新・中華大仙 ~マイケルとメイメイの冒険~

【しんちゅうかたいせん まいけるとめいめいのぼうけん】

ジャンル コミカルシューティング
対応機種 Wii
発売元 スターフィッシュ・エスディ
開発元 スターフィッシュ・エスディ
オペラハウス
発売日 2007年9月6日
価格 6,090円(税5%込)
判定 なし
ポイント 80年代のシューティング『中華大戦』2回目のリメイク
論外レベルの極薄内容・誰得リメイクの古典
中華大仙シリーズ
中華大仙 - 極楽!中華大仙 - 新・中華大仙 ~マイケルとメイメイの冒険~


概要

タイトーが1988年に発売したアーケード作『中華大仙』のリメイク作品。PCエンジンソフト『極楽! 中華大仙』に次ぐ、2回目のリメイクでもある。
使用コントローラーはWiiリモコン(横持ち)のみで、クラシックコントローラーなどの拡張デバイスには一切対応していない。


ゲームルール

原作(AC版)との相違点

  • 原作の主人公であるマイケルの他に、マイケルの妹である新キャラ「メイメイ」も自機として使用できる。また、二人同時プレイも行える。
    • 一人プレイにおいてはゲームスタート前にどちらかの自機を選択できる。二人同時プレイではお互いのプレイヤー両キャラを使用する事となる。
    • キャラによる自機性能は同等だが、ステージ中に取得できる法術の一部に差がある。
  • 残機 + ライフ制となっており、原作よりも自機ダメージの許容量が増した。1ミスあたりのダメージ回数は4~5回程度となる。
    • ミス後はその場復活となり、復活後はそれまでに所持していた攻撃力・移動速度のランク・及び法術すべてが消滅する。
  • 新操作としてスクロールスピードの調節が加わっている。但し、ボス戦全般においてはスクロールが停止する為、スピード調整は封じられる。
  • 取得した法術を2つまでストックできる。
  • 本作独自の新モード「レースモード」が追加された。

ゲーム全般のルール

ゲームの基本ルールは原作同様なので、ここでは操作と登場アイテム・法術の表記だけを行う。

操作方法

  • 十字キーで自機の八方向移動。
  • 2ボタンでメインショット。ボタン押しっぱなしによるオート発射可能。
  • 1ボタンで法術ショット。オート発射ができない為、手動で連射する必要あり。
  • Aボタンで使用中の法術の切り替え。
  • Wiiリモコンの傾けでスクロールスピードの調節。

アイテム・法術一覧

+ アイテム・法術一覧
  • アイテム一覧
    • 「力の壺」「強の壺」…前者は自機の攻撃力ランクを1上げ、後者は2上げる。攻撃力ランクの最大は6。
    • 「速の壺」…自機の移動速度ランクを1上げる。速度ランクの最大は7。
    • 「命の壺」…1UPの効果。
    • 「復の壺」…自機のライフが少量回復する効果。

法術一覧

  • マイケル・メイメイ共に取得可能
    • 「炎三宝」…自機上下後ろの三方向に火の玉を放つ。
    • 「地烈弾」…地面に放物線状に落下する爆発弾を放つ。
    • 「地平弾」…地面寸前に落下後、敵や障害物に当たるまで直進する弾を放つ。
    • 「鳳仙花」…地面に落下後、炸裂弾となって周囲に散る弾を放つ。
  • マイケルのみ取得可能
    • 「乱月光」…攻撃範囲の広い月光の強カ版。マイケルのみが取得可能。
    • 「貫地弾」…貫通能力が付加された地烈弾の強カ版。マイケルのみが取得可能。
    • 「火竜」…自機前方に滞在時間の長い"火の竜"を放つ。マイケルのみが取得可能。
  • メイメイのみ取得可能
    • 「月光」…攻撃範囲の広い月光弾を放つ。メイメイのみが取得可能。
    • 「八界火」…自機周りに8つの火の玉を付ける。メイメイのみが取得可能。
    • 「分身」…複数の自機分身を周囲に放つ。メイメイのみが取得可能。
    • 「地曲弾」…地面に放物線状に落下するバウンド弾を放つ。メイメイのみが取得可能。

モード別によるルール

  • ノーマルモード / ストーリーモード / 2人同時モード
    • 各モード共にメインにあたるモード。ゲーム的な意味での差異はなし。全5ラウンド構成。
      • ノーマルはほぼノーイベントでステージを進めるモード。いわゆるアーケードモード的な内容。
      • ストーリーはゲーム中の要所にイベントが発生するモード。使用自機によってイベントに若干の差がある。
      • 2人同時はその名の通り、二人同時プレイが行えるモード。当然ながらこのモードのプレイにはWiiリモコンが2つ必要。
    • スコアランキングやネームエントリーなどの記録はされないが、ハイスコアは各モードで記録される。
  • レースモード
    • 上記いずれかのモードをオールクリアすると選択できる、本作独自の隠しモード。
    • ステージ内容はメインモードの流用だが、以下の相違点がある。
      • 自機のショット操作のすべてが封印され、敵を避けるだけに特化したプレイスタイル(つまりは避けゲー)となる。
      • 速の壺・命の壺・復の壺の各アイテムがステージ内に放置されている。
      • ショットが撃てない関係上ボス敵が出現せず、ステージの奥に進むだけでクリアとなる。
    • このモードにはスコアはなく、代わりにクリアタイムが記録される。
  • オプションで「BGMと効果音の有無」「難易度(3段階)」「残機数(0・3・5)」のいずれかを設定できる。

問題点

  • 薄すぎるゲーム内容
    • フルプライスのソフトとしては論外レベルのゲームの薄さが真っ先な問題として挙げられる。「リメイクならでは」という作り込みは皆無。
      • 本当に原作の作風を忠実に作り変えただけ。ラウンド数はそのまま、ゲームとしての古臭さもそのまま。
      • 二人同時プレイや自機選択といった新要素もあるにはあるが、元のゲーム内容が薄いので大した魅力になっていない。
    • ストーリーモードのイベントも「適当に入れた」感の強いもので、イベント自体が空気でしかない。
      • しかも、エンディングは打ち切り同然の素っ気なさ。全モード共にオールクリアしてもスタッフロールもなく「GAME OVER」の一文字でモード終了
    • 隠しであるレースモードに関しても「ショットなしで敵を避けるだけ」という、手抜き感極まりない内容である。
  • 粗悪なゲームバランス
    • 原作におけるゲームバランスがほとんど改善されていない。古臭さをあえて踏襲するにしても、バランス面での改善がないのはやはりいただけない。
      • 自機を順調に強化するとチート染みた一方的な攻撃が行える半面、ミスすると復活が困難な仕様は相変わらず。
      • ライフ制で許容ダメージ数は緩和されたものの、自機のやられ判定が異様に大きい上にダメージ後の無敵時間がないので、危機的状況に変わりなし。
      • その場復活になった事である程度のごり押し進行ができる場面もあるが、敵の猛攻地帯でミスすると何もできないままに生殺し状態となりやすい。
    • オプションによる難易度の差があまりなく、最高難易度のハードでプレイしてもオールクリアが容易い。
      • 敵の猛攻が全体的に大人しいので、ミスさえしなければ驚くほどにあっさりとしたオールクリアが可能。やりがいなんてあったものじゃない。

評価点

  • シューティングとして遊べなくはない
    • ジャンルとして崩壊している面はなく、良くも悪くも普通のシューティングである。
      • 良くいえばライト感覚のシューティングであり、初回プレイ位ならば楽しめなくはない。
    • 新操作であるスクロールスピードの調節は、自分のペースに合った攻略法が行えるという意外な活用性がある。ここは素直に評価できるだろう。
  • BGMに関してはオリジナル版のBGMのアレンジとなっており、中華らしい雰囲気のあるアレンジで少々地味だがそれなりに良い。

賛否両論点

  • 豹変したビジュアル面
    • 原作に比べるとキャラクターデザインが今風の可愛らしい系のものになり、外観上は原作とはほとんど別物である。
      • 原作尊重の観点からみれば賛否あるが、デザインそのもののクオリティは悪くない。メイメイなどの女の子キャラは普通に萌え可愛い。
        デザインに変な癖やアクの強さもなく、今の時代に合わせたリファインとしては無難といえるデザイン性である。

総評

フルプライスでこの薄さはない」との酷評が凄まじい一作。今となっては「せいぜいWiiウェアの500円クラスの出来」という評価である。



余談

  • そもそも元より評価がさほど高い訳でもない原作を、20年近くの時を超えてなぜリメイクしたのかが大きな謎である。
    • 原作は今は亡きホット・ビィが開発を行っている。スターフィッシュに原作の元開発者が所属しているという繋がりがあるにはあるが…。
    • 本作に関わらずスターフィッシュはホット・ビィ時代のリメイク・関連作品を積極的に発売する事で知られる。
      • 『鋼鉄帝国 from HOT・B』『スーパーブラックバスシリーズ』『デビリッシュ ~ボールバウンダー~』などがそれにあたる。
        原作(メガドライブ版)の『鋼鉄帝国』は、スチームパンクの世界観や映画的演出のこだわりといった点で、シューターからの評価が高かった作品である。
  • クソゲーオブザイヤー2007据え置き機部門の選外に選ばれている。
    • 「論外なゲームの薄さではあるものの、シューティングとして致命的な欠陥がない」という理由から、あまりにも地味すぎてほとんど話題になっていない。
  • かつては本作のソースを流用した『大聖王』というWiiジャケットソフトが国内でリリース予定だったが、発売されたのはその海外版『Saint』のみとなった。詳細は「未発売ゲーム」の「海外のみ発売」の項目を参照のこと。
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最終更新:2020年06月27日 09:15