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ドンキーコング トロピカルフリーズ - (2014/09/14 (日) 12:13:31) の編集履歴(バックアップ)


ドンキーコング トロピカルフリーズ

【どんきーこんぐ とろぴかるふりーず】

ジャンル アクション
対応機種 Wii U
発売元 任天堂
開発元 Retro Studios
発売日 2014年2月13日
定価 5,700円(メーカー希望小売価格)
分類 良作
ポイント 4年振りの続編にして初のHDドンキーコング
新たにディクシー・クランキーも操作キャラとして追加
前作よりマイルドになったとはいえ難易度は相変わらずの高さ
悪く言えばハードらしさや変わり映えはない
ドンキーコングシリーズ・関連作品リンク

概要

ドンキーコング リターンズのシステムを継承した続編。
新たな敵、ザ・スノーマッズに占領されたドンキーコングアイランドを取り戻すため、ドンキーコングとその仲間達が立ち向かう。
基本システムはほとんどそのままに、HDハードに舞台を移したことによる映像クオリティが大きく向上した。
敵やステージ構成が変わったことにより、前作とはまた違ったものも長く楽しめるようにもなった。

前作からの変更点・特徴

  • お助けキャラクターとしてディディーコング以外にもスーパードンキーコング3以来の復活となるディクシーコング、初のプレイアブル化となるクランキーコングが追加。
    • ディディーコング:前作と同様バレルジェットによる滑空を行う。水中ではバレルジェットで素早くダッシュする。
    • ディクシーコング:ポニーテールスピンによって少しだけ高くジャンプ(2段ジャンプ)出来るようになる。水中ではポニーテールダッシュで激しい水流を突破出来る。
    • クランキーコング:アクションボタンで杖を突き立てホッピングすることで、ダメージ床をノーダメージで飛び越えられる。水中では杖で前方の敵を攻撃、他の体当たり攻撃に比べて低リスクで敵にダメージを与えられる。
      • ちなみにクランキーが冒険に参加したことで、ショップの店員はファンキーコングにチェンジした。
  • ゲージを溜めて行う新スキル「コングパウ」。
    • バナナを100本集めることで発動できる必殺技。画面内の敵を瞬時に全滅させ、アイテムに変えてしまう。パートナーコングによって効果が変わる。
      • ディディーコング:敵をライフバルーンに変えてしまう。
      • ディクシーコング:敵を黄色ハートに変え、体力を上限以上(最大8まで)に確保出来る。
      • クランキーコング:敵をバナナコインに変化させる。
  • WiiUに合わせてゲームパッド操作に対応。前作と同じ操作にも対応しており、使用可能な操作コントローラのタイプは多い。
  • 水中ステージが復活、かつてとは違って一部の敵はドンキー単体でも攻撃可能。
    • パートナー次第では一部出来ることも変わる。
  • 前作「リターンズ」であった「吹く」アクションがなくなり、今作ではそれに代わり、マリオUSAのような「引き抜く」アクションが登場した。
    • 引き抜くアクションはアイテムの取得はもちろん、仕掛けを作動させるのにも使う。
    • また、一部の敵は樽などと同じく持って投げつけることができるようになった。
  • ファンキーコングの店では「まとめ買い」ができるようになった。「リターンズ」では、アイテムを1個ずつ繰り返し買う必要があったため、これにより買い物の際のストレスも減少。
    • これにより、品揃えからバルーンの3個、7個まとめ売りがなくなり、バルーン1個が3コインで固定となっている。
  • 一部のアイテムの効果が変更。
    • バナナジュース:「リターンズ」から引き続き登場したアイテム。前作では敵や障害物に当たった時のダメージを数回まで無効化したが、今作ではダメージを受けそうになるとそれを無効化して一定時間無敵になるというものに変わった。
    • クラッシュガード:「リターンズ3D」から登場した乗り物へのダメージを無効化するアイテム。前作では2回まで乗り物へのダメージを無効化できたが、今作では乗り物にも耐久力が設定されたことにより(後述)、無効化効果は1回のみとなっている。また、見た目がバナナジュースの色違いから盾に変わっている。
    • 体力アップ:「リターンズ3D」では1ステージで3個まで持ち込めたが、今作では使えるのは1ステージで1個まで。
  • 作曲者がスーパードンキーコングシリーズに参加していたデビッド・ワイズになった。
    • 前作より前の時点(2009年)でレア社を退社していたため、参加を望むファンも多かったが、今作で久しぶりに参加することとなった。
  • カメラ演出のパワーアップ。
    • ステージの特定の場面でカメラが動く、ダイナミックなステージ演出がさらに映える。
  • これまではドンキー達が冒険に出るストーリーだったが、今回は奪われたドンキーコングアイランドを取り戻すための冒険であり、故郷に近づくにつれ難易度が上がっていくという面白い仕様になっている。
    • 各エリアのモチーフも多彩であり、海岸からサバンナまで種類は非常に様々。

評価点

  • 相変わらずステージの完成度は高く、難しいがどのステージもやりごたえがある。
    • ステージ1はいきなり新要素の水中パートが登場するなど、とてもステージ1とは思えないバラエティ豊かな構成となっている。しかしこの時点での難易度はおとなしめ。
    • 体力はリターンズ3Dとは違いハート2個に戻り、そういう意味での難易度は元に戻った。
    • 今作では水中のステージが復活し、それに合わせてブレスゲージが追加された。これまでとは違う感覚の水中ステージなので新鮮味はある。
      • ブレスゲージがなくなるとダメージを受ける。水面に出られない場所は各所に設けられている酸素供給ポイントで息継ぎしながら進んでいくことになる。
    • 前作と同じく、残機は裏技などを使わずともステージを進めていれば簡単に増えていくので、難所の再チャレンジも容易。
  • サポートアイテムがリターンズ3Dの要素を含めて追加された他、アイテムが1ステージにつき3個まで持ち込めるようになり、初心者救済処置が充実している。
    • ただし、一部アイテムは効果や使用制限がリターンズ3Dのものと比べて見直されており、ヌルくなり過ぎないようになっている。
  • トロッコやロケットバレルにも耐久力(体力)が設定された。通常時と同じくハート2個で、1回までなら敵や障害物に当たっても耐え、ハートを取って回復も可能。
    • 前作までは、乗り物に乗っている場合は敵や障害物に当たると残り体力に関わらず即死であったため、これにより乗り物のステージにもゴリ押しがより通用するようになった。
    • ただし、壁やレールの先端などの進行不可能な物に当たったり、穴に落ちると即死なのは変わらず。
  • サポートするキャラクターが増えたことで、ステージやボス攻略にある程度戦略性が生まれた。
    • ボス戦前の反応もそれぞれのコングで異なるので、コアなファンなら全てのリアクションを見たくなる。
  • 立体的なカメラ演出。
    • 前作以上にカメラワークが三次元的になっており、より見やすく、よりは迫力ある演出となっている。
    • 特に序盤で言えばタル大砲に入って上にあがっていくところでカメラが左下視点になるので、プレイ感覚としても見やすくなっている。
  • やりこみ要素は前作と変わらず、KONGパネルやパズルピースが各ステージ毎に隠されており、やりがいがある。
    • 特にタイムアタックの利便性がはるかに上がり、オンラインランキングに対応・パートナーコングの指定も可能・タイムアタックだけロードが異常に早いなどストレスフリー。
  • ボス戦は相変わらずのやりごたえ。
    • 2D視点ということで相変わらず攻撃方法などはレトロゲームによく見られた構成であるが、その古典的な部分を非常に突き詰めた内容となっているためかなり難しい。
    • そのボスもかつてのドンキーコングシリーズに比べるとリターンズともどもかなりタフ、非常に多彩な敵の猛攻を避けたうえで規定回数ダメージを与えなくてはならない。
      • 各ボス戦では戦闘前にパートナーコングを選ばせてくれるため、このパートナーが駄目ならコイツで…と攻略方法を毎回考えて挑むことが出来る。
  • デビッド・ワイズの良質なBGMはかなり聴き応えがある。
    • リターンズと同じく過去作のアレンジもあるが、新規楽曲もクオリティが高く、聞き飽きない。前作と比べステージ固有曲が異常に多く、サントラが出ていない(2014/9現在)のが惜しまれる。
    • 人気楽曲である「とげとげタルめいろ」もアレンジされており、何気に種類も豊富である。
    • また、ボス戦のBGMの一部はこれまでと違うメタル風の曲になっており、こちらも中々評価が高い。
      • 後述に記される問題点の筆頭である長いロードに対して、実際あまりしつこく言われないのは、彼の楽曲のおかげなのかもしれない。
  • コントローラ選択の幅が非常に広い。前作の基本操作方法であったリモコンとヌンチャクも可能。
  • HD画質なので映像が全般的に綺麗。
    • プロデューサーが豪語していただけあって、毛の表現は特にレベルがあがっている。OPムービーは特にそれが感じられる。

問題点

  • 挙動の遅さ。
    • 長所から一転して長い所のロードは本当に長い。ゲームのスタート後、ステージ選択後、クリア後はやや待たされる。
      • 特にゲーム開始時のロードの長さは、上空から雲を割って入る演出と相まって「大気圏突入」と揶揄されるほど。
      • アップデートで若干改善されたという噂もあるが、実際はいじられていない様子。
        ダウンロード版では若干ロードが短いという情報もあるが、定かではない。
    • ステージ選択時も、マップをキャラのマークが移動するのみであった前作と違い、今作ではドンキー達がマップ上を直接移動する。このため、遊びたいステージを選ぶ際にも時間がややかかってしまう。
      • しかも、第6面(最終ワールド)のドンキーコングアイランドでは、ステージ選択はすべてタルから発射され渡っていく。全方位360度に張り巡らされているステージの位置もあって、遊びたいステージを選ぶときに迷いがち。
  • 良く言えば前作同様のクオリティだが、悪く言えば新ハードになったわりには代わり映えがない。
    • 「スーパーマリオ3Dワールド」のようにMiiverseの投稿が表示されるといった、直接連動する機能もない。3Dワールド以上に攻略法を教えてもらいたい場面が多いのだが。
    • WiiU独自のコントローラであるゲームパッドを活かしている部分は一切ない。むしろ不便さが際立つ。
      • 操作に十字キーモード、スティックモードのどちらかしか選べない。どのボタンにどのアクションを割り当てるといった細かい設定はできない。
      • モニター表示もテレビモードかゲームパッドモードしか選べない。どちらかを選ぶと片方がブランク(真っ暗)モードになる。上記を含めて片方を選ばせる必要性がない。
  • マイルドになったとはいえ、死にゲーであることに変わりはない。
    • ただし先のステージ展開は相変わらず気になる構成になっており、「ここをこうすればクリア出来そう」と思わせてくれる点はリターンズと同様で、理不尽さというより「製作者の思惑にしてやられた」という要素のほうが強い。
    • また、救済処置が増えたので前作より攻略の敷居はかなり低くなっている。
  • 大体の登場キャラクターも前作と変わらない。大雑把に言えばディクシーが増えた程度。敵キャラも相変わらず馴染みのあるクレムリン軍団ではない。
  • ステージの数が減少。前作「リターンズ」では72面(リターンズ3Dでは80面)あったステージが、今作では63面と若干少ない(いずれもボス面、裏面を含めた数)。
    • 裏面だけを見ると「リターンズ」の1面に対し今作では3面と増えてはいる。ただし「リターンズ3D」では裏面が9面に増えているという点からすれば大幅な減少になるので、物足りなさを感じてしまう人もいるだろう。
    • その代わり1つ1つのステージは前作よりも密度が高い。ところどころ演出が過剰とも言えるくらいになっており、常にプレイヤーを飽きさせない作りにはなっている。
  • 全体的にディクシーの性能がやや万能すぎて、他のコングは必要とされる部分が少なめ。
    • 全ての面で通用するわけではないが、ほとんどの難所はディクシーを使用することで高くジャンプすれば、楽に解決してしまう。
    • 特にディディーの「高度をあまり下げずに水平移動できる」というバレルジェットの特性は、ディクシーの「ジャンプ中に好きなタイミングで少し上昇できる」というポニーテールスピンに完全に食われており、ディクシー以上に必要とされる場面はほとんどない。
    • クランキーの「杖を使って高くジャンプし、トゲのある床や敵も踏める」杖ジャンプは一部独自の要素がある為完全に死んではいないが、操作に癖があるため敵を狙って踏みづらく、さらに落ちそうになった際のリカバリーと言う点で大きく見劣りする。
    • コングパウの効果などを考慮しても、やはり上位なのはディクシーである。体力を最大8まで増やせる点は、兎にも角にも死にやすい本作では圧倒的な長所となる。
    • 水中のステージではやや見劣りするが、ポニーテールダッシュによって激しい水流を突破することが可能になるので、隠し要素の探索、習得がしやすくなる等、万能性ではこちらが断然上。
  • 例によってやたら不便なサウンドテスト。
    • 何故か例によって1ワールド4曲までと言う謎の縛りが設けており、そして何故か2ループで次の曲に行ってしまう。名曲揃いなのに頑なにこの仕様を曲げないのは理由でもあるのだろうか。

総評

前作と同じ完成度の高く、やりごたえのあるゲーム。デビッド・ワイズのBGMもクオリティが高い。キャラクターが増えたことでプレイ感覚にもある程度の新鮮味はある。
悪く言えばNew スーパーマリオブラザーズ Uのような変わり映えのなさがあるものの、前作をやりこんだ人なら楽しめるゲームであろう。
ロードの長さや若干調整不足の点があるのは否めないが、リターンズを楽しんだ人であればまた違った世界を堪能出来る作品となっている。