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アウトラン - (2018/01/14 (日) 00:01:39) のソース

*アウトラン
【あうとらん】
|ジャンル|レース|~|
|対応機種|アーケード|~|
|発売・開発元|セガ・エンタープライゼス|~|
|稼働開始日|1986年9月25日|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
//|ポイント||~|
//AGES版は当wikiでは別物として独立記事が作成されており判定も異なっていますので、アーケード版の記事である本稿の画像としては使用しないでください。
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#contents(fromhere)
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**概要
擬似3D表示のレースゲーム。当時セガが注力していた「体感ゲーム」の一環として発表された。~
リアルで美しいグラフィック、印象的な音楽、そして可動する大型筐体が大きな特徴。~
タイトルの英字表記は『OutRun』。

**システム、特徴
-ヨーロッパ全土を舞台に、フェラーリ・テスタロッサ風のオープンカー((フェラーリ社とのライセンスを締結していないため、あくまで「よく似た車」である。))を運転する。
-コースは5ステージに分かれ、制限時間内にチェックポイントを通過すると持ち時間が追加されるオーソドックスなシステム。間に合わないとゲームオーバー。またコース外の障害物や他車に接触するとクラッシュし、大きなタイムロスとなる。
-1~4ステージの最後には分岐点があらわれ、左右いずれかのルートを選ぶ。1ステージ目は1種類、2ステージ目は左右2種類、……最終5ステージ目は5種類のステージが存在しており、樹形図状になったルートマップから好きな順路を選んで走れる。
-操作はステアリング、アクセルペダル、ブレーキペダル、そしてHI-LOW二速のシフトノブ。
-ゲーム筐体は、機構とサイズが異なる4種類が存在する。
--''デラックス'':車そのものを模した、可動機構を備えた大型筐体。ハンドル操作に応じて筐体が左右に大きく傾き、クラッシュやコースアウトの際にはガタガタと激しく揺れる。
--''スタンダード'':デラックスよりもやや小さめながら、同様の可動機構を備えた普及型。
--''コクピット'':非可動のボックス型筐体。
--''アップライト'':立ってプレイする省スペース筐体([[クレイジータクシー]]と似た筐体)。輸出用でありシフトノブが右に付いている。日本国内ではほとんど出回らず。
-ソフトウェアにも新旧2バージョンがありステージ構成が一部入れ替わっている。日本では両バージョンが流通したが海外では新バージョンのみ。このため新バージョンは「海外版」と呼ばれることもある。

**評価点
-美しいグラフィック
--ポリゴンという技術が実用化される前の作品であり、グラフィックはドット絵の重ね描きとラスタースクロールによる擬似3Dで表現されているが、非常にリアルで美しい。ステージごとに海岸、遺跡地帯、夕暮れなどわかりやすい特徴もあり、色々なコースを見てみたい、走ってみたいと思わずにはいられない。

-ゲーム史に残る名曲群
--ゲーム開始時にBGMを「MAGICAL SOUND SHOWER」「SPLASH WAVE」「PASSING BREEZE」の3曲から選ぶ。いずれも素晴らしい名曲揃いであり、今なお多くの人に愛されている。
---ゴールインまでの実質プレイ時間は約5分となるが、これらの曲は短いフレーズのループではなく''約5分の長さをフルに活かした構成が組まれている''。当時としては前例のないことであり衝撃的だった。
---続編である『アウトランナーズ』『アウトラン2』にも、この3曲は新曲と肩を並べて収録されている。

-「ドライブゲーム」という方向性を打ち出したこと
--本作ではプレイヤー車の順位を計測していない。つまり順番を競う「レースゲーム」ではなく、制限時間にさえ間に合えばとりあえずは良い。
--コースの構成はサーキットを周回する形ではなく、いろいろな地域を巡り長距離を走破する形となっている。
--このようなシステムと美しく雄大なグラフィックが相まって、「ドライブゲーム」というコンセプトを確立した。

**賛否両論点
-裏技「ギアガチャ」の存在
--コース外のダート部分に突っ込むと大幅に減速してしまう。しかしコースアウトの瞬間にギアチェンジ操作を行うと、なぜか減速が起こらない。これを利用してダート部分も含めたショートカットを行い走行タイムを縮めることができる。~
実践では確実性を高めるために、1度ではなく何度も連続的に激しくギアチェンジを行うことが多かった。これは「ギアガチャ」と呼ばれ、本作にとって不可欠とすら言えるテクニックとなった。
--さらに、本作にはもうひとつの「ギアガチャ」がある。筐体に損傷を与える可能性が高いためここにはあえて書かないが、ネット上を検索すると容易に詳細を知ることができる。
--これらを熟知してフル活用するプレイヤーと、それを見て「とにかくギアをガチャガチャすれば速く走れる」と誤解したプレイヤーとにより、本作のシフトノブは極めて過酷な扱いを受けてしまい、故障するケースが多かった。ゲームセンターにとっても悩みの種であり「ギアガチャ禁止」とする店も少なくなかった。
--自業自得なのだが、ギアガチャに夢中になるあまり指を挟むなどして怪我をしたというエピソードも伝わっている。

-難易度が高め
--当時のアーケード作品故に仕方がない部分もあるがデフォルトの制限時間設定がシビア。前述の「ギアガチャ」を使わないプレイの場合、基本的に一度でもクラッシュを起こしてしまうと完走が非常に厳しくなる。
--アザーカーの配置が毎回変わるランダム方式であるため、その時に応じた対処が必要。アザーカーの引きが悪いと車線の殆どがアザーカーで塞がるような状況になり中々加速できないという事もあり得る。

**総評
グラフィックやサウンドなどの圧倒的な表現力と、臨場感と迫力たっぷりの大型可動筐体により、高い評価と大きな人気を獲得した名作である。美しさとスピード感に満ちたゲーム内容は、以後の全てのアーケードレースゲームに大きな影響を残した。

**移植
-本作には多数の移植版が存在する。中には海外のみで発売された物もある。詳細は[[Wikipedia>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%A6%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3]]の「他機種版」の項を参照されたし。
-PS2版(SEGA AGES)については、[[独立記事>SEGA AGES 2500 シリーズ Vol.13 アウトラン]]が存在するのでそちらを参照。

**参考プレイ動画
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ギアガチャ不使用
&youtube(https://www.youtube.com/watch?v=WiWiTXq4yYY)
ギアガチャ使用
&youtube(https://www.youtube.com/watch?v=UpUf1n1aGgM)
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