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Euro Truck Simulator 2 - (2014/10/26 (日) 13:09:54) の編集履歴(バックアップ)


Euro Truck Simulator 2

【ゆーろ とらっく しみゅれーたー つー】

ジャンル ドライビングシミュレーター この商品はAmazon商品紹介機能をご利用いただけません。
対応機種 Windows、Linux、Mac OS X
メディア DVD-ROM 1枚/ダウンロードソフト
発売・開発元 SCS Software
日本語版発売元 ズー
発売日 2012年10月19日
価格 2,350円*1
プレイ人数 1人*2
分類 良作
ポイント トラック野郎inヨーロッパ
リアルと手軽さを両立したドライブゲーム


概要

チェコのゲームメーカーSCS Softwareによるドライブシミュレーターゲーム。2008年8月29日に発売された『Euro Truck Simulator』の続編である。


特徴・システム

  • 大型トレーラートラックのドライバーとなって広大なヨーロッパを走り抜けるドライブシミュレーター。グラフィックは3Dで描写される。
  • ストーリー性や、ライバル車との競争などの要素は特にない。乗用車とは違う独特の操作感覚を御することが本作のゲーム性と言える。
  • プレイヤーはトラックドライバーとなって仕事を請け負う。発送元で荷物を受け取り、期限までに目的地まで送り届ける。
    • マップ上には、欧州12ヶ国(イギリス・フランス・イタリア・ドイツ・スイス・オランダ・ベルギー・ルクセンブルク・オーストリア・イタリア・チェコ・ポーランド)の主要都市が配置されている。
  • 操作はキーボード&マウスのほか、ゲームコントローラー(Xbox360互換パッド)やハンドルコントローラーなどが使用可能。
    • ゲームコントローラーを繋いで、オプションで操作を「イージーオートマチック」に設定すると、大型トラックをアナログスティックだけでラクラク運転できる。一方、操作を「マニュアル」にしてハンドルコントローラーを使用すると、リアルな運転感覚が体験できる。
    • ヘッドライト、クラクション、ウインカー、ハザードランプ、ワイパー、カーラジオなどなど、大型トラックのあらゆる装備が再現されており、基本的に自分で操作する。
  • 仕事を完了すると報酬(ユーロ)と経験値が得られる。報酬を貯めてトラックをチューンナップしたり買い替えたりする。レベルアップしてスキルを取得すると報酬額が増えたり、難しいが報酬額が高い仕事を請けられるようになる。
  • ゲーム開始時点では、プレイヤーは自分のトラックを所有していない。雇われ仕事をこなして資金を貯め、初めて自分のトラックを購入した際の喜びはひとしおである。
    • 実在6社(スカニア・マン・ルノー・ボルボ・イヴェコ・DAF)と架空1社(メルセデスをイメージしたもの)のメーカーが存在しており、それぞれ多数のトラックラインナップが用意されている。
  • 運送会社の社長となって会社経営する要素もある。従業員を雇いガレージとトラックを割り当ててやると、自分で仕事を探して利益を上げていく。最終的には自分が働かなくても資金が際限なく増えていく身分になれる。
  • 全てのトラックはカーナビ完備。車のインテリアとしてにカーナビがついていなくてもゲームのUIとしてカーナビ画面を表示できる。広大なヨーロッパでも道に迷う心配はない。
  • トラックに多彩なカスタマイズを施すことができる。詳しくは「評価点」で。
  • ドライバーには疲労度が設定されており、これが100%になる前に休憩を取らなくてはならない。休憩せずに運転を強行するとあくびを繰り返すようになり、さらには画面が暗転して「zzz...」と表示されてしまう。こうなると大事故は避けられない。
    • 休憩は都市内のホテルや街道沿いのサービスエリアに併設されている休憩地点でしか行えない。そしてひとたび休憩すると睡眠を取り9時間が経過するので、どこで休憩するかは計画的に考える必要がある。
  • トラックの各パーツ(キャビン、シャーシ、エンジンなど)は独立して耐久度を持っており、無理な運転をすると減っていく。正面衝突や横転などの大きな事故を起こせば大幅に減る。減ったままで走行すると車両整備違反の罰金を取られる上に、トラックの性能も劣化しているので、都市内のトラックサービスで整備修理してもらう必要がある。運転に慣れないうちはトラックを傷つけてばかりで、報酬のほとんどがトラック修理代に消えていくこともある。
  • キーボードの数字キーで視点を自由に変更可能。ドライバー視点や車両後方から視点などの一般的なものから、車庫入れ用のタイヤ視点、PV風の三人称視点など。
  • ストリームラジオ機能を搭載。ヨーロッパで実際に流れているネットラジオを流しながら運転できる。言葉もわからない異国のラジオだったりもするが、それはそれで異国を旅する気分を盛り上げてくれる。

評価点

  • グラフィックが極めてリアルで美しく、一見しただけでわかる本作最大の魅力となっている。風景は綺麗で街並みもそれらしく仕上がっている。時間や天候の変化も再現されている。
    • ヨーロッパ各地を駆け抜ける異国情緒も味わえる。日本ではほとんど見かけない、信号機のない交差点「ラウンドアバウト」も体験できる。
    • トラックは左ハンドルで車道では右側通行。日本人には違和感があるが、それも異国情緒のうちである(イギリス国内では左側通行となる)。
  • 大型トラックを運転する感覚が楽しい。
    • 普通の人はおそらく一生体験することがない、大型トレーラートラックの運転を体験できる。
    • 車の挙動はリアル一辺倒ではなく、ハンドリング角や加速性能などディフォルメもされているが、そのため遊びやすい。
  • 自分以外の車もリアルに動く。車種も色々あって飽きさせない。たまに自分のことしか考えないDQNドライバーがいたりもするが、それを上手くやり過ごすのもゲームのうちである*3
  • トラックを自由自在にカスタマイズすることができる。
    • トラックディーラーでは、エンジンやブレーキなど色々なパーツを販売している。より高性能なパーツに換装することで、トラック自体を買い換えなくても性能をチューンナップできる。
    • さらに外見のカスタマイズも可能。キャビンやシャーシのあちこちにディスプレイ用の金属バーを張り巡らせ、そこに色とりどりのランプを並べてギラギラに飾り立てることもできる。
    • 塗装パターンも数種類の中から選べる。色も自由に指定できる。
  • 幅広いPCスペックに対応している。
    • 設定メニューでグラフィック品質を最低に落とすと、低スペックPCやノートPCでも問題なく動作する。fpsが落ちたり風景が微妙にボケたりするが、本作の楽しさは損なわれない。
    • 一方、ゲーミングPCならグラフィックを高品質に設定することで、実写映像と見まごうほど美しいグラフィックを堪能できる。
    • これらのグラフィック設定は各機能ごとに細かく調整することもできるが、大雑把に4段階から選ぶやり方も用意されているので簡単に設定できる。

問題点や好みが分かれそうな点

  • 本当に「トラックを運転するだけ」のソフトウェアであり、それ以上でも以下でもない。あとはトラックのカスタマイズ。できることはそれだけである。
    • ストーリーモードやミッション、クエストといった物は用意されていない。ライバル車と競争したり、パトカーとカーチェイスを繰り広げたりといった要素も含まれていない。色々な都市を訪れることになるが、そこで何かイベントが起こるようなこともない。
    • 経営要素も、結局は「お膳立てを整えてやると勝手にお金が入る」というだけに過ぎず、経営SLGと呼べるような手の込んだものではない。
  • ズーから「日本語版」と明記された商品が売られているが、別にこれを買わなくても、海外版でも標準で日本語に対応している*4
    • 「日本語版」を買わないと日本語で遊べないような誤解を生みがちであり、価格も「日本語版」の方が高いということもあって、批判を受けることもある。
  • 本物の長距離トラックほどではないが、運送にはけっこうな時間がかかる。隣の都市に行くだけでも10分程度、長距離運送だと数時間もかかる場合もある。好きな音楽やラジオでも聞きながらのんびり運転を楽しめるような人でないと、退屈さを感じてしまうかも知れない。

総評

ドライブシミュレーターとしての完成度に優れ、リアルさと遊びやすさを高次元で両立させている。「ただ運転するだけのソフト」であることを承知した上で、それをむしろ魅力だと思えるような人にとっては、いつまでも飽きずに遊び続けられる作品である。
「クルマが好きだが、コンマ数秒を削るレースゲームのストイックさには馴染めない」という人にもオススメできる。異国の大地をゆったりと走破する気分は格別であり、レースゲームでは得られない爽快感を味わえる。ただし長時間プレイしていると眠くなってくることもあるので、リアル居眠り運転にはご用心。


DLCやMODについて

  • 東欧方面にマップを拡張するDLC『Going East!』が配信中(「日本語版」はAmazonで1,299円)。また本編と『Going East!』をセットにした『ゴールドエディション』(同3,450円)も発売中。
  • トラックに美麗なスペシャルペイントを施すドレスアップDLCも各種発売中。
  • MODが作りやすく導入しやすい設計となっており、ユーザーが作ったMODが多数公開されている。中でも注目されているのがマルチプレイを可能にするMOD。メーカー公式サイトにも記載されており、ある種公式MODに近い扱いである。
    • プレイヤー同士でMAPを共有して、多数のトラックで編隊(コンボイ)を組んだり、すれ違う他プレイヤーにクラクションを鳴らしたりといった遊びができる。
  • その他、マップや車種を追加したり、オリジナルペイントを施したり、挙動やグラフィックをよりリアルにしたり、色々なMODが無償公開されている。

参考動画

+ 公式トレーラーとプレイ動画