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カルトジャンプ

【かるとじゃんぷ】

ジャンル クイズ・RPG
対応機種 ゲームボーイ
メディア 2MbitROMカートリッジ
発売元 バンダイ
発売日 1993年9月10日
定価 3,800円
プレイ人数 1~2人
判定 スルメゲー
ポイント 今度はジャンプ漫画でカルトクイズ
ただのクイズかと思いきやRPGにアレンジ
やっぱり題材のジャンプに興味がなければ始まらない
少年ジャンプシリーズ


概要

1993年9月にバンダイから発売されたゲームボーイソフトでクイズを絡めた探索型RPG。
名前の通り問題は当時の人気週刊漫画誌『週刊少年ジャンプ』(集英社)の漫画作品を題材としている。

同年3月に同じくバンダイから発売された『ウルトラマン』のクイズゲーム『CULT MASTER ウルトラマンに魅せられて』は正統派のクイズゲームだったが、本作は迷宮探索式のRPG要素を地盤としクイズはその中のバトルに用いられる。
本項では比較対象用として、『ウルトラマンに魅せられて』についても一部触れている。


ストーリー

ここは、クイズを解き続けることが唯一絶対の強さを誇示できる王国。2500年に一度、最強のクイズ王を決める催しがある。それが今年、課題は「少年ジャンプ」であった。イベント会場には除々にそれが築かれつつあった。それ……「ジャンプの塔」である。
おかしな建物だ。一見、城のようにも見える。土台の部分、そこに石を積み重ねてあり、西洋の城みたいだ。それが、この塔の半分の高さまでを占めている。四角い土台だ。そこから上は、まるで角が生えているように、4本の塔が天に伸びている。1本ずつが異なる4本の塔。凄い光景だ…。 その時、どこからか声が聞こえてきた。
「中には魔物を放ってある。おまえらに劣らぬ強者ぞろいだ。負ければ、お前らの命はゴミ屑同然だ。生きては出てこれない。ただし勝てば、勝ち続ければ、おまえらは名誉を手に入れることになる。この上ない、絶対の名誉をな!!」
声が響く。しかし逃げるわけにはいかない。オレは、最強のクイズ王となるのだ!
(取扱説明書2頁より引用。引用のルール上誤植もそのまま。)


内容

  • 概要の通り正統派なクイズゲームではなく、世界観やグラフィックはオリジナルの探索型RPG。
    • 淡々とクイズと解くのではなく、それをバトルに用いたアクションRPGのような方式になっておりクイズの問題は『週刊少年ジャンプ』の漫画作品にまつわる問題が出題される。
      • つまりクイズは基本的にバトルの役割を担っており、ジャンプはあくまで出題内容のテーマでしかなく直接的には関係ない。
      • 解答は2択から最大で4択方式。

1Pモード

  • 前述のストーリーにある塔を探索して上位層を目指すRPGになっている。
    • フロアには敵がいて、敵と接触するとバトルになるシンボルエンカウント方式。
      • 敵とのバトルはクイズで行われ正解すると敵にダメージを与えられ、間違うとダメージを自分がダメージ受ける(ダメージは常にハート半分)。
      • 敵のパワーを削りきると倒してバトル終了。確率でパワー回復アイテムをドロップする。自分のパワーがなくなるとゲームオーバーだがコンティニューは無制限に可能。
    • 別のフロアから戻ってくると敵もまたリスポーンしている。
  • 部屋と部屋をつなぐ扉は閉ざされており、これに接触すると敵の場合同様クイズになり、これで扉のパワーを削り切れば扉は開き、その先へ行けるようになる。
    • 一度開いた扉はコンティニューしても開きっぱなしになっている。
  • 部屋の中には宝箱が置いてあったり、NPCに話したりもできる。
    • NPCは単なるフレーバーテキストやヒント役というだけではなく、レトロ問題への切り替えなどといった進行に影響のある者もいる。
  • 各階にはボスがいて、これに接触するとやはりクイズバトルになる。そのボスのパワーを削りきるとその階層はクリアとなり、次の階層へ行くことができる。
    • ボスとのバトルは、それまで通りのクイズだけでなく、ボスのパワーが少なくなるとキャラグラフィックから答える問題に入る。
    • ボスを倒すとパスワードが発行され、これで中断が可能。
    • ボスにやられてコンティニューするとのっけからそのボスの部屋で再開。
  • まず最初は5階構造の塔からスタートしこれを突破すると中庭に出る。
    ストーリーの通り中庭の四隅には4本の塔があり、どれかを選んで入ることになる。
    • 左上「スポーツの塔」………スラムダンク、キャプテン翼、ろくでなしBLUESなど
      右上「ギャグの塔」………こちら葛飾区亀有公園前派出所、燃える!お兄さん、ジャングルの王者ターちゃんなど
      左下「格闘の塔」………聖闘士星矢、ドラゴンボール、北斗の拳など
      右下「冒険の塔」………幽☆遊☆白書、シティーハンター、花の慶次など
      • この4つの塔は10階構造になっていて、10階を突破するとクリアーとなりその塔が崩れ去る。
      • これらの塔ではそれぞれのコンセプトに基づいた作品の問題が出されるのだが、グラフィックからキャラクター当てる問題は、それに縛られない。
      • 4つの塔をすべてクリアーすると、中庭の真ん中にラストステージの入り口が出て、これを突破するとエンディングとなる。

アイテム

敵がドロップするアイテムの他に、宝箱から下記のようなアイテムが取得できる。

  • マップ
    • プレイヤーが今いる階の地図が表示される。
  • ポーション
    • パワーを回復する。
  • 爆弾
    • 選択肢の数を1つ減らす。やられるかその階層をクリアーするまで有効。
  • 無敵
    • 一定時間、敵と接触してもクイズなしで倒すことができる。
  • カルトの剣
    • 世界時に敵に与えるダメージが2倍になる。やられるかその階層をクリアーするまで有効。
  • 魔法の玉
    • 一度間違えてももう一度解答できる。やられるかその階層をクリアーするまで有効。
  • タイマー
    • クイズの制限時間が2倍に長くなる。やられるかその階層をクリアーするまで有効。
  • ロープ
    • 塔から抜け出せる。
    • 抜け出した塔に再度入りなおした場合、突破した階は飛ばしてロープを使った階からスタートできる。

「マップ」「ロープ」以外は一度使うとなくなってしまう。
またそれぞれ1つずつしか所持できない。宝箱の中身で手に入るはずのものを所持していると「すでにおなじものをもっています」と出て、宝箱を開けることができない。

2Pモード

  • 2部構成で前半パート、後半パートに分かれておりまず前半パートで体力をストックして、後半パートではそのストックした体力でクイズバトルする。
    • 早押しだが双方に解答権があり先に解答した方が誤答だった場合、もう1人も解答するチャンスがある。
  • タイトルで「たいせん」を選んだほうが1Pとなりレベル(3段階)を選ぶ権利が与えられる。
    • レベルは前半パートのマップの広さに対応しており上位ほど広くなる。

前半パート

  • 1Pモード同様のフロア構成のマップの中を散策して「ポイントボール」を集めていく。
    • 1Pモードと違う点として区画を隔てるドアを開けるバトル(クイズ)は発生しない。
    • どちらかがポイントボールに触れるとクイズが両者同時に出され、ポイントボールに触れた方のプレイヤーが正解すると2ポイント、そうでない方が正解した場合は1ポイントが獲得できる。
    • 炎が燃えている「スーパーポイントボール」は、どちらも条件は公平で正解すればもう片方のプレイヤーから3ポイント吸い取るよう形になる。
      • この場合、相手が現状3ポイントに満たなくても正解した方には3ポイントが入るためムダにはならない。
    • お互いに誤答、または時間切れの場合はどちらのポイントにもならない。
  • すべてのポイントボールを回収すると後半パートに移行する。
    • ここまで回収したポイントが後半パートでのパワー値になる(1Pモード同様1ポイントあたりハート半分)。
  • このモードでも1Pモード同様、宝箱からアイテムが獲得できる。
    • アイテムは「マップ」以外1Pとはまた別物になっている。
  • サングラス
    • 一定時間相手の画面を真っ暗にする。
  • ダッシュ
    • 一定時間移動速度が速くなる。
  • マップ
    • フロアマップを見ることができる。これのみ何度でも使用可能。
  • ニセ宝箱
    • 開いた宝箱に仕掛けるワナ。これを仕掛けた宝箱を開けると下記3通りいずれかの害を一定時間受ける(仕掛けた直後に自分が開けると自分が被弾してその害を受けることになる)。
      • 動けなくなる。
      • 移動速度が遅くなる。
      • 十字ボタンの上下左右が反対になる。

後半パート

  • 前半パートでためたポイントをパワーに変えてタイマンバトルする。
    • 正解すれば相手に1ダメージ(ハート半分)のダメージを与え、相手のパワーを削り切れば勝ち。
    • 前半パートで一方がゼロポイントに終わった場合、後半パート移行した直後即座に負けとなり、ポイントボールによる問題を全部間違えて両者ともゼロポイントだと「両方とも負け」という結果になる。

評価点

  • 問題は豊富で非常に広い範囲が網羅されている。
    • 映像問題も漫画のタッチそのままなので、何が何だかわからないという事態も起こりにくい。
    • 中にはレトロ問題もあり、現役世代だけでなく少し前の世代や現世代のマニアック層まで楽しめる。
  • ゲーム自体の構成はなかなか秀逸。
    • ただ淡々とクイズと解くのではなく、冒険ゲームに仕立ててクイズはバトルになるという趣向自体は前身作の『ウルトラマンに魅せられて』との決定的な差別化になっており、そちらをプレイ済であっても単に問題だけのガワ替えではない異なるゲーム性を楽しめる。
  • 救済アイテムが豊富。
    • これにより苦手な問題も乗り切りやすい。
    • ジャンプ読者は多いものの作品には好みがあり、問題によっては得意な作品や苦手な作品もあるだろうと思われる。
      • ただ救済というだけでなく、そういった問題から新しい知識を得られやすくなった。
  • 対戦も同等のゲーム性を活かして、お互いがリアルタイムで迷宮探索してタイマン勝負という形式でただのクイズ対決とは一味違った面白さを盛り込めている。
    • 前身作のような正統派クイズでオセロ式のゲームも悪くはないが、それとはまた一味も二味も違った新しいゲーム性。
    • アイテムも2P対戦向けに有効なものばかり。それでいて対戦のバランスを極端に壊さない範囲にとどめられている。
      • いずれも使われた側にとっては適度なお邪魔として機能するし、自身のスピードアップも速すぎて動かしにくくなるようなこともない。

賛否両論点

  • 「カルト」に反して、『ジャンプ』の各漫画作品単位で問題を見ると、そこまでマニアックなものは少ない。
    • 作品単体で見ると、そこまで細かい部分に深く突っ込んだ問題というわけではなく「中」から「中の上」程度のレベルにとどまっている。
      • こういう部分は『ウルトラマン』という1作品に徹底的に踏み込んだ『ウルトラマンに魅せられて』という比較対象と並べると、少々名前負けに思える部分。
    • とはいえ、全体で見ると膨大なジャンプ作品群の様々な設定や場面を満遍なく網羅できているのは充分「カルト」と呼べるだろう。また『週刊少年ジャンプ』いう雑誌1つの中でも好む作品は人によって違うので、そういった得意不得意が出やすいのもゲームとしては面白くなる部分。

問題点

  • エンカウントのモンスターと戦うメリットが少なすぎる。
    • 時折ハート(ハート半分=ダメージ1回分を回復)を落とすものの、それだけでしかない。
      • つまり効率を考えればマップ移動はほとんど避けゲーになってしまう。
  • パスワードの濁音半濁音が2度手間を要する。
    • パスワードの入力画面では濁音・半濁音が直接用意されておらず、代わりに独立した「゛」「゜」があり、当該の文字は2文字分を組み合わせて入力しなければならない(「が」なら「か」+「゛」)。
      • そのため文字数こそ14字と短いながら濁音や半濁音が混じると鬱陶しく感じてしまう。
  • 多数の漫画作品から出典されてはいるものの、クイズの出題形式のバリエーションそのものは少ない。
    • 特殊な出題形式はグラフィックの虫食いまたはノイズ問題のみ。
    • 前身作の『ウルトラマンに魅せられて』は4ヒントクイズなどの特殊な出題形式があったのだが、それと比べるとバリエーションが少なくなった。
  • 対戦モードはレベルが上がると冗長気味になる。
    • 3段階あるレベルの最上位にあたるレベル3はポイントボールが広範囲に散らばっているのでこれを探す作業が非常に難儀。
    • レベル1でさえそこそこ広く感じるぐらいなので、さすがにあれほど広大化する必要はなかったと思われる。

総評

クイズゲームとして見ると前身作的位置づけの『ウルトラマンに魅せられて』にあった「4ヒントクイズ」がなくなりグラフィッククイズのバリエーションが若干落ちている点など気にはなる部分はあるが、冒険スタイルの一風変わったアレンジにより正統派のクイズゲームとは違った面白みを生み出している。
オリジナルのストーリーはかなり無理矢理でツッコミたくなるがクイズ以外の探索RPG部分も、その本格派作品を思えば多少見劣りしつつもシステム自体はバランスも含め細かいところまで作りこまれている。
対戦プレイもその特徴を活かした冒険スタイルで、アイテムも専用に用意されるなど元々ゲーム性を対戦向けに無理なくアレンジができており本編が楽しめるレベルならば探索にしろクイズにしろ白熱した対戦ができるだろう。
もちろん題材であるジャンプ漫画に興味がなければ何も始まらないという根本は変わらない。そのためやはり本作を楽しむためにはジャンプ知識は必須で、よりその精度を上げるためにはそれまで興味のなかった作品を知る必要も当然ある。
そういう意味では「カルト」の名に恥じないものだろう。


余談

  • このようなジャンプを題材にしたクイズゲームのソフトは本作以降しばらく発売されることは無かったが、2024年12月に『漢字でGO! 集英社マンガ祭』がSteam/iOS/Android/DLsiteで無料配信された。
    • こちらはジャンプを含めた集英社の漫画の台詞に当てられているルビを答える純粋なクイズゲームとなっている。
  • 本作に近い位置づけとしてジャンプ作品のクロスオーバー系作品というだけならば『JUMP SUPER STARS』がニンテンドーDSから2005年8月8日に発売されている。
    • この作品は格闘アクションとなっている。
最終更新:2026年05月05日 12:51