ライトファンタジー

【らいとふぁんたじー】

ジャンル RPG
対応機種 スーパーファミコン
メディア 8MbitROMカートリッジ
発売元 トンキンハウス
開発元 アドバンスコミュニケーション
発売日 1992年7月3日
定価 8,900円
セーブデータ 3個(バッテリーバックアップ)
判定 クソゲー
ポイント 時間がかかりまくる戦闘
序盤から殺しにかかってくる敵
無駄に多い状態異常
カタパルト部隊御一行様
クソゲーだが印象に残る不思議なゲーム
ライトファンタジーシリーズ
I / II / 外伝 ニャニャンがニャン


概要

『ライトファンタジー』という、ライトユーザー向けのようなタイトルを思わせる、初見さん殺しのゲーム。
ほのぼのとしたファンタジーの世界観、「殺さない」というRPGにしては珍しいコンセプト、
町の人でも敵でも話しかければ仲間に誘えるというパーティの自由度、
はけたれいこ氏の可愛いイラストにひかれてプレイすると、間違いなく大変な目に遭う。

特徴

  • 町やフィールドマップは一般的なRPG同様
    • 戦闘はランダムエンカウント方式。地域に関わらず、敵の種類(強さ)はこちらに合わせて上がっていく。
  • 戦闘は初期のウルティマのようなタクティカルバトル形式
    • シミュレーションゲームのようにマップ内に敵味方のユニットが配置され、その中で移動した上でコマンドバトルのコマンド(攻撃、逃げる、等)を選択する。
      • 行動順はランダムで敵か味方のどちらが先か決まり、それぞれ全員行動行動する事でターン交代。(敵→味方)→(味方→敵)…のように場合によっては2連続行動になる事もある。
    • ダメージを受けた際には残りHPの割合によって、敵味方共通で「うっひ~」「しぬ~」等の悲鳴ボイスが表示される。
      • HPが減るごとに表記が変わっていくため、おおよその敵の残りHPを察する事が出来る。
    • 状態異常が多数存在し、専用の回復アイテムも店売りされている。
      • また、状態異常になると戦闘中及び、フィールドマップのグラフィックが各状態異常専用のグラフィックに変化する。
    • 戦闘は開始時点でマニュアルとオートを選択でき、オートを選ぶと戦闘が終了するまで自動操作が続く。
  • 仲間キャラはイベント加入する固定キャラ(「運命の星」を持つもの)の他、町にいる人やモンスターを勧誘する事が出来る
    • 仲間キャラは神殿で入れ替えが可能で、ここでは名前の変更も可能。(勧誘キャラは「バニー」やモンスター名等の一般名称になっている。)
    • フィールド上のコマンドでは仲間に「そうだん」する事も可能で、キャラ毎にメッセージが用意されている。
    • 主人公及び、イベント加入キャラが死亡するとその時点でゲームオーバーとなる。
      • 戦闘に敗北すると画面が暗転し、「…まだまだ、力不足だったのかもしれない…ああ…目の前がくらくなっていく…」のメッセージの後「GAME OVER」と表示され、タイトル画面に戻される。全滅時に町に戻されたり、コンティニュー可能だったりという救済措置はない。
  • 魔法は魔法屋で購入し装備させることで使えるようになる。
    • 一人につき上限は8つ。
  • 戦闘中とイベント中以外でなら「女神の書」でいつでもセーブできる。
    • フィールドやダンジョン内でもセーブは可能。
  • 本作のキャラデザのはけた氏は、シナリオ等も手掛けている。
    • その為、事実上の「はけたワールド」が展開されている。

問題点

戦闘システムの問題

本作の問題はおおよそ戦闘のバランスの悪さ、だるさにある。

時間のかかる戦闘

  • 雑魚戦ですら1回の戦闘に時間がかかる
    • 1ターンで移動できる距離が少なめ(一応、移動距離が多いキャラもいるにはいる)で、遠距離攻撃手段を手に入れるまでは最初2~3ターンは移動だけで終わる事も多い。
    • 敵味方ともにしょっちゅう攻撃を外す。魔法さえも一部の魔法を除いて外れまくる。
    • ある程度進めると敵が最大数の8体で出てくる事も多く、中盤以降は必中の全体攻撃魔法「ゴンゴン」「マンモス」「ケシー」*1を使わないと、とてもやってられない。
    • 雑魚戦で毎回命中率の悪いシミュレーションゲームをやっている事を想像すればわかるが、とにかく雑魚戦ですら無駄に時間がかかる。
      • 場合によっては1回の戦闘で何十分もかかる事もザラにある。
      • オート戦闘はAIがお馬鹿で使い物にならない。後述するバランスの悪さや、こちらに合わせて敵が強くなる仕様も相まって、オート選択は自殺に等しい。
      • 逃走が割と成功しやすいのが一応の救い。
  • しかもエンカウント率も高い
    • 少し歩いたらすぐ戦闘になってしまうので、その度に上記のかったるい戦闘をやらされる。
  • そして広いマップとお使いゲーが更にこの問題を後押しする
    • マップは全体的に無駄に広い。
      • 最初の城ですら、特に何もないのに無駄に長い通路があったり、移動するだけで面倒。
      • 宿屋のカウンターが店の奥に配置されており、そこまで歩く距離が少し長いため宿泊時に少々不便。
      • 当然ダンジョンも広く、結果的に戦闘も増え、さらに面倒な事になる。
    • シナリオ終盤に酷いお使いゲーが始まり、ろくなボス戦もなく、ひたすらあっちこっち歩かされる。
      • シナリオ的にはもう終盤なのだが、その長さからこの展開の始まる前の大ボス戦が中盤とも言える程。

ゲームバランスの問題

  • 攻撃力と防御力のバランスがうまくとれていない。
    • ハッキリ言ってステータス的には攻撃力の優位性がとても高く、装備品は攻撃力を重視した方が楽に進める。
      • 攻撃力を上げれば結果的に戦闘時間を短縮できる利点があるのもそうだが、防具では魔法ダメージを軽減できない為、やられるまえにやった方がいい。
  • 主人公のレベルで出てくる敵キャラが決まるため、楽な戦闘をさせてもらえることは少ない。
    • 「序盤で敵がいきなり殺しにかかってくる」といわれる理由の一つで、主人公と仲間とのレベル差があると厳しい仕様になってしまっている。
    • さらに主人公及び強制加入キャラが死ぬとゲームオーバーになる為、レベル差のある強制加入キャラは戦闘に参加させづらい。
      • 中にはダンジョンの最奥で加入する上に、そのダンジョンの雑魚敵に一発で殺されるコタローなんていうむしろトラップと言った方がいいキャラまでいる。しかもこのゲーム、脱出用のアイテムや魔法はない。どこでもセーブが出来るのと、後は出るだけなので詰みはしないものの、はっきり言って邪魔でしかない。
  • 魔法の燃費が攻撃、回復ともにとてつもなく悪い。
    • 初期からMPが2~30ある為ある程度自由に魔法が使えるのかと思えば、その分消費も重く、初級魔法でもやはり2~30消費するため、初期は一回しか魔法が使えない。
      • とはいえ、MPを回復するアイテムも豊富にある。下準備さえしっかりすればさほど困らなくなる。
    • 一応、ダンジョンで明かりをつける「ライト」等はある程度消費が抑えられている。
  • 状態異常の種類が多過ぎる。
    • 課されるペナルティも、「自然治療無しの行動不能」等致命的なものが多い。
    • 回復するアイテムも各状態異常ごとに別々にあるのでいちいち用意するのも大変。治療用魔法の消費MPも数十くらい費やす。加えて宿屋に止まっても状態異常までは治してくれない。
    • 「火傷」と「感電」と「毒」状態は、移動してから行動を起こそうとした瞬間にダメージを喰らう。ダメージはそれぞれ30、20、10。無論、そのダメージでも死に至る為、瀕死状態でこれらのステータス異常にかかってしまったら、まさしく『死、あるのみ』である。
      • 上記のように本作の状態異常はどれも非常に強力。敵にかけてしまえばかなり有利になる面もあるが…。
    • 状態異常の種類が豊富な割には持ち物制限がきつい。
      • アイテムの所持方法がいわゆるDQ形式で一つ一つ表示する形式になっている為、各種状態異常対策のアイテムを複数持っておこうと思ったらそれだけでアイテム欄を圧迫するし、そうなるとMP回復アイテムも持てなくなる。
      • さらに物語を進めるごとに重要アイテムが持物欄を圧迫していく。イベントを終了して不要になった重要アイテムでも預り所に預けられない。
  • 武器も多数ある割にはバランスはとれていない。
    • 剣やら弓やらチェーンソーやらいろいろな武器があるが、バトルシステムの関係で間接攻撃可能な弓矢系の武器が圧倒的に有用性が高い。攻撃力が足りないキャラの場合はこの限りではないが。
    • 物語の後半で他の殆どの武器が霞んで見えるほどのチート性能を持つ「とうせきき」が登場するため武器を選ぶ余地が無くなる。
      • しかもこの武器はほとんどの仲間が装備できるため、物語後半はカタパルト部隊になること請け合いである。
    • ラスボス戦は四方を溶岩に囲まれていて近寄れない為、射程1の武器は完全に役立たずになる。
      • 一応、主人公に関してはその点は考慮されており、イベント入手武器「大地の剣」は遠距離攻撃もできるようになっている。
      • 裏を返せば ラスボスもこちらを殴れない という仕様になっている。上述した防具の仕様と相まって、防御力がますます意味を無くしてしまう事に。
  • 仲間の種族のうち、ドラゴン族だけHPとMPの伸びが異常に良い。
    • レベルアップによる全ステータスの上がり方が全く死角のない急成長率。レベルが高くなってくるとまず死ななくなる。ファンタジーでドラゴンが強いのは定番であるが…。
      • 一応、グリーンドラゴン以外はステータス異常に弱いという弱点はある。
  • 行動順の問題
    • 前述のとおり、全員がランダムに行動するのを1ターンとしたターン制だが、そのせいで複数の敵が連続で攻撃してきたり、ターンを挟んで同じ敵が連続行動してきたり(前ターン最終、次ターン初手を引いた場合)といった事がある。ランダムな為に戦略的には読みづらくなっており、行動順のせいで壊滅する事もままある。

その他の問題点

  • シナリオが短い
    • ストーリーは王道RPGを思わせるのだが、いかんせん展開が短すぎる。
      • 戦闘システムとマップの広さもあってプレイ時間は結構な長さになりやすいが、その内、シナリオに触れている時間は非常に少ない。
  • ラスボス撃破後にもセーブできてしまう
    • 当然戦闘は起きない為、後はEDを見るだけのデータになってしまう。
    • もっとも、あの地獄のような戦闘をクリア後にまでまたやりたいプレイヤーがいるかと言われると、先ず『否』だろう。このゲームに関してはこれでよかったのかもしれない。
  • いわゆるポケモンフラッシュを多用しており、目が痛くなる。
  • その他細かな問題点
    • 微妙に悪いキーレスポンス。
    • 酒場のミニゲームが1種類しかないのでちょっと寂しい。
      • ちなみにこのミニゲーム、 100%正解にする裏技がある。
    • ゲームバランスに影響するバグがある。
      • 本来は敵の出現を一定歩数封じるアイテムである「女神のお守り」を使った後、効果が切れないうちにセーブ及びロードすると、それ以降敵が出なくなる。別のデータで「女神のお守り」を使って効果が切れたのを見てからロードしなおせば直る。
    • 「ねこまんま」を食べさせるとラックの値が上がる(後半はこのドーピングをしないと難しい)のだが、値が255の状態でレベルアップすると0になってしまうオーバーフローバグがある。

バカゲー要素

  • 戦闘中に敵味方がダメージを受けた時に発するセリフが、どれも脱力感が漂っている。
    • 「敵含んだ全キャラ共通」のためたとえ戦闘前に威厳を見せつけていたボスやラスボスでさえも「もうダメ」「しぬ~」とか言う為、非常にシュールである。
  • 状態異常によるキャラアイコン変更でツッコミどころのある画面になってしまいやすい。
    • 共通のグラフィックに変更されるため、複数のキャラが同じ状態異常にかかると見た目では誰が誰だかわからなくなってしまう。
    • 状態異常アイコンのままイベントが進む場合もあり、キャラの見た目が大きく変わっているせいで非常にシュール。
  • キャラごとに設定された「とくちょう」
    • ステータスで見れるテキスト表示のみで特に意味のあるものではないが、性格等が記載されていて無駄に凝っている。
      • 中には「マブい(美しい)」なんていう、当時ですら既に死語となっている物もある。
  • 一部の女性向けとされる装備品が、一部の男性キャラが装備できる。
    • 「ボディコンふく」や「マニキュア」など。
  • 一部にはメタネタも。
    • フィールドでいきなりBGMが変わった際に、「何だこの戦とうのきょくは?」とメタなセリフが出てくる。

評価点

シナリオ・演出面

  • 短いながらもシナリオは凝っており、割と出来は良い。
    • 最終的に主人公に倒され諭される事にはなるが、ラスボスの行動原理も絶対悪ではない。
  • イベントでは一枚絵(一部では口パクがある)があったりと、演出面では結構頑張っている。
  • BGMは名曲が多い。
    • 中でも通常戦闘曲は戦闘システムの関係でインパクトを残すものとなっている。

システム面

  • 仲間にできるキャラの自由度。
    • 多彩な攻撃を持つモンスターはもちろん、町に住んでいる人まで仲間に出来てしまう。
      • 村人たちのステータスはモンスターよりも低いものの、成長はしっかりしているし強力な魔法を覚えさせれば心強い味方となるため、自由度が損なわれたりはしない。
    • 相談によるメッセージで彩りも加えられているため、より愛着が湧く。なんと状態異常時のメッセージまで用意されている。
      • 一方で、相談メッセージの使いまわしは多く、折角「とくちょう」の項目があるのに、それを顧みないテキストが選択されることも珍しくない。
    • ただその仲間たちが登録される「登録所」は、たった8キャラ分しか登録できないためコレクションといった要素が出来ないのが悲しい。
  • 「魔法」が購入し装備する形式である為、自由度が割と高い。
    • 8つまでという制限はあるが、状態異常の回復や攻撃の為、仲間にいかに振り分けるかがポイントになる。
    • 一度装備した魔法を「売る」事もできる為、不要になった魔法を売って、空いた枠に新たな魔法を入れる事も可能。
      • なお、高値で売れる魔法を持つモンスターを仲間にして魔法を売ってお金にしてそのモンスターと別れた後に、また同じモンスターを仲間にしてお金を稼ぐという金稼ぎも可能。
  • どこでもセーブできる為、かろうじてゲームバランスはとれている。
    • 時間がかかる上に、メインキャラが死ねば即ゲームオーバーの本作でこれがなかったら、今以上に地獄になっていただろう。

総評

独自システムやシナリオ、演出等、良いところもしっかりあるのだが、戦闘システムの酷さとエンカウントの酷さが全てをぶち壊してしまっている。
戦闘以外のシステムは割ときっちり仕上がっているので、戦闘システムの練りこみがもっとしっかりしていれば、良作にもなりえたかもしれない。
独得すぎる雰囲気や世界観等から何だかんだ強い印象は残りやすく、戦闘は酷いが嫌いになれないというプレイヤーもいるゲームではある。


その後の展開

  • 続編として『ライトファンタジーII』が出ている。詳しくは該当の記事で。
    • また、外伝作品で『ライトファンタジー外伝 ニャニャンがニャン』というのも出ている。

余談

  • ゲームバランスについて
    • 本作は隠しコマンドによる隠しメニューで移動速度を早くしたり、裏技で楽に金稼ぎ出来たりする。本作のゲームバランスの悪さもあり、これらの裏技前提でデバッグしてバランス調整したのでは?と言われている。
      • また、バグ技を使用すると、エンカウントなしにする事も出来る。これらを駆使してちょうどいいバランスとまで言われる事も。
最終更新:2021年10月21日 10:17

*1 『ケシー』のみ、とある味方キャラ1人だけしか使えない魔法。