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beatmania IIDX INFINITAS - (2020/07/07 (火) 22:14:13) の編集履歴(バックアップ)


beatmania IIDX INFINITAS

【びーとまにあ つーでぃーえっくす いんふぃにたす】

ジャンル DJシミュレーション
対応機種 Windows7/8.1/10
販売・開発元 コナミアミューズメント
基本料金 1,628円/月(税込)
サービス開始日 2015年12月1日
判定 初期版 シリーズファンから不評
2019年以降 改善
ポイント KONAMI初のPC版IIDX
SIRIUS以降の楽曲がプレーできるのがウリ
独自要素の薄さと楽曲解禁が問題
やり込み要素が薄い代わりに収録曲は850曲以上
キーボードを使った新たな遊びが可能
beatmaniaIIDXシリーズリンク


概要

PS2で発売された『beatmaniaIIDX 16 EMPRESS + PREMIUM BEST?』(以下CSEMP)から6年ぶりに登場した家庭用IIDX。17 SIRIUS以降の収録楽曲を中心に収録した完全新作となっている。
コナミのクラウドゲーミングサービスである「コナステ」*1内のコンテンツであるため、対応機種がWindowsPC向けとなっている。
システムに『beatmaniaIIDX 21 SPADA?』をベースにしつつ、全体的に課金方法や仕様等が過去の買い切りであったCSとは大きく異なるものとなっている所が特徴。
長らく停滞していた久々の家庭用新作という事もあって、熱心なユーザーからの期待を集めサービス開始前から盛り上がりを見せていた。
サービス開始の当初はシステムの基礎が未熟で楽曲数が39曲のみと不備が多かったのだが、本作の4周年を迎えた2019年以降は未解禁楽曲の救済処置が行われている他、現在の楽曲数は871曲という抜群のボリュームを誇った事により、評価は2018年以前とは異なって一気に上昇した。


今作独自の特徴

ゲーム自体の仕様

  • 「コナステ」内のコンテンツであるものの、他のCLOUDタイトルと異なりゲームそのものはクラウド配信ではない。
    そのため、本編をダウンロードしてインストールしなければプレイ出来ない点に注意。

料金体系

  • 料金は月額制で、クレジットカードかPASELIで支払い可能(1,628円/月)。
    • 購入期間は毎月1日~月末までの固定で日割り計算がない。月後半から契約を開始しても有効期限は月末までで、全額課金が発生するので注意。
    • 月の中途で解約しても、契約は月末まで有効。
  • 従量課金要素として「INFINITAS TICKET」(以下、チケット)が存在する。
    • 「段位認定」「追加MISSION」「championship」をプレイする際に使用する。
  • 最初から特定の曲がセットで販売されている楽曲パックもある。購入は、eAMUSEMENTサイトの購買部で行う。曲数はvol.1のみ25曲で、vol.2以降は30曲。以下は現在販売されているパックの一覧。
    • 「INFINITAS 楽曲パック vol.1(19 Lincle)」
    • 「INFINITAS 楽曲パック vol.2(19 Lincle + The 7th KAC)」
    • 「INFINITAS 楽曲パック vol.3(20 tricoro)」
    • 「INFINITAS 楽曲パック vol.4(20 tricoro + The 8th KAC)」
    • 「INFINITAS 楽曲パック vol.5(20 tricoro + 旧曲)」
    • 「INFINITAS 楽曲パック vol.6(21 SPADA)」
    • 「INFINITAS 楽曲パック vol.7(21 SPADA)」
    • 「INFINITAS 楽曲パック vol.8(22 PENDUAL)」
    • 「INFINITAS 楽曲パック vol.9(22 PENDUAL)」
    • 「INFINITAS 楽曲パック vol.10(23 Copula)」
    • 「INFINITAS 楽曲パック vol.11(23 Copula)」
    • 「INFINITAS 楽曲パック vol.12(24 SINOBUZ)」
      • 値段はvol.1のみ5073円または4612ポイント。vol.2以降は6091円または5538ポイント。

収録曲数

  • 総収録曲数は2020年7月1日時点で871曲。
    • 最初から選べる曲は『SIRIUS』初出の一部、その他の旧曲、そして2019年にて追加された4曲*2の計43曲である
      それ以外の楽曲はChampionship、楽曲パック、DJ POINTとBITを利用した解禁楽曲になる。
    • 厳密には毎月2曲ほどの「その月にログインするだけで解禁される特典楽曲」があるのでたいていの場合はそれも加わる。ただし、月初から数日のアプデ前にのみログインした場合は入手不可。

本作独自のオプション

  • キーボード向けのASSISTオプションとして「KEY ASSIST」「ANY KEY」が搭載されている。いずれもこれを使用してクリアした場合は「ASSIST CLEAR」になる。
    • 「KEY ASSIST」
      3つ以上の同時押しが、無条件で2つの同時押しに減るオプション。
    • 「ANY KEY」
      タイミングが合っていれば、どのキーを押してもオブジェがあるレーンで押した判定となる、判定タイミングの調整に使用するオプション。
  • MOVIE ON/OFF(詳細設定から変更)
    • これを使ってOFFにするとムービーが非表示になる。
      その場合、ムービーが表示される部分には今作のモノクロロゴ付きシャッターが表示される。

解禁システム

  • 現在はゲーム内通貨「BIT」を貯め、それを使って楽曲やカスタマイズを解禁する仕組みになっている。
    • BITを貯める手段として、決められた課題をクリアする「MISSION」というシステムが存在する。チケットを使えば更に多くのMISSIONを受注する・MISSION達成時の報酬を増やす・1日1回のみ達成可能なMISSIONを再受注可能な状態に戻す、といった事が可能になる。
    • 貯まったDJ POINTの数量に応じて解禁される隠し曲もある。
      • なお、カスタマイズの解禁は、eAMUSEMENTサイトの購買部で行う。

評価点

家庭用音楽ゲームにしては破格の楽曲数

  • これが本作最大の評価点と言える。SIRIUS以降の楽曲を自宅等のゲーセン以外の環境で、低難度譜面から高難度譜面まで幅広くプレイできる。
    • やはり音楽ゲームなので収録楽曲が多いことは魅力的。PCとはいえ家庭用音楽ゲームとしては規格外の収録楽曲数を誇る。
      • どれぐらい規模が大きいのかと言えば、携帯機ではあるが『シアトリズム ファイナルファンタジー カーテンコール』の221曲+DLC100曲やPS4の「DJMAX RESPECT」の146曲+DLC専用楽曲*3等でも「家庭用音楽ゲームとしては驚異の曲数」と評価されている事と、現時点ではそれらの2.5倍以上という大規模のボリュームを誇る事から本作の収録曲数の多さがわかるだろうか。
    • ACの直近作であるRootageの楽曲も、7曲のみだが収録されている。
    • もちろんACの一部削除曲も収録されており、専用ムービー付きで収録された「Be Rock U (1998 burst style)」など意外性のあるものも収録されている。
    • 過去のCS作品には無い新譜面や追加DPAをプレイできる旧曲もある。
  • この膨大な楽曲数は後にコナステ作品である「SOUND VOLTEX III GRAVITY WARS」のほうが上回っているが、*4、譜面数やBGA等のデータ量を考えれば、1曲毎の要素としてこちらは後者に勝る。

AC版ゲームシステムへの対応

  • システムはSPADAベースなので、今までのCSに無かったチャージノートやEX-HARDゲージ、フローティングハイスピード等がついに家庭用に登場。昔の楽曲を最近のシステムでプレイできる。
    • HI-SPEED関連の仕様がAC版と同一のものとなった(サービス開始当時)ため、速度変化をする楽曲への対策(いわゆるギアチェン)のACに通用する練習ができるのも過去のCS作品と比べた大きな利点。
    • 細かな点では判定の仕様も違っているため、tricoro以降からプレイを始めたユーザーも馴染みやすい。*5
    • Copulaにて搭載されていたHELL CHARGE NOTE要素も2020年2月の楽曲パック登場に伴って、本作にて実装された。

PCらしく、キーボードでもプレイ可能

  • PCと言う本機種を活かして本作ではキーボードでもプレイ可能。1鍵盤毎に2つのキーがアサイン可能、そしてRealforceや昨今のゲーミングキーボードのように同時押し制限の無い「Nキーロールオーバー」を謳っているキーボードを使えば同時押し制限を恐れないまま自由にプレイできる。それを活用し、キーボードを使って高難易度譜面にてとんでもない全一スコアを出せる猛者もいる。

オンライン接続による恩恵

  • ACとは仕様が異なるものの、家庭用としては初のクリアレート、ネット接続によるライバル機能等が追加された。
    • かつて開催されていたChampionshipも、その内容は楽曲解禁&スコア競い合いというモードであり、オンライン接続ならではできたオリジナル要素とも言える。

PCゲームにしては軽い方に入る動作条件

  • 本作の動作条件はサービス開始した時の基準から見れば(当時高性能パソコンがまだ普及していなかった事もあって)高い方に入っていたのだが、2020年現在ではHDD容量やメモリ容量等を除いてその動作条件はあまり変わっておらず、本作の動作条件を全て満たしているPCが非常に増えている。
    • 目安として2020年現在のミドルクラス以上のPCであれば本作の動作条件を全て満たしており、入力遅延に関してもモニターとPCの特定の設定を変えれば解決可能。
      • 本作のトライアル版を用いることで、動作確認が可能。
+ 動作条件となる必須と推奨スペック
  • 対応OS:「Windows7」「8.1」「10」
    • ※PCの知識が必要になるが、Macでも一応Boot Campや仮想OS等を利用すれば可能。
  • CPUスペック:2.8GHz以上必須 (コア・スレッド数情報未記載)
    • 推奨条件:「Intel® Core™ i5シリーズ3.2GHz以上」「AMD A8シリーズ3.5GHz以上」
  • メインメモリ:2GB必須、4GB以上推奨、DDR3以上の十分な速度の出るものを推奨
  • HDD、又はSSDの空き容量:40GB以上必須、十分な空き容量と速度の出るものを推奨 グラフィック機能:メモリを1GB以上搭載するグラフィックカード、2016年以降の十分な速度の出るものを推奨
    かつMicrosoft DirectX® 9.0C以上が動作する物が必須
    • DirectXはMicrosoft DirectX® エンドユーザーランタイムが必須である*6
    • 当初はメモリ表記が256MB以上だったが、いつの間にか要求スペックが上がった。
  • サウンド:ステレオ出力が出来る環境が必須、オンボード音源が推奨
  • ディスプレイ:解像度「1280x720ピクセルの表示」が可能なもの(必須)、画面のリフレッシュレートが60Hzに表示可能なもの(必須)
    16:9の画面比率のものを推奨
  • キーボード:Nキーロールオーバー対応製品推奨
    • とはいえ、キーボードで高難度譜面をプレーする場合は事実上Nキーロールオーバーが必須*7
  • 通信回線:有線ブロードバンド回線推奨
    • ゲームだけならプレーできるが、アップデートデータの容量が大きいため事実上ブロードバンド回線が必須

その他の評価点

  • CEROレーティングの影響がないため、一部の曲のBGAがACと同じ内容で収録されている。*8

賛否両論点

公式プレミアム専用コントローラーの出来

  • サービス開始から約半年後に発売されたプレミアム専用コントローラーだが、以下の理由で評価が割れている。
    • 鍵盤仕様について:
      • マイクロスイッチ100g重(0.98N)のバネ無しと、販売当時の旧バージョンの出荷設定*9とも、ゲーセン独自でカスタマイズにおける主流設定*10とも異なる仕様。
      • これに関しては2018年2月にて改善版のプレミアム専用コントローラーが発売された。鍵盤が100gから80gになってやや軽くなり、ケーブルも差し抜き式になった事で根本が折れる心配は無くなったものの、代わりにターンテーブルが軽過ぎになって反応が鈍くなった。
    • ターンテーブル:
      • ターンテーブルのサイズがPS2版専用コントローラーと同じである為、本コントローラーでスクラッチに慣れるとACで違和感を覚えてしまう*11
      • 公式にあったプレビューとは異なりスクラッチしやすさを補助する凹凸付きのカーボンシート(通称EMPRESSシート)が貼られていない。改造オプションでシートを貼る事はできるが、初期版だとスクラッチが少しやりづらい。
    • 後に素材がプラスチックになった、エントリーモデル版の専用コントローラーが2019年8月31日にて発売された。
      • こちらはボタンがPS2版と同じくプラスチック製になっている上、Bluetooth機能が追加されている。尚本シリーズのスマホ版である「beatmaniaIIDX ULTIMATE MOBILE」にもBluetooth経由として対応している。

楽曲パックについて

  • 楽曲パックに関しては購入すればBIT消費による解禁は不要であり、直ぐに遊べられると言う大きいメリットはあるが、その値段は6091円(Vol.1のみ5073円)とやや高め。
    • 1パックあたりの楽曲数が25曲~30曲と多い為、全曲満遍なくプレイする人なら価格相応の価値はあるものの、特定曲のみ購入することはできない。
    • 値段はおおよそ税込みで収録曲数×約200円*12。同社のスマートデバイス向けアプリ『jubeat Plus』や『REFLEC BEAT plus』等が4曲500円であることを考えると一見やや割高だが、本作の場合はキー音やBGA等で制作の手間が上記タイトルよりかかること、SP/DPで譜面数で言えば倍あることなどを考えればフェアと言える。
      • ただし、収録楽曲及び譜面は全てAC版からの移植。独自楽曲も存在する上記アプリとは単純比較はできないだろう。
      • 後にて2020年4月8日から4月28日までの間、新生活応援セールのつもりでVol.1とVol.2の楽曲パックが半額セールで50%も割引されている。

問題点

本作用のコントローラーの準備について

  • 公式の物の場合、入手困難なPS2の専用コントローラを(コンバーターを介して)使うか、受注生産のプレミアムコントローラを購入するか、或いはサードパーティ製の専用コントローラーを買うのか、の3択である。
    • 今作向けに販売開始された「プレミアムモデル」は、税込み32,184円。
      その上で購入の際の支払いにクレジットカードしか対応しておらず、現金・コンビニや銀行等のその他振込みには対応していないが、一方でエントリーモデル版の専用コントローラーはPASELIでの決済に対応する様になっている。
      額が額である事もあり、そもそも受注生産や抽選販売といった体制を採っていたため、現在は公式通販であるコナミスタイルでは購入出来ない
      • 一方で本シリーズ向けのサードパーティ製の専用コントローラーがそれなりにあるのが幸いだが、こちらは機種によって本作用のセッティングが必要。
    • PS2コントローラーの場合、コンバーターの遅延に悩まされる。機器の選定は勿論の事、遅延対策も必要となる。
    • 一般のゲームパッドも使えるが、5鍵盤ならまだしも7鍵盤というボタン数の多さや、難易度インフレによる操作量の増加、本来のゲーム性を考慮すればかなり人を選ぶプレイスタイルである。
    • キーボードの場合だと、Realforceのような同時押し制限の無いキーボードでも無い限り、どうしても限界に当たってしまう(参考)。
      • 本シリーズの高難易度譜面の多くは複数キーによる同時押しが多発するため、キーボードの同時押し制限は無視できない壁となる。

ゲーム自体の問題点

楽曲追加ペースの遅さ・収録曲の偏り

  • 追加頻度は1ヶ月でおよそ8曲ほどと、過去作で登場した曲数を踏まえると遅さが否めない。
    • 追加される楽曲は『EMPRESS』以前の楽曲の配信が多い。一方『SIRIUS』以降の楽曲は主に『PENDUAL』までしか収録していない。
      • 「MIRU Key Way」等の版権曲はライセンス契約の問題のせいか、今のところ未収録。おまけに『SIRIUS』の未収録曲の中にはAC現行作でプレイできるものもある等、収録基準に不透明感が漂う。
      • SIRIUSでデビューしたPRASTIK DANCEFLOORや、数作にわたって参加している上野圭市や久保田修等の楽曲は現時点で未収録。また、横田商会(及びRemo-con)、good-cool、PINK PONG、平田祥一郎、TaQの楽曲も僅かしか収録されていない。
    • 『SIRIUS』以降の楽曲が家庭でプレイできることを売りとしているが、2015年12月のサービス開始時点ではイベントがらみの例外を除いて『Resort Anthem』以降の楽曲は配信されていなかった。
      その後2016年8月に『Resort Anthem』、2017年8月に『Lincle』、2018年11月に『tricoro』、2019年3月に『SPADA』、2019年10月に『PENDUAL』、2020年2月に『Copula』、2020年4月にて2曲のみだが『SINOBUZ』の楽曲の配信が解禁された*13
      サービス開始時点で6作分遅れている状態あったが、そんなに差を縮められていない。現行作に追いつくのは無理としても、家庭用の展開が停滞していた期間をある程度取り戻すようなこともしていない。
    • プレー特典曲は、逃すとBITで解禁できるのを待つしかなくなってしまう。
      • よりにもよって人気曲やtricoro以降の楽曲がこれに充てられたため、ますます不満が募る事に。尤もイベントモードに目玉となる楽曲が用意されるのは必然ともいえるが、再開催の頻度が少なすぎるため、解禁できていない人からの不満の声は大きい。
    • 解禁を逃した楽曲についてはライバル挑戦状を利用する事で未解禁楽曲を送った相手のハイスコアを更新しない限りは一応解禁を逃した楽曲を遊ぶ事ができる。

面倒なBIT解禁

  • 本作一番の問題点の一つ。本作の月々のBIT解禁曲、過去のプレー特典曲、カスタマイズを合わせると解禁要素が相当なものになる。
    • 譜面の解禁に必要なBIT量は難易度に比例し*14、例としてSPDP両方とも☆12であるのなら値段は12000BITだが、課金無しで1日で稼げる*15を考慮するとこれがやっとである。
      • 初期と比べると比較的BITの稼ぎやすいミッションが追加されたりはしている。また、稼ぎやすいミッションは実力に依存するところが大きく、達成困難だったり効率が落ちたりする。とはいっても低難易度の譜面は値段も安いため中級者以下では必要BIT数も減るのだが。
    • その一方で本作は最初から選べる曲数がかなり少ないため、プレー特典曲が少ない状態だとボリューム不足と感じられる上、BIT稼ぎも苦行になる。
    • 定期的にBIT獲得のキャンペーンをやったりしているが、対象は追加課金利用時のみの為恩恵は非常に薄い。そんな事をするより無条件でプレーできる楽曲を増やしてもいいのでは…。
      • 2019年のゴールデンウィーク記念アップデート以降からは2年前からの毎月ログイン特典楽曲をBIT解禁楽曲として移動されており、ブランクが大き過ぎるものの一応救済処置はある。
      • その後、2019年12月のアップデートではChampionshipの第1回から第3回までの12曲がようやくBIT解禁対象になり、2020年4月16日の「INFINITAS感謝祭」の開催に伴い第4回の4曲が漸くBIT解禁楽曲として移行された。

独自要素の少なさ

  • 3y3sのロングバージョンしか今作独自の楽曲が今のところ存在しない。そしてこれ自体も、既存の作者アルバム音源を入れただけである。解禁条件のDJ POINT稼ぎ*16含め、ランプ埋めが苦行だと評価はイマイチ。
    • 初期に至っては楽曲数の少なさから、全曲理論値だとしてもSP・DPどちらか片方のみでは3200ptに届かず、SP・DP双方のプレーでようやく解禁ができるという有様だった。現在は楽曲追加により解禁のハードルは低くなっているものの、解禁する為の作業ゲーは免れない。
    • そもそも3y3s自体ACのIIDXに現在でも収録されている楽曲であり、ロング化以外にCN搭載の新譜面になっていても印象として目新しさはそんなにない。
  • しかも、家庭用なのに新規黒譜面どころか旧曲の黒譜面すら収録されておらず、手抜きな面も見られる。システムがACのものなので第4譜面の追加が厳しいのかもしれないが、ACでは黒譜面がLEGGENDARIA譜面として移植されるケースが増えている中、本作ではLEGGENDARIAフォルダ自体が未実装。
    • システムはSPADA*17のものなので下地はあると思われる。
      • これに関連して、楽曲「ミッドナイト堕天使」がACで復活した際にANOTHER譜面がCS旧作での黒譜面に差し替えられたが、本作のANOTHER譜面が旧ANOTHER譜面のままであるため、AC現行作との比較で本作独自の要素と呼べなくもなくなってしまったという逆転現象が発生している。
      • 一方で2019年5月のアップデートにて楽曲「State Of The Art」が収録された際はSPDP両方のANOTHERがSINOBUZにて復活された時の新譜面に差し替えられている。*18

解禁システムについて

  • かつて行われていた解禁イベントは単調さやテンポの悪さから評判こそ悪いものであったが、一応本作独自の演出の行われる解禁イベントではあった。現在はそれに類するものはなく選曲画面での解禁となるため、自由度や手軽さはあれど味気なくなったとも言える。

過去作CSにあった機能の未搭載

  • トレーニングモード、STATISTICS(プレイヤーのステータスを閲覧出来た)のみならず、シリーズ伝統の筈のEXPERTモードすら無い。
    • アーカイブ等も無く、SIRIUS以降のリザルトグラフィックが見られるなんてことも無い。
  • エフェクターも未実装。サウンドボードとの問題、及びWindowsにて設定できるエフェクト関連のサウンド設定を考慮したのかもしれないが…。

段位認定等の為に強いられるチケット仕様について

  • 段位認定や大会参加にも別途有料のアイテムが必要になる。1プレーにつき100円程度のものだが、途中終了のリスクがあり、そもそも月額制で基本料金を支払っている所にそういったシステムを盛り込んだ事に批判が多かった。
    • その一方で2020年4月16日〜2020年5月11日まで開催されている「INFINITAS感謝祭」や毎年恒例のゴールデンウィークによるBIT獲得量の倍増イベントにより、期間限定ではあるもののBIT稼ぎを補助してくれるお助けアイテムとしては有用か。
    • 今は「ノスタルジア Op.2」からのクラス検定システムにも搭載されているものの、それでも挑戦権の為に追加料金を払う必要性に不満の声が上がっている。

段位認定の一部課題曲について

  • 実装当時の収録曲で選出された関係上、ACと比較して疑問符の付く内容となっている。
    • 例として、☆8上位~☆9下位クラスが主に選ばれるSP五段の曲目で、☆9でもかなり難しい方と言われる「DROP」のSP HYPERが3曲目に選出されていたり、一番上の段位であるSP皆伝の1曲目が、一つ下の段位である中伝の一部楽曲よりも簡単とされている「G59」のSP ANOTHERであることなどが挙げられる。
    • 特に指摘が相次いだのはDP皆伝で、前3曲はACと同等クラスの難易度になっているのだが、ラストに配置された「Almagest」のDP ANOTHERが余りにも難しすぎるとして問題となった。
      • 前3曲はおろかACで定番ボスとなっている「quasar」のDP ANOTHER比べても圧倒的に難しいためか、DP皆伝の達成者数はわずか数十名しかいない。当然ながら難易度のバランスが悪すぎるとして批判の対象となった。
    • また、楽曲が増加した後も課題曲の改訂などが一切行われていない。
    • 但しSP皆伝に関しては、2曲目以降からは現行のACと全く同じ課題曲*19となるため、合格難易度そのものはほぼ変わっていないとされる。これはこれで変わり映えがないという意見もあるにはあるが……。
      • ちなみに今でもSP皆伝の1曲目としてお馴染みだった「嘆きの樹」はこの段位認定の実装から後に登場しているが、"それなら段位認定より先に収録すれば良かったのでは?"という不満の声が出ている。
    • 他のシリーズでも、悪名高い「AC10th八段」を筆頭に問題のある段位はあったものの、今作がここまで槍玉に挙げられる理由としては、上記の通り受験に追加料金が必要というシステムが一因であると言える。
      • ちなみに、後にアーケードの『24 SINOBUZ』のCLASSIC CLASSの中伝に本作のコースが移植されているが、中伝自体の初出は『23 copula』と日が浅いため、単に数合わせで移植した可能性もある。

旧曲の難易度・譜面修正について

  • 本作に収録された、AC削除曲である「Ubiquitous Fantastic Ride」のDP HYPERや「DENJIN AKATSUKINI TAORERU SF PureAnalogSynth Mix」のSP ANOTHERの難易度が上方修正されたが、それを除けば本作に登場している楽曲の譜面は修正されていない。
    • 難易度が明らかに詐称である「ADVANCE」のSP ANOTHERとかは本作収録の際に修正されていない。
    • また、AC最新バージョンでの難易度変更が反映されていない*20。オンラインアップデートが可能な作品でもこのあたりの動きが遅い。

消極的なアップデート

  • 2016年11月以前まではモードの追加やり込み要素を含んだアップデートが実施されていた。
  • しかし、それ以降のアップデートは毎月8曲程度を追加する以外では、(不具合修正や楽曲パック追加等)小規模なものにとどまっていた。
  • この為、今後新たなやり込み要素やプレーオプションの実装を含んだ大規模なアップデートが行われる可能性は低いと考えられている*21
  • ベースとなるシステムもずっとSPADAベースになっており、『PENDUAL?』以降に追加されたR-RANDOMやASSISTED EASY等のプレーオプションが実装されていない。
    • ACでは『Rootage』のみHI-SPEEDの仕様が変更されており、一部方法によるギアチェンがACと同じ感覚でできなくなったことも見逃せない問題点と言える。
      • とはいえ、『HEROIC VERSE』ではその新HI-SPEEDオプションが旧HI-SPEEDオプションと融合されている。
    • また、一時的には「朧」のBGAも『SINOBUZ』で追加されたものではなく汎用が使用されているが、後に『SINOBUZ』にて追加されたBGAと入れ替えられた。また、「キャトられ~♡恋はモーモク」のBGAがACでNORMAL譜面のみが解禁されていたころのものとなっていたが、2019年1月のアップデートにて現行ACでプレイした場合と同じ状態のものに修正された。
  • アップデート前に存在した問題点
+ 2019年現在にて改善された問題点

STANDARDモードがステージ制

  • プレー終了の度に一々セーブ画面が入ってテンポが悪かった。更に初期はモード画面に戻された。
    • レベル制限やEXTRA隠し曲も無く、そもそもエスケープキーにより常時途中終了ができるため、わざわざこの仕様にする必要性が無い。
    • アップデートにより、過去CS作のFREEモード同等の仕様になり、またステータスも「プレー数」から「プレー数」に変更された。

不評を買った解禁イベント「Akashic Explore」

  • 早い話がBITを消費して賽を振る双六だが、単なる作業ゲーであり、特に冗長過ぎる演出がかなり不評だった。
    • 楽曲数の少ない頃から導入したために、ますます作業感を助長する事に。
    • アップデートで、BIT消費により好きな譜面を解禁できるシステムに変更された。

DJ NAMEが変更不可(2019年3月のアップデートにて改善)

  • 一度DJ NAMEを登録すると変更ができないという仕様がプレイヤー達からの不満を買った。
    • 2019年3月のアップデートにてようやく搭載されたが、INFINITASベーシックコースに加入した状態が利用条件であり、10回遊ぶと再変更可能だったAC版とは異なり一度変更すると30日の間DJ NAMEの変更ができなくなる。

告知無しでの譜面変更

  • 2019/6/7にて、「New Castle Legions」のANOTHER譜面が変わる不具合が発生した。変更後の譜面自体はRootageにて復活した時にて差し替えられたCN付きの☆12なのだが、これに関しては意見が割れていた。
    • 譜面変更自体は今後の予定に含まれていた可能性もあるが、不具合によりクリア・スコアのデータベース情報変更をしないまま譜面のみが差し替えられてしまっていた。
    • データベースが旧譜面を参照していたままだったため、旧譜面でクリア・スコアを保存していた場合、新譜面プレーの結果と全く合わない状態になっていた。
  • 譜面変更そのものについても、"Rootageにある方のANOTHER譜面がARENAでの解禁無しでも遊べられる"との意見があるが、悪く言えば"古い方のANOTHERが遊べられない"という意見がある。
    • 2019/6/19に「意図しない譜面の変更」として不具合であったと発表。翌20日に修正された。

SOUND DATA CREATE ERROR

  • 2018年以前からはこのエラーがあまり起きる事は無かったものの、2019年以降からはそのエラーの発生頻度が高くなっており、特に長時間遊びたいプレイヤーにとっては大問題になる。発生条件は不明だが、一部の楽曲を選曲すると高確率で上記のエラーで強制終了する事はある。
    • 例として「Chrono Diver -PENDULUMs-」か「chrono diver -fragment-」等の特定の楽曲を選曲すれば上記のエラーでクラッシュしてしまう。
  • これに関しては2019年12月中旬のアップデートでこの問題は解消された。

カスタマイズ要素の乏しさ

  • 2020年4月28日のアップデートまではResort Anthemまでのカスタマイズパーツしか配信されていなかった。
    • 上記のアップデートにより、漸くLincleからSPADAまでのパーツが配信された。

総評

CS移植ではなく、あくまでも新作として舵を切ったが、その当初の実態はAC版の延長に過ぎない物であった。
加えて、プレー環境構築の厳しさや楽曲追加ペースの遅さ、独自要素の少なさ等の問題点の多さから、楽曲数が非常に多くなった今から見ても本作はまだ改良の余地を多く背負う作品になった。

その一方でバグ修正はしっかりと行われており、ライバルやペースメーカー等の最低限のオプションは揃っているためソフトウェアとしてはプレイ環境として不備はなく*22、全て解禁&楽曲パックを追加購入したとして曲数だけを見れば850曲以上、それも複数の旧バージョンに跨って収録されているという今までの家庭用作品で出来なかった、評価するべき光る面もある。
特にSIRIUSにて追加されたCN譜面や、単曲での対策が必須な☆12の連続スクラッチを主体とする楽曲は、代替になる譜面を除いて今までのCS(~EMPRESS)では無いも同然だったので、これらがやり放題と言う点はとても大きい。
システム面もFHSやEX-HARDなどが家庭版初登場であり、特に前者は速度変化する楽曲への対処方法に大きな影響があるため、これが使える環境で練習できるのは大きい。

専用コントローラーの発売といった盛り上がりも含め、良くも悪くも家庭用IIDX現行作であることが本作の存在意義であるといえる。おまけに本作は2015年末に出た事も重ねて当初「麻雀格闘倶楽部」を除けば無名であったコナステの初めてのダウンロード式作品でもある為、まだノウハウが確立できていないという側面も否めない。上記の裏返しとなるが、本作のプレイ意義はAC版ありきとも言える。
しかし、環境構築や楽曲パック等というゲーム外での大きな費用捻出が待ち構えている以上、それ相応にプレイできるユーザーでなければその恩恵を十分に得られるとは言い難い。AC版の練習用以上の本作単体での完成度を求めるには現状の運営の姿勢は些か気概が足りないと言わざるを得ないだろう。

なお、サービス開始から約3年5ヶ月の2019年4月24日付で、本作がAC版の開発チームに譲られる事になったことが、IIDXシリーズのデザイナーであるGOLI氏の発言で判明し、更にJAEPO2020にて本作の次世代バージョンのプロジェクトが始動したという事もあり、今後も期待するという事が明らかになった。


余談

  • JAEPO2020にて本作向けの専用コントローラーの最新版が発表された。こちらは「プロフェッショナルモデル」という名称であり、その仕様はAC版のLIGHTNING MODEL筐体に準拠している。
    • 2016年夏出荷の「プレミアムモデル」と異なり、こちらはターンテーブルのシートに凸凹が追加され、更にターンテーブルが向いている横側にて新たにイヤホンジャックが加わる他、プレイ状況に応じたLED電飾が搭載されている。

スマホアプリ版BEMANI

  • CS IIDX繋がりとして、2019年現在のCS IIDX最新作である本作がサービス開始してから約3年後のJAEPO2019にて、『beatmaniaIIDX』のスマホ版である『beatmaniaIIDX ULTIMATE MOBILE』が発表され、2019年12月9日にてサービスが開始された。
    • こちらは譜面の自動演奏機能がある他、BeatStream』『MÚSECA』等のオンラインサービス終了済み機種を含めたBEMANIシリーズの楽曲が聴き放題になる音楽プレイヤー機能が付いている。
    • 『beatmaniaIIDX』以外にも『SOUND VOLTEX』『DanceDanceRevolution』にそのULTIMATE MOBILEと冠したスマホ版BEMANIのプロジェクトが始動した。どちらにも専用コントローラーが用意された。
      • 当然ながらスマホアプリであるため、当wikiでは執筆ルールに基づき詳細な説明は差し控える。 興味があるのならば各自検索していただきたい。
  • 本作もエントリーモデルの専用コントローラーと共に展示されており、同時にJAEPO2019限定の特別バージョン*23と共に一部のtricoro楽曲と8th KAC課題曲を詰め込んだ第4弾の楽曲パックが先行公開された。後の1月30日のアップデートにて本作用の第4弾の楽曲パックが配信された。