大仁田厚 FMW

【おおにたあつしえふえむだぶりゅー】

ジャンル 格闘アクション
対応機種 スーパーファミコン
発売元 ポニーキャニオン
開発元 マリオネット
発売日 1993年8月6日
定価 9,800円
判定 クソゲー
ポイント 劣悪なバランス
イカれたレスラーばかり
人によってはバカゲーかも


概要

「キングシャドウ」によって突如設立された悪のプロレス団体「SMW」(シャドー・マーシャルアーツ・レスリング)に、大仁田率いるプロレス団体「FMW」の四天王が立ち向かう、という設定の格闘アクションゲーム。

いわゆるストーリーモードである「打倒SMW」と、対戦が出来る「2人対戦」のモードがある。

両モードとも、当時の「FMW四天王」である、大仁田厚、ターザン後藤、サンボ浅子、リッキー・フジの4人の中から一人選んでプレイする。

十字ボタン左右で移動、上でジャンプという動作は一般的な格闘アクションゲームと共通。本作にはしゃがみという動作は無く、攻撃方法もパンチ、キック、ジャンプキック、組み技、ぶちかまし技(ダッシュ攻撃)の4種類のみである。

プレイヤーの体力ゲージの下にある「気」「根」「魂」というランプは、それぞれ組み技である「気合技」「根性技」「大和魂技」を使うのに必要な必殺技ゲージのようなものである。

  • 「気合技」…十字ボタン上+ボタン連打で、ランプ1つ分を消費して出る小技。
  • 「根性技」…十字ボタン相手方向+ボタン連打で、ランプ2つ分を消費して出る中技。
  • 「大和魂技」…十字ボタン下+ボタン連打で、ランプをフルに消費して出る大技。
    • 大技はプレイヤーキャラの代表的な技が出る。大仁田なら「サンダーファイヤーパワーボム」、後藤なら「フェイスバスター」、浅子なら「アサコ・スペシャル」、フジなら「カミカゼ」が出る。
    • 一度消費したゲージは時間経過ともに回復していく。また、プレイヤーの体力が大きく減ると1度だけ一気にフルとなり、一発逆転のチャンスが生まれる。

大抵のステージにはトラップがあり、ステージ両端に行ってしまうと、トラップが作動し、レスラーにダメージを与える。

2本先取で「撃破」となり次のステージへ進める。負けると「出直し」となり、もう1度仕切り直しとなる。ゲームオーバーという概念は無い。勝っても負けても、試合中にどれぐらい組み技を使ったかが表示され、ポイントが蓄積していくと防御力が上がっていく。


問題点・変な点

  • 本作のストーリーは大仁田が担当している。また、監修は放送作家の高田文夫、お笑いコンビの浅草キッドが担当している。そのせいなのかどうなのかは不明だが、本作はプロレスゲームというよりは、プロレス風の格闘アクションゲームであり、内容も非常にカオスなものとなっている。
    • キャッチコピーは「単なるプロレスゲームに留まらず、大和魂や気合などの新機軸を盛り込んだ新世代プロレスゲーム」との事。
    • 説明書には「このゲームはヒューマン・スペクタクルであり…人間の可能性への追及でもあります」という大仁田からのメッセージがある。
  • ゲームバランスは悪く、敵の攻撃判定は理不尽に大きい。通常時、こちらの利用度の高い技はジャンプキックのみ。間合いを測ってジャンプキックを当て、相手をステージ両端のトラップに追い込むのが基本。なお、ターザン後藤、サンボ浅子は一切ジャンプが出来ないので、ジャンプキックは使えない。故に、この2人でのプレイは困難を極める。
    • 組み合った時は大ダメージを与える組み技が狙えるが、かなり頑張ってボタンを連打しないと逆に相手に投げられてしまう。
    • Xボタン押しっぱなしで左右でダッシュが出来、ダッシュ中にYボタンで「ぶちかまし技」が出るが、出が遅い、当たり判定が弱いなどの理由でほとんど使い物にならない。
  • タイトル画面で「打倒SMW」を選ぶと、「FMWは絶対に潰さん!」と大仁田のボイス*1が流れるが、あまりに音質が悪過ぎて「FMWは撤退するぞ!」とも聞こえてしまう。
  • 敵である「SMW」のレスラーは全員架空の人物だが、対戦ステージ含め、まともな奴は皆無と言っていい。
+ 一覧
  • 夜叉神 竜蔵…出身地は京都府。殺人相撲として恐れられていたケハヤ一族の子孫。SMW一番の怪力らしい。「土俵下には地獄がまっている。俺のうっちゃりスープレックスでおまえなんかいちころだ!」
    • 地雷爆破土俵デスマッチ…芸者が見守る中、土俵の上で戦うステージ。背景には桜、富士山が、屋根には「大入」の垂れ幕が見える。時折画面奥を新幹線が通過する。クッションの無いガチガチの土俵はそれだけで投げられた分受けるダメージが大きいとの事。土俵両脇には戦争で使われた物と同種で、200キロの岩石をも木端微塵にするらしい地雷が仕掛けられている。
      • プレイヤーが2本先取すると背景の富士山が噴火する。
  • マーシャルボーグ…出身地は池袋。強くなるために身体を70%機械にしてしまったサイボーグ戦士。形状記憶合金製らしく、手足は敵を攻撃する瞬間に鋭利な突起に変化し、より相手にダメージを与えるとの事。必殺技は「真空飛び膝蹴り」だが、とてもそうは見えない。「体を鍛えるヤツはバカだ!オマエもSMWに入って簡単に強くなれるサイボーグ手術を受けてみないか?」
    • 格納庫デスマッチ…ステージ両端には戦闘機があり、端に行くと戦闘機のジェット噴射で燃やされる。
  • ボム・ナックルズ…ボクシング協会から永久追放されたヘビー級ボクサー。ミットに爆薬を仕込んでおり、ヘビー級のパンチ力と火薬の威力を合わせて相手に相当なダメージを与えるとの事。「プロレスラーごときが、ボクサーのパンチとスピードについてこれるかな」
    • 金網爆破デスマッチ…金網には小型爆弾が仕掛けられており、触れると爆発する。小型といっても1度に連鎖的に爆発するので侮れないとの事。
  • ディスカバー・ラヴ…アマレス・チャンピオンだったが、東洋の文化に憧れ、ヒッピーにドロップアウト。空手も初段の腕前のサイケデリック・ソルジャー。「紫の煙でオマエをキモチイイトコロに連れて行ってやる。たのしみにしててちょ」
    • サイケデリック・デスマッチ…背景にはネオン街が見える。このステージのみ、ダメージを受けるトラップは存在しないが、実はこのステージこそ最大の難所であり、最狂の場所でもある。
      • 敵であるラヴは通常はパーマの黒人だが、一定量ダメージを受けると口から煙を吐き、ピンク色のキノコの着ぐるみを着た姿に変身する。それに伴って背景も歪み、色彩及びBGMもサイケデリックなものとなる。子供が見たら確実にトラウマになりかねないほど不気味である。
      • キノコ状態になったラヴはちょこまかと動きつつパンチを繰り出すだけだが、実はこの状態の時は防御力が極端にアップし、攻撃を当てても体力を1~3ドット減らすだけになり攻撃力が低いリッキーではダメージを与えられない。相手の攻撃は一切ガード不能である。おまけにこの状態は相手に一定ダメージを与えるか約40秒以上もの間続くので、本当に色々な意味でたまったものではない。
      • 煙を吐く瞬間にパンチを当てれば変身を阻止できるのだが、タイミングは非常にシビアでまず成功しない。ゲーム中最大の難所で、ここさえクリア出来ればクリアしたも同然なのだが…。
  • ジャントニオ・イノバ…出身地はタイ。海賊放送で見た日本のプロレス中継から、見よう見まねでプロレスを覚えた変わり者。自分をジャイアント馬場とアントニオ猪木の生まれ代わりだと思っているらしい。必殺技は「16文延髄斬り」。「ジャパニーズ・スタイルのプロレスが最強!それも昭和時代のプロレスが一番ストロングだ。オレの16文延髄斬りを受けてみろ!」
    • 電流ロープ・デスマッチ…ロープに触ると電流が流れる。
  • マスクド・ボンテッジ…イジメる事が大好きで、相手が苦しめば苦しむほど、嬉しくてたまらないマッチョマン・レスラー。「アナタの未来を占ってあげましょうか?あら、ヤダ。有刺鉄線に絡まって、のたうち回っているわヨ。フフフ」
    • 有刺鉄線デスマッチ…ロープが有刺鉄線となっており、触れるとダメージを受ける。
  • キングシャドウ…全身を銀色のコスチュームに包んだ謎の男。1本取ると、プレイヤーキャラそっくりの姿に変身する。
    • バリケード落雷デスマッチ…背景に国会議事堂が見える夜間で勝負する。ステージ端のバリケードに触れると雷を落とされる。1本取ると、国会議事堂が爆発して沈んでいき、空も青空となる。

キングシャドウに勝つとエンディングとなり、実写取り込みの大仁田を背景に、大仁田本人が手がけた詩が流れる。

+ 大仁田本人が手がけた詩
にんげん、うまれたからには、つよくなりたい、えらくなりたい
そのために、いっしょうけんめいどりょくして、
たくさんのこんなんやてきにうちかっていかなければいけないよな
でも、つよいやつにかったからって、それだけでいいのか?
せかいでいちばんになったからって、いばりくさってていいのか?
おれはそんなやつ、ぜったいにみとめない
そいつらは、いくらつよくたって、じぶんのなかのよくばりでつよいじぶんにまけてるんだ
そんなやつらがひとにやさしくできるはずがないよ、そうおもうだろ?
おれだってつらいときもある、じぶんにまけそうなときもある
でもおおごえでこうさけんでみるんだ…

己の敵は己じゃ!

これまた音質が悪過ぎて割れまくった大仁田の声と、画面右下に「完」の1文字が出た後、スタッフロールが流れる。

  • 妙な方向に凝ったレスラーがいる割に、ステージ前後の会話、ステージ間のデモは一切存在しない。 クリアすると「女子対戦」というおまけのモードが出現するが、内容は工藤めぐみを操作してコンバット豊田と1本対戦するだけというもの。工藤にはジャンプ技が無い。組み技は派手に飛ぶバックドロップがあるだけ。相手のコンバット豊田はガード不可能な凶器攻撃でハメてくる。クリアすると工藤のメッセージが見れる。 内容が薄過ぎておまけですらない。
  • 「2人対戦」では、対戦ステージこそ自由に選べるが、使えるのはFMW四天王のみ(同キャラ対戦は可能)。もっとも、こんな出来のゲームで対戦をしようという人がどれだけいるかは疑問だが…。

評価点

  • 「格納庫デスマッチ」のBGMはなかなかの良曲。

総評

はっきり言って、ゲーム本編よりも説明書の方が面白いゲームである。
FMWファンでも、大仁田ファンでも、定価9,800円の元を取るほど楽しむのは非常に難しいだろう。しかし現在では鬼籍に入ってしまっているサンボ浅子氏が使用出来る、非常に稀なゲームである。