ロックマン ゼロ&ゼクス ダブルヒーローコレクション
【ろっくまん ぜろあんどぜくす だぶるひーろーこれくしょん】
| ジャンル | アクション/オムニバス |  
  
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| 対応機種 | Nintendo Switch プレイステーション4
 Xbox One
 Windows 8/8.1/10 (Steam)
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| 発売元 | カプコン | 
| 開発元 | カプコン アクセスゲームズ
 フィアス
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| 発売日 | 【Win】2020年2月26日 【Switch/PS4/One】2020年2月27日
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| 定価 | ダウンロード版:3,627円 パッケージ版:3,990円(全て税抜)
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| プレイ人数 | 1~2人 | 
| 判定 | 良作 | 
| ロックマンシリーズ | 
 
概要
『ロックマン ゼロ』シリーズとその後継である『ロックマンゼクス』シリーズ計6作品を収録したオムニバスソフト。
先に発売された『ロックマン クラシックス コレクション』や『ロックマンX アニバーサリー コレクション』同様に新モードやおまけ要素を追加している。
両シリーズ共に任天堂ハードのみでの展開であったため、本作で初めてマルチプラットフォーム展開がなされている。
特徴
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カジュアルシナリオモード / アシストセーブ
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『ロックマン ゼロ コレクション』で採用されたイージーシナリオモード同様に強化系サポートやパワーアップを最初から全開放したモード。
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『ゼロコレ』では収録タイトルを連続してプレイしていく形式だったが、今作ではタイトル選択時にオン/オフを切り替え可能になっている。
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セーブデータは通常モードとは別扱いで、『ゼロ3』『ゼロ4』のミニゲーム出現状況も個別に管理されている。カジュアルではクリアするだけで全ミニゲームが解放される。
 
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アシストセーブも同様、タイトル選択時に切り替え可能で、オンにすると各所にセーブポイントが出現し、触れるとオートセーブされる。
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手動でセーブ地点に戻ることも出来る他、死亡時は自動的にデータがロードされ、進行状況なども巻き戻る。一度触れたセーブポイントは一定距離離れないと再使用できない。
 
 
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Zチェイサー
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本作の目玉となる新モード。最初から全装備解放状態で指定されたステージのタイムアタックを行う。
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ただし、ダブルジャンプなどの一部便利なアイテムは禁止されている。
 
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プレイ時にはあらかじめ用意されたお手本プレイのゴーストと対戦する形式になり、プレイヤーとゴーストの2画面が同時表示される。ゴースト側の画面は設定でオフにすることも可能で、この場合は互いの進行状況を示すゲージのみになる。
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ゴーストはランクがあり、ランクによってタイムが変化する。クリアデータがあればプレイヤーのゴーストとも対戦可能。
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タイムはオンラインランキングにアップロードされ、リプレイも視聴できる。ランキング1位のゴーストと対戦することもできる。
 
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開始前にオプション画面を開くことが可能で、各種装備を設定可能。ステージに応じて有利な装備でプレイできる。
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なお、『ゼクス』『アドベント』はヴァンとエール、グレイとアッシュの選択も可能。グレイとアッシュは一部技も変化するので、好きな方でプレイできる。
 
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「ダブルチェイサー」を選択するとローカル2Pプレイで友達と競うこともできる。
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ステージは全12+隠し1ステージ。
 
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ZZカード
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トロフィー/実績にあたる要素で、達成するごとに『ゼロ3』の改造カード(本作ではボーナスカード)が解放される。
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ボーナスカードはギャラリーでオン/オフの選択が可能で、ゲームに効果を反映できる。
 
収録タイトル
各タイトルの評価については個別ページを参照のこと。
評価点
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移植度は良好。スムーズにプレイ可能で、各種画面フィルターや画面サイズ変更、他言語版などにも対応している。
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『ゼロ1』はセーブデータの数が倍の6個に増え、データを残しておきやすくなった。
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DSゆえに上下2画面が必須となるゼクスは下画面の配置を変更可能になっており、自分に合った画面配置で遊べる。メイン画面と重ねる場合のみサブ画面の透過度を変更できるので、1画面に近い状態でもプレイ可能。
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ちなみに、タイトル画面でのゲーム開始準備など「本来下画面での操作を求められる場面」では2つの画面が入れ替わる。『アドベント』でトランスサーバーの転送先をラフマップから指定するときなどがわかりやすい。
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また、オリジナル版にあったダブルスロットインも再現されており、ゲーム開始前に『ゼロ3』『ゼロ4』のどちらかをセットした状態にでき、それぞれのボスと戦うことが可能。このため、モデルOXの取得が原作よりある程度容易になっている。
 
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前述のようにカジュアルシナリオモードを個別に遊べるようになり、『ゼロコレ』の不満点を解消した。『ゼロ3』『ゼロ4』のミニゲームもクリアするだけで全開放されるため、遊びやすくなった。
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アシストセーブはカジュアルシナリオモードとは別に選択できるので、通常プレイの難易度もだいぶ下がっている。ZZカード取得にも影響しない。
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各種カウントも巻き戻せるのでアベレージ100を狙いやすくなった他、オリジナルで死亡報告が多かった『ゼクス』の隠しボス戦の帰り道なども突破しやすくなった。
 
 
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地味に音質が向上しており、GBA/DS版よりクリアな音質で曲やボイスを聴くことが可能。ゼクス側のみ音質を選択可能。
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また、ゼクスのアニメムービーの画質も向上しているため、大画面でも違和感は少なくなった。
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早期購入特典として配布されたDLCを適用しているとゲーム中のBGMをアレンジ版に変更でき、新鮮な感覚でプレイできるのも好評を博した。収録曲も「Departure」や「Cannon Ball」「Esperanto」とファン納得の選曲。
 
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Zチェイサーはこれまでになかった「競争」という要素を取り入れ、プレイ意欲が湧く作りになっている。
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ゴーストと競争するという今までのロックマンにはなかった画面構成になっているため、抜いたり抜かされたり一喜一憂でき、勝てた時の達成感が高い。
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ランクZ以上のゴーストは非常に強敵。特にZZのゴーストはTAS動画並のプレイングとなっており、突破するのは至難の業。
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ゴーストはいずれも開発チーム内の上手いプレイヤーの操作を記録しているとのことで、この上位ゴーストも当然人力プレイ。真似することで腕前を上達できる。
 
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自分自身のゴーストと競うことで上達を感じやすいのも魅力。
 
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ギャラリー、ミュージックプレイヤーも相変わらずの充実ぶり。
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特に『ゼクス』側はオフィシャルコンプリートワークスも発売されておらず、ここで初めて公開となった資料も多い。
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ミュージックプレイヤーでは、好きな曲を選択しておきギャラリー閲覧中に再生できるマイミュージック機能が追加されるなど、利便性が向上している。
 
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程よいコスパ。
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バーチャルコンソールの基準で考えるとGBAは715円、ゼクスシリーズは配信していないがDSは968円。合計で税込みで4796円であるが本作は4000円寸前で安く、GBA4本とDS2本収録でこの価格はお得。
 
問題点
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ゼロ側の初期ボタン設定
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GBAからの移植なので当然と言えるが、Switch表記だとAジャンプB攻撃になっている。X、Yボタンも使用可能になってはいるが、新規データで始めるたびに設定し直さねばならず少々面倒臭い。『ゼロコレ』と全く同じ難点と言える。
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Zチェイサーでも同様なので、開始前にボタンコンフィグをいじっておくのは必須。こちらは一度設定してしまえば記憶してくれるが。
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また、ボタン表記がそれぞれの機種に合わせたものとなっているため、他のフォントなどから浮いている点を問題視する声もある。
 
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イベントスキップの仕様は原作通りのため、ゼロ側にスキップできないイベントが多い。
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カジュアルシナリオモードについて
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『ゼクス』側は原作のイージーモードがカジュアルシナリオモードとして分割されているだけで、原作との違いはない。コンディションボーナスなども自力達成が必要なのは変わらず。
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ただし、システムデータレベルで分割されているため、特にゼクスアドベントにおいては「ビギナーモードでボスのコンディションボーナスをコンプリートしてから、エキスパートモード以上の難易度で隠しトランスを解放」といったことができなくなっており、高難易度で隠し要素を余すことなく解放するには少々手間取るようになってしまっている。
 
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『ゼクス』シリーズはドットの整数倍表示が不可。
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そのため、ライフゲージの目盛りなどがやや歪になっており気になる人は気になってしまう。
 
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『ロックマンゼロ2』『ゼクスアドベント』に収録されている一部ミニゲームはプレイ不可。
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対戦専用モードのため、1人用プレイに特化した本作ではプレイできない。それぞれ実際にプレイするためには原作版が必要。
 
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アシストセーブの仕様
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何故か死亡直後はロードすることが出来ないため、ミス演出を最後まで見せられることになりテンポが悪い。
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前述の通り、一度通過したセーブポイントは一定距離離れないと再使用できないため、小回りが利きづらく本家クラコレ1のようなセーブ機能に比べると救済措置としても中途半端と言わざるを得ない。
 
総評
人気の高い『ゼロ』シリーズに加え、後継である『ゼクス』シリーズまで全て遊べる良移植オムニバス。
アシストセーブの追加もあって高難易度なシリーズ作品をより遊びやすくなっており、当時以来や初心者のプレイヤーにも優しい仕上がりになっている。
上級者はZチェイサーで世界中の猛者と競い合うことが可能など、幅広いプレイヤーが満足できるタイトルと言えるだろう。
余談
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インティ未関与
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今作に収録されたタイトルは全てインティ・クリエイツが開発に関与した物で構成されているのだが、育ての親であるインティ・クリエイツが関与しない本作は発売前の時点では不安の声が多数挙がっていた様子。
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だが、いざ蓋を開けてみると全体的に丁寧に作られていた事から、発売前の不安は杞憂に終わった。
 
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本作発売を記念し、同日にシエル役の田中理恵氏がYouTubeで『ゼロ4』の主題歌「freesia」のカバーをアップした。視聴はこちら。
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本作発売後、収録タイトルの楽曲をまとめたサントラBOXが発売された。Steamでも配信され、個別購入が可能。
最終更新:2023年11月11日 14:00