また下方向に繰り出した場合はゼロ自身も大ジャンプできるという副次的な効果もある。ただしチャージしても威力そのものが上昇するわけではない。
  • 前作同様、リコイルロッドとシールドブーメランはオープニングステージ終了後に使用可能となる。
  • 『シークレットディスク』という収集アイテムが登場。
    • キャラクター名鑑や一部のパワーアップチップ、サイバーエルフもこのディスクに入っている形式になった。
    • ミッションクリア時に一部のみ解析して即座に入手可能だが、そこで解析できないものも含め、レジスタンベースでセルヴォに話しかければ全てのディスクを解析できる。
  • 入手したチップを用いてヘッド・ボディ・フットの3部位を切り替えカスタマイズが可能。
    • エレメントチップはボディチップ扱いとなった。ボディチップの選択によってゼロの色が変化する為、本家・Xシリーズの特殊武器を選択しているシステムに近づいた。
    • ヘッドチップはチャージ短縮や立ち止まっている間体力自動回復、フットチップは懐かしの2段ジャンプやダッシュ中無敵になれるシャドウダッシュ等高性能揃い。
    • また、特定のチップを組み合わせて装備することで特殊な効果を発揮することもある。
  • サイバーエルフ関連
    • サイバーエルフが従来通りの「フュージョン」と、新種「サテライト」の2タイプに分離された。
      • 「サテライト」のエルフは常にゼロのそばを浮遊し、2つまで装備しておくことが可能。「フュージョン」タイプのエルフと違い、力を借りても減点されないことが最大の強み。
      • その代わり2つまでしか装備できないので、フュージョンのように多量のエルフをまとめて使うといったことができない。フュージョンタイプのエルフは消耗品でもあることから、たとえ減点覚悟だろうと、どの道そのような使い方をしていたプレイヤーは少なかっただろうが。
    • 一部のエルフはEクリスタルを支払うことで改造し、サテライト⇔フュージョンの入れ替えが可能。
      • 例えばライフアップ系統のサイバーエルフをサテライトに改造すれば、減点なしでライフ増量が可能。
      • サブタンク等一部フュージョン固定のものは存在するが、今回もサブタンクは2個フィールド上に落ちているのでさほど困らない。
    • また、成長を介さずに効果の発動が可能な状態のエルフにEクリスタルで改造を施すことによってエルフ自体の効果を上昇させる「バージョンアップ改造」も追加された。
    • 本作で初登場したエルフは前作のフォームチェンジで得られた能力も多く、実質エルフの効果としてコンバートされた。
    • 前作までのサイバーエルフは持ち運べるのが3体までで、しかも事前のダウンロードが必要だったが、本作では全てのエルフをダウンロード無しで持ち運べるようになった。
  • タイトル画面
    • 本作以降はタイトル画面でボタンを押さずに放置しているとストーリー紹介とデモプレーが流れるようになった。

評価点

システム面

  • アクションの強化
    • 前作とは違い最初期からレジスタンスベースにゼロが居るため武器のスキルアップが廃止され、最初から三段斬りやフルチャージができるようになった。チャージ短縮はヘッドチップの効果となった。
    • 恒例のロッドアクションに加えてチップシステムの採用によって前作から更にプレイヤー自身が行えるアクションも更に豊富に。結果シリーズにおけるマンネリを回避することにも成功した。
  • サイバーエルフ改善の恩恵
    • サテライト型のエルフの登場により、レベルSクリアを目指すやり込み派でもサイバーエルフを使用できるようになり、大幅に利便性が増した。
    • 消耗品のサイバーエルフは使いどころを見極めるのが非常に難しかったのに対し、使いべりのしないサテライトなら初心者でも安心して力を借りられる。
    • 本作では全てのサイバーエルフを持ち運ぶ事が出来る様になったことにより、サテライト型の登場も相まって「ステージ内のシチュエーション毎にエルフ能力を使い分けていく」という攻略が可能になった。
  • カスタマイズ性の向上
    • 前作のフォームチェンジは、特定の能力が下がったりアクションが制限されたりするデメリットがあった。
    • しかし、本作はフォームに相当する能力をエルフが担っているためにデメリットがなくなった。
    • そしてヘッド・ボディ・フットチップと組み合わせれば、比較的自由度の高いカスタマイズができる。
    • エルフはサテライトタイプにすれば最大2体装備できるし、どうしても3つ以上持ちたければ減点覚悟でフュージョン……という駆け引きも出来る。
  • 敵キャラのアルゴリズムが秀逸。
    • 前作のフェニック・マグマニオンのような(一見)どう対処すればいいか分からない攻撃はほとんどなく、こちらが攻撃できるポイントや、あらゆる攻撃の出だしや到達点、避けるポイント等がはっきりしており、アクションゲームとして快適に戦闘ができるようになった。
  • ゲームテンポの高速化
    • そのソフト内で一度見たイベントであればスタートボタンでスキップできるようになった。
    • 前作まではオープニング以外一切のイベントがスキップ不可(前作のラスボスが悪い意味で有名)、また次作でも一部スキップできないイベントが存在する為、テンポとしては本作が最も良いとされている。
  • 強化されたEXスキル
    • 前作のEXスキルは導入したてという事もあってか、敢えて使うほどでもないものばかりだった。それに対して本作のEXスキルは性能・使い勝手共に強化され主力として使っていける。
    • 例えばセイバーから衝撃波を飛ばす「ザンエイダン」(残鋭弾)。
      これは前作における「コウゲンジン」(光幻刃)に相当するスキルで、セイバーから衝撃波を飛ばす攻撃。射程が長く、敵や壁を貫通する性質もある。アイスのボディチップを装備すれば射程が延長され、画面端まで届くようになる……などの理由から、本作に登場するEXスキルの中でも抜群の使い勝手を誇る。
      しかも、キャプチャー出来るボスキャラのチルドレ・イナラビッタ自体も序盤から戦えるボスなので、ゲームの比較的早い段階から活躍させる事も可能。
    • 他のセイバーのEXスキルも、全て前作と類似した見た目でありながら威力や使い勝手が大きく改善されている。バスターも前作の「ブラストショット」にあたる「バーストショット」が、ボスにも多段ヒットするようになって強化された。
    • また、通常バスターの攻撃範囲をVの字状に大幅に広げる性能を持つ「Vショット」や近距離で発動すると多段ヒット+ガード貫通効果を得られる「ブリザードアロー」、入り組んだ地形で発射させれば効果的な「リフレクトレーザー」など、特定シチュエーションのみで効果を発揮する物も。
      特にバスター系の物は下記のミニゲームの出現条件を満たすためにお世話になった人も多い。
  • ハードモードの仕様変更
    • 2~3段斬り・セイバーとバスターのフルチャージ・サイバーエルフ・EXスキルが使用不可になる。
    • シールドブーメランとリコイルロッドのチャージ・チップの変更は可能なので、前作のような味気なさは緩和されている。ただし、カラーが一切変わらないので配色は地味。
    • また、ある一箇所を除いてサイバー空間に入れなくなる。
    • プレイヤー補助が減ったことで文字通りの「ハード」モードに相応しくなった。
  • アルティメットモードの復活・仕様変更
    • 前作では廃止されていたが復活。特定の条件(後述)を満たした上で、タイトルからコマンド入力+ニューゲームで始められる。
    • ディスク解析で入手できるチップが全て入手済で、フュージョンタイプのエルフが減点なしで全て発動した状態でゲームを始められるようになり、やり込みとの両立が可能となった。
    • ニューゲーム扱いとなるためボスを倒して入手するEXスキルとチップが全てリセットされて集め直しになるのが欠点だが、強化されたゼロとここまで来たプレイヤーならレベルAクリアなど障害でも何でもないだろう。
    • 本作のアルティメットモードは解禁条件も「全てのシークレットディスクを入手し解析」に変更。
      前作までの「全てのサイバーエルフを集め、かつ全て育てる」という面倒な条件から一転して、シークレットディスクを集めるだけで簡単に解禁されるのも大きい。
  • クリア後のおまけとしてミニゲームが追加。
    • ゼロや四天王等の各キャラを操り、様々なルールでのゲームをこなしていく。ミニゲーム扱いとはいえ、ゼロ以外のキャラクターを操作出来るのは斬新だった。
    • 本作のクリア特典はハード、アルティメットモードに加えてミニゲーム出現条件達成も存在しているため、結果的に本作は前作どころか前々作並かそれ以上にやり込み要素が大幅増加する事になった。
  • クリアデータの引き継ぎがパワーアップ
    • 本作からはエレメントチップを含む全ての強化チップを引き継いだままスタートできる。サテライト系エルフの実装、武器スキルの廃止も相まってスタート直後から大暴れできるようになった。

世界観・キャラクター類

  • 世界観が前作までの流れを守りつつも一新された。
    • 従来はネオ・アルカディアに弾圧されるレジスタンスの戦いをストレートに描いていたが、今作からは当のネオ・アルカディア内に異変が起こり、物語の核心により迫っている。
    • 前作で登場が示唆されていたドクター・バイルやオメガが満を持して登場。ダークエルフの謎も明かされる。
  • 中盤にオメガの攻撃でハルピュイアが傷つきレジスタンスベースで治療を受けるという、前作のオープニングのメタといえる展開もある*1
  • ボスキャラのボイスが大幅増加。
    • これまでボイスは断片的にしか存在しなかった通常ステージボス(所謂『8大ボス』、今作での正式名称は『バイル八審官』)の全てに戦闘開始時・各攻撃・撃破時のボイスがはっきりと設けられた。さらに8人全員に個別の声優が割り当てられており、ボイスの総量はPSで展開された『X』シリーズ以上となっている。
    • 代表的な台詞「ノロマー」がそのまま愛称として定着したチルドレ・イナラビッタ、2ch用語を思わせる「ゴルルァ!」を連発するトレテスタ・ケルベリアン、女のような色っぽい声を出すが 実は男 *2のキュービット・フォクスター…と、単発で終わってしまうボスキャラの個性がいかんなく発揮されている。
    • また、副次的な効果として攻撃前のボイスで次の行動を予測できるようになった。
  • 隠しボスが1体存在する。
+ 超ニンニン見参!
  • アンダー・アルカディアのとある小部屋にサイバー空間から入ると転送装置があり、使うとゼロ1で撃破した四天王の一人、ファントムが待ち構えている*3
    • あらゆる攻撃が格段に強化されており、リベンジに相応しい難易度となっている。勝利できれば全てのフットチップの能力を備えたアルティメットフットが手に入り、サイバー空間による減点も免除される。
    • 「ハードモードの仕様変更」の項にて触れた「ある一箇所」とはここのこと。
  • シリーズで唯一ラスボス戦が3連戦となっている。また、第3形態戦前のどんでん返しは語り草になった。
+ 我はメシアなり!ハッハッハッハッ!
  • 実は自他ともにオリジナルだと思われていた(プレイヤーの)ゼロはコピーボディでありラスボスのオメガこそがオリジナルのゼロだということがバイルから語られる。また、「ゼロと似て非なる存在」を表現するためかCVはゼロ役の風間勇刀氏ではなく諏訪部順一氏が担当している。
  • その「オリジナルゼロ」ことオメガ第3形態はオリジナルに相応しく、ダッシュや二段ジャンプといったプレイヤーと同等の行動はもちろん、衝撃で落石が起こるほどの威力を持つチャージセイバーに、ダブルチャージウェーブ、アークブレード、龍炎刃、滅閃光、裂光覇とXシリーズの技まで使用。更に使用率は低いが、上記の各種ゼットセイバー技を組み合わせた「乱舞」という拘束型連続攻撃まで持ち合わせている。
  • 戦闘開始時の「我はメシアなり!ハッハッハッハッ!」というセリフが非常に印象的で、本シリーズで「メシア」と言えばオメガのことを指すのが一般的となった。
    • AIのアルゴリズムが弱いのかGBAの性能が追い付いていないのか不明だが1~2形態と違って異様に弱いために「飯屋」とも呼ばれる、主に勝利をご馳走してくれるという意味合いが大きい。
      • オメガ第三形態を様々な条件でノーダメージ撃破する動画は「飯屋いじめ」と呼ばれた。特にEXスキル3種*4を使用し、10秒以内に撃破する方法はTAS*5でも採用されている。
      • 後に超絶強化されて帰ってくる。(余談参照)
  • 撃破後に語られる話では、「(プレイヤーの)ゼロのボディはコピーではあるが、心(人格プログラム)は本物である」とのことで、ゼロはオリジナルボディを持つオメガを自ら破壊し、「ゼロ」という破壊神に別れを告げた。
    • 敗北後も復活しようとするオメガに対し、今まで敵対していた四天王がゼロに加勢、エックスの魂も合流し、トドメを刺す隙を作ってくれるという非常に熱い展開がある。
      • オメガ第三形態戦時の専用BGM「Cannon ball」は、ゼロが破壊神となってしまった自分自身を破壊するという、非常に燃えると同時に哀愁のある展開を見事に表現しており、ファンの間でも名曲とされている。公式サントラでは高音質版やアレンジ曲が収録されたり、ゼロ3を特に象徴する曲ともいえる。
  • また戦闘時の背景については、「ゼロVSエックスというコンセプトを残す」目的で、(オメガ第2形態の破片が積み重なり)『ゼットセイバーのようなものが突き刺さったエックスのようなもの』『エックスバスターのようなものを突きつけられたゼロのようなもの』という構図が出来上がっている。
    • 更に、この地点自体も、ゼロ1でプレイヤーのゼロが封印されていた場所そのものであり、Xシリーズを深く知る古参も、ゼロシリーズから入ったプレイヤーにも感慨深い場所となっている。

その他

  • BGMについて
    • 「本格的にステージに入るまで暗いBGMを続け、ここぞというところで熱いBGMに切り替える」という演出が見事にヒット。そう明言されたオープニングステージの『Break Out』は派手さは控えめながら見事にマッチして支持を得た。
    • 同様の手法が採られたラスボス第3段階戦の『Cannon Ball』はシリーズ一二を争う屈指の名曲として名高い。
    • その他、海上のハイウェイ跡地の『Water City』や雪原の『Trail on Powdery Snow』等が高く評価され、「ロックマンの氷ステージは名曲揃い」と呼ばれるようになった。

賛否両論点

  • 連動要素について
    • 時が過ぎたことも理由の一つではあるが、「やる必要があったのか?」感が強い。
    • 『エグゼ4』と連動することで本作のサイバー空間にカブタンクやスウォーディン等エグゼシリーズのウイルスが出現する隠し要素だが、下記に記す通りサイバー空間に行く必要性は薄いし、何よりエグゼとゼロは世界設定もジャンルもファン層も異なる為、無理に合わせられても違和感が残るだけである。
      一度きりのコラボレーションと考えれば理解できなくもないが…。
    • バトルチップゲートはエグゼをやらない人には完全に無用の長物。下記の問題点への救済措置にはなっているが、その為だけに用意しろと言われても困る。
    • カードeリーダー+の存在もほとんど蛇足に近い。
      • カードe+を読み込むとゲームシステムやキャラクター、果てはタイトル画面や文字のフキダシ等(どうでもいい所まで)を変えられるというシステムである。
      • 武器の攻撃力アップや防御力アップ等便利なものも確かにあるが、半分くらいはレジスタンスベースのデザインや仲間との会話内容を変更するだけの無駄なものである。増えた仲間との会話でEクリスタルが大量にもらえるが、本作に限って必要なEクリスタルが極端に少ない*6為あまり意味がない。
    • 一部のプレイヤーを困らせたのがどの連動にしても本体2つと通信ケーブルが必要である点か。通信環境の無い人を悩ませた。
      • カードe+によるプレイヤーの強化自体はミニゲームの出現条件(後述)を満たすことに利用できるが、本作発売の時点では「難解な条件を満たすよりバトルチップゲートを使用した方が手っ取り早い」という意見も見受けられた。
  • 全体的に難易度が低下
    • 前作で初見殺しの多さを指摘された反省なのか、本作は全体的に難易度が抑えられていて、前作までクリアしてきたシリーズプレイヤーならさほど労せずクリア出来るようになった。
    • 難易度が低下し遊びやすくなった反面、上級プレイヤーからは終盤戦ボスにEX技が実装されていない(後述)ことも相まって「手応えが無い」と言われることもある。
  • 終盤ボスにEX技が存在しない。
    • 本作はシリーズの中でも最も多くのEXスキルが登場する作品でもあるのだが、クリエ&プリエやオメガといった終盤ステージのボスにはEX技は一切搭載されておらず、どのランクも同じ戦い方をする事になる。
    • このため、終盤戦の各ボスはある程度やり込んでいると簡単にボスを倒せる反面、本作をやり尽くした達人級のプレイヤーからは「攻撃に変化がなくて戦いごたえが無い」と批判されてしまう事もある。
    • この点は多く批判されたのか、次回作『ゼロ4』では殆どのボスにEX相当の技が搭載される『ゼロ2』以前の仕様に戻った。
  • 「水没した図書館」について
    • このステージはアクションゲームとしては特別な試みが施されているのだが、ステージ仕様の関係で議論になりやすい。
    • ステージ中盤では「図書館のコンピュータから指名されたマップ内の特定の部屋を探す。部屋の位置は毎回変化する。」という記憶力勝負のミッションが存在する。当然間違った部屋に入るとポイントが減点される。
      • このため、指定された部屋についてあらかじめメモを取っておく必要があるのだが、部屋自体が4つと多めに存在するだけあってかメモに時間を取られがち。当然ながらメモ中はプレーを中断しなければならず、ゲームテンポも著しく阻害されてしまう。
      • また、メモを使わなくてもコンピュータと部屋の間を往復していれば比較的楽にミッションを達成出来るのだが、コンピュータと部屋の距離が微妙に長いということもあってか、この場合はクリアタイムの項目が減点されてしまうのを覚悟しなければならない。
    • このステージはプレイヤーの記憶力が試させられる点から「とても面白い」と斬新な内容が評価されている。一方、メモを取る際にゲームのプレーを長時間中断しなければならないアクションゲームのシステムを逆手に取ったステージ構造から「これは無い」と批判されている点も存在していることから、結局のところは非常に好みが分かれがちなステージになっている。
      もっとも、以降のロックマンシリーズはおろかインティ・クリエイツ製のアクションゲームではこの様な構造のステージは採用されていないのだが。

問題点

  • サイバー空間について
    • 一部ステージにある特殊な扉に入るとサイバー空間になり、解析して所持しているサイバーエルフの能力が全て発揮される(このエルフ使用による減点は無い)。
    • 一見すると便利に見えるが、実は1回入るごとにミッション点が5点減点されるので、高得点を目指すなら原則入ってはいけない。
    • またサイバー空間ではステージが薄暗い緑色に変わる為、画面がやや見辛くなる弊害もある。
+ でも例外がひとつ
  • ただし、アンダー・アルカディアは例外で、ファントムを倒せば減点はなくなり、ミッション点が20点満点になる。
  • ミニゲームの出現条件
    • 一部のミニゲームの出現条件が異様に厳しい。
    • 特にファーブニルとレヴィアタンのミニゲームは「リザルトのアベレージが100点の状態でクリア(=ほぼ全てのミッションをパーフェクトクリア)」と相当やり込んだプレイヤーでも辛い条件となっている。
      • ちなみに攻略本では「リザルトの結果次第で」とぼかした書き方しかしていない。
    • バトルチップゲートを使えば簡単に出せるが、そちらはそちらで(実際の)お金がかかるし、今からだと入手困難という欠点がある。
      • なお、『ロックマン ゼロ COLLECTION』並びにバーチャルコンソール配信版ではバトルチップゲートが使えないので全ての難解な条件を満たす必要がある。とはいえ、前者では全ての改造カードがゲーム内に収録されている関係で、改造カードを使いまくってゼロの性能を強化すれば何とか達成できる。後者は改造カードでの強化が一切使えないためどうしようもない。
  • アルティメットモードについて。
    • ゼロ1同様バスター以外のチャージ攻撃が暴発しやすい。前作ではフォーム切り替えで対応出来たので余計に煩わしさがある。
    • しかもEXスキルがある都合上、初代より悪化している。
      EXスキル「斬鋭弾」(↓+アタック)「落砕牙」(空中で↓+アタック)がチャージセイバーのコマンド(→↓+アタック)と被っているので、移動中にこれらEXスキルを出そうとするとチャージ攻撃が暴発してしまう。このため確実に出すには一度方向キーをニュートラル状態にする必要がある。
    • アルティメットモードでミニゲームの出現条件「Zセイバーのみを使用して全てのステージをSランクでクリア」を満たそうとした場合、この仕様が重くのしかかる。
    • どうしても暴発をなくしたいならノーマルモードでプレイすれば良いが、アルティメットに比べて性能は格段に落ちてしまう。
    • この点が問題視されたのか、次回作『ゼロ4』ではコマンドによるチャージ攻撃が新型サイバーエルフの効果に変更され、コマンド攻撃の有無を切り替えられる仕様に戻った。

総評

本シリーズが持っていた高いアクション性を維持しつつ、エルフのシステムやゲームのテンポなど前作までの問題点を見事に改善している。
さらにラストバトルの熱さなどシナリオや演出面の評価も高く、本作をシリーズ最高傑作とするプレイヤーも多い。


移植

余談

  • 中ボスの一体「改造パンテオンアクア」はゼロ1のラスボスであるコピーエックス第2形態に類似した見た目なのだが、実はボイス(?)がコピーエックス第2形態のボイスを倍速したものになっている。
  • 後の『ロックマン ゼクス』ではダブルスロットシステム*7で本作のカートリッジを使うことで前半4体のボスが出現する。地味にボイスも高音質且つ新規なので一見の価値あり。
    • さらに隠しボスとしてオメガと戦えるが、隙が大幅に少なくなり烈光覇に体力回復効果が追加されるなどラスボスどころか本家もはるかに凌ぐ凶悪な強さになっている。
      • このおかげで遅れながら「飯屋」の汚名返上することとなる、とはいえ遅すぎて既に愛称として定着しているが。
  • Amazonでは発売から数年間、商品名が『ロックマン0 3』になっていた(現在は修正済)。
  • 北米版では「バイル(Vile)」の名前がXシリーズのVAVAの現地名として既に使われていた為、「Weil」とドイツ語表記されている。
  • 本作は中盤で1に登場した一部ボスが復活しているが、その内『1』にいた「アヌビスマンテップ・ネクロマンセスIII(3)世」は、『3』では「V(5)世」と名乗っている。とすると、4世はどこにいたんだ?という疑問が出て来てしまう。
    • ゲーム中にも指摘する台詞はなく、公式では発表されてないためファンの間での推測ではあるが、『1』の最終面の復活ボスラッシュ時に出てきたのが4世ではないかと言われている。『1』以前の1世と2世については本当に知る由もない。
  • 一部のミニゲームの出現条件が異様に厳しいのは、本来バトルチップゲートの連動でのみ出現する所をインティ・クリエイツのスタッフがバレないだろうと思って勝手に設定したから。カプコン製の攻略本には「連動でのみ遊べる」と書かれているのはこのため。
    • 「リザルトの結果次第で」と記載されている攻略本も、一部のミニゲームにはバトルチップゲートが必要と書かれているが、実際にはリザルトの結果及び使用武器次第で全てのミニゲームを出現させることが出来る。
      • スタッフはこの事を知ったカプコンに怒られたそうな。
      • 逆にこの説教覚悟の勝手な判断があったからこそ、『ゼロ コレクション』で移植された際も(異様に厳しい出現条件は変わらずのまま)ミニゲームが遊べたと考えるべきか……仕組んでいなかったとしたらDSに移植する際に『4』程のやや簡単な条件でミニゲームが開放されるように仕様変更されていたか……もしくはゼロコレ版『2』の通信対戦の如くなかったことにされたか……どう考えるかはユーザー次第。