ピストル大名の冒険
【ぴすとるだいみょうのぼうけん】
| ジャンル | シューティング | 
| 対応機種 | アーケード(SYSTEM I) | 
| 販売・開発元 | ナムコ | 
| 稼働開始日 | 1990年10月 | 
| 判定 | ゲームバランスが不安定 | 
| バカゲー | 
| ポイント | 世界観と難易度の両面で馬鹿げているシューティング | 
 
概要
『超絶倫人ベラボーマン』のスピンオフ作品。ボス敵の一人、ピストル大名を主役にした横スクロールシューティングである。
ピストル大名とは?
元は『超絶倫人ベラボーマン』の忍者屋敷ステージのボスで、爆田博士が作った大名型ロボットである。
ちょんまげの先っちょが大砲になっており、『ベラボーマン』では降参した振りをしてミサイルを発射して騙まし討ちにするのが得意の卑怯者であった。
本作では正義に燃える「かやくご藩」の城主、火縄丸として登場。
彼の住む城では12歳になると元服の儀式として3つの過酷な修行を終えねばならず、火縄丸も藩の当主としてその旅へと向かうこととなる。
ゲーム内容
- 
戻り復活制の横スクロールシューティング。
- 
残機は開始時の3機のみで、アイテムや点数によるエクステンドは無い。
 
- 
8方向レバー+1ボタン(ショット)で操作。ショットは自機が頭に装備している大砲から出る。
- 
真っ直ぐ飛び連射可能な通常ショットと、ボタン押しっぱなしでの溜め撃ちが可能。溜め撃ちは溜め時間によって中型砲弾、大型砲弾になり、放物線状に飛んで地面でバウンドする。
- 
大型砲弾が着弾すると攻撃判定を持った花火がしばらく展開する。が、威力は微々たるもの。
 
- 
また、自機は扇子をパタパタさせて浮かんでいるという設定のため、レバーを動かさないでいると徐々に下降する。
 
- 
ステージ選択制。ステージ開始時に「旅立ちの巻」の他、「悪ガッパの巻」「しゅりけん団の巻」「あやかしの巻」「おどろ教の巻」「黒船来たるの巻」の中から選択してプレイする。
- 
「旅立ちの巻」は1面構成でスルー可能、それ以外は1ステージ4面構成となっている。
- 
「旅立ちの巻」以外のステージを3つクリアすると、最終ステージである「ゴンスケ団の巻」に強制的に移行する。
 
- 
ステージ内の壺を破壊するとパワーアップアイテムが出現する。たまに道中に落ちていることもある。
- 
黄色い壺からは火力アップアイテムが出現する。
- 
青い壺からは花札が出現する。花札の種類は「カス札」「短札(青短のみ)」「20点札」の3種類で完全ランダム。
- 
花札を3つ揃える事によってくす玉が出現し、スカだと何も出ないが当たりだと中からパワーアップアイテムが出てくる。
- 
くす玉は花札の役によって3種類に分かれる。役無しだと「ナス玉(スカ多し)」、青短(短札x3)を揃えると「鷹玉(スカ少なめ)」、三光(20点札x3)だと「富士玉(スカ無し)」になる。
 
- 
くす玉から出るアイテムは以下の通り。ナス玉・鷹玉は「スカ」「扇子」「オケよろい」のいずれか。富士玉は必ず「カマよろい」が出る。
- 
「扇子」:スピードアップ。
- 
「オケよろい」:1回だけ敵の攻撃を防ぐ。2つ取ると「カマよろい」になる。
- 
「カマよろい」:敵の攻撃を防ぐと「オケよろい」になる。つまり実質2回まで敵の攻撃を防げる。
 
 
評価点
- 
1つのステージが原則「短めの道中にボス戦」の構成のためテンポよく進行していく。
- 
底抜けに明るい独特の和風な世界観は演出的にも見所が多い。
おバカな点
- 
大砲になってるちょんまげと足の扇子で飛ぶ自機「火縄丸」のキテレツな見た目はインパクト大。
 本家の『ベラボーマン』の時と比べてデフォルメがかかっており、可愛らしい見た目になっているがそれでも怪しさを感じさせるのは流石というべきか。
- 
そしてミスをすると「やーられちったぁい」のボイスと共に何故か裸踊りを踊りだす。
- 
それゆえ、後述の難点のために裸踊りを何度も見せられるプレーヤーが続出した。
 
 
- 
敵側も敵側で倒されると「アンビリバボー」と叫びながら落ちていくザコ敵や頭のお皿を武器で飛ばしてくる河童型のボス等曲者揃い。
- 
ボス戦では短い台詞によるやり取りがあるのだが、中にはクスリと来るものも。
 
問題点
- 
難易度が極めて高い。
- 
理由としてはまず、弾の軌道が独特であることが挙げられる。
- 
通常弾は威力が非常に弱いため、必然的に溜め撃ちを多用することになる。しかし溜め撃ちは放物線状に飛ぶため、慣れないと狙った所に思うように当てられず非常に難儀する。
 
- 
耐久力の高い敵キャラがひっきりなしに出現する。
- 
そのため溜め撃ちを確実に当てていかないとすぐに追い詰められてしまうが、上述のように非常に攻撃が当てづらいので辛い。
 
- 
ただでさえ攻撃しづらい仕様の上、レバーニュートラル状態だと徐々に下降していく自機の特性にも気を使わねばならない。当たり判定も大きく速度も遅めな自機に対して、高速で突っ込んでくる敵が多いことも死にやすい一因。
- 
ボムなどの緊急回避手段もない上、ステージ道中に戻り復活の復活地点が設定されていないので、1度ミスするとスタート地点まで戻されてしまう。
- 
パワーアップ手段である花札は、どの絵柄が出るかはランダム。更に役を揃えないとスカばかり出るため、オケよろいを取りたくてもなかなか取れないケースも多々ある。
- 
しかし運が良いとナス玉でもオケよろいが出まくる場合もあり、戻り復活仕様のためオケよろいは1UPよりも価値があると言えるので、この辺は運が大きく左右する。
 
 
- 
ステージによる難易度の落差が非常に大きい。
- 
「黒船来たるの巻」はステージ道中が本作はもちろんSTGでも屈指の難しさを誇るため、何も知らずに選ぶと仰天すること請け合い。
- 
「おどろ教の巻」は黒船よりマシだが、それでも難しめで、ボスの強さは黒船を凌ぐ。この2ステージを回避するのが安全策と言われている。
- 
上記ステージを回避したとしても、「悪ガッパの巻」や「しゅりけん団の巻」はまだともかく「あやかしの巻」もかなり手ごわい。ここを超えられるかどうかが1コインクリアへの分かれ道。
 
- 
ラストステージである「ゴンスケ団の巻」は
コンティニュー不可
。
- 
これ自体は同時期のアーケード作品では珍しくはない仕様(同社の「バーニングフォース」やカプコンの初代「ストリート」等も最終ステージは同じ仕様であった。))だったが、難易度の高さを考慮すればさすがにキツい。
 
総評
あまりの高難易度故に、バカゲーとして認知される前に激ムズゲーとみなされてしまったゲーム。それゆえ客付きも少なく早々に店頭から消えていった。
もう少し難易度的に調整が施されていたら良作バカゲーとして認知されていたかも知れない惜しい作品である。
移植
- 
かつては携帯アプリで配信されていたが、こちらでは難易度の高い2ステージ(「おどろ教の巻」、「黒船来たるの巻」)が丸ごとカットされていた。
- 
アーケードアーカイブス(ハムスター)PlayStation 4、Switch版(2022年1月27日配信)
- 
本家ベラボーマンを差し置いて稼働開始32年目で家庭用ハード初移植。また、本作がアケアカNEOGEOを含むアーケードアーカイブスシリーズのよりにもよって丁度300作目となっている。アーケード版の忠実移植だが「黒船来たるの巻 その弐」のボスの台詞が改変されている。
- 
使用頻度の高い中型砲弾を連射できるボタンが2種類実装されており、遊びやすさが格段に上昇している。
 
余談
- 
源平プロジェクトが関わっているといわれることが多いが、実際には源平プロは『超絶倫人ベラボーマン』や『ステラニアン(未発売)』の開発を最後に活動を停止している。
- 
元所属スタッフが個人サイトのコメントで明かしたところによると、本作はナムコ第一開発部に残留した高橋由起夫氏(バラデュークの2P及び爆突機銃艇の1pキャラ・TAKKYの名前の元ネタ)が単独で開発したものであるという(ソース)。
 
- 
なぜか本家ベラボーマンや源平プロの処女作・源平討魔伝を差し置き、あの三共からパチンコ「CRフィーバーピストル大名」が出ている。
- 
カッパが下半身裸の女性をキュウリで攻めたりとかなりお下劣な内容。
- 
ちなみにこちらはゲーム本編を差し置いて後にセガサターンへ移植された。
 
最終更新:2025年06月11日 21:52