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シティ・アドベンチャー タッチ ミステリー・オブ・トライアングル - (2019/10/03 (木) 01:24:23) のソース

*CITY ADVENTURE タッチ MYSTERY OF TRIANGLE
【してぃー あどべんちゃー たっち みすてりー おぶ とらいあんぐる】
|ジャンル|アクション|&image2(touch.jpg,width=160)&br;&image2(Touchimg.jpg,width=160)|
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|メディア|1Mbit+64kRAMROMカートリッジ|~|
|発売元|東宝|~|
|開発元|コンパイル|~|
|発売日|1987年3月14日|~|
|価格|4,900円(税抜)|~|
|判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|
|ポイント|擁護不可能な''SHITTY ADVENTURE''&br;悪い意味で後世への影響絶大&br;原作と関係がなさすぎる羊頭狗肉ゲー|~|
|>|>|CENTER:&color(black)''[[少年サンデー関連作品リンク>少年サンデーシリーズ]]''|
//&br;''H3''
//パスワードは公式で仕込んだものでもないのでポイントからは削除
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#contents(fromhere)
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**概要
あだち充氏による大人気''青春野球ラブコメ''漫画『タッチ』を原作としたゲーム。~
『タッチ』のゲームは1987年1月にパソコンPC-8801シリーズ向けに発売されたアドベンチャーゲームの『タッチ』が最初であり、本作は2作目にして''最後の作品''となる。

**問題点 
-「異次元空間に落ちた飼い犬パンチの子どもを救うために達也、和也、南の3人が''不思議なパラレルワールドを冒険する''」という''野球もラブコメも投げ捨てたストーリーと設定''。
--原田・松平・新田・西村・上杉家の両親・マスター・柏葉監督などの個性豊かな原作キャラは一切登場しない。主役3人とパンチ・仔犬のみである。

-「野球のボールを投げて(もしくは素手で)敵を倒して情報を入手し、謎を解いて10匹の子犬を救出していく」という''『タッチ』に全くタッチできていないゲーム内容''。まさかのアクションゲームである。
--猫も杓子も赤も緑も左から右に走る時代とは言え、『タッチ』なら野球ゲー、あるいは恋愛ADV等にすべきなのは誰でも気付くはず。また、アクションゲームを作るなら他にもっと良い題材があったはず。どうしてこうなった。
--ちなみに飼い犬パンチの子どもは原作では''2匹''である。''あとの8匹はどこから湧いて出たのか''。
--もっと言うなら、原作では、パンチに子どもができる頃には、''和也はもう鬼籍に入っている''。

-ゲームの出来自体もひどい。
--マップはどこも似たような景色であり、しかも広大なので迷うこと必至。無論、プレイヤーの助けになる全体マップ、オートマッピングなどは存在しない。ただし、パスワードで途中から再開は出来るようになっている。
---FC作品で容量の限界があり、現在のようにゲームに親切な作りが求められる時代でもなかったとはいえ、肝心のゲーム内容がこの有様なので、更なる悪印象を植え付ける要因となってしまっている。
--何の説明も無く、ゲーム開始と同時にマップに投げ出される。ほぼノーヒントなのでしばらくプレイしても何をすればいいのか分からず、似たようなマップをうろつくハメに。時間制限が無いのが救い。
--敵を倒すことで達也と和也のHPが増える。しかし、作中ではどういう訳か「''経験値''((ゲーム中に登場する謎のキャラ「せいんと」が発している。))」と称されており、実にややこしい。
--ショップでアイテムを買うことができるが''お金の概念がなく経験値(HP)を消費して購入する''ので計画的に貯めておかないと''買い物直後に敵に触れて即ゲームオーバー''なんて事になったりもする。
---敵を倒して経験値を積むとHPが強化されるという概念はまだ理解できる。また敵を倒して得たポイントでアイテムを購入するというのも自然な発想であろう。しかしあろう事かそれらのシステムを中途半端に組み合わせたせいでこの様な劣悪なシステムが出来上がってしまった。「経験値」「HP」「所持金」のステータスをそれぞれ分けるという発想は出来なかったのだろうか?
--ザコ敵が多い上に強すぎる。しかも、''戦車、ピエロ、風船、地中から出るドリル''など、原作とも野球とも一切関係のないものばかり。大半はプレイヤーに突進してくるものがほとんどでダメージを食らっても[[無敵時間が無い>デスクリムゾン]]のでみるみるうちにごっそり%%経験値%%HPが減らされていく。立ち位置によっては敵を達也と和也(または南)とピンポンしてどんどん減っていくことも。
---このうち風船はとある武器を使って殴らないこと以外は何をしても倒せない無敵の敵。ゲーム中はその対処すら示唆されない。
---ボスに至ってはボスを倒すためのアイテムがないと倒せない。しかもその肝心のアイテムの入手方法はほぼノーヒント。
--南は2人のあとをついてくるだけ。敵にぶつかると座り込んで泣き出す。テンポを阻害する上、[[某キテレツゲー>キテレツ大百科]]のコロ助やみよちゃんのように''達也、和也の両方がダメージを受けてしまう。''邪魔者以外の何物でもない。
--パスワードで何も入れずにスタートしてゲームオーバーになった後にコンティニューすると、''敵が無敵になる''とんでもないバグが存在する。
--ショップや民家などの建物に入ることが出来る。民家などの多くは「せいんと」が鎮座し、ヒントもくれることがあるがそのほとんどは「、、、、」と無言でいるままが多い。たまには意味不明なようで実は進行のヒントだったり発言もするが分かりづらい。

-クソゲー最後の砦であるBGMも特に褒められる部分は無い。
--有名な『タッチ(アニメOP曲)』を改変した曲などが使われているが、アレンジが過ぎて原形を留めていない部分が多かったりループの繋ぎが不自然だったりする。

**評価点
-タイトル画面やエンディングの絵が原作に忠実
--エンディングでは当時放映していたアニメのアイキャッチのモーションを忠実に再現しており、ここだけは非常に凝っている。ファミコンでアニメーションするのは[[イースⅡ>https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/7508.html#id_93d345d3]]くらいで非常に珍しい。
---というかゲーム本編が上記のように完全に原作と別物のため、''これくらいしか原作要素が無い''。
-ステージは、市街地、公園、学校、建物内部、住宅地、森林、海岸、中国など豊富に用意されており奥行きは感じる。BGMも結構多い。
-ボス戦は似たり寄ったりだが、見た目は大きめでBGMも相まって戦っているという実感はある。

**総評
原作要素がほとんどない上に、ゲームの出来自体もひどい。~
発売された当時は粗悪な版権ゲームが市場に溢れていて、「キャラゲーに名作無し」とまで言われていたが、その中でも''最悪レベルの代物''といえる。~
とりあえず、原作が好きでこれを買ってしまった人は鉄橋の下で泣いていい。

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**余談
-とあるパスワードを入力するとクリア同然の状態から始められる裏技があるが、そのパスワードがどうしようもない。
#region(「''H3''」&color(red){18歳未満とタッチ世代の方の閲覧はご遠慮ください})
>たつや:みなみに''H''してしまいました~
かずや:みなみに''H''してしまいました~
みなみ:TATUYAと''H''してしまいました

-…という''性春真っ盛りな代物。''原作に対する愛や敬意が微塵も感じられない。それどころか、原作者や小学館側から訴えられても全くおかしくないレベル。
-ただし元コンパイルスタッフによれば、'''この裏技は意図的に仕込んだものではなく''偶然の産物''である模様。'''~
どうやら[[ドラゴンクエストシリーズ]]の「ふっかつのじゅもん」生成のように、たまたま意味のある文章が強力パスワードとして噛み合ってしまったらしい。(「[[ゆうてい(略)ほりいゆうじ(略)>ドラゴンクエストII 悪霊の神々]]」が仕込みでないという理論((「ゆうてい(ゆう帝)」は「ほりいゆうじ(堀井雄二)」の別名義。他の関係者は1回ずつなのに彼だけ2回出ているが、当時は同一人物だと明かされていなかったため不自然ではない。))なら、一か所だけ「たつや」でなく「TATUYA」となっている点が仕込みで無い証拠と言えるかもしれない)~
しかし偶然にしてはあまりにも酷く(非道く)出来過ぎている。ドラクエの方のパスワードは滅裂感があり中途半端な状態で開始するのに対して、こちらはあまりに理路整然とし過ぎているし、事実上の最強データであるため、未だに仕込みの可能性を疑われてしまう事も多い。
//↑元コンパイルスタッフが「あれは偶然」と以前イベントか何かで配布されたコンパイルクラブ地下版で語っていたようです。なのでドラゴンクエストのパスワードのようにユーザーがパス生成アルゴリズムを利用して作った技だと思われます。
-余談だが、このパスワードでは''達也のみステータスアップして、和也は弱いまま''となる。
--上記のみなみのパスワードでTATUYAと入れているのが原因ではと思うかも知れないが、代わりに''「KAZUYAとHしてしまいました」でも達也のステータスのみアップ''する。
#endregion
//確定で仕込んだ証拠がない以上、問題点にはできない。書くなら余談。

-ファミコンブーム時代には''既成のゲームからキャラだけを挿げ替えて''((所謂、「皮(ガワ)替え」という手法である。システム開発費などの製作コストが安く上がるため、業界ではFC時代以後も使われ続けたテクニック。有名なところでは『高橋名人の冒険島』『スーパーマリオUSA』、サンデー繋がりなら『ラムのウェディングベル』などもこの手法で作られていたりする。))世に送り出されたキャラゲーが多かった。本作も、開発中だったオリジナルゲームのキャラだけを、何らかの理由で『タッチ』に挿げ替えたのではないかとも言われている。~

//野球漫画の版権ゲームって少なかったし、ゲームとして売れるジャンルと嚙み合わなかっただけだろう。 ほとんど憶測だし、全体的に簡易な記述に変更
-本作を原因に''原作者のあだち充氏が激怒して、自分の漫画作品のゲーム化を一切許さなくなった''という都市伝説が存在する。
--こう言った噂が広まったのは、「原作:あだち充」の版権ゲームが非常に少ないのが原因だろう。
---とはいえ、氏の有名なアニメ化作品には野球を題材にしたものが多く、必殺技の飛び交うバトル物の漫画やアニメと比べてゲーム化に向いていないのが一番の原因と思われる。
--本作以降も、PC88版『陽あたり良好!』が発売されたり、週刊少年サンデー×週刊少年マガジン創刊50周年記念のお祭りゲーム『サンデー×マガジン 熱闘!ドリームナイン』に『タッチ』のキャラクターや『クロスゲーム』、『H2』のキャラクターも出演しているので、少なくとも自分の漫画作品のゲーム化を一切許さなくなったわけではないのはたしかである。

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