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デビルサマナー 葛葉ライドウ対超力兵団 - (2014/05/10 (土) 21:21:33) の編集履歴(バックアップ)


デビルサマナー 葛葉ライドウ対超力兵団

【でびるさまなー くずのはらいどうたいちょうりきへいだん】

ジャンル アクションRPG

対応機種 プレイステーション2
発売・開発元 アトラス
発売日 2006年3月2日
価格 7,140円(税込)
廉価版 アトラスベストコレクション
2006年12月7日/2,940円(税込)
ポイント 女神転生突然の異ジャンル
女神転生シリーズリンク

概要

  • 女神転生シリーズの1つ、デビルサマナーシリーズ3作目。シリーズの過去、架空の時代大正20年が舞台。架空ではあるが明治末期~昭和初期を強く意識しており、この時代をモチーフにした作品は大変珍しい。
    • 女神転生シリーズは旧作シリーズ、真・女神転生シリーズ、デビルサマナーシリーズ、ペルソナシリーズと単発世界観で構成されている。真・デビルサマナー・ペルソナは世界観が殆ど同じだが、デビルサマナーとペルソナは真・女神転生の1作目で東京が壊滅しなかった世界の物語である。
    • 女神転生シリーズは敵である悪魔と交渉し、味方に引き入れて仲魔(なかま)にし、共に悪魔と戦うシステムが特徴。

システム・前作?からの変更点

  • 女神転生シリーズは純然たるRPGであったが、本作は同社初のアクションRPGとなっている。
    • 通常の探索や移動画面はRPGだが、ランダムエンカウントで戦闘シーンに移行するとアクション戦闘になる。
    • アクション戦闘では主人公ライドウを操作する。ライドウは刀と拳銃で武装しており、銃撃・斬撃・ガード・アイテム使用の行動がとれ、それ以外にも仲魔の召喚や簡単な命令も出すことができる。
      • 戦闘画面は敵悪魔とライドウ、仲魔悪魔が入り混じって戦うことになる。
    • シリーズでは敵悪魔と交渉をして仲魔にしたが、本作では敵悪魔の弱点を突き、麻痺状態にした相手を管で封じることで仲魔にする。ただしライドウのレベルより高い悪魔やイベントボスは絶対封印出来ない制限はある。
    • 仲魔との合体技が使えるようになった。敵の弱点を突いて仲魔のテンションを上げる事で発動可能。本作における重要なダメージ源となっている。
  • 真IIIと同様に、経験を積ませる事で仲魔が成長するようになった。
  • 悪魔合体システムがマイナーチェンジ。合体は一度に2体までとなり、前作までの種族は管属という新しい体系に置き換えられた。合体法則もそれに伴って変更されている。本作ではこの合体をバイナリーと呼んでいる。
    • 従来の作品の御霊合体は廃止され、悪魔一体を犠牲にして他の悪魔のステータスをアップさせるサクリファイスと呼ばれる合体が追加された。
    • シリーズにあった悪魔の力を剣に宿らせる剣合体は、シュミットという名前で継続している。
  • 忠誠度システム簡略化。戦闘に出して一緒に戦っているだけで忠誠度があがるようになり、仲魔の性格を考慮する必要は無くなった。
  • マップは真IIIの様な第三者視点に変更され、迷う心配が減った。
  • 仲魔の連れ歩きに関しての変更
    • 仲魔を召喚する際にマグネタイトを消費する点は変わらないが、召喚したまま移動しても消費しなくなった。
    • 仲魔に単独で調査させたり障害物を排除したりと、戦闘以外にも活躍の場が出来た。
    • フィールド上を移動している時も仲魔のビジュアルが表示されるようになり、お気に入りの悪魔を連れまわす楽しみができた。

良点

  • 世界観やシステムこそ異色だが、キャラクターや全体的なノリは従来シリーズを色濃く継承している。更に真・女神転生やデビルサマナーシリーズのキャラクターやネタが登場しており、割合好評価だった。
    • シリーズをやっていなくても「過去」の話なので、新規プレイヤーでも十分楽しめるように仕上がっている。
  • ライドウやゴウトを始めとした登場キャラの人気は高い。Pixiv等でも多数のファンアートが見られる。
  • 移動時や事件捜査など戦闘以外でも仲魔が役立つようになり、単なる戦力ではなくなった。
    • ライドウの後ろを付いて来る仲魔の姿は新鮮。コミカルだったり愛らしかったり。
    • 真IIIでは無くなっていた戦闘時のちょっとした台詞が復活。人気のヒーホー口調やガインくん口調も健在。
  • 仲魔との合体技が強力に設定されているため、上手く敵の弱点を突いて戦えるとかなり有利に戦える。この辺りは真IIIで好評を博したプレスターンバトルに似ている。
  • 目黒将司氏が手掛けたBGMの評価は高い。*1
  • 2週目以降にプレイ可能になる高難易度モード「超・葛葉ライドウモード」がやり込み派プレイヤーに嬉しい。
    • 被ダメージ4倍、与ダメージ1/2、物価3倍、デビルカルテ*2の呼び出し料金7倍、等々。相当な難易度となっているが、それだけにクリアした時の感慨もひとしお。
  • 充実したチュートリアル等、初心者向けの配慮が随所に見て取れる。

難点

  • 前作や前前作の舞台は現代でそのノリが好きなファンも結構いたため、何故舞台を大正に?と疑問視する声は時折あがる。
    • 女神転生シリーズが終末論を扱っていたり、アドルフ・ヒトラーやハーケンクロイツが描かれたキャラクターを登場させた同社作品があり、大正20年を昭和6年(1931年)*3に換算すると時代背景に関連性がないとは思えない。
  • 一部シナリオ面
    • 無理に正伝である真・女神転生シリーズに繋げようとした部分があり、古くからのファンからは受けが悪かった。
  • 戦闘画面でのライドウの操作性が悪い点は一様に不評だった。
    • 銃を撃つと動きが止まる。刀を振ると止まる。ガードしても止まる。アイテムを使ったり仲魔に命令するの時にはいちいちメニュー画面を出して操作せねばならず、面倒。2006年のアクションRPGとしてはやたら動きが硬くもっさりしており、アクション好きな人間には苦痛でしかない。
      • 攻撃モーションに関してはモンスターハンターのように意図的に設けられた隙だと考えられなくも無いが、仲魔への命令変更は面倒。
  • 仲魔のAIがおバカ。行動を仲魔に任せると、HPが1でも減ると回復魔法を使うため簡単にMPを使い切ってしまう。
    • 細かく指示を出せば良いのだが、前述の通りその為の操作が煩わしい。
    • ディアオーラ*4をメインの回復手段として使う事でこれらを回避出来る。
  • 一度に一体しか仲魔を召喚できない。このため、真IIIの時のように、個々の弱点をパーティーメンバーの組み合わせでカバーするような戦術は採れなくなった。
  • 悪魔との交渉要素はない。モーションなどの開発陣の苦労のせいか、悪魔の総数が少ない。
  • 悪魔合体が全体的に不自由
    • 忠誠度をMAXにしないと合体素材に使えない。野良悪魔を捕まえて合体させようにも、その都度忠誠度上げの作業をやる羽目に。
    • 新しい合体法則も「合体技術が未成熟」感を出すには良いが、試行錯誤の面白みが少し減っている。
    • スキル継承は前作?と同様に優先度順に固定*5。綿密な合体計画を立てればある程度は思い通りのスキル構成にできるが、真IIIではスキル継承の自由度が高かっただけに歯がゆく感じる面も。逆にキャンセルを繰り返す作業にならなくていいという意見もある。
  • ライドウは探偵(見習い)なのに、推理・謎解きは主に猫のゴウトがやる
    • シナリオの進行に合わせてヒントを出してくれるのだが、そのヒントが強制かつ懇切丁寧なため、プレイヤーが考える余地が残らない。ほとんど「猫の言うとおりに進むだけ」と化している。
      • 非常に不評だったようで、続編冒頭では「口を出しすぎた」とゴウトが謝罪するほど。
  • テクスチャが荒い。人によっては真IIIの方が綺麗と思えるかもしれない。

総評

 純然たるRPGであったシリーズに突如として登場したアクションRPG・やたらもっさりしていて操作性の悪い戦闘シーンと、異色でありながら戦闘シーンの完成度が微妙なので全体的な評価は高いわけではない。褒めるべき点も多いのだが、それと同じくらいに問題点も多く、良作と言うには一歩及ばない感じである。実際、不満点が軒並み解消された続編は良作とされている。
 しかし、新規のプレイヤーでも楽しめるように作られており、シリーズファンならばニヤリとさせるネタを仕込み、戦闘シーンも時代不相応ではあるが別に遊べない程悪いわけではない。それなりにガッカリはするかもしれないが。
 ファンに限らず、女神転生シリーズに興味があるならばやってみていはいかがだろうか。腕に自信があるのなら、「超・葛葉ライドウモード」目当てにプレイするのもアリかも知れない。

余談

  • 一定のアイテムを揃えると、作中に登場するキャラクター「鳴海」と持ち金を賭けた賭け麻雀をすることができる。
    • 面子が足りないので悪魔2体含めて4人打ち麻雀をするのだが、鳴海は当たり前のようにイカサマをして上っていく。この為基本的に持ち金を奪われるイベントにしかなっていない。
      • 一時期2ちゃんねるに「鳴海に国士無双されたらageるスレ」というのがあった程。割合長い間このスレッドはあったようだ。
    • 金稼ぎをするつもりならセーブ&リセットは必須。それでも戦闘で稼ぐよりは効率は良い。
  • ゲーム中でねこじゃらしと言うアイテムが手に入る。これをゴウトに使うと、最初の頃こそ動じないが、いくつも入手して使っていくと・・・