「電撃コンストラクション 落ちゲーやろうぜ!」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
*電撃コンストラクション 落ちゲーやろうぜ!
【でんげきこんすとらくしょん おちげーやろうぜ】
|ジャンル|パズルコンストラクション|&amazon(B000092P98)|
|対応機種|プレイステーション|~|
|発売元|メディアワークス|~|
|開発元|データム・ポリスター&br;フューパック|~|
|発売日|1998年6月25日|~|
|定価|5,800円|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|電撃プレイステーションとのタイアップソフト&br;珍しい落ちものパズル制作ツール&br;アニメーションやルールなどを細かく設定できる&br;インターフェイスには若干難あり&br;全体的に『[[ぷよぷよ]]』を強く意識している|~|
----
#contents(fromhere)
----
**概要
プレイステーション専門誌である『電撃プレイステーション(以下電プレ)』とのタイアップで生まれたソフト。~
『[[ぷよぷよ]]』に代表される落ちものパズルゲームを制作する事が出来る。~
『電プレ』及び電撃ブランドのマスコットキャラクターであるポリタンを始め、作者の岩瀬さとみ氏による描き下ろしキャラクターも多数用意されている。~
発売当時は制作ゲームグランプリも開催されており、付録としてCD-ROMが付いて来た『電撃プレイステーションD』にユーザー投稿データが多数収録されていた。
----
**主な特徴
-設定出来る内容はひじょうに細かく、一通りの落ちものパズルのルールを収録しており、それらのクローンゲームを作ることも出来る。
--『ぷよぷよ』に代表される「同じ色のブロックを縦横四つ繋げる事で消える」ルールや『[[コラムス]]』のような「同じ色のブロックを縦横斜め3つ並べる事で消える」ルールなど、ブロックの組み合わせ数や消える条件、登場するブロックの種類などを決める事が出来る。
---「ペアブロック」と呼ばれる対になる2つのブロックを組み合わせる事で消えるルールも存在する。
---「フラッシュルール」と呼ばれる『[[ドクターマリオ]]』『[[テトリスフラッシュ]]』のような点滅するブロックを全て消す事で勝ちになるルールも用意されている。
---『[[対戦ぱずるだま]]』の「こだま」のように特定のブロック同士を組み合わせて消すと別のブロックに変化する設定もできる。
---ブロックの組み合わせパターンである「ピース」の片・両回転の設定や変形パターン数、積んだピースのうち、接地していないブロックが千切れるか、敵COMの思考パターンや妨害、相殺の設定も可能。
---またおじゃまブロックも細かく設定可能で、『ぷよぷよ』で上部に表示される蓄積されたおじゃまブロックの数に応じたアイコンや、なかなか消えないかたぷよ、連鎖に組み込むと大量におじゃまブロックが発生する太陽ぷよのような、特殊なおじゃまブロックなんかも作成出来る。
---設定の細かさは某漫画内の落ち物パズルを再現しようとする猛者が現れる程である。((幽遊白書の中で登場するスリーセブンという落ち物パズルを再現して投稿した人がいる。))
--フィールドの広さやレイアウトも設定でき、横長や縦長のフィールドを作る事も出来る。
-グラフィックも細かく作る事が出来る。
--ブロックだけでなくタイトル画面やモード選択画面、背景バックアニメーション、対戦画面上のレイアウト、顔グラフィックなど、画面上のほとんどのものを細かく描くことが出来る。
--バックアニメーションは『対戦ぱずるだま』のようにフィールド一杯にアニメーショングラフィックが表示される。
--バックアニメーションを表示せず代わりに顔グラフィック(2P対戦の選択画面や、対戦開始前に表示される小さめのグラフィック)を背景の上に表示させる事も出来る。2つを組み合わせることも可能。
-色のパレットは1パレット16色×64種もあり、総数は1024色。全て三原色で細かく設定可能。1パレット16色というのは1ブロック(16×16)に使える分であり、ブロック毎に別パレットを使い分けることが可能。やろうと思えばとんでもない色数の絵を描くことも出来る。
-モード数は作成したキャラ全員と次々に対戦するCOM戦・2Pの対人戦・いわゆるとことんプレイの1Pモードの3つ。
-マウス操作対応。通常のコントローラとの併用も可能で、その場合はマウスを2P端子に挿すことで両方のコントローラを使う事が出来る。マルチタップで1P、2P、マウスの3本挿しにも対応。
-ヘルプ搭載。左上にあるヘルプを押した後、知りたい項目をクリックすることで説明文が表示される仕様。
--文面は必要最低限の簡易的なものだが、エディット中の全画面に搭載されている。
-データセーブによる使用ブロックはグラフィックをサンプルのみで済ませルールのみ保存する「小さい(3ブロック使用)」とグラフィックも全て保存する「大きい(15ブロック)」の二つが選択可能。
-他、サンプルゲームのアニメーションデータの吸い出しも可能。
--自由に手を加えることが可能だが容量を食うシート上保存と、容量とは別に使えるが一切の書き込みが不可能なシート外の吸い出しが可能。シートをキャラ作成のみに全て使い、ブロックやタイトルはサンプルデータを流用といった、応用が出来る。
----
**評価点
-珍しい「落ちものパズル」を題材とした制作ツールソフトである事((家庭用据え置き機向けの類似したツールとしては『落ちゲー・デザイナー作ってポン!』(SS)が存在する。こちらはあらかじめ決まったものを組み合わせる形で、本作ほどは細かく作れない。))。
-マニュアルに漫画を多用しており、基本的なことは漫画で学べるため解りやすい。
--漫画は当時『電プレ』で連載されていたポリタンとお姉さんのはじめて物語そのもの。
-「簡単設定」により、ゲームの基本設定を直感的に作ることが出来る。
-サンプルゲームが5つ収録と数が豊富。
--内容も変化ブロックやペアブロックなど種類が多く、5つすべてで画面構成やルールが異なった作りになっており、本作で設定できるルールの把握も出来る。
-豪華声優が揃っている上に、ボイスデータも一人につき平均164種(一人を除く)もあり豊富。
#region(出演声優と役柄)
-ケダモノ・西原久美子。
--ぬいぐるみのような生物の集団。基本ボイスは可愛い女の子のようだが、特殊台詞は感情の無い機械風ボイス。
-お姉さん・三石琴乃。
--お馴染みのお姉さん。優しく可愛いお姉さん系ボイス。
-女子大生・冬馬由美。
--スポーティー少女。男勝りな強気な女の子ボイス。
-ポリタン・草尾毅。
--お馴染みのポリゴンクマ。無邪気な感じの少年系ボイス。
-少女・かないみか。
--ロリータ系の少女。かない氏が得意とする幼女ボイス。
-人妻・天野由梨。
--色っぽさのある人妻だが性格は陰湿。成人女性ボイス。
-女子高生・水谷優子。
--コスプレで性格が豹変する女の子。弱気な性格のものと、熱血系の女の子ボイス。
-博士・塩沢兼人。
--世界征服を企む天才博士。塩沢氏が得意としたイケメンボイスと変人ボイス。
-外人・永島由子。
--ナイスバディーな外人のお姉さん。帰国子女のような関西弁のような喋りの変則ボイス。
-女教師・萩森侚子。
--色気漂う大人の女教師。Sっ気のある成人女性ボイス。
-役無し・鈴木沙織。
--基本ボイスは無く、一部の特殊台詞のみ。
#endregion
//--ただし、問題点もある(後述)。
----
**問題点
-メモリーカードの書き込み、読み込み時間がかなり長い。最初は気にならない程度だが、データ量(ドット絵の書き込み量)に比例して長くなる。
--解説書ですら自虐ネタ((あまりの遅さに50年経ってもロードが終わらず、どうしようもないので許して下さいと謝っている。))にしている程。
--その代わりゲーム中やエディット中にはロードは無い。上記の長いロードでデータを読み込んだ後は、プレイ開始時に多少読み込む程度。
-エディット画面では各項目の操作はマウス操作が前提となっている節があり、通常のコントローラでの操作があまり考慮されていない。
--特に通常コントローラーでの操作の場合、カーソルの移動速度が非常にトロい。
---オプションでカーソルの速さを変える事が出来るが、最大にしても遅く感じる程。
--ここは解説書に書いてある通り、2P端子にマウスを挿すのが推奨される。
--また、エディット中の全ての操作がマウス操作しか無いのも、人によってはやりにくいだろう。
-アンドゥ機能が手動記憶。普通は一手毎に自動で記憶され、間違ったとき等に一手から数手前まで戻せるというのが基本であるが、本作では基本的に自分で記憶ボタンを押さないと記憶されない((モードを抜けたときや、シートの移動でも記憶される。))。そのため定期的に押しておく必要があり、忘れると「数時間掛けて描いたグラフィックを間違えて削除→アンドゥを押したら初期の真っ白状態」など、取り返しのつかないことになることも。
--好きな状態のまま記憶させて置いておくことも出来るので、これはこれで使いようもある。だがもしものときの救済処置として使うには、常に注意して記憶しておかなければならない。
-サンプルグラフィックやSE・ボイスデータは番号が割り振られ、数字ボタンで呼び出してから指定する形式となっており、指定に若干手間がかかる。一覧表やソート別といったものも無い。また指定したボイス等を直接聞くことは出来ず、指定したものを確認するには数字をいちいち直打ちする必要がある。
--SEと音声の番号は全1823種もある。一、十、百、千の位で増減出来、「三石琴乃、とりゃあ」等と文字表示はされるが、探すのに手間は掛かる。せめて声優別のソートが欲しかったところ。
--いちおう、説明書に一覧表が載っている。しかしSEは''「ポペペペペペポ」「うんほこわか」''など、文字に起こされても分からないものが多数。台詞は数が多いため、細かい数字までは並記されていない。
--設定したSEやボイスは直接聞くことは出来ないが、何故かBGMのみ設定ボタンの横に再生ボタンがあり、簡単に確認することが可能。他も普通に付けて欲しかった。
-COM戦では1Pキャラは常に固定(一番目に指定したキャラのみ)で、選択する事は出来ない。
--2P対戦なら自由にキャラを選べるが、こちらは対人戦のみ。
-COMの思考を細かく設定することも可能だが、剣(連鎖狙い)や盾(防御アップ)等のアイコンがそれぞれ弱、中、強とあり、それらのアイコンを複数設定して合算させるといった形。設定そのものは解りやすいように見えて、アイコンの数でどのくらい反映されるか等、やや解りにくい。設定出来るアイコン数も決まっている。
--設定したものをそのまま試すことは出来ず、確認したい場合はテストプレイから実際にそこまで勝ち抜いていかないと確認出来ないため、細かな調整には不便。
-ゲーム内で表示することが出来る文字の入力等は無く((文字入力は制作者の名前、ゲームの説明、パスワードの設定に使うのみ。それとゲームのエンディングに制作者の名前が出るくらい。))、オープニングやエンディング、『ぷよぷよ』で言う漫才デモなど、ストーリーに該当する幕間部分等を作る事は出来ない。COM戦は顔グラフィックの表示からの対戦、を繰り返すのみ。
--キャラの名前等も入れられない。顔グラフィックに直接書いて、擬似的に入れることは出来るが。
-エディット中は基本的にBGMが無い。
--大きな問題とまではいかないが、長時間かかる作業の息抜きになる要素なので、ないのはないで寂しい。
--いちおうBGMのテスト再生をすれば、以降鳴らしっぱなしにすることは出来る。ほぼ裏技のようなものだが。
---ちなみにBGMを鳴らしたままセーブやロードをすると、とんでもなく処理落ちする。
-出演声優は女性声優に大きく偏っており、男性声優はたった二人だけしか出演していない。
--草尾毅はほぼドラゴンボールの少年トランクスで、塩沢兼人は氏が得意としたイケメンと変人のボイスが中心。役柄そのものに問題は無いが、使い所があまりにも限定的すぎる。汎用的に使えるような普通の青年ボイスの声優も欲しかったところ。
--またボイスは一部の特殊台詞を除き共通。女性声優の男台詞は男勝りな女の子としてアリだが、男性声優の「おっほっほっほ」「いくわよ」といった女性言葉の台詞は完全にオカマキャラ専用。
--このため自作ゲームで男性キャラを出演させる場合にボイスがつけづらい。
-ボイスの量は多いのだが、擬音のような意味不明なものも多い。危ないクスリでもキメてるかのような奇声も多数ある。
--「100メートル」「ちくわ」などはどう使うことを想定して入れたのか…。
-声優の中で鈴木沙織のみ、特殊台詞の25種しかない。
--『[[るぷぷキューブ ルプ★さらだ]]』で収録した主人公サラダの声を流用しているためであるが、全てを収録しているわけではないし、それを示唆するような記述等は無い。
-一つのピースにブロックは3つまでという制限があるため、『[[テトリス]]』形式のピースや落ちものパズルは作る事が出来ない。
--意識したのか、簡単設定及びサンプルグラフィックに「ロシア」なんてのがあったりするが。
-グラフィック作成の癖が強い。
--128x128のドット範囲を1枚とした総勢12枚の「シート」にブロックや壁紙、顔グラなどのビジュアルを描いていく。
---『[[RPGツクール>ツクールシリーズ]]』でいうキャラクターなどの素材作りに近いのだが、全てのドットデータを一つのシートに収める仕様のため、ブロックごと・顔グラごとの細分化が出来ない。
---こういったゲームはまずサンプルデータを弄って覚えることが基本であると思われるが、メインのサンプルゲームのデータはグラフィックデータがわりと乱雑に入っており、状態を認識しづらく分かりづらい。
---ただ、『ツクールシリーズ』は分類する代わりにデータ1つに1ブロックで、ちょっとした小さいエフェクトだけでも1ブロックを消費していた。シート状にする代わりに大容量を実現出来たという見方も出来るので、一長一短か。
--顔グラフィックのアニメーションは出来ない。
--容量の問題かユーザー側が作れるアニメーションは最大44枚までと、良くて瞬きや口パクなどの簡単なものまでしか作れない。メインのサンプルゲームと同程度のものを作ろうとすると、キャラ一人か二人分で容量を使いきる。
---一応、連鎖数に対応したアニメは作れるため、それなりに華やかに見せることは出来る。
-背景はブロックの下のみの表示、ブロックは背景の上のみの表示で固定。せっかく頑張って連鎖アニメを作っても、積まれたブロックで隠れて見えないことも。
--また勝敗時に「かち、まけ」と文字が出るが、これも消すことは出来ない。せっかく勝利用、敗北用のグラフィックを作っても、隠れて見えなくなることも。
-『ツクールシリーズ』のように複数のメモリーカードを合算して作ることは出来ない。これがあれば容量問題の大部分が解決していただけに、残念である。
--メモリーカード2枚までの対応はしているが、2P対戦専用で両方のプレイヤーキャラ(一番目に指定したキャラ)のみを使えるという、微妙な仕様。
----
**総評
これ一作で既存の落ちものパズルゲームのほとんどが作れる程に作成の幅が広い。~
落ちものパズルというジャンル自体、コンストラクション系ソフトには珍しく、制作出来る内容もかなり細かいため、非常に貴重な1作といえる。パズルゲームを自作してみたいがツールや技術的にその当てのないユーザーにとっては魅力的に映るだろう~
しかしゲーム内容が細かく設定出来る反面、ユーザーインターフェース面はあまり充実しておらず、癖の強さや難ある操作性ゆえに、手間と時間がかかるのが惜しいところである。
----
**余談
-冒頭の記述にあるが、発売当時に制作ゲームグランプリも開催されていた。まず編集部内で選考が行われ、優秀作は『電撃プレイステーションD』付録のCD-ROMに収録され遊ぶことが出来た。そして最終的に編集部内と読者投票でグランプリを決めていたようである。
-解説書内の漫画にて「プレイステーションは解説書にいたるまでHと暴力にキビシイのだ!」と自虐ネタが振られている。
--というのも、元ネタの電撃プレイステーション連載漫画『はじめて物語』や読者ページ『PSの奴隷』の扉漫画ではそういう過激なネタがしょっちゅう描かれていたので…。
--PS2の発売以後はそのようなネタは控えめになっていき、現在はほぼ見られなくなっている。
---しかしそう言うわりに、きわどい衣装のグラフィックが多数あったりする。
-パッケージ裏にゲームの説明と作品応募について描かれた漫画が載っている。最後は「普通はソフトの裏なんか見ないからこの漫画はムダ?」と落ち込むポリタンが描かれているが、普通はパッケージ裏は見ると思うが…。
-環境設定に何故か十字キーと各種ボタンの反応状況が表示されている。コントローラーの動きがおかしいとき、チェック用に使えるかもしれない。
-サンプルゲームに『[[るぷぷキューブ ルプ★さらだ]]』と同じブロックを用いたゲームが見られる。
--タイトルも『''るぷぷぷキューブ''』と意識している。ただし版権の都合があると思われるので、キャラクターは一切無し。
--上記のように一部のサラダの台詞は流用されているので、自身で擬似的にキャラクターを再現することは可能。ちなみに塩沢兼人も共通で出演している。
*電撃コンストラクション 落ちゲーやろうぜ!
【でんげきこんすとらくしょん おちげーやろうぜ】
|ジャンル|パズルコンストラクション|&amazon(B000092P98)|
|対応機種|プレイステーション|~|
|発売元|メディアワークス|~|
|開発元|データム・ポリスター&br;フューパック|~|
|発売日|1998年6月25日|~|
|定価|5,800円|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|電撃プレイステーションとのタイアップソフト&br;珍しい落ちものパズル制作ツール&br;アニメーションやルールなどを細かく設定できる&br;インターフェイスには若干難あり&br;全体的に『[[ぷよぷよ]]』を強く意識している|~|
----
#contents(fromhere)
----
**概要
プレイステーション専門誌である『電撃プレイステーション(以下電プレ)』とのタイアップで生まれたソフト。~
『[[ぷよぷよ]]』に代表される落ちものパズルゲームを制作する事が出来る。~
『電プレ』及び電撃ブランドのマスコットキャラクターであるポリタンを始め、作者の岩瀬さとみ氏による描き下ろしキャラクターも多数用意されている。~
発売当時は制作ゲームグランプリも開催されており、付録としてCD-ROMが付いて来た『電撃プレイステーションD』にユーザー投稿データが多数収録されていた。
----
**主な特徴
-設定出来る内容は非常に細かく、一通りの落ちものパズルのルールを収録しており、それらのクローンゲームを作ることも出来る。
--『ぷよぷよ』に代表される「同じ色のブロックを縦横四つ繋げる事で消える」ルールや『[[コラムス]]』のような「同じ色のブロックを縦横斜め3つ並べる事で消える」ルールなど、ブロックの組み合わせ数や消える条件、登場するブロックの種類などを決める事が出来る。
---「ペアブロック」と呼ばれる対になる2つのブロックを組み合わせる事で消えるルールも存在する。
---「フラッシュルール」と呼ばれる『[[ドクターマリオ]]』『[[テトリスフラッシュ]]』のような点滅するブロックを全て消す事で勝ちになるルールも用意されている。
---『[[対戦ぱずるだま]]』の「こだま」のように特定のブロック同士を組み合わせて消すと別のブロックに変化する設定もできる。
---ブロックの組み合わせパターンである「ピース」の片・両回転の設定や変形パターン数、積んだピースのうち、接地していないブロックが千切れるか、敵COMの思考パターンや妨害、相殺の設定も可能。
---またおじゃまブロックも細かく設定可能で、『ぷよぷよ』で上部に表示される蓄積されたおじゃまブロックの数に応じたアイコンや、なかなか消えないかたぷよ、連鎖に組み込むと大量におじゃまブロックが発生する太陽ぷよのような、特殊なおじゃまブロックなんかも作成出来る。
---設定の細かさは某漫画内の落ち物パズルを再現しようとする猛者が現れる程である。((幽遊白書の中で登場するスリーセブンという落ち物パズルを再現して投稿した人がいる。))
--フィールドの広さやレイアウトも設定でき、横長や縦長のフィールドを作る事も出来る。
-グラフィックも細かく作る事が出来る。
--ブロックだけでなくタイトル画面やモード選択画面、背景バックアニメーション、対戦画面上のレイアウト、顔グラフィックなど、画面上のほとんどのものを細かく描くことが出来る。
--バックアニメーションは『対戦ぱずるだま』のようにフィールド一杯にアニメーショングラフィックが表示される。
--バックアニメーションを表示せず代わりに顔グラフィック(2P対戦の選択画面や、対戦開始前に表示される小さめのグラフィック)を背景の上に表示させる事も出来る。2つを組み合わせることも可能。
-色のパレットは1パレット16色×64種もあり、総数は1024色。全て三原色で細かく設定可能。1パレット16色というのは1ブロック(16×16)に使える分であり、ブロック毎に別パレットを使い分けることが可能。やろうと思えばとんでもない色数の絵を描くことも出来る。
-モード数は作成したキャラ全員と次々に対戦するCOM戦・2Pの対人戦・いわゆるとことんプレイの1Pモードの3つ。
-マウス操作対応。通常のコントローラとの併用も可能で、その場合はマウスを2P端子に挿すことで両方のコントローラを使う事が出来る。マルチタップで1P、2P、マウスの3本挿しにも対応。
-ヘルプ搭載。左上にあるヘルプを押した後、知りたい項目をクリックすることで説明文が表示される仕様。
--文面は必要最低限の簡易的なものだが、エディット中の全画面に搭載されている。
-データセーブによる使用ブロックはグラフィックをサンプルのみで済ませルールのみ保存する「小さい(3ブロック使用)」とグラフィックも全て保存する「大きい(15ブロック)」の二つが選択可能。
-他、サンプルゲームのアニメーションデータの吸い出しも可能。
--自由に手を加えることが可能だが容量を食うシート上保存と、容量とは別に使えるが一切の書き込みが不可能なシート外の吸い出しが可能。シートをキャラ作成のみに全て使い、ブロックやタイトルはサンプルデータを流用といった、応用が出来る。
----
**評価点
-珍しい「落ちものパズル」を題材とした制作ツールソフトである事((家庭用据え置き機向けの類似したツールとしては『落ちゲー・デザイナー作ってポン!』(SS)が存在する。こちらはあらかじめ決まったものを組み合わせる形で、本作ほどは細かく作れない。))。
-マニュアルに漫画を多用しており、基本的なことは漫画で学べるため解りやすい。
--漫画は当時『電プレ』で連載されていたポリタンとお姉さんのはじめて物語そのもの。
-「簡単設定」により、ゲームの基本設定を直感的に作ることが出来る。
-サンプルゲームが5つ収録と数が豊富。
--内容も変化ブロックやペアブロックなど種類が多く、5つすべてで画面構成やルールが異なった作りになっており、本作で設定できるルールの把握も出来る。
-豪華声優が揃っている上に、ボイスデータも一人につき平均164種(一人を除く)もあり豊富。
#region(出演声優と役柄)
-ケダモノ・西原久美子。
--ぬいぐるみのような生物の集団。基本ボイスは可愛い女の子のようだが、特殊台詞は感情の無い機械風ボイス。
-お姉さん・三石琴乃。
--お馴染みのお姉さん。優しく可愛いお姉さん系ボイス。
-女子大生・冬馬由美。
--スポーティー少女。男勝りな強気な女の子ボイス。
-ポリタン・草尾毅。
--お馴染みのポリゴンクマ。無邪気な感じの少年系ボイス。
-少女・かないみか。
--ロリータ系の少女。かない氏が得意とする幼女ボイス。
-人妻・天野由梨。
--色っぽさのある人妻だが性格は陰湿。成人女性ボイス。
-女子高生・水谷優子。
--コスプレで性格が豹変する女の子。弱気な性格のものと、熱血系の女の子ボイス。
-博士・塩沢兼人。
--世界征服を企む天才博士。塩沢氏が得意としたイケメンボイスと変人ボイス。
-外人・永島由子。
--ナイスバディーな外人のお姉さん。帰国子女のような関西弁のような喋りの変則ボイス。
-女教師・萩森侚子。
--色気漂う大人の女教師。Sっ気のある成人女性ボイス。
-役無し・鈴木沙織。
--基本ボイスは無く、一部の特殊台詞のみ。
#endregion
//--ただし、問題点もある(後述)。
----
**問題点
-メモリーカードの書き込み、読み込み時間がかなり長い。最初は気にならない程度だが、データ量(ドット絵の書き込み量)に比例して長くなる。
--解説書ですら自虐ネタ((あまりの遅さに50年経ってもロードが終わらず、どうしようもないので許して下さいと謝っている。))にしている程。
--その代わりゲーム中やエディット中にはロードは無い。上記の長いロードでデータを読み込んだ後は、プレイ開始時に多少読み込む程度。
-エディット画面では各項目の操作はマウス操作が前提となっている節があり、通常のコントローラでの操作があまり考慮されていない。
--特に通常コントローラーでの操作の場合、カーソルの移動速度が非常にトロい。
---オプションでカーソルの速さを変える事が出来るが、最大にしても遅く感じる程。
--ここは解説書に書いてある通り、2P端子にマウスを挿すのが推奨される。
--また、エディット中の全ての操作がマウス操作しか無いのも、人によってはやりにくいだろう。
-アンドゥ機能が手動記憶。普通は一手毎に自動で記憶され、間違ったとき等に一手から数手前まで戻せるというのが基本であるが、本作では基本的に自分で記憶ボタンを押さないと記憶されない((モードを抜けたときや、シートの移動でも記憶される。))。そのため定期的に押しておく必要があり、忘れると「数時間掛けて描いたグラフィックを間違えて削除→アンドゥを押したら初期の真っ白状態」など、取り返しのつかないことになることも。
--好きな状態のまま記憶させて置いておくことも出来るので、これはこれで使いようもある。だがもしものときの救済処置として使うには、常に注意して記憶しておかなければならない。
-サンプルグラフィックやSE・ボイスデータは番号が割り振られ、数字ボタンで呼び出してから指定する形式となっており、指定に若干手間がかかる。一覧表やソート別といったものも無い。また指定したボイス等を直接聞くことは出来ず、指定したものを確認するには数字をいちいち直打ちする必要がある。
--SEと音声の番号は全1823種もある。一、十、百、千の位で増減出来、「三石琴乃、とりゃあ」等と文字表示はされるが、探すのに手間は掛かる。せめて声優別のソートが欲しかったところ。
--いちおう、説明書に一覧表が載っている。しかしSEは''「ポペペペペペポ」「うんほこわか」''など、文字に起こされても分からないものが多数。台詞は数が多いため、細かい数字までは並記されていない。
--設定したSEやボイスは直接聞くことは出来ないが、何故かBGMのみ設定ボタンの横に再生ボタンがあり、簡単に確認することが可能。他も普通に付けて欲しかった。
-COM戦では1Pキャラは常に固定(一番目に指定したキャラのみ)で、選択する事は出来ない。
--2P対戦なら自由にキャラを選べるが、こちらは対人戦のみ。
-COMの思考を細かく設定することも可能だが、剣(連鎖狙い)や盾(防御アップ)等のアイコンがそれぞれ弱、中、強とあり、それらのアイコンを複数設定して合算させるといった形。設定そのものは解りやすいように見えて、アイコンの数でどのくらい反映されるか等、やや解りにくい。設定出来るアイコン数も決まっている。
--設定したものをそのまま試すことは出来ず、確認したい場合はテストプレイから実際にそこまで勝ち抜いていかないと確認出来ないため、細かな調整には不便。
-ゲーム内で表示することが出来る文字の入力等は無く((文字入力は制作者の名前、ゲームの説明、パスワードの設定に使うのみ。それとゲームのエンディングに制作者の名前が出るくらい。))、オープニングやエンディング、『ぷよぷよ』で言う漫才デモなど、ストーリーに該当する幕間部分等を作る事は出来ない。COM戦は顔グラフィックの表示からの対戦、を繰り返すのみ。
--キャラの名前等も入れられない。顔グラフィックに直接書いて、擬似的に入れることは出来るが。
-エディット中は基本的にBGMが無い。
--大きな問題とまではいかないが、長時間かかる作業の息抜きになる要素なので、ないのはないで寂しい。
--いちおうBGMのテスト再生をすれば、以降鳴らしっぱなしにすることは出来る。ほぼ裏技のようなものだが。
---ちなみにBGMを鳴らしたままセーブやロードをすると、とんでもなく処理落ちする。
-出演声優は女性声優に大きく偏っており、男性声優はたった二人だけしか出演していない。
--草尾毅はほぼドラゴンボールの少年トランクスで、塩沢兼人は氏が得意としたイケメンと変人のボイスが中心。役柄そのものに問題は無いが、使い所があまりにも限定的すぎる。汎用的に使えるような普通の青年ボイスの声優も欲しかったところ。
--またボイスは一部の特殊台詞を除き共通。女性声優の男台詞は男勝りな女の子としてアリだが、男性声優の「おっほっほっほ」「いくわよ」といった女性言葉の台詞は完全にオカマキャラ専用。
--このため自作ゲームで男性キャラを出演させる場合にボイスがつけづらい。
-ボイスの量は多いのだが、擬音のような意味不明なものも多い。危ないクスリでもキメてるかのような奇声も多数ある。
--「100メートル」「ちくわ」などはどう使うことを想定して入れたのか…。
-声優の中で鈴木沙織のみ、特殊台詞の25種しかない。
--『[[るぷぷキューブ ルプ★さらだ]]』で収録した主人公サラダの声を流用しているためであるが、全てを収録しているわけではないし、それを示唆するような記述等は無い。
-一つのピースにブロックは3つまでという制限があるため、『[[テトリス]]』形式のピースや落ちものパズルは作る事が出来ない。
--意識したのか、簡単設定及びサンプルグラフィックに「ロシア」なんてのがあったりするが。
-グラフィック作成の癖が強い。
--128x128のドット範囲を1枚とした総勢12枚の「シート」にブロックや壁紙、顔グラなどのビジュアルを描いていく。
---『[[RPGツクール>ツクールシリーズ]]』でいうキャラクターなどの素材作りに近いのだが、全てのドットデータを一つのシートに収める仕様のため、ブロックごと・顔グラごとの細分化が出来ない。
---こういったゲームはまずサンプルデータを弄って覚えることが基本であると思われるが、メインのサンプルゲームのデータはグラフィックデータがわりと乱雑に入っており、状態を認識しづらく分かりづらい。
---ただ、『ツクールシリーズ』は分類する代わりにデータ1つに1ブロックで、ちょっとした小さいエフェクトだけでも1ブロックを消費していた。シート状にする代わりに大容量を実現出来たという見方も出来るので、一長一短か。
--顔グラフィックのアニメーションは出来ない。
--容量の問題かユーザー側が作れるアニメーションは最大44枚までと、良くて瞬きや口パクなどの簡単なものまでしか作れない。メインのサンプルゲームと同程度のものを作ろうとすると、キャラ一人か二人分で容量を使いきる。
---一応、連鎖数に対応したアニメは作れるため、それなりに華やかに見せることは出来る。
-背景はブロックの下のみの表示、ブロックは背景の上のみの表示で固定。せっかく頑張って連鎖アニメを作っても、積まれたブロックで隠れて見えないことも。
--また勝敗時に「かち、まけ」と文字が出るが、これも消すことは出来ない。せっかく勝利用、敗北用のグラフィックを作っても、隠れて見えなくなることも。
-『ツクールシリーズ』のように複数のメモリーカードを合算して作ることは出来ない。これがあれば容量問題の大部分が解決していただけに、残念である。
--メモリーカード2枚までの対応はしているが、2P対戦専用で両方のプレイヤーキャラ(一番目に指定したキャラ)のみを使えるという、微妙な仕様。
----
**総評
これ一作で既存の落ちものパズルゲームのほとんどが作れる程に作成の幅が広い。~
落ちものパズルというジャンル自体、コンストラクション系ソフトには珍しく、制作出来る内容もかなり細かいため、非常に貴重な1作といえる。パズルゲームを自作してみたいがツールや技術的にその当てのないユーザーにとっては魅力的に映るだろう~
しかしゲーム内容が細かく設定出来る反面、ユーザーインターフェース面はあまり充実しておらず、癖の強さや難ある操作性ゆえに、手間と時間がかかるのが惜しいところである。
----
**余談
-冒頭の記述にあるが、発売当時に制作ゲームグランプリも開催されていた。まず編集部内で選考が行われ、優秀作は『電撃プレイステーションD』付録のCD-ROMに収録され遊ぶことが出来た。そして最終的に編集部内と読者投票でグランプリを決めていたようである。
-解説書内の漫画にて「プレイステーションは解説書にいたるまでHと暴力にキビシイのだ!」と自虐ネタが振られている。
--というのも、元ネタの電撃プレイステーション連載漫画『はじめて物語』や読者ページ『PSの奴隷』の扉漫画ではそういう過激なネタがしょっちゅう描かれていたので…。
--PS2の発売以後はそのようなネタは控えめになっていき、現在はほぼ見られなくなっている。
---しかしそう言うわりに、きわどい衣装のグラフィックが多数あったりする。
-パッケージ裏にゲームの説明と作品応募について描かれた漫画が載っている。最後は「普通はソフトの裏なんか見ないからこの漫画はムダ?」と落ち込むポリタンが描かれているが、普通はパッケージ裏は見ると思うが…。
-環境設定に何故か十字キーと各種ボタンの反応状況が表示されている。コントローラーの動きがおかしいとき、チェック用に使えるかもしれない。
-サンプルゲームに『[[るぷぷキューブ ルプ★さらだ]]』と同じブロックを用いたゲームが見られる。
--タイトルも『''るぷぷぷキューブ''』と意識している。ただし版権の都合があると思われるので、キャラクターは一切無し。
--上記のように一部のサラダの台詞は流用されているので、自身で擬似的にキャラクターを再現することは可能。ちなみに塩沢兼人も共通で出演している。