本稿では、後日談を描いたファンディスク『夜明け前より瑠璃色な -Moonlight Cradle-』についても扱っています。
【よあけまえよりるりいろな】
ジャンル | 月のお姫様ホームステイADV | ![]() |
対応機種 | Windows 98~XP(初回版)、2000/XP/Vista(移植版)(*1) | |
メディア | CD-ROM or DVD-ROM | |
発売元 | TGL企画 | |
開発元 | AUGUST | |
発売日 |
初回版:2005年12月22日 Windows 7対応版(*2):2011年7月29日 |
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定価 | 9,240円 | |
レーティング | アダルトゲーム | |
配信 |
FANZA: 【Win 8.1/10対応版】2020年9月25日/7,480円 |
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判定 | なし |
前作の『月は東に日は西に』(通称はにはに)で一躍メジャーブランドに上り詰めた、AUGUSTの第二の出世作。
よく練られた世界観と設定、そして魅力溢れるキャラクター達が織りなすストーリーの完成度の高さが評価され、AUGUSTの名声を一躍轟かせた作品である。
略称は公式では「夜明けな(よあけな)」、その他「あけるり」または「はにはに」の法則から「けよりな」が使われる。
宇宙開発技術の進歩によって人類は月に居住することが可能となり、月へと渡った人々は「スフィア王国」という国を興した。
だが、不幸にも地球とスフィア王国は戦いを始めてしまう。100年以上の長きにわたり行われたこの戦争は、後に「オイディプス戦争」と呼ばれることになった。
この戦争では大規模な破壊が繰り返され、地球と月の文明は著しく後退することになった。
オイディプス戦争が終結してから7~800年経ち、戦争は既に過去のものとして記憶が風化した。
後退した文明は取り戻しつつあり、宇宙開発以前の水準まで持ち直してきたが、
地球とスフィア王国の関係は今なお冷え切っており、地球と月を結ぶ唯一の窓口である「満弦ヶ崎中央連絡港市」を除いて両国間の交流は無きに等しい。
そんな中、満弦ヶ崎中央連絡港市に住む朝霧家に、スフィア王国の王女がホームステイすることになったところから物語は始まる。
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ボリュームは大作とまでは言えないが、フルプライス相応で不足は無い。
粗も有るには有るが不快な部分はほとんどなく、各要素の品質は全て相応以上のもので、舞台設定もかなり魅力的なものになっている。
ADVでは万人向け且つ安心してお勧め出来るゲームで、えも言われぬ安定感がある。
また、今では全年齢版もあるため、エロゲーはちょっと…と言う人でも手に取りやすいのも良い所だろう。
【よあけまえよりるりいろな むーんらいとくれいどる】
『夜明け前より瑠璃色な』の後日談を描いたファンディスク。
全年齢版準拠で一部設定の変更・キャラクターの追加がなされているため、可能であればそちらをプレイしてからの購入が望ましい。
新たなヒロインとしてシンシア・マルグリッドが追加。また、全年齢版では存在しなかったエステルと翠のお楽しみシーンもしっかり追加されている。
各攻略ヒロインとの後日談と新ヒロインのシンシアの物語が別個に展開される。
FDなだけに原作越えとはいかないが、FDとしては十分に良い作品である。
原作好きなら価格に見合った価値があると言える。
また、シンシアとその話はかなり魅力的なものになっているので、彼女が気になって購入したユーザーも概ね満足する出来だと思われる。
*1 後述するファンディスクの初回限定版に付属する、PS2版を移植した作品。
*2 XP/Vista/7対応。ファンディスクも共通。
*3 ある事情からお互い合意の上で実の兄妹と周囲には説明している
*4 月への留学は実績などが必要な、かなりの狭き門とされている
*5 問題のキャベツ(?)の断面図や細切り(?)した時の光景もおかしい。切った時と盛った時の形も不一致(もちろんキャベツらしさは皆無)。他にも包丁の持ち方・切り方・キャベツの置き場所や持ち方などもおかしい。
*6 原作で登場しているものは安全性・実用性・開発資金などに糸目をつけなければ代替が可能だが、シンシアルートの肝となっているものは完全に実現不可能な代物。