*DJMAX RESPECT 【でぃーじぇいまっくす りすぺくと】 |ジャンル|音楽ゲーム|&amazon(B074HYSDLZ)| |対応機種|プレイステーション4|~| |発売元|【海外版】Neowiz&br【日本版】アークシステムワークス |~| |開発元|Rocky Studio|~| |発売日|【海外版】2017年7月28日&br 【日本版】2017年11月9日 |~| |定価|【パッケージ版】5,184 円&br 【DL版】4,800円|~| |プレイ人数|1人(オンライン:1~2人)|~| |レーティング|CEROB: (12才以上対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作'' |~| |ポイント|デフォルトで150を超える豊富な楽曲数 &br 4ボタンから8ボタンまで幅広いプレイスタイル &br 従来ファンは嬉しい過去作からの大量移植 &br 音ゲー初心者やシリーズ未経験者にはとにかく&bold(){説明不足} |~| ---- **概要 韓国産音楽ゲーム「DJMAX」シリーズで初の据え置き機専用タイトル。~ 今作はかつてPSPで発売された『DJMAX Portable』『DJMAX Portable 2』の楽曲に完全新曲を加え、ブラッシュアップを図ったリブート作。~ タイトルのRESPECTはシリーズの歴史と従来のファンへ向けてのものと製作陣は語っており、旧作からの移植曲の多さやビジュアルギャラリーなどにその姿勢が現れている。 ---- **特徴 ''システム'' -上から降ってくるノートに合わせて特定のボタンを押す、KONAMIの[[BEMANIシリーズ]]と似た形式の音楽ゲームである((ACで展開していた『DJMAX TECHNIKA』シリーズで「縦の判定ラインに合わせるタッチパネル式」に路線を変更していたが、今作では昔馴染みの縦降り型に回帰。)) -ノートを拾い損ねると「BREAK」になってライフゲージが減っていき、完全になくなると途中でゲームオーバーになる。 --特筆すべきはタイミング判定が非常に細かく設定されていることにあり、完璧だと100%、大きく外したタイミングでも1%としてカウントされる。 -ロングノート...音ゲーではおなじみのボタン長押しで対応するノート。押し続けるとコンボもどんどんカウントされる。 --終点はタイミングよく離すと判定が100%、離さなくともコンボは繋がるが判定が1%になるという仕様。接続を狙うだけなら押しっぱなしでOKだが、スコアも狙うならちゃんと離す必要がある。 -アナログノート...アナログスティックを回し続けることで対応するノーツ。 --旧作にも登場したノートだが、本作ではアナログスティックを左右の二本使用する。 --解説書には「回し続ける」とあるが、実は回さずにスティックを倒しっぱなしでも入力できるという旧作の仕様を受け継いでいるので、判定やスコアに影響はしにくい。 --低難易度ではアクセント程度にしか使われていないが、高難易度になると他のノートと絡めて出現してくるため譜面の認識が難しくなる。 ''プレイスタイル'' -4・5・6・8ボタンのスタイルがあり、自由に選択できる。 --それぞれのプレイスタイルには共通して左右のアナログスティックを使用する譜面も存在するため、 厳密には4ボタンモードであっても6つの入力パターンを必要とする。 --8ボタンは6ボタンから画面二等分大のL1・R1トリガーを使用するノーツが追加される。([[SOUND VOLTEXシリーズ]]のFXチップをイメージしてもらうと分かりやすい。) -譜面は「NORMAL」「HARD」「MAXIMUM」の3つがあるものの、全ての曲にその3つが存在するとは限らない。また、難易度はレベル1~15までの15段階。 --ボタン数によって、同じ曲であっても譜面の難易度や種別の傾向に多少相違がある。「End of the Moonlight」という曲を例にとるとMAXIMUMは4ボタンと6ボタンの2つに存在し、楽曲での最高難易度は6ボタンのMAXIMUMのレベル12である。 ---一部ボタン数によってはNORMALしか存在しない楽曲があるものの、&bold(){どの楽曲のどのボタン数であっても最低2つの譜面は用意されている}と考えて差支えはない。 ''ゲームモード'' -&bold(){ARCADE}...アーケードゲームに近い方式で遊ぶモード。 --ランダムに選ばれた60曲の中から1曲プレイする。3曲目が終了した時点でゲームクリアとなる。 ---合計スコアが1000000以上であるとスタッフロールが視聴できる。 --フリースタイルとの相違点は未解禁の楽曲であっても運が良ければ選択肢に出てくる点であり、どうしても解禁出来ない曲がある場合はこちらのモードで粘るとプレイ可能である。 -&bold(){FREESTYLE}...制限なしで黙々とプレイできるメインのモード。 --いくつかの楽曲はLOCKがかかっており選択できないが、後述のコレクションモードで確認できる解禁条件を満たせばプレイできるようになる。 -&bold(){MISSION}...いくつかの曲を連続でプレイして指定された条件(スコアやコンボ数など)を達成するモード。 --上級者向けの位置づけで、ミッションが進むにつれクリア条件が厳しくなったり、妨害要素が追加されたりと難易度が大幅に上昇していく。さらに終盤では専用モードのXB(10ボタン)が登場するなど、エンドコンテンツのような扱いになっている。 --クリア報酬があるものの、プレイ回数でも解禁できるなど救済手段はあるので無理に挑む必要はない。 -&bold(){ONLINE}...オンラインで他プレイヤーと1vs1で楽曲をプレイするモード。 --1P→2P→1P……の順番で好みの楽曲を選択しプレイを開始する。プレイヤーは互いに自分の力量にあわせて譜面やプレイスタイルを変更できる。 ---このとき自分が購入しているDLC曲を選択可能。相手はDLC未購入でも譜面だけは好きなものを選んで遊べる。 --選んだ譜面が異なるとコンボスコアで差が出てしまうため、勝負度は薄い。一応は対戦形式ではあるものの、勝ち負けはあまり気にしないほうがいいのかもしれない。 ---勿論譜面をあわせればガチ勝負も可能である。 -&bold(){COLLECTION}...アートワークやムービーなどが閲覧可能なモード。 --それぞれには解禁条件があるものの、達成した場合は設定画やムービーが閲覧できる。 --全楽曲のスコアなどを合算した詳細なスコアや楽曲・アートワークの解禁条件も確認可能。 ''オプション'' -&bold(){SPEED}...音楽ゲーム定番のオプション。 --0.25刻みで0.5~5まで存在する。BPMに対する掛け算形式であり例えばBPM150の楽曲に×3を適用した場合とBPM200の楽曲に×2.25を適用した場合でノーツの落下速度が一致する。 --楽曲の途中でも変更可能であり、アップデートによって楽曲毎にスピードオプションが保存されるようになった。 -&bold(){FEVER}...DJMAXシリーズお馴染みのオプション。 --FEVERゲージが画面に表示されるようになり、ゲージがMAXになるとコンボカウントが加速するFEVERモードに突入出来る (通常のFEVERモードでは任意のボタン、オートFEVERモードでは自動で突入する。両オプションによるスコア・コンボの変動に違いはない) --FEVERモードは×5まで段階があり、この状態であればコンボはノーツ×5で増えていき、得られるスコアは大きく跳ね上がる。 -&bold(){FADER}...FADE IN、FADE OUTなど、ノートの表示に関わるオプション。 --BEMANIシリーズのHIDDEN・SUDDEN系に相当する。これが適用されるミッションがあるため慣れておくとよい -&bold(){CHAOS}...適用するとノートの落下速度が変則的なものになるオプション。 --特にボーナスもないためハンデ用ぐらいしか使い道に乏しいが、やはりこれが適用されるミッションがあるため練習するならば必要。 ---- **評価点 ''豊富な収録楽曲数'' -公式の最大級という謳い文句通りver1.10現在デフォルトではなんと&bold(){156曲}が収録されており、シリーズは勿論、他の家庭用の音ゲーと比べても最大規模の収録数を誇る。 //Onlyon配信停止したので除外 --かつてPSPで発売された『Portable』『Portable 2』で収録された曲に本作新規曲を多数加えたもの。さらに以降の作品の曲も(現状、『Portable3』を除いて)DLCとして配信されている。 --現在は10種のDLCが配信されており、それら全てを導入した場合&bold(){300曲}を超える楽曲がプレイ可能になる。 ---加えて、4ボタン~8ボタンの4スタイルと各難易度を全て合わせると譜面の総数は3000に迫る。 --基本的にはボタン数が多いほど敷居が高く、高難易度。ただし、初心者向けと思われる4ボタンや5ボタンにも上級者でも手強い高難易度の譜面が存在するため、難易度の幅は想像以上に広い。 ---4ボタンの高難易度譜面は6ボタンや8ボタンと同等の密度のノーツを4つのボタンで捌くため凄まじい高密度。5ボタンの高難易度譜面は中央ノーツの連打の捌き方が腕の見せどころと言ったように、ボタン数によって難易度の傾向も異なっている。 ---この様に、ボタン数の大小がそのまま単純に難易度と結びつかない点はDJMAXシリーズの特徴の一つである。 ''楽曲'' -楽曲の出来については個人差はあれど、概ね高評価。 --ジャンルはポップソングやトランス系など音ゲーの定番となっているジャンルから、ハウスやヒップホップ調の楽曲など現代の音ゲーには珍しいジャンルの楽曲も多く収録されている。 --Online時代の楽曲は流石に時代を感じるものが多いが、シリーズのファンは懐かしさに感慨を覚え、新規のプレイヤーにも不思議な魅力を感じさせるには充分なフックに富んだ楽曲が揃っている。 ---特に往年の名曲である「風にお願い」「Memory Of Beach」「Seeker」「SIN」「Oblivion」「Sunny Side」などは初期楽曲でありながらも根強い人気を誇る。 ---韓国制作と聞くといわゆる「K-POP」を連想しやすいが、意外とそういった楽曲は少ない。勿論、そのままズバリな楽曲は存在するが。 --新たに作曲された楽曲は流行を感じさせるゴリゴリのメタルコアやトランス、パリピなEDM、アニソン・チップチューンなどなど、こちらもまた幅広い楽曲を取り揃えている。 //---新曲「U.A.D」はポップな音使いとコアなダブステップという相反する要素を見事に融合させた「RESPECT」きっての人気曲であるが、楽曲制作者は「HAYAKO」という名義である事以外、過去作スタッフの別名義なのか他音ゲーで既に活躍しているコンポーザーの別名義か、はたまた全くの新人なのか詳細が一切謎のままという事も、過去作からのファンの間でも驚きを持って迎え入れられた。 --日本でもかつて運営が行われていたMMORPG『ヨーグルティング』のテーマ曲「Always」がサービス終了から8年を経てまさかの収録。かつてのプレイヤー達にとって嬉しいサプライズとなった。 ''BGA'' -楽曲にはそれぞれ固有のムービーが用意されており、&bold(){使いまわしは基本存在しない}。 --アニメーション、実写、3Dなど表現方法は様々であり、加えて楽曲ごとに象徴的なキャラクターがいるため、各曲ごとにムービーの印象を深く持たせることに成功している。 --また旧作のBGAは解像度1280x720でリマスタリングされており、過去に発売されたPCやPSP版よりも絵がハッキリ見えるようになった。 //---「Oblivion」は初期に作成されたBGAだが、当時流行していたゴシックデザインのキャラクターが登場し今でも人気を博した。 //---「BlythE」は世界各地のモニターに歌い続ける少女が映るというBGAになっており、よく見ると非常に少ないカットで作成されたものだが、楽曲の寂寥感も相まって不思議な魅力がある。また、世界各地のモニターに映るという設定を反映してか、別のBGAの登場人物も何人か出演している。 //---NB RangerはDJMAX恒例の楽曲シリーズであり、NB=envy(羨望)しているヒーロー&font(l){悪党}戦隊が登場する。RESPECTの新曲では実写映像での登場を果たした。 --OPムービーにも使用されている新曲「glory day」のBGAはシリーズキャラのデフォルメやムービーのパロディが見られるファンにとっては嬉しい内容となっている。ゲーム開始と共に最大限のリスペクトを以て迎えてくれる。 //↑DLC含めると300曲以上あるので特定の曲だけの選評は不適切だと思いCO //↑「glory day」ぐらいはいいだろう。OPだし。 -BGAはコレクションモードで鑑賞できるが、従来通り条件を満たして解禁する必要がある((PS Vitaの『TECHNIKA TUNE』では最初から全てのBGAが鑑賞可能だった。))。 --従来は他の解禁要素同様、ミッションをクリアしたり、レベルを上げたり、プレイ回数を重ねるなどの条件が必要だったが、難易度が高かったり時間が掛かったりする上、好きなBGAがいつ解禁されるのか分からないという欠点もあった。 --対して本作ではフルコンボを出した曲のBGAが解禁されるようになっている。ボタン数、難易度は問わないので、ある程度の腕前と慣れがあれば、早く解放して行ける。逆に難しい曲は出しにくくなってはしまったが、有料DLCという救済措置はある(後述)。 ''譜面'' -PS4での発売により、譜面は旧曲含めDUALSHOCK4でのプレイを前提にしたものにデザインされている。 --高難易度になると密度と共に同時押しや指を滑らせる動きを要求する難配置が増えてくるが、それらもDUALSHOCK4で全て捌けるように設計されており、リズムよくプレイ出来る。 //DS4前提なのだからDS4でパーフェクトすら可能(実際動画も上がってる)。無理押しもなにもないと思うので改定 //--「We're All Gonna Die 8B MAXIMUM」の譜面は最高難易度のレベル15ではありながら、べちゃ押しを多く要求せず単純に認識難で勝負する譜面である。 -6ボタンモードのデフォルト配置は←↑→□△〇であるが、DUALSHOCK4の構造上←→同時押しは不可能なので出現しない。 --5ボタンモードのみ全押し配置が存在するものの、独立した配置のためさほど無理を強いるものではない。 //-RESPECTでの新要素としてアナログスティックを使用するアナログノーツがあるが、これが譜面に幅を持たせることに成功している。 //アナログは旧作にもある。RESPECTは2本使うのが新要素 //--高いレベルになると通常のノーツの間隙を縫って降ってくるため、他音ゲーとは一風変わった操作を要求されるものの、上手くこなした時の達成感や爽快感は大きいものがある。 //---このノーツを利用した高難易度譜面に「Nevermind」(8B/MAXIMUM)があり、他音ゲーとは一線を画す&bold(){非常にカラフルな譜面が見られる}。 //カラフルな音ゲーっていくらでもあるような… &bold(){従来ファンには嬉しいサービス} -過去作からの多数の楽曲移植やムービーの設定画公開など、従来のファンにとってはたまらない要素が多数存在する。 --Online時代やPSP時代ではじっくり見ることがかなわなかったムービーも据え置き機に移植されたことで細部まで確認することができ感動したという意見もある。 --いくつかの楽曲には隠しBGAが存在し、何回かプレイしていると確認できる。内容は後に差し替えられた旧ムービーや絵コンテver等々が存在する。 ---- **賛否両論点 ''BGAのクオリティの差が大きい'' -初期の『Portable1』『Portable2』の頃のBGAは古い形式((FLASHアニメに似た方式が使われていた))で製作されていたため、単純にクオリティで比較すると新曲のBGAとはどうしても見劣りしてしまう。 --『[[beatmania>beatmaniaシリーズ]]』や『[[GuitarFreaks & DrumMania>GuitarFreaks & DrumManiaシリーズ]]』など似た方式且つ歴史の長い音ゲーでも見受けられる問題だが、本シリーズの場合は2008年の『Clazziquai Edition』以降で方式が変わった事でBGAのクオリティが急増している為、余計に差が際立っている。 --特に『Portable1』は2004年から始まった『ONLINE』が初出の曲を多く含むため、(好みによるが)今見るにはかなりキツイ絵柄のBGAが少なからず存在する。 --一部リメイク・新規製作されているBGAもあるものの、概ねデフォルト曲で半分はリマスタリングしただけのBGAとなる。 -初期のものから新規のものまで混在している分、慣れ親しんだ往年のファンはともかく、新規プレイヤーはその差が気になってしまうだろう。それだけ後年のBGAのクオリティが高く、進歩が著しいという証左でもあるのだが。 --そうでなくとも、強烈だったり奇抜に走り過ぎたりと癖が強過ぎて人を選ぶものもそれなりにある。 --幸い、本作にはBGA無効オプションがあるので、見たくない場合はカットすれば良い。 --新曲と同じクオリティのBGAを求めるならば『Clazziquai Edition』以降のDLCを購入すると吉。 -そもそも本作は資料的価値もある作品なので、初期の頃の曲・BGAが収録されている事自体は評価点である。 ''フィーバーオプション'' -DJMAXシリーズ恒例のフィーバーオプションだが、このシステムのおかげで他ゲームのスコア計算方式と比べるとやたら&bold(){大味な印象を受ける}。 --フィーバーオプションはシステムの項でも述べた通りコンボを繋げるぶんだけボーナススコアが加算されていくというシステムだが、問題になるのは、&bold(){フィーバー×5の状態でコンボを切ると自動で通常の状態に戻されてしまう}点である。 --これによって、スコアは素のままで加算されていくことになり、極端な例ではレート98%でクリアしたときのスコアよりもレート97%だがフルコンボはしたときのスコアの方が高い場合が起こりえる。 ---ノーツの多い楽曲ほどその現象は頻発し、突き詰めた上級者ともなればコンボミス=自己ベスト更新不可能のためリセットというプレイスタイルになりがち。 ---勿論コンボを繋げればいいだけの話であり、そもそも精度スコア(平均%)も記録として残るため、そちらを重視している人など気にならない人は気にならない部分でもある。 ---他音ゲーでもコンボ数による加点が大きいタイトル(過去そうであったタイトルも含め)が存在するため、一概に今作の問題とは言いにくい。 -また、フィーバーモードによるフラッシュ等の演出がプレイの邪魔になる可能性もある。 --フィーバーモードをオフにすることも可能だが、上述のとおりその場合スコアの更新はほぼ不可能である。 --一方で、フィーバーオプションはコンボを繋いだときの爽快感の増幅に一役買っているという意見もあるため一概に悪い点とは言えない。 //&bold(){ボタンカスタムと8ボタンモード} //-設定の一つには割り当てられたボタンを変更するキーコンフィグシステムがあり、便利ではあるがちょっとした罠も潜んでいる。 //--4ボタンモード~6ボタンモードは比較的自由に割り振ることが可能。中でも6ボタンでの「←L1↓×R1〇」は定番のカスタマイズであり、8ボタンが登場する前のシリーズではこれがデフォルトとして採用されていた。(他ゲームでもLRを使用するカスタムはデフォルトで存在する) //---単純にデフォルトでは2本の指で対応していたものが、このカスタムによって4本の指で簡単に対応できるため圧倒的に有利。 //--ただし&bold(){8ボタンモードはデフォルト以外にほぼほぼ選択肢がない}。理由はL1R1に割り振られたノーツを他のボタンに替えたところで十字キーでの無理押しが発生するという点。唯一L2R2では無理押しは発生しないものの連打性能に難があるためデフォルトの方が結局はいいという結論に落ち着く。 //--このため、L1R1を利用したカスタマイズで4ボタンからステップアップしていくプレイヤーは、8ボタンでつまずく可能性が高い。 //---8ボタンモード(当時は6BFXというモード)が登場したBlack Square当時から存在したてれこな部分は今作も健在であり、なおかつ今回は楽曲解禁条件に8ボタンをプレイすることが強要されているため多少問題ではある。 //-最終的に大多数のプレイヤーが落ち着くのは4~6ボタンはL1R1を利用したものにカスタマイズし、8Bはデフォルトというパターンである。 ---- **問題点 ''全体的に説明不足なゲームデザイン'' //音楽ゲームに共通することではあるが、特にストーリー性もなく、喋るキャラクターもいないというゲームデザインであり、悪く言えば初心者お断りである。そのため各種サイトやDJMAX経験者からの情報収集が必要。 //コナミ系とかにはキャラクターもいるよ! -チュートリアル --今作にはチュートリアル的なモードが&bold(){存在しない}。たしかに上から落ちてくるノーツを下のレーンに来たタイミングで押す、という音ゲーの基本さえ分かっていれば最低限遊べるが、DJMAX独自のフィーバーシステムや、ハイスピード変更に対してもロード時のTIPSでしか教えてくれない。 --WEB取扱説明書があるものの、システム面など必要最低限の解説しかしていない。 --今回はシリーズファンをメインターゲットにしている為かもしれないが、過去作ではちゃんとチュートリアルモードが存在していた。作品によっては作中のキャラが解説してくれると言った、初心者が入り込みやすい作りになっているケースもあった((『CLAZZIQUAI Edition』ではちょっとしたサービス演出があったほどである。))。 -ハイスピード --他音ゲーにも存在するスクロール速度を上げ下げし譜面を見やすくする機能であるが、説明はない。 --音楽ゲーム経験者であればハイスピード設定は直感で発見したり理解はできるものの、音ゲー未経験者には必要性を説明なく理解するのは厳しいであろう。 -フィーバーシステム --やはり詳しい説明はない。これはDJMAX独自の要素であるため、音ゲー経験者でもよく分からないままプレーしがちである。 --フリースタイルではミスをしない限りコンボが継続してカウントされていくが、そのシステムを利用した継続コンボ数による最後の解禁楽曲「Nightmare」は&bold(){20万コンボ}を要求してくる。 --これはフィーバーシステムを理解していなければぎょっとするような数字である。フィーバーOFFであればコンボが稼げる譜面でも2000コンボを超える程度が限界であり、これを100回連続でフルコンしないといけない計算になる。 --しかし、フィーバーをONにすれば1曲5000コンボや1万コンボを超える譜面が存在し、それらを連奏すれば3,40回で解禁できるだろう。 --これらを考えると、問題点は&bold(){説明不足によりシステムを理解しないまま解禁条件に絶望するプレイヤーを産む可能性がある}という点である。 --フィーバーをONにするとプレー中譜面にかなり派手なエフェクトが発生することもあり、フィーバーのメリットを知らない人であれば、譜面が見づらくなって邪魔だと言ってOFFにしがちであると思われる。 --ただ、解禁については2018年6月28日より全曲&全ミッション解禁の有料DLC(税込1500円)が販売開始となった。 ---歴代の過去作ではレベルがなかなか上がりにくい上にミッションによる解禁も難しく、インターネットランキングの事情でコンプリートデータの配布を考慮しないというペンタビジョン(当時)の方針により、全ての隠し曲を解禁して遊べたユーザーすら稀だっただけに、ありがたい要素である。 ''一部BGAが極端に眩しい'' -特に名前が挙がるのは「My Alias」「NB Rangers -Returns-」「NB POWER」辺りだろうか。&bold(){ポケモンショックを起こすのではないかと思うほど}フラッシュを多用する演出のため、フラッシュに弱いプレイヤーは注意が必要である。 --リマスタリング作業のときに気づけなかったのだろうか。その点を考えると批判は大きい。 --アップデートでBGAの明るさを調整する機能とBGAそのものをOFFにする機能が追加されたため、一応回避は可能。 ''楽曲のソート機能が乏しい'' -ソート機能は作品別フォルダとアップデートによって追加されたFAVORITEフォルダ程度しかなく、まだまだ他のゲームに比べて充実しているとは言い難い。 --曲選択時も○曲ジャンプ機能がないのでボタン長押しでスクロールする必要がある。上述のように豊富な楽曲数が魅力なのだが、それゆえに楽曲の検索に時間がかかる。 --難易度別フォルダやアルファベット別フォルダなどは他の音ゲーでは定番のものであるため欲しいという意見は多い。 ''競技性が低い'' -近年e-sportsの隆盛が著しいが、あまり意識していなかったのか今作は純粋な対戦ツールとして見ると難がある。 --ゲーム内のキーコンフィグで他の指を使うようにコンフィグすると譜面難易度が下がってしまう。 ---デフォルト配置では親指に動きが集中しているため、密度の高まる高難易度では親指の筋力が求められるようになる。しかしコンフィグすると指の負担が分散し、難易度が下がるわけである。↑と△ボタンをL1・R1ボタンに変える(例えば6ボタンでは←L1→□R1〇)のがプレイヤー間では主流。 ---つまり&bold(){デフォルト配置では相対的不利}になっているため、コンフィグプレイヤーとの対戦は完全にフェアな状態とは言い難い((ちなみに韓国で開かれたオフライン公式大会では、決勝卓は8ボタン以外全員コンフィグ済みであった))。 --また、DUALSHOCK4以外のコントローラーを排除できていない。例としてはコンバーター、アーケードスティックなど。これらを使うと、さらに難易度が低下する。本来e-sportsで入力デバイスは裁量が広くとられるものだが、今作ではDUALSHOCK4以外を使われると対戦バランスが崩壊するため留意が必要である。 ---- **総評 シリーズとファンへのRESPECTというタイトルのもと豊富な収録楽曲・充実したプレイスタイル・多数のコレクション要素などを備え、過去最高クラスに充実した作品となったことは間違いない。 &br音楽ゲームという広い分野の中を見ても、家庭で音ゲーをプレイする手段が減少している今これだけのクオリティを発揮しているタイトルは非常に貴重な存在である。 &brシリーズ未経験者や初心者に対してやや優しくないところは存在するものの、一回のめりこめば掴んで離さない魅力と家庭用ながら豊富なやり込み要素がある作品なので、従来ファンには勿論、音楽ゲームが好きな人・興味のある人にも是非おすすめしたい作品でもある。