大怪獣デブラス
【だいかいじゅうでぶらす】
ジャンル
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戦術級SLG
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対応機種
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ファミリーコンピュータ
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発売元
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データイースト
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開発元
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ソル マイク データイースト
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発売日
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1990年12月21日
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定価
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6,500円(税別)
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配信
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プロジェクトEGG:2010年12月21日/500円(税別)
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判定
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バカゲー
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ポイント
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パロディゲー 怪獣に勝とうと思ってはいけない 運ゲー 特殊なルール
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概要
地球防衛隊の兵器を駆使して、大怪獣デブラスからライバル怪獣の卵を守って戦う怪獣シミュレーションゲーム。バッテリーバックアップ機能つき。
特徴
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防衛隊の兵器には戦車やジェット機は勿論のこと、メーサー砲っぽい自走砲やビームを運用する車両、果てはロケット持った人間までさまざま。
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これらを使い分け、卵を大怪獣の手から守って無事ゴールまで運ぶ、或いは怪獣を特定のポイントに寄せつけないのが主なルールである。
評価点・バカ要素
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迫力あるようで間抜けにも見えるビジュアルシーン、登場人物たちの喜怒哀楽に満ちた表情や軽妙な掛け合い、さらには随所に散りばめられた怪獣映画や特撮ヒーローのパロディネタがゲームを盛り上げてくる。
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例えばタイトルにもなる「デブラス」は怪獣王ゴジラと『ウルトラQ』の元祖ウルトラ怪獣・ゴメスとの合いの子のような存在で、中盤で「キングデブラ」として生まれ変わった時はますます背びれがゴジラらしくなる。
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そしてライバルのヤセギュルウスは「口から酸を吐く鳥型怪獣」という、ゴメスのライバル怪獣リトラに類似した特徴を持つ。(名前は同じく『ウルトラQ』の鳥型怪獣ラルゲユウスから)
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防衛隊の面子も「フォースゲートオープン」(『ウルトラセブン』で戦闘機が発進する時のガイダンス)と叫びながら出撃したり、決戦に臨み「わんだばだ」(『帰ってきたウルトラマン』のMATのテーマ)と唄いながら意気を上げたりする。
ただ、そんな防衛隊の背後にあるのが下水処理施設では、あまり格好がつかないのだが。
問題点
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肝心の卵の移動力を決める手段がサイコロ…とよく言われるが、厳密に言うとマス目がサイコロのルーレット(作中ではサイコロンと称される)。
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目押しは可能だが5・6マスの両隣は必ず1・2が配置されているという極悪ぶり。各マス目の数も小さい数が多く、全36マス中5と6は二個ずつしかない。ゆえに目押ししなかったときの期待値はサイコロをはるかに下回る。この意地悪仕様ルーレットのせいで、酷い運ゲー呼ばわりされる羽目になったと言える。
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マップに配置されたユニットの種類、総数は決まっており攻略の自由度は高くない。
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どちらかと言えば詰め将棋の感覚に近く、そこにサイコロンの意地悪仕様が加わり、下手を打てば開始5分と経たずゲームオーバーになれる。但しバランス的には2が出続ければ十分何とかなるレベルであり簡単なmapなら1のみでもクリア可能である
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ほとんどのユニットは一発で瀕死、運が悪ければ即死する厳しいゲームバランスを取っている。
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ダメージを受けたユニットはマップに点在する基地に収容すれば次のターンには全快するが、基地がデブラスに踏まれてしまった場合は収容したユニットもろともオジャンである。
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それに加えて中盤では怪獣が2匹に増えたり、いわゆるザコ敵…といってもこっちが2,3ユニット出てようやく勝負になるぐらい強いのだが…が出てきたりしてなかなかシビア。基本は怪獣の行く道を塞ぐ人海戦術だが、ザコが出てくるとそうもいかないのが厳しい。
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上記の仕様で難易度は低くないが、「圧倒的な強さの怪獣に対し、人類が知恵を絞り必死で抵抗するもやっぱりジリ貧」という状況を再現するには持って来いのバランスではある。
総評
見所の多いゲームではあるが、ルールが独特すぎてついていけない向きがあったようだ。
そんなわけでクソゲーとの声も時々あがるが、「怪獣映画のパロディ」というゲームのコンセプトを正しく受け止めたユーザーの反応はまずまず好意的である。
エンディングに続編を匂わせるメッセージが存在したが、残念というかもちろんというか、出なかった。
最終更新:2023年12月27日 19:34