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SDガンダム Gジェネレーション GENESIS - (2020/02/23 (日) 12:51:34) のソース

*SDガンダム GGENERATION GENESIS
【えすでぃーがんだむ じーじぇねれーしょん じぇねしす】
|ジャンル|ガンダムシミュレーション|&amazon(B01IBG6WRO)|&amazon(B01IBG6WW4)|&amazon(B0792P3CJ5)|
|対応機種|プレイステーション4&br;プレイステーション・ヴィータ&br;	Nintendo Switch|~|~|~|
|発売元|バンダイナムコエンターテインメント|~|~|~|
|開発元|トムクリエイト|~|~|~|
|発売日|【PS4/PSV】2016年11月22日&br;【Switch】2018年4月26日|~|~|~|
|定価|【PS4】8,200円&br;【PSV】7,600円&br;【Switch】6,800円(各税別)|~|~|~|
|廉価版|【PS4】Welcome Price!!:2019年2月28日/3,800円(税別)|~|~|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|~|
|ポイント|''宇宙世紀100年までを徹底的にフィーチャー''&br;ゲームとしても順当進化&br;全作品が網羅されていれば…&br;内容の分容量もすごいことに|~|~|~|
|>|>|>|>|CENTER:''[[SDガンダム Gジェネレーションシリーズリンク>SDガンダム Gジェネレーションシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
お馴染みとなったトムクリエイト製作の、『[[SPIRITS>SDガンダム Gジェネレーション SPIRITS]]』以来9年ぶりとなる原作追体験型Gジェネ。~
据え置き機での発売も『[[WORLD>SDガンダム Gジェネレーション WORLD]]』(Wii版)以来5年ぶりで、シリーズ初のHD化作品となる。

2018年4月26日にはNintendo Switchへの移植版が発売された。早期購入特典として『[[スーパーガチャポンワールド SDガンダムX]]』のSwitch移植版がダウンロード可能。

キャッチコピーは「その魂は受け継がれ、新たな原点となる───」。~
これまでの「宇宙世紀」「アナザーガンダム」という区分ではなく、近年の『機動戦士ガンダムUC』の展開に合わせた「宇宙世紀100年」のみを扱う形式になっている。~
キャッチコピーや収録内容を鑑みても、実質的な『SPIRITS』のリメイク・マイナーチェンジ作品とも言える。
しかし収録作品自体は数多い上にマニアック、そしてグラフィックも非常に美しい作品となった。
//「マイナーチェンジ」と言えるくらい『SPIRITS』との差異が小さいんですか?収録作品だけ見ても、そうは呼べないと思いますが。

**特徴
-これまでとは異なる時代区分
--U.C.0100前後までの作品のみを収録しているため、宇宙世紀100年代の作品である『F91』や『[[V>機動戦士Vガンダム]]』は登場しない。
--しかし、『グリーンダイバーズ』などかなり知名度の低いタイトルからもユニットが登場しているため、作品のボリューム感に遜色はない。
--これまでエイガーとマドロックしか登場してこなかった『ジオニックフロント』は本作でようやく主人公側の闇夜のフェンリル隊が登場し、シナリオが実装された。他にも『CROSS DIMENSION』『[[PS3版ガンダム戦記>機動戦士ガンダム戦記]]』など、宇宙世紀のみに絞ったことで念願のシナリオ再現が実現した作品が存在する。

//作品間クロスオーバーについて
//いわゆる『ギャザビ』系のお家芸であったこともあり原作再現系ではあまり行われなかったが、本作では「同じ時代の、近い場所で活動していた他作品の人物やモビルスーツがゲスト出演する」というケースが用意されている。
//クロスオーバーはそこまでしてないと思います。あるとすれば『ミッシングリンク』くらいでしょうが、あれはそもそもそういう作品ですし。

-完全HD化したグラフィック
--シリーズ初となる完全HD化により、モデリングの頭身が上がったほかモーションも当然全面刷新されている。例えばガンダムが「ビーム・サーベル」を使用した場合、原作1話を彷彿とさせる派手な演出が入るなどファンならずとも興奮するような演出になっている。
--本シリーズや[[スパロボシリーズ>スーパーロボット大戦シリーズ]]などの敵ユニットの戦闘演出はデータ容量削減のため、一部を除いて自軍ユニットをただ単純に左右反転させたものになっているのが通例である。そのため敵ユニットのほぼ全てが左手に主兵装、右手にシールドといった不可解な状態((水陸両用MSなど元々左右対称の機体はあまり関係ないが。))であり、機体に描かれたマーキングなども悉く反転されていた(「08」が「80」になってしまうなど)。~
本作でもそれ自体は変わっていないが、マーキングの問題についてはある程度改善され、戦闘演出での違和感軽減に役立った。特に08小隊機の面々やブルーディスティニー系列など、マーキングが特徴的な機体群はその恩恵を大きく受けた。
--が、これが後述する問題点に繋がってしまうことに…。

-DLC
--Gジェネシリーズとしては初めてDLCが導入されたが、予約特典のプロダクトコードがあれば有料DLCが全て無料で入手できるというなかなか懐に優しい仕様となっていた((Switch版は最初から全て収録されている。))。
---もちろん今から購入した場合は有料だが、これとは別に無料配信の物もかなりある。
--DLCではU.C.0100以降の『閃光のハサウェイ』がシナリオありで追加される他、近年の映像作品である『THE ORIGIN』『サンダーボルト』などからもいくつかの機体だけが登場する。
---『ジョニー・ライデンの帰還』もDLCによる機体のみの登場だが、ライデンの新録セリフに『帰還』を意識したものがあったり、『[[クライマックスU.C.>機動戦士ガンダム クライマックスU.C.]]』初出のものを彷彿とさせる専用BGMが用意されているなどDLC外でもちゃんと作品人気に応えている。

-主題歌
--オープニング曲は『和楽器バンド』のボーカル、鈴華ゆう子氏が唄う「永世のクレイドル」。彼女は『鉄血のオルフェンズ』の挿入歌の歌唱を担当した事もある。
---そして彼女がモデルのオリジナルキャラであるユーコ・オルテンシアも無料DLCで登場した。声も鈴華氏が担当している。

**評価点
-原点回帰し、「宇宙世紀ガンダムファンなら誰もが楽しめる」Gジェネへの新生
//アナザーガンダムの方が好きという人もいるのにガンダムファンと大雑把に括るのはおかしい。他の言い回しがないならこれが最適では。
--『[[GジェネSEED>SDガンダム Gジェネレーション SEED]]』以来となる、各ステージの難易度選択システムが復活。
//--Gジェネとしては初めて、ステージ選択画面にていつでも難易度選択が可能に。
---一部初見殺しな配置のステージもあるが、初期難易度の「ノーマル」であればどのシナリオから始めても問題のない作り。
--攻略難度は「ノーマル」ならそう高くもなく、やり込みのために難易度を上げれば強力な機体をガンガン使うことになる適度なバランス。また機体の性能も各作品毎にこれまで以上にしっかり設定されており、戦闘ヘリや一部の廉価機体でもなければ愛着を持って使い続けられる。一方で高難易度にすると、機体のレベルがよほど高くなければまともに戦えないほど。
---最強機体として挙げられることの多いネオ・ジオングも「一体あれば即ヌルゲー」などということにはならない。射撃武装を封じ込められるユニットスキルは確かに強力だが、高難易度では敵が回避しまくるため張り付かれて格闘武装で削られ続けるケースもあり得る。
---また初期配備のGジェネオリジナルユニットたちは、開発を続ければかなり早い段階で強力な機体に出来るため詰みにくいという特徴もある。
--各ステージのゲスト機体には「GETゲージ」が設定され、ゲスト機体で敵を撃破することで貯まり、100%になるとその機体を生産リストに登録できる。
---PS時代の「ACE登録」が形を変えて復活。これにより、原作を再現しながら攻略したいプレイヤーと効率的に自部隊強化をしたいプレイヤーの棲み分けに成功している。

-多様なユニットの収録
--このシリーズではよく比較対象に上がる『[[F>SDガンダム Gジェネレーション F]]』には及ばないものの、単純な数だけでも650を超える。さすがに全機体収録とはいかないが、マニアックなものも多く、『MSV-R』等近年の企画で追加された機体も収録しており大方のファンが納得できるラインナップとなっている。
--さらに『[[PORTABLE>SDガンダム Gジェネレーション PORTABLE]]』以来となるドダイYSなどのサブフライトシステム(SFS)も自軍で運用できるようになった。『PORTABLE』と異なり、戦艦からそれぞれ出した後にユニットをSFSに乗せるという作業が必要で、戦闘アニメーションにも反映されないが、地形適性を改善できることで、戦略の幅は大きく増している。

-進化した連携演出
--以前のシリーズから存在した固有の連携演出も、それぞれ専用のモーションやカメラアングルなどを取り入れて一新されておりいっそう迫力が増した。
---これまでの連携は掛け合いの後にそれぞれの通常攻撃に移行するものが大半だったが、本作では飛び交う弾幕の中で愚痴をこぼす掛け合いがあったり、一斉に突撃をかけたりするなど、チームやキャラクターの個性を活かした演出を見せてくれる。

-一般兵のボイス復活
--『[[WARS>SDガンダム Gジェネレーション WARS]]』以来となる一般兵のボイスが新録された。『SPIRITS』同様、『IGLOO』に登場した連邦兵のチンピラっぽいセリフもちゃんと再現されている。

**賛否両論点
-キャラクターカットインの仕様変更
--戦闘時にパイロットグラフィックがカットイン表示される演出は本作も健在。『WORLD』~『[[OVER WORLD>SDガンダム Gジェネレーション OVERWORLD]]』と異なり、武装でキャラクターカットインが表示されるものから、攻撃前にコクピットの内装も同時に映るという『SPIRITS』に近い仕様に戻った。内装のグラフィックは非常に再現性が高く、特にユニコーンガンダムやネオ・ジオングのコクピット描写の細かさは必見。
--しかし、新たな問題が浮上。原作通りのコクピット内装を再現した結果、カットインが発生するシチュエーションも非常に限定されることとなってしまった。
---例を挙げるとガンダムの戦闘演出の場合、アムロ・レイ(U.C.0079)を搭乗させ、かつ「ビーム・サーベル」を選択した時のみカットイン演出が入るようになる((グループ攻撃に参加した場合を除く))。「ハイパー・バズーカ」や「ハイパー・ハンマー」を選択した際はカットインは発生せず、攻撃ボイスが再生されるだけ。アムロ(U.C.0079)以外を乗せた場合や、アムロ(U.C.0079)をガンダムと同じコクピットのG-3ガンダムに乗せて「ビーム・サーベル」を選択した場合も同様。
--発動する組み合わせも作品の主人公格・ライバルといったメインキャラクターに限られてしまい、カイ・シデンやランバ・ラル((両者とも、『SPIRITS』にはカットインが存在した。))など、戦闘カットイン自体が存在しないキャラクターが大半を占める。オリジナルキャラクターもカットイン持ちは極僅か((34名中パイロット2名、艦長2名))しかいないため、新規オリキャラにいまいち愛着が湧きづらい一因となってしまっている。
--『SPIRITS』ではコクピットの形状でカットインの発生条件が決められていたのだが((これはこれで、ミスや納得できない事例が多数発生しており問題があった。詳しくは『SPIRITS』の記事を参照。))、今作では特定の機体に乗せることが条件となったため、余計に限定されることになってしまった。
--オリキャラのカットインでは内装が表示されずに黒一色の背景であるため、カットイン発生条件を限定したことに疑問が残る。
--注意しておくが、カットインの一つ一つの演出自体が好評であることに変わりはない。問題なのはあくまでその発生頻度とバリエーションの少なさである。
---補足すると、初代『Gジェネ』はこのような特定の武装の組み合わせでカットインが入っていた。それと比べれば「全武装にボイスが出るだけ進歩」とも言えるが、それでもPS2時代や『OVER WORLD』までと比較すると仕様上劣化していると見られても仕方ない。

-一部のキャラクターの声優変更
--ハヤト・コバヤシは『SPIRITS』同様、『1st』の鈴木清信氏と『劇場版Ζ』の檜山修之氏で声が分けられているのにもかかわらず、ブライト・ノアのボイスは『OVER WORLD』と同じく『1st』から成田剣氏が演じており、オリジナルキャストである故・鈴置洋孝氏のものは一切収録されていない。
---『UC』でブライト役を引き継いだ成田氏の演技は高い支持を受けており、近年では『UC』以前のブライトを演じる機会も増えているなど、決して演技に不満を述べられているわけではない。一方で、せっかく鈴置氏のライブラリ音声があるのにもかかわらず「完全に変わってしまうのは寂しい」という声もあり、「ハヤトが分けられているならブライトも…」という声もある。
---後任が未だに定まっていないせいもあるが、最後の収録が『[[NEO>SDガンダム Gジェネレーション NEO]]』のものになる井上瑤氏演じるセイラ・マスも過去シリーズからライブラリ音声を流用し、戦闘ボイスでもほぼ違和感なく溶け込ませているだけに「もはやライブラリでしか耳にすることしかできない鈴置版のブライトも聞きたい」というプレイヤーには少々残念な采配である。
---一方で、『SPIRITS』では鈴置氏の逝去が理由で『閃光のハサウェイ』のブライトにはボイスがなかったが、本作では成田氏の新録によりシリーズで初めてボイスがついたという面もあるので、もちろん一概に悪いとは言えない。
--エルピー・プルとプルツーのボイスは、原作で演じていた故・本多知恵子氏のライブラリ音声がこれまでは使用されていたが、本作では(プルクローンも含めて)本多陽子氏の新録ボイスに変更された。
---こちらにも「仕方ない」という意見と「ライブラリ音声を使ってほしかった」との意見もあるが、不可解なことに一部本多知恵子氏のライブラリ音声も混在している。引退したり鬼籍に入ったりなどして他の声優が演じたキャラクターはライブラリ音声か代役で統一されているだけに、何故プル・プルツーだけこのような形になっているかは不明。
--一年戦争外伝系の作品は一部キャスティングが『[[サイドストーリーズ>機動戦士ガンダム サイドストーリーズ]]』準拠となっており、原作と異なる配役がなされているキャラクターもいる。
//一度可読性が下がることを考慮され「氏」が削除されたが、そこまで影響する物でもない事や演じられた方への敬意を考え挿入。

-まだ残る奇妙なユニットセレクト
--ジム・コマンドは(これまで通り)宇宙仕様のみ登場だが地上適性もあるという形。
---つまり地上仕様が別機体として収録されていない。両仕様は明らかに色が違い、地上仕様は『ポケットの中の戦争』や『PS3戦記』のアバンタイトルなど、収録作品内でも登場シーンはそれなりにあるのに、一緒にされてきた状態が改善されないのは残念。
--ザクIIは、『SPIRITS』ではF型(汎用)とJ型(地上専用)に分かれていたが、『WARS』以降は一緒くたにされており、本作もその状態のまま。「闇夜のフェンリル隊仕様」や「マルコシアス隊仕様」などの豊富なバリエーションも再現されていない((専用機や局地戦用という別仕様という形でなら登場する。))。~
面倒が省けた・ファーストガンダム劇中描写に準拠したという意見もあるが、本作を購入するようなプレイヤーならその面倒も楽しめるはずではないだろうか。
--一方で、多くのジオン系MSには『UC』に登場した「袖付き仕様」「ジオン残党軍仕様」が存在する。「細かく分けられていて嬉しい」というプレイヤーも多いが、ユニット数の水増し感も否めない。
---色違い・装備違いで機体を増やすのは、そもそも原作のアニメ・プラモでよくあることなので、本作よりもガンダムシリーズというコンテンツに常に付きまとう賛否両論点とも言えるが。
--この他、重装フルアーマーガンダム7号機やハミング・バードのように本作が初登場となった機体がいる一方、ストライカー・カスタムやガンダム試作4号機のように『OVER WORLD』から削られた機体も若干だが存在する。
--武装面でも、ガンダム試作2号機やドラッツェといったごく一部を除いたほとんどの機体からバルカン砲が削除されている。使用ENが少ないことに加え、敵を削って他のユニットに経験値を食わせたい時に役立っていた武装だけに残念がったプレイヤーも多かった。

-新規オリキャラの追加
--特定のバックボーンを持たないオリジナルキャラクターが『NEO』以来久々に追加されたが、そのキャラデザがいまいち垢抜けなく、既存のオリキャラとの乖離感が強いものになっている。
---最初の編成画面でそれまでのオリキャラとは別の新規オリキャラが初期配備にいて、面食らったプレイヤーも多いのではないだろうか。
--オリキャラの数が増えたのは歓迎すべきことだろうが、過去作からのファンからは「どうせなら以前のシリーズ作品にいたオリキャラを復活させてほしかった」という声が挙がることも。

-クエスト
--今作から一定の条件を満たしてステージクリアすると特定のキャラクターやオプションパーツが獲得できる「クエスト」も登場した。~
1回のプレイだけでは全て達成できないためやり込み要素が増え、周回プレイやゲスト軍を操作する動機づけにも繋がっているが、『OVER WORLD』では(キャピタルさえ支払えば)ほとんどのキャラクターを序盤からスカウトできたため、最初から自分好みの部隊を編成したいプレイヤーからは面倒な工程を踏まされることに不満の声が挙がった。

-PSV版ではやたらと厳しいデータ容量
--PSVitaのパッケージ版はカード2枚組(2枚目は追加コンテンツのインストールデータ)で、公式サイトでも「3,500MB以上の空き容量が必要となります」と明記されている。DL版は言わずもがなの大容量。
---インストールしなければ起動することが不可能なため、容量を確保したメモリーカードは必須である。更に発売後しばらくは毎月アップデートも行われており、その度にデータのやりくりを強いられるプレイヤーも続出してしまった。
//--ゲームの内容はともかく、この「記録媒体の都合」に関してはどうにも対応が出来ず、この点をもって「Gジェネジェネシスはクソゲー」というプレイヤーもいたようである((過去に本wikiで「クソゲー」と書いた非ログイン編集者がそうなのかは不明だが))。
--ただし、これらの大容量はゲーム内容の密度にも貢献しているため、一概に悪い点とは言えない。「ゲームの大容量化の結果、据え置き機と携帯機とのマルチという仕様に無理が生じてきた」と解釈すべきかも知れない。
---また、削られた作品や機体のファンとしては「携帯機とのマルチでなく、最初から据え置きだけに限定しておけば、全作品網羅して『F』以上の大ボリュームに出来たのでは?」という声もある。実際に可能かはどうかはさておき、携帯機の「外出時でも持ち運べる利便性」と秤にかけるとなんとも言えない部分である。

-CGムービーの出来
--本作ではCGムービーの総数が大きく増加し、大半のシナリオに用意されているなど、量に関しては大きく改善している。
--一方でムービー自体の尺が短いものが多く、『SPIRITS』同様「MSが現れる」「MSが武器を構える」「戦艦や大型兵器が主砲を撃つ」だけのわずか数秒で終わるものが多数存在するなど、質に関しては進歩したと言いがたい面もある。
---一応、『UC』などのいくつかのムービーは従来通りきちんと作り込まれており、見応えがあるものも存在する。

-大胆にアレンジされた原作BGMと、シリーズのオリジナルBGM
--これまでのシリーズのBGMの雰囲気から大きく変わるほどの刷新が行われた。
--原作BGMについては原作で高評価だったBGMを多く取り入れ、アレンジも原曲の雰囲気を壊さない程度に留めているものがほとんど。ただし一部BGMの新規アレンジについては、初代『Gジェネ』や『[[スーパーヒーロージェネレーション]]』のように、雰囲気以前に曲調が大きく変わっているものもいくつか含まれており、それらについては賛否が分かれている((主に挙げられているのは『IGLOO』の「機動戦」や、「シャングリラの少年」や「始動!ダブル・ゼータ」などの『ΖΖ』の数曲。原曲を知っている人が一度聞いてみると「あの曲っぽいけど何か違う」という違和感を覚えるレベルであり、イベントや戦闘で流れる頻度もかなり高めなため、違和感がどうも拭えないという意見も見られる。))。
//これだけだと賛否の否要素がわかりづらい気がする。アレンジを旧作ファンは受け入れているのかの記述が欲しい所。
---『OVER WORLD』に比べてBGMの総数が大幅に増えたことから、「JASRACへ支払う使用料を抑えるためにわざと似ていない曲にしたのでは?」という推測が一部では見られる。
---『OVER WORLD』にあったカスタムサウンド機能があれば違和感がいくらか軽減されたかもしれないが、残念ながら本作では実装されていない。
--『CROSS DIMENSION』のBGMはSFCで発売された原作のものを基にしているのではなく、『サイドストーリーズ』準拠である点について不満の声が挙がることも。
--『UC』の「FULL-FRONTAL」については、『OVER WORLD』から流用されている原曲に近いものと『ヒロジェネ』から流用されている曲調が違うものの両方がなぜか収録されている。ちなみに前者はイベントシーンで流れる曲で、袖付きなどのジオン勢の戦闘BGMに使われているのは後者。聞く頻度を考えると逆のほうが良かったのではないだろうか。
--Gジェネシリーズのオリジナルキャラ達の戦闘BGMも『WORLD』~『OVER WORLD』のものと異なり、本作では大きく手が加えられている。出撃前の編成画面のBGMなど、『OVER WORLD』までのマイナーチェンジに留めてあるものも存在する。聴き比べてみると面白いかもしれない。

**問題点
-戦闘アニメーション関係
--ユニットモデルの新規作成に相当の労力を費やしてしまったのか、攻撃・被弾などのモーションのパターンはユニット総数に比べるとそれほど多くない((量産機だと特に顕著。))。特に敵の攻撃を回避した時のモーションは不評で、棒立ちのままで相手の攻撃が外れていくように見え、横に移動する動きがあった初代『Gジェネ』よりも(動きの面では)劣っているように見えてしまう。
--せっかくグラフィックを一新したのに、空中適性のない機体でも大気圏内で浮いているように見えたり、牽制射撃を意図したのか複数発発射した射撃武装が最後の一発だけ当たる描写など、『SPIRITS』以降の過去シリーズからのモーションを引きずってしまっている。
--DLCで追加されたユニットはかなり凝った動きをしているので、ハード関連や納期の問題が大きかったのかもしれない。

-ボイス・スカウト関係
--『WORLD』以降と同様、フラウ・ボゥやミライ・ヤシマなどボイス新録のない一部のキャラクターはパイロットにすると無言になってしまうことも((原作でブルッジクルーを務めたキャラはモビルスーツに乗せた場合、ボイスが出ないことが多い。その場合、戦艦に乗せればそちらではちゃんと喋る。))。
---過去作ではブリッジクルーをモビルスーツに乗せたり、その逆を行っても字幕台詞やボイスがあり、それが魅力の一つとなっていた((戦艦のオペレーターを務めるアムロ・レイとかはGジェネシリーズでしか見られなかった。今作のボイスがないスカウト可能キャラでも撃破された時の字幕台詞などは全員分用意されている。))。
--『SPIRITS』のものを多く流用したことで、多くのキャラクターがボイスつきで復活したが、『OVER WORLD』で収録されたデギンやミコットのボイスがなぜか削られているという例があったりする。マイキャラクターのボイスにミコット役の戸松遥氏のものが『OVER WORLD』から流用されているだけに余計に不可解である。
---これの副産物なのか、ノイエン・ビッターやカクリコン・カクーラーなど、これまでのシリーズではNPCだったキャラの一部がスカウト可能になっていたりする。
---逆に、バスク・オムらは相変わらずスカウトできなかったり、レビル将軍など『SPIRITS』からスカウト不可になってしまったキャラもおり、選定の基準には疑問が残る。
--『SPIRITS』では戦艦が攻撃する際、艦長と通信士・操舵士とのちゃんとした掛け合いセリフがあったが、本作では過去シリーズのパイロットボイスを流用したキャラが多いため、艦長以外はブリッジクルーに配置したキャラ達が思い思いに放言する形となっており、掛け合いの体を成していない。
--宇宙世紀に絞ったことである種の「リアル」にこだわったせいか、原作パイロット以外のファンネル使用時の特殊ボイスが削られている。その手の制約を受けないはずのオリキャラやマイキャラにもファンネル系のセリフが収録されておらず((『OVER WORLD』にあったボイスは削除されている。))、オリキャラの特殊ボイスがあるのはフェニックスガンダム(能力解放)の「バーニング・ファイア」のみ((コード・フェニックス搭乗時のマスターフェニックスの「バーニング・ソード」の特殊ボイスも削除されてしまっている。))。

-絞られた登場作品
--宇宙世紀の、しかも実質『UC』までの作品となっているため、一時期と比べると「登場作品は多いのにボリューム不足感」がある。
---宇宙世紀以外だと、ガンダムシリーズの1つの集大成である『∀』、宇宙世紀の延長線という公式見解の『Gのレコンギスタ』、そして発売当時に放映されていた『鉄血のオルフェンズ』、[[ガンダムゲーム30周年記念>機動戦士Zガンダム ホットスクランブル]]絡みで『ビルドファイターズトライ』からは特別に登場している。ただゲスト扱いとしてほぼ主役機のみでキャラクターも極少数。
--特に『サイドストーリーズ』登場作品のシナリオが多く追加されたせいか、一年戦争にシナリオが集中しているため、作品順にプレイしているとその一年(実質数ヶ月)が異常に長く感じる。具体的には&bold(){ステージの約6割が一年戦争}。もともと宇宙世紀のガンダム作品は一年戦争を題材としたものが多く、『SPIRITS』でも4割近くはあったが、全ステージの半分以上が一年戦争というバランスの悪さは原作再現系Gジェネシリーズの中でも群を抜いている。
---そのため、時代順に進めていても一年戦争中に自軍はグリプス戦役以降の機体が揃ってしまう、なんてことも。
--そもそも登場作品を絞ったこと自体に不満の声がある。GジェネのCS版自体、次回作が発売するまでのスパンが長くなっているために残念がる声も。
---フレーズの「宇宙世紀100年」も、『UC』までだと96年で100年もない(追加された『閃光のハサウェイ』で105年になるが)そもそもU.C.0079以前をメインとした作品がないため、『1st』から『閃ハサ』まで数えても30年もない。
--『F91』『V』の2作品を中途半端に出さないくらいなら「『宇宙世紀100年』にこだわる必要があったのか?」という声もある。
---『F91』に関しては出してしまうと、関連作である『[[フォーミュラー戦記>機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122]]』や『クロスボーン』も、という要望が出てきてしまうため収録しなかったのだろうが、同じく宇宙世紀縛りだった『SPIRITS』や『クライマックスU.C.』ではこれらを含めてちゃんと収録されていただけに残念がるファンは多い。
---『V』は毎度のことだがこの手のお祭りゲーへの登場頻度が他と比べて少なく、せっかく出てきても扱いがあまり良くなかったりするため、ファンとしては余計に残念な話である。
---『OVER WORLD』から本作までの間、先の『Gレコ』や『鉄血』といった新作もそうだが、他の宇宙世紀以外のガンダム作品でも新規作や未登場作が増えているだけに、そういった作品からの登場を望んでいた層からの不満感は否めない((例えば『G』のリブート漫画である『超級!!機動武闘伝Gガンダム』で新たに設定された新シャッフル同盟の後継機や、や『W』の小説・漫画版に登場した強化系の機体など。))。
---Gジェネシリーズが原作再現を期待されていると共に、多数の作品が集まるお祭りゲーであることも加味すると、やはり盛り上がりに欠けると言える。
--ただしこれらの作品が出ないことは事前に明らかになっており、特に本作は初のHD環境ということもあり過去作からの流用が効かない都合上、作業労力の限界も感じられなくもないのだが。
---だが、本作のCMでは「全てのガンダムファンよ、全ての宇宙世紀ファンよ」というセリフが使われており、ガンダムシリーズ全体、宇宙世紀全体を意識したような言い回しとなっている。『UC』(『閃ハサ』)より先は宇宙世紀として含まないということだろうか……?
---『UC』の再編集版である『RE:0096』がTV放送されるなど、当時は『UC』関連の展開が活発だったこともあって一部のファンからは「とにかく目玉の『UC』を最強扱いにしたかったのでは」とうがった見方がなされることも…
//肯定的な記述がないため「問題点」に移しました。

-シナリオ内容
--原作追体験型の宿命といえばそれまでだが、本作のシナリオはそれ以上に既視感が強い。それもそのはず、新規作品以外は『SPIRITS』のものとほぼ同じだからである。悪く言えば使い回し((フルボイスではなくなった分劣化しているとも言える。))。『第08MS小隊』が特に不評なのも変わらず。
---増援の構成まで同じステージも多数存在する。システム関連の刷新にリソースを回しすぎてシナリオが疎かになってしまったのか、それとも…。
---こういったシナリオ構成が『SPIRITS』の頃と何も変わっていないのが問題。もっとも、変わったら変わったでデータ容量がさらに膨れ上がったかもしれないが。
--この結果、『PS2戦記』は評判の悪い漫画版準拠のままである。『1st』でも『SPIRITS』と違って黒い三連星やマ・クベがキャラクターとして存在しているが、故・永井一郎氏のナレーションを『SPIRITS』から流用しているせいで彼らの出番はシナリオ中にない。
--新規シナリオにおいても、『サイドストーリーズ』準拠になったことで救いのない結末となった『CROSS DIMENSION』((原作はマルチエンディング方式であり、希望の残るEDも存在していた。))や、一年戦争の部分で終了してしまい打ち切りのように終わる『ミッシングリンク』((このため、原作では重要キャラであるクロエ・クローチェはラストでわずかなセリフと共に素顔を見せないノーマルスーツ姿が出るだけ。ゲーム内ではスカウトできずプロフィールにも登録されない。))などに批判の声が挙がっている。

-お金に加えてパーツにも困るようになった報酬
--ステージクリアで得られるキャピタル(ゲーム内通貨)は難易度ごとに差があるため、序盤のうちは相変わらず金策に困ることになる。さらに、本作ではオプションパーツが3ランクに分けられた上、ランクごとに獲得順序が「完全ランダム」となったため、欲しいOPがなかなか出ないこともざら。
---欲しいOPを狙って出すにはセーブとロードを繰り返すしかなく、必要なOPを手に入れるために面倒な作業を要求される。
---これにより、特に自軍の戦艦をOPで強化して使い続けにくくなり、新たな戦艦を購入する必要性によりさらに金欠が悪化することもある。本作では戦艦にレベルが設定されて強化できるようになった反面、解体してキャピタルに変えることはできなくなったため、一長一短と言える。
---後にキャピタル稼ぎに適したステージが無料DLCで配信されたため、一応の救済措置は取られている。
//肯定的な記述がないため「問題点」に移しました。

-システム関連の劣化他
--従来のシリーズであれば、プロフィールではボイスの再生や戦闘BGMが試聴でき、担当声優の表記などもあったが、本作ではそういった仕様がオミットされており、簡単な解説が読めるのみとなっている。
---加えて、ステージ攻略中はユニットおよびキャラクターのプロフィール解説を見ることができなくなった。
--一部の戦闘BGMは「マイキャラクター作成」から試聴でき、担当声優はゲームクリア後のクレジットで確認できるが、ボイス再生が可能なのは「マイキャラクター作成」時のみで、原作キャラクター・オリジナルキャラクターのものについては再生できない。
---マイキャラクターで使用可能なBGMは全体の収録曲数に対してかなり限られており、NPC専用BGMやイベントシーン等で流れるBGMは使用も試聴も不可能。『ポケ戦』や『[[PS2戦記>機動戦士ガンダム戦記 Lost War Chronicles]]』『PS3戦記』などで特に顕著((例を挙げると『ポケ戦』カテゴリで使用可能なBGMはインスト版の「いつか空に届いて」のみ。「架空の空」など劇中由来のBGMはいずれもNPCや原作キャラクター専用))。
--戦闘アニメを見た後に、簡易戦闘を選んだ場合と同じくマップ上のダメージエフェクトが発生する仕様になっており、テンポの悪化に繋がっている。
--支援攻撃を行った時、支援ユニットのアイコンが表示されるのみでキャラクターの顔グラフィックは表示されず、カットイン発生条件の限定やセリフ字幕が表示されないのも相まって誰が攻撃しているのかがわかりにくくなっている。戦闘ボイスのないキャラが支援しているとなおさら。
--他にも、(ネタ的な意味などで)定評があり、シリーズの魅力の一つだった戦闘デモが実装されていないなどの部分がある。
--いずれにせよ、過去作に存在した要素が失われているのは劣化と言える。

**総評
「宇宙世紀100年」に絞って全力を注入することで生まれた、新生Gジェネ。~
これまでの既存プレイヤーは勿論、新規プレイヤーも楽しめる作品。
ただ、PSV版ユーザーやPS4版・Switch版でもDL版を選んだプレイヤーにとってはデータ量の多さだけはやや困りもの。~
とはいえそれがユニット数や演出を支えている以上はどうにも出来ないが。~

容量面は、据え置き版であればよほど容量がカツカツでもない限り、そこまで困ることもないはずなので、快適に遊べるだろう。~
ただこの手のシミュレーションが携帯機向けになりつつある現代では、携帯機勢の需要は見逃すことが出来ず、容量確保に苦慮することになるのは残念なところ。~
宇宙世紀ファンでハードのメディア容量に空きがあるならば、是非ともプレイしていただきたい一作である。