「ベア・ナックル 怒りの鉄拳」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

ベア・ナックル 怒りの鉄拳 - (2016/12/23 (金) 18:26:49) のソース

*ベア・ナックル 怒りの鉄拳
【べあなっくる いかりのてっけん】
|ジャンル|ベルトアクション|&image(454496_2204_front.jpg,height=160)|
|対応機種|メガドライブ|~|
|発売・開発元|セガ・エンタープライゼス|~|
|発売日|1991年8月2日|~|
|配信|バーチャルコンソール&br()2007年2月27日/600Wiiポイント|~|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|

**概要
ファイナルファイトタイプのベルトスクロールアクションゲーム。~
『[[ソニック・ザ・ヘッジホッグ]]』がちょうど前週に発売された事もあり、あまり目立たない作品だった。

**ストーリー
平和だった街は、いまや強大なシンジケートの手に落ちた!!
人々を守るはずの警察すらシンジケートに完全に支配され、街の治安は悪化の一途をたどった。街に渦巻く暴力と犯罪、恐怖、そして絶望……。
しかし今、元警官の3人の若者が立ち上がる。 
彼らはこの街の腐りきった警察を飛び出し、自分たちみずからの手でシンジケートを叩きつぶすことを心に誓ったのである。

**特徴
-『ゴールデンアックス』と『ファイナルファイト』の要素を掛け合わせた様なゲーム。
--むらがる敵を倒しながら、全8ラウンドを戦う。
-使用キャラはバランスの良いアクセル、パワーキャラのアダム、スピードタイプのブレイズの三人。
#region(各キャラの特徴)
-アクセル・ストーン
--マーシャルアーツの使い手であり、バランスタイプのキャラ。
--パワー・スピード共にバランスが取れており、攻撃の隙が少ないため使いやすい。
--最大の欠点はジャンプ力が低く、ジャンプ攻撃のリーチも短いこと。このため窮地に陥った際の脱出手段が他の二人よりも限られる。
--なお、本作の時点では後のシリーズで彼の代名詞となる「グランドアッパー」などの必殺技は登場しない。
-ブレイズ・フィールディング
--柔道の使い手であり、スピードタイプのキャラ。
--通常攻撃のパンチが発生・リーチ・硬直共に優れている。このためパンチハメが非常に行いやすい。
--その一方で足を使った攻撃は全般的に隙が大きく、誤爆してしまうと反撃必死。
-アダム・ハンター
--長身の黒人ボクサーであり、パワータイプのキャラ。
--通常攻撃のコンボはアッパーで浮かせた相手を回し蹴りで吹き飛ばすという豪快なもの。最後の回し蹴りは周囲の敵を巻き込むことが出来る。
--ボクサーと言う肩書きながら3人の中で最も優秀な飛び蹴りを持つ。出が早い上にリーチが長く威力もそれなりに高いため、囲まれた時などに重宝する。
#endregion

-使用するボタンは3つで、それぞれジャンプ、攻撃、スペシャル攻撃に割り当てられている。
-メガクラッシュの代わりのアクションとして、攻撃+ジャンプボタン同時押しで「背後攻撃」が行える。((このアクションの初出は『ゴールデンアックス』))これは向いている方向の逆方向に攻撃を放つものであり、後ろ側にしか攻撃判定はないがHPは消耗しない。
--一見すると地味なアクションだが、ダメージ・判定ともに優秀。一部の敵に対してはこのアクションを活用できるかどうかで難易度が大きく変わる。
-つかんでいる状態でジャンプボタンを押すと相手の背後に回る事が出来、その状態で攻撃ボタンを押す事で大ダメージのジャーマンスープレックスを繰り出す事が出来る。
--このシステムはいわゆる「パイルドライバー」に相当する大技だが、全キャラクターがパイルドライバー相当の技を使えるベルトスクロールアクションは当時は非常に珍しかった。
-Sの回数が1以上あるときAボタン(オプション変更可能)を押すと かつての警官仲間が援護射撃してくれる。

**評価点
-バランスが良く完成度が高いアクション
--殴る、蹴る、投げるの基本的なアクションのパターンが豊富である。
--変わった要素は無いが爽快感のあるアクションが特徴。
-またキャラがしっかり掛け声を上げたりする。
-今作は2人同時プレーが出来る。
--当時の家庭用ゲーム機で出ていたベルトスクロールアクションは二人同時プレーが出来ない物が多かった為、非常に評価できる。
--また2人で組み合って出す"協力技"といった攻撃方法ができる。協力技は本作以降に発売されたベルトスクロールアクションで度々見られる存在である。
-巨匠・古代祐三氏が手がけたBGMは20年近くたった現在でも聴き応えがある超名曲揃い。FM音源を最も有効活用した作品だと言っても過言ではない。

**問題点
-難易度が高い
--本作はシリーズの中でも難易度が高い部類。1面の最初に遭遇する下っ端の雑魚ですら下手に正面から殴りに掛かると攻撃を返されてしまう程の嫌らしさな上、前半で待ち受けるステージ3ボスのアバデデで早くも全ステージにおける難関ポイントが登場してしまう始末。
--また、後述のメガクラッシュ相当の攻撃が有限だったり、後半面の大量の雑魚敵も本作の難易度を引き上げている要員とも言える。パンチはめが非常に簡単に決まるのが救いか。
-容量が少ない為キャラクターのサイズが小さく映像に迫力が足りない。
--キャラクターのサイズが小さい分、一つの画面で登場するキャラクターの量が実に6人以上と、当時の家庭用ハードで発売されたベルトスクロールアクションの割には大量のキャラクターが登場する為、SFC版ファイナルファイトとは違う意味での怪我の功名とも言える。
-雑魚キャラの種類が5種類と少ない。
--苦肉の策なのか、低次面に登場したボスキャラが中ボスやステージボスとして度々使い回されたりしているのだが。
-メガクラッシュがない。その代わりにシューティングゲームで言うボムのような役割のストックのある攻撃が登場する(特定のエリアでは使用不可)。
-3人のプレイヤー使える技はどのキャラも基本的に一緒。
-ザコ敵・中ボスのHPが表示されない。
--本作の一部の中ボスはステージボス以上に強かったりするので困りもの。『II』以降は改善された。

**総評
容量が少なく映像面はやや難有りだが、爽快感・ゲームバランス・音楽等は高水準の仕上がり。~
評価は高かったがキャラボイスが発生するたびにBGMが止まる『ゴールデンアックス』然り、「力を入れる場所が間違ってる」と酷評された『ファイナルファイトCD』然り、~
「セガはまずベルトスクロールアクションに向いてないんじゃないか?」という噂を一蹴したのがこの作品である。

**余談
-『ファイナルファイト』が「重厚」な雰囲気なのに対しこちらは「軽快」。それが故かは定かではないが前者ではパワーキャラのハガー市長が以降シリーズの顔になるのに対して『ベア・ナックル』においてはパワーキャラが次回作で消えるジンクスが誕生する(ちなみに、スピード系のブレイズとバランス系のアクセルは皆勤賞)。
-本作のみに登場するスペシャルアタックのパトカーは『[[ESWAT]]』のEDに登場したパトカーが登場しており、本作と『ESWAT』の関係は不明。
-本作の好評を受けて『[[II>ベア・ナックルII 死闘への鎮魂歌]]』『III』とシリーズ化された。本作の時点ではまだファイナルファイトの影響が色濃い作品だが、『II』以降はゲームシステム・世界観ともに%%セガっぽいノリの%%独自性を発揮していくことになる。

**移植版
-本作はメガCDやゲームギアに移植されている他、GC/PS2の『ソニックジェムズコレクション』、Xboxアーケードの『ベアナックルコレクション』に『II』『III』と共に移植されている。
--またバーチャルコンソールでも『II』『III』と共に配信されている。