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デビルメイクライ4 スペシャルエディション - (2022/03/01 (火) 19:50:12) の編集履歴(バックアップ)


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デビルメイクライ4 スペシャルエディション

【でびるめいくらいふぉー すぺしゃるえでぃしょん】

ジャンル スタイリッシュアクション

対応機種 プレイステーション4
Xbox One
Windows 7/8.1
発売元 カプコン
開発元 アクセスゲームズ
発売日 PS4/One 2015年6月18日
Win 2015年6月24日
定価 パッケージ版
PS4/One 4,490円
ダウンロード版
PS4/Win 4,157円
One 4,180円
レーティング CERO:C(15才以上対象)
判定 良作
デビルメイクライシリーズ


概要

2015年6月18日にPS4/Oneで、6月24日にWindows(Steam)版として発売された『デビルメイクライ4』の完全版。


変更点・追加要素

  • 新プレイアブルキャラで遊べる「バージルモード」「トリッシュ&レディモード」の導入。詳細は後述。
  • 無印PC版の追加要素だった「ターボモード」「LDKモード」「スーパーキャラの更なる強化仕様」を引き続き正式に導入。
  • シリーズ中のゲーム作では初の「日本語ボイス起用」を収録。アニメ版や『UMVC3』までに登場したキャラはそれに準拠するキャストとなる。
    • ボイスはオプションで「日本語」と「英語(+日本語字幕)」を選択できる。
  • グラフィックの強化、ゲームバランスの調整が少し行われている。

バージルモード、レディ&トリッシュモード

3キャラ共通

  • 3SE』のバージルモードと同様、本編(ダンテ&ネロモード)と同じ内容のミッションを別のキャラで攻略していくモード。
    • ストーリーは特に無いが、OPとEDのみ、本編のストーリーと関連性のあるムービーが流れる。ただし、ミッション内容とのストーリーの繋がりは一切無い。
    • バージルモードでは全ミッションをバージル一人で攻略する。レディ&トリッシュモードでは、ネロ→レディ、ダンテ→トリッシュと言う形の差し替え。
  • いずれのモードも最初から出現しており、本編も含めて自由な順番で遊べる。
    • ミッションの進行度やランキングはモード別に管理されるが、レッドオーブやプラウドソウル、その他各種アイテムの取得状況は全モード・全キャラで共有している。
  • いずれの追加キャラもネロやダンテと違い、LDKモード向けに高威力・広範囲を兼ね揃えた大技を持っている。
  • ネロやダンテの性能を前提としていた仕掛けやシークレットミッション、一部敵の攻撃は、バージル・トリッシュ・レディでも攻略できるように一部仕様変更されている。
    • 隠しオーブが取れるように新たに足場、グリムグリップ*1が追加されているものも。

バージルの性能

  • 『3SE』のバージルをベースに『DmC Devil May Cry』の要素を組み合わせ、今作向けの性能に大幅調整されている。『3SE』と同様、「閻魔刀」「フォースエッジ」「ベオウルフ」の3種類の近接武器と、飛び道具「幻影剣」で戦う。
    • 正統進化を謳っているが、実際は3SEとは大きく異なる。
    • VergilDownfall」の独自要素であったジャストチャージ(次元斬に対応)や、幻影剣によるリフト(瞬間移動での接近)も組み込まれている。
    • 固有システムとして「コンセントレーション(集中)ゲージ」が搭載されているのが大きな特徴。
      • 立ち止まったり歩いたりすることで集中ゲージが溜まっていき、集中ゲージの量に応じて各種近接攻撃が強化されていく。最高段階かつ魔人化中にのみ使用可能な次元斬・絶もある。
      • 逆に攻撃を食らうだけでなく、攻撃を空振ったり、走行移動すると集中ゲージが減ってしまう。エアトリック(瞬間移動)を駆使したり適度に立ち止まるなど、バージルらしいテクニカルな立ち回り方が要求される。

レディの性能
シリーズでのプレイアブルキャラ化は今作が初となる。

  • 射撃武器に偏重したキャラであり、「ハンドガン(二丁拳銃)」「ショットガン」「カリーナ=アン(多機能ロケットランチャー)」の3種類の銃器で戦う。
    • カリーナ=アンのワイヤーを敵に射出することで、地上の敵は上空に打ち上げ、空中の敵は地面に落として叩きつけるという、ネロのスナッチやバスターに近い技が使える。重い敵などには効かない。
      • ワイヤーをグリムグリップに引っ掛けることで、ネロのヘルバウンドと同様の移動も可能。
    • カリーナ=アンの発射の反動を利用して二段ジャンプも可能。
    • 接近戦もできなくはないが中~遠距離戦の方が得意で、遠距離からも敵を圧倒していける。
    • 純粋な人間なので被ダメージが他キャラよりも大きい。デビルトリガーも無いが、代わりにグレネードを周囲にばらまいて一帯をふっとばすボンバー系の必殺技が使える。
    • 他のキャラとは立ち回り方が大きく異なるが、接近戦を挑む必要が無く、ダンテやバージルほど難しい操作も要求されないので初心者でも扱いやすい。それでいて射撃の強さは他を突き放しており、独自の強みがある。

トリッシュの性能

  • 戦闘スタイルは『2』のトリッシュと共通する部分もあるが別物と言っていい。「魔剣スパーダ」と「電撃を纏った打撃」の2種類の近接攻撃と、「ルーチェ&オンブラ(二丁拳銃)」「パンドラ」の2種類の銃器で戦う。
    • 特に初心者向けを意識した技構成であり、武器チェンジやスタイルチェンジが無く、タイミングがシビアな入力も存在しない。
    • ネロにおけるバスターや、ダンテにおけるスタイルアクションのボタンに、「魔剣スパーダ」を用いた攻撃が割り当てられている。
    • パンドラはコマンド入力で使用可能。ダンテのものに比べてコマンドが簡略化されている。
  • 一定範囲に帯電し続ける「イナズマ」や、投げつけた魔剣スパーダが広範囲の敵を巻き込んで飛び続ける「ラウンドトリップ」の性能がずば抜けており、これらの技を連発しながら適当に戦うだけでも強い。
  • 通常銃撃の連射速度が早めに設定されており、DT時は攻撃力も強めに強化される。
  • ハイタイムが2つのボタンの同時押しでなければ出せないのはややクセのある部分。

評価点・改善点

プレイアブルキャラクターの追加

  • ボリュームが増加し、より遊び甲斐のあるゲームになった。日本語ボイスの追加もあって1キャラで2度楽しめる。

ゲームバランスの改善

  • レッドオーブ、プラウドソウルの取得量が倍になり、パワーアップまでの時間が大幅に短縮。また、プラウドソウルは取得量は共通だが、使用量は個別に管理されるため、1キャラで稼げば他キャラにも回せる。
    • 最初から遊べる「LDKモード」で大量の敵を撃破していれば大量のレッドオーブやプラウドソウルを稼げる。LDKモードを1周するまでに、全スキルを余裕で習得できるだろう。
      • 隠しコマンドを入力することで『4』と同様のゲームバランスで遊ぶことも可能。隠しコマンドは機種ごとに違うので公式サイトに記載されている。
  • 移動の煩わしさが改善
    • 戦闘時でない限りスキル「スピード」が即発動するようになったため、マップ移動の煩わしさが大幅に緩和された。
      • 戦闘中はガン逃げ出来ないようにするためか、発動に必要な時間は無印版と同等に戻る。
    • 時の歯車の起動速度が速まり、テンポが良くなった。
  • エリア移動時やムービーを挟んでも、スピード発動状態、武器や銃器のチャージ状態、バージルの円陣幻影剣が維持されるようになった。
    • ブラッディパレスではこれが立ち回りやスコアに直結する。
  • クリアしたシークレットミッションは貼紙の文字が黒になり未クリアと判別しやすくなった。また、シークレットミッション開始時に挑戦をキャンセルできるようになった。
    • 特定のキャラ以外ではクリア不可能なシークレットミッションには、クリア不可能なキャラでは挑戦できないようになっている。
  • ダゴン/バエルが触手形態時に体力1になると出てこなくなるバグが修正された。代わりに本体登場時に体力を0にできなくなった

パフォーマンスの改善

  • 『4』で少しみられた処理落ちも改善。処理落ちが発生するのはLDKで超広範囲攻撃(オーメンや次元斬・絶など)で大量の敵を一掃したときの一瞬程度で、通常プレイでは全く無しと言っていい。
  • グラフィックも単純に解像度を上げただけでなく、フロストの氷などテクスチャ自体の手直しをされたものもある。

その他

  • オートセーブ対応。
  • 各キャラにコスチュームが追加。ムービーにも反映される。
    • 条件は面倒だが、コスチュームを変更してスーパーキャラクターを使用することが可能になった。
  • 値段がミドルプライス。完全版とはいえ上位機種に移植+新規PC3キャラ+日本語ボイスが追加されての値段なのでかなり良心的と言えるだろう。
  • DLCで隠し要素やオーブなどを購入可能なため、開放が難しい層への救済となっている。しかし購入しなくても全ての隠し要素を解放するのは難しくないし、ブルーオーブを買った所で本来の上限は突破されない。

賛否両論点

日本語ボイス

  • 『DMC』のキャラが日本語で喋ることに違和感や抵抗があるという批判意見も少なからず見られる。
    • 特にバージルの日本語ボイスに関しては「声がバージルにしては低い」「そもそもキャラに合っていない」といった意見も。
      • しかし、日本語固定ではなく英語ボイスとの選択ができ、合わない人は英語ボイスで遊べるため、日本語の追加自体は問題ではなくむしろ評価できる点と言える。飽きたら切り換えて二通りの楽しみ方ができるというポジティブな見方も出来る。
    • ただし一部の日本語訳、特にダンテのスタイルチェンジ時の「鉄壁の防御!」などの台詞は批判されることが多く、もっと違う台詞にできなかったのか、英語版と同様にスタイル名を叫ぶだけで良かったのではないかなどと言われている*2
      • 一応フォローしておくと全くダメな翻訳ばかりではなく、ダンテがネロに対しての称賛の台詞を「ガッツあるな」と訳すなど、『1』をプレイしている者には嬉しいファンサービス*3もある。

スーパーキャラクター

  • スーパーネロ・スーパーダンテの性能がPC版『4』と同じものに変更
    • DTゲージ無限に加えて、ネロは常時EXゲージがMAX、ダンテはロイヤルゲージと災厄ゲージが常時MAXに。
    • ネロは何時でもトリガーバーストやEX技が発動可能といったメリットがあるものの、常にEX技が発動するためにストリーク等一部の技がかえって使いにくくなってしまった。
      • スーパーネロ使用時には実質死にボタンになるL2ボタンもしくは左トリガー(初期設定時)でEXゲージのオン・オフ切り替えが出来れば良かったという意見もみられる。
      • ただし斬撃の威力が上がった分ボスをダウン状態に追い込むことも容易になり、その結果バスターチャンスが増えるという利点もある。
    • ネロの魔人化にはスーパーアーマーが付加されないため、従来のようなスーパーキャラで魔人化してゴリ押しといった遊び方が難しい。2種類の魔人化時専用技も強力だが乱発には向かない性能のため、これまでのシリーズと比べてスーパーキャラを使っている爽快感に欠けるという意見もある(あくまでスーパーダンテ・スーパーバージルに比べてではあるが)。
      • もっともネロはノーマル時でもチャージショット3やバスターといった強力な技が揃っているため、これ以上の強化をすればかなり無茶な性能になる可能性もあり、常時EXゲージMAXあたりが妥当な強化だったのかもしれない。
    • 一方のダンテはGSスタイルでのパンドラが災厄ゲージを気にせずに使えるようになったのが大きい。安全確保のため2段ジャンプ→アーギュメントを発動→全弾発射を繰り返しつつ移動するという操作だけで高難易度のミッションやBPも難なくクリアできてしまう。ダンテにはこのようなお手軽かつ強力な戦法が存在する点もスーパーネロの性能が少し見劣りするものに感じられる一因となっている。
      • ただしこの戦法に頼るだけではたとえ低難易度でプレイしていたとしても詰むミッションもある。
      • また、スーパーキャラを使用するとクリア時の評価が大幅に下がってしまうので、高評価を出したければこれ一つでどうにかなるという物ではない。

次元斬

  • バージルの閻魔刀による「次元斬」のエフェクトが3の時とは違い、今作のダンテの次元斬と同様に、空間を切り刻むようなエフェクトに変更されている。
    • ダンテの次元斬のエフェクトが『3』のバージルと異なるのは使い手が違うから、ということではなかったらしい。
    • 一概にどちらのエフェクトの方が良いとは言いきれず、賛否両論である。よく見るとバージルの次元斬には薄いながら円形のエフェクトがある。

タイトル画面からのロード

  • 本作ではタイトル画面でLOAD GAMEを選択すると、前回選択したミッション開始画面に直接移行するようになった。このため、続きをプレイする際はスムーズになっている。
    • 逆に言えば、キャラクターやミッションを任意の物に変えたい場合はミッション開始画面からメニューに戻る一手間が必要になり、面倒になった。

一部バグの修正

  • ダンテのコンボに利用できた「薔薇バグ*4」と呼ばれたバグが修正され、発生する条件が非常に厳しくなった。
    • あくまでバグなので修正されて当たり前ではあるが、遊びに使えるバグでもあったため、残念がる声も。

問題点

不評点の多くは未改善

  • 良くも悪くも、核となる原作アクションの部分はそのまま。不評だった仕様の多くも未改善。
    • 最たる点として、ネロとダンテの性能調整はほとんど行われていない。性能の派手さや操作性としては、新キャラたちに水を開けられている節がある。
      • 例えば新キャラは通常時にデビルトリガーを発動すると攻撃判定が発生するが、ダンテには特にそういう変更はない。
    • オーブ評価の仕様や、キメラといった不評だった敵も改善されていない。
  • 『DmC』にあった、時間制限なしのBPやトレーニングモードといったものは未実装。
    • 公式が敵配置や体力調整を弄ったデバッグコンボを紹介していたにもかかわらず、プレイヤー側では実践不可能。
  • 相変わらずトリッシュ、ダンテではBPでしか戦うことが出来ない敵(クレドや教皇など)がいる。
    • 『4』にも言えるが、戦うにはBPの上階に上らないといけないため面倒。
  • 日本語字幕が日本語ボイスに対応していない。
    • ムービーの製作工程の解説によると、吹き替え版は口パクに合わせる事を優先して翻訳を行っているために、字幕版の翻訳とのずれがあるらしい。しかし吹き替え版の字幕が無いのは不親切でもある。
      • しかも音声のボリュームがBGMとSEより小さいので、SEで聞き取り辛いor聞き取れない場合も。字幕が無い点が本作では痛手となりやすい。
      • 音量調整はBGMとSEのみでボイスの項目が無い。調節する場合もやや不便。

敵の仕様

  • 敵挙動の改悪
    • 「グラディウス」は空中浮遊の最中にネロ以外で近接攻撃をすると吹っ飛ぶようになり、撃破が面倒臭くなった。
      • ただしロックオンを別の敵に向けておけばそちらへ吹っ飛ばすことが可能。バージルやレディにおけるM6のアグナス(ガラス)戦の救済だと思われる。
      • しかし、アグナス戦以外で出現するグラディウスや、M6で戦えないダンテやトリッシュに関してもこの仕様なのでとばっちりを受けている。
    • 「アルトアンジェロ」はイクシード斬りの発動までの速度が上昇。おまけに連続攻撃を緩急つけて行ってくるようになり戦いにくくなった。
    • ボスの「ベリアル」は4連火柱、近接攻撃の弾きの発動頻度が上昇した上、4連火柱及び爆発は他の攻撃を不自然にキャンセルしてでも発動するようになってしまった。
    • 「アンジェロクレド」は攻撃時の発光エフェクトが画面全体を一瞬覆うようになり、目に悪い。
  • 敵ダンテの体力減少
    • 最初に出てくるボスにしては強すぎるため調整としては間違っていないが、ミッション1のランク基準が問題だった。低難度モードではstp項目でのSランク取得がほぼ不可能になり、ミッションランクSがノーダメージでもない限り不可能と異常に難しくなっている。*5
    • ちなみに、M10のダンテも体力が減少しているが、こちらではそういった問題はない。

キャラの調整が杜撰

  • ネロ
    • CS版のみだが、ターボモードをオンにしておくとシャッフルをジャンプキャンセルできなくなってしまった。Win版では特に問題無し。
      • EXシャッフルは依然として可能。
    • 問題かは賛否が分かれるが、チャージショット3の爆発の攻撃力が400→800に倍増し、大幅に強化され過ぎている。
      • ブリッツに対処しやすくなって好評…と思いきやブリッツは爆発を瞬間移動で回避するため微妙なところ。
  • 新キャラ
    • 新キャラ3人は全体的に挑発が長すぎる。挑発自体は攻撃判定があったり凝ったものが多いが、挑発を完遂しづらく、ランク上昇やゲージ回復の恩恵を得られない場面が多い。
    • レディ&トリッシュは初心者向けということで動かすだけなら簡単で爽快感も味わえるのだが、細かく見ていくと雑な調整も見受けられる。
      • 以下はそれぞれの具体例。
+ レディ
  • 攻撃が一辺倒になりがち
    • 近距離用武器の最大溜めショットガンがかなりの高DPS、高スタイリッシュランクを叩き出すため、ダメージ効率を重視するとこれ一辺倒になりがち。
      • 遠距離攻撃よりも比較的リスクの高い近距離攻撃の方がダメージ効率が高いというのは理にかなってはいるが、単調になりやすい。
      • 状況によっては、またダメージ効率よりも安全性や魅せプレイを重視するならその限りではないが。
  • 残念な技
    • カリーナ=アンのヒステリックとマルチプルが非常に残念な性能。派手なだけで全く当たってくれなかったり、当たっても低威力に対して隙が大きすぎると、その派手さに反比例した性能を誇り、さながらパーティグッズである。
      • カリーナ=アンのチャージショットは上手く使えば非常に強力だが、溜め時間が長く溜め中は移動できないので、高難度になるほど使いどころは限られてくる。
  • 近接攻撃が弱い
    • 銃キャラなので当然と言えば当然だが、カリーナの銃身で殴りつける近接攻撃は低火力、動作が重く弱い。レディは他キャラより被ダメージが多い点も留意する必要がある。
      • しかも近接攻撃はこれしかないため、近接攻撃に比重を置くアグナス(ガラス)戦やサントゥクス戦などは相性が悪く、かなりの苦戦を強いられる。
+ トリッシュ
  • レディほどではないが攻撃が一辺倒になりがち
    • 基本的にラウンドトリップを投げた後は「コレダー*6」や「サンダーブロウ*7」が安定行動だったりと、強力な行動を連発するだけになりやすい。
    • 短時間で大ダメージを与える技がDT消費技の「リヴェンジ*8」しかなく、体力の大きい敵との戦闘ではリヴェンジへの依存度が強すぎるきらいがある。
      • しかしこのリヴェンジ、DTゲージを3つも消費し、途中キャンセル不可で隙も大きい。大技としては妥当に見えるが、同じ消費技を持つネロやバージルと比較すると隙の大きさや以下の理由で見劣りもする。
      • ダメージにばらつきが生じることが多く、ダメージソースとしても安定しているとは言い切れない上に、ヒット数が不安定で、正確に何ヒットするのか良く分からない*9。デビルトリガーでも強化することができないのでやはり安定しない。
      • リーチはあるが、範囲が狭いため軸がズレると簡単に回避される。また、PC版だとフレームレートの設定でヒット数が変動するという厄介な仕様を抱えている。
    • 全体的にヒット数を積み重ねて相手にダメージを与えるタイプのため、瞬間的に相手に大ダメージを与える手段に乏しい。
  • この関係で、瞬間的な単発火力が求められるブリッツ戦は極端に相性が悪く、特にDMDではブリッツを自爆させずに倒すのが非常に難しい。
    • リヴェンジは多段ヒット技のため、途中でブリッツが暴走状態に移行してしまうことが大半。ブリッツがリヴェンジで怯まない状態で運よく体力を削ればどうにか撃破できるが、相手の行動に100%依存する運ゲーになってしまう。
      • 一応ゲージをフルに使えば確実に1ターンで自爆させることはできないこともない。
    • そもそも、自爆させずに撃破するという点を抜きにしても、トリッシュがブリッツの雷の鎧を剥がす方法自体にも確実なものが無く、かなり手間がかかる(他の4人は素早く、あるいは安定して剥がせる手段が用意されている)。
      • トリッシュのジャンプには遠距離属性の衝撃波を纏う「スパーク」というスキルがあるが、これがブリッツに当たると弾かれてジャンプの無敵が途切れ、予期せぬ被弾が発生しやすい。ちなみにダンテのギルガメスも同様の技があるが、こちらは弾かれない。
  • デビルトリガーが弱すぎる
    • 持続時間と体力回復量が全キャラ中最低*10、さらに被ダメージが一切軽減されない。
    • 火力面も一部を除いた攻撃のダメージが上昇し、また一部の遠距離属性の攻撃の威力に倍率が掛かるというものだが、このダメージ上昇量が微量*11。リヴェンジの使用にDTゲージを割いた方がダメージ効率が良く、殆ど使われない。
      • 余談だが、攻略本では攻撃力は1.5倍になる(ダンテやバージルと同じ)と誤植されていた。
    • ヒットストップによる多段化が不可能であり、火力不足がより目立つ。ダンテやバージルと違ってDT専用の当たり判定を作っていない説が有力。
      • エアハイクが空中で2回出せる以外はほぼバージルの完全下位互換ですらある。
  • その他操作性の悪い部分
    • 非DT時のチャージショットが存在しない。
    • トリッシュに限った話ではないが、ハイタイムは△+○で出せるが、同時押しの受付が短く出し辛い。
    • ゲーム中では説明が無いが、実はトリッシュの打撃コンボにもフルスチームがある。しかし、溜め完了のエフェクトとフルスチームの受付タイミングが一致していない上、エフェクトによる合図も無いためタイミングが分かりにくい。
      • 検証によるとフルスチームの受付判定が一段階に二つあって、そのタイミングはダンテのギルガメスと一致する。そのためダンテからデータを流用してロクに調整しないまま発売したのではないかと考えられる。
+ バージル
  • エアトリックの弱体化
    • 「エアトリックが敵に幻影剣を刺さないと発動できない」というDmC準拠の性能に。その割にはDmCと違って幻影剣によるプル(DMC4で言うところのスナッチ)はできない。
      • 敵に幻影剣を刺すと「トリックアップ(真上への瞬間移動)」が基本的には使えなくなったり*12、「トリックダウン(地上で使うと後方に、空中で使うと地上に瞬間移動)」が魔人化時限定の技になり、使いにくくなった。
      • 魔人化ではトリックダウンに加えサイドロール(横に転がって回避)がホッパー(ステップで回避)になるため回避性能が大幅に上がる。(ただしネロと違いホッパーの無敵時間は短い)
    • 完全劣化というわけでなく、1度幻影剣を刺している間は空中で使用回数の制限なく使える、発動時には敵が微妙に滞空するといった攻めに関してはむしろ強化されている。
  • 集中ゲージの問題
    • 集中ゲージ上昇で火力上昇が極端すぎる。長いコンボを決める前に敵が死んでしまいやすくなるため、一部の上級者からの不満もある。
      • ゲーム攻略においては火力上昇は有利ではあるが、スタイリッシュランクの上昇率は一切変化しないという致命的なミスを犯している。
      • つまり、ランクが上昇する前に敵が死にやすくなって、スタイリッシュポイントを稼ぎにくくなる。その結果、集中ゲージに従って立ち回るとリザルトのスタイルポイントが低ランクになるという珍現象が起きてしまう。
      • これを避けるには、わざと集中ゲージを落として火力を落とし、トドメ属性の無い攻撃で死体斬りを延々とする必要があるという、開発の提示したスタイリッシュとは真逆の事をしなければならない。レディのショットガンはきちんとスタイリッシュランクの上昇率も跳ね上がるというのに…。
  • 集中ゲージの溜まり方、減り方の基準が妙。
    • 最も効率よく溜める手段は棒立ち。これはまだいいが、挑発では(完遂しても)碌に溜まらない。棒立ちを推奨して挑発を否定するのは本シリーズの趣旨と矛盾している。
      • 攻撃を空振ったり弾かれても減ってしまうので、クレドやアンジェロが非常に厄介な敵になっている。空振りに関しては空振りジャスト次元斬の連発を抑制する意味があるが、空振りでの遊びの余地を制限されてしまっているため窮屈に感じやすい。
      • 最大の問題は走ってもコンセントレイションが減少してしまうこと。上記の通りエアトリックが弱体化したので、後方あるいは横回避の際や、エアトリックが使えない場面での敵への接近などを素早く行う際にはジャンプ連発が最適解になってしまい、スタイリッシュさに欠ける。
  • インターネットへの接続の有無でスティンガーの性能が変わるというバグが発見されている。
  • ターボモードをオフにしておくと、上昇技「羅閃天翔」後の落下が何故か早くなるという調整のムラがある。
    • 今回も「納刀モーションを完遂するとDTゲージが貯まる」という仕様を持つバージルだが、上記の状況だと納刀前に着地してしまいやすくなるため不便。

その他

  • バージル、レディ&トリッシュモードの汎用戦闘BGMはネロ&ダンテモードの使い回し。
    • 特にバージルは公式サイトのバージル紹介時の新BGMでもある「Let just see」が戦闘曲ではないかと期待されていた。
      • ディレクターの伊津野氏はコレに関してコメントを残しており、変える予定(あるいは構想)があったが、諸事情によりできなかったとコメントしている。
  • レディ&トリッシュのEXコスチュームの入手方法がスタッフロールの戦闘をクリアするというものだが、その際に選ばれるキャラクターはM20をAランク以上でクリアするとレディ、Bランク以下でクリアするとトリッシュになる。
    なお、EXコスチュームが得られるのは戦闘に使用したキャラクターのみ。
    • しかし、M20は確定でオーブ評価が100%、タイムもスタイリッシュポイントも緩い*13ので、低評価が逆に取り辛いのである。
      • そのため、コンティニューを繰り返す、ゴールドオーブを使用するといった、わざとスタイリッシュに反するプレイの必要がある。1回限りでいいとはいえ気持ちがいいものではない。
  • バージルモードやレディ&トリッシュモードでは本編のムービーがカットされるのだが、仕掛け解除や謎解きに関するムービーも一部カットされるので、攻略の仕方がわかりにくかったり不自然な箇所もある。
    • せっかく初心者向けの性能となっているレディ&トリッシュモードなのに、初心者のプレイに支障が出る恐れがある。
  • セーブデータが1つまでしか保存できなくなってしまった。
  • ゲームオーバー時のメニューのレスポンスが悪くなった。
  • PC版限定だが、フレームレートの数値次第でキャラクターの性能が大幅に変動するようになった。
  • LDK全ミッションをSランクでクリアするトロフィーが存在するが、PC無印版と同じくリザルトが存在しないため確認不可。

総評

原版の要素は概ね引き継ぎつつ遊べる要素を増やし、大まかに遊ぶぶんには問題なく楽しめると思われる。
一方で追加キャラの仕様(特にバージルの性能)の難点、敵の挙動の改悪など粗もあるほか、改善されていない問題点も多いなど、細かい不満も相変わらず目に付きやすい。
総じて、「アクションゲームとしては良く作られているが、手放しで褒められる作品ではない」という無印版の評判を覆すには至らなかった。


余談

  • ネロのプロトタイプコスチュームのマフラー姿は、当時のハードではメモリの都合でマフラーの動きの表現が難しかったことから没になったという経緯があり、性能の上がった次世代機やPCでようやく実現できたコスチュームである。
  • 本作にも攻略本が発売されているが、4無印から変更されたデータは修正されておらず、追加キャラクターの攻撃力のデータなども誤植が目立ち、あまり評判は良くない。
  • レディは『3』の開発中の時点でも、プレイアブルキャラとして操作できるようにする案があったが、結局没になったという過去がある。実に10年越しの実現である。
    • 当初の予定では本作でレディとトリッシュはプレイアブル化する予定は無かったらしく、開発費用と期間もバージルだけだったところに強引にねじ込んだという事実がニコニコ超会議2015にて明かされている。
      • 結果的に遊べる要素は増えたが、調整がややおざなりになってしまったのもその結果…なのかも知れない。その辺りの真相は不明である。
  • バージル・レディ・トリッシュの攻撃モーションの一部は『戦国BASARA』シリーズから流用されている。『DMC』→『BASARA』への流用(アレンジ)は数多くあれど逆パターンは珍しい。